JP2003130127A - 液体封入式マウント - Google Patents

液体封入式マウント

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JP2003130127A JP2001325131A JP2001325131A JP2003130127A JP 2003130127 A JP2003130127 A JP 2003130127A JP 2001325131 A JP2001325131 A JP 2001325131A JP 2001325131 A JP2001325131 A JP 2001325131A JP 2003130127 A JP2003130127 A JP 2003130127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで性能の優れた液体封入式マウント
を提供する。 【解決手段】 液体封入式マウントにおいて、軸方向に
移動自在とされたスタッド3と、スタッド3に取着した
減衰部材14と、内部に粘性液Lが満たされ、前記減衰
部材14をスタッド3の軸方向に移動自在に収容する液
室Gと、マウントの外部と気密的に設けられた空気室F
と、該空気室Fと液室Gとを連通する連通通路Hとを備
えると共に、粘性液Lの液面が前記連通通路H内に位置
するように粘性液Lを封入した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体封入式マウン
トに関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の作業車両においては、
作業時や走行時に発生する振動や衝撃がキャブに伝達す
るのを低減するために、キャブを液体封入式マウントを
介して車体フレームに装着している。一般的に液体封入
式マウントは、ゴム等の弾性体と、弾性体を貫通するス
タッドと、開口部に前記弾性体及びスタッドを嵌挿して
粘性液を封入するカップ状のケースと、粘性液に浸かる
状態でスタッドに装着された減衰部材とを備えており、
ケースを車体フレーム側に固定し、スタッドをキャブ側
に固定している。車体の左右方向に比べ上下方向(マウ
ントの軸方向)には大きな荷重が作用し、弾性体が大き
く変位して破損する虞があるため、スタッドを軸方向に
摺動可能とすると共に、軸方向の荷重を支持するコイル
スプリングを内蔵するマウントが考案されている。
【0003】図10は、軸方向に大荷重が作用しスタッ
ドが大変位した場合でも、弾性体の破損を防ぐことので
きる特開2001−241488号公報に記載された液
体封入式マウントを示す断面図である。カップ状のケー
ス1の内部に、スタッド3の下端に取着された減衰部材
14が収納されている。減衰部材14は、ケース1の内
径よりも少し小さい径を有するキャップ形状をなし、そ
の外周部とケース1との間に環状の隙間K1を形成して
いる。ケース1と減衰部材14との間にはコイルスプリ
ング13が配設されている。ケース1の上部に装着され
る筒状の弾性体48の内周にスリーブ49が接合されて
おり、スリーブ49の上端部と下端部の内面に設けられ
た周方向の溝にはダストシール41とオイルシール42
とがそれぞれ装着されている。スタッド3はスリーブ4
9の内周に気密的に接して軸方向に摺動可能に保持され
る。弾性体48の下面には周方向の凹部48aが設けら
れている。ケース1の段差1eには、座金形状のストッ
パ12が配置され、弾性体48のケース1への装着によ
り固定されており、スリーブ49の下端部までを包み込
む弾性体48とストッパ12との間に環状の隙間K2を
形成している。
【0004】上記構成により、ケース1の内部はストッ
パ12及び減衰板14により、下方からa室Sa、b室
Sb、c室Scに分割される。なお、a室Saとb室Sbと
は環状隙間K1を介して連通しており、b室Sbとc室S
cとは環状隙間K2を介して連通している。弾性体48、
スリーブ49及びスタッド3により密封されたケース1
の内部には、液面が凹部48a(c室Sc)の中間部に
達するまで粘性液Lが封入されている。
【0005】スタッド3に軸方向の大荷重が作用しても
スプリング13により支持され、弾性体48にはこの荷
重が作用しないので、弾性体48の破損を防ぐことがで
きる。上下方向の振動や衝撃が作用した場合には、スタ
ッド3の上下動に応じて粘性液Lが環状隙間K1,K2に
て絞られて流れる際の圧力損失により大きな減衰力が得
られ、軸方向に垂直な方向(ラジアル方向)の振動や衝
撃の成分に対しては、弾性体48による減衰作用が発揮
され、キャブに伝わる振動及び衝撃を少なくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術においては、以下に述べるような問題点があ
る。作業車両の機種や作業現場によっては、塵埃が多量
に発生してダストシール41のシール部に堆積しシール
部付近のスタッド3の表面の損傷を早めてしまい、粘性
液Lが漏れる虞がある。また、高価なダストシール41
及びオイルシール42を用いると共に、スリーブ49に
これらを装着するために溝加工を施す必要があり、コス
ト高となる。また、車体の振動や衝撃によりc室Scの
空気が粘性液Lに混じりやすく、粘性液Lに混じって環
状隙間K2を流れb室Sbに達した空気が減衰部材14に
より攪拌されて、細かい気泡の状態で混じっている空気
混入(aeration)の状態となる虞がある。この
状態になると、スタッド3の上下動による圧力変動に応
じて細かい気泡を含む粘性液Lが圧縮又は膨張するた
め、環状隙間K1,K2での減衰特性が悪化してしまう。
【0007】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、低コストで性能の優れた液体封入式マウン
トを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、液体封入式マウントにおいて、軸
方向に移動自在とされたスタッドと、スタッドに取着し
た減衰部材と、内部に粘性液が満たされ、前記減衰部材
をスタッドの軸方向に移動自在に収容する液室と、マウ
ントの外部と気密的に設けられた空気室と、該空気室と
液室とを連通する連通通路とを備えると共に、粘性液の
液面が前記連通通路内に位置するように粘性液を封入し
た構成としている。
【0009】上記構成によると、粘性液が満たされた液
室と空気室とが連通通路を介して分離されると共に、粘
性液の液面が連通通路内に位置しているので、狭い通路
内では空気は粘性液に混じりにくく空気混入状態の発生
を防止でき、減衰特性の優れたマウントが得られる。
【0010】また、前記スタッドの外周に設けられ、ス
タッドを該スタッドの軸方向に摺動自在にラジアル力を
支持するラジアル力支持手段を備えると共に、前記連通
通路をこのラジアル力支持手段に設けた構成としてい
る。
【0011】上記構成によると、空気室と液室とを連通
する連通通路をラジアル力支持手段に設けるので、軸方
向の孔を設けるといった方法により連通通路を容易に形
成することができ、さらに、連通通路をマウントの外部
に設ける必要はなく、コンパクトなマウントを得ること
ができる。また、通常ラジアル力支持手段は、軸方向長
さを大きくとってラジアル力を支持する構造となり、連
通通路をラジアル力支持手段に設けるので、連通通路の
軸方向長さを大きくできる。このため、スタッドの上下
動により液面位置が変動しても、液面位置の変動を連通
通路内でカバーすることができる。このため、振動や衝
撃が作用する場合であっても、空気混入の発生を防止で
き、減衰特性の優れたマウントを得ることができる。
【0012】また、前記連通通路内に空気と粘性液とを
分離する分離部材を移動自在に備えた構成としている。
【0013】上記構成によると、スタッドの上下動によ
り液面位置が変動しても、分離部材が液面の変動に応じ
て上下に移動し空気と粘性液とを分離するので、空気混
入を確実に防止でき、減衰特性の優れたマウントを得る
ことができる。
【0014】さらに、前記連通通路よりスタッドに対し
て外方の部材とスタッドの上部との間を気密的に覆うカ
バーを備えた構成としている。
【0015】上記構成によると、軸方向に移動自在なス
タッド回りの気密性を確保できるので、連通通路上方か
らの空気の漏れや粘性液の漏れを確実に防止できる。ま
た、スタッドを軸方向に摺動自在に支持するラジアル力
支持手段を用いるマウントに対しては、ラジアル力支持
手段の摺動支持部をカバーが気密的に覆う構成なので、
塵埃によるスタッドの摺動部の損傷を防止でき、又、外
部に粘性液が漏れることもない。このため、摺動支持部
に高価なシール部品を設ける必要がなく、低コストで耐
久性に優れたマウントを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施形態に
ついて詳細に説明する。図1は液体封入式マウントの平
面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。な
お、「軸方向」は、液体封入式マウントの軸方向、即
ち、後述のスタッド3の軸方向を意味し、「ラジアル方
向」は軸方向に垂直な方向を意味する。また、図2は、
キャブ等の被マウント装置の搭載により設定荷重がかか
り、スタッド3が定常状態の位置に沈んだ状態を表して
おり、以後の断面図も同様の状態を表している。
【0017】ケース1は、カップ部1aと、取付孔1b及
び固定用爪1cが設けられたフランジ1dとを有してい
る。また、カップ部1aの中間部のやや上寄りには段差
1eが設けられ、段差1eより下方のケース1の内径は少
し小さくなっており、さらに先に向かって徐々に内径は
小さくなっている。
【0018】ケース1の内部には、スタッド3の下端に
ワッシャ15を介してボルト18により固着された減衰
部材14が収納されている。減衰部材14は、段差1e
より下方のケース内径よりも少し小さい径を有するキャ
ップ形状をなしており、その外周部とケース1との間に
環状の隙間K1を形成している。また、減衰部材14の
上面には、後述する粘性液を封入した後に、減衰部材1
4の内側に溜まる空気を上方に逃がすために、小孔14
aが設けられている。ケース1と減衰部材14との間に
はコイルスプリング13が配設されている。コイルスプ
リング13の内径よりも若干小さい外径を有するワッシ
ャ15は、コイルスプリング13の横ずれを防ぐリテー
ナとしての機能も有している。
【0019】スタッド3は、上端部中心にねじ穴3aを
有する円柱形状で、上面端部には回り止めのピン17が
取着されている。スタッド3の外周面には、二硫化モリ
ブデン焼き付けや硬質クロムメッキ等の表面処理、また
はリン酸マンガン被膜処理等の潤滑性を向上する表面処
理が施されている。弾性カバー部材6は、筒状ケース5
の円筒部5aを包含する円筒部6aと、この円筒部6aの
上端部とスタッド3の上部とを繋ぐカバー部6bとを有
しており、ゴムや樹脂等から成型されている。なお、弾
性カバー部材6とスタッド3との接合部は、全周に亘り
気密的に接合されている。筒状ケース5の下端部には、
フランジ1dと略同形状のフランジ5dが設けられ、弾性
カバー部材6の下端部からラジアル方向に張出してい
る。フランジ5dには、フランジ1dの取付孔1bに対応
する取付孔5bが設けられている。
【0020】スリーブ9は円筒形で、内周面にスタッド
3と気密的に接する内径を有するDUブッシュ等のドラ
イベアリング11を装着し、スタッド3を軸方向に摺動
自在に保持している。また、スリーブ9には、軸方向に
貫通する複数の連通孔Hが設けられている。スリーブ9
は、筒状ケース7と共に円筒状の弾性体8により互いに
同心位置に接合されており、弾性体8をケース1に挿入
することにより、弾性体8を介してケース1の軸心位置
でスリーブ9の下端が段差1eの近辺になるように保持
されている。これにより、スタッド3も弾性体8及びス
リーブ9を介してケース1の軸心位置に保持されてい
る。
【0021】スリーブ9を内周面に接合する円筒状の弾
性体8は、スリーブ9と共にラジアル力支持手段を構成
し、スタッド3に作用するラジアル力を支持している。
弾性体8の上端には、弾性カバー部材6の円筒部6aの
下部内周面と気密的に嵌合する環状の凸部8aが設けら
れている。弾性体8は、筒状ケース7の円筒部7aを包
含し、ゴムや樹脂等から成型されている。筒状ケース7
の上端部には、フランジ1dと略同形状のフランジ7dが
設けられ、弾性体8の上部からラジアル方向に張出して
いる。フランジ7dには、フランジ1dの取付孔1bに対
応する取付孔7bが設けられている。
【0022】ケース1の段差1e部に座金形状のストッ
パ12が配置されており、弾性体8をケース1に挿入す
ることにより、弾性体8によりケース1の段差1eに押
し付けられてケース1に固定される。そして、弾性カバ
ー部材6を弾性体8の凸部8aに嵌合させた後、ケース
1の固定用爪1cをフランジ5d,7dの側面を包み込む
ように折り曲げかしめることにより、ケース1に筒状ケ
ース5,7を固着し弾性体8及び弾性カバー部材6の装
着を完成させている。なお、このとき、各フランジ1
d,5d,7dの各取付孔1b,5b,7bは一致する位置関
係にある。
【0023】被マウント部材の搭載により設定荷重が作
用するスタッド3の上端は定常位置Pとなる。振動や衝
撃による荷重により、スタッド3は、定常位置Pから上
方に距離m1、下方に距離m2の範囲内でのストロークが
可能である。なお、距離m1は減衰部材14とストッパ
12との距離で規定され、距離m2はスタッド3の上端
と弾性カバー部材6の円筒部6aの上面とで規定され
る。
【0024】上記構成により、ケース1の内部はラジア
ル力支持手段(弾性体8及びスリーブ9)により、上側
の空気室Fと下側の液室Gとに分割され、空気室Fと液
室Gとはスリーブ9に設けられた連通通路としての複数
の連通孔Hを介して連通している。また、液室Gは減衰
部材14により上下に分割され、この上下間は環状隙間
K1及び小孔14aを介して連通している。
【0025】ケース1の内部には、スタッド3が定常状
態の位置Pに沈んだ状態において、液面が連通孔Hの中
央近辺となるようにシリコンオイルなどの粘性液Lが封
入されている。ケース1の底面には粘性液Lの注入用の
孔が設けられており、栓体19により閉じられている。
スタッド3の上下動に応じて液面は上下動するが、前記
距離m1,m2の最大ストロークの場合であっても、液面
は連通孔H内部となるように、スタッド3による最大押
しのけ容積に対応して、連通孔Hの総容積(連通孔Hの
径と長さと本数)と定常状態における液面位置とが設定
されている。
【0026】キャブなどの被マウント装置からの軸方向
の荷重は、コイルプリング13が支持している。車両に
発生する振動や衝撃により、被マウント装置に固定され
たスタッド3及び減衰部材14が上下動する場合には、
コイルプリング13が弾性的に支持すると共に、粘性液
Lが環状隙間K1や連通孔Hを流れる際に大きな減衰力
が作用する。また、振動や衝撃による振動のラジアル成
分は、ドライベアリング11とこれを保持するスリーブ
9を介して、スリーブ9に固着された弾性体8により減
衰される。
【0027】上記構成によれば、スタッド3の摺動支持
部(スリーブ9及びドライベアリング11)を弾性カバ
ー部材6により気密的に覆っているので、塵埃が多量に
発生する場合であっても、摺動部に塵埃が堆積しないの
で摺動部を損傷することもなく、又、外部に粘性液Lが
漏れることもない。このため、高価なダストシールやオ
イルシール等が不要となり、低コストで耐久性に優れた
マウントを得ることができる。
【0028】また、弾性カバー部材6によりマウント上
部に空気室Fを形成すると共に、液室Gとの間をラジア
ル力支持手段(弾性体8及びスリーブ9)により分離
し、スリーブ9に細長い連通孔Hを設けている。このた
め、スタッド3が上下動しても、粘性液Lの液面位置は
連通孔Hの内部に位置すると共に、液面は連通孔Hの数
に対応して比較的狭く分割されるので、空気は粘性液L
に非常に混じりにくくなる。また、粘性液Lが空気室F
に侵入して粘性液Lに空気が混入し連通孔Hに戻ったと
しても、連通孔を移動中に気泡が分離上昇するので、気
泡は液室Gには到達しにくい。これにより、粘性液Lの
空気混入の発生を防止できるので、減衰特性の優れたマ
ウントを得ることができる。また、連通孔Hをスリーブ
9に設けているので、空気室Fと液室Gとを連通する連
通通路を容易に設けることができ、さらに、連通通路を
ケース1の外部に設ける必要はなく、コンパクトなマウ
ントを得ることができる。
【0029】なお、本発明は上記実施形態に限定するも
のではなく、本発明の範囲内において変更や修正を加え
ることができるのは言うまでもない。例えば、図3に示
すように、複数の連通孔Hをスリーブ9Aではなく弾性
体8Aに設けても構わない。また、図示しないが、連通
孔をスリーブ及び弾性体の双方に設けてもよい。いずれ
の場合も、スタッド3が上下方向に最大ストローク移動
しても、液面位置が連通孔H内となるように連通孔の総
容積と定常状態における液面位置とを設定するのが望ま
しい。
【0030】実施形態においては、ドライベアリング1
1をスリーブ9が保持する例にて説明したが、図4に示
すように、ドライベアリング11を弾性体8Bが直接保
持する構成であっても構わない。また、図示しないが、
ドライベアリングを用いずに、スリーブの内周面で直接
スタッドを摺動自在に保持する形式のマウントに本発明
を適用してもよい。この場合、スリーブの材質として
は、例えば、銅・鉛系等の潤滑性の良好な材質とすれば
よい。
【0031】また、図5、6に示すように、連通孔Hの
孔径よりもやや小さい径を有する球体21又は円柱体2
2を、分離部材として連通孔Hの液面に配してもよい。
これにより、スタッド3の上下動により液面位置が変動
しても、球体21又は円柱体22が液面の変動に応じて
上下に移動し空気と粘性液Lとを分離するので、空気混
入を確実に防止できる。球体21及び円柱体22は、例
えば、エンジニアリングプラスチック等の耐摩耗性に優
れた軽量な材質がよい。又、中空構造や多孔質構造によ
り軽量化することが望ましい。球体21又は円柱体22
を用いる場合、これらが連通孔Hから離脱しないよう
に、連通孔Hの上端部には小径部が設けられている。
又、下方への離脱防止に関しては、弾性体8Aに連通孔
Hが設けられた場合には、図5に示すように、ストッパ
12が球体21又は円柱体22の下方への離脱を防止
し、スリーブ9に連通孔Hが設けられた場合には、図6
に示すように、球体21又は円柱体22の収容後に、連
通孔Hの下端周辺をセンタポンチ等による打刻で連通孔
Hの内方に突出する突起を形成して、球体21又は円柱
体22の下方への離脱を防止すればよい。
【0032】実施形態においては、軸方向の荷重をコイ
ルスプリング13で支持する例にて説明したが、図7、
8に示すように、コイルスプリングを用いずに、マウン
トの内圧と大気圧との差圧でスタッド3を支持するエア
ばね方式のマウントに本発明を適用しても構わない。こ
の場合、スタッド3の径(受圧面積)を大きくすること
により、より大きな軸方向支持力を得ることができる。
空気室Fの容積が小さいと、エアばねとしてのばね特性
が硬いので、図8に示すように、スタッド3Aの内部に
空気室を設けてばね特性を柔らかくしてもよい。即ち、
スタッド3Aの上部に雄ねじ3Aaを設けると共に、ス
タッド3Aの内部に下方に開口する穴3Abを設ける。
また、穴3Abには空気室Fと連通する孔3Acを設け
る。スタッド3Aの下端部は、溶接等の手段により全周
に亘り減衰部材14Aと気密的に接合する。これによ
り、空気室Fに加えスタッド3Aの内部の穴3Abも空
気室として機能するので、ばね特性を柔らかくでき、乗
り心地を向上できる。軸方向の支持力を大きくする方策
として、受圧面積を大きくする以外に空気室の圧力を高
くしてもよい。例えば、雄ねじ3Aaに穴3Abに連通す
る孔を設け、この孔の出口にタイヤに用いるようなバル
ブを装着し、空気室を加圧するように構成すればよい。
【0033】連通通路としてスリーブ9に複数の連通孔
Hを設ける場合に、図9に示すように、複数の連通孔H
の下部が、下方に向って開口する環状溝Rで繋がる構造
の連通通路であっても構わない。このとき、この環状溝
Rを有する連通通路に図5,6にて説明した分離部材
(球体21、円柱体22)を適用する場合には、図9に
示すように環状溝Rに遊嵌するリング23を用いればよ
い。これにより、スタッドの上下動により液面位置が変
動しても、リング23が液面の変動に応じて上下に移動
し空気と粘性液Lとを分離するので、空気混入を確実に
防止でき、減衰特性の優れたマウントを得ることができ
る。
【0034】また、スタッドが上下方向に最大ストロー
ク移動しても、液面位置が連通孔H内となることが望ま
しいが、下方の最大ストローク時に液面が上昇し、空気
室に粘性液が少量流入する設定であっても構わない。少
量であれば、空気室内で液面がゆれることがなく空気が
混入する虞がない。また、通常のストローク時に粘性液
が連通孔に戻り、粘性液が空気室に溜まることもない。
また、必要に応じて弾性カバー部材6のカバー部6b
に、補強用の繊維を埋設してもよい。また、被マウント
部材としてキャブを例に挙げたが、キャブ以外に振動や
衝撃の低減を目的とする被マウント部材に適用しても構
わない。
【0035】以上説明したように、本発明によれば、ス
タッドの摺動支持部を弾性カバー部材により気密的に覆
っているので、塵埃による摺動部の損傷を防止でき、
又、外部に粘性液が漏れることもない。このため、高価
なシール部品が不要となり、低コストで耐久性に優れた
マウントを得ることができる。また、弾性カバー部材を
用いてマウント上部に空気室を形成し、ラジアル力支持
手段に設けた細長い連通通路に液面を位置させ、空気室
と液室を連通させている。このため、スタッドが上下動
しても、液面は連通通路に対応して比較的狭くなってい
るので、空気は粘性液に非常に混じりにくい。これによ
り、粘性液の空気混入を防止でき、減衰特性の優れたマ
ウントを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】実施形態の別態様に係わる断面図である。
【図4】実施形態の別態様に係わる断面図である。
【図5】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図6】実施形態の別態様に係わる要部断面図である。
【図7】実施形態の別態様に係わる断面図である。
【図8】実施形態の別態様に係わる断面図である。
【図9】実施形態の別態様に係わるスリーブの斜視図で
ある。
【図10】従来技術の液体封入式マウントの断面図であ
る。
【符号の説明】 1…ケース、3…スタッド、6…弾性カバー部材、8…
弾性体、9…スリーブ、11…ドライベアリング、12
…ストッパ、13…コイルスプリング、14…減衰部
材、F…空気室、G…液室、H…連通孔、L…粘性液。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体封入式マウントにおいて、軸方向に
    移動自在とされたスタッドと、スタッドに取着した減衰
    部材と、内部に粘性液が満たされ、前記減衰部材をスタ
    ッドの軸方向に移動自在に収容する液室と、マウントの
    外部と気密的に設けられた空気室と、該空気室と液室と
    を連通する連通通路とを備えると共に、粘性液の液面が
    前記連通通路内に位置するように粘性液を封入したこと
    を特徴とする液体封入式マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体封入式マウントにお
    いて、前記スタッドの外周に設けられ、スタッドを該ス
    タッドの軸方向に摺動自在にラジアル力を支持するラジ
    アル力支持手段を備えると共に、前記連通通路をこのラ
    ジアル力支持手段に設けたことを特徴とする液体封入式
    マウント。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の液体封入式マウン
    トにおいて、前記連通通路内に空気と粘性液とを分離す
    る分離部材を移動自在に備えたことを特徴とする液体封
    入式マウント。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    液体封入式マウントにおいて、前記連通通路よりスタッ
    ドに対して外方の部材とスタッドの上部との間を気密的
    に覆うカバーを備えたことを特徴とする液体封入式マウ
    ント。
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