JP2003129354A - 抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織編物及びその製造方法 - Google Patents
抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織編物及びその製造方法Info
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- JP2003129354A JP2003129354A JP2001320741A JP2001320741A JP2003129354A JP 2003129354 A JP2003129354 A JP 2003129354A JP 2001320741 A JP2001320741 A JP 2001320741A JP 2001320741 A JP2001320741 A JP 2001320741A JP 2003129354 A JP2003129354 A JP 2003129354A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】恒久的に抗ピル性を有するソフトで,膨らみ感
があり、弾発感、張り腰に優れたポリエステルマルチフ
ィラメント異収縮混繊糸およびその織編物を得ることで
ある。 【解決手段】撚係数8000以下の甘撚が施された燐化
合物を含有するポリエステルマルチフィラメント異収縮
混繊糸から構成された織編物であって、JIS−L−1
076に記載されるC法:アピアランスリテンション2
0回操作後、続けてA法:ICI型試験機を5時間、連
続操作させた時のピリング判定が3.5級以上である。
があり、弾発感、張り腰に優れたポリエステルマルチフ
ィラメント異収縮混繊糸およびその織編物を得ることで
ある。 【解決手段】撚係数8000以下の甘撚が施された燐化
合物を含有するポリエステルマルチフィラメント異収縮
混繊糸から構成された織編物であって、JIS−L−1
076に記載されるC法:アピアランスリテンション2
0回操作後、続けてA法:ICI型試験機を5時間、連
続操作させた時のピリング判定が3.5級以上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗ピル性に優れた
ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織
り編物およびその製造方法に関するものである。詳しく
はソフト感、膨らみ感、嵩高感、張り腰に優れ、尚且つ
恒久的に抗ピル性能を有するポリエステルマルチフィラ
メント異収縮混繊糸およびその織り編物であって、婦人
衣料、インテリア分野に好適である。
ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織
り編物およびその製造方法に関するものである。詳しく
はソフト感、膨らみ感、嵩高感、張り腰に優れ、尚且つ
恒久的に抗ピル性能を有するポリエステルマルチフィラ
メント異収縮混繊糸およびその織り編物であって、婦人
衣料、インテリア分野に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来からポリエステルマルチフィラメン
トは他の合成繊維に比べて高ヤング率、高弾性回復率を
有し、且つ耐久性、耐薬品性、耐磨耗性などにおいて非
常に優れた特性を有する事から、衣料用をはじめとして
広く消費者に利用されている。しかしながら、ポリエス
テルマルチフィラメントから構成された織編物は毛玉、
ピリングが発生しやすい問題がある。毛玉、ピリング発
生しやすい織編物は集束性の低いフィラメントや撚数の
低いフィラメント、織物においては経糸の浮きが多い規
格即ち組織点の少ないものなどが挙げられるが、これら
は全て織編物が接触、摩擦などによって表面にフィラメ
ントの単糸切れが起こって毛羽が発生し、一旦生じた毛
羽は脱落することなく絡み合い、毛玉、ピリングに成長
し、織編物の外観を損ねるという経緯を辿る。その他、
ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、自発伸
長混繊糸も毛玉、ピリングが発生しやすい。これは収縮
率の異なるポリエステルマルチフィラメントは染色工程
において熱処理を受けると糸長差が発生し、織編物表面
において、フィラメント間で大きなループ構造を形成す
るので、従来のポリエステルマルチフィラメント織編物
と比べ摩擦、接触を受けやすく、極めて毛玉、ピリング
が発生しやすい。取り分け、ポリエステルマルチフィラ
メント異収縮混繊糸と呼ばれるポリエステルにイソフタ
ル酸を含有したものは従来の異収縮混繊糸よりも糸長差
が大きく、織編物では大きなループ構造を形成するため
に更に毛玉、ピリングが発生しやすい。故に、ポリエス
テルマルチフィラメント異収縮長混繊糸で構成された婦
人用ブラウス、シャツ、コート、インテリアカーテンな
どにおいてはソフト感、膨らみ感、嵩高感に優れる反
面、織編物表面は摩擦、接触による損傷を受けやすく、
毛羽立ちし、毛玉、ピリングが発生する問題があった。
トは他の合成繊維に比べて高ヤング率、高弾性回復率を
有し、且つ耐久性、耐薬品性、耐磨耗性などにおいて非
常に優れた特性を有する事から、衣料用をはじめとして
広く消費者に利用されている。しかしながら、ポリエス
テルマルチフィラメントから構成された織編物は毛玉、
ピリングが発生しやすい問題がある。毛玉、ピリング発
生しやすい織編物は集束性の低いフィラメントや撚数の
低いフィラメント、織物においては経糸の浮きが多い規
格即ち組織点の少ないものなどが挙げられるが、これら
は全て織編物が接触、摩擦などによって表面にフィラメ
ントの単糸切れが起こって毛羽が発生し、一旦生じた毛
羽は脱落することなく絡み合い、毛玉、ピリングに成長
し、織編物の外観を損ねるという経緯を辿る。その他、
ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、自発伸
長混繊糸も毛玉、ピリングが発生しやすい。これは収縮
率の異なるポリエステルマルチフィラメントは染色工程
において熱処理を受けると糸長差が発生し、織編物表面
において、フィラメント間で大きなループ構造を形成す
るので、従来のポリエステルマルチフィラメント織編物
と比べ摩擦、接触を受けやすく、極めて毛玉、ピリング
が発生しやすい。取り分け、ポリエステルマルチフィラ
メント異収縮混繊糸と呼ばれるポリエステルにイソフタ
ル酸を含有したものは従来の異収縮混繊糸よりも糸長差
が大きく、織編物では大きなループ構造を形成するため
に更に毛玉、ピリングが発生しやすい。故に、ポリエス
テルマルチフィラメント異収縮長混繊糸で構成された婦
人用ブラウス、シャツ、コート、インテリアカーテンな
どにおいてはソフト感、膨らみ感、嵩高感に優れる反
面、織編物表面は摩擦、接触による損傷を受けやすく、
毛羽立ちし、毛玉、ピリングが発生する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の課題は、恒
久的に抗ピル性を有するポりエステルマルチフィラメン
ト異収縮混繊糸、すなわち毛玉、ピリングの発生し難い
ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸を得るこ
とであり、尚且つソフトで,膨らみ感があり、弾発感、
張り腰に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮
混繊糸の織編物およびその製造方法を提供することであ
る。
久的に抗ピル性を有するポりエステルマルチフィラメン
ト異収縮混繊糸、すなわち毛玉、ピリングの発生し難い
ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸を得るこ
とであり、尚且つソフトで,膨らみ感があり、弾発感、
張り腰に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮
混繊糸の織編物およびその製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は以下の構成
からなる。 1.撚係数8000以下のポリエステルマルチフィラメ
ント異収縮混繊糸から構成された織編物であって、JI
S−L−1076に記載されるC法(アピアランスリテ
ンション)20回操作後、続けてA法(ICI型試験
機)を5時間連続操作させた際のピリング判定が3.5
級以上であることを特徴とする抗ピル性に優れたポリエ
ステルマルチフィラメント織編物。なお、撚係数はポリ
エステルマルチフィラメント異収縮混繊糸繊度(デシテ
ックス)の平方根および混繊糸撚数(T/M)との積を
表す。 2.ポリエステルマルチフィラメント(A)及び(B)
から構成された撚係数8000以下の混繊糸であって、
ポリエステルマルチフィラメント(A)は乾熱160℃
の収縮率が10%以下であり、ポリエステルマルチフィ
ラメント(B)は第3成分としてイソフタル酸を15m
ol%以下含有し且つ乾熱160℃の収縮率が35%以
上であることを特徴とする抗ピル性に優れたポリエステ
ルマルチフィラメント異収縮混繊糸。 3.ポリエステルマルチフィラメント(A)の10%ア
ルカリ減量後の結節強度3.5cN/dtex以下、結節伸度
20%以下であることを特徴とする第2記載の抗ピル性
に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊
糸。 4.ポリエステルマルチフィラメント(A)に燐化合物
が配合されており、燐化合物を燐化合物が得られるポリ
エステルに対して総燐原糸換算で1000〜10000
ppm配合されていることを特徴とする第2記載の抗ピル
性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊
糸。 5.ポリエステルマルチフィラメント(A)の10%ア
ルカリ減量後の強度保持率が70%以上であることを特
徴とする第2記載の抗ピル性に優れたポリエステルマル
チフィラメント異収縮混繊糸。 6.ポリエステルマルチフィラメント(A)は乾熱16
0℃の収縮率が0%未満であることを特徴とする第2記
載の抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント
異収縮混繊糸。 7.燐化合物を配合したポリエステルマルチフィラメン
ト(A)とポリエステルマルチフィラメント(B)とを
溶融紡糸の際に直接紡糸延伸法によって各々延伸し、交
絡数が10ヶ/ M以上を付与しながら巻き取ることを
特徴とする抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラ
メント異収縮混繊糸の製造方法。
からなる。 1.撚係数8000以下のポリエステルマルチフィラメ
ント異収縮混繊糸から構成された織編物であって、JI
S−L−1076に記載されるC法(アピアランスリテ
ンション)20回操作後、続けてA法(ICI型試験
機)を5時間連続操作させた際のピリング判定が3.5
級以上であることを特徴とする抗ピル性に優れたポリエ
ステルマルチフィラメント織編物。なお、撚係数はポリ
エステルマルチフィラメント異収縮混繊糸繊度(デシテ
ックス)の平方根および混繊糸撚数(T/M)との積を
表す。 2.ポリエステルマルチフィラメント(A)及び(B)
から構成された撚係数8000以下の混繊糸であって、
ポリエステルマルチフィラメント(A)は乾熱160℃
の収縮率が10%以下であり、ポリエステルマルチフィ
ラメント(B)は第3成分としてイソフタル酸を15m
ol%以下含有し且つ乾熱160℃の収縮率が35%以
上であることを特徴とする抗ピル性に優れたポリエステ
ルマルチフィラメント異収縮混繊糸。 3.ポリエステルマルチフィラメント(A)の10%ア
ルカリ減量後の結節強度3.5cN/dtex以下、結節伸度
20%以下であることを特徴とする第2記載の抗ピル性
に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊
糸。 4.ポリエステルマルチフィラメント(A)に燐化合物
が配合されており、燐化合物を燐化合物が得られるポリ
エステルに対して総燐原糸換算で1000〜10000
ppm配合されていることを特徴とする第2記載の抗ピル
性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊
糸。 5.ポリエステルマルチフィラメント(A)の10%ア
ルカリ減量後の強度保持率が70%以上であることを特
徴とする第2記載の抗ピル性に優れたポリエステルマル
チフィラメント異収縮混繊糸。 6.ポリエステルマルチフィラメント(A)は乾熱16
0℃の収縮率が0%未満であることを特徴とする第2記
載の抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント
異収縮混繊糸。 7.燐化合物を配合したポリエステルマルチフィラメン
ト(A)とポリエステルマルチフィラメント(B)とを
溶融紡糸の際に直接紡糸延伸法によって各々延伸し、交
絡数が10ヶ/ M以上を付与しながら巻き取ることを
特徴とする抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラ
メント異収縮混繊糸の製造方法。
【0005】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の撚係数8000以下の甘撚が施されたポリエステル
マルチフィラメント異収縮混繊糸から構成された織編物
は、JIS−L−1076に記載されるC法:アピアラ
ンスリテンション20回操作後、続けてA法:ICI型
試験機を5時間、連続操作させたピリング判定が3.5
級以上であることが必要である。該異収縮混繊糸はポリ
エステルマルチフィラメント(A)および(B) から
構成されており、ポリエステルマルチフィラメント
(A)は乾熱160℃の収縮率が10%以下であり、後
述する超収縮するポリエステルマルチフィラメント
(B)とを混繊することによって、収縮差による十分な
糸長差を発現し、またソフトで膨らみ感があり、張り腰
を有した織り編物を得ることが出来る。ポリエステルマ
ルチフィラメント(A)の乾熱160℃の収縮率は10
%以下が必要であり、より好ましくは7%以下、更に好
ましくは0%未満である。0%未満とは実質的に自発伸
長性を示し、通常の溶融紡糸方法によって製造すること
が出来、例えば紡糸巻取り速度が2200〜3800m
/分の高配向未延伸糸を延伸機で延伸し、次いで非接触
式あるいは接触式加熱装置を用い、弛緩熱処理を施すこ
とによって自発伸長性を付与することが出来る。しかし
ながら、10%を越えると該ポリエステルマルチフィラ
メント(B) との糸長差が小さくなり織編物のソフ
ト、膨らみ感が小さくなる懸念があるので好ましくな
い。
明の撚係数8000以下の甘撚が施されたポリエステル
マルチフィラメント異収縮混繊糸から構成された織編物
は、JIS−L−1076に記載されるC法:アピアラ
ンスリテンション20回操作後、続けてA法:ICI型
試験機を5時間、連続操作させたピリング判定が3.5
級以上であることが必要である。該異収縮混繊糸はポリ
エステルマルチフィラメント(A)および(B) から
構成されており、ポリエステルマルチフィラメント
(A)は乾熱160℃の収縮率が10%以下であり、後
述する超収縮するポリエステルマルチフィラメント
(B)とを混繊することによって、収縮差による十分な
糸長差を発現し、またソフトで膨らみ感があり、張り腰
を有した織り編物を得ることが出来る。ポリエステルマ
ルチフィラメント(A)の乾熱160℃の収縮率は10
%以下が必要であり、より好ましくは7%以下、更に好
ましくは0%未満である。0%未満とは実質的に自発伸
長性を示し、通常の溶融紡糸方法によって製造すること
が出来、例えば紡糸巻取り速度が2200〜3800m
/分の高配向未延伸糸を延伸機で延伸し、次いで非接触
式あるいは接触式加熱装置を用い、弛緩熱処理を施すこ
とによって自発伸長性を付与することが出来る。しかし
ながら、10%を越えると該ポリエステルマルチフィラ
メント(B) との糸長差が小さくなり織編物のソフ
ト、膨らみ感が小さくなる懸念があるので好ましくな
い。
【0006】超収縮するポリエステルマルチフィラメン
ト(B)については第3成分としてイソフタル酸を15
mol%以下含有し且つ乾熱160℃の収縮率が35%
以上であることが必要である。ポリエステルマルチフィ
ラメントはテレフタル酸とエチレングリコールを重縮合
させることによって得ることができるが、結晶性が高い
が故に繊維の強伸度物性および超高収縮率を満足したも
のは得られにくい。従って、超高収縮率を示すポリエス
テルマルチフィラメントを得るためには第3成分として
イソフタル酸を15mol%以下、共重合させる必要が
ある。但し、15mol%を越えると溶融紡糸の際、製
糸製が悪化するので好ましくない。そして、乾熱160
℃の収縮率が35%未満ではポリエステルマルチフィラ
メント(A)との糸長差が小さくなって織編物のソフト
感、膨らみ感が小さくなり、また張り腰感も減少する。
より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは4
5%以上である。しかしながら、80%以上になると染
色加工の際、織物が大きく収縮して粗硬な感じのする織
物となりあまり好ましくない。なお、本発明では限定し
ていないが、更に好ましくはポリエステルマルチフィラ
メント(A)および(B)の乾熱160℃の収縮率差を
40%以上とすることよって従来にないソフト感、膨ら
み感、張り腰感が生まれ風合いの優れた織編物を得るこ
とが出来る。そして、該異収縮混繊糸を構成するポリエ
ステルマルチフィラメント(A)および(B)はコス
ト、生産性の観点から直接紡糸延伸法、所謂スピンドロ
ー方式によって延伸することが好ましく、直接紡糸延伸
法によって得られた延伸糸の品質品位および取り扱い性
を高めるために交絡数は10ヶ/M以上を付与しながら
巻き取ることが必要である。
ト(B)については第3成分としてイソフタル酸を15
mol%以下含有し且つ乾熱160℃の収縮率が35%
以上であることが必要である。ポリエステルマルチフィ
ラメントはテレフタル酸とエチレングリコールを重縮合
させることによって得ることができるが、結晶性が高い
が故に繊維の強伸度物性および超高収縮率を満足したも
のは得られにくい。従って、超高収縮率を示すポリエス
テルマルチフィラメントを得るためには第3成分として
イソフタル酸を15mol%以下、共重合させる必要が
ある。但し、15mol%を越えると溶融紡糸の際、製
糸製が悪化するので好ましくない。そして、乾熱160
℃の収縮率が35%未満ではポリエステルマルチフィラ
メント(A)との糸長差が小さくなって織編物のソフト
感、膨らみ感が小さくなり、また張り腰感も減少する。
より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは4
5%以上である。しかしながら、80%以上になると染
色加工の際、織物が大きく収縮して粗硬な感じのする織
物となりあまり好ましくない。なお、本発明では限定し
ていないが、更に好ましくはポリエステルマルチフィラ
メント(A)および(B)の乾熱160℃の収縮率差を
40%以上とすることよって従来にないソフト感、膨ら
み感、張り腰感が生まれ風合いの優れた織編物を得るこ
とが出来る。そして、該異収縮混繊糸を構成するポリエ
ステルマルチフィラメント(A)および(B)はコス
ト、生産性の観点から直接紡糸延伸法、所謂スピンドロ
ー方式によって延伸することが好ましく、直接紡糸延伸
法によって得られた延伸糸の品質品位および取り扱い性
を高めるために交絡数は10ヶ/M以上を付与しながら
巻き取ることが必要である。
【0007】そして、該ポリエステルマルチフィラメン
ト混繊糸は撚係数が8000以下であり、これは織編物
にソフト感、膨らみ感を付与するためである。撚係数が
8000を越えるとポリエステルマルチフィラメント混
繊糸の集束性が高くなり、糸長差が発現しにくくなって
膨らみ感、ソフト感が得られないばかりでなく、撚糸効
果によってドライ感、シャリ感が発現し好ましくない。
しかしながら、撚係数が2500以下では織編物の製造
工程において混繊糸が分離、ばらけやすく、毛羽発生の
トラブルによって工程通過性が若干、悪くなるので、よ
り好ましい撚係数の範囲は2500以上、6000以下
であると思われる。なお、撚係数はポリエステルマルチ
フィラメント異収縮混繊糸繊度(デシテックス)の平方
根および混繊糸撚数(T/M)の積で表される。そし
て、甘撚を施す際にはアップツイスターに分類されるイ
タリア撚糸機、ラージアップツイスター、ダウンツイス
ターに分類されるリング撚糸機、合撚機、またはダブル
ツイスターなどの一般の撚糸機を使用して製織準備され
るが、取り分け生産性に優れたダブルツイスターや取り
扱いが簡便で汎用性に優れた合撚機の使用が好ましい。
ト混繊糸は撚係数が8000以下であり、これは織編物
にソフト感、膨らみ感を付与するためである。撚係数が
8000を越えるとポリエステルマルチフィラメント混
繊糸の集束性が高くなり、糸長差が発現しにくくなって
膨らみ感、ソフト感が得られないばかりでなく、撚糸効
果によってドライ感、シャリ感が発現し好ましくない。
しかしながら、撚係数が2500以下では織編物の製造
工程において混繊糸が分離、ばらけやすく、毛羽発生の
トラブルによって工程通過性が若干、悪くなるので、よ
り好ましい撚係数の範囲は2500以上、6000以下
であると思われる。なお、撚係数はポリエステルマルチ
フィラメント異収縮混繊糸繊度(デシテックス)の平方
根および混繊糸撚数(T/M)の積で表される。そし
て、甘撚を施す際にはアップツイスターに分類されるイ
タリア撚糸機、ラージアップツイスター、ダウンツイス
ターに分類されるリング撚糸機、合撚機、またはダブル
ツイスターなどの一般の撚糸機を使用して製織準備され
るが、取り分け生産性に優れたダブルツイスターや取り
扱いが簡便で汎用性に優れた合撚機の使用が好ましい。
【0008】そして、該ポリエステルマルチフィラメン
ト混繊糸には燐化合物を含有していることが必要であ
り、好ましくはポリエステルマルチフィラメント(A)
にのみ燐化合物を配合させることが好ましい。その配
合量としては得られるポリエステルに対し、燐原糸換算
で1000から10000ppmである必要があり、更に
好ましくは1000から3000ppmの範囲である。燐
配合量が1000ppm未満では目的とする抗ピル性能が
不十分となり好ましくない。逆に10000ppmを越え
るとポリエステルマルチフィラメントの物性を著しく低
下させてしまい、織編物において品位を損ね消費性能に
問題を生じる。なお、本発明に好ましく配合される燐化
合物とは燐酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体であ
り、誘導体として重合体、エステル類、金属塩類、アル
キルまたはアリールホスホン酸およびそれらのエステル
類や金属塩類などが挙げられる。これらの燐酸、ホスホ
ン酸およびこれらの誘導体よりなる群から選択される少
なくとも一種の燐酸化合物はポリエステルを製造するに
当たり、エステル化反応中またはエステル交換反応終了
から重縮合反応終了までの任意の段階で添加することに
よって得ることが可能である。
ト混繊糸には燐化合物を含有していることが必要であ
り、好ましくはポリエステルマルチフィラメント(A)
にのみ燐化合物を配合させることが好ましい。その配
合量としては得られるポリエステルに対し、燐原糸換算
で1000から10000ppmである必要があり、更に
好ましくは1000から3000ppmの範囲である。燐
配合量が1000ppm未満では目的とする抗ピル性能が
不十分となり好ましくない。逆に10000ppmを越え
るとポリエステルマルチフィラメントの物性を著しく低
下させてしまい、織編物において品位を損ね消費性能に
問題を生じる。なお、本発明に好ましく配合される燐化
合物とは燐酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体であ
り、誘導体として重合体、エステル類、金属塩類、アル
キルまたはアリールホスホン酸およびそれらのエステル
類や金属塩類などが挙げられる。これらの燐酸、ホスホ
ン酸およびこれらの誘導体よりなる群から選択される少
なくとも一種の燐酸化合物はポリエステルを製造するに
当たり、エステル化反応中またはエステル交換反応終了
から重縮合反応終了までの任意の段階で添加することに
よって得ることが可能である。
【0009】そして、該ポリエステルマルチフィラメン
ト異収縮長混繊糸から構成された織編物は、JIS−L
−1076に記載されるC法:アピアランスリテンショ
ン20回操作後、続けてA法:ICI型試験機を5時
間、連続操作させたピリング判定が3.5級以上であ
る。JIS−L−1076に記載される方法は一般的な
織編物のピリングの評価メジャーであり品質基準でもあ
る。この評価において3.5級以上とすることが実用
上、問題ないとされる下限であり、3級以下では毛玉、
ピリング発生の懸念があり織編物の外観を損ね、消費者
クレーム発生の懸念があるので好ましくない。なお、本
発明ではJIS−L−1076に記載されるC法を行っ
た後、続けてA法を行い、連続操作を行った試料をA法
標準写真と対比させた判定を採用している。この方法は
C法で積極的に毛羽立てし、A法で接触、摩擦を重ねて
いるのが特徴である。このような連続操作、つまり複合
させて操作を行うことによって評価をより厳しく、着用
に近いモデル試験が出来ており、この評価方法において
3.5級以上とすることがより好ましいと思われる。
ト異収縮長混繊糸から構成された織編物は、JIS−L
−1076に記載されるC法:アピアランスリテンショ
ン20回操作後、続けてA法:ICI型試験機を5時
間、連続操作させたピリング判定が3.5級以上であ
る。JIS−L−1076に記載される方法は一般的な
織編物のピリングの評価メジャーであり品質基準でもあ
る。この評価において3.5級以上とすることが実用
上、問題ないとされる下限であり、3級以下では毛玉、
ピリング発生の懸念があり織編物の外観を損ね、消費者
クレーム発生の懸念があるので好ましくない。なお、本
発明ではJIS−L−1076に記載されるC法を行っ
た後、続けてA法を行い、連続操作を行った試料をA法
標準写真と対比させた判定を採用している。この方法は
C法で積極的に毛羽立てし、A法で接触、摩擦を重ねて
いるのが特徴である。このような連続操作、つまり複合
させて操作を行うことによって評価をより厳しく、着用
に近いモデル試験が出来ており、この評価方法において
3.5級以上とすることがより好ましいと思われる。
【0010】ポリエステルマルチフィラメント(A)の
10%アルカリ減量後の結節強度3.5cN/dtex以下、
結節伸度20%以下が必要である。結節強度が3.5cN
/dtexおよび結節伸度が20%を越えるとフィラメント
が絡まり、毛玉・ピルが一旦形成されると脱落しがたい
為、毛玉・ピルがさらに成長し、織編物の品位を損ねる
懸念がある。適度な脆さを有することが抗ピルに有効で
あり、さらに好ましくは結節強度2.5cN/dtex以下、
結節伸度15%以下である。
10%アルカリ減量後の結節強度3.5cN/dtex以下、
結節伸度20%以下が必要である。結節強度が3.5cN
/dtexおよび結節伸度が20%を越えるとフィラメント
が絡まり、毛玉・ピルが一旦形成されると脱落しがたい
為、毛玉・ピルがさらに成長し、織編物の品位を損ねる
懸念がある。適度な脆さを有することが抗ピルに有効で
あり、さらに好ましくは結節強度2.5cN/dtex以下、
結節伸度15%以下である。
【0011】ポリエステルマルチフィラメント(A)の
10%アルカリ減量後の強度保持率が70%以上である
ことが必要である。燐化合物を含有したポリエステルマ
ルチフィラメントは一般的に加水分解を受けやすく、こ
れは加水分解によって反応活性の高い燐酸エステル部が
切断されて燐酸残基が発生し、該燐酸残基は触媒作用に
よってカルボン酸エステル部分をも切断して、ポリエス
テルマルチフィラメントおよびその織編物の強度を弱め
ていたが、燐化合物の選択、およびリラックス精練、減
量、染色などの加工条件の適正化をすることによって高
い強度保持率を得ることが出来た。しかし、強度保持率
が70%未満では実用上、必要な引裂き強力を有するこ
とが困難となって好ましくない。
10%アルカリ減量後の強度保持率が70%以上である
ことが必要である。燐化合物を含有したポリエステルマ
ルチフィラメントは一般的に加水分解を受けやすく、こ
れは加水分解によって反応活性の高い燐酸エステル部が
切断されて燐酸残基が発生し、該燐酸残基は触媒作用に
よってカルボン酸エステル部分をも切断して、ポリエス
テルマルチフィラメントおよびその織編物の強度を弱め
ていたが、燐化合物の選択、およびリラックス精練、減
量、染色などの加工条件の適正化をすることによって高
い強度保持率を得ることが出来た。しかし、強度保持率
が70%未満では実用上、必要な引裂き強力を有するこ
とが困難となって好ましくない。
【0012】本発明に用いられるポリエステルとしては
主たる成分がポリエチレンテレフタレートからなるポリ
エステルを挙げることが出来、通常の公知の方法で重合
することにより得られるが、本発明の目的を損なわない
程度の範囲内で他の第3成分を共重合してもよい。具体
的にはアジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、イソフタル
酸、5―ソジュームスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどのグリコール類、ビスフェノールAまたはそのエ
チレンオキサイド付加物、ヒドキシ安息香酸などのオキ
シカルボン酸などを単独あるいは2種以上を組み合わて
用いることができる。また本発明の目的を損なわない範
囲で、つや消し剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、制電剤、難燃剤などの添加物を配合しても良い。
主たる成分がポリエチレンテレフタレートからなるポリ
エステルを挙げることが出来、通常の公知の方法で重合
することにより得られるが、本発明の目的を損なわない
程度の範囲内で他の第3成分を共重合してもよい。具体
的にはアジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、イソフタル
酸、5―ソジュームスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどのグリコール類、ビスフェノールAまたはそのエ
チレンオキサイド付加物、ヒドキシ安息香酸などのオキ
シカルボン酸などを単独あるいは2種以上を組み合わて
用いることができる。また本発明の目的を損なわない範
囲で、つや消し剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、制電剤、難燃剤などの添加物を配合しても良い。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
発明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるも
のではない。なお、本発明で使用したピリング評価、結
節強度、結節伸度、乾熱160℃の収縮率(以下、SH
Dと示す)、強度保持率は次の測定方法を採用した。
発明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるも
のではない。なお、本発明で使用したピリング評価、結
節強度、結節伸度、乾熱160℃の収縮率(以下、SH
Dと示す)、強度保持率は次の測定方法を採用した。
【0014】(ピリング評価)JIS L ―1076A
法およびC法に記載される方法に準じて評価を行った。
なお、結果は四枚の試料の平均値とした。 (結節強度)(結節伸度)JIS L ―1013A法に
記載される方法に準じて測定を行った。なお、測定値は
2ヶの試料の平均値とした。 (SHD)試料に輪を作り、荷重を掛けた状態で30c
m間のマーキングを行い、荷重を取り除いてフリーの状
態で160℃に設定された熱風乾燥機の中で30分間熱
処理した。再度、荷重を掛けて収縮した長さ(X)を読
み取り、下記式によって算出した。なお、荷重は試料繊
度の1/30gとし、測定値は2ヶの試料の平均値とし
た。 SHD(%)=X/30*100 (強度保持率)減量前後の試料をテンシロンUTM−4L
型引張試験機(東洋ボールドウィン(株)製)を用い、
ゲージ長200mm、初荷重は試料繊度の1/30g、
伸長速度は200mmで伸長し、記録速度500mm/
分で描いたS−S曲線から破断強度を測定し、減量前の
破断強度に対する減量後の破断強度を%で表した。な
お、測定値は2ヶの試料の平均値とした。
法およびC法に記載される方法に準じて評価を行った。
なお、結果は四枚の試料の平均値とした。 (結節強度)(結節伸度)JIS L ―1013A法に
記載される方法に準じて測定を行った。なお、測定値は
2ヶの試料の平均値とした。 (SHD)試料に輪を作り、荷重を掛けた状態で30c
m間のマーキングを行い、荷重を取り除いてフリーの状
態で160℃に設定された熱風乾燥機の中で30分間熱
処理した。再度、荷重を掛けて収縮した長さ(X)を読
み取り、下記式によって算出した。なお、荷重は試料繊
度の1/30gとし、測定値は2ヶの試料の平均値とし
た。 SHD(%)=X/30*100 (強度保持率)減量前後の試料をテンシロンUTM−4L
型引張試験機(東洋ボールドウィン(株)製)を用い、
ゲージ長200mm、初荷重は試料繊度の1/30g、
伸長速度は200mmで伸長し、記録速度500mm/
分で描いたS−S曲線から破断強度を測定し、減量前の
破断強度に対する減量後の破断強度を%で表した。な
お、測定値は2ヶの試料の平均値とした。
【0015】(実施例1)攪拌機、蒸留塔、圧力調整
器、温度計を備えたステンレス製オートクレーブにテレ
フタル酸1297部、エチレングリコール1067部を
仕込み、更にトリエチルアミン3.2ml、三酸化アン
チモン0.55部を加えて230℃、ゲージ圧2.5k
g/cm2でエステル化により生成する水を逐次系外に
除去しながら2時間エステル化反応を行った。この反応
生成物に燐酸モノエチル/燐酸ジエチル(53:47)
混合物を11部加え、230℃で20分間攪拌した。続
いて1時間で系の温度を275℃まで昇温して、この間
に系の圧力を徐々に減じて0.1mmHgとし、この条
件で2時間重縮合を行った。得られたポリマーの燐含有
量は1350ppmであった。このポリマーをスピンド
ロー方式により直接溶融紡糸延伸し、42デシテックス
24フィラメント丸断面の乾熱160℃の収縮率が7%
のポリエステルマルチフィラメント(A)を得ながら、
一方で、イソフタル酸該を10mol%共重合させた4
2デシテックス24フィラメント丸断面の乾熱160℃
の収縮率が60%のポリエステルマルチフィラメント
(B)をスピンドロー方式で直接溶融紡糸延伸し、ポリ
エステルマルチフィラメント(A)および(B)に交絡
数18ヶ/ Mを付与しながら同時に巻き取り、84デ
シテックス48フィラメントの混繊糸を得た。該混繊糸
を村田機械(株)製ダブルツイスターを用いてS撚り方
向に撚数400T/Mで撚糸を行い、一本糊付けを行っ
た後、筬入巾130cm、経糸本数11328本で整経
を行った。差し入れの後、(株)石川製作所製レピア織
機2001Sタイプにビームを仕掛けた後、緯糸として
84デシテックス36フィラメント丸断面のポリエステ
ルマルチフィラメントにSZ撚り方向に撚り数1500
T/Mを施したものを打ち込み、サテン組織で製織し
た。得られた生機密度は(225本/in,92本/in)
であった。該生機を通常のリラックス精練、減量、染
色、仕上げ工程に通し、仕上り密度(252本/in,1
20本/in)の染色加工布を得た。該染色加工布はイン
テリアカーテンに好適なソフト感、膨らみ感、張り腰を
有し、尚且つピリング判定が4級である抗ピルを有する
加工布であった。結果を表1に示した。
器、温度計を備えたステンレス製オートクレーブにテレ
フタル酸1297部、エチレングリコール1067部を
仕込み、更にトリエチルアミン3.2ml、三酸化アン
チモン0.55部を加えて230℃、ゲージ圧2.5k
g/cm2でエステル化により生成する水を逐次系外に
除去しながら2時間エステル化反応を行った。この反応
生成物に燐酸モノエチル/燐酸ジエチル(53:47)
混合物を11部加え、230℃で20分間攪拌した。続
いて1時間で系の温度を275℃まで昇温して、この間
に系の圧力を徐々に減じて0.1mmHgとし、この条
件で2時間重縮合を行った。得られたポリマーの燐含有
量は1350ppmであった。このポリマーをスピンド
ロー方式により直接溶融紡糸延伸し、42デシテックス
24フィラメント丸断面の乾熱160℃の収縮率が7%
のポリエステルマルチフィラメント(A)を得ながら、
一方で、イソフタル酸該を10mol%共重合させた4
2デシテックス24フィラメント丸断面の乾熱160℃
の収縮率が60%のポリエステルマルチフィラメント
(B)をスピンドロー方式で直接溶融紡糸延伸し、ポリ
エステルマルチフィラメント(A)および(B)に交絡
数18ヶ/ Mを付与しながら同時に巻き取り、84デ
シテックス48フィラメントの混繊糸を得た。該混繊糸
を村田機械(株)製ダブルツイスターを用いてS撚り方
向に撚数400T/Mで撚糸を行い、一本糊付けを行っ
た後、筬入巾130cm、経糸本数11328本で整経
を行った。差し入れの後、(株)石川製作所製レピア織
機2001Sタイプにビームを仕掛けた後、緯糸として
84デシテックス36フィラメント丸断面のポリエステ
ルマルチフィラメントにSZ撚り方向に撚り数1500
T/Mを施したものを打ち込み、サテン組織で製織し
た。得られた生機密度は(225本/in,92本/in)
であった。該生機を通常のリラックス精練、減量、染
色、仕上げ工程に通し、仕上り密度(252本/in,1
20本/in)の染色加工布を得た。該染色加工布はイン
テリアカーテンに好適なソフト感、膨らみ感、張り腰を
有し、尚且つピリング判定が4級である抗ピルを有する
加工布であった。結果を表1に示した。
【0016】(比較例1)実施例1において、燐化合物
を全く含まない通常のポリマーを用いて42デシテック
ス24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント
(A)とした以外は実施例1と全く同様にして弛緩熱処
理、混繊、撚糸、糊付け、整経、製織、染色を行った。
結果を表1に示した。
を全く含まない通常のポリマーを用いて42デシテック
ス24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント
(A)とした以外は実施例1と全く同様にして弛緩熱処
理、混繊、撚糸、糊付け、整経、製織、染色を行った。
結果を表1に示した。
【0017】(比較例2)実施例1において、イソフタ
ル酸を全く含まないSHDが18%の42デシテックス
24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント
(B)とした以外は実施例1と全く同様にして混繊、糊
付け、整経、製織、染色を行い染色加工布を得た。結果
を表1に示した。
ル酸を全く含まないSHDが18%の42デシテックス
24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント
(B)とした以外は実施例1と全く同様にして混繊、糊
付け、整経、製織、染色を行い染色加工布を得た。結果
を表1に示した。
【0018】(比較例3)実施例1において、ポリエス
テルマルチフィラメント混繊糸を村田機械(株)製ダブ
ルツイスターを用いてS撚り方向に撚数1000T/M
で撚糸を行った以外は実施例1と全く同様にして整経、
製織、染色を行い染色加工布を得た。結果を表1に示し
た。
テルマルチフィラメント混繊糸を村田機械(株)製ダブ
ルツイスターを用いてS撚り方向に撚数1000T/M
で撚糸を行った以外は実施例1と全く同様にして整経、
製織、染色を行い染色加工布を得た。結果を表1に示し
た。
【0019】(比較例4)実施例1で得られた加工布を
JIS−L−1076C法に示されるアピアランスリテ
ンション20回操作は実施せず、A法に示されるICI
型試験機を10時間操作させてピリング評価を行った。
ピリング評価は4級であったが、婦人用ブラウスに縫製
して着用試験をすると毛玉、ピリングが発生し、評価方
法に問題があることが判った。 (実施例2)実施例1にて得られた燐含有ポリマーを定
法により溶融し、44デシテックス18フィラメント丸
断面の高配向未延伸糸を得た。該未延伸糸を弛緩熱処理
を行い、50デシテックス18フィラメントとし、SH
Dが―2%のポリエステルマルチフィラメント(A)と
した。他方、イソフタル酸該を10mol%共重合させ
た42デシテックス24フィラメント丸断面の乾熱16
0℃の収縮率が60%のポリエステルマルチフィラメン
ト(B)を準備し、インターレースノズルを用いてゲー
ジ圧を3.0kg/cm2に設定して混繊を行い、交絡
度が50ヶ/mを有したポリエステルマルチフィラメン
ト混繊糸とした。該ポリエステルマルチフィラメント混
繊糸を村田機械(株)製ダブルツイスターを用いてS撚
り方向に撚数400T/Mで撚糸を行い、一本糊付けを
行った後、筬入巾130cm、経糸本数8276本で整
経を行った。差し入れの後、(株)石川製作所製レピア
織機2001Sタイプにビームを仕掛けた後、緯糸とし
て110デシテックス96フィラメント丸断面のポリエ
ステルマルチフィラメントにSZ撚り方向に撚り数18
00T/Mを施したものを打ち込み、ヒラ組織で製織し
た。得られた生機密度は(167本/in,80本/in)
であった。該生機を通常のリラックス精練、15%の減
量、染色、仕上げ工程に通し、仕上り密度(190本/
in,92本/in)の染色加工布を得た。該染色加工布は
ソフト感、膨らみ感、張り腰を有し、尚且つ抗ピルを有
する加工布であり、ピリング判定は4級であった。結果
を表2に示した。
JIS−L−1076C法に示されるアピアランスリテ
ンション20回操作は実施せず、A法に示されるICI
型試験機を10時間操作させてピリング評価を行った。
ピリング評価は4級であったが、婦人用ブラウスに縫製
して着用試験をすると毛玉、ピリングが発生し、評価方
法に問題があることが判った。 (実施例2)実施例1にて得られた燐含有ポリマーを定
法により溶融し、44デシテックス18フィラメント丸
断面の高配向未延伸糸を得た。該未延伸糸を弛緩熱処理
を行い、50デシテックス18フィラメントとし、SH
Dが―2%のポリエステルマルチフィラメント(A)と
した。他方、イソフタル酸該を10mol%共重合させ
た42デシテックス24フィラメント丸断面の乾熱16
0℃の収縮率が60%のポリエステルマルチフィラメン
ト(B)を準備し、インターレースノズルを用いてゲー
ジ圧を3.0kg/cm2に設定して混繊を行い、交絡
度が50ヶ/mを有したポリエステルマルチフィラメン
ト混繊糸とした。該ポリエステルマルチフィラメント混
繊糸を村田機械(株)製ダブルツイスターを用いてS撚
り方向に撚数400T/Mで撚糸を行い、一本糊付けを
行った後、筬入巾130cm、経糸本数8276本で整
経を行った。差し入れの後、(株)石川製作所製レピア
織機2001Sタイプにビームを仕掛けた後、緯糸とし
て110デシテックス96フィラメント丸断面のポリエ
ステルマルチフィラメントにSZ撚り方向に撚り数18
00T/Mを施したものを打ち込み、ヒラ組織で製織し
た。得られた生機密度は(167本/in,80本/in)
であった。該生機を通常のリラックス精練、15%の減
量、染色、仕上げ工程に通し、仕上り密度(190本/
in,92本/in)の染色加工布を得た。該染色加工布は
ソフト感、膨らみ感、張り腰を有し、尚且つ抗ピルを有
する加工布であり、ピリング判定は4級であった。結果
を表2に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の燐化合物を配合したポリエステ
ルマルチフィラメント異収縮混繊糸によって、ポリエス
テルマルチフィラメントが脆くなって毛玉、ピリング脱
落しやすくなり、尚且つ異収縮混繊糸特有のソフトでピ
ーチ感、膨らみ感、張り腰、弾発性に優れた織編物を得
ることが可能となり、高級婦人衣料、インテリア用途に
も使用可能とすることができた。
ルマルチフィラメント異収縮混繊糸によって、ポリエス
テルマルチフィラメントが脆くなって毛玉、ピリング脱
落しやすくなり、尚且つ異収縮混繊糸特有のソフトでピ
ーチ感、膨らみ感、張り腰、弾発性に優れた織編物を得
ることが可能となり、高級婦人衣料、インテリア用途に
も使用可能とすることができた。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
D02J 1/22 D02J 1/22 K
P
D03D 15/00 D03D 15/00 D
Claims (7)
- 【請求項1】撚係数8000以下のポリエステルマルチ
フィラメント異収縮混繊糸から構成された織編物であっ
て、JIS−L−1076に記載されるC法(アピアラ
ンスリテンション)20回操作後、続けてA法(ICI
型試験機)を5時間連続操作させた際のピリング判定が
3.5級以上であることを特徴とする抗ピル性に優れた
ポリエステルマルチフィラメント織編物。なお、撚係数
はポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸繊度
(デシテックス)の平方根および混繊糸撚数(T/M)
との積を表す。 - 【請求項2】ポリエステルマルチフィラメント(A)及
び(B)から構成された撚係数8000以下の混繊糸で
あって、ポリエステルマルチフィラメント(A)は乾熱
160℃の収縮率が10%以下であり、ポリエステルマ
ルチフィラメント(B)は第3成分としてイソフタル酸
を15mol%以下含有し且つ乾熱160℃の収縮率が
35%以上であることを特徴とする抗ピル性に優れたポ
リエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸。 - 【請求項3】ポリエステルマルチフィラメント(A)の
10%アルカリ減量後の結節強度3.5cN/dtex以下、
結節伸度20%以下であることを特徴とする請求項2記
載の抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント
異収縮混繊糸。 - 【請求項4】ポリエステルマルチフィラメント(A)に
燐化合物が配合されており、燐化合物を燐化合物が得ら
れるポリエステルに対して総燐原糸換算で1000〜1
0000ppm配合されていることを特徴とする請求項2
記載の抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメン
ト異収縮混繊糸。 - 【請求項5】ポリエステルマルチフィラメント(A)の
10%アルカリ減量後の強度保持率が70%以上である
ことを特徴とする請求項2記載の抗ピル性に優れたポリ
エステルマルチフィラメント異収縮混繊糸。 - 【請求項6】ポリエステルマルチフィラメント(A)は
乾熱160℃の収縮率が0%未満であることを特徴とす
る請求項2記載の抗ピル性に優れたポリエステルマルチ
フィラメント異収縮混繊糸。 - 【請求項7】燐化合物を配合したポリエステルマルチフ
ィラメント(A)とポリエステルマルチフィラメント
(B)とを溶融紡糸の際に直接紡糸延伸法によって各々
延伸し、交絡数が10ヶ/ M以上を付与しながら巻き
取ることを特徴とする抗ピル性に優れたポリエステルマ
ルチフィラメント異収縮混繊糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001320741A JP2003129354A (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織編物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001320741A JP2003129354A (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織編物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003129354A true JP2003129354A (ja) | 2003-05-08 |
Family
ID=19138085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001320741A Pending JP2003129354A (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 抗ピル性に優れたポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸、その織編物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003129354A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0813274A (ja) * | 1994-07-05 | 1996-01-16 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル系マルチフイラメント太細斑糸条 |
JPH0881854A (ja) * | 1994-09-13 | 1996-03-26 | Toyobo Co Ltd | 織物の製造方法 |
JPH09170165A (ja) * | 1995-12-19 | 1997-06-30 | Toray Ind Inc | 柄状模様を有する立毛布帛およびその製造方法 |
JPH09316743A (ja) * | 1996-05-27 | 1997-12-09 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル異収縮混繊糸及びその製造方法 |
-
2001
- 2001-10-18 JP JP2001320741A patent/JP2003129354A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0813274A (ja) * | 1994-07-05 | 1996-01-16 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル系マルチフイラメント太細斑糸条 |
JPH0881854A (ja) * | 1994-09-13 | 1996-03-26 | Toyobo Co Ltd | 織物の製造方法 |
JPH09170165A (ja) * | 1995-12-19 | 1997-06-30 | Toray Ind Inc | 柄状模様を有する立毛布帛およびその製造方法 |
JPH09316743A (ja) * | 1996-05-27 | 1997-12-09 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル異収縮混繊糸及びその製造方法 |
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