JP2003128810A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
二軸配向ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
の優れ、感熱孔版印刷原紙用として好適なポリエステル
フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステル製造反応系で析出させた、
カルシウムおよびリンを含有する平均粒径0.5〜2.
0μmの析出粒子を0.05〜1.0重量%、平均粒径
0.5〜2.0μmの不活性微粒子を0.1〜1重量%
含有し、フィルムの厚さが0.5〜5.0μmであり、
かつ、下記式(1)および(2)を同時に満足すること
を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。 0.02≦Ra≦0.20 …(1) 0.20≦P−V≦2.00 …(2) (上記式中、Raはフィルム表面の平均粗さ(μm)、
P−Vはフィルム表面の最大粗さ(μm)を表す)
Description
フィルムに関する。詳しくは、本発明は、穿孔性および
印刷時の解像度、並びに耐刷性の優れた感熱孔版印刷原
紙用として好適なポリエステルフィルムに関するもので
ある。
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
のが知られている。上記の熱可塑性樹脂フィルムとして
は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等
の各種樹脂のフィルムが用いられているが、感熱孔版印
刷用原紙としての特性は、これらのフィルムの物性によ
って著しく影響を受けるため、その要求特性にしたがっ
て各種のフィルムが用いられ、改良が試みられている。
下のような特性が要求される。 (1)熱穿孔感度がよいこと。すなわち、少量の熱量で
溶融し、かつ、印刷時の画像が鮮明になるような適度な
大きさの穿孔が得られるような十分な熱吸収率を有する
こと。 (2)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび印刷時の作業
に十分耐え得る強度、弾性率を持つこと。従来、原紙に
用いるフィルムは良好な熱穿孔特性を得るため非常に薄
手のフィルム(通常1.5〜6μm)が使用されてお
り、原紙作成時、および印刷時の作業性、耐久性を持つ
ためには、フィルムに十分な強度、弾性率が必要とされ
る。 (3)印刷インキに使用されるトルエン、キシレン等の
有機溶剤に長時間耐えられること。
時の生産性にも優れていることが必要である。すなわ
ち、フィルムの延伸性が良好で、破断等のトラブルを起
こさず、また、巻き取り性、スリット性が良好で、巻き
取り時にシワが入ったり、巻きずれを起こしたりしない
ことが必要である。さらに、かかるフィルムを用いて原
紙を作成する際の取り扱い性に優れていなければならな
い。従来、かかる用途に用いるフィルムとして、熱可塑
性樹脂を対象とした二軸延伸フィルムであって、その熱
的特性を既定することにより印刷特性を改善したフィル
ム(特開昭62−149596号公報)等が提案されて
いるが、上記した要件をすべて満足するものではなかっ
た。
鑑みなされたものであって、その解決課題は、穿孔性お
よび印刷時の解像度、並びに耐刷性の優れ、感熱孔版印
刷原紙用として好適なポリエステルフィルムを提供する
ことにある。
鑑み、鋭意検討した結果、特定の粒子を含有し、表面状
態が特定の条件を満足する二軸配向ポリエステルフィル
ムが、感熱孔版印刷原紙用フィルムとして好適であるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
製造反応系で析出させた、カルシウムおよびリンを含有
する平均粒径0.5〜2.0μmの析出粒子を0.05
〜1.0重量%、平均粒径0.5〜2.0μmの不活性
微粒子を0.1〜1重量%含有し、フィルムの厚さが
0.5〜5.0μmであり、かつ、下記式(1)および
(2)を同時に満足することを特徴とする二軸配向ポリ
エステルフィルムに存する。 0.02≦Ra≦0.20 …(1) 0.20≦P−V≦2.00 …(2) (上記式中、Raはフィルム表面の平均粗さ(μm)、
P−Vはフィルム表面の最大粗さ(μm)を表す)
本発明でいうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を
主たる酸成分とし、アルキレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエステルを指す。芳香族ジカルボ
ン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また、アルキ
レングリコールとしては、エチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等が挙げられる。
ルボン酸と、1種のアルキレングリコールとを出発原料
とするポリエステルでもよいが、2種以上の成分を含む
共重合体であることがさらに好ましい。共重合する成分
としては、上記のほかに、ジエチレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、あるいはアジピン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等
のオキシカルボン酸等が挙げられる。
は、通常、0.4以上、好ましくは0.50〜1.0で
ある。極限粘度が0.40未満では、フィルムの生産性
が劣ったり、フィルムの機械的強度が不足したりする傾
向がある。本発明のフィルムの厚みは、0.5〜5.0
μmの範囲であることが必要であり、好ましくは0.5
〜3.0μmの範囲である。フィルムの厚みが薄くなれ
ば熱伝達距離が短縮され、穿孔時に必要な熱エネルギー
も減少するため穿孔性が向上し、印刷時の解像度や印字
品位性が向上するが、フィルム厚みが0.5μm未満で
は印字が不鮮明で濃淡ムラが生じやすく、フィルムの製
造においても生産性、巻き上げ作業性が悪化する。一
方、フィルム厚みが5.0μmを超えると穿孔性が悪化
するため、印刷時にムラが生じるようになり好ましくな
い。
し、表面の形状が特定の条件を満たすことが必要であ
る。フィルムの巻き上げ、コーティング、貼り合わせ工
程および印刷時の作業性を向上させるためフィルムに適
度な滑り性を与えることが必要である。そのためにフィ
ルム表面に微細な突起を形成させる方法を採用するが、
かかる突起の大きさや数が不適当であると、熱伝達にム
ラが生じ、穿孔が不均一になり、解像度が劣ったり、印
字品位性を損なったりすることになる。したがって、本
発明のフィルムは、ポリエステル製造反応工程で析出さ
せたカルシウムおよびリンを含有する析出粒子と不活性
微粒子を含有する必要がある。
用いられるカルシウム化合物とリン化合物との反応生成
物が微細な粒子として析出したものであり、本発明にお
ける析出粒子は、カルシウムおよびリンを含有すること
が必要である。特に上記のリン化合物としては、フィル
ムに適度な滑り性を与えるので、トリアルキルホスフェ
ートおよびトリアルキルホスファイトを用いることが好
ましい。すなわち、ポリエステル合成反応工程で反応系
に可溶なカルシウム化合物に対してトリアルキルホスフ
ェートとトリアルキルホスファイトとを作用させること
により析出粒子を析出させてポリエステルに含有させ
る。その際、当該析出粒子中のカルシウム元素に対する
リン元素のモル比は、0.7〜2.5の範囲が好まし
い。
元素のモル比が0.7未満である場合は、その粒子は、
延伸によって破壊されやすく、フィルムに目的とする滑
り性を与えることができないことがある。また、上記の
モル比が2.5を超える場合には、必然的にポリマー中
にも多量のリン化合物が存在するようになり、ポリエス
テル製造時の重合速度が遅くなり、工業的に著しく不利
となる傾向がある。本発明において、析出粒子は、カル
シウム以外の金属元素、例えば、リチウム、マグネシウ
ム、亜鉛、マンガン、バリウム等を実質的に含有してい
ないのが好ましく、含有する場合でも、カルシウム元素
に対し、通常0.1モル以下、好ましくは0.05モル
以下とするのがよい。何故ならば、カルシウム以外の金
属元素の共存下で析出粒子を形成させる場合は、往々に
してその析出形態が変化し、安定した析出粒子を得るこ
とができない場合があるからである。
5〜2.0μmでなければならず、特に0.6〜1.5
μmが好ましい。平均粒径が0.5μm未満であると、
フィルムに対する滑り性の発現効果が不十分であり、フ
ィルムの製造加工工程おける作業性が悪化する。一方、
平均粒径が2.0μmを超えると、析出粒子であるにも
かかわらず製膜時のフィルターの寿命が短くなり、か
つ、感熱孔版印刷原紙として用いた際に印刷の解像度が
低下する等の問題が生ずるようになり、好ましくない。
上記の析出粒子は、ポリエステルフィルム中に0.05
〜1.0重量%含まれている必要があり、好ましくは
0.06〜0.7重量%の範囲である。析出粒子の含有
量が0.05重量%未満であると、フィルムに十分な滑
り性を与えることができず、好ましくない。一方、析出
粒子の含有量が1.0重量%を超えると、フィルムの滑
り性がより改善されることなく、粒子同志の凝集により
粗大突起が頻発するようになり、フィルム製造時に破断
が多発して生産性が著しく低下したり、感熱孔版印刷原
紙として用いた際に印刷時の解像度を低下する等の問題
が生じたりするようになり、好ましくない。
は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、リン酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸
バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオラ
イト、硫化モリブデン等の無機粒子、シュウ酸カルシウ
ム、架橋高分子粒子などの有機粒子を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。不活性微粒子
の平均粒径は、0.5〜2.0μmでなければならず、
特に0.7〜1.5μmが好ましい。平均粒径が0.5
μm未満であると、フィルム表面の粗面化が不足し、十
分に発明の効果が得られない。また、平均粒径が2.0
μmを超えると、フィルム表面の粗面化の度合いが大き
過ぎて熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像
度が劣ったり、印字品位性が損なわれたりするため好ま
しくない。
えば次のような方法を挙げることができる。すなわち、
エステル交換触媒としてカルシウム化合物を用いる場
合、エステル交換反応前または反応中に、カルシウム化
合物の1種以上をエステル交換触媒として適量を添加
し、次いで、エステル交換反応の実質的な終了後でかつ
重縮合反応前に、3価のリン化合物と5価のリン化合物
からなる複数のリン化合物を反応系に添加することによ
り、析出粒子を得ることができる。上記のカルシウム化
合物としては、反応系に可溶なカルシウム化合物であれ
ば如何なる化合物でもよく、例えば、酢酸、プロピオン
酸、酪酸のような脂肪族カルボン酸のカルシウム塩、安
息香酸、p−メチル安息香酸のような芳香族カルボン酸
のカルシウム塩、さらにはエチレングリコール、プロピ
レングリコール等のカルシウムグリコラートのようなカ
ルシウム化合物、水素化カルシウムのような無機化合物
を挙げることができる。これらの中では、特に酢酸カル
シウムが好適に用いられる。カルシウム化合物の量は、
ポリエステル原料中の全酸性分に対し、通常0.05〜
0.3モル%程度、好ましくは0.08〜0.14モル
%である。
亜リン酸、トリメチルホスファイト、トリブチルホスフ
ァイト、ジメチルホスファイト、ジエチルホスファイ
ト、モノブチルホスファイト、およびジブチルホスファ
イト等を挙げることができる。上記のリン化合物の添加
量は、カルシウム化合物の合計量に対して1〜3モル倍
量が好ましい。1モル倍未満では、析出粒子中のカルシ
ウム元素に対するリン元素のモル比が0.7未満とな
り、延伸により破壊されやすい析出粒子となる傾向があ
り、一方、3モル倍を超える場合は、ポリマー製造時の
重合速度が遅くなる傾向があり工業的に不利となる。ま
た、3価のリン化合物に対する5価のリン化合物のモル
比は、通常1〜20、好ましくは2〜10の範囲であ
る。3価のリン化合物に対する5価のリン化合物のモル
比が1未満の場合は、得られるポリマーが黒色化し、ま
た、ポリマー製造時に黒色異物が発生しやすいため、安
定した操作が行い難くなる傾向にある。一方、上記のモ
ル比が20を超える場合は、析出粒子量が少なく、フィ
ルムに対する滑り性付与効果が不十分となる傾向があ
る。
リゴマーの液温が通常225℃〜250℃、好ましくは
230℃〜240℃である時期を選択するのが好まし
い。このような添加時期の選択により、析出粒子の平均
粒径および粒子量を本発明で規定する範囲に調整するこ
とができる。なお、リン化合物添加時にカルシウム以外
の金属元素が存在する場合、例えば、リチウム、亜鉛、
マンガン、マグネシウム、バリウム化合物などを用いて
エステル交換反応を行った後にカルシウム化合物を添加
する場合、または、これらの金属化合物とカルシウム化
合物の共存下でエステル交換反応を行わせるような場合
において、得られる析出粒子中にこれらの金属元素がカ
ルシウム元素に対し0.1倍モルを超えて含まれる場合
は、析出粒子の平均粒径および粒子量が本発明で規定範
囲外となることが多くなる傾向がある。
テルの合成工程中に添加してもよいし、ポリエステルに
直接添加してもよい。合成工程中に添加する場合は、粒
子をエチレングリコール等に分散させたスラリーとし
て、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法が好
ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合は、乾
燥した粒子として、または、水もしくは沸点が200℃
以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、ポリエス
テルに添加し、2軸混練り・混合する方法が好ましい。
なお、添加する粒子は、必要に応じて、事前に解砕、分
散、分級、濾過等の処理を施しておくのがよい。不活性
微粒子の含有量を調節する方法としては、上記した方法
で高濃度に粒子を含有するマスター原料を使用するマス
ターバッチ法を好適に使用することができる。
より、表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、本発
明のフィルムは、さらにフィルムの表面形状が特定の条
件を満足することが必要である。すなわち、本発明のフ
ィルムは、表面形状に関し、平均粗さ(Ra)が0.0
2〜0.20μmであることが必要であり、好ましくは
0.02〜0.15μm、かつ、最大粗さ(P−V)が
0.20〜2.00μm、好ましくは0.30〜1.5
0μmの範囲である。平均粗さ(Ra)が0.02μm
未満であると、フィルムの滑り性が不足するためフィル
ム製造時、孔版印刷原紙製造時の取り扱い性が不良にな
るばかりか、原紙として使用する際も穿孔時、サーマル
ヘッドとの滑り性が悪化するため好ましくない。また、
平均粗さ(Ra)が0.20μmを超えると、印刷時の
解像度が悪化するために好ましくない。
を超えると印刷時の解像度の悪化をもたらすようになる
ために好ましくなく、最大粗さ(P−V)が0.20未
満では、フィルムの巻き取り工程において、空気を巻き
込むことに起因するシワが発生し好ましくない。本発明
のフィルムの表面形状に関しては、上記した要件に加
え、後述する三次元表面粗さ計を用いて測定した、突起
高さ0.1μm以上の突起数が1000〜15000個
/mm2、さらには2000〜12000個/mm2の
範囲であり、突起高さ0.4μm以上の突起数が通常2
0〜2000個/mm2、さらには50〜1000個/
mm2の範囲であることが好ましい。平均粗さ(Ra)
および最大粗さ(P−V)に加えてかかる要件が同時に
満足されたとき、作業性や印刷時の解像度、印字品位性
がさらに高度に満足される。
用する際の高度な熱穿孔性を有し、印刷時の解像度を向
上させるため、フィルムの150℃3分間の熱収縮率の
縦方向、横方向の和が通常5〜45%、好ましくは10
〜40%の範囲である。かかる熱収縮率の和が5%未満
では十分な熱穿孔性が得られず、印刷時の解像度が劣る
ようになる。また、かかる和が45%を超えると、原紙
とした後、フィルムの収縮率に起因するカールが生ずる
ようになったり、印刷性が悪化するようになったりする
場合がある。本発明のフィルムは、極めて薄いフィルム
として製造するので、強度が低くなると、取り扱い性が
悪くなるため好ましくない。本発明においては、フィル
ムの長手方向と幅方向の引っ張り弾性率が共に200k
g/mm2以上、好ましくは300kg/mm2以上で
ある場合、取り扱い性や耐刷性がより良好となり好まし
い。
造方法について説明する。本発明においては、ポリマー
をエクストルーダーに代表される周知の溶融押し出し装
置に供給し、ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融さ
せる。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイか
ら押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の
温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配
向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させ
るため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必
要があり、本発明においては静電印加密着法および/ま
たは液体塗布密着法が好ましく採用される。本発明にお
いては、このようにして得られた未配向シートを二軸方
向に延伸してフィルム化して製造される。二軸方向の延
伸は、一段または二段以上で行うことができる。
記未配向シートを好ましくは50〜120℃、さらに好
ましくは60〜110℃の温度範囲で一方向にロールも
しくはテンター方式の延伸機により2.5〜7倍に延伸
する。次に、一段目と直交する方向に好ましくは55〜
125℃、さらに好ましくは65〜115℃の温度範囲
で2.5〜7倍に延伸を行い、二軸に配向したフィルム
を得る。なお、一方向の延伸を二段階以上で行う方法も
用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率が
上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未配向
シートを面積倍率が6〜30倍になるように同時二軸延
伸することも可能である。かくして得られたフィルム
は、熱処理を行うことが好ましいが、必要に応じ、熱処
理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延
伸してもよい。
向と横方向の熱収縮率の和が5〜45%であることが好
ましいが、かかる熱収縮率とするために、上記熱処理温
度は100〜200℃、好ましくは120〜180℃が
望ましく、熱処理時間は通常1秒〜10分間である。か
かる熱処理は、フィルム20%以内の制限収縮もしくは
伸長、または定長下で行い、また二段階以上で行っても
よい。なお、本発明においては、製膜に供するポリエス
テル全量に対し、10重量%程度以下の他のポリマー
(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
アミド、ポリイミド等)を含有させることができる。ま
た、必要に応じ酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、
顔料等の添加剤を配合してもよい。
は、常法に従って所定の多孔性薄葉紙を公知の接着剤を
用いてラミネートすることにより、熱穿孔性、原紙作製
時および印刷時の作業性、耐久性、印刷の解像度および
印字品位性に優れた感熱孔版印刷用原紙とすることがで
きる。
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものでない。なお、本発明のフィルムの
物性測定法を以下に示す。実施例および比較例中、
「部」とあるは「重量部」を示す。
ムをプレパラートに挟み込んで溶融、冷却した後、顕微
鏡にて観察し、その画像を画像処理装置(ライカ社製Q
uantimet500)で処理することにより測定し
た。添加粒子の場合は、遠心沈降式粒度分布測定装置
(島津製作所製SP−CP3型)で測定した。本発明に
おいては、平均粒径(d50)とは、その形状の如何に
かかわらず等価球換算値の体積分率50%の粒径(直
径)を指す。
ットルを加え、120℃で3時間加熱後、超遠心分離機
(日立工機製55P−72)を用いて40分間遠心分離
を行い、得られた粒子を100℃で真空乾燥する。走査
型差動熱量計にて上記の粒子を処理し、ポリマーに相当
する融解ピークが認められる場合は、当該粒子にo−ク
ロルフェノールを加えて加熱冷却後、再び遠心分離を行
う。そして、融解ピークが認められなくなった時、該粒
子を析出粒子とする。遠心分離操作は、通常2回で足り
る。
/50(重量比))の混合溶媒100ml中に溶解さ
せ、エベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
用した2光束干渉法を用いた非接触表面計測システム
(マイクロマップ社製Micromap512)を用い
て、平均粗さ(Ra)、最大粗さ(P−V)を計測し
た。なお、測定波長は554nmとし、対物レンズは2
0倍を用いて、20視野計測し、その平均値とした。
0.4μm以上の突起数 (株)小坂研究所製三次元表面粗さ計(SE−3AK)
を用い、触針の先端半径5μm、カットオフ0.25m
m、縦倍率50000倍または20000倍、横倍率2
00倍、走査本数500本の条件で突起高さと突起数を
測定した。ここで言う突起高さ(X、μm)は、突起数
が最大となる点の高さを0レベルとし、このレベルから
の高さをもつて突起高さとして、各突起高さにおける突
起数(Y、個/mm2)との関係を図式化し分布曲線と
して表した。突起高さ0.1μm以上、および0.4μ
m以上の突起数は、上記方法による突起高さが0.1μ
mおよび0.4μmを超えた突起に対応する突起数のそ
れぞれの総数をもって表す。測定はフィルムの長手方向
に3点、それと直角方向に3点、計6点行い、その平均
値を測定値とした。
に3分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次
式にて算出した。 熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100 (上記式中、L0は熱処理前のサンプル長、L1は熱処
理後のサンプル長) フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。
合わせて原紙を作製した。得られた原紙を使用し、製版
機として理想科学工業(株)製リソグラフFX720
0、印刷機として同AP7200を用いて印刷された文
字、画像について目視判定し、下記特性を評価した。 印字品位性 ○…濃淡のムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき、良
好。 △…わずかに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや鮮明
さに欠ける。 ×…濃淡のムラ、あるいはにじみがはっきり出ている。 耐刷性 ○…2000枚以上の連続印刷が可能。 ×…数百枚程度しか連続印刷ができない。
フィルムの取り扱い作業性に関し、次の三ランクに分け
た。 ○…取り扱い性は良好で、スムースに作業ができる。 △…取り扱い性は概ね良好だが、ややスムースさに欠け
る。 ×…フィルム同志がブロッキングしたり、シワが入った
りし易く取り扱い性が不良である。
70部および酢酸カルシウム一水塩0.11部を反応器
にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去してエス
テル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して23
0℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで、トリエチルホスファイト0.124部とト
リエチルホスフェート0.54部とをエチレングリコー
ルに均一に溶解させた液を上記の反応混合物に添加し、
さらに、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、1
0分間を要して236℃に達せしめた。この時点から系
内の圧力を徐々に減じ、三酸化アンチモン添加後、80
分で系内の温度を265℃、圧力を300mmHgと
し、以後も、徐々に昇温減圧し、最終的に285℃、1
mmHg以下とした。4時間後、系内を常圧に戻し、窒
素加圧下ポリマーを吐出させてチップ化した。得られた
ポリエステル(A)の極限粘度は0.66であった。上
記のポリエステル(A)中には、均一で微細な析出粒子
が多数認められ、その平均粒径は1.4μmであった。
析出粒子量を測定したところ、ポリエステルに対して
0.4重量%であった。一方、テレフタル酸ジメチル8
4部、イソフタル酸ジメチル16部、エチレングリコー
ル64部および酢酸カルシウム一水塩0.11部を反応
器にとり、エステル交換反応を行った。すなわち、反応
開始温度を180℃とし、メタノールの留去と共に徐々
に反応温度を上昇させ、4時間後、230℃まで昇温
し、実質的にエステル交換反応を終了させた。次いで、
トリエチルホスフェート0.07部を添加した後、乳化
重合法で得られた平均粒径1.2μmの架橋高分子粒子
を1.0部および三酸化アンチモン0.04部を添加
し、常法により重縮合反応を行った。この反応は、温度
を徐々に高めると共に、圧力を常圧より徐々に減じ、2
時間後、温度を270℃、圧力を0.3mmHgとし
た。反応開始後5時間を経た時点で反応を停止し、窒素
加圧下ポリマーを吐出させてチップ化した。得られた共
重合ポリエステル(B)の極限粘度は0.68であっ
た。次に、ポリエステル(A)50部、共重合ポリエス
テル(B)50部とを混合したものを原料として、28
0℃で押し出し機よりシート状に押し出し、表面温度を
40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利
用して急冷固化させ、厚み30μmの実質的に非晶質の
シートを得た。次いで得られたシートを縦方向に80℃
で3.7倍、横方向に95℃で4.0倍に延伸し、さら
に140℃で7秒間熱処理を行い、厚み2μmの二軸配
向フィルムを得た。
%であって、平均粒径が1.0μmの球状シリカを1.
0重量%含有する共重合ポリエステル(C)を製造し
た。共重合ポリエステル(C)の極限粘度は0.66で
あった。得られた共重合ポリエステル(C)50部、ポ
リエステル(A)50部とを混合し、熱処理温度を15
0℃とした以外は実施例1と同様の条件で製膜し、厚み
2μmの二軸配向フィルムを得た。
常法にて製造したポリブチレンテレフタレート25部、
ポリエステル(A)を50部とを混合し、製膜条件は実
施例1と同様の条件で製膜し、厚み2μmの二軸配向フ
ィルムを得た。
ポリエステル(B)80部を混合し、実施例1と同様に
製膜して、厚み2μmの二軸配向フィルムを得た。
際に粒子を添加しないこと以外は、実施例1と同様の条
件で製膜し、析出粒子のみを含有する厚み2μmの二軸
配向フィルムを得た。
ン化合物を添加しないこと以外は、実施例1と同様の条
件で製膜し、添加粒子のみを含有する厚み2μmの二軸
配向フィルムを得た。
子として、乳化重合法により得られた平均粒径0.4μ
mの架橋高分子粒子とする以外は、実施例1と同様の条
件で製膜し、厚み2μmの二軸配向フィルムを得た。
子として、平均粒径2.5μmの球状シリカを用いる以
外は、実施例2と同様の条件で製膜し、厚み2μmの二
軸配向フィルムを得た。
機のポリマー押し出し量のみを変化させて、厚み6μm
の二軸配向フィルムを製造した。以上、得られたフィル
ムを常法に従い、多孔性薄葉紙に貼り合わせて感熱孔版
印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。フィルムの物
性および謄写印刷特性を下記表1にまとめて示す。
を満たしているため、フィルム製造時、原紙作成時の取
り扱い性に優れ、これらを用いて作成した原紙は、印字
品位性、耐刷性に優れ、良好な謄写印刷特性を示すもの
であった。これらに対し、比較例1〜5のフィルムは、
本発明の要件を満たしていないために、フィルムの取り
扱い性、印字品位性、耐刷性に劣るものである。
ルム製造、原紙作成における取り扱い性、印字品性、耐
刷性に優れた感熱孔版印刷原紙用フィルムとして好適で
あり、その工業的価値は高い。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエステル製造反応系で析出させた、
カルシウムおよびリンを含有する平均粒径0.5〜2.
0μmの析出粒子を0.05〜1.0重量%、平均粒径
0.5〜2.0μmの不活性微粒子を0.1〜1重量%
含有し、フィルムの厚さが0.5〜5.0μmであり、
かつ、下記式(1)および(2)を同時に満足すること
を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。 0.02≦Ra≦0.20 …(1) 0.20≦P−V≦2.00 …(2) (上記式中、Raはフィルム表面の平均粗さ(μm)、
P−Vはフィルム表面の最大粗さ(μm)を表す) - 【請求項2】 析出粒子が、ポリエステル合成反応系に
可溶なカルシウム化合物に対しトリアルキルホスファイ
トおよびトリアルキルホスフェートを作用させることに
より析出させた粒子であることを特徴とする請求項1記
載の二軸配向ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001322166A JP2003128810A (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001322166A JP2003128810A (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003128810A true JP2003128810A (ja) | 2003-05-08 |
Family
ID=19139257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001322166A Pending JP2003128810A (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003128810A (ja) |
-
2001
- 2001-10-19 JP JP2001322166A patent/JP2003128810A/ja active Pending
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