JP2003128557A - グルコサミン含有パップ剤 - Google Patents
グルコサミン含有パップ剤Info
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Abstract
ミンを含有する基剤に変色が生じないグルコサミン含有
貼付剤、特にグルコサミン含有パップ剤の提供。 【解決手段】 少なくとも水溶性高分子化合物、水、架
橋剤およびpH調整剤を必須成分とする架橋型含水ゲル
に、有効成分としてグルコサミンを配合するとともに、
前記架橋型含水ゲルのpHを5以下としたことを特徴と
するグルコサミン含有パップ剤であり、その中でも、グ
ルコサミンの配合量が、架橋型含水ゲル100重量部に
対して0.1〜20重量部であることを特徴とするグル
コサミン含有のパップ剤である。
Description
定に配合したパップ剤に関する。
基が一級アミノ基に置換した単糖であり、アミノ糖の一
種である。アミノ糖は生体内では糖タンパク質や糖脂質
の糖鎖中に見出されるほか、コンドロイチン硫酸やヒア
ルロン酸などのグリコサミノグリカン類の主要構成単位
として、結合組織や皮膚組織、軟骨、関節液などに多く
分布している。通常軟骨には乾燥重量あたり20〜40
%のグリコサミノグリカンが含まれ、保水性や弾力性な
どの役割を担っている。
殻に含まれる高分子多糖類のキチンからの工業的製法が
開発され、機能性新素材としての利用が期待されてい
る。その一つとして、1980年代頃からグルコサミン
は変形性関節症の治療薬としてイタリアのロッタ社の研
究グループを中心に研究されており、ヨーロッパで認知
された後、最近では、アメリカや日本でも注目を浴びて
いる。
などのグリコサミノグリカン類の皮膚細胞における減少
は、肌の老化にも影響すると考えられており、それらの
前駆物質であるグルコサミンの美容に対する効果も期待
されている。また、ごく最近に至って、グルコサミンが
生体内では好中球の機能を抑制し、抗炎症作用を発揮
し、炎症を和らげる可能性が示唆されており、各種炎症
性疾患の予防、治療への適用が提案されている。
の投与経路の一つに経皮投与方法が考えられる。しかし
ながら、グルコサミンをパップ剤等の貼付剤として製剤
化するにあたって基剤中に添加した場合には、顕著な変
色を引き起こしてしまい、また含有されたグルコサミン
の安定性も悪く、そのためグルコサミンを添加した貼付
剤は製品化できていないのが現状である。
グルコサミンの保存安定性が高く、グルコサミンを含有
する基剤に変色が生じないグルコサミン含有貼付剤、特
にグルコサミン含有パップ剤を提供することを課題とす
る。
ップ剤に使用する基剤について鋭意検討した結果、基剤
組成物として架橋型含水ゲルを用い、かつそのpHを5
以下にし、そこにグルコサミンを配合させた場合には、
変色の少ない、グルコサミンの保存安定性の高いグルコ
サミン含有のパップ剤が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
かかる本発明は、少なくとも水溶性高分子化合物、水、
架橋剤およびpH調整剤を必須成分とする架橋型含水ゲ
ルに、有効成分としてグルコサミンを配合するととも
に、前記架橋型含水ゲルのpHを5以下としたことを特
徴とするグルコサミン含有パップ剤である。
において、グルコサミンの配合量が架橋型含水ゲル10
0重量部に対して0.1〜20重量部であることを特徴
とするグルコサミン含有のパップ剤である。
パップ剤に使用するグルコサミンとしては、グルコサミ
ン塩酸塩、あるいは硫酸塩としての塩の形態があり、こ
れらを一種または2種組み合わせて使用することでき
る。本発明においては、グルコサミンの含有量は、グル
コサミンの治療上有効量であって、架橋型含水ゲル10
0重量部に対して0.1〜20重量部配合することが好
ましい。配合量が0.1重量部未満であると変色は少な
いもののグルコサミンの安定性が悪くなり、好ましいも
のではない。また20重量部より多いと、架橋型含水ゲ
ルの形成に支障をきたすため好ましくない。
パップ剤の基剤となる架橋型含水ゲルは、必須成分とし
て水溶性高分子化合物、水、架橋剤、pH調整剤を含有
するものである。
ポリアクリル酸および/またはその塩が挙げられ、これ
らを1種もしくは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。ポリアクリル酸塩の塩類としては、ナトリウ
ム、リチウム、カリウムなどの金属塩が好ましく、また
部分中和物でもあってもよい。
してポリアクリル酸および/またはその塩を主体とする
が、それ以外に、その他の水溶性高分子化合物を併用し
て使用することが好ましい。そのような水溶性高分子化
合物としては、例えばアルギン酸ソーダ、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサ
イド、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、デンプンアクリル酸
グラフト共重合体、キサンタンガム、アラビアガム、ト
ラガントガムなどを挙げることができる。これらの化合
物は、必要に応じてその一種または二種以上とポリアク
リル酸および/または塩を組み合わせて使用することが
できる。
他の水溶性高分子化合物との配合比は、ポリアクリル酸
および/またはその塩類を1としたとき0.1〜3にな
るのが好ましく、より好ましくは0.5〜1となるのが
よい。配合比が0.1以下であるとパップ剤として構成
される所望の粘度が得られなくなり好ましくない。ま
た、配合比が3以上になると架橋形成が不充分となり好
ましくない。
基剤となる架橋型含水ゲル100重量部に対して2〜3
0重量部配合することが好ましい。2重量部未満である
とゲル形成に支障をきたし、30重量部を越えるとゲル
が固くなりすぎて粘着性、製造過程における作業性等に
支障をきたし、好ましいものではない。
ル100重量部に対して20〜80重量部配合すること
が好ましい。水の配合量が80重量部を越えるとゲル形
成、粘着性に支障をきたし、20重量部未満であると架
橋形成に支障をきたすので好ましいものではない。
なく、各種多価金属塩やジアルデヒドデンプンなどの有
機架橋剤などを使用することができる。その中でも、通
常は多価金属塩を使用することが好ましい。このような
架橋剤である多価金属塩としては、例えば塩化マグネシ
ウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カリウム
ミョウバン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、リン酸カルシウム、
リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、クエン酸カ
ルシウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムグリシネー
ト、含水ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム、乳酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト
等が挙げることができる。これらの多価金属塩は、1種
もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。
100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
0.01重量部未満であると架橋形成が充分でなく、5
重量部を越える場合にはゲルが固くなるので好ましくな
い。
乳酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコール酸、リ
ンゴ酸、クエン酸、塩酸、硝酸、硫酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、メチルアミン、エチルアミン、プ
ロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプ
ロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、モノエタ
ノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメタノール
アミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、
トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプ
ロパノールアミン等を挙げることができる。
酸、蟻酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコ
ール酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸が好ましく、そ
の1種または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
パップ剤においては、架橋型含水ゲルのpHは5以下で
あり、より好ましくは2〜4.5の範囲である。ゲルの
pHが5を越えるとゲルの変色が著しく、グルコサミン
の安定性も悪い。また、ゲルのpHが2未満になると架
橋型含水ゲルの形成に支障をきたすため好ましいもので
はない。
gをとり、水を加えて100mlとし、20分間超音波
抽出したときの液のpHをいう。
には上記の成分のほかに、必要に応じて、賦形剤、界面
活性剤、湿潤剤、可塑剤、着色剤、防腐剤、香料、酸化
防止剤、金属キレート剤、溶解剤等を通常の配合量で配
合することができる。
鉛、含水シリカ、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシ
ウム、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、カオリン、ベ
ントナイト、無水ケイ酸、酸化チタン等を配合すること
ができる。
ーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸モ
ノグリセリド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、脂肪酸アミド
アミン塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニ
ウム塩、ベンゼトニウム塩等のカチオン性界面活性剤、
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、エチレンアルキルエーテル等の非イオン界面
活性剤を配合することができる。
ビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、ポリエチレングリコール等を配合することが
でき、また可塑剤としては、例えばスクワラン、流動パ
ラフィン、ヒマシ油、エタノール、イソプロパノール等
を配合することができる。
タートラジン、ブリリアントブルーFCF等を配合する
ことができ、また防腐剤としては、パラオキシ安息香酸
エステル、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノー
ル、ヒノキチオール、フェノキシエタノール等を配合す
ることができる。
ール、カンフル等を配合することができ、また、酸化防
止剤としては、例えばdl−α−トコフェロールブチル
ヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没
食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン
酸、エリソビン酸、茶エキス等を配合することができ
る。
ジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト
酸塩、クエン酸ナトリウム、グルコン酸等を配合するこ
とができ、溶解剤としては、例えばオリーブ油、ベンジ
ルアルコール、クロタミトン、ミリスチン酸イソプロピ
ル、オレイン酸、N−メチル−2−ピロリドン等を配合
することができる。
パップ剤において、支持体となる基布としては特に制限
はなく、織布、不織布、紙、プラスチックなど通常パッ
プ剤の基布として用いられる材料はいずれも使用するこ
とができる。
更に詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定する
ものではない。なお、本実施例および比較例における配
合量の値は全て重量%である。
分により、常法にしたがって実施例1〜7のパップ剤を
製造した。すなわち、グルコサミンと一部の水溶性高分
子化合物および多価アルコールを精製水の一部に溶解さ
せ、所望により、これに他の配合成分を加え、十分に練
合する。次に親油成分を加えて練合し、更に残りの水溶
性高分子化合物や他の成分を加えて練合する。最後に精
製水の残部を加え均一になるまで更に練合して膏体を得
た。この膏体を均一に塗工し、不織布に被せて所定の形
状に成型後、包装しパップ剤を製造した。
り、常法に従い比較例のパップ剤を製造した。
比較例1〜2のパップ剤のゲル5gを採取し、水を加え
て全量を100mlとし、20分間超音波にて抽出し、
そのpHを測定することにより架橋型含水ゲルのpHを
求めた。その結果を表4に示す。
を室温で保存し、前記架橋型含水ゲルの経時的な変色の
度合いを、下記の判定基準にしたがって判定した。その
結果を表5に示す。
水ゲルのpHが5を越えている比較例1、2では顕著な
変色を引き起こしている。これに対してpHが5以下の
実施例1〜7は、ほとんど変色が無いものであった。ま
た架橋型含水ゲルのpH4.5以下においては、グルコ
サミンの濃度、塩の種類に関係なく変色を起こさないも
のであった
プ剤を室温で保存し、グルコサミンの含有濃度を経時的
に測定し、その保存安定性を検討した。その結果を表6
に示す。なお、数字は、初期濃度を100%とした場合
の含有率(%)で表示した。
含水ゲルのpH5以上である比較例1のグルコサミンの
含有率は低く、安定性はかなり悪いものであるが、pH
5以下の実施例1、2、3および7のグルコサミンの安
定性は、室温6ヶ月においても90%以上の含有率を保
ち、安定性が非常に良いことが認められる。
ン含有パップ剤は、水溶性高分子化合物、水、架橋剤お
よびpH調整剤を必須成分とする、架橋型含水ゲルのp
Hを5以下に調整することによって、有効成分であるグ
ルコサミンの保存安定性に優れ、基剤の変色のない優れ
たものである。したがって、本発明は、医療上、多大な
効果を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも水溶性高分子化合物、水、架
橋剤およびpH調整剤を必須成分とする架橋型含水ゲル
に、有効成分としてグルコサミンを配合するとともに、
前記架橋型含水ゲルのpHを5以下としたことを特徴と
するグルコサミン含有パップ剤。 - 【請求項2】 グルコサミンの配合量が、架橋型含水ゲ
ル100重量部に対して0.1〜20重量部であること
を特徴とする請求項1記載のグルコサミン含有のパップ
剤。
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