JP2003126827A - 硫黄含有スラグを原料とする成形体の製造方法 - Google Patents

硫黄含有スラグを原料とする成形体の製造方法

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JP2003126827A JP2001331186A JP2001331186A JP2003126827A JP 2003126827 A JP2003126827 A JP 2003126827A JP 2001331186 A JP2001331186 A JP 2001331186A JP 2001331186 A JP2001331186 A JP 2001331186A JP 2003126827 A JP2003126827 A JP 2003126827A
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    • C04B5/06Ingredients, other than water, added to the molten slag or to the granulating medium or before remelting; Treatment with gases or gas generating compounds, e.g. to obtain porous slag

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶銑脱硫スラグ等の硫黄含有スラグを原料と
して、黄水の発生が極めて少ない成形体を製造する。 【解決手段】 硫黄含有スラグに対してスラグ中の硫黄
分を固定化するための酸化処理とスラグ中の未炭酸化C
aを利用した炭酸化−固化処理を行うことにより、黄水
の発生が極めて少ない成形体を安定して製造できること
を見い出しなされたもので、硫黄含有スラグを酸化処理
してスラグ中の硫黄分を硫黄化合物として固定する工程
と、この酸化処理された硫黄含有スラグの原料充填層を
形成し、原料充填層中にCOガス又はCO含有ガス
を吹き込んでスラグ中の未炭酸化Caを炭酸化するとと
もに、この炭酸化により生じたCaCOをバインダー
として前記原料充填層を固化させ、成形体を得る工程と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鉱製造プロセス
で発生する硫黄含有スラグ、例えば、溶銑予備処理とし
て行われる溶銑の脱硫工程で発生する溶銑脱硫スラグ等
を原料とする成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製鋼スラグは土木材料等に広く用
いられており、また、製鋼スラグを建材ブロック等のよ
うな成形体の原料として利用する試みもされている。し
かし、製鋼スラグのなかでも溶銑予備処理として行われ
る脱硫工程で発生する溶銑脱硫スラグについては、これ
に含まれる硫黄によって黄水が発生するという問題があ
り、これが溶銑脱硫スラグを利材化する上で大きな制約
となっている。この黄水の発生は、溶銑脱硫スラグ中で
2−の形態で存在する硫黄により引き起こされるこ
とが知られているが、その発生を防止できる有効な対策
は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、溶銑脱硫スラグ等の硫黄含有スラグを原料とし
て、黄水の発生が極めて少ない成形体を製造することが
できる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶銑脱硫
スラグ等の硫黄含有スラグからの黄水の発生を効果的に
抑制するための方法について詳細な検討を行い、その結
果、硫黄含有スラグに対してスラグ中の硫黄分を固定化
するための酸化処理とスラグ中の未炭酸化Caを利用し
た炭酸化−固化処理を行うことにより、黄水の発生が極
めて少ない成形体を安定して製造できることを見い出し
た。
【0005】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下のとおりである。 [1] 硫黄含有スラグを酸化処理してスラグ中の硫黄分の
少なくとも一部を硫黄化合物として固定する工程と、全
部又は一部が前記酸化処理された硫黄含有スラグからな
る粉粒物の原料充填層を形成し、該原料充填層中にCO
ガス又はCO 含有ガスを吹き込んで粉粒物中の未炭
酸化Caを炭酸化するとともに、該炭酸化により生じた
CaCOをバインダーとして前記原料充填層を固化さ
せ、成形体を得る工程とを有することを特徴とする、硫
黄含有スラグを原料とする成形体の製造方法。
【0006】[2] 上記[1]の製造方法において、硫黄含
有スラグの酸化処理を、全部又は一部が硫黄含有スラグ
からなる粉粒物の集合体に対して酸素含有ガスを吹き込
むことにより行うことを特徴とする、硫黄含有スラグを
原料とする成形体の製造方法。 [3] 上記[1]又は[2]の製造方法において、硫黄含有スラ
グが溶銑脱硫スラグであることを特徴とする硫黄含有ス
ラグを原料とする成形体の製造方法。
【0007】[4] 上記[1]又は[2]の製造方法において、
硫黄含有スラグが高炉徐冷スラグであり、原料充填層を
固化させて成形体を得る工程では、酸化処理された高炉
徐冷スラグと未炭酸化Caを含有する他のスラグとを混
合した粉粒物の原料充填層を形成し、該原料充填層にC
ガス又はCO含有ガスを吹き込むことを特徴とす
る硫黄含有スラグを原料とする成形体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、硫黄含有スラグを酸化
処理してスラグ中の硫黄分の少なくとも一部を硫黄化合
物として固定する工程と、この酸化処理された硫黄含有
スラグ(又はこの硫黄含有スラグを含む粉粒物)を炭酸
化処理して固化させる工程とを経て成形体を製造するも
のであり、このような2つの工程の組み合わせによって
黄水の発生が極めて少ない成形体を得ることができる。
【0009】ここで、上記炭酸化処理は硫黄含有スラグ
が元々有している未炭酸化Ca(CaO及び/又はCa
(OH))、さらには未炭酸化Caを含有する他の原
料を配合する場合にはその原料中の未炭酸化Caを利用
して行われる。なお、これらスラグや他の原料中に含ま
れる未炭酸化Ca、すなわちCaO及び/又はCa(O
H)は、少なくとも固体粒子の組成の一部として含ま
れるものであればよく、したがって、鉱物としてのCa
O、Ca(OH)の他に、2CaO・SiO 、3C
aO・SiO、ガラス等のように組成の一部として存
在するものも含まれる。
【0010】鉄鋼製造プロセスで発生するスラグのう
ち、黄水の発生が問題となる硫黄含有スラグとしては、
主に溶銑脱硫スラグと高炉徐冷スラグが挙げられる。特
に、溶銑脱硫スラグは硫黄の含有量が高い上に、スラグ
の形態が微粉状であるため比表面積が大きく、このため
黄水が発生しやすいが、本発明によれば、溶銑脱硫ス
ラグを酸化処理することにより、スラグ中の硫黄分
(S、S 2−、SOx)が硫黄イオン(SO 2−
まで酸化され、硫黄化合物(主としてCaSO)とし
て固定化される、溶銑脱硫スラグを炭酸化処理するこ
とにより生成したCaCOの皮膜がスラグ粒子を被覆
する、炭酸化処理により溶銑脱硫スラグが成形体とし
て固化するため比表面積が大幅に低下する、という作用
が得られ、これら〜の作用が複合化することにより
黄水の発生を効果的に抑制することができる。また、高
炉徐冷スラグについても、上記〜の作用が複合化す
ることにより黄水の発生を効果的に抑制することができ
る。
【0011】以下、本発明の製造方法の詳細を硫黄含有
スラグとして溶銑脱硫スラグを用いる場合を例に説明す
る。溶銑脱硫スラグを酸化処理する方法は任意である
が、一般には常温にて溶銑脱硫スラグの層に空気などの
酸素含有ガスを吹き込む方法が適当である。通常、溶銑
脱硫工程で排滓される溶銑脱硫スラグは水をかけて冷却
され、しかもスラグの形態が微粉状であるため、溶銑脱
硫スラグは含有水分が多い。このような溶銑脱硫スラグ
を高温状態で酸化処理することは、含有水分を除くため
のエネルギーが必要となるため極めて不経済であり、し
たがって、溶銑脱硫スラグの酸化処理は、常温にて溶銑
脱硫スラグの層に空気などの酸素含有ガスを吹き込む方
法が最も適当である。
【0012】この方法では、例えば、適当な容器(型枠
等)ないしは場所に溶銑脱硫スラグ(又は溶銑脱硫スラ
グと他の原料との混合物)の充填層や積み山を形成し、
その底部等から空気等の酸素含有ガスを吹き込むように
する。酸素含有ガスの吹き込み量は、スラグ中の硫黄分
の大部分を酸化させ、硫黄化合物として固定化するのに
十分な量であることが好ましい。具体的な吹き込み量は
スラグ中に含まれる硫黄量等により異なるが、例えば空
気を吹き込む場合、型枠の底面積1m当たり数〜数十
Nm/hr程度の流量で十数時間〜数日間程度吹き込
みを行うような形態が考えられる。また、酸化処理の他
の方法としては、上記のような空気の吹き込みを行うこ
となく、比較的長い期間(例えば、1ヶ月間程度)エー
ジング処理を行う方法もある。
【0013】このような溶銑脱硫スラグの酸化処理によ
りスラグ中の硫黄分(S、S 2−、SOx)が酸化さ
れてSO 2−が生成し、これが硫黄化合物(主として
CaSO)となることにより、硫黄分がスラグに固定
される。この酸化処理は、溶銑脱硫スラグだけに実施し
てもよいし、他の原料(成形体の一部となる他の原料)
と混合された溶銑脱硫スラグに対して実施してもよい。
【0014】次いで、上記のように酸化処理を施した溶
銑脱硫スラグを炭酸化処理する。この炭酸化処理は溶銑
脱硫スラグ(又は溶銑脱硫スラグと他の原料からなる粉
粒物)を型枠等に入れて原料充填層を形成し、この原料
充填層中にCOガス又はCO含有ガス(以下、単に
“COガス”という)を吹き込む。これにより溶銑脱
硫スラグに含まれている未炭酸化Ca、さらに未炭酸化
Caを含有する他の原料(粉粒物)が配合されている場
合にはその原料中の未炭酸化Caが炭酸化反応を生じ、
CaCOが生成する。そして、この生成したCaCO
がバインダーとなって原料充填層が固結し、ブロック
状の成形体が得られる。
【0015】本発明では、酸化処理された溶銑脱硫スラ
グに以上のような炭酸化処理を施すことにより、炭酸化
反応で生成したCaCOによってスラグ粒子が被覆さ
れ、このCaCOの被覆が黄水発生の抑制に寄与す
る。また、CaCOの一部はSOxと反応して石膏を
生成し、これにより前記酸化処理により固定し切れなか
った硫黄分の一部が固定化される。また、炭酸化処理に
より溶銑脱硫スラグの充填層全体が成形体として固結
(固化)するため、溶銑脱硫スラグの比表面積が大幅に
低下し、これも黄水発生の抑制に寄与する。
【0016】本発明法は溶銑脱硫スラグを原料として成
形体を製造するものであるが、上述したような原料とな
る溶銑脱硫スラグには他の原料(粉粒物)を配合しても
よい。特に、溶銑脱硫スラグは元々微粉状であるため、
この溶銑脱硫スラグだけで原料充填層を形成した場合、
原料充填層内でのCOの通気に支障をきたし、十分な
量のCOを吹き込めない場合がある。このような場合
には、原料充填層の通気性を確保するため、溶銑脱硫ス
ラグよりも粒度の粗い粉粒物を混合し、原料充填層を形
成することが好ましい。
【0017】溶銑脱硫スラグに混合する他の原料として
は、未炭酸化Caを含むものであってもよいし、未炭酸
化Caを含まないものであってもよい。前者の例として
は、鉄鋼製造プロセスで発生する他のスラグ(例えば、
高炉水砕スラグ、脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱珪スラ
グ、鋳造スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等)、
コンクリート廃材、モルタルや耐火物の廃材等などを挙
げることができ、また後者の例としては、天然石、可溶
性シリカ源(例えば、フライアッシュ、クリンカーアッ
シュ等)、鉄源(例えば、含鉄ダストやミルスケールの
ような金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材等)等
を挙げることができる。
【0018】硫黄含有スラグとして高炉徐冷スラグを用
いる場合も、酸化処理及び炭酸化処理の方法は上述した
溶銑脱硫スラグの場合と同様である。したがって、酸化
処理は常温にて高炉徐冷スラグの層に空気などの酸素含
有ガスを吹き込む方法や、空気の吹き込みを行うことな
く比較的長い期間(例えば、1ヶ月間程度)エージング
処理を行う方法で実施することができる。但し、酸化処
理の効率性、確実性等の面では前者の方法が特に好まし
い。
【0019】また高炉徐冷スラグは鉱物組成上炭酸化を
生じにくい性質があり、したがって、高炉徐冷スラグは
未炭酸化Caを含む他の原料を混合した状態で炭酸化処
理を行うことが好ましい。未炭酸化Caを含む他の原料
については先に述べた通りである。また、硫黄含有スラ
グとしては、溶銑脱硫スラグと高炉徐冷スラグを混合し
たものを用いてもよい。
【0020】硫黄含有スラグ又はこれを含む粉粒物の炭
酸化処理を効率的に行うためには原料充填層が適当な水
分を含んでいること、好ましくは原料充填層の構成する
粉粒物の主たる粒子が表面付着水を有していることが必
要である。この表面付着水とは、粉粒物の各粒子ととも
に存在する水分のうち、粒子内部に含有される水分以外
の水、すなわち粒子の外表面に水膜状に付着した水のこ
とである。粒子が表面付着水を有している場合、CO
ガスと各粒子の未炭酸化Caとの反応は、粒子から表面
付着水中に溶出(拡散)したCa成分(Caイオン)と
表面付着水中に溶解した炭酸ガス成分との反応となり、
このような粉粒物の粒子の表面付着水を介したCa成分
とCOとの反応が、効率的な炭酸化反応を生じさせる
ために特に有効である。
【0021】原料充填層において、粉粒物の各粒子に表
面付着水を存在させるために必要な含水量は粒子自体の
吸水量(粒子内部に吸水される水分量)等によって異な
るが、一般には原料充填層全体の含水率を3〜30%程
度の範囲内で適宜調整すれば、粉粒物の主たる粒子が表
面付着水を有する状態(したがって、表面付着水を有す
る粒子間にCOガスの通路が形成された状態)とする
ことができる。したがって、このような状態を得るため
に必要に応じて事前に原料充填層に水分を添加する。原
料充填層の充填度(嵩密度)は任意であり、必要とされ
る成形体の密度等に応じて適宜調整できるが、通常、嵩
比重/真比重が0.3〜0.75の範囲、すなわち原料
充填層内の空隙率が70〜25%となる程度に充填する
ことが好ましい。
【0022】原料充填層を形成する容器としては型枠
(充填枠)等を用いるのが好ましいが、この容器として
は、COガスを原料充填層全体に流せるようにするた
め、底部にガス吹き込み部を有するとともに、上部にガ
ス排気部を有し、且つガス吹き込み部から送り込まれた
COガスが実質上ガス排気口から出てくる程度の気密
状態にできる容器であることが好ましい。また、このよ
うな気密状態とした容器では、COガスによって原料
充填層中の水分が奪われても、このCOガス中の水分
が容器上部の低温域で凝縮し、原料充填層に落下して戻
されるため好ましい。
【0023】原料充填層に吹き込むべきCOガスは、
その温度をある程度高くすることによりCaイオンとの
反応性が高まるが、原料充填層を形成する空間(以下、
反応空間という)内に導入するCOガス温度が、当該
反応空間内での水の沸点を超えると粉粒物の粒子に付着
した水を蒸発させ、却って反応性を阻害する。このため
COガス温度は反応空間内での水の沸点以下とするこ
とが好ましい。また同様の理由から、反応空間内の温度
を水の沸点以下に保つこと、さらに、粉粒物の温度も反
応空間内での水の沸点以下に保つことが好ましい。 さ
らに、同様の観点から、COガス中の水蒸気濃度は高
い方が好ましく、このため予めCOガスを水中に通す
ことでHOを飽和させ、しかる後、原料充填層中に吹
き込むことが好ましい。
【0024】また、処理効率を上げるためには、反応空
間内に供給するCOガスは加圧した状態とすることが
好ましい。このガス圧力は特に限定しないが、CO
圧が高いほど粉粒物の粒子の表面付着水中へのCO
解速度が大きくなるので、加圧した状態で粉粒物と接触
させれば、大気圧での接触に較べて処理効率を効果的に
向上させることができる。なお、炭酸化処理に使用する
CO含有ガスのCO濃度の特別な制限はないが、効
率的な炭酸化処理を行うためには3%以上のCO濃度
のCO含有ガスを用いるのが好ましい。このようなC
含有ガスとしては、CaCO焼成炉の排ガス、熱
風炉ガス、ボイラー排ガス、コークス炉排ガス、焼結炉
排ガス、スラブ加熱炉排ガス、焼鈍炉排ガス等が挙げら
れる。
【0025】COガスの供給量には特別な制限はな
く、原料充填層が流動しない程度にガス吹き込みを行え
ばよいが、一般的な目安としては0.004〜0.5m
/min・t程度のCOガス吹き込み量が確保でき
ればよい。但し、原料の炭酸固化を確実に行わせるた
め、原料中の未炭酸化Caを炭酸化できる量以上のCO
ガスを総量として流すことが好ましい。本発明により
製造される成形体は、路面敷設用石材や建築用石材等の
ような土木・建築材料、藻礁用石材や魚礁用石材等のよ
うな水中沈設用石材、海岸や河岸の水際等に設置される
生態系形成促進用石材、植生用石材等の様々な用途に利
用できる。
【0026】
【実施例】[実施例1]溶銑脱硫スラグ(SiO:8
mass%、Al:3mass%、CaO:60mass%、
MgO:1mass%、T.Fe:4mass%、f.CaO:
10mass%)を含水率が約20%となるように調湿した
後、ブロック成型用の型枠に見掛け密度が2.3g/c
となるように充填し、型枠の底部からスラグ充填層
内に空気を型枠の底面積1m当たり6Nm/hrの
流量で24時間吹き込み、溶銑脱硫スラグの酸化処理を
行った。引き続き、型枠の底部からスラグ充填層内に排
ガス(CO濃度:20%)を型枠の底面積1m当た
り6Nm/hrの流量で3日間吹き込む炭酸化処理を
行った。スラグ充填層が固結したブロック(成形体)を
脱枠し、このブロックから1cm角の立方体サンプルに
切出し、そのサンプルを溶出試験に供した。この溶出試
験は、立方体10個に水を1000ml添加し、これを
常温、常圧で振幅4mm、200回/分の速度で6時間
振とうさせ、サンプルから生じた溶出液中のS量を分析
する手法で行った。また、脱枠後のブロックから100
mmφ×200mm(高さ)のサンプルを切り出し、こ
のサンプルの圧縮強度を測定した。上記溶出試験の結果
では、Sの溶出量は1ppm以下に抑えられ、水への着
色も認められなかった。また、測定されたブロックの圧
縮強度は約100kgf/cmであった。
【0027】[実施例2]溶銑脱硫スラグ(SiO
8mass%、Al:3mass%、CaO:60mass
%、MgO:1mass%、T.Fe:4mass%、f.Ca
O:10mass%)を1ヶ月間エージングすることにより
酸化処理を行った。この溶銑脱硫スラグを含水率が約2
0%となるように調湿した後、ブロック成型用の型枠に
見掛け密度が2.3g/cmとなるように充填し、型
枠の底部からスラグ充填層内に排ガス(CO濃度:1
0%)を型枠の底面積1m当たり6Nm/hrの流
量で3日間吹き込む炭酸化処理を行った。スラグ充填層
が固結したブロック(成形体)を脱枠し、このブロック
から実施例1に関して述べたようなサンプルを切り出
し、実施例1と同じ手法でSの溶出試験と圧縮強度の測
定を行った。上記溶出試験の結果では、Sの溶出量は1
ppm以下に抑えられ、水への着色も認められなかっ
た。また、測定されたブロックの圧縮強度は約100k
gf/cmであった。
【0028】[実施例3]篩目5mmの篩を通した脱燐
スラグに溶銑脱硫スラグ(SiO:8mass%、Al
:3mass%、CaO:60mass%、MgO:1mass
%、T.Fe:4mass%、f.CaO:10mass%)を
約10mass%の割合で添加・混合し、スラグ中含有率が
10%となるように調湿した後、この混合スラグをブロ
ック成型用の型枠に見掛け密度が2.4g/cmとな
るように充填し、型枠の底部からスラグ充填層内に空気
を型枠の底面積1m当たり6Nm/hrの流量で2
4時間吹き込み、溶銑脱硫スラグの酸化処理を行った。
引き続き、型枠の底部からスラグ充填層内に排ガス(C
濃度:25%)を型枠の底面積1m当たり6Nm
/hrの流量で3日間吹き込む炭酸化処理を行った。
スラグ充填層が固結したブロック(成形体)を脱枠し、
実施例1に関して述べたようなサンプルを切り出し、実
施例1と同じ手法でSの溶出試験と圧縮強度の測定を行
った。上記溶出試験の結果では、Sの溶出量は1ppm
以下に抑えられ、水への着色も認められなかった。ま
た、測定されたブロックの圧縮強度は約200kgf/
cmであった。
【0029】[実施例4]エージング処理していない高
炉徐冷スラグ(SiO:34mass%、Al :1
4mass%、CaO:42mass%、MgO:6.7mass
%、FeO:0.3mass%、S:0.8mass%)に脱燐
スラグを10mass%の割合で加えたものを含水率が約5
%となるように調湿した後、ブロック成型用の型枠に見
掛け密度が2.2g/cmとなるように充填し、型枠
の底部からスラグ充填層内に空気を型枠の底面積1m
当たり6Nm/hrの流量で24時間吹き込み、高炉
徐冷スラグの酸化処理を行った。引き続き、型枠の底部
からスラグ充填層内に排ガス(CO濃度:20%)を
型枠の底面積1m当たり6Nm/hrの流量で3日
間吹き込む炭酸化処理を行った。スラグ充填層が固結し
たブロック(成形体)を脱枠し、このブロックから実施
例1に関して述べたようなサンプルを切り出し、実施例
1と同じ手法でSの溶出試験と圧縮強度の測定を行っ
た。上記溶出試験の結果では、Sの溶出量は1ppm以
下に抑えられ、水への着色も認められなかった。また、
測定されたブロックの圧縮強度は約150kgf/cm
であった。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、溶銑
脱硫スラグなどのような硫黄含有スラグを原料として、
黄水の発生が極めて少ない成形体を安定して製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21B 3/04 B09B 3/00 ZAB C21C 1/02 304A (72)発明者 磯尾 典男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA43 AB05 BA02 CA14 CA34 CA36 CA45 CC01 4G012 JL01 JL03 JM01 JM02 4K014 AE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄含有スラグを酸化処理してスラグ中
    の硫黄分の少なくとも一部を硫黄化合物として固定する
    工程と、全部又は一部が前記酸化処理された硫黄含有ス
    ラグからなる粉粒物の原料充填層を形成し、該原料充填
    層中にCOガス又はCO含有ガスを吹き込んで粉粒
    物中の未炭酸化Caを炭酸化するとともに、該炭酸化に
    より生じたCaCOをバインダーとして前記原料充填
    層を固化させ、成形体を得る工程とを有することを特徴
    とする、硫黄含有スラグを原料とする成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 硫黄含有スラグの酸化処理を、全部又は
    一部が硫黄含有スラグからなる粉粒物の集合体に対して
    酸素含有ガスを吹き込むことにより行うことを特徴とす
    る、請求項1に記載の硫黄含有スラグを原料とする成形
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 硫黄含有スラグが溶銑脱硫スラグである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の硫黄含有スラ
    グを原料とする成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 硫黄含有スラグが高炉徐冷スラグであ
    り、原料充填層を固化させて成形体を得る工程では、酸
    化処理された高炉徐冷スラグと未炭酸化Caを含有する
    他のスラグとを混合した粉粒物の原料充填層を形成し、
    該原料充填層にCO ガス又はCO含有ガスを吹き込
    むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硫黄含有ス
    ラグを原料とする成形体の製造方法。
JP2001331186A 2001-10-29 2001-10-29 硫黄含有スラグを原料とする成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP3714229B2 (ja)

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