JP2003126074A - X線診断装置及びx線診断装置制御方法 - Google Patents

X線診断装置及びx線診断装置制御方法

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JP2003126074A
JP2003126074A JP2001326639A JP2001326639A JP2003126074A JP 2003126074 A JP2003126074 A JP 2003126074A JP 2001326639 A JP2001326639 A JP 2001326639A JP 2001326639 A JP2001326639 A JP 2001326639A JP 2003126074 A JP2003126074 A JP 2003126074A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク像を撮影する位置とコントラスト像を
撮影する位置との間にずれのないサブトラクション像を
撮影可能なX線診断装置及びX線診断装置制御方法を提
供すること。 【解決手段】 状態検出部(位置検出部)30によって
移動するCアームの位置情報を検出する。検出された位
置情報は、制御部44によってX線曝射位置情報メモリ
部34に格納されたX線曝射位置であるインデックスと
比較される。双方が一致する場合には、制御部44はX
線発生部12を制御することでX線曝射を行ってマスク
像を収集する。コントラスト像収集においても、検出さ
れた位置情報とインデックスとが一致する場合にX線曝
射を行って、マスク像と同じ位置にてコントラスト像を
収集する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線診断装置に関
し、特に、マスク像のX線曝射位置に基づいた造影剤の
追跡撮影が可能なX線診断装置、及びX線診断装置制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線診断装置とは、被験者の体内を透過
したX線の強弱を濃淡画像として表示する画像装置であ
り、診断・治療等の目的に応じて種々のものが存在す
る。この透過したX線像を可視化する手段は、大きく分
けて撮影と透視の二つの方法に分けられる。例えば、透
視を利用したX線診断装置は、収集したX線画像をテレ
ビジョンのモニタにリアルタイムに動画として表示する
ことができ、即時性に優れている。また、撮影を利用し
たX線診断装置は、強度のX線照射によりフィルムに写
し込まれたX線像を、高い空間分解能と鮮鋭度にて提供
することが可能である。
【0003】このX線診断装置においては、DSA(Di
gital Subtraction Angiography)と呼ばれる血管造影
剤透視・撮影方法ある。このDSAは、血管造影画像
(コントラスト像)から造影前の背景画像(マスク像)
を減算し、造影された血管のみを表示するX線透視・撮
影方法である。特に、造影剤が高濃度の塊(ボーラス)
となるように被検体に注入し、当該塊の血管内の移動を
追跡してコントラスト像を得る手法を、ボーラスチェー
スDSAと呼ぶ。また、撮影系を体軸中心に回転させな
がら注入した造影剤の移動を追跡しコントラスト像を得
る手法を、回転DSAと呼ぶ。
【0004】ボーラスチェースDSAでは、例えば下肢
の検査であれば、マスク像の収集において撮影系をつま
先から腹部に移動させ、ボーラスの追跡(コントラスト
像の収集)は腹部からつま先に移動させるといった様
に、できるだけ検査時間を短縮する形態にて実行され
る。これは、検査時間の短縮による患者負担の軽減、撮
影時の患者の動きによる動態ボケの軽減等を図るためで
ある。正確にDSAを行うためには、撮影系の移動を停
止することなしで、且つマスク像を収集した同じ位置に
てコントラスト像を収集するためのX線を曝射する必要
がある。収集したマスク像とコントラスト像とが対応す
るものでないと、引き算をしても正確なサブトラクショ
ン像を得ることができないからである。
【0005】また、回転DSAの術式においても、患者
への検査時間の短縮、患者の動態ボケを低減するため
に、往路でマスク像を収集し、復路でコントラスト像を
収集する。このとき、往路及び復路ともに撮影系を停止
せす、また、コントラスト像収集のためのX線をマスク
像と同じ位置にて曝射する必要がある。なお、造影剤が
動脈から静脈へ流入する動的な撮影を行うため、続けて
もう一度往路でコントラスト像を収集することもある。
【0006】ところで、従来のX線診断装置によるボー
ラスチェースDSA及び回転DSAでは、時間の経過時
間に基づいてX線曝射のタイミングを図りマスク像、コ
ントラスト像を収集している。そのため、例えばサブト
ラクション像に位置ずれが発生する場合がある。特に、
マスク像とコントラスト像とのそれぞれの収集方向が逆
である場合、或いは、ある位置に対し単一のX線曝射位
置のみ設定されている場合等には、移動しながらのX線
曝射では実際画像となるX線の曝射位置が異なり、サブ
トラクション像に位置ずれが発生することがある。
【0007】また、コントラスト像収集の途中での寝
台、Cアーム又は支持器の移動を停止した場合、時間に
よってX線曝射のタイミングを管理しているから、マス
ク像を収集した位置で停止できず、造影剤の流れを追う
ことができない。
【0008】さらに、マスク像を収集した位置で停止し
たとしても、X線曝射開始位置と終了位置とを考慮しな
い単一のX線曝射位置のみ設定されている場合、実際画
像となるX線の曝射位置とは異なってしまい、サブトラ
クション像に位置ずれが発生する可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
鑑みてなされたもので、マスク像を撮影する位置とコン
トラスト像を撮影する位置との間にずれのないサブトラ
クション像を撮影可能なX線診断装置及びX線診断装置
制御方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のような手段を講じている。
【0011】請求項1に記載の本発明は、被検体を搭載
する寝台と、前記被検体に対してX線を曝射するX線発
生手段と、前記X線発生手段からのX線を検出するX線
検出手段とが設けられた支持器と、前記寝台に対する前
記支持器の相対的位置を移動させる移動機構と、前記相
対的位置を検出する位置検出手段と、前記移動機構によ
り、第1の方向に沿って前記支持器の相対的位置を移動
させながら、前記被検体に対してX線を曝射し第1の画
像を撮影する場合、前記位置検出手段からX線曝射にお
ける前記相対的位置に関する情報を取得し記憶する位置
情報記憶手段と、前記移動機構により、第2の方向に沿
って前記支持器を相対的位置を移動させながら、前記被
検体に注入され血管内を移動する造影剤にX線を曝射し
第2の画像を撮影する場合、前記位置情報記憶手段に記
憶された前記相対的位置に関する情報に基づいて、前記
X線発生手段のX線曝射タイミングを制御する制御手段
と、前記第2の画像から前記第1の画像を差し引くこと
で、第3の画像を生成する手段とを具備することを特徴
とするX線診断装置である。
【0012】請求項6記載の本発明は、X線発生手段
と、当該X線発生手段からのX線を検出するX線検出手
段とが設けられた支持器を、第1の方向に沿って移動さ
せながら造影剤が注入されていない被検体にX線を曝射
し、第1の画像を取得するステップと、前記第1の方向
に沿ったX線曝射における、前記被検体に対する前記支
持器の相対的位置情報を検出し記憶するステップと、第
2の方向に沿って前記支持器を移動させながら、前記相
対的位置に関する情報に基づいて前記被検体に注入され
血管内を移動する造影剤にX線を曝射し、第2の画像を
取得するステップと、前記第2の画像から前記第1の画
像を差し引くことで、第3の画像を生成するステップと
を具備することを特徴とするX線診断装置制御方法であ
る。
【0013】このような構成によれば、マスク像を撮影
する位置とコントラスト像を撮影する位置との間にずれ
のないサブトラクション像を撮影可能なX線診断装置及
びX線診断装置制御方法を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の
機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を
付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0015】図1は、本実施形態に係るCアーム構造の
X線診断装置10の外観を示した図である。
【0016】図1に示すように、X線診断装置10は、
アンギオ装置11、寝台21、情報処理部29(図1に
は示さず。図2及び図4参照。)からなる。アンギオ装
置11は、X線発生部12、X線検出器14、支点1
5、Cアーム16、固定アーム17、接続部18、基台
19を有し、寝台21は、天板22、脚24を有する。
【0017】図1に示すように、Cアーム16の一端に
はX線発生部12、他端にはX線検出器14が設けられ
ており、双方を対向配置させて固定保持する構造になっ
ている。Cアーム16の背面または側面にはレールが設
けられており、固定アーム17に設けられた接続部18
で挟み込むことにより当該Cアーム16はスライド可能
になっている。固定アーム17は支点15によって支え
られ、例えば天井に固設された基台19に固定される。
【0018】Cアーム16の一端に設けられたX線発生
部12は、被検体に対しX線を曝射するX線管球と、当
該X線管球から曝射されたX線をコリメートするX線絞
り装置を有している。X線管球は、X線を発生する真空
管であり、図示していない高電圧発生装置で発生された
高電圧により電子を加速させ、ターゲットに衝突させる
ことでX線を発生させる。
【0019】Cアーム16の他端に設けられたX線検出
器14は、例えばI.I.(イメージ・インテンシファ
イア)と光学系とによって構成されている。X線検出器
14は、I.I.によって被検者を透過したX線情報を
光学情報に変換し、光学系によってこの光学情報を光学
レンズで集光する。なお、I.I.以外の検出装置とし
ては、X線平面検出器が挙げられる。このX線検出器
は、被検体を透過したX線を光電膜に当てることで電子
正孔を生成し、これを半導体スイッチにおいて蓄積し、
電気信号として読み出すことでX線信号を検出するもの
である。本X線診断装置においては、いずれの検出器を
使用する構成であってもよい。
【0020】寝台21は、被検体と搭載するための天板
22と、天板22を支える脚24とからなる。天板22
は鉛直方向及び水平方向に移動可能となっており、これ
により被検体は適当な撮影位置に配置される。
【0021】図2は、X線診断装置10の機能ブロック
図である。同図に基づいて、各構成要素が有する機能に
ついて説明する。
【0022】X線診断装置10は、X線発生部12、X
線検出器14、状態検出部30、X線曝射位置情報メモ
リ部34、データ収集部36、前処理部38、画像作成
部40、画像表示部42、制御部44、画像メモリ4
6、操作部48を具備している。
【0023】状態検出部30は、Cアーム16の位置情
報を検出する検出器である。Cアーム16の位置情報と
は、Cアーム16の寝台21(或いは被検体)に対する
相対的位置を把握するための情報であり、例えば各方向
に関する基準点からの距離、或いは回転角度等である。
状態検出部30には、例えば光学的検出器、或いは各移
動方向に関するCアーム駆動部32に対応するように設
けられた機械的な検出器、或いは磁気方式、刷子式、あ
るいは光電式等となる、いわゆるアブソリュートエンコ
ーダ等を使用することができる。また、状態検出部30
は、ロータリエンコーダあるいはリニアエンコーダの何
れの形態であってもよい。
【0024】X線曝射位置情報メモリ部34は、X線曝
射設定、X線曝射開始位置、X線曝射終了位置、Cアー
ム動作方向及び動作速度、撮影X線条件等をインデック
ス毎に記憶する。ここで、インデックスとは、マスク像
及びコントラスト像を収集する位置を表す指標であり、
画像収集方向、X線曝射間隔、撮影領域等に基づいて制
御部44によって決定される。
【0025】図3は、X線曝射設定、X線曝射開始位
置、X線曝射終了位置、Cアーム動作方向及び動作速
度、撮影X線条件等をインデックス毎に記憶するX線曝
射位置情報メモリ部34の概念図を示している。
【0026】データ収集部36は、上記X線検出器14
から入力されるX線データを収集し、デジタル信号に変
換する。また、データ収集部36は、状態検出部30か
ら、Cアーム駆動部32の作用によって変化するCアー
ム16の位置情報を、収集フレーム毎に収集する。各位
置情報は、フレーム毎の画像に付属され、属性情報とし
ても管理される。
【0027】前処理部38は、データ収集部36にてデ
ジタル変換されたX線データに対し、種々のキャリブレ
ーション処理等を行う。
【0028】画像作成部40は、撮影されたX線画像デ
ータに対して所定の処理を施し、マスク像、コントラス
ト像、サブトラクション像等を生成する。これらの画像
は、画像メモリ46に記憶される。
【0029】画像表示部42は、画像作成部40により
生成された画像データを表示する。
【0030】制御部44は、X線画像データの収集に関
する制御、及び収集した画像データの画像処理に関する
制御を行う。また、制御部44は、マスク像撮影及びコ
ントラスト像収集に関する制御、具体的には、Cアーム
の移動、X線曝射位置情報メモリ部34から読み出した
位置情報と状態検出部30から入力した位置情報との比
較、当該比較に基づくX線曝射等に関する制御を行う。
【0031】画像メモリ46は、画像作成部40によっ
て得られたX線画像を記憶する。
【0032】操作部48は、キーボードや各種スイッ
チ、マウス等を備えた入力装置である。具体的には、X
線曝射スイッチ、Cアーム移動方向・移動速度制御スイ
ッチ、画像収集方向入力スイッチ、撮影領域、X線曝射
位置間隔等を入力・設定するためのインタフェースが設
けられている。
【0033】上記構成を有するX線診断装置10によ
り、DSA術式が実行される。このDSA術式には、大
きく分けてボーラスチェースDSA、回転DSAとがあ
る。
【0034】(ボーラスチェースDSA)ボーラスチェ
ースDSAとは、造影剤が高濃度の塊(ボーラス)とな
るように被検体に注入し、この塊の血管内の移動を追跡
してコントラスト像を取得する撮影形態である。このボ
ーラスチェースDSAでは、通常図4に示すように、撮
影系(X線発生手段12及びX線検出手段が設けられた
Cアーム16)が、被検体の体軸に沿って移動する。こ
の移動は、マスク像収集とコントラスト収集とで同一方
向となる場合もあり、逆方向となる場合もある。また、
例えばコントラスト像収集での移動において、撮影者の
意志等により任意のタイミングにて任意の位置で撮影系
を停止させることもある。
【0035】(回転DSA)一方、回転DSAとは、当
該被検体に注入した造影剤の移動を追跡してコントラス
ト像を取得する場合に、撮影系を図5に示すように被検
体の体軸中心に回転させるものである。通常、マスク像
を往路A、コントラスト像を復路Bにて撮影する。この
往路Aと復路Bとから動脈に関するDSA画像は十分に
得られるが、静脈等に関するDSA等を撮影する場合に
は、さらに往路Cによるコントラスト像撮影を行う場合
ばある。この回転DSAにおいても、例えばコントラス
ト像収集での移動において、撮影者の意志等により任意
のタイミングにて任意の位置で撮影系を停止させる場合
がある。
【0036】(DSA術式)次に、上記のように構成し
たX線診断装置10のDSA術式について、図6、7、
8、9を参照しながら説明する。なお、以下において
は、説明を簡単にするためボーラスチェースDSAを例
とする。
【0037】図6、7、8、9は、本DSA術式におい
て制御部44が実行する一連の処理を示したフローチャ
ートであり、大きく撮影条件設定処理(図6)、マスク
像撮影処理(図7)、コントラスト像撮影・サブトラク
ション処理(図8、9)に大きく分けることができる。
【0038】i)撮影条件設定 図6において、まず操作者の入力に応じて、X線曝射位
置の間隔を設定し(ステップS1)、続いて撮影領域を
設定する(ステップS2)。撮影領域は、例えば「腹部
から足先」といった具合に、撮影領域の両端の部位を設
定する。
【0039】続いて、操作者の入力に応じて、マスク
像、コントラスト像のそれぞれの収集方向を設定する
(ステップS3)。本実施形態では、マスク像を体軸に
沿った腹部から足先方向、コントラスト像を体軸に沿っ
た足先から腹部方向にて収集するものとする。
【0040】S1〜S3において設定された内容から、
X線曝射を行うCアームの位置とインデックス番号と
が、例えば図3に示した形態にてX線曝射位置情報メモ
リ部34に設定される(ステップS4)。
【0041】ii)マスク像撮影処理 撮影条件設定が完了するとマスク像撮影へと移行し、X
線曝射スイッチがONされ(ステップS5)、撮影条件
に基づいて体軸方向へCアームを移動させる(ステップ
S6)。このとき制御部44は、状態検出部30からC
アームの位置情報を適宜取得しており(ステップS
8)、Cアームの位置とステップS4にて設定されたX
線曝射予定位置とが一致するか否かの判断を行っている
(ステップS9)。このステップS9にて、一致すると
判断された場合には、設定された予定位置においてX線
曝射を実行する(ステップS10)。一方、ステップS
9にて、一致しないと判断された場合には、Cアームを
移動させながらの位置情報取得を行い、設定した予定位
置と一致した時点でX線曝射が実行される。
【0042】ステップS10において実行されたX線曝
射の開始及び終了時のCアーム位置、及び撮影したマス
ク像に関する撮影条件は、X線曝射位置情報メモリ部3
4に保存され(ステップS11、ステップS13)、撮
影されたマスク像は画像表示部42に表示され、画像メ
モリ46に保存され、一のマスク像撮影が完了する。
【0043】ステップS7からステップS13までの処
理は、ステップS4において設定した撮影位置での撮影
がすべて完了するまで繰り返され、最終位置でも撮影が
完了した場合には、コントラスト像の撮影処理へと移行
する。
【0044】iii)コントラスト像撮影処理 マスク像撮影処理が完了すると、コントラスト像の収集
開始位置にCアームを移動させ(ステップS15)、X
線曝射位置情報メモリ部34から位置情報、撮影条件を
取得する(ステップS16)。
【0045】制御部44は、状態検出部30からの現在
のCアームの位置及び移動速度とステップS16にて取
得した位置情報等とを比較して、現在のCアームの移動
方向とマスク像収集におけるCアームの移動方向とが同
方向である場合にはステップS18aに移行し、逆方向
である場合には18cに移行する。また、特定の位置で
のコントラスト像を望む等の理由によりCアームを停止
させた場合には、ステップ18bへと移行する。各ステ
ップでは、次の様な処理がそれぞれ実行される。
【0046】図10、11、12は、それぞれステップ
18a、18c、18bにおける処理を説明するための
図であり、マスク像及びコントラスト像についてのX線
曝射(全n回)のON・OFFを表すタイミングチャー
トを示している。なお、横方向は体軸(長手)方向であ
る。
【0047】まず、ステップ18aに移行した場合に
は、図10に示すように、マスク像撮影における第1回
目のX線曝射開始位置及び終了位置を、それぞれコント
ラスト像のための第1回目のX線曝射開始位置及び終了
位置として選択する(ステップS18a)。さらに、マ
スク像撮影における第2回目以後の各X線曝射開始・終
了位置を、コントラスト像のための第2回目以後のX線
曝射開始位置・終了に対応させて選択する。
【0048】次に、ステップ18cに移行した場合に
は、図11に示すように、マスク像撮影における第n回
目のX線曝射終了位置及び開始位置を、それぞれコント
ラスト像のための第1回目のX線曝射開始位置及び終了
位置として選択する(ステップS18c)。さらに、マ
スク像撮影における第n−1回目以前の各X線曝射終了
・開始位置を、コントラスト像のための第2回目以後の
X線曝射開始位置・終了に対応させて選択する。
【0049】最後に、ステップ18bに移行した場合に
は、例えば図12に示すようにコントラスト像のための
第1回目のX線曝射前にCアームが停止しているのであ
れば、当該コントラスト像のための第1回目のX線曝射
開始位置を、マスク像撮影における第1回目のX線曝射
開始位置及び終了位置の中間位置とする(ステップ18
b)。この様に中間位置を選択するのは、次の理由によ
る。
【0050】すなわち、通常ボーラスチェイスDSA
(或いは、回転DSA)では、Cアームを所定の速度に
て移動させながら或いは加速・減速させながら、各マス
ク像及び各コントラスト像を恣撮影する。従って、所定
のパルス幅にてX線を曝射すると、Cアームの移動にて
発生する画像のブレが発生する。マスク像とコントラス
ト像との撮影条件、撮影位置等を一致させるのは、双方
の画像でなるべく近いブレを発生させるためでもある。
【0051】しかしながら、Cアームを所定の速度にて
移動させながらマスク像を撮影し、ステップ18bの様
にコントラスト像の撮影においてCアームを停止した場
合には、被検体の被爆を防ぐ観点からも、双方の画像で
近いブレを発生させるのは困難である。
【0052】そこで、本X線診断装置では、上記の様に
マスク像撮影におけるX線曝射開始位置及び終了位置の
中間位置をコントラスト像の撮影開始位置とする。こう
することで、マスク像で発生したブレを平均化すること
ができ、その結果、マスク像収集時の移動による影響を
最小限に抑えることができる。
【0053】制御部44は、図8のステップ18a、1
8b、18cの何れかにおいて選択されたCアーム位置
を設定し(ステップS19)、また、状態検出部30か
ら適宜Cアーム位置情報を取得し(ステップS20)、
当該設定されたCアーム位置と取得した位置情報とが一
致するか否かの判別を行う(ステップS21)。ステッ
プS21において一致しないと判別された場合には、ス
テップS20でのCアームを移動させながらの位置情報
の取得を継続する。一方、ステップS21において一致
すると判別された場合には、マスク像と同一の撮影条件
にてコントラスト像収集のためのX線を曝射する(ステ
ップS22)。
【0054】こうして取得されたコントラスト像に、対
応する(同位置にて取得された)マスク像をサブトラク
ションする処理を施して、サブトラクション像が生成さ
れる(ステップS24)。得られたサブトラクション像
は画像メモリ46に保存される(ステップS24)。
【0055】ステップS25において、撮影されたコン
トラスト像が規定の枚数に達したか、或いはX線曝射ス
イッチがOFFされたか否かの判別がなされ(ステップ
S25)、電源がOFFされておらず規定の枚数に達し
ていない場合には、ステップS26へと移行する。
【0056】ステップS26では、Cアームが体軸方向
に停止状態か否か、すなわちステップS22においてコ
ントラスト像を撮影した位置でさらにコントラスト像を
撮影するか否かの判別を行う(ステップS26)。停止
した状態であればステップS22に移行し、同位置での
さらなるコントラスト像撮影(X線曝射)が繰り返され
る。一方、Cアームが停止していなければ、次の位置で
のコントラスト像を撮影するためステップS16に移行
して、記述の処理を繰り返す。
【0057】また、ステップS25において、撮影され
たコントラスト像が規定の枚数に達した、或いはX線曝
射スイッチがOFFされたと判別された場合には、一連
の撮影作業が完了する。
【0058】以上説明した処理を、取得したマスク像、
コントラスト像、サブトラクション像にて概念的に表す
と図13(a)、(b)、(c)の様になる。なお、各
図中の円は、撮影された画像中の関心領域を表す。ま
た、図13(a)、(b)、(c)にて示す例でのコン
トラスト像収集は、腹部から足先の一方向のみとしてい
る。
【0059】図13(a)に示すように、足先から腹部
にかけて割り振られたインデックス毎に対応するマスク
像を取得する。そして、図13(b)に示すように、腹
部から足先にかけて割り振られたインデックス毎に対応
するコントラスト像を取得する。こうして得られた、イ
ンデックス毎の各マスク像及びコントラスト像から、図
13(c)に示すようにサブトラクション像が生成され
る。
【0060】以上ボーラスチェースDSA術式を例とし
て説明した。しかし、同様の技術的思想は、回転DSA
にも適用可能である。この場合、インデックスは角度に
関する指標となり、Cアームの位置、X線曝射開始位置
及び終了位置等は、角度にて管理されることとなる。
【0061】以上述べた構成によれば、以下の効果を得
ることができる。
【0062】本X線診断装置10では、Cアームの移動
に関する制御、及びマスク像に関するX線曝射位置とコ
ントラスト像に関するX線曝射位置との対応は、位置及
び角度によって管理される。従って、マスク像とコント
ラスト像との対応は正確なものとなり、より正確なサブ
トラクション像を生成するこが可能である。
【0063】また、コントラスト像の撮影においてCア
ームの移動を停止させた場合には、対応するインデック
スのマスク像に関するX線曝射開始位置と終了位置との
中間位置にて、コントラスト像の撮影を行う。従って、
マスク像とコントラスト像とのブレを最小限に抑えるこ
とができる。
【0064】さらに、本X線診断装置10では、コント
ラスト像収集のためのX線曝射タイミングを位置情報に
て管理している。従って、Cアームを任意のタイミング
で任意の方向に移動した場合、例えば図14に示す様な
種々のCアーム移動を伴う場合であっても、マスク像を
撮影する位置とコントラスト像を撮影する位置との間に
ずれのないサブトラクション像を撮影することができ
る。
【0065】以上、本発明を実施形態に基づき説明した
が、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各
種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら
変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するもの
と了解される。また、各実施形態は可能な限り適宜組み
合わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得
られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が
含まれており、開示される複数の構成要件における適宜
な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、
実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が
削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べ
た課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効
果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件
が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0066】
【発明の効果】以上本発明によれば、上記事情を鑑みて
なされたもので、マスク像を撮影する位置とコントラス
ト像を撮影する位置との間にずれのないサブトラクショ
ン像を撮影可能なX線診断装置及びX線診断装置制御方
法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態に係るCアーム構造のX線
診断装置10の外観を示した図である。
【図2】図2は、X線診断装置10の機能ブロック図で
ある。
【図3】図3は、X線曝射設定、X線曝射開始位置、X
線曝射終了位置、Cアーム動作方向及び動作速度、撮影
X線条件等をインデックス毎に記憶するX線曝射位置情
報メモリ部34の概念図を示している。
【図4】図4は、ボーラスチェースDSAにおけるX線
診断装置の動作を説明するための図である。
【図5】図5は、回転DSAにおけるX線診断装置の動
作を説明するための図である。
【図6】図6は、DSA術式において制御部44が実行
する撮影条件設定処理を示したフローチャートである。
【図7】図7は、DSA術式において制御部44が実行
するマスク像撮影処理を示したフローチャートである。
【図8】図8は、DSA術式において制御部44が実行
するサブトラクション処理を示したフローチャートであ
る。
【図9】図9は、DSA術式において制御部44が実行
するサブトラクション処理を示したフローチャートであ
る。
【図10】図10は、マスク像及びコントラスト像につ
いてのX線曝射(全n回)のON・OFFを表すタイミ
ングチャートを示している。
【図11】図11は、マスク像及びコントラスト像につ
いてのX線曝射(全n回)のON・OFFを表すタイミ
ングチャートを示している。
【図12】図12は、マスク像及びコントラスト像につ
いてのX線曝射(全n回)のON・OFFを表すタイミ
ングチャートを示している。
【図13】図13(a)、(b)、(c)は、取得した
マスク像、コントラスト像、サブトラクション像にてD
SA処理を概念的に示した図である。
【図14】図14は、マスク像収集及びコントラスト像
収集におけるCアーム移動制御の組み合わせを示してい
る。
【符号の説明】
10…X線診断装置 11…アンギオ装置 12…X線発生部 14…X線検出器 15…支点 16…Cアーム 17…固定アーム 18…接続部 19…基台 21…寝台 22…天板 24…脚 29…情報処理部 30…状態検出部 32…Cアーム駆動部 34…X線曝射位置情報メモリ部 36…データ収集部 38…前処理部 40…画像作成部 42…画像表示部 44…制御部 46…画像メモリ 48…操作部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体を搭載する寝台と、 前記被検体に対してX線を曝射するX線発生手段と、前
    記X線発生手段からのX線を検出するX線検出手段とが
    設けられた支持器と、 前記寝台に対する前記支持器の相対的位置を移動させる
    移動機構と、 前記相対的位置を検出する位置検出手段と、 前記移動機構により、第1の方向に沿って前記支持器の
    相対的位置を移動させながら、前記被検体に対してX線
    を曝射し第1の画像を撮影する場合、前記位置検出手段
    からX線曝射における前記相対的位置に関する情報を取
    得し記憶する位置情報記憶手段と、 前記移動機構により、第2の方向に沿って前記支持器を
    相対的位置を移動させながら、前記被検体に注入され血
    管内を移動する造影剤にX線を曝射し第2の画像を撮影
    する場合、前記位置情報記憶手段に記憶された前記相対
    的位置に関する情報に基づいて、前記X線発生手段のX
    線曝射タイミングを制御する制御手段と、 前記第2の画像から前記第1の画像を差し引くことで、
    第3の画像を生成する手段と、 を具備することを特徴とするX線診断装置。
  2. 【請求項2】前記X線曝射における前記相対的位置に関
    する情報は、X線曝射開始時の相対的位置とX線曝射終
    了時の相対的位置とを含み、 前記制御手段は、前記第1の方向と前記第2の方向とが
    同一方向である場合には、前記X線曝射開始時の相対的
    位置にて前記第2の画像に関するX線曝射を開始し、且
    つ前記X線曝射終了時の相対的位置にて前記第2の画像
    に関するX線曝射を終了すること、 を特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 【請求項3】前記X線曝射における前記相対的位置に関
    する情報は、X線曝射開始時の相対的位置とX線曝射終
    了時の相対的位置とを含み、 前記第1の方向と前記第2の方向とが逆方向である場合
    には、前記X線曝射終了時の相対的位置にて前記第2の
    画像に関するX線曝射を開始し、且つ前記X線曝射開始
    時の相対的位置にて前記第2の画像に関するX線曝射を
    終了すること、 を特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  4. 【請求項4】前記第1の方向及び前記第2の方向は、前
    記寝台の長手方向に沿っていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のうちいずれか一項記載のX線診断装
    置。
  5. 【請求項5】前記第1の方向及び前記第2の方向は、前
    記寝台を軸とした回転方向に沿っていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項記載のX線
    診断装置。
  6. 【請求項6】前記移動機構を制御する移動機構制御手段
    をさらに具備し、当該移動機構制御手段は、前記第2の
    方向に沿って移動する前記支持器を停止する場合には、
    前記位置情報記憶手段に記憶された前記相対的位置に関
    する情報に基づいて、最寄りの第1の画像に関する前記
    X線曝射開始時の相対的位置とX線曝射終了時の相対的
    位置との中間位置にて前記支持器を停止させることを特
    徴とする請求項2又は3記載のX線診断装置。
  7. 【請求項7】X線発生手段と、当該X線発生手段からの
    X線を検出するX線検出手段とが設けられた支持器を、
    第1の方向に沿って移動させながら造影剤が注入されて
    いない被検体にX線を曝射し、第1の画像を取得するス
    テップと、 前記第1の方向に沿ったX線曝射における、前記被検体
    に対する前記支持器の相対的位置情報を検出し記憶する
    ステップと、 第2の方向に沿って前記支持器を移動させながら、前記
    相対的位置に関する情報に基づいて前記被検体に注入さ
    れ血管内を移動する造影剤にX線を曝射し、第2の画像
    を取得するステップと、 前記第2の画像から前記第1の画像を差し引くことで、
    第3の画像を生成するステップと、 を具備することを特徴とするX線診断装置制御方法。
  8. 【請求項8】前記相対的位置に関する情報は、X線曝射
    開始時の相対的位置とX線曝射終了時の相対的位置とを
    含み、 前記第2画像についてのX線曝射は、前記第1の方向と
    前記第2の方向とが同一方向である場合には、前記X線
    曝射開始時の相対的位置にて開始され、且つ前記X線曝
    射終了時の相対的位置にて終了すること、 を特徴とする請求項7記載のX線診断装置制御方法。
  9. 【請求項9】前記相対的位置に関する情報は、X線曝射
    開始時の相対的位置とX線曝射終了時の相対的位置とを
    含み、 前記第1の方向と前記第2の方向とが逆方向である場合
    には、前記X線曝射終了時の相対的位置にて開始され、
    且つ前記X線曝射開始時の相対的位置にて終了するこ
    と、 を特徴とする請求項7記載のX線診断装置制御方法。
  10. 【請求項10】前記第1の方向及び前記第2の方向は、
    前記寝台の長手方向に沿っていることを特徴とする請求
    項8又は9記載のX線診断装置制御方法。
  11. 【請求項11】前記第1の方向及び前記第2の方向は、
    前記寝台を軸とした回転方向に沿っていることを特徴と
    する請求項8又は9記載のX線診断装置制御方法。
  12. 【請求項12】前記第2の方向に沿って移動する前記支
    持器を停止する場合には、前記位置情報記憶手段に記憶
    された前記相対的位置に関する情報に基づいて、最寄り
    の第1の画像に関する前記X線曝射開始時の相対的位置
    とX線曝射終了時の相対的位置との中間位置にて前記支
    持器を停止させることを特徴とする請求項8又は9記載
    のX線診断装置制御方法。
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