JP2003124055A - コンデンサー用ポリエステルフィルムおよびコンデンサー - Google Patents

コンデンサー用ポリエステルフィルムおよびコンデンサー

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JP2003124055A
JP2003124055A JP2001314286A JP2001314286A JP2003124055A JP 2003124055 A JP2003124055 A JP 2003124055A JP 2001314286 A JP2001314286 A JP 2001314286A JP 2001314286 A JP2001314286 A JP 2001314286A JP 2003124055 A JP2003124055 A JP 2003124055A
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JP
Japan
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polyester film
polyester
heat
film
resin layer
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JP2001314286A
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English (en)
Inventor
Fumio Nishimura
文男 西村
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の小型化、軽量化およびコストダウ
ンの要求を満足し、外装の寸法、重量を増大させずに誘
電体のポリエステルフィルムに外装機能を付与し、熱接
着性樹脂層による優れた密着性を有し、且つ、改善され
たブロッキング特性を有するコンデンサー用ポリエステ
ル系フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に熱接着性樹脂層が被覆された熱接着性ポリエステルフ
ィルムであって、熱接着性樹脂層が非晶性ウレタン系樹
脂と非晶性ポリエステル系樹脂からなり、該熱接着性樹
脂層中に球状且つ単分散の不活性粒子を熱接着性樹脂に
対して1.0質量%以上15質量%以下含有し、且つ、
該被覆層の乾燥後の被覆量が0.1g/m2以上2.0
g/m2未満であることを特徴とする、コンデンサー用
ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサー用ポ
リエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは、外装を
必要とせず、長期の耐湿性および耐熱性に優れた巻き取
り型コンデンサーを提供し得るポリエステル系フィルム
に関する。更に本発明は、該ポリエステル系フィルムを
用いて得られる巻き取り型コンデンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムコンデンサーの外装方法
として、コンデンサー素子を樹脂にディッピングまたは
モールディングして包む方法、あるいは、金属または樹
脂よりなる容器にコンデンサー素子を収納して密閉する
方法(すなわち、金属ケースまたは樹脂ケースによる外
包)が知られている。近年、コンデンサーの軽量化およ
び製造工程削減による低コスト化を目指して無外装コン
デンサー用ポリエステルが開発されているが、これに
は、外包接着性樹脂によるフィルムロールのブロッキン
グトラブルが起こるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためになされたものであり、その目的と
するところは、電子機器の小型化、軽量化およびコスト
ダウンの要求を満足し、外装の寸法および重量を増大さ
せることなく誘電体であるポリエステルフィルムに外装
機能を付与し、熱接着性樹脂による優れた密着性を有
し、且つ、改善された耐ブロッキング性を有するコンデ
ンサー用ポリエステル系フィルムおよびこのようなフィ
ルムを用いたコンデンサーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のコンデンサー用
ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少な
くとも片面に熱接着性樹脂層が被覆された熱接着性ポリ
エステルフィルムであって、熱接着性樹脂層が非晶性ウ
レタン系樹脂と非晶性ポリエステル系樹脂からなり、該
熱接着性樹脂層中に球状且つ単分散の不活性粒子を熱接
着性樹脂に対して1.0質量%以上15質量%以下含有
することを特徴とするコンデンサー用ポリエステルフィ
ルムである。好ましくは得られるポリエステルフィルム
の厚みが3μm以上30μm以下であり、また好ましく
は用いるポリエステルフィルムがこれを構成するポリエ
ステル樹脂中にアンチモン原子を100ppm以上30
0ppm以下含有するものである。更に、熱傾斜測定器
により測定される熱接着開始温度を80℃以上120℃
以下とすることにより上記目的が一層確実に達成され
る。
【0005】好適な実施態様においては、上記熱接着性
樹脂層の乾燥後の被覆量が0.1g/m2以上2.0g
/m2未満であり、熱傾斜測定器により測定される熱接
着開始温度が80℃以上120℃以下である。
【0006】本発明のコンデンサーは、上記コンデンサ
ー用ポリエステル系フィルムと金属箔または金属蒸着プ
ラスチックフィルムとを、上記熱接着性樹脂層と該金属
箔または該蒸着された金属とが接するように重ね、巻き
取り、そして加熱圧着することにより得られる、巻き取
り型コンデンサーである。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書において「ウレタン」と
は、ポリエステルジオール成分と鎖延長剤としての短鎖
ジオールとをジイソシアネート成分を使用してウレタン
結合によって高分子化して得られる熱可塑性樹脂化合物
を意味する。このようなポリエステルジオール成分は、
通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを重縮合す
ることにより得られ、鎖延長剤としての短鎖ジオール
は、例えば、エチレングリコール及びネオペンチルグリ
コール等のジオール類からなる。
【0008】また、ジイソシアネート成分は、例えばメ
チレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等のジイソシアネート類からなる。
【0009】本明細書において「ポリエステル」とは、
エステル結合によって高分子化された結晶性熱可塑性樹
脂化合物を意味する。このようなポリエステルは、通
常、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを重縮合する
ことにより得られる。
【0010】本発明のコンデンサー用ポリエステル系フ
ィルムは、ベースフィルムと、該ベースフィルムの少な
くとも片面に積層して被覆された熱接着性樹脂層とを有
する。
【0011】ベースフィルムは、ポリエステルフィルム
(好ましくは、2軸延伸ポリエステルフィルム)であ
る。ポリエステルを構成するジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルエタン
ジカルボン酸等が挙げられる。グリコール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等
が挙げられる。好ましいジカルボン酸成分は、テレフタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸であり、好ま
しいグリコール成分は、エチレングリコールである。こ
れらのジカルボン酸成分およびグリコール成分は、後述
の熱接着性樹脂層を構成する非晶性ポリエステル系共重
合樹脂の成分としても使用され得る。
【0012】本発明(特に、ベースフィルム)において
好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポ
リ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
等が挙げられる。このような好ましいポリエステル樹脂
は、必要に応じて、該ポリエステル樹脂中に0〜30モ
ル%、好ましくは0〜15モル%の上記酸成分またはグ
リコール成分の各々を含んで共重合したものでもよく、
あるいは、このようなモル比で、上記酸成分と上記グリ
コール成分とから得られるポリエステルとブレンドした
ものでもよく、重合触媒として、アンチモンが好ましく
は100ppm以上300ppm以下、更に好ましくは
120ppm以上250ppm以下、特に好ましくは1
30〜200ppm使用されてなる。
【0013】本発明に用いられるポリエステルは、極限
粘土は大きいほど、耐電圧性、機械特性、ならびに長期
耐湿および耐熱性に優れるが、その極限粘土が0.5d
l/g以上、好ましくは0.6dl/g以上が適してい
る。
【0014】重合触媒として、アンチモンが100pp
m未満であればその極限粘度が0.5dl/g以上にな
らず、溶融押出による製膜が困難となり、アンチモンが
300ppmを超えるとコンタミ異物の発生量が多くコ
ンデンサーの誘電体として絶縁不良を引き起こしやすく
なる。
【0015】熱接着性樹脂層は、非晶性ウレタン系樹脂
と非晶性ポリエステル系樹脂の混合物からなるものであ
り、該熱接着性樹脂層中に球状且つ単分散の不活性粒子
を該熱接着性樹脂に対して1.0質量%以上15質量%
以下含むことで、フィルムのブロッキングを防止する効
果が得られる。
【0016】非晶性ウレタン系樹脂は、前述したよう
に、ポリエステルジオール成分と鎖延長剤としての単鎖
ジオールとをジイソシアネート成分を使用してウレタン
結合によって高分子化して得られるものである。このよ
うなポリエステルジオール成分は、通常、ジカルボン酸
成分とグリコール成分とを重縮合することにより得られ
るが、詳細については下記の非晶性ポリエステル系樹脂
に使用されているものと同様である。
【0017】単鎖ジオールは、例えば、エチレングリコ
ール及びジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等の低分子量ジオール類か
らなる。
【0018】また、ジイソシアネート成分は、例えばメ
チレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等のジイソシアネート類からなる。
【0019】非晶性ポリエステル系樹脂のジカルボン酸
成分は、ベースフィルム用ポリエステルについて上述し
たもの以外に、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット
酸が挙げられる。グリコール成分としては、ベースフィ
ルム用ポリエステルについて上述したもの以外に、ネオ
ペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物、グリセリン等が
挙げられる。これらのジカルボン酸成分およびグリコー
ル成分はそれぞれ単独で、又は任意の適切な2種以上を
任意の適切な量で組み合わせて用いられる。
【0020】上記非晶性ポリエステル系共重合樹脂は、
その性能を阻害しない程度でその他の成分を含有しても
よい。例えば、滑剤とワックス類等がある。
【0021】熱接着性樹脂層は、非晶性ウレタン系樹脂
と非晶性ポリエステル系樹脂をそれぞれ、2種類以上任
意の量混合し組み合わせてもよい。そのようにしても目
標とする熱接着性が得られ、フィルム間のブロッキング
も後述のようにして防止される。
【0022】コンデンサー作製時に、上記熱接着性樹脂
層は、コンデンサーの導体層を形成する金属(一例とし
て、金属箔または金属蒸着プラスチックフィルム)に対
して非常に優れた接着性を有する。
【0023】ただし、該熱接着性樹脂層を少なくとも片
面に塗布したコンデンサー用ポリエステル系フィルム
は、そのままではフィルム間でブロッキングが起こり易
いが、該熱接着層中に球状且つ単分散の不活性粒子を該
熱接着性樹脂に対して1.0質量%以上15質量%以下
添加させることにより、フィルム間での優れた耐ブロッ
キング性能が発現する。
【0024】球状且つ単分散の不活性粒子が該熱接着性
樹脂に対して1.0質量%未満であるとその耐ブロッキ
ング性が不十分で、フィルムコンデンサー巻き取り加工
が困難であり、15質量%を超えると耐ブロッキング性
は優れているが、熱圧着性の低下を引き起こす。
【0025】該球状且つ単分散の不活性粒子としては、
二酸化珪素が好ましいが、二酸化珪素に限らず、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、カオリナイト、タルク、マイカ、ゼオライト等
の無機粒子あるいは、ベンゾグアナミン樹脂架橋体、ス
チレン樹脂等の有機粒子が挙げられる。更に、これらの
粒子の粒径は好ましくは0.01〜2μmである。
【0026】上記の実用上優れた耐ブロッキング性と十
分な熱接着性を得るには、前記熱接着性樹脂層の乾燥塗
布量が0.1g/m2以上2.0g/m2未満になるよう
調整し、熱傾斜測定器により測定される熱接着開始温度
を80℃以上120℃以下にすることが特に好ましい。
【0027】上記熱傾斜測定器により測定される熱接着
開始温度が、80℃より低い場合には夏季に上記熱接着
性樹脂層を塗布したポリエステルフィルムがブロッキン
グしやすく、コンデンサー用に加工することが困難にな
り、120℃より高い場合には熱接着性が低下し、熱接
着性樹脂層とコンデンサーの導体層を形成する金属とを
接着させる際に微小空隙ができるため、コンデンサーと
して用いたとき絶縁破壊が発生する。
【0028】以下、本発明のコンデンサー用ポリエステ
ル系フィルムの製造方法の好ましい一例について説明す
る。まず、ポリエステルをその融点を超える温度で押出
機にて溶融押出し、ガラス転移温度以下に冷却して未延
伸シートとする。この未延伸シートを長手方向および幅
方向に2軸延伸する。延伸方向には、同時に2軸方向の
延伸を行なう方法、逐次2軸方向の延伸を行なう方法が
あるが、そのどちらでもよい。長手方向および幅方向の
延伸倍率はそれぞれ、3〜5倍、好ましくは3.5〜4
倍である。このようにして、ベースフィルムを作製す
る。
【0029】次に、非晶性ウレタン系樹脂と非晶性ポリ
エステル系樹脂を有機溶媒(例えば、トルエンおよび/
またはメチルエチルケトン)中に所定の濃度(例えば固
形分1〜20質量%)で含有する熱接着性樹脂層形成溶
液(ドープ)を得、平均粒径0.05μmの球状且つ単
分散の二酸化珪素を該熱接着性樹脂に対して10質量%
添加し、このドープをロールコーター方式によりベース
フィルムに塗布する。熱接着性樹脂層の乾燥後の被覆量
(これは、厚みに対応する)は、好ましくは0.1g/
2以上2.0g/m2未満である。ドープをベースフィ
ルムに塗布した後の乾燥は、有機溶媒を十分に乾燥させ
得る任意の適切な温度(例えば、80℃)で、任意の適
切な時間(例えば、0.5分)行なわれる。
【0030】このようにして、本発明のコンデンサー用
ポリエステル系フィルムが得られる。得られたフィルム
は、常法により巻き取りおよびスリットを行なう。
【0031】このようにして得られる本発明のコンデン
サー用ポリエステル系フィルムは、例えば、3μm〜3
0μmの厚みを有する。フィルムの厚みが3μm未満の
場合には、巻き取り時に皺が入り作業性が悪く、30μ
mを超える場合には、巻き取り後の径が大きくなりすぎ
る欠点がある。
【0032】本発明のコンデンサーは、上記のようなポ
リエステル系フィルムを用いて得られる。本発明のコン
デンサーは、例えば、ポリエステル系フィルムと金属箔
または金属蒸着プラスチックフィルムとを、上記熱接着
性樹脂層と金属箔または蒸着された金属とが接するよう
に重ね、巻き取り、そして加熱圧着することにより得ら
れる巻き取り型コンデンサーである。
【0033】金属箔および金属蒸着プラスチックフィル
ムに用いられる金属としては、アルミニウム、パラジウ
ム、亜鉛、ニッケル、金、銀、銅、インジウム、錫、ク
ロム、チタン等が挙げられる。代表的には、アルミニウ
ムが用いられる。
【0034】金属箔の厚みは、好ましくは3μm〜12
μm(例えば、6μm)である。金属蒸着プラスチック
フィルムの厚みは、好ましくは3μm〜12μm(例え
ば、6μm)である。金属蒸着プラスチックフィルムの
基材としては、任意の適切なプラスチックフィルム(例
えば、ポリエステルフィルム)が用いられる。
【0035】例えば、6μmのアルミ金属箔および/ま
たはアルミ蒸着ポリエステルフィルムと上記熱接着性樹
脂塗工ポリエステルフィルムのアルミ面と接触させるよ
うにして、且つ、ロールが幅20mm〜100mmにな
るようにして、重ねて巻き取る。
【0036】得られた巻き取りフィルムリールを、例え
ば、120℃〜200℃の温度、49〜98N/cm2
の圧力で、1〜5時間熱圧着することにより熱接着を行
う。この巻き取りフィルムの両端面にメタリコンを溶射
して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻
き取り型コンデンサー素子が得られる。
【0037】このように、本発明のコンデンサーは、金
属化フィルムコンデンサーとして好適である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例
および比較例で用いられた物性測定方法および評価方法
は以下の通りである。
【0039】(1) 熱傾斜測定器による熱接着性温度
の測定 後述の実施例および比較例に記載のようにして製造され
た片面接着性樹脂塗工ポリエステルフィルムの塗工面と
非塗工面を合わせ、熱傾斜測定(TOYO SEIKI
社製 GRADIENT TYPE HG−100)に
よりエアー圧19.6N/cm2、圧着時間60秒間で
50℃から10℃刻みで120℃まで温度調節を行い、
熱圧着を実施する。熱傾斜測定から熱圧着されたフィル
ムを取り出し、手で熱圧着されたフィルムを剥がすが、
このとき剥離に抵抗を示すようになる温度が熱接着性温
度である。
【0040】(2) 耐ブロッキング性評価 後述の実施例および比較例に記載のようにして製造され
た片面熱接着性樹脂塗工ポリエステルフィルムを5cm
×5cmにカットし、塗工面と非塗工面を合わせ、24
5Nの荷重をかけ、60℃で24時間熱風乾燥機に放
置、塗工面と非塗工面を合わせたフィルムを取り出し、
手で熱圧着されたフィルムを剥がす。このとき剥離に音
を立てて剥がれるものは評価×とし、剥離に音を立てな
いが抵抗を示し剥がれるものを評価△とし、剥離に抵抗
を示さず容易に剥がれるものを評価○とする。
【0041】(3) コンデンサーの長期耐久性 後述の実施例および比較例に記載のようにして製造され
たコンデンサーに65℃,95%RH雰囲気下で20k
V DCを印加し、エージングを行い、その際静電気容
量変化率を測定した。1000時間後の静電気容量変化
率ΔC/Cが±8%以内であるものを長期耐久性が良
好、±8%よりも大きいものを長期耐久性が不良と判定
した。
【0042】(4) 熱接着性樹脂層中の球状且つ単分
散の不活性粒子の含有量 A4サイズ(縦29.7cm、横4.0cm)に切断し
た試料を4枚用意し、夫々の質量を測定後、そのうち2
枚の試料の熱接着性樹脂層をメチルエチルケトンで拭い
て除去し、再度試料の質量を測定する。熱接着性樹脂層
を除去する前後の質量差を試料の表面積で除して単位面
積(1m2)あたりに換算し、熱接着性樹脂層の塗布量
とする。
【0043】別々の白金ルツボに、上記のポリエステル
フィルムおよび熱接着性樹脂層を積層したポリエステル
フィルムを入れ、550℃で灰化後、重炭酸ナトリウム
を加えて700〜800℃で溶融する。この際、不活性
粒子がナトリウム化合物となる。冷却後、水に溶解させ
て取り出し、塩酸を加えて1.2Mの弱酸性溶液とす
る。この中から一定量分取し、JIS−K−0101に
準じて吸光光度法により不活性粒子を定量分析し、熱接
着性樹脂層中の含有量を算出する。
【0044】(5) ポリエステルフィルム中のアンチ
モン原子の含有量 蛍光X線分析装置(理学電機工学製、システム3270
型)を用い、下記測定条件で予め作成した検量線をもと
にポリエステルフィルム中のアンチモン原子を定量す
る。 イ)X線管球:ロジウム ロ)X線出力:50kV×50mA ハ)X線照射面積:直径30mmの円 二)分光結晶:LiF
【0045】(実施例1)非晶性ウレタン系樹脂の有機
溶媒による溶解物として東洋紡績(株)製バイロンMG
0808(固形分25質量%)と非晶性ポリエステル系
樹脂の有機溶媒による溶解物として東洋紡績(株)製バ
イロンRV30SS(固形分30質量%)とを1:2に
配合し、固形分が5質量%になるようにメチルエチルケ
トンに溶解させた。これに、球状且つ単分散の不活性粒
子として、二酸化珪素(日産化学工業(株)製、MEK-S
T、平均粒径15nm)をホモジナイザーを用いて同じ
溶媒に分散させ(固形分30質量%)を上記樹脂溶液に
該ポリエステル共重合樹脂に対して5質量%になるよう
に添加してドープを調整する。このドープを12μmの
2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、E
5107、重合触媒のアンチモン化合物をアンチモン元
素換算で130ppm含有)の片面にリバースコーター
により塗工し、乾燥温度100℃で乾燥し、乾燥塗工量
が0.5g/m2の熱接着性樹脂塗工ポリエステルフィ
ルムを得た。このフィルムと6μmのアルミ蒸着2軸延
伸ポリエステルフィルムとを、アルミ蒸着面と上記塗工
面が重なるようにして巻き取り、幅40mm、外径15
mmφの巻き取りリールを得た。このリールを温度14
0℃,圧力49N/cm2で1時間プレスし、この両端
にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリ
ード線を溶接して巻き取り型コンデンサー素子を作製し
た。このコンデンサーの長期耐久性はすべて良好であっ
た。
【0046】(比較例1)実施例1で用いた球状且つ単
分散の不活性粒子である二酸化珪素(日産化学工業
(株)製、MEK−ST、平均粒径15nm、固形分3
0質量%)をポリエステル共重合樹脂に対して0.5質
量%添加してドープを調整し、実施例1と同様にしてコ
ンデンサー素子を作製すべく、このドープを塗工したフ
ィルムと6μmのアルミ蒸着2軸延伸ポリエステルフィ
ルムとを、アルミ蒸着面と上記塗工面が重なるようにし
て巻き取りしようとしたが、ブロッキングのため幅40
mm、外径15mmφの巻き取りリールを得る歩留まり
は50%前後であり、工業的に採算の取れるものではな
かった。
【0047】(比較例2)実施例1で用いた球状且つ単
分散の不活性粒子である二酸化珪素(日産化学工業
(株)製、MEK−ST、平均粒径15nm、固形分3
0質量%)をポリエステル共重合樹脂に対して20質量
%添加してドープを調整し、実施例1と同様にしてコン
デンサー素子を作製すべく、このドープを塗工したフィ
ルムと6μmのアルミ蒸着2軸延伸ポリエステルフィル
ムとを、アルミ蒸着面と上記塗工面が重なるようにして
巻き取り、幅40mm、外径15mmφの巻き取りリー
ルを得た。このリールを温度140℃、圧力49N/c
2で1時間プレスし、この両端にメタリコンを溶射し
て外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻き
取り型コンデンサー素子を作成した。このコンデンサー
の長期耐久性は不良であった。
【0048】(比較例3)実施例1で用いた球状且つ単
分散の不活性粒子である二酸化珪素(日産化学工業
(株)製、MEK−ST、平均粒径15nm、固形分3
0質量%)の代わりに、不定形二酸化珪素粒子として富
士シリシア社製サイリシア310をメチルエチルケトン
に分散後、共重合ポリエステル樹脂に対して0.5質量
%添加してドープを調整し、実施例1と同様にしてコン
デンサー素子を作製すべく、このフィルムと6μmのア
ルミ蒸着2軸延伸ポリエステルフィルムとを、アルミ蒸
着面と上記塗工面が重なるようにして巻き取り、幅40
mm、外径15mmφの巻き取りリールを得た。このリ
ールを温度140℃、圧力49N/cm2で1時間プレ
スし、この両端にメタリコンを溶射して外部電極とし、
メタリコンにリード線を溶接して巻き取り型コンデンサ
ー素子を作製した。このコンデンサーの長期耐久性は不
良であった。
【0049】上記結果を、次の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、無外装コンデンサーと
して十分な熱接着層と耐ブロッキング性を有し、且つ導
電層との密着性が優れ、このためコンデンサーとしての
長期耐久性を飛躍的に向上させることができる小型軽量
の巻き取り型コンデンサー用途に最適なコンデンサー用
ポリエステル系フィルムが得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に熱接着性樹脂層が被覆された熱接着性ポリエステルフ
    ィルムであって、熱接着性樹脂層が非晶性ウレタン系樹
    脂と非晶性ポリエステル系樹脂からなり、該熱接着性樹
    脂層中に球状且つ単分散の不活性粒子を熱接着性樹脂に
    対して1.0質量%以上15質量%以下含有し、且つ、
    該被覆層の乾燥後の被覆量が0.1g/m2以上2.0
    g/m2未満であることを特徴とする、コンデンサー用
    ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステルフィルムに被覆された
    該熱接着性樹脂層の熱接着開始温度(熱傾斜測定器によ
    り測定)が80℃以上120℃以下である、請求項1に
    記載のコンデンサー用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルフィルムが、これを構
    成する該ポリエステル樹脂中にアンチモン原子を100
    ppm以上300ppm以下含有し、且つ、2軸延伸さ
    れたものである、請求項1または2に記載のコンデンサ
    ー用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステルフィルムの厚みが3μ
    m以上30μm以下である、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のコンデンサー用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 前記不活性粒子が、二酸化珪素粒子であ
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載のコンデンサー
    用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のコ
    ンデンサー用ポリエステルフィルムと金属箔または金属
    蒸着プラスチックフィルムとを、前記熱接着性樹脂層と
    該金属箔または該蒸着された金属とが接するように重
    ね、巻き取り、そして加熱圧着する工程を経て得られ
    る、巻き取り型コンデンサー。
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