JP2000030969A - コンデンサー用ポリエステル系フィルム - Google Patents

コンデンサー用ポリエステル系フィルム

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JP2000030969A
JP2000030969A JP19930398A JP19930398A JP2000030969A JP 2000030969 A JP2000030969 A JP 2000030969A JP 19930398 A JP19930398 A JP 19930398A JP 19930398 A JP19930398 A JP 19930398A JP 2000030969 A JP2000030969 A JP 2000030969A
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JP
Japan
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polyester
film
heat
adhesive resin
capacitor
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JP19930398A
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Inventor
Fumio Nishimura
文男 西村
Kozo Maeda
浩三 前田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の小型化、軽量化およびコストダウ
ンの要求を満足し、外装の寸法および重量を増大させる
ことなく誘電体のポリエステルフィルムに外装機能を付
与し、熱接着性樹脂による優れた密着性を有し、かつ、
改善されたブロッキング特性を有するコンデンサー用ポ
リエステル系フィルムを提供する。 【解決手段】 コンデンサー用ポリエステル系フィルム
は、ベースフィルムと、ベースフィルムの少なくとも片
面に熱接着性樹脂層とを有する。熱接着性樹脂層は、ガ
ラス転移温度が−30℃以上20℃以下であるポリエステル
系樹脂Aとガラス転移温度が40℃以上100℃未満である
ポリエステル系樹脂Bとをそれぞれ30重量%以上70重量
%以下含む。このフィルムは、3μm以上30μm以下の厚
みを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサー用ポ
リエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは、外装を
必要とせず、長期の耐湿性および耐熱性に優れた巻取り
型コンデンサーを提供し得るポリエステル系フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムコンデンサーの外装方法
として、コンデンサー素子を樹脂にディッピングまたは
モールディングして包む方法、あるいは、金属または樹
脂よりなる容器にコンデンサー素子を収納して密閉する
方法(すなわち、金属ケースまたは樹脂ケースによる外
包)が知られている。近年、コンデンサーの軽量化およ
び製造工程削減による低コスト化を目ざして、無外装コ
ンデンサー用ポリエステルフィルムが使用されはじめて
いる。しかし、従来の無外装コンデンサー用ポリエステ
ルフィルムは、外包接着が不十分であったり、コンデン
サーとして巻き取る前に熱接着性樹脂によるフィルムロ
ールのブロッキングトラブルが起こるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の課
題を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、電子機器の小型化、軽量化およびコストダ
ウンの要求を満足し、外装の寸法および重量を増大させ
ることなく誘電体であるポリエステルフィルムに外装機
能を付与し、熱接着性樹脂による優れた密着性を有し、
かつ、改善された耐ブロッキング特性を有するコンデン
サー用ポリエステル系フィルムおよびこのようなフィル
ムを用いるコンデンサーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のコンデンサー用
ポリエステル系フィルムは、ベースフィルムと、該ベー
スフィルムの少なくとも片面に被覆された熱接着性樹脂
層とを有する、厚さ3μm以上30μm以下のコンデンサー
用ポリエステル系フィルムであって、該熱接着性樹脂層
が、ガラス転移温度が−30℃以上20℃以下であるポリエ
ステル系樹脂Aとガラス転移温度が40℃以上100℃未満
であるポリエステル系樹脂Bとをそれぞれ30重量%以上
70重量%以下含み、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0005】好適な実施態様においては、上記熱接着性
樹脂層の乾燥塗布量は0.1g/m2以上2.0g/m2未満であ
る。
【0006】好適な実施態様においては、上記フィルム
は、2軸延伸されている。
【0007】好適な実施態様においては、上記ベースフ
ィルムは、該ベースフィルムを基準にして0.01重量%以
上5重量%未満の不活性粒子を含有し、上記熱接着性樹
脂層の表面粗度Raが0.01μm以上0.5μm未満である。
【0008】好適な実施態様においては、上記熱接着性
樹脂層は、熱接着性樹脂に対して0.01重量%以上5重量
%未満の不活性粒子を含有し、該熱接着性樹脂層の表面
粗度Raが0.01μm以上0.5μm未満である。
【0009】本発明のコンデンサーは、上記コンデンサ
ー用ポリエステル系フィルムと金属箔または金属蒸着プ
ラスティックフィルムとを、上記熱接着性樹脂層と該金
属箔または該蒸着された金属とが接するように重ね、巻
き取り、そして加熱圧着することにより得られる、巻取
り型コンデンサーである。
【0010】
【発明の実施の形態】本明細書において「ポリエステ
ル」とは、エステル結合によって高分子化された結晶性
熱可塑性樹脂化合物を意味する。このようなポリエステ
ルは、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを重
縮合することにより得られる。
【0011】本発明のコンデンサー用ポリエステル系フ
ィルムは、ベースフィルムと、該ベースフィルムの少な
くとも片面に積層して被覆された熱接着性樹脂層とを有
する。
【0012】ベースフィルムは、ポリエステルフィルム
(好ましくは、2軸延伸ポリエステルフィルム)であ
る。ポリエステルを構成するジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルエタン
ジカルボン酸などが挙げられる。グリコール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールな
どが挙げられる。好ましいジカルボン酸成分は、テレフ
タル酸、ナフタレン−2, 6−ジカルボキシレートであ
り、好ましいグリコール成分は、エチレングリコールで
ある。これらのジカルボン酸成分およびグリコール成分
は、後述の熱接着性樹脂層を構成するポリエステル系樹
脂AおよびBの成分としても使用され得る。
【0013】本発明(特に、ベースフィルム)において
好ましいポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−2, 6−ナフタレート、ポリ−
1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートな
どが挙げられる。このような好ましいポリエステルは、
必要に応じて、該ポリエステル中に0〜30モル%、好ま
しくは0〜15モル%の上記酸成分またはグリコール成分
を含んで共重合したものでもよく、あるいは、このよう
なモル比で、上記酸成分と上記グリコール成分とから得
られるポリエステルとブレンドしたものでもよい。
【0014】本発明に用いられるポリエステルは、その
極限粘度が0.5dl/g以上、好ましくは0.6dl/g以上、より
好ましくは0.65dl/g以上である。極限粘度は大きいほ
ど、耐電圧性、機械特性、ならびに長期耐湿および耐熱
性に優れる。
【0015】熱接着性樹脂層は、ポリエステル系樹脂A
とポリエステル系樹脂Bとを含有する。該ポリエステル
系樹脂Aは、そのガラス転移温度が−30℃以上20℃以
下、好ましくは−10℃以上10℃以下である。ポリエステ
ル系樹脂Aは、熱接着強度の向上に寄与する。ポリエス
テル系樹脂Aを構成するカルボン酸成分としては、ベー
スフィルム用ポリエステルについて上述したもの以外
に、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸などが挙
げられる。ポリエステル系樹脂Aを構成するグリコール
成分としては、ベースフィルム用ポリエステルについて
上述した以外に、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、ビスフェノールAのエチレングリコール付
加物、グリセリンなどが挙げられる。これらのカルボン
酸成分およびグリコール成分はそれぞれ、単独で、また
は、任意の適切な2種以上を任意の適切な量で組み合わ
せて用いられる。酸成分およびグリコール成分の種類お
よび量を適切に調整することにより、所望のガラス転移
温度を有するポリエステル系樹脂Aが得られる。カルボ
ン酸成分およびグリコール成分の特に好ましい組み合わ
せおよびそのモル比は、以下の通りである:テレフタル
酸/セバシン酸(70/30)とエチレングリコール/ネオペ
ンチルグリコール(55/45);テレフタル酸/イソフタル
酸/アジピン酸(30/30/40)とエチレングリコール/ネ
オペンチルグリコール(63/37)の縮合物。
【0016】ポリエステル系樹脂Bは、そのガラス転移
温度が40℃以上100℃未満、好ましくは60℃以上80℃未
満である。ポリエステル系樹脂Bは、接着性を保持しつ
つブロッキング特性を改善する。その結果、ポリエステ
ル系樹脂A単独ではブロッキングすることが多いフィル
ムが、ブロッキングしなくなる。ポリエステル系樹脂B
を構成するカルボン酸成分およびグリコール成分は、上
記ポリエステル系樹脂Aで記載したものと同様である。
このようなカルボン酸成分およびグリコール成分の種類
および量を適切に調整することにより、所望のガラス転
移温度を有するポリエステル系樹脂Bが得られる。カル
ボン酸成分およびグリコール成分の特に好ましい組み合
わせおよびそのモル比は、例えば、テレフタル酸/イソ
フタル酸(50/50)とエチレングリコール/ネオペンチル
グリコール(50/50)である:上記ポリエステル系樹脂A
およびBは、その性能を阻害しない程度でその他の成分
を含有してもよい。例えば、滑剤としてワックス類等が
ある。
【0017】熱接着性樹脂層は、ポリエステル系樹脂A
およびポリエステル系樹脂Bをそれぞれ、30重量%以上
70重量%以下、好ましくは40重量%以上60重量%以
下含む。上記特定のガラス転移温度を有するポリエステ
ル系樹脂Aおよびポリエステル系樹脂Bをこのような範
囲で組み合わせて含有することにより、フィルムのブロ
ッキングが顕著に防止され、かつ、コンデンサー作製時
に、熱接着性樹脂層がコンデンサーの導体層を形成する
金属(例えば、金属箔または金属蒸着プラスティックフ
ィルム)に対して非常に優れた接着性を有する。
【0018】例えば、上記ポリエステル系樹脂Aが上記
範囲より多すぎる場合には、ブロッキングを生じ、逆に
ポリエステル系樹脂Bが上記範囲より多すぎる場合に
は、ブロッキングはないものの長期耐湿性、耐熱性が低
下する。また、ポリエステル系樹脂AとBの割合が上記
範囲内であっても、それぞれの樹脂のガラス転移温度が
外れる場合には両性能を満足することはできず、例え
ば、樹脂Bのガラス転移温度が40℃未満の場合にはブ
ロッキングを生じ、樹脂Aのガラス転移温度が高い場合
には長期耐湿、耐熱性が不十分である。
【0019】熱接着性樹脂層は、該樹脂に対し好ましく
は、0.01重量%以上5重量%未満(さらに好ましくは、
0.1重量%以上1重量%未満)の不活性粒子を含有し、
表面粗度Raが0.01μm以上0.5μm未満(さらに好まし
くは、0.02μm以上0.1μm未満)である。不活性粒子を
このような範囲で含有することにより、滑り性が顕著に
改善される。さらに、Raが0.01μmよりも小さい場合
には、滑り性が不十分である場合が多い。Raが0.5μm
以上である場合には、熱接着性樹脂層とコンデンサーの
導体層を形成する金属とを接着させる際に微小空隙がで
きるため、接着性が不十分である傾向がある。
【0020】該不活性粒子としては、酸化チタン、炭酸
カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸
カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シ
リカ、カオリナイト、タルク、マイカ、ゼオライトなど
の無機粒子;あるいは、ベンゾグアナミン樹脂架橋体、
スチレン樹脂などの有機粒子が挙げられる。所望の範囲
のRaを得るためには、これらの粒子の粒径は、好まし
くは0.4〜4μmである。
【0021】上記不活性粒子は、ベースフィルムに含有
させてもよい。この場合にも、表面粗度Raが0.01μm
以上0.5μm未満である熱接着性樹脂層が得られ、滑り性
が改善され得る。
【0022】以下、本発明のコンデンサー用ポリエステ
ル系フィルムの製造方法の好ましい一例について説明す
る。
【0023】まず、ポリエステルをその融点を越える温
度で押出機にて溶融押出し、ガラス転移点以下に冷却し
て未延伸シートとする。この未延伸シートを長手方向お
よび幅方向に2軸延伸する。延伸方法には同時に二軸方
向の延伸を行う方法、逐次2軸延伸法があるが、そのど
ちらでもよい。長手方向および幅方向の延伸倍率はそれ
ぞれ、3〜5倍、好ましくは3.5〜4倍である。このよ
うにして、ベースフィルムを作製する。
【0024】次に、ポリエステル系樹脂Aとポリエステ
ル系樹脂Bとの所定の比率の組み合わせを、有機溶媒
(例えば、トルエンおよび/またはメチルエチルケト
ン)中に所定の濃度(例えば、固形分1%〜20%)で含
有する熱接着性樹脂層形成用溶液(ドープ)を得、これ
を、例えば、ロールコーター方式によりベースフィルム
に塗布する。熱接着性樹脂層の乾燥塗布量(これは、厚
みに対応する)は、好ましくは0.1g/m2以上2.0g/m2
満、さらに好ましくは0.4g/m2以上1.0g/m2未満であ
る。ドープをベースフィルムに塗布した後の乾燥は、有
機溶媒を十分に乾燥させ得る任意の適切な温度(例え
ば、80℃)で、任意の適切な時間(例えば、0.5分)行
われる。このようにして、本発明のコンデンサー用ポリ
エステル系フィルムが得られる。得られたフィルムは、
常法により巻き取りおよびスリットを行う。
【0025】あるいは、共押出し方式により、ベースフ
ィルムと熱接着性樹脂層とを同時に押し出してもよい。
この場合には、押出機のダイの温度は、ベースフィルム
用ポリエステル、ポリエステル系樹脂Aおよびポリエス
テル系樹脂Bの融点を越える任意の適切な温度に設定さ
れる。共押し出されたフィルムを、そのガラス転移点以
下に冷却して未延伸シートとし、次いで、好ましくは2
軸延伸(同時2軸延伸または逐次2軸延伸)する。好ま
しい延伸倍率は、上記と同様であり得る。例えば、長手
方向および幅方向の延伸倍率はそれぞれ、3〜5倍、好
ましくは3.5〜4倍である。
【0026】熱接着性樹脂層の乾燥塗布量(厚み)は、
延伸後に好ましくは0.1g/m2以上2.0g/m2未満となるよ
うに調整する。このような手順によっても、本発明のコ
ンデンサー用ポリエステル系フィルムが得られる。
【0027】このようにして得られる本発明のコンデン
サー用ポリエステル系フィルムは、例えば、3μm以上3
0μm以下、好ましくは6μm以上25μm以下の厚みを有
する。フィルムの厚みが3μm未満の場合には、巻き取
り時に皺が入り作業性が悪く、30μmを越える場合に
は、巻き取り後の径が大きくなりすぎる欠点がある。
【0028】本発明のコンデンサーは、上記のようなポ
リエステル系フィルムを用いて得られる。本発明のコン
デンサーは、例えば、ポリエステル系フィルムと金属箔
または金属蒸着プラスティックフィルムとを、上記熱接
着性樹脂層と金属箔または蒸着された金属とが接するよ
うに重ね、巻き取り、そして加熱圧着することにより得
られる巻取り型コンデンサーである。
【0029】金属箔および金属蒸着プラスティックフィ
ルムに用いられる金属としては、アルミニウム、パラジ
ウム、亜鉛、ニッケル、金、銀、銅、インジウム、錫、
クロム、チタンなどが挙げられる。代表的には、アルミ
ニウムが用いられる。金属箔の厚みは、好ましくは3μ
m〜12μm(例えば、6μm)である。蒸着金属プラス
チックフィルムの厚みは、好ましくは3μm〜12μm
(例えば、6μm)である。金属蒸着プラスティックフ
ィルムの基材としては、任意の適切なプラスチックフィ
ルム(例えば、ポリエステルフィルム)が用いられる。
【0030】例えば、6μmのアルミ箔および/または
アルミ蒸着ポリエステルフィルムと上記熱接着性樹脂被
覆ポリエステルフィルム12μmとを、熱接着性樹脂層を
アルミ箔および/またはアルミ蒸着ポリエステルフィル
ムのアルミ面と接触させるようにして、かつ、ロールが
幅20mm〜100mmになるようにして、重ねて巻き取る。得
られた巻き取りフィルムリールを、例えば、100℃〜200
℃の温度、5〜10kg/cm2の圧力で、1〜5時間熱圧着す
ることにより熱接着を行う。この巻き取りフィルムの両
端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコン
にリード線を溶接して巻取り型コンデンサー素子が得ら
れる。
【0031】このように、本発明のコンデンサーは、金
属化フィルムコンデンサーとして好適である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例には限定されない。
【0033】実施例および比較例で用いられた物性測定
方法および評価方法は以下の通りである。 (1)コンデンサーの長期耐湿性および耐熱性 後述の実施例および比較例に記載のようにして製造され
たコンデンサーに、65℃、95%RH雰囲気下で20KVDC
を印加し、エージングを行い、その際静電気容量変化率
を測定した。1000時間後の静電容量変化率△C/Cが±5
%以内であるものを長期耐湿および耐熱性が良好、±5
%よりも大きいものを長期耐湿および耐熱性が不良と判
定した。ここで、Cはエージング前の静電容量、△Cは
エージング前後の静電容量の変化量である。 (2)ガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製DSC−2を用い、後述の実施例
および比較例で得られた樹脂10mgをサンプリングし、昇
温速度10℃/分〜20℃/分で測定した。
【0034】(実施例1)まず、酸成分としてテレフタ
ル酸70mol%およびセバシン酸30mol%と、グリコール成
分としてエチレングリコール55mol%およびネオペンチ
ルグリコール45mol%とを縮重合させ、ポリエステル樹
脂A(ガラス転移温度7℃)を得た。一方、酸成分とし
てテレフタル酸50mol%およびイソフタル酸50mol%と、
グリコール成分としてエチレングリコール50mol%およ
びネオペンチルグリコール50mol%とを縮重合させ、ポ
リエステル樹脂B(ガラス転移温度67℃)を得た。ポリ
エステル樹脂A60重量%とポリエステル樹脂B40重量%
との混合物をトルエンおよび/またはメチルエチルケト
ンに溶解し、固型分濃度が7%である溶液を調製した。
この溶液を、12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム
(フィルム中に不活性粒子を含む、東洋紡績(株)製E510
0)の片面にリバースコーターにより塗布し、乾燥温度80
℃で乾燥し、乾燥塗布量が0.5g/m2の熱接着性樹脂層を
片面に有するフィルムを得た。このフィルムと6μmア
ルミ箔とを、アルミ面と樹脂被覆面とが重なるようにし
て巻き取り、幅40mm、外径15mmΦの巻き取りリールを得
た。このリールを温度150℃、圧力5kg/cm2で1時間プ
レスし、この両端面にメタリコンを溶射して外部電極と
し、メタリコンにリード線を溶接して巻取り型コンデン
サー素子を作製した。このコンデンサーの長期耐湿およ
び耐熱テストによる静電容量変化率△c/cは、すべて±
5%以内であり良好であった。
【0035】結果を、後述の実施例2〜4および比較例
1〜5の結果とあわせて、以下の表1に示す。
【表1】
【0036】(実施例2)実施例1の6μmアルミ箔の
代わりに6μmアルミ蒸着ポリエステルフィルムを用い
て、アルミ面と樹脂被覆面とが重なるようにして巻き取
り、幅40mm、外径15mmΦの巻き取りリールを得た。この
リールから、実施例1と同様にしてコンデンサー素子を
作製した。このコンデンサーの長期耐湿および耐熱テス
トによる静電容量変化率△c/cは、すべて±5%以内で
あり良好であった。
【0037】(実施例3)酸成分としてテレフタル酸30
mol%、イソフタル酸30mol%、アジピン酸40mol%と、
グリコール成分としてエチレングリコール63mol%およ
びネオペンチルグリコール37mol%とを縮重合させ、ポ
リエステル樹脂A(ガラス転移温度4℃)を得た。一
方、ポリエステル樹脂Bは、実施例1と同様のものを用
いた。ポリエステル樹脂A30重量%とポリエステル樹脂
B70重量%との混合物をトルエンおよび/またはメチル
エチルケトンに溶解し、固型分濃度が5%である溶液を
調製した。この溶液を、12μmの2軸延伸ポリエステル
フィルム(フィルム中に不活性粒子を含む、東洋紡績
(株)製E5100)の片面にグラビアロールコーターにより塗
布し、乾燥温度80℃で乾燥し、乾燥塗布量が0.5g/m2
熱接着性樹脂層を片面に有するフィルムを得た。以下の
手順は実施例1と同様にして、このフィルムから巻取り
型コンデンサー素子を作製した。このコンデンサーの長
期耐湿および耐熱テストによる静電容量変化率△c/c
は、すべて±5%以内であり良好であった。
【0038】(実施例4)実施例3の6μmアルミ箔の
代わりに6μmアルミ蒸着ポリエステルフィルムを用い
て、アルミ面と樹脂被覆面とが重なるようにして巻き取
り、幅40mm、外径15mmΦの巻き取りリールを得た。この
リールから、実施例3と同様にしてコンデンサー素子を
作製した。このコンデンサーの長期耐湿および耐熱テス
トによる静電容量変化率△c/cは、すべて±5%以内で
あり良好であった。
【0039】(比較例1)熱接着性樹脂層を片面に有す
るフィルムの代わりに、2軸延伸ポリエステルフィルム
(東洋紡績(株)製E5100)を用いたこと以外は、実施例
1と同様にしてコンデンサー素子を作製した。このコン
デンサーの長期耐湿および耐熱テストによる静電容量変
化率△c/cは、±5%を越えるものが約20%あり、良く
なかった。
【0040】(比較例2)熱接着性樹脂層を片面に有す
るフィルムの代わりに、2軸延伸ポリエステルフィルム
(東洋紡績(株)製E5100)を用いたこと以外は、実施例
2と同様にしてコンデンサー素子を作製した。このコン
デンサーの長期耐湿および耐熱テストによる静電容量変
化率△c/cは、±5%を越えるものが約10%あり、良く
なかった。
【0041】(比較例3)ポリエステル樹脂Aを単独で
使用したこと以外は実施例1と同様にして、巻取り型コ
ンデンサー素子を作製しようと試みた。しかし、熱接着
性樹脂層がロール状でブロッキングを起こし、コンデン
サー素子を作製することはできなかった。
【0042】(比較例4)ポリエステル樹脂Bを単独で
使用したこと以外は実施例1と同様にして、巻取り型コ
ンデンサー素子を作製した。このコンデンサーの長期耐
湿および耐熱テストによる静電容量変化率△c/cは、±
5%を越えるものが約10%あり、良くなかった。
【0043】(比較例5)実施例1と同様のポリエステ
ル樹脂Aを用いた。酸成分としてテレフタル酸50mol%
およびイソフタル酸50mol%と、グリコール成分として
エチレングリコール47.5mol%、ビスフェノールAのエ
チレンオキサイド20モル付加物49mol%、およびポリエ
チレングリコール(分子量1000)3.5mol%とを縮重合さ
せ、ポリエステル樹脂B(ガラス転移温度35℃)を得
た。以下の手順は実施例1と同様にして、巻取り型コン
デンサー素子を作製しようと試みた。しかし、熱接着性
樹脂層がロール状でブロッキングを起こし、コンデンサ
ー素子を作製することはできなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、無外装コンデンサーと
して十分な熱接着層を有し、かつ導電層との密着性が優
れ、このためコンデンサーとしての長期耐湿熱性を飛躍
的に向上させることができる小型軽量の巻取り型コンデ
ンサー用途に最適なコンデンサー用ポリエステル系フィ
ルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01D AB10 AB33D AK01B AK01C AK41A AK41B AK41C AL05B AL05C BA03 BA04 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA14 DD07A DD07B DD07C DE01A DE01B DE01C EH66D EJ38A EJ38B EJ38C GB41 JA05B JA05C JJ03 JK06 JL12B JL12C YY00 YY00A YY00B YY00C 5E082 AB04 BC19 BC23 EE03 EE07 EE23 EE24 EE37 FF14 FF15 FG06 FG22 FG36 FG48 FG54 GG04 JJ04 JJ22 MM22 MM24 PP03 PP04 PP09 PP10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムと、該ベースフィルムの
    少なくとも片面に被覆された熱接着性樹脂層とを有す
    る、厚さ3μm以上30μm以下のコンデンサー用ポリエス
    テル系フィルムであって、 該熱接着性樹脂層が、ガラス転移温度が−30℃以上20℃
    以下であるポリエステル系樹脂Aとガラス転移温度が40
    ℃以上100℃未満であるポリエステル系樹脂Bとをそれ
    ぞれ30重量%以上70重量%以下含む、コンデンサー用ポ
    リエステル系フィルム。
  2. 【請求項2】 前記ベースフィルムに熱接着性樹脂層形
    成用溶液を塗布して前記熱接着性樹脂層が形成され、該
    熱接着性樹脂層の乾燥塗布量が0.1g/m2以上2.0g/m2
    満である、請求項1に記載のコンデンサー用ポリエステ
    ル系フィルム。
  3. 【請求項3】 2軸延伸されている、請求項1または2
    に記載のコンデンサー用ポリエステル系フィルム。
  4. 【請求項4】 前記ベースフィルムが、該ベースフィル
    ムを基準にして0.01重量%以上5重量%未満の不活性粒
    子を含有し、前記熱接着性樹脂層の表面粗度Raが0.01
    μm以上0.5μm未満である、請求項1〜3のいずれかに
    記載のコンデンサー用ポリエステル系フィルム。
  5. 【請求項5】 前記熱接着性樹脂層が、熱接着性樹脂に
    対して0.01重量%以上5重量%未満の不活性粒子を含有
    し、該熱接着性樹脂層の表面粗度Raが0.01μm以上0.5
    μm未満である、請求項1〜3のいずれかに記載のコン
    デンサー用ポリエステル系フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のコンデ
    ンサー用ポリエステル系フィルムと金属箔または金属蒸
    着プラスティックフィルムとを、前記熱接着性樹脂層と
    該金属箔または該蒸着された金属とが接するように重
    ね、巻き取り、そして加熱圧着することにより得られ
    る、巻取り型コンデンサー。
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