JP2003123861A - 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子及び光電変換素子の製造方法

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新 中村
Sadanori Kuroshima
貞則 黒島
Tsutomu Yoshitake
務 吉武
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温焼結させても、膜強度が高く、かつ、電
解液浸透性の良好な酸化物多孔質電極をもち、太陽エネ
ルギー変換効率に優れた光電変換素子及び光電変換素子
の製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化物粒子と電解液浸透性のある繊維状
物質を混合した水溶液を用いてスラリーを作製し、この
スラリーを透明導電膜付き基板に塗布して乾燥すること
により、酸化物多孔質電極を作製する。次に、この酸化
物多孔質電極の酸化物粒子表面に色素を吸着させ、さら
に対向電極を形成し、これらの電極間に電解質を注入し
て、光電変換素子とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光エネルギーを電
気エネルギーに直接変換する光電変換素子及び光電変換
素子の製造方法に関する。より詳しくは、酸化物多孔質
電極を、酸化物粒子と電解液浸透性のある繊維状物質と
を用いて構成することにより、優れたエネルギー変換効
率を得ることができる光電変換素子及び光電変換素子の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1991年にグレッツェルらが発明した
酸化物多孔質電極を用いる色素増感型湿式太陽電池(N
ature 353 (1991)737)はシリコン半
導体の太陽電池とは異なる光電変換メカニズムによって
動作し、光電変換効率も10%程度と比較的高いことか
ら、将来、シリコン系太陽電池に換わる可能性のある光
電気化学電池として非常に期待されている。この色素増
感型湿式太陽電池において、酸化物多孔質電極は透明導
電膜付きガラス基板に、酸化チタン微粒子を500℃前
後の温度で焼結することにより作製される。この際、膜
の多孔質性を増すために、ポリエチレングリコールなど
の昇華性材料を酸化チタン微粒子水溶液に混入し、焼結
時にその昇華性材料が燃えたあとに間隙が生じ、焼結酸
化膜の多孔質性を向上させていた。
【0003】この色素増感型湿式太陽電池の仕組みは、
酸化物多孔質電極の表面に吸着させた色素の電子が光に
より励起されると、この励起された電子が酸化物に移動
し、続いて透明導電膜に輸送され、さらに外部回路を経
由して対向電極に流れ、電解質により伝播されて、最終
的に励起された色素に戻るというものである。焼結酸化
膜の多孔質性が高いことが色素の吸着面積を増加させる
とともに、また、多孔質なために電解液の拡散経路が確
保され、これらの結果として高いエネルギー変換効率を
実現していた。そして、このような色素増感型湿式太陽
電池の性能をさらに向上させるべく、様々な改良が試み
られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような中で、色素
増感型湿式太陽電池を透明導電膜付きガラス基板ではな
く、透明導電膜付きプラスチック基板などの耐熱性の低
い基板上に作製しようとする試みがなされている。この
場合、酸化物多孔質膜を150℃程度の低温で焼結させ
なければならないが、このような低温で焼結すると、酸
化物粒子間の結合が弱く、また、酸化物と透明導電膜と
の結合も弱いために酸化物多孔質電極部での電気抵抗が
大きく、高いエネルギー変換効率を実現することが困難
となるという問題があった。
【0005】また、酸化物多孔質電極の多孔質性を向上
させるため、ポリエチレングリコールなどの昇華性材料
を完全に分解、燃焼させることが望ましいが、このため
にはある一定以上の温度が必要であり、それ以下の温度
で焼結された場合には、ポリエチレングリコールなどが
酸化物粒子に付着したまま残るため、太陽エネルギー変
換効率を著しく低下させるという問題があった。
【0006】酸化物多孔質電極を低温焼結により作製す
る方法などとして、特開2000−101106号公報
には、半導体膜を硫酸の存在下で加熱処理することによ
って、比較的低温にて光電変換素子の作製を可能とする
方法等が開示されているが、これには、膜強度や、多孔
質性に関する改善案は開示されておらず、その光電変換
効率も加熱処理温度が高いほどよくなるものであって、
特に200〜250℃の温度が適切であるとされてい
る。また、その光電変換効率についても、未だ十分なも
のではなかった。
【0007】このような問題に対し、本発明の発明者ら
は、鋭意検討した結果、酸化物多孔質電極の材料とし
て、酸化物粒子と電解液浸透性のある繊維状物質を用い
ることにより、優れた太陽エネルギー変換効率が得られ
ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発
明は、酸化物多孔質電極の材料として、酸化物粒子と電
解液浸透性のある繊維状物質を用いることにより、低温
焼結を施した場合においても、高い膜強度と、良好な電
解液浸透性が得られ、太陽エネルギー変換効率に優れた
光電変換素子及び光電変換素子の製造方法の提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光電変換素子は、透明導電膜付き基板上に
おける、表面に色素が結合した酸化物多孔質電極と、対
向電極との間に、電解質を有する光電変換素子であっ
て、酸化物多孔質電極が、酸化物粒子と電解液浸透性の
ある繊維状物質とを有する構成としてある。このように
構成することにより、基板に低温焼結したとしても、高
い膜強度をもち、剥離しにくい酸化物多孔質電極を有す
る光電変換素子を得ることができる。また、繊維状物質
の有する電解液保持能力及び電解液拡散能力のために、
光電変換率を向上させることも可能となる。なお、本発
明において、光電変換素子は光電気化学電池として用い
ることができる。
【0009】また、本発明を構成するにあたり、電解液
浸透性のある繊維状物質が、セルロースであることが好
ましく、綿花セルロースであることがさらに好ましい。
このように構成することにより、酸化物多孔質膜の膜強
度を十分に向上させることができるとともに、高い電解
液保持能力及び電解液拡散能力を得ることができる。
【0010】また、本発明を構成するにあたり、酸化物
粒子が、酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化亜
鉛、酸化インジウム、酸化ジルコニウムのいずれか、又
は、これらの混合物であることが好ましい。このように
構成することにより、吸着色素からの電荷注入率の大き
な酸化物多孔質電極を作製することができる。
【0011】また、本発明を構成するにあたり、色素
が、有機金属錯体色素、ピリジン系色素、フタロシアニ
ン系色素、ポルフィリン系色素、シアニン系色素、メロ
シアニン系色素、クマリン系色素、ポリメチン色素、マ
ーキュロクロム色素、エオシン色素のいずれか、又は、
これらの混合物であることが好ましい。このように構成
することにより、効率的に光の吸収を行うことができる
とともに、高い光電子対電子変換率を得ることができ
る。
【0012】また、本発明を構成するにあたり、電解質
が、ヨウ化イミダゾリウム塩、ヨウ化アンモニウム塩、
ヨウ化金属塩のいずれか、又は、これらの混合物と、ヨ
ウ素とから得られるヨウ素イオンカップルを含むことが
好ましい。このように構成することにより、電気伝導性
の高い電解質を得ることができる。
【0013】また、本発明を構成するにあたり、透明導
電膜が、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛のいずれ
か、又は、これらの混合物を含むことが好ましい。この
ように構成することにより、酸化物粒子との密着性を向
上できる。また、本発明を構成するにあたり、基板が、
ガラス、金属、プラスチックのいずれか、又は、これら
の混合物であることが好ましい。
【0014】また、本発明の光電変換素子の製造方法
は、透明導電膜付き基板上における、酸化物粒子と電解
液浸透性のある繊維状物質とからなる、表面に色素が結
合した酸化物多孔質電極と、対向電極との間に、電解質
を有する光電変換素子の製造方法であって、酸化物多孔
質電極を作製するにあたり、酸化物粒子と電解液浸透性
のある繊維状物質の混合物を、繊維状物質が燃焼しない
温度で乾燥させて、透明導電膜付き基板に結合させる工
程を含む方法としてある。光電変換素子の製造方法をこ
のような方法にすれば、膜強度が高く、剥離しにくい酸
化物多孔質電極をもち、太陽エネルギー変換効率に優れ
た光電変換素子を製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、光電変換素子及び光電
変換素子の製造方法を提供するものであって、光電変換
素子が、膜強度が高く、剥離しにくい酸化物多孔質電極
をもち、太陽エネルギー変換効率に優れることを特徴と
する。以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0016】[光電変換素子]本発明の光電変換素子
は、例えば、図1に示すように、基板1、透明導電膜
2、白金層3、表面に色素が結合した酸化物粒子4、電
解液浸透性のある繊維状物質5、電解質6、透明導電膜
7、基板8を有している。同図において、酸化物粒子4
と繊維状物質5とにより形成された酸化物多孔質膜が、
透明導電膜7付き基板8上に低温焼結され、酸化物多孔
質電極が作製されている。また、対向電極は、透明導電
膜2付き基板1上に白金層3を有している。そして、こ
れらの電極間に電解質6を保持する構成となっている。
【0017】また、同図において、繊維状物質5は、酸
化物粒子4間の結合性を高めるとともに、酸化物粒子4
と透明導電膜7間の結合性も向上させている。さらに、
繊維状物質5は、電解質6を構成する電解液を含むこと
ができるとともに、この電解液の拡散経路を与える役割
も果たす。そして、この光電変換素子は、光電気化学電
池として用いることができる。以下に、光電変換素子の
各構成要素について説明する。
【0018】(1)電解液浸透性のある繊維状物質 本発明で用いられる電解液浸透性のある繊維状物質とし
ては、特に限定されるものではないが、上述したよう
に、セルロースであることが好ましい。電解液浸透性の
ある繊維状物質としてセルロースを用いるのは、細いセ
ルロースがからみあって、電解液浸透性を向上させるた
めである。また、このような効果を一層高めるために、
繊維状物質を、綿花セルロースとすることがより好まし
い。
【0019】(2)酸化物粒子 本発明で用いられる酸化物粒子としては、特に限定され
るものではないが、上述したように、酸化チタン、酸化
スズ、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ジ
ルコニウムのいずれかであることが好ましい。また、こ
れらの混合物であってもよい。混合にあたっては、色素
の励起準位より酸化物の伝導帯準位が低い酸化物を選択
する必要がある。このように選択することにより、電荷
注入が可能となる。
【0020】(3)色素 本発明で用いられる色素としては、特に限定されるもの
ではないが、上述したように、有機金属錯体色素、ピリ
ジン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色
素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クマリン系
色素、ポリメチン色素、マーキュロクロム色素、エオシ
ン色素のいずれかであることが好ましく、これらの混合
物であってもよい。また、色素が広い波長帯で光を吸収
することが望ましいため、異なる吸収波長を有する色素
を混合して使用することがより好ましい。
【0021】(4)電解質 本発明で用いられる電解質としては、特に限定されるも
のではないが、上述したように、ヨウ化イミダゾリウム
塩、ヨウ化アンモニウム塩、ヨウ化金属塩のいずれか、
又は、これらの混合物と、ヨウ素とから得られるヨウ素
イオンカップル(I-/I3 -)を含むことが好ましい。ま
た、このヨウ素イオンカップルの比率としては、I-イオ
ンがI3 -イオンよりも多いことが好ましい。
【0022】(5)透明電極 本発明で用いられる透明電極としては、特に限定される
ものではないが、上述したように、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化亜鉛のいずれかにより形成されることが好
ましい。また、これらの混合物であってもよい。酸化物
粒子との密着性を向上させることができるためである。
【0023】(6)基板 本発明で用いられる基板としては、特に限定されるもの
ではないが、上述したように、ガラス、金属、プラスチ
ックのいずれかにより形成されることが好ましい。ま
た、これらの混合物であってもよい。
【0024】[製造方法]本発明の製造方法は、酸化物
粒子及び電解液浸透性のある繊維状物質を用いて構成さ
れる酸化物多孔質電極を有し、太陽エネルギー変換効率
の高い光電変換素子を製造する方法である。その製造方
法としては、下記(1)〜(3)の工程を含むことが好
ましい。
【0025】(1)酸化物多孔質電極作製工程 酸化物粒子及び透明導電膜に良好な密着性を有するとと
もに、電解液浸透性のある繊維状物質と、酸化物粒子及
び水を混合し、超音波処理を施すことによりスラリーを
作製する。このとき、酸化物粒子に対するこの繊維状物
質の混合割合としては、10〜50%の比率であること
が好ましい。繊維状物質の混合割合をこのような条件と
することにより、高い膜強度をもつ酸化物多孔質膜が得
られるとともに、この酸化物多孔質膜と透明導電膜との
結合力を高めることができる。
【0026】また、繊維状物質により電解液(電解質)
が保持されるとともに、この繊維状物質により電解液が
効率的に拡散されるため、光電変換効率が向上する。こ
のような効果を一層高めるために、電解液浸透性のある
繊維状物質の混合割合を、1〜30%の比率とすること
がより好ましい。
【0027】次に、このスラリーを透明導電膜付き基板
に膜状に塗布し、乾燥させる。このときの乾燥条件とし
ては、100〜200℃、30分間であることが好まし
い。このような温度で低温焼結することによって、酸化
物多孔質膜をガラス基板ではなく、融点や軟化点の低い
基板、例えば、プラスチック基板などに焼結させること
も可能となる。そして、このような温度であっても、酸
化物多孔質電極の材料として、電解液浸透性のある繊維
状物質を用いることによって、従来は実現が困難であっ
た、酸化物多孔質膜の高い膜強度が得られとともに、光
電変換効率も向上させることが可能となる。
【0028】このとき、繊維状物質は燃焼するのではな
く、それぞれの粒子を結び付ける材料として働く。ま
た、繊維状物質は、電解液を保持することができるとと
もに、粒子間に間隙が少なくても、電解液の拡散を補助
することができる。これらの効果を一層高めるために、
乾燥条件を、100〜150℃、30分間とすることが
より好ましい。
【0029】次に、この焼結酸化物多孔質膜の酸化物粒
子表面に、色素を吸着させる。この色素としては、有機
金属錯体色素、ピリジン系色素、フタロシアニン系色
素、ポルフィリン系色素、シアニン系色素、メロシアニ
ン系色素、クマリン系色素、ポリメチン色素、マーキュ
ロクロム色素、エオシン色素のいずれかであることが好
ましい。また、これらの混合物であってもよい。色素吸
着方法としては、例えば、これらの色素を含むアルコー
ル溶液に、酸化物多孔質膜が焼結した基板を浸漬した
後、アルコールを乾燥除去することによって行うことが
できる。
【0030】(2)対向電極及び電界質層作製工程 次に、対向電極として、透明導電膜付きガラス基板に白
金を蒸着し、この対抗電極と、作製した酸化物多孔質電
極との間に電解質を注入して、光電変換素子を形成す
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の詳細について実施例により具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 (実施例1) (A)光電変換素子の作製 (1)酸化物多孔質電極作製工程 酸化物粒子としては、平均粒子径20〜50nmの酸化
チタン(P−25、日本エアロゾル社製超微粒子チタニ
ア)を用いた。また、電解液浸透性のある繊維状物質と
しては、綿花セルロースを用いた。この綿花セルロース
をマイクロチョッパーで微細に切断し、この切断した綿
花セルロース0.1g、酸化物粒子1g及び水9gを混
合し、超音波ホーンを用いて1時間攪拌し、スラリーを
作製した。
【0032】次に、このスラリーを、スクリーン印刷法
又はドクターブレード法で、12Ω/cmの酸化スズ
透明導電膜付きガラス基板に50μmの膜状に塗布し、
150℃で30分間乾燥した。そして、酸化物多孔質膜
が焼結したガラス基板を、3×10−4MのRu色素
(ソーラロニクス社製、N3色素)エタノール溶液に8
時間浸漬し、Ru色素を酸化チタン粒子表面に吸着させ
た後、溶媒エタノール成分を乾燥した。
【0033】(2)対向電極及び電界質層作製工程 次に、対向電極として8Ω/cmの酸化スズ透明導電
膜付きガラス基板に白金を1μm蒸着し、この対抗電極
と、作製した酸化物多孔質電極との間に、ヨウ素0.0
1Mとヨウ化リチウム0.1Mのアセトニトリル溶液を
注入して、光電変換素子を作製した。
【0034】(B)光電変換素子の評価 得られた光電変換素子における酸化物多孔質膜は、綿花
セルロースを混入せずに、同一焼成条件で作製した場合
の膜に比べて、膜の剥離強度が3倍に向上していた。ま
た、この光電変換素子を、ソーラーシミュレータでAM
1.5条件下の100mW/cmの強度の光を照射し
て、光電変換特性を評価したところ、5%の光電変換効
率が得られ、綿花セルロースを混入しない物に比べて、
光電変換効率が100%向上した。
【0035】さらに、酸化チタンに対する綿花セルロー
スの重量比が20〜50%の場合においても、光電変換
効率が80〜10%上昇することが確認された。また、
酸化物粒子として、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化亜鉛、
酸化インジウムを用いた光電変換素子においても同様の
効果が確認された。
【0036】(比較例1) (A)光電変換素子の作製 酸化物多孔質電極の材料として、電解液浸透性のある繊
維状物質を加えなかったこと以外については、実施例1
と同様にして、光電変換素子を作製した。
【0037】(B)光電変換素子の評価 実施例1と同様の方法で、光電変換特性を評価したとこ
ろ、2.5%の光電変換率が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、酸化物多孔質膜を基板
に低温焼結しても、高い膜強度が得られるとともに、良
好な電解液浸透性が得られ、太陽エネルギー変換効率に
優れた光電変換素子及び光電変換素子の製造方法をする
ことが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の構造を示す図である。
【符号の説明】
1,8 基板 2,7 透明導電膜 3 白金層 4 表面に色素が結合した酸化物粒子 5 電解液浸透性のある繊維状物質 6 電解質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉武 務 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 5H032 AA06 AS06 AS09 AS16 AS19 EE16 EE17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明導電膜付き基板上における、表面に
    色素が結合した酸化物多孔質電極と、対向電極との間
    に、電解質を有する光電変換素子であって、 前記酸化物多孔質電極が、酸化物粒子と電解液浸透性の
    ある繊維状物質とを有することを特徴とする光電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 前記電解液浸透性のある繊維状物質が、
    セルロースであることを特徴とする請求項1に記載の光
    電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記電解液浸透性のある繊維状物質が、
    綿花セルロースであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記酸化物粒子が、酸化チタン、酸化ス
    ズ、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ジル
    コニウムのいずれか、又は、これらの混合物であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換
    素子。
  5. 【請求項5】 前記色素が、有機金属錯体色素、ピリジ
    ン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色
    素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クマリン系
    色素、ポリメチン色素、マーキュロクロム色素、エオシ
    ン色素のいずれか、又は、これらの混合物であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素
    子。
  6. 【請求項6】 前記電解質が、ヨウ化イミダゾリウム
    塩、ヨウ化アンモニウム塩、ヨウ化金属塩のいずれか、
    又は、これらの混合物と、ヨウ素とから得られるヨウ素
    イオンカップルを含むことを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の光電変換素子。
  7. 【請求項7】 前記透明導電膜が、酸化スズ、酸化イン
    ジウム、酸化亜鉛のいずれか、又は、これらの混合物を
    含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    光電変換素子。
  8. 【請求項8】 前記基板が、ガラス、金属、プラスチッ
    クのいずれか、又は、これらの混合物であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 【請求項9】 透明導電膜付き基板上における、酸化物
    粒子と電解液浸透性のある繊維状物質とからなる、表面
    に色素が結合した酸化物多孔質電極と、対向電極との間
    に、電解質を有する光電変換素子の製造方法であって、 前記酸化物多孔質電極を作製するにあたり、前記酸化物
    粒子と前記電解液浸透性のある繊維状物質の混合物を、
    前記繊維状物質が燃焼しない温度で乾燥させて、前記透
    明導電膜付き基板に結合させる工程を含むことを特徴と
    する光電変換素子の製造方法。
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Cited By (9)

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