JP2003123843A - 電池及びその製造方法 - Google Patents

電池及びその製造方法

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JP2003123843A
JP2003123843A JP2001310368A JP2001310368A JP2003123843A JP 2003123843 A JP2003123843 A JP 2003123843A JP 2001310368 A JP2001310368 A JP 2001310368A JP 2001310368 A JP2001310368 A JP 2001310368A JP 2003123843 A JP2003123843 A JP 2003123843A
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battery
negative electrode
positive electrode
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JP2001310368A
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Midori Saito
緑 斎藤
Tokuo Komaru
篤雄 小丸
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Sony Corp
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Sony Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池容量の低下や、サイクル特性の劣化を防
止する。 【解決手段】 負極集電体11上に負極合剤層12が形
成された長尺状の負極6と、正極集電体13上に正極合
剤層14が形成された長尺状の正極7との間に、長尺状
のセパレータ8を介して積層された電池素子2と、電池
素子2の外周部に取り付けられ、充放電時に負極6と正
極7とが電池素子2の積層方向に近接離間するのを規制
するテープ部材3と、非水電解液と、電池素子2と非水
電解液とを封入する外装缶4とが備えられ、テープ部材
3が負極6と正極7とが近接離間する際の負極合剤層1
2及び正極合剤層14の割れ、ひび、集電体11、13
からの剥がれを抑制することから、電池容量の低下や、
サイクル特性の劣化が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極と正極との間
にセパレータを介して積層された電池素子を備えた電池
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、携帯電話やノート型パーソナ
ルコンピューター等のポータブル化された電子機器の普
及により、これら電子機器の記憶装置や駆動系等の電源
として電池の需要が高まっている。特に、エネルギー密
度が高く、繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が要
求されている。このような二次電池としては、例えば鉛
蓄電池やニッケルカドミウム電池等の水系電解液二次電
池よりも高いエネルギー密度を有する非水電解質二次電
池、特に正極にコバルトリチウム等のリチウム含有複合
酸化物、負極に炭素材等を用いたリチウムイオン二次電
池等が知られている。
【0003】このリチウムイオン二次電池には、ニッケ
ルカドミウム電池のように正極と負極との間にセパレー
タを介してスパイラル状に捲回した電池素子を円筒形の
電池缶等に挿入した筒型電池と、正極と負極との間にセ
パレータを介して積層させて矩形状に折り畳んだ電池素
子や、正極と負極との間にセパレータを介して積層させ
て扁平状に捲回した電池素子を角形の電池缶等に挿入し
た角型電池とがある。
【0004】このうち角型電池は、パッケージ設計がし
易い等、電子機器への実装が有利であり、様々な電子機
器の電源として使用されている。このため、例えば携帯
電話等に用いられた場合、実装された角型電池は、毎日
充放電が繰り返されることから、高エネルギー密度の他
に、充放電サイクルを繰り返した後に電池特性が劣化し
ない高いサイクル特性が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、矩形状
に折り畳んだ電池素子や扁平状の電池素子を用いたリチ
ウムイオン二次電池では、電池を充放電した際に、電池
素子が膨張収縮することから、充放電を繰り返しによる
電池容量の劣化、すなわちサイクル特性の劣化が生じる
といった問題がある。
【0006】具体的に、リチウムイオン二次電池では、
例えば正極活物質において充電されると、正極活物質よ
りリチウムイオンが放出されて、正極活物質の結晶格子
が収縮する。一方、正極活物質において放電されると、
正極活物質の結晶格子にリチウムイオンが挿入すること
から、正極活物質の結晶格子が膨張する。
【0007】また、リチウムイオン二次電池では、負極
において充電されると、負極活物質の結晶格子にリチウ
ムイオンが挿入されて負極活物質の結晶格子が膨張す
る。一方、負極活物質において放電されると、負極活物
質よりリチウムイオンが放出されて、負極活物質の結晶
格子が収縮する。
【0008】このため、リチウムイオン二次電池では、
例えば正極活物質にLiCoO2、負極活物質に黒鉛等
の炭素材料等を用いた場合、充放電時に起こる正負極の
膨張収縮が大きく、それぞれの活物質の結晶構造が歪ん
でしまうことから、クーロン効率の低下や、それぞれの
活物質が有する充放電容量が低下が生じて、電池容量が
低下するといった問題となった。
【0009】また、このリチウムイオン電池おいて、正
極及び負極は、それぞれの活物質に混合された結合材に
よって、活物質の粒子間を結合させた活物質層となり、
この活物質層を箔状金属等の基板上に結合させた構造に
されている。このため、リチウムイオン二次電池では、
充放電時に起こる正負極の膨張収縮により、活物質の粒
子間の結合性が劣化して活物質層の割れやひび、基板か
らの剥がれ等が生じることから、活物質の粒子間や、活
物質層と基板との間の電子伝導性が低下して内部抵抗が
高くなってしまう。
【0010】したがって、このリチウムイオン二次電池
では、内部抵抗の上昇によって充放電に関与できる活物
質が少なくなり、電池容量が低下することがあった。こ
のリチウムイオン二次電池では、充放電の繰り返しによ
り活物質層の割れ、ひび、基板からの剥がれが進みサイ
クル特性が劣化することがあった。
【0011】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、電池容量の低下及びサ
イクル特性の劣化を防止した電池及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る電池は、負極基板上に負極活物質層
が形成された長尺状の負極と、正極基板上に正極活物質
層が形成された長尺状の正極との間に、絶縁性微多孔膜
からなる長尺状のセパレータを介して積層された電池素
子と、電池素子の外周部に取り付けられ、充放電時に負
極と正極とが電池素子の積層方向に近接離間するのを規
制する規制部材と、負極と正極との間でイオンを移動さ
せる電解質材と、電池素子と電解質材とを封入する外装
材とを備えられている。
【0013】この本発明に係る電池では、電池素子の外
周部に取り付けられた規制部材によって、充放電時に負
極と正極とが電池素子の積層方向に近接離間することを
規制することから、負極と正極とが近接離間する際に生
じる負極活物質層及び正極活物質層の割れ、ひび、基板
からの剥がれが抑えられる。したがって、この電池で
は、正極活物質層内及び負極活物質層内における電子伝
導性が低下することなく内部抵抗の上昇が抑制されるこ
とから、電池容量の低下や、サイクル特性の劣化が防止
される。
【0014】また、上述の目的を達成するために、本発
明に係る電池の製造方法は、負極基板上に負極活物質層
が形成された長尺状の負極と、正極基板上に正活物質層
が形成された長尺状の正極との間に、絶縁性微多孔膜か
らなる長尺状のセパレータを介して積層された電池素子
を形成する素子形成工程と、電池素子の外周部に、充放
電時に負極と正極とが電池素子の積層方向に近接離間す
るのを規制する規制部材を取り付ける規制部材取り付け
工程と、規制部材が取り付けられた電池素子を外装材に
挿入する素子挿入工程と、電池素子が挿入された外装材
に、負極と正極との間でイオンを移動させる電解質材を
注入する電解質注入工程と、電池素子と電解質材とが入
った外装材を密閉封止する外装封止工程とを有してい
る。
【0015】この電池の製造方法では、規制部材取り付
け工程によって、電池素子の外周部に、充放電時に負極
と正極とが電池素子の積層方向に近接離間するのを規制
する規制部材を取り付けることから、負極と正極とが近
接離間する際に生じる負極活物質層及び正極活物質層の
割れ、ひび、基板からの剥がれが抑えられ、負極活物質
層内及び正極活物質層内における電子伝導性が低下する
ことなく内部抵抗の上昇が抑制されることによって、電
池容量の低下や、サイクル特性の劣化が防止された電池
を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したリチウム
イオン二次電池(以下、電池と記す。)について説明す
る。この電池の一構成例を図1に示す。この電池1は、
発電要素となる電池素子2と、この電池素子2の外周部
に貼り付けられたテープ部材3と、電池素子2を収容す
る外装缶4と、非水電解液(図示せず。)と、封口蓋体
5とを有している。
【0017】電池素子2は、長尺状の負極6と、長尺状
の正極7との間に長尺状のセパレータ8を介在させて扁
平状に捲回された構造となっている。電池素子2には、
その外周部に、捲回されたセパレータ8の長さ方向の端
部を周面に固定する巻止めテープ(図示せず。)が貼り
付けられている。電池素子2においては、セパレータ8
の幅方向の一端面から、負極6と電気的に接続されてい
る負極端子9及び正極7と電気的に接続されている正極
端子10が突出している。
【0018】負極6は、負極活物質と結着剤とを含有す
る負極合剤を負極集電体11上に塗布、乾燥することに
より、負極集電体11上に負極合剤層12が形成された
構造となっている。負極6には、負極端子9が負極集電
体11の所定の位置に、負極集電体11の幅方向に突出
するように接続されている。この負極端子9には、例え
ばニッケル、銅等からなる短冊状金属片を用いる。
【0019】負極活物質には、例えば酸化鉄、酸化ルテ
ニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタ
ン等の比較的電位が卑な酸化物や、炭素材料等が用いら
れる。このうち、炭素材料は、例えば有機材料を500
℃〜2000℃の範囲の温度で焼成させて炭素化するこ
とで得ることができる。
【0020】炭素材料の出発原料となる有機材料として
は、例えばフラン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)等の
供役系樹脂や、セルロース及びその誘導体や、任意の有
機高分子化合物等を使用できる。これらの他には、例え
ばナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフ
ェニレン、ピレン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセ
ン等の縮合多環炭化水素化合物及びその誘導体や、これ
らの化合物及びその誘導体のうちの一種又は複数種から
なる混合物を主成分としたピッチや、アセナフチレン、
インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリ
ン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリ
ジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合復素環化
合物及びその誘導体等も使用可能である。
【0021】これらのうち負極活物質には、フルフリル
アルコール、フルフラール等のホモポリマーや子ポリマ
ーといったフラン樹脂を炭素化した炭素材料のように、
X線回折法による(002)面の面間隔が0.37nm
以上、真密度が1.7g/cc以下、示差熱分析による
酸化発熱ピークが700℃以下である低結晶性炭素材料
を用いる。
【0022】負極活物質には、H/C原子比が0.6〜
0.8の範囲にある石油ピッチに酸素を含む官能基を導
入、いわゆる酸素架橋させた材料を炭素化することによ
って得られた炭素材料が優れた電池特性を発揮すること
から、石油ピッチを出発原料とする炭素材料も使用でき
る。この石油ピッチには、例えばコールタール、エチレ
ンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類を
用いる。この石油ピッチは、アスファルト等に蒸留、熱
重縮合、抽出、化学重縮合等を施すことで得られる。
【0023】これらの石油ピッチに酸素架橋させる方法
としては、例えば硝酸、混酸、硫酸、次亜塩素酸等の水
溶液による湿式法や、酸化性ガスによる乾式法や、硫
黄、硝酸アンモニア、過硫酸アンモニア、塩化第二鉄等
の固体試薬による反応法等がある。これらの方法で酸素
架橋された石油ピッチを炭素化した場合、400℃以上
に焼成でも溶融することなく、固相状態の炭素材料を得
ることができる。また、石油ピッチを炭素化する際は、
石油ピッチに酸素架橋した酸素の含有量を10重量%以
上にすることで、炭素化して得られた炭素材料のX線回
折法による(002)面の面間隔が0.37nm以上と
なることから、酸素架橋した石油ピッチの酸素の含有量
を10重量%〜20重量%の範囲にする。
【0024】これらの有機材料より炭素材料を得る場合
は、先ず、窒素ガス雰囲気で300℃〜700℃の範囲
の温度で炭素化処理を施す。次に、窒素ガス雰囲気で、
900℃〜1300℃の範囲とする到達温度まで、1℃
/分〜20℃/分の範囲とする昇温速度で温度を上昇さ
せる。次に、到達した温度にて数分から5時間の範囲で
焼成処理を施す。このようにして、炭素材料が得られ
る。このとき、炭素材料は、焼成する有機材料に例えば
リン化合物、硼素化合物等の添加物を添加することで、
リチウムイオンのドープ量が大きくされる。
【0025】これらの添加物うちリン化合物としては、
五酸化リン、リン酸等のリン酸化物、オルトリン酸等の
オキソ酸、その他の塩等が挙げられるが、扱いやすさの
点でリン酸化物を用いる。リン化合物は、有機材料、若
しくは炭素材料に対する添加量が、リン換算で0.2重
量%〜30重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜1
5重量%である。また、リン化合物は、負極合剤中に含
有されるリンの割合が、0.2重量%〜9重量%、さら
に好ましくは0.3重量%〜5重量%とされている。
【0026】一方、硼素化合物としては、例えば硼素酸
化物、若しくは硼酸の水溶液等を用いる。硼素化合物
は、有機材料、若しくは炭素材料に対する添加量が、硼
素換算で0.2重量%〜30重量%、さらに好ましくは
0.5重量%〜15重量%である。また、硼素化合物
は、負極合剤中に含有される硼素の割合が、0.2重量
%〜9重量%、さらに好ましくは0.3重量%〜5重量
%とされている。
【0027】炭素材料においては、コークスやガラス状
炭素等の低温処理材料に比べて真密度が高い黒鉛類等を
用いることによって、負極合剤層12への充填性が高く
される。これにより、電池になった際に、高エネルギー
密度を得ることができる。高い充填性を得るための負極
材料としては、真密度が2.1g/cm以上であり、
さらに好ましくは2.18g/cm以上である。この
ような真密度の炭素材料は、X線回折法による(00
2)面の面間隔が0.339nm未満、さらに好ましく
は0.335nm〜0.337nmの範囲であり、(0
02)面の軸結晶子の厚みが16nm以上、さらに好ま
しくは300nm以上であることが必要である。
【0028】そして、このような真密度の炭素材料とし
ては、例えば天然黒鉛や、炭素化した有機材料を高温処
理した人造黒鉛等が用いられる。これらのうち人造黒鉛
の出発材料となる有機材料としては、例えば石炭、上述
したような石油ピッチの他に木材乾留時に生成するピッ
チ等を用いる。これら石炭やピッチ類は、焼成途中の温
度が400℃程度で液相となり、この液相状態を保持す
ることで芳香環同士が縮合、多環化して積層配向し、そ
の後、温度を500℃程度にすると固相となり、炭素前
駆体、すなわちセミコークスが形成される。
【0029】人造黒鉛を得るための出発原料としては、
例えばナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ト
リフェニリン、ピレン、ペリレン、ペンタフェン、ペン
タセン等の縮合多環炭素水素化合物及びその誘導体のう
ちの一種又は複数種からなる混合物や、アセナフチレ
ン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノ
リン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アク
リジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合復素環
化合物及びその誘導体等を用いる。
【0030】これらの有機材料より炭素材料として人造
黒鉛を得る場合は、先ず、窒素ガス雰囲気で300℃〜
700℃の範囲の温度で炭素化処理を施す。次に、窒素
ガス雰囲気で、900℃〜1500℃の範囲とする到達
温度まで、1℃/分〜100℃/分の範囲とする昇温速
度で温度を上昇させる。次に、到達した温度にて数分か
ら30時間の範囲でか焼処理を施す。次に、雰囲気温度
を2000℃以上、好ましくは2500℃程度にして焼
成処理を施し、冷却後に粉砕、分級する。このようにし
て、人造黒鉛が得られる。なお、粉砕、分級は、焼成処
理後だけでなくか焼処理後にも行っても良い。
【0031】このような人造黒鉛の製造方法では、得ら
れる人造黒鉛において、真密度が2.1g/cm
上、且つ嵩密度が0.4g/cm以上になるように、
到達温度、昇温速度、か焼時間、焼成温度等を制御す
る。特に、人造黒鉛においては、嵩密度を0.4g/c
以上にすることにより、負極6の負極合剤層12中
に均一に分散され、サイクル特性等に良好に作用する。
人造黒鉛においては、真密度及び嵩密度の他に、平均形
状パラメータが125以下、比表面積が9m/g以下
の場合、粒子に付着するサブミクロン単位の二次粒子が
少なくなることから、サイクル特性等にさらに良好に作
用することとなる。
【0032】人造黒鉛においては、レーザー回折法によ
る粒度分布の累積10%粒径が3μm以上であり、累積
50%粒径が10μm以上であり、累積90%粒径が7
0μm以上となるように粉砕、分級することによって、
内部短絡の防止等の電池安全性及び電池信頼性に良好に
作用することとなる。具体的に、人造黒鉛においては、
粒径が3μm以下の微小粒子の含有率を制御することに
よって、電池1になった際の比表面積が大きい微小粒子
による過充電時の発熱を抑制する。一方、人造黒鉛にお
いては、粒径が10μm以上の大粒径粒子の含有率を制
御することによって、電池1になった際の大粒径粒子が
初充電時に膨張して内部短絡を発生させることを抑制す
る。人造黒鉛においては、粒子の破壊強度が6kgf/
mm以上とすることにより、負極6の電極合剤層11
中に電解液を貯める空孔が多くできることから、充電負
荷特性等に良好に作用する。
【0033】また、負極活物質としては、上述した酸化
物及び炭素材料の他に、例えば金属リチウムや、電気化
学的にリチウムと合金となる金属や、このような金属が
複数種混合した合金、電気化学的にリチウムと合金とな
らない金属等が用いられる。リチウムと合金となる金属
としては、例えばMg、Al、Ga、In、Ge、S
n、Pb、Sb、Bi、Cd、Ag、Zn、Hf、Z
r、Y等の他に、半導体元素であるB、Si、As等を
用いる。また、例えばMLi(NはLi以外の
元素及びMで示した金属元素以外の2A族、3B族、4
B族の遷移金属元素のうち一種又は複数種からなり、x
は0より大きい数値、y及びzは0以上の数値であ
る。)の化学式を満足させるリチウム合金を用いる。
【0034】リチウムと合金となる金属が複数種混合し
た合金としては、3B族の遷移金属元素のうちSi又は
Snが含有されているものが好ましい。具体的には、例
えばSiB、SiB、MgSi、MgSn、N
Si、TiSi、MoSi、CoSi、Ni
Si、CaSi、CrSi、CuSi、FeS
、MnSi、NbSi、TaSi、VS
、WSi、ZnSi 等を挙げることができる。
【0035】負極6では、負極合剤層12の結着剤とし
て、非水電解液電池の負極合剤に用いられる公知の結着
剤を用いることができる他に、負極合剤層12に公知の
添加剤等を添加することができる。負極6では、負極集
電体11に、例えば銅箔等の金属箔が用いられる。
【0036】正極7は、正極活物質と結着剤とを含有す
る正極合剤を正極集電体13上に塗布、乾燥することに
より、正極集電体13上に正極合剤層14が形成された
構造となっている。正極7には、正極端子10が正極集
電体13の所定の位置に、正極集電体13の幅方向に突
出するように接続されている。この正極端子10には、
例えばアルミニウム等からなる短冊状金属片を用いる。
【0037】正極活物質には、TiS、MoS、N
bSe、V等の金属硫化物あるいは酸化物を使
用することができる。また、LiM(式中MはC
o、Ni、Mn、Fe、Al、V、Ti等による一種以
上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異
なり、通常0.05以上、1.10以下である。)を主
体とするリチウム複合酸化物等を使用することができ
る。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとし
ては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチ
ウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO、Li
NiO、LiNiCo1−y(式中、0<y<
1である。)、LiMn等を挙げることができ
る。
【0038】正極7では、正極合剤層14の結着剤とし
て、非水電解液電池の正極合剤層14に用いられる公知
の結着剤を用いることができる他に、正極合剤層14に
公知の添加剤等を添加することができる。正極7では、
正極集電体13に、例えばアルミニウム箔等の金属箔が
用いられる。
【0039】セパレータ8は、負極6と、正極7とを離
間させるものであり、この種の非水電解液電池の絶縁性
微多孔膜として通常用いられている公知の材料を用いる
ことができ、例えばポリプロピレンなどの高分子フィル
ムが用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネル
ギー密度との関係から、セパレータ8の厚みはできるだ
け薄い方が好ましい。具体的に、セパレータ8は、その
厚みを50μm以下にして用いる。
【0040】テープ部材3は、長尺状であり、一主面上
に粘着材を有している。テープ部材3は、例えばポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポイリミド等の非水電解液に
耐性を有する樹脂テープの一主面上に、非水電解液に耐
性を有する粘着材としてアクリル系の樹脂等がコーティ
ングされている。また、このテープ部材3においては、
樹脂テープの厚みが20〜200μm程度、粘着材の厚
みが0.1〜50μm程度にされている。
【0041】テープ部材3は、図2に示すように、扁平
捲回された電池素子2の両主面部2a、2bにおいて、
図中矢印Aで示すセパレータ8の幅方向の図中一点破線
Bで示す電池素子2の端部から3分の1の部分を越える
ように、セパレータ8の幅方向と略平行方向に、電池素
子2の外周部の少なくとも3分の1周以上に亘って貼り
付けられている。テープ部材3は、図3に示すように、
扁平捲回された電池素子2の両主面部2a、2bにおい
て、図中矢印Cで示す電池素子2の捲回方向の図中一点
破線Dで示す中央部を越えるように、電池素子2の捲回
方向と略平行方向に、電池素子2の外周部の少なくとも
半周以上に亘って貼り付けられている。
【0042】このテープ部材3は、扁平捲回された電池
素子2の外周部に複数本貼り付けられても良い。具体的
には、テープ部材3を例えば図4に示すように、セパレ
ータ8の幅方向と略平行方向及び略直交方向、すなわち
十文字状に貼り付けたり、図5に示すように、セパレー
タ8の幅方向と略平行方向に2本貼り付けたりしても良
い。また、テープ部材3を、図6に示すように、電池素
子2の捲回方向の端部付近にセパレータ8の幅方向と略
平行方向に2本貼り付けたり、図7に示すように、セパ
レータ8の幅方向と略直交方向に3本貼り付けたりして
も良い。
【0043】以上のように電池素子2の外周部に貼り付
けられたテープ部材3は、電池1の充放電時に、負極6
と正極7とが電池素子2の図2中矢印Eで示す積層方
向、すなわち電池素子2の厚み方向に近接離間するのを
規制するように機能する。これにより、テープ部材3
は、負極6と正極7とが電池素子2の積層方向に近接離
間する際のに生じる負極合剤層12及び正極合剤層14
の割れ、ひび、それぞれの集電体11、13から剥がれ
てしまうこと等を抑えている。
【0044】また、このテープ部材3は、扁平状に捲回
された電池素子2の外周部に、セパレータ8の長さ方向
の端部を電池素子2の周面に固定するように貼り付けら
れることにより、電池素子2の捲回の緩み等を規制する
巻止めテープとしても機能する。
【0045】テープ部材3は、その幅が電池素子2の捲
回方向の幅寸法に対して、0.1倍〜1.1倍の範囲と
されている。例えば、テープ部材3の幅が電池素子2の
捲回方向の幅寸法に対して0.1倍より狭い場合では、
テープ部材3の幅が狭すぎることから、電池1の充放電
時に、負極6と正極7とが電池素子2の厚み方向に近接
離間するのを規制できなくなる。一方、テープ部材3の
幅が電池素子2の捲回方向の幅寸法に対して1.1倍よ
り広い場合では、電池素子2の外周部に、セパレータ8
の幅方向と略平行方向にテープ部材3を貼り付けた時
に、テープ部材3が電池素子2の捲回方向の端部から大
きくはみ出し、このはみ出しが外装缶4の開口部に引っ
かかって電池素子2の外装缶4への収納を妨げるように
してしまう。
【0046】したがって、テープ部材3においては、そ
の幅を電池素子2の捲回方向の幅寸法に対して、0.1
倍〜1.1倍の範囲にすることにより、負極6と正極7
とにおける電池素子2の厚み方向への近接離間が適切に
規制されると共に、電池素子2の捲回方向の端部からは
み出すこなく、電池素子2を外装缶4に収容するのを妨
げるような引っかかりとなることが防止される。
【0047】テープ部材3は、その長さがセパレータ8
の幅寸法に対して、0.8倍〜6倍の範囲とされてい
る。例えば、テープ部材3の長さがセパレータ8の幅寸
法に対して0.8倍より短い場合では、テープ部材3が
短すぎることから、セパレータ8の幅方向の中央部を越
えるように、セパレータ8の幅方向と略平行方向に、電
池素子2の外周部の少なくとも3分1周以上に亘って貼
り付けることが困難になる。このため、テープ部材3
は、電池1の充放電時に、負極6と正極7とが電池素子
2の厚み方向に近接離間するのを規制できなくなる。一
方、テープ部材3の長さがセパレータ8の幅寸法に対し
て6倍より長い場合では、テープ部材3が長すぎること
から、電池素子2の外周部に、電池素子2の捲回方向と
略平行方向にテープ部材3を巻き付けるように貼り付け
た時に、電池素子2の厚み方向のテープ部材3の重なり
が厚くなってしまい、このテープ部材3の重なりが外装
缶4の開口部に引っかかって電池素子2の外装缶4への
収納を妨げるようにしてしまう。
【0048】したがって、テープ部材3においては、そ
の長さセパレータ8の幅寸法に対して、0.8倍〜6倍
の範囲にすることにより、負極6と正極7とにおける電
池素子2の厚み方向への近接離間が適切に規制されると
共に、電池素子2の厚み方向への重なりが厚くなること
なく、電池素子2を外装缶4に収容するのを妨げるよう
な引っかかりとなることが防止される。
【0049】外装缶4は、例えば底面を矩形状、扁平円
状とする筒状容器であり、電池素子2がセパレータ8の
幅方向と略平行方向に嵌入できる寸法にされている。外
装缶4は、負極6と電気的に接続される場合、例えば
鉄、ステンレス、ニッケル等で形成される。一方、正極
7と電気的に接続される場合には、例えばアルミニウム
等で形成されることとなる。また、外装缶4は、例えば
鉄等で形成される場合、その表面にニッケルめっき等が
施されても良い。
【0050】非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解し
て調製されている。非水溶媒には、比較的誘電率が高い
溶媒を用いる。具体的には、例えば炭酸プロピレン、炭
酸エチレン等の環状炭酸エステルや、炭酸ジエチル、炭
酸ジメチル等の鎖状炭酸エステル、プロピオン酸メチル
や酪酸メチル等のカルボン酸エステル、2−メチルテト
ラヒドロフランやジメトキシエタン等のエーテル類、ブ
チルラクトン類、バレロラクトン類、スルホラン類等を
使用することができる。これらの非水溶媒は、単独若し
くは複数種を混合して使用しても良い。
【0051】例えば、負極活物質に黒鉛類を用いた場合
には、炭酸エチレンや、水素原子をハロゲン元素で置換
した炭酸エチレン等を非水溶媒の主溶媒として用いる。
これらの主溶媒には、第2の溶媒成分として例えば炭酸
プロピレン、ブチレンカーボネート、1,2−ジメトキ
シエタン、γ−ブチルラクトン、バレロラクトン、テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、スルホラン、メチルスルホラン等が10vol%未
満の範囲で添加される。
【0052】非水溶媒においては、上述した主溶媒、又
は主溶媒と第2の溶媒成分との混合溶媒が、例えば誘電
率の向上や、炭酸エチレンの分解の抑制や、電池1にな
った際の低温特性の向上等に好適に作用する第3の溶媒
成分として、炭酸ジエチルや炭酸ジメチル等の鎖状炭酸
エステル、炭酸メチルエチルや炭酸メチルプロピル等の
非対称鎖状炭酸エステル等と混合されている。この第3
の溶媒成分は、鎖状炭酸エステルと非対称鎖状炭酸エス
テルとの混合溶媒でも良く、鎖状炭酸エステルと非対称
鎖状炭酸エステルとの割合が、容量比で10対90〜8
0対20の範囲にされている。
【0053】非水溶媒は、主溶媒又は混合溶媒と、第3
の溶媒成分との割合が、容量比で15対85〜40対6
0の範囲、さらに好ましくは18対82〜35対65の
範囲になるように混合して用いる。第3の溶媒成分が混
合溶媒の場合、非水溶媒は、鎖状炭酸エステルをdで示
し、非対称鎖状炭酸エステルをmで示し、溶媒の全体量
をTで示した時に、主溶媒又は混合溶媒と、第3の溶媒
成分との混合比率が、3/10≦(d+m)/T≦9/
10の範囲、さらに好ましくは5/10≦(d+m)/
T≦8/10の範囲になるように混合して用いる。
【0054】非水電解液に用いる電解質としては、通
常、非水電解液電池の電解液に用いられている公知の電
解質を使用することができる。具体的には、LiP
、LiBF、LiAsF、LiClO、Li
B(C、CHSOLi、CFSO
i、LiN(SOCF、LiC(SO
、LiAlCl、LiSiF、LiCl、
LiBr等のリチウム塩を挙げることができ、これらの
うち一種若しくは複数種を混合して用いる。特に、電解
質としては、酸化安定性の点で優れているLiPF
LiBFを用いる。
【0055】封口蓋体5は、封口板材15の略中心部に
端子部16が絶縁ガスケット17を介して嵌合された構
造となっている。封口板材15は、負極6と電気的に接
続される場合、例えば鉄、ステンレス、ニッケル等で形
成される。一方、正極7と電気的に接続される場合に
は、例えばアルミニウム等で形成されることとなる。封
口板材15は、例えば鉄等で形成される場合、その表面
にニッケルめっき等が施されても良い。端子部16は、
負極端子9が接続される場合、例えば鉄、ステンレス、
ニッケル等で形成される。一方、正極端子10が接続さ
れる場合には、例えばアルミニウム等で形成されること
となる。端子部16も、例えば鉄等で形成される場合、
その表面にニッケルめっき等が施されても良い。絶縁ガ
スケット17には、例えばポリプロピレン等の絶縁性樹
脂が用いられる。絶縁ガスケット17は、例えばガラス
等によるハーメチックシールで構成されても良い。
【0056】そして、以上のような構成の電池1は、次
のようにして製造する。先ず、負極6を作製する。負極
6を作製する際は、負極活物質となる炭素材料と、結着
剤とを含有する負極合剤を、例えば銅の金属箔等からな
る負極集電体11上に均一に塗布し、乾燥することで負
極合剤層12を形成し、所定の寸法に裁断する。次に、
負極集電体11の所定の位置に負極端子9を例えば超音
波溶接や、スポット溶接等により接続する。このように
して、長尺状の負極6が作製される。
【0057】次に、正極7を作製する。正極7を作製す
る際は、正極活物質と結着剤とを含有する正極合剤を、
正極集電体13となる例えばアルミニウム箔等の金属箔
上に均一に塗布、乾燥することで正極合剤層14を形成
し、所定の寸法に裁断する。次に、正極集電体13の所
定の位置に正極端子10を例えば超音波溶接や、スポッ
ト溶接等により接続する。このようにして、長尺状の正
極7が作製される。
【0058】次に、以上のようにして得られて負極6と
正極7とを、長尺状のセパレータ8を介して積層し、扁
平状に多数回捲回することにより電池素子2を作製す
る。このとき、電池素子2は、セパレータ8の幅方向の
一端面から負極端子9及び正極端子10が突出するよう
に扁平捲回されている。
【0059】次に、扁平状の電池素子2の外周部に、テ
ープ部材3を貼り付ける。このとき、テープ部材3は、
その長さ方向に張力が10gf以上掛かった状態で電池
素子2の外周部に貼り付けられる。これにより、テープ
部材3は、弛みを生じることなく、電池素子2の外周部
に貼り付けられることとなる。
【0060】次に、その表面にニッケルめっきが施され
た鉄製の薄角形状の外装缶4の底部に絶縁板18aを挿
入し、さらに負極端子9及び正極端子10が突出してい
る側の電池素子2の端面に絶縁板18bを置載させた状
態で、電池素子2を外装缶4に収納する。次に、負極端
子9の端部を封口蓋体5の封口板材15に接合すると共
に、正極端子10の端部を封口蓋体5の端子部16に接
合する。
【0061】次に、電池素子2が収納された外装缶4に
非水電解液を注入する。次に、外装缶4の開口縁部と、
封口蓋体5の封口板材15の周縁部とを例えばレーザー
溶接等によって隙間なく溶接し、密封する。これによ
り、外装缶4及び封口板材15は、負極6と導通するこ
ととなり、電池1の外部負極となる。また、端子部16
は、正極7と導通することとなり、電池1の外部正極と
なる。このようにして、薄角型の電池1が製造される。
【0062】以上のようにして製造された電池1では、
扁平状の電池素子2の外周部に貼り付けられたテープ部
材3によって、充放電時に負極6と正極7とが電池素子
2の厚み方向に近接離間することを規制することから、
負極6と正極7とが近接離間する際に生じる負極合剤層
12及び正極合剤層14の割れ、ひび、それぞれの集電
体11、13からの剥がれを抑えることができる。
【0063】したがって、この電池1では、負極合剤層
12内及び正極合剤層14内における電子伝導性が低下
することなく内部抵抗の上昇、及び負極活物質及び正極
活物質の利用率の低下が抑制されることから、電池容量
の低下や、サイクル特性の劣化を防止することができ
る。
【0064】なお、本発明によれば、上述した実施の形
態において、電池1の充放電時の負極6と正極7とが電
池素子2の厚み方向に近接離間することの規制をテープ
部材3で行ったが、このことに限定されることはなく、
例えばゴムバンド等の弾性部材や、クリップ等の止め具
部材等、電池素子2の厚み方向の膨れ等を規制する部材
であれば用いることができる。
【0065】また、本発明によれば、上述した実施の形
態において、電池素子2を扁平状に捲回された構造にし
ているが、このことに限定されることはなく、例えば負
極6と正極7との間にセパレータ8を介して積層し、蛇
腹状に折り畳んだ構造や、負極6と正極7との間にセパ
レータ8を介して複数積層した構造等の電池素子も適用
可能である。
【0066】さらに、本発明によれば、上述した実施の
形態において、非水電解液を用いた電池1を例に挙げて
説明したが、このことに限定されるものではなく、例え
ばマトリクス高分子中に電解質が分散されてなる固体電
解質を用いた電池、膨潤溶媒を含有するゲル状の固体電
解質を用いた電池等についても適用可能である。
【0067】さらにまた、本発明によれば、上述した実
施の形態において、電池1を例に挙げて説明している
が、このことに限定されることはなく、例えばニッケル
−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水
素電池、ポリマー電池等の二次電池のみならず、リチウ
ム電池等の一次電池についても適用可能である。
【0068】さらにまた、本発明によれば、上述した実
施の形態にいて、電池1を薄角型としているが、その形
状については特に限定されることはなく、例えば円筒
型、角型、大型等の種々の形状及び大きさにすることも
可能である。
【0069】
【実施例】以下、本発明を適用した電池として、実際に
リチウムイオン二次電池を作製したサンプルについて説
明する。
【0070】<サンプル1>サンプル1では、先ず、負
極を作製するのに、出発原料とする石油ピッチに対して
酸素を含む官能基を10〜20重量%導入、いわゆる酸
素架橋を行った後に、不活性ガス雰囲気中で1000℃
でか焼し、難黒鉛化性炭素を焼成した。この難黒鉛化性
炭素は、X線回折法による(002)面の面間隔が3.
76Å、ピクノメータ法による真密度が1.58g/c
であった。次に、この難黒鉛化性炭素を粉砕、分級
することによって平均粒径10μmの負極活物質を得
た。
【0071】次に、この負極活物質を90重量部と、結
着剤としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと記
す。)を10重量部と、溶剤にN−メチル−2−ピロリ
ドン(以下、NMPと記す。)とを加えて、プラネタリ
ーミキサーによって混練、分散を行い、負極合剤塗液を
作製した。次に、得られた負極合剤塗液を塗工装置とし
てダイコータを用いて負極集電体となる厚み10μmの
帯状の銅箔の両面上に均一に塗布して、乾燥させた後
に、ロールプレス機で圧縮成形し、負極集電体の両主面
上に負極合剤層を形成した。次に、両主面上に負極合剤
層が形成された負極集電体を所定の寸法に裁断し、この
負極集電体の所定の位置に、負極集電体の幅方向の一端
部から突出するように負極端子として短冊状ニッケル片
を接続した。以上のようにして、長尺状の負極を作製し
た。
【0072】次に、正極を作製するのに、原料となる炭
酸リチウムと炭酸コバルトとをモル比0.5モル対1.
0モルの割合でミキサーで十分に混合し、電気炉にて9
00℃の空気中で5時間焼成し、焼成後に粉砕すること
により焼成物を合成した。次に、この粉体となった焼成
物に対して、X線回折測定を行いLiCoOであるこ
とを確認した。以上のようにして、正極活物質を作製し
た。
【0073】次に、この正極活物質を91重量%と、結
着剤としてPVDFを3重量%と、導電剤としてグラフ
ァイトを6重量%とを混合し、溶剤にNMPとを加え
て、プラネタリーミキサーによって混練、分散を行い、
正極合剤塗液を作製した。次に、塗工装置としてダイコ
ータを用いて正極集電体となる厚み20μmの帯状のア
ルミニウム箔の両主面に均一に塗布して、乾燥させた後
に、ロールプレス機で圧縮成形し、正極集電体の両主面
上に正極合剤層を形成した。次に、両主面上に正極合剤
層が形成された正極集電体を所定の寸法に裁断し、この
正極集電体の所定の位置に、正極集電体の幅方向の一端
部から突出するように正極端子として短冊状アルミニウ
ム片を接続した。以上のようにして、長尺状の正極を作
製した。
【0074】次に、負極と正極との間に、セパレータと
して長尺状の微多孔性ポリプロピレンフィルムを介在さ
せて積層体を構成し、この積層体を捲回装置を用いて扁
平状に捲回し、この捲回体の外周部に臨むセパレータの
端部を巻止めテープで固定して電池素子を作製した。こ
の電池素子は、セパレータの幅方向の一端面から負極端
子及び正極端子が突出する扁平捲回構造とされた。
【0075】次に、図8(a)又は図8(b)に示すよ
うに、セパレータの幅方向と略平行方向の電池素子の外
周部に、負極端子と正極端子との間を通すようにプロピ
レン製のテープ部材を貼り付けた。このとき、テープ部
材の幅は、電池素子の捲回方向の幅寸法に対して、0.
1倍とし、テープ部材の長さは、セパレータの幅寸法に
対して、0.8倍とした。
【0076】次に、テープ部材が外周部に貼り付けられ
た電池素子を、幅30mm、高さ60mm、厚み5mm
の薄角型の表面にニッケルめっきが施された鉄製の外装
缶に収納した。次に、表面にニッケルめっきが施された
鉄製の封口板材の中心部にアルミニウムでできた端子部
がポリプロピレン樹脂からなる絶縁ガスケットを介して
設けられた封口蓋体を用意した。次に、封口蓋体の封口
板材に、外装缶に収納された電池素子の負極端子を接合
し、封口蓋体の端子部に、外装缶に収納された電池素子
の正極端子を接合した。
【0077】次に、炭酸プロピレンと1,2−ジメトキ
シエタンとの体積混合比が1対1の混合溶媒に1モル/
リットルの濃度となるようにLiPFを溶解した非水
電解液を、電池素子が収納された外装缶に注入した。次
に、電池素子と負極端子及び正極端子によって接続され
ている封口蓋体を、外装缶に嵌入させ、封口蓋体と外装
缶の境界部をレーザー溶接して密封した。このようにし
て、薄角型のリチウムイオン二次電池を作製した。な
お、以下の説明では、便宜上、リチウムイオン二次電池
のことを単に電池と称する。
【0078】<サンプル2>サンプル2では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子の
捲回方向の幅寸法に対して、0.2倍としたこと以外
は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0079】<サンプル3>サンプル3では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子の
捲回方向の幅寸法に対して、0.4倍としたこと以外
は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0080】<サンプル4>サンプル4では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子の
捲回方向の幅寸法に対して、0.8倍としたこと以外
は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0081】<サンプル5>サンプル5では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子の
捲回方向の幅寸法に対して、1.1倍としたこと以外
は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0082】<サンプル6>サンプル6では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパレー
タの幅寸法に対して、1.5倍としたこと以外は、サン
プル1と同様にして電池を作製した。
【0083】<サンプル7>サンプル7では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパレー
タの幅寸法に対して、3.1倍としたこと以外は、サン
プル1と同様にして電池を作製した。
【0084】<サンプル8>サンプル8では、電池素子
の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパレー
タの幅寸法に対して、6倍としたこと以外は、サンプル
1と同様にして電池を作製した。
【0085】<サンプル9>サンプル9では、図9に示
すように、セパレータの幅方向と略平行方向の電池素子
の外周部に、負極端子及び正極端子が突出した一端面に
対して他端面側に、テープ部材を貼り付けたこと以外
は、サンプル2と同様にして電池を作製した。
【0086】<サンプル10>サンプル10では、図1
0に示すように、セパレータの幅方向と略平行方向の電
池素子の外周部に、負極端子と正極端子との間を通すよ
うに電池素子の一端面側と、この一端面に対して他端面
側とに、2本のテープ部材をそれぞれ貼り付けたこと以
外は、サンプル2と同様にして電池を作製した。
【0087】<サンプル11>サンプル11では、図1
1に示すように、セパレータの幅方向と略平行方向の電
池素子の外周部に、負極端子と正極端子との間を通すよ
うに、2本のテープ部材をそれぞれ貼り付けたこと以外
は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0088】<サンプル12>サンプル12では、図1
2に示すように、セパレータの幅方向と略平行方向の電
池素子の外周部に、電池素子の捲回方向の両端部付近に
おける負極端子及び正極端子が突出した端面側に、2本
のテープ部材をそれぞれ貼り付けたこと以外は、サンプ
ル2と同様にして電池を作製した。
【0089】<サンプル13>サンプル13では、図1
3に示すように、負極端子と正極端子との間を通すよう
にセパレータの幅方向と略平行方向の電池素子の外周
部、及び電池素子の捲回方向と略平行方向の電池素子の
外周部に、すなわち十文字状に、2本のテープ部材をそ
れぞれ貼り付け、それぞれのテープ部材の長さをセパレ
ータの幅寸法に対して、2.2倍にしたこと以外は、サ
ンプル2と同様にして電池を作製した。
【0090】<サンプル14>サンプル14では、図1
4に示すように、電池素子の外周部に、負極端子と正極
端子との間を通してセパレータの幅方向に対して斜め方
向に、テープ部材を貼り付けたこと以外は、サンプル2
と同様にして電池を作製した。
【0091】<サンプル15>サンプル15では、電池
素子の外周部にテープ部材を貼り付けなかったこと以外
は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0092】<サンプル16>サンプル16では、電池
素子の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素
子の捲回方向の幅寸法に対して、0.05倍としたこと
以外は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0093】<サンプル17>サンプル17では、電池
素子の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素
子の捲回方向の幅寸法に対して、1.2倍としたこと以
外は、サンプル1と同様にして電池を作製した。
【0094】<サンプル18>サンプル18では、電池
素子の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパ
レータの幅寸法に対して、0.7倍としたこと以外は、
サンプル2と同様にして電池を作製した。
【0095】<サンプル19>サンプル19では、電池
素子の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパ
レータの幅寸法に対して、7倍としたこと以外は、サン
プル2と同様にして電池を作製した。
【0096】次に、以上のように作製したサンプル1〜
サンプル19の電池について、初回放電容量及び300
サイクル後の容量維持率を測定した。
【0097】なお、各サンプルの充電条件は、23℃の
雰囲気中、700mAの定電流、最大電圧4.2Vの定
電圧で4時間充電するように設定した。各サンプルの放
電条件は、23℃の雰囲気中、340mAの電流で2.
75Vまで放電するように設定した。そして、以上のよ
うな条件で、各サンプルは、充放電を繰り返した。
【0098】以下、各サンプルにおける、初回放電容量
及び300サイクル後の容量維持率の評価結果を表1に
示す。
【0099】
【表1】
【0100】なお、表1において、各サンプルの300
サイクル後の容量維持率は、初回放電容量に対する30
0サイクル後の放電容量の比率を示している。表1に示
す評価結果から、電池素子の外周部にテープ部材が貼り
付けられたサンプル1〜サンプル8では、電池素子の外
周部にテープ部材が貼り付けられていないサンプル15
に比べて、初期放電容量及び300サイクル後の容量維
持率が高いことわかる。
【0101】サンプル15では、電池素子の外周部にテ
ープ部材が貼り付けられていないことから、電池の充放
電時に、負極と正極とが電池素子の厚み方向に近接離間
するのを規制することができず、負極と正極とが近接離
間することで生じる負極合剤層及び正極合剤層の割れ、
ひび、それぞれの集電体からの剥がれを防止することが
困難になる。このため、サンプル15では、負極合剤層
内及び正極合剤層内における電子伝導性が低下し、内部
抵抗の上昇することから、初回放電容量や、300サイ
クル後の容量維持率といった電池特性がサンプル1〜サ
ンプル8に比べて劣ることになった。
【0102】一方、サンプル1〜サンプル8では、電池
素子の外周部にテープ部材が貼り付けられており、この
テープ部材が電池の充放電時に負極と正極とが電池素子
の厚み方向に近接離間するのを規制することから、負極
と正極とが近接離間することで生じる負極合剤層及び正
極合剤層の割れ、ひび、それぞれの集電体からの剥がれ
を抑制する。したがって、サンプル1〜サンプル8で
は、負極合剤層内及び正極合剤層内における電子伝導性
が低下することなく内部抵抗の上昇が抑制され、優れた
初回放電特性及び300サイクル後の容量維持率といっ
た電池特性を得ることができる。
【0103】以上のことから、電池を作製するに際し
て、電池素子の外周部にテープ部材を貼り付けること
は、電池容量の低下や、サイクル特性の劣化を防止でき
る電池を作製する上で大変有効であることが明らかにな
った。また、表1に示す評価結果から、電池素子の外周
部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子の捲回方
向の幅寸法に対して、0.1倍〜1.1倍の範囲とした
サンプル1〜サンプル5では、電池素子の外周部に貼り
付けられるテープ部材の幅を電池素子の捲回方向の幅寸
法に対して、0.05倍としたサンプル16に比べて、
初期放電容量及び300サイクル後の容量維持率が高い
ことわかる。
【0104】サンプル16では、テープ部材の幅が狭す
ぎることから、電池の充放電時に、負極と正極とが電池
素子の厚み方向に近接離間するのを規制することができ
ず、負極と正極とが近接離間することで生じる負極合剤
層及び正極合剤層の割れ、ひび、それぞれの集電体から
の剥がれを防止することが困難になる。このため、サン
プル16では、負極合剤層内及び正極合剤層内における
電子伝導性が低下し、内部抵抗の上昇することから、初
回放電容量や、300サイクル後の容量維持率といった
電池特性がサンプル1〜サンプル5に比べて劣ることに
なった。
【0105】一方、サンプル1〜サンプル5では、テー
プ部材の幅が電池素子の捲回方向の幅寸法に対して、
0.1倍〜1.1倍の範囲であり、適切な幅寸法である
ことから、電池の充放電時に負極と正極とが電池素子の
厚み方向に近接離間するのを規制し、負極と正極とが近
接離間することで生じる負極合剤層及び正極合剤層の割
れ、ひび、それぞれの集電体からの剥がれを抑制する。
したがって、サンプル1〜サンプル5では、負極合剤層
内及び正極合剤層内における電子伝導性が低下すること
なく内部抵抗の上昇が抑制され、優れた初回放電特性及
び300サイクル後の容量維持率といった電池特性を得
ることができる。
【0106】さらに、表1に示す評価結果から、電池素
子の外周部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子
の捲回方向の幅寸法に対して、0.1倍〜1.1倍の範
囲としたサンプル1〜サンプル5では、電池素子の外周
部に貼り付けられるテープ部材の幅を電池素子の捲回方
向の幅寸法に対して、1.2倍としたサンプル17に比
べて、初期放電容量及び300サイクル後の容量維持率
が高いことわかる。
【0107】サンプル17では、テープ部材の幅が広す
ぎることから、電池素子の外周部に、セパレータの幅方
向と略平行方向にテープ部材を貼り付けた時に、テープ
部材が電池素子の捲回方向の端部から大きくはみ出し、
このはみ出しが外装缶の開口部に引っかかって電池素子
の外装缶への収納を妨げてしまう。サンプル16では、
テープ部材の電池素子の捲回方向の端部からのはみ出し
を無理に外装缶に押し込んで作製されたことから、テー
プ部材のはみ出しが押し込まれた箇所の電池素子の負極
及び正極における負極合剤層及び正極合剤層に、割れ、
ひび、それぞれの集電体からの剥がれが生じてしまっ
た。このため、サンプル17では、負極合剤層内及び正
極合剤層内における電子伝導性が低下し、内部抵抗の上
昇することから、初回放電容量や、300サイクル後の
容量維持率といった電池特性がサンプル1〜サンプル5
に比べて劣ることになった。
【0108】一方、サンプル1〜サンプル5では、テー
プ部材の幅が電池素子の捲回方向の幅寸法に対して、
0.1倍〜1.1倍の範囲であり、適切な幅寸法である
ことから、電池素子の捲回方向の端部からテープ部材が
はみ出すことなく、電池素子が外装缶に適切に収納され
る。また、サンプル1〜サンプル5では、テープ部材の
幅寸法が適切であることから、電池の充放電時に負極と
正極とが電池素子の厚み方向に近接離間するのを規制
し、負極と正極とが近接離間することで生じる負極合剤
層及び正極合剤層の割れ、ひび、それぞれの集電体から
の剥がれを抑制する。したがって、サンプル1〜サンプ
ル5では、負極合剤層内及び正極合剤層内における電子
伝導性が低下することなく内部抵抗の上昇が抑制され、
優れた初回放電特性及び300サイクル後の容量維持率
といった電池特性を得ることができる。
【0109】以上のことから、電池素子の外周部にテー
プ部材を貼り付けるに際して、テープ部材の幅を電池素
子の捲回方向の幅寸法に対して、0.1倍〜1.1倍の
範囲にすることは、電池容量の低下や、サイクル特性の
劣化を防止できる電池を作製する上で大変有効であるこ
とが明らかになった。
【0110】さらにまた、表1に示す評価結果から、電
池素子の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセ
パレータの幅寸法に対して、0.8倍〜6倍の範囲とし
たサンプル2及びサンプル6〜サンプル8では、電池素
子の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパレ
ータの幅寸法に対して、0.7倍としたサンプル18に
比べて、初期放電容量及び300サイクル後の容量維持
率が高いことわかる。
【0111】サンプル18では、テープ部材が短すぎる
ことから、電池の充放電時に、負極と正極とが電池素子
の厚み方向に近接離間するのを規制することができず、
負極と正極とが近接離間することで生じる負極合剤層及
び正極合剤層の割れ、ひび、それぞれの集電体からの剥
がれを防止することが困難になる。このため、サンプル
18では、負極合剤層内及び正極合剤層内における電子
伝導性が低下し、内部抵抗の上昇することから、初回放
電容量や、300サイクル後の容量維持率といった電池
特性がサンプル2及びサンプル6〜サンプル8に比べて
劣ることになった。
【0112】一方、サンプル2及びサンプル6〜サンプ
ル8では、テープ部材の長さがセパレータの幅寸法に対
して、0.8倍〜6倍の範囲であり、適切な長さ寸法で
あることから、電池の充放電時に負極と正極とが電池素
子の厚み方向に近接離間するのを規制し、負極と正極と
が近接離間することで生じる負極合剤層及び正極合剤層
の割れ、ひび、それぞれの集電体からの剥がれを抑制す
る。したがって、サンプル2及びサンプル6〜サンプル
8では、負極合剤層内及び正極合剤層内における電子伝
導性が低下することなく内部抵抗の上昇が抑制され、優
れた初回放電特性及び300サイクル後の容量維持率と
いった電池特性を得ることができる。
【0113】さらにまた、表1に示す評価結果から、電
池素子の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセ
パレータの幅寸法に対して、0.8倍〜6倍の範囲とし
たサンプル2及びサンプル6〜サンプル8では、電池素
子の外周部に貼り付けられるテープ部材の長さをセパレ
ータの幅寸法に対して、7倍としたサンプル19に比べ
て、初期放電容量及び300サイクル後の容量維持率が
高いことわかる。
【0114】サンプル19では、テープ部材が長すぎる
ことから、電池素子の外周部に、セパレータの幅方向と
略平行方向にテープ部材を巻き付けるように貼り付けた
時に、電池素子の厚み方向のテープ部材の重なりが厚く
なってしまい、このテープ部材の重なりが外装缶の開口
部に引っかかって電池素子の外装缶への収納を妨げてし
まう。サンプル19では、テープ部材の電池素子の厚み
方向の重なりを無理に外装缶に押し込んで作製されたこ
とから、テープ部材の重なりが押し込まれた箇所の電池
素子の負極及び正極における負極合剤層及び正極合剤層
に、割れ、ひび、それぞれの集電体からの剥がれが生じ
てしまった。このため、サンプル19では、負極合剤層
内及び正極合剤層内における電子伝導性が低下し、内部
抵抗の上昇することから、初回放電容量や、300サイ
クル後の容量維持率といった電池特性がサンプルに及び
サンプル6〜サンプル8に比べて劣ることになった。
【0115】一方、サンプル2及びサンプル6〜サンプ
ル8では、テープ部材の長さがセパレータの幅寸法に対
して、0.8倍〜6倍の範囲であり、適切な長さ寸法で
あることから、電池素子の厚み方向のテープ部材の重な
りが極端に厚くなることなく、電池素子が外装缶に適切
に収納される。また、サンプル2及びサンプル6〜サン
プル8では、テープ部材の長さ寸法が適切であることか
ら、電池の充放電時に負極と正極とが電池素子の厚み方
向に近接離間するのを規制し、負極と正極とが近接離間
することで生じる負極合剤層及び正極合剤層の割れ、ひ
び、それぞれの集電体からの剥がれを抑制する。したが
って、サンプル2及びサンプル6〜サンプル8では、負
極合剤層内及び正極合剤層内における電子伝導性が低下
することなく内部抵抗の上昇が抑制され、優れた初回放
電特性及び300サイクル後の容量維持率といった電池
特性を得ることができる。
【0116】以上のことから、電池素子の外周部にテー
プ部材を貼り付けるに際して、テープ部材の長さをセパ
レータの幅寸法に対して、0.8倍〜6倍の範囲にする
ことは、電池容量の低下や、サイクル特性の劣化を防止
できる電池を作製する上で大変有効であることが明らか
になった。
【0117】さらにまた、表1に示す評価結果から、電
池素子の外周部に、テープ部材が、図9〜図14に示す
ように、様々な状態に貼り付けられたサンプル9〜サン
プル14では、負極端子と正極端子との間を通したセパ
レータの幅方向と略平行方向に、テープ部材が貼り付け
られたサンプル1〜サンプル8に比べて、初期放電容量
及び300サイクル後の容量維持率がほぼ同じ数値であ
ることわかる。
【0118】サンプル9〜サンプル14では、電池素子
の外周部に、様々な状態でテープ部材が貼り付けられて
も、このテープ部材が電池の充放電時に負極と正極とが
電池素子の厚み方向に近接離間するのを規制することか
ら、負極と正極とが近接離間することで生じる負極合剤
層及び正極合剤層の割れ、ひび、それぞれの集電体から
の剥がれを抑制する。したがって、サンプル9〜サンプ
ル14では、負極合剤層内及び正極合剤層内における電
子伝導性が低下することなく内部抵抗の上昇が抑制さ
れ、優れた初回放電特性及び300サイクル後の容量維
持率といった電池特性を得ることができる。
【0119】以上のことから、電池素子の外周部にテー
プ部材を貼り付けるに際して、テープ部材を様々な状態
に貼り付けたり、複数本貼り付けたりすることは、電池
容量の低下や、サイクル特性の劣化を防止できる電池を
作製する上で大変有効であることが明らかになった。
【0120】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電池素子の外周部に、充放電時に負極と正極
とが電池素子の積層方向に近接離間することを規制する
規制部材を取り付けることによって、負極と正極とが近
接離間する際に生じる負極活物質層及び正極活物質層の
割れ、ひび、基板からの剥がれを抑制することができ
る。
【0121】したがって、本発明によれば、正極活物質
層内及び負極活物質層内における電子伝導性が低下する
ことなく内部抵抗の上昇が抑制されることから、電池容
量の低下や、サイクル特性の劣化が防止された電池を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の内部構造を示す縦断面図で
ある。
【図2】同電池に備わる電池素子の外周部に、セパレー
タの幅方向と略平行に規制部材としてテープ部材が貼り
付けられた状態を示す透視斜視図である。
【図3】同電池に備わる電池素子の外周部に、電池素子
の捲回方向と略平行に規制部材としてテープ部材が貼り
付けられた状態を示す透視斜視図である。
【図4】同電池に備わる電池素子の外周部に、十文字状
にテープ部材が貼り付けられた状態を示す斜視図であ
る。
【図5】同電池に備わる電池素子の外周部に、セパレー
タの幅方向と略平行に2本のテープ部材が貼り付けられ
た状態を示す斜視図である。
【図6】同電池に備わる電池素子の外周部に、セパレー
タの幅方向と略平行に2本のテープ部材が貼り付けられ
た状態を示す斜視図である。
【図7】同電池に備わる電池素子の外周部に、電池素子
の捲回方向と略平行に3本のテープ部材が貼り付けられ
た状態を示す斜視図である。
【図8】同電池に備わる電池素子の外周部に、貼り付け
られたテープ部材を示す図であり、(a)は、負極端子
と正極端子との間を通してセパレータの幅方向と略平行
方向にテープ部材が貼り付けられている状態を示す斜視
図、(b)は、テープ部材がセパレータの幅方向に巻き
付けられるように貼り付けられている状態を示す斜視図
である。
【図9】同電池に備わる電池素子の外周部に、電池素子
の負極端子が突出している側の端面に対して反対の端面
側にテープ部材が貼り付けられた状態を示す斜視図であ
る。
【図10】同電池に備わる電池素子の外周部に、電池素
子のセパレータの幅方向の両端面側に2本のテープ部材
が貼り付けられた状態を示す斜視図である。
【図11】同電池に備わる電池素子の外周部に、負極端
子と正極端子との間を通して2本のテープ部材が貼り付
けられた状態を示す斜視図である。
【図12】同電池に備わる電池素子の外周部に、電池素
子の捲回方向の両端部付近に2本のテープ部材が貼り付
けられた状態を示す斜視図である。
【図13】同電池に備わる電池素子の外周部に、十文字
状にテープ部材が貼り付けられた状態を示す斜視図であ
る。
【図14】同電池に備わる電池素子の外周部に、負極端
子と正極端子との間を通してセパレータの幅方向に対し
て斜め方向にテープ部材が貼り付けられた状態を示す透
視斜視図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池、2 電池素子、2a,2
b 主面部、3 テープ部材、4 外装缶、5 封口蓋
体、6 負極、7 正極、8 セパレータ、9負極端
子、10 正極端子、11 負極集電体、12 負極合
剤層、13 正極集電体、14 正極合剤層、15 封
口板材、16 端子部、17 絶縁ガスケット、18
a,18b 絶縁板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK02 AK03 AK05 AL02 AL06 AL07 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ05 CJ07 CJ13 DJ04 EJ12 HJ04 HJ12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極基板上に負極活物質層が形成された
    負極と、正極基板上に正極活物質層が形成された正極と
    の間に、絶縁性微多孔膜からなるセパレータを介して積
    層された電池素子と、 上記電池素子の外周部に取り付けられ、充放電時に上記
    負極と上記正極とが上記電池素子の積層方向に近接離間
    するのを規制する規制部材と、 上記負極と上記正極との間でイオンを移動させる電解質
    と、 上記電池素子と上記電解質材とを封入する外装材とが備
    えられている電池。
  2. 【請求項2】 上記電池素子が、上記負極と上記正極と
    の間に上記セパレータを介して積層され、扁平状に捲回
    されている請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 上記規制部材は、一主面上に粘着材を有
    するテープ部材であり、 上記テープ部材の幅が、上記セパレータの面内方向にお
    ける上記セパレータの幅方向と略直交する方向の上記電
    池素子の寸法に対し、0.1倍〜1.1倍の範囲である
    請求項2記載の電池。
  4. 【請求項4】 上記規制部材は、一主面上に粘着材を有
    するテープ部材であり、 上記テープ部材の長さが、上記セパレータの幅に対し、
    0.8倍〜6倍の範囲である請求項2記載の電池。
  5. 【請求項5】 負極基板上に負極活物質層が形成された
    負極と、正極基板上に正活物質層が形成された正極との
    間に、絶縁性微多孔膜からなるセパレータを介して積層
    された電池素子を形成する素子形成工程と、 上記電池素子の外周部に、充放電時に上記負極と上記正
    極とが上記電池素子の積層方向に近接離間するのを規制
    する規制部材を取り付ける規制部材取り付け工程と、 上記規制部材が取り付けられた上記電池素子を外装材に
    挿入する素子挿入工程と、 上記電池素子が挿入された上記外装材に、上記負極と上
    記正極との間でイオンを移動させる電解質を注入する電
    解質注入工程と、 上記電池素子と上記電解質材とが入った上記外装材を密
    閉封止する外装封止工程とを有する電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記素子形成工程においては、上記電池
    素子を、上記負極と上記正極との間に上記セパレータを
    介して積層し、扁平状に捲回する請求項5記載の電池の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 上記規制部材取り付け工程においては、
    上記規制部材として一主面上に粘着材を有するテープ部
    材を用い、 上記テープ部材の幅を、上記セパレータの面内方向にお
    ける上記セパレータの幅方向と略直交する方向の上記電
    池素子の寸法に対し、0.1倍〜1.1倍の範囲にする
    請求項6記載の電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記規制部材取り付け工程においては、
    上記規制部材として一主面上に粘着材を有するテープ部
    材を用い、 上記テープ部材の長さを、上記セパレータの幅に対し、
    0.8倍〜6倍の範囲にする請求項6記載の電池の製造
    方法。
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