JP2003122048A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2003122048A
JP2003122048A JP2001312123A JP2001312123A JP2003122048A JP 2003122048 A JP2003122048 A JP 2003122048A JP 2001312123 A JP2001312123 A JP 2001312123A JP 2001312123 A JP2001312123 A JP 2001312123A JP 2003122048 A JP2003122048 A JP 2003122048A
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Yasukazu Ayaki
保和 綾木
Manabu Ono
学 大野
Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
Akira Hashimoto
昭 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦帯電量や帯電速度が良好なトナーを、水
系媒体中での重合により製造する方法において、トナー
粒子表面に付着した副生成物の微粒子を効率良く除去す
る。 【解決手段】 重合性単量体、重合開始剤、着色剤、及
び特定の芳香族化合物またはアゾ染料を含有する単量体
組成物を、難水溶性無機分散剤を含む水系媒体中に分散
させて重合し、該分散剤を溶解除去して得られたトナー
粒子を取り出し、該トナー粒子を新たな水系媒体に投入
して表面に付着した微粒子のみを該媒体中に分散させて
除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電印
刷の如き画像形成方法において、静電荷像を現像するた
めのトナー、またはインクジェット方式の画像形成方法
におけるトナー像を形成するためのトナーの製造方法に
関し、特に、トナー像を転写材に加熱加圧定着させる定
着方式に供されるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第2
297691号、特公昭42−23910号公報及び特
公昭43−24748号公報などに種々の方法が提案さ
れている。電子写真法は、一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで、該潜像をトナーで現像し可視像化し、必要に応
じて紙などの転写材にトナー像を転写した後に、熱/圧
力により転写材上にトナー像を定着して最終画像を得る
ものである。
【0003】電子写真法に適用されるトナーは、一般に
主成分が結着剤樹脂、着色剤及びワックスを含有する微
粒子であり、通常その粒子径は8〜30μmの範囲であ
る。トナーの製造方法としては、結着樹脂、染顔料及び
/または磁性体の如き着色剤、ワックス等を溶融混練
し、混練物を冷却し、冷却された混練物を粉砕し、粉砕
物を分級してトナー粒子を生成する方法が挙げられる。
【0004】トナーは、現像される静電荷像の極性に応
じて、正または負の電荷を有する必要がある。トナーに
電荷を保有せしめるためには、トナーの構成成分である
結着樹脂の摩擦帯電性を利用することもできるが、その
場合は一般にトナーの帯電性が低い。そのため、通常は
所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために、荷電制御
剤をトナーに添加する方法がとられている。
【0005】一般に、荷電制御剤を含有するトナーは比
較的高い摩擦帯電量を示す場合があるものの、高湿下に
おいては摩擦帯電量の低下が見られる。一方、低湿下に
おいてはトナーの帯電速度の低下が見られる。この現象
の原因の一つとしては、荷電制御剤付近での水分の吸脱
着が考えられ、高湿下では荷電制御剤への吸着水量が増
大するため摩擦帯電量が低下し、低湿下では荷電制御剤
中の吸着水が減少するために抵抗が高くなり、帯電速度
が低下するものと思われる。
【0006】このような帯電量の問題に対して、例えば
特開平4−347863号公報、特開平4−17055
7号公報には、それぞれ芳香族化合物、アゾ染料を含有
せしめたトナーが提案されている。これらの提案は、芳
香族化合物やアゾ染料への水分の吸着を制御することに
よって、摩擦帯電量や帯電速度の低下を抑制することを
期待したものである。
【0007】一方、近年、電子写真画像のさらなる高画
質化、高解像度化の要求に伴い、トナーの小粒径化、高
機能化の目的で、水系媒体中での重合法によるトナーの
製造方法が提案されている(例えば、特公昭36−10
231号公報、特公昭51−14895号公報、特開昭
53−17735号公報、特開昭53−17736号公
報、及び特開昭53−17737号公報等)。
【0008】上述の方法は、結着樹脂、染顔料や磁性
体、カーボンブラックなどの着色剤、帯電制御剤、ワッ
クスやシリコーンオイルなどの離型剤等、トナー中に内
包すべき物質を必要に応じて重合開始剤や分散剤ととも
に重合性単量体中に溶解、或いは分散せしめて重合性組
成物とし、分散安定剤を含有する水系媒体に分散装置を
使用して微粒子の状態で分散させ、この微粒子を重合さ
せて固化することにより、所望の粒径、組成を有するト
ナー粒子を得る方法である。この方法は、混練、粉砕と
いった工程がないため、エネルギーの節約、工程収率の
向上、コスト削減といった効果が期待される方法であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た水系媒体中での重合法により生成されたトナー粒子の
表面には、副生成物であるサブミクロン程度の微粒子が
付着している。この微粒子の形成機構は定かではない
が、結着樹脂や他の内添剤といった、トナー粒子に含有
せしめるべき添加剤の一部が水相で微粒子を形成し、何
らかの物質により水系媒体中での分散を安定化されるこ
とによって生成する微粒子であると考えられる。
【0010】先に示した芳香族化合物やアゾ染料を含有
するトナー粒子を、上記水系媒体中での重合法によって
製造する場合には、この微粒子の副生が著しく、該微粒
子の付着力が大きいため、そのまま乾燥工程や分級工程
を経ても、該微粒子をトナー粒子表面から除去すること
は困難であった。
【0011】本発明の課題は、上記問題点を解決し、芳
香族化合物やアゾ染料を含有させた単量体組成物を水系
媒体中で重合し、副生する微粒子を効率よく除去して、
摩擦帯電量や帯電速度の低下を抑制したトナーを製造す
る方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂と、着色剤と、下記一般式(1)で示される芳香
族化合物と下記一般式(2)で示されるアゾ染料のうち
の少なくとも一方を含有するトナー粒子を、難水溶性無
機分散剤を分散させた水系媒体中での重合法により形成
する工程と、水系媒体中で該難水溶性無機分散剤を溶解
除去して含水率が10〜60重量%のトナー粒子を取り
出す工程と、含水率を上記範囲に保持したトナー粒子
を、水溶性界面活性剤を含有しない新たな水系媒体に投
入して該トナー粒子表面に付着した微粒子を該水系媒体
中に分散させて除去する工程と、を少なくとも有するこ
とを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0013】一般式(1) F−Y−A1−X−D 一般式(2) F−Y−A2−N=N−A3−X−D 上記式中、A1は、
【0014】
【化2】 を示し、Jは水素原子、又は、炭素数1〜18のアルキ
ル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ア
ミノ基、カルボキシル基、及び水酸基からなる群より選
ばれる1つ、又は2つ以上の置換基を示し、R1は水素
原子、炭素数1〜18のアルキル基またはアルケニル基
を示し、A2、A3はそれぞれ独立に、アリール基を示
し、X及びYはそれぞれ独立に、−O−、−CO−、−
NH−、−NR2−を示し、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、D及びFはそれぞれ独立に、−H、−O
H、−Na、−K、−ONa、−OKを示す。
【0015】本発明は、単量体組成物を水系媒体中で重
合してトナー粒子を得た後、該トナー粒子を取り出し、
所定の含水率を保持しつつ新たな水系媒体に投入して表
面に付着した微粒子を水系媒体中に分散させて除去する
ことに特徴を有する。
【0016】芳香族化合物やアゾ染料を含む単量体組成
物を水系媒体中で重合させてトナー粒子を製造する際に
副生される微粒子は、芳香族化合物やアゾ染料が水系媒
体中に溶出し、これが界面活性剤として作用することに
より、水系媒体中で形成された微粒子を重合終了時まで
安定に存在せしめるものと考えられる。そのため、該微
粒子の表面には芳香族化合物やアゾ染料が付着してお
り、その結果、該微粒子は自己分散性を有するものと考
えられる。
【0017】本発明においては微粒子が付着したトナー
粒子を新たな水系媒体に投入すると、トナー粒子は自己
分散性がないため水系媒体中に分散せず、自己分散性を
有する微粒子のみトナー粒子表面から離れて水系媒体中
に分散する。よって、かかる工程により、微粒子をトナ
ー粒子から容易に除去することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の製造方法について
詳細に説明する。
【0019】本発明においては、先ず少なくとも結着樹
脂と、着色剤と、芳香族化合物及び/またはアゾ染料と
を含有するトナー粒子を、難水溶性無機分散剤を分散さ
せた水系媒体中での重合法により形成する。
【0020】本発明において、水系媒体中でトナー粒子
を重合する方法は特に限定されず、例えば、特公昭36
−10231号公報、特開昭59−53856号公報、
特開昭59−61842号公報に開示されている懸濁重
合法、ソープフリー乳化重合法に代表される乳化重合法
や、該方法によって得られた粒子を凝集させる方法、シ
ード重合法、二段階膨潤法、動的膨潤法、SPG膜乳化
法といった重合法による製造方法を用いることができ
る。
【0021】中でも、好ましくは懸濁重合法であり、少
なくとも重合性単量体と、着色剤と、芳香族化合物及び
/またはアゾ染料とを含有する単量体組成物を、難水溶
性無機分散剤を分散させた水系媒体中に分散させ、懸濁
重合法によりトナー粒子を形成する。単量体組成物は例
えばホモジナイザーやホモミキサー等を用いて水系媒体
に分散させ、造粒し、その後は分散粒子が沈降しない程
度の撹拌を行って重合させる。重合温度は好ましくは3
5℃〜95℃であり、より好ましくは40℃〜80℃で
ある。重合反応後に昇温しても良い。
【0022】本発明において用いられる重合性単量体と
しては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を
用いることができる。具体的には、例えば、スチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキ
シスチレン、p−エチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル
酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル
酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ
ル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
ベンジル等のメタクリル酸エステル類、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエーテルメタクリ
レート、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルエーテル、
イソブチルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、β
−クロルエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、p−メチルフェニルエーテル、p−クロルフェニル
エーテル、p−ブロムフェニルエーテル、p−ニトロフ
ェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエ
ーテル、ブタジエン等のジエン化合物、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチ
ル、リン酸含有単量体、具体的には、アシッドホスホオ
キシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロ
ピルメタクリレート、スルホン酸基含有単量体、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、アクロイルモルホリン、2−ビニルピリ
ジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−
ビニルピロリドン、2−ビニルイミダゾール、N−メチ
ル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール
を挙げることができる。これらの単量体は単独で使用し
ても、2種以上を組み合わせて使用しても良く、好まし
い特性が得られるような好適な重合体組成を選択するこ
とができる。
【0023】本発明によるトナー粒子には、高分子量成
分もしくはゲル成分を含有させることができ、このよう
な成分の導入は、重合性の二重結合を1分子当たり2個
以上有する架橋剤を使用することによって達成される。
かかる架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グ
リセロールアクロキシジメタクリレート、N,N−ジビ
ニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルフォン、などの化合物を挙げることが
できる。これらは単独で、或いは2種以上を適宜混合し
て使用しても良い。かかる架橋剤は、重合性単量体組成
物に予め混合しておいても良いが、必要に応じて適宜重
合途中で添加することも可能である。
【0024】本発明においては、必要に応じて適宜重合
開始剤を用いることができる。具体的には、例えばラジ
カル重合性の開始剤として、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ
系、もしくはジアゾ系重合開始剤、2,2’−アゾビス
(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’
−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジ
ン)、2,2−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブ
チルアミジン)ジヒドロクロリド等のアミジン化合物、
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ク
メンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸
化物系重合開始剤、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウムといった過硫化物系開始剤、及び上述した開始剤
の混合物が挙げられる。重合開始剤の添加量は、好まし
くは重合性単量体100重量部に対して、0.5〜20
重量部である。
【0025】また、本発明においては、公知の連鎖移動
剤、具体的には四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エ
チル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭
化エタン、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素、ジア
ゾチオエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン等の炭化水素類、tert−ドデシルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン
類、ジイソプロピルザントゲンジスルフィド等のジスル
フィド類を添加することもできる。これらの添加量は、
好ましくは重合性単量体100重量部に対して0.00
1〜10重量部である。
【0026】尚、結着樹脂がスチレン−アクリル共重合
体の場合、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)による分子量分布で、分子量30
00〜50000の領域に少なくとも一つのピークが存
在し、分子量100000以下の成分が50〜90%と
なるような樹脂が好ましい。
【0027】本発明において用いられる着色剤は、黒色
着色剤としては、カーボンブラック、磁性体などが用い
られ、その他にも下記に示すイエロー、マゼンタ、シア
ン着色剤を黒色に調色して用いても良い。
【0028】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、97、109、1
10、111、120、127、128、129、14
7、168、174、176、180、181、191
等が好適に用いられる。
【0029】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0030】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
用いられる。
【0031】これらの着色剤は、単独または混合して用
いることができ、さらには固溶体の状態で用いることも
できる。また、当該着色剤の添加量は、磁性体を用いた
場合には、結着樹脂100重量部当たり40〜150重
量部であり、その他の着色剤を用いた場合には、結着樹
脂100重量部当たり5〜20重量部である。
【0032】本発明によるトナーは、下記一般式(1)
で示される芳香族化合物と下記一般式(2)で示される
アゾ染料のうちの少なくとも一方を含有する。
【0033】 一般式(1) F−Y−A1−X−D 一般式(2) F−Y−A2−N=N−A3−X−D 尚、上記式中、A1は、
【0034】
【化3】 を示し、Jは水素原子、又は、炭素数1〜18のアルキ
ル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ア
ミノ基、カルボキシル基、及び水酸基からなる群より選
ばれる1つ、又は2つ以上の置換基を示し、R1は水素
原子、炭素数1〜18のアルキル基またはアルケニル基
を示し、A2、A3はそれぞれ独立に、アリール基を示
し、X及びYはそれぞれ独立に、−O−、−CO−、−
NH−、−NR2−を示し、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、D及びFはそれぞれ独立に、−H、−O
H、−Na、−K、−ONa、−OKを示す。
【0035】本発明において用いられる上記一般式
(1)で示される芳香族化合物として、好ましくは、芳
香族オキシカルボン酸、モノアルキル芳香族オキシカル
ボン酸、ジアルキル芳香族オキシカルボン酸が挙げら
れ、具体的には、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、
アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸であり、さ
らに具体的には、アルキルサリチル酸としてはtert
−ブチルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸としてはジ
−tert−ブチルサリチル酸が挙げられる。望ましく
は、ジ−tert−ブチルサリチル酸である。モノアル
キル芳香族オキシカルボン酸やジアルキル芳香族オキシ
カルボン酸が好ましい理由としては、共鳴構造によりカ
ルボキシル基の酸素の負電荷密度が小さいため金属化合
物の負帯電能力が高いこと、及び、これら化合物が立体
的に大きい構造を持つために水分子をブロックしやすい
ことが考えられる。
【0036】本発明において用いられる上記一般式
(2)で示されるアゾ染料として、好ましくは、ヒドロ
キシ基を2個以上有するモノアゾ染料であり、具体的に
は下記一般式(3)または(4)で示される化合物が好
ましい。
【0037】
【化4】
【0038】尚、上記式中、R3、R4は水素原子、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、アルキル基を示し、R5、R6は水
素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、ヒ
ドロキシル基、アルキル基、或いは、ハロゲン原子、ニ
トロ基を有していても良いベンズアミド基もしくはベン
ズスルホアミド基を示す。
【0039】本発明において、上記芳香族化合物及び/
またはアゾ染料の使用量は、好ましくは結着樹脂100
重量部に対して0.01〜5重量部である。該使用量が
0.01重量部より少ない場合には、その添加効果が少
ない。また、5重量部より多い場合には、得られたトナ
ーの低湿下での帯電速度が遅く、また、加熱加圧ローラ
による定着時において、加熱ローラ表面のシリコーンゴ
ム層の如き弾性層をこれら化合物で汚染しやすく、その
場合には弾性層が劣化しやすく、損傷を受けやすくなる
ため好ましくない。
【0040】本発明に用いられる難水溶性無機分散剤と
しては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシ
ウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シ
リカ、アルミナ等が挙げられる。好ましくは酸に可溶性
の分散剤である。当該分散剤は、重合性単量体100重
量部に対して、0.2〜2.0重量部使用することが好
ましい。また、当該分散剤を分散させる水系媒体として
は、重合性単量体100重量部に対して300〜300
0重量部の水を用いることが好ましい。
【0041】上記難水溶性無機分散剤は、市販のものを
用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を
得るために、分散媒体中、高速撹拌下にて生成させるこ
ともできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速
撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシ
ウム水溶液を混合することで好ましい分散剤を得ること
ができる。これら分散剤の微細化のためには、0.00
1〜0.1重量%の界面活性剤の併用が有効であり、例
えば、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活
性剤、より具体的には、ドデシル硫酸ナトリウム、テト
ラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウ
ム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、
ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイ
ン酸カルシウム等が挙げられるが、本発明においては、
界面活性剤の使用は好ましくなく、可能な限り用いない
方が望ましい。
【0042】また、本発明によるトナーは、トナー粒子
に磁性体を含有させた磁性トナーとすることができ、こ
の場合の磁性体は、上記した黒色着色剤を兼ねることも
できる。本発明で使用できる磁性体としては、マグネタ
イト、ヘマタイト、フェライト等の如き酸化鉄;鉄、コ
バルト、ニッケルのような金属、或いはこれら金属と、
アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミ
ウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タング
ステン、バナジウム等の金属との合金、或いはこれらの
混合物が挙げられる。
【0043】本発明において磁性体を用いる場合には、
表面改質された磁性体が好ましく、重合阻害のない表面
改質剤により疎水化処理を施されたものが望ましい。こ
のような表面改質剤としては、例えばシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤等を挙げることができる。
【0044】これら磁性体は平均粒径が1μm以下、好
ましくは0.1〜0.5μmのものがよく、10Kエル
ステッド印加での磁気特性が、保磁力(Hc)が20〜
300エルステッド、飽和磁化(σs)が50〜200
emu/g、残留磁化(σr)が2〜20emu/gの
ものが好ましい。
【0045】さらに、本発明によるトナーは、前記した
芳香族化合物及び/またはアゾ染料の添加によって、摩
擦帯電特性が安定化されているが、これら以外の荷電制
御剤を用いても良く、具体的には、ネガ系制御剤として
は、モノアゾ染料の鉄錯体、ジカルボン酸等の金属化合
物;スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合
物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリー
クスアレーン等が好ましい。これら荷電制御剤は、結着
樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部添加する
ことが好ましい。
【0046】本発明において、上記単量体組成物を難水
溶性無機分散剤を含む水系媒体中で重合させてトナー粒
子を形成した後、該分散剤を溶解させ、含水率が10〜
60重量%のトナー粒子を取り出す。
【0047】次いで、含水率を10〜60重量%に保持
したトナー粒子を新たな水系媒体に投入し、トナー粒子
表面に付着した微粒子を除去する。前記したように、ト
ナー粒子自体には自己分散性がなく、表面に付着した微
粒子は自己分散性を備えていることから、微粒子のみを
水系媒体中に分散させて容易に除去することができる。
【0048】本工程において、トナー粒子表面に付着し
た微粒子を水系媒体中に分散させる方法としては、スリ
ーワンモーターやボールミルといった機械的攪拌機で撹
拌する方法や、より高い微粒子の剥離効果を得る上でホ
モジナイザーやホモミキサー、超音波照射による方法を
用いることができる。こらの方法は、2種以上を組み合
わせても良い。
【0049】本工程に用いられる水系媒体としては、イ
オン交換水を用いることが好ましい。その理由は、トナ
ー粒子表面に付着した微粒子の自己分散性が、表面に存
在するイオン性基により界面活性能が発揮されることに
よるものと考えられるためである。また、微粒子のみを
水系媒体中に分散させるため、及び、トナー粒子表面に
界面活性剤が残留するの防止するため、水系媒体は水溶
性界面活性剤を含有していないことが望ましい。
【0050】本工程における固液比としては、好ましく
は水系媒体1リットルに対して、トナー粒子10g〜5
00g、より好ましくは50g〜300gである。
【0051】尚、本発明において、トナー粒子を取り出
す工程において、トナー粒子の含水率は10〜60重量
%を保持するが、より好ましくは20〜50重量%の範
囲である。トナー粒子の含水率が10重量%未満の場
合、トナー粒子表面に付着した微粒子が強固に固着し、
トナー粒子からの剥離が困難になる。一方、60重量%
を超える範囲では、トナー粒子に含有される水に溶解し
たイオンや他の不純物の影響で、トナー粒子表面に付着
した微粒子の自己分散性が小さくなり、トナー粒子から
の剥離が困難になる。
【0052】本工程において、微粒子とトナー粒子との
分離方法は、水系媒体を静置して重力により分離する方
法、遠心分離による方法、フィルター濾過による方法が
挙げられ、これらは2種以上を組み合わせても良い。
【0053】本発明において得られるトナー粒子の重量
平均粒径は、好ましくは2〜10μmである。10μm
を超えるトナー粒子は、トナー粒子表面に付着した微粒
子の固着力が大きく、トナー粒子からの剥離が困難にな
る場合がある。また、2μm未満のトナー粒子では付着
した微粒子とトナー粒子との分離が困難になる場合があ
る。
【0054】本発明において得られたトナー粒子には、
必要に応じて様々な特性付与を目的として添加剤を付与
してトナーとすることができる。具体的には、滑剤とし
て、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等)が好適に用いられる。
また、荷電制御性粒子として、金属酸化物(酸化スズ、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム
等)、カーボンブラック等が好適に用いられる。これら
添加剤は、好ましくはトナー粒子100重量部に対して
0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部
の割合で用いられる。
【0055】本発明によるトナーは、一成分系現像剤と
しても、キャリアを用いた二成分系現像剤としても用い
ることができる。二成分系現像剤とする場合に組み合わ
せるキャリアとしては、例えば磁性キャリアとしては、
鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム
より選ばれる元素単独または複合フェライト状態で構成
される。磁性キャリアの形状としては、球状、扁平、不
定形等がある。さらに、磁性キャリアの表面状態の微細
構造(例えば表面凹凸性)を制御することもできる。ま
た、表面を樹脂で被覆する被覆キャリアも好適に用いる
ことができる。キャリアの平均粒径は、好ましくは10
〜100μm、より好ましくは20〜50μmである。
また、二成分系現像剤中のトナー濃度は、好ましくは2
〜15重量%である。
【0056】
【実施例】本実施例における各特性の測定方法を以下に
示す。
【0057】(トナーの摩擦帯電量及び帯電速度)高温
高湿(30℃/90%RH)、低温低湿(15℃/10
%RH)の各環境下に、現像剤を24時間放置した後、
各環境下においてブローオフ法に基づき、トナーの摩擦
帯電量を測定する。
【0058】図1に、現像剤の摩擦帯電量の測定装置を
示す。先ず、摩擦帯電量を測定するトナーを含む現像剤
を50ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、2分間
手で振とうしてサンプルを調整する。底に500メッシ
ュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、先の現
像剤を5g入れ、金属製のフタ4をする。この時の測定
容器2全体の重量を量り、W1〔g〕とする。次に、吸
引機1(測定容器2と接する部分は、少なくとも絶縁
体)において、吸引口7から吸引し、風量調節弁6を調
整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状
態で2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。この時
の電位計9の電位をV〔ボルト〕とする。ここでは8は
コンデンサであり、容量C〔μF〕とする。吸引後の測
定容器全体の重量を測り、W2〔g〕とする。このトナ
ーの摩擦帯電量〔μC/g〕は、次式によって計算され
る。 トナーの摩擦帯電量〔μC/g〕=C×V/(W1
2
【0059】また、帯電速度を測定する場合には、各振
とう時間における摩擦帯電量を測定し、横軸に振とう時
間、縦軸に摩擦帯電量をとり、各値をプロットして帯電
量変化を求める。
【0060】(トナー粒子の重量平均粒子径)測定装置
としてはコールターカウンターTA−II或いはコール
ターマルチサイザイーII(コールター社製)を用い
る。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて、1%塩化ナ
トリウム水溶液を調製する。例えば、ISOTON−I
I(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が
使用できる。
【0061】測定方法としては、前記電解液100ml
中に、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスル
ホン酸塩)を0.2ml加え、さらに測定試料(トナー
粒子)を10mg加える。試料を入れた電解液は、超音
波分散機で2分間分散処理を行い、前記測定装置によ
り、アパーチャーとして100μmのアパーチャーを用
いて、トナー粒子の体積及び個数を各チャンネル毎に測
定して、トナー粒子の体積分布と個数分布を算出する。
それから、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準の
トナー粒子重量平均粒径を求める。
【0062】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0063】(トナー粒子表面に付着した微粒子の付着
量)走査型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−80
0」)を用い、倍率5000倍に拡大した写真を撮影
し、重量平均粒子径の±10%以内の範囲にある粒子径
を有するトナー粒子20個をサンプリングし、トナー粒
子1個に含有される0.05〜1.0μmの微粒子の個
数を測定し、その平均値を微粒子の付着量とする。
【0064】(トナー粒子の含水率)赤外線水分計(K
ett Electric Laboratory社製
「FD−240」)を用い、試料10gを測り取って1
30℃に加熱して不揮発分の含有率WT(重量%)を測
定し、下記式よりトナー粒子の含水率WW(重量%)を
求める。 トナー粒子の含水率WW(重量%)=100−WT
【0065】(トナー粒子の製造例)イオン交換水30
0重量部に、0.1M−Na3PO4水溶液250重量部
を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー
(特殊機化工業社製)を用いて12000rpmにて撹
拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液35重量部
を徐々に添加し、難水溶性無機分散剤であるリン酸カル
シウムを含む水系媒体を調整した。次いで、以下の条件
で単量体組成物を調製した。
【0066】 スチレン 80重量部 n−ブチルアクリレート 20重量部 ジビニルベンゼン 2重量部 カーボンブラック 8重量部 負荷電制御剤(モノアゾ染料の鉄錯体) 1重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸 2重量部 パラフィンワックス 8重量部
【0067】上記材料を55℃に加温し、これに重合開
始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)8重量部を溶解し、単量体組成物を調製した。こ
の単量体組成物を上記水系媒体に投入し、55℃、窒素
雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12000
rpmで20分間撹拌しつつ、単量体組成物を分散さ
せ、造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、1
2時間重合反応させ、トナー粒子分散液Aを得た。
【0068】(参考例1)トナー粒子分散液Aに塩酸を
加え、リン酸カルシウムを溶解させて濾過してリン酸カ
ルシウムを除去した後、得られたトナー粒子を乾燥させ
た。乾燥後のトナー粒子の重量平均粒子径は6.4μ
m、微粒子の付着量は173個であった。
【0069】(実施例1)トナー粒子分散液Aに塩酸を
加え、リン酸カルシウムを溶解させて濾過してリン酸カ
ルシウムを除去し、含水率26重量%のトナー粒子を得
た。
【0070】このトナー粒子を10倍量のイオン交換水
に投入し、攪拌機で3時間撹拌して十分に分散させた後
に40時間静置した。その結果、トナー粒子を投入した
イオン交換水は上澄み液が白濁しており、微粒子が分散
している様子が観察された。この上澄み液をデカンテー
ションにより除去し、沈降したトナー粒子を取り出して
乾燥させた。得られたトナー粒子の重量平均粒子径は
6.5μm、微粒子の付着量は4個であった。
【0071】得られたトナー粒子を風力分級機を用い、
個数粒度分布における4μm以下の存在割合が12個数
%となるように分級した。分級後のトナー粒子100重
量部に対して、比表面積が300m2/gのシリカ微粒
子2.0重量部を外添し、トナーを得た。
【0072】上記トナー5重量部と、シリコーン樹脂1
重量%を被覆したコーティング磁性フェライトキャリア
(平均粒径:25μm)95重量部とを混合して、二成
分系現像剤を調整した。この二成分系現像剤の低温低湿
下における帯電速度と、高温高湿下における摩擦帯電量
を評価したところ、いずれも良好であった。
【0073】さらに、この二成分系現像剤をフルカラー
デジタル機(キヤノン社製「CLC−800」)に導入
し、高温高湿環境下、コントラスト電位を250Vにし
てモノカラーモードでトナーを逐次補給しながら、画像
面積比率25%のオリジナル原稿を用いて5000枚の
画出しを行い、その際のスリーブ汚れ及びクリーニング
ブレードの汚れの程度を評価したところ、いずれも良好
であった。
【0074】(実施例2)前記トナー粒子分散液Aに塩
酸を加え、リン酸カルシウムを溶解させて濾過してリン
酸カルシウムを除去し、含水率44重量%のトナー粒子
を得た。
【0075】このトナー粒子を含水率が36重量%にな
るまで乾燥した後、10倍量のイオン交換水に投入し、
攪拌機で3時間撹拌し、十分に分散させた後に40時間
静置した。その結果、トナー粒子を投入したイオン交換
水は上澄み液が白濁しており、微粒子が分散している様
子が観察された。この上澄み液をデカンテーションによ
り除去し、沈降したトナー粒子を取り出して乾燥させ
た。得られたトナー粒子の重量平均粒子径は6.5μ
m、微粒子の付着量は9個であった。
【0076】得られたトナー粒子を実施例1と同様にし
て、分級し、シリカ微粒子を外添してトナーを得、さら
に実施例1と同様にして二成分系現像剤を調整した。
【0077】得られた二成分系現像剤について、実施例
1と同様の評価を行ったところ、低温低湿下での摩擦帯
電速度、高温高湿下での摩擦帯電特性のいずれにおいて
も実施例1と同様の良好な結果が得られ、また、高温高
湿下における5000枚画出しにおいても、実施例1と
同様の良好な結果が得られた。
【0078】(実施例3)トナー粒子の含水率を57重
量%にした以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得
た。このトナー粒子を十分に乾燥させたところ、得られ
た乾燥トナー粒子の重量平均粒子径は6.5μm、微粒
子の付着量は17個であった。
【0079】(比較例1)参考例1のトナー粒子を風力
分級機を用い、個数粒度分布における4μm以下の存在
割合を12個数%となるように分級した。得られたトナ
ー粒子の微粒子付着量は149個であった。
【0080】(比較例2)前記トナー粒子分散液Aを4
0時間静置したところ、上澄み液は透明であった。この
上澄み液をデカンテーションにより除去し、沈降してい
たトナー粒子を水中に再分散した後に、これに塩酸を加
え、リン酸カルシウムを溶解させて濾過し、水洗浄して
リン酸カルシウムを除去した。得られたトナー粒子を取
り出して乾燥させたところ、乾燥後のトナー粒子の重量
平均粒子径は6.4μm、微粒子の付着量は171個で
あった。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水系媒体中の重合により得られるトナー粒子表面に付着
した微粒子を容易に除去し、高温高湿下及び低温低湿下
のいずれにおいても摩擦帯電量及び帯電速度が良好で、
画像形成能に優れたトナーを効率良く製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの帯電量を測定する装置の説明
図である。
【符号の説明】
1 吸引機 2 測定容器 3 導電性スクリーン(500メッシュ) 4 フタ 5 真空計 6 風量調節弁 7 吸引口 8 コンデンサ 9 電位計
フロントページの続き (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AB06 AB09 CA21 CA30 DA01 EA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂と、着色剤と、下記
    一般式(1)で示される芳香族化合物と下記一般式
    (2)で示されるアゾ染料のうちの少なくとも一方を含
    有するトナー粒子を、難水溶性無機分散剤を分散させた
    水系媒体中での重合法により形成する工程と、水系媒体
    中で該難水溶性無機分散剤を溶解除去して含水率が10
    〜60重量%のトナー粒子を取り出す工程と、含水率を
    上記範囲に保持したトナー粒子を、水溶性界面活性剤を
    含有しない新たな水系媒体に投入して該トナー粒子表面
    に付着した微粒子を該水系媒体中に分散させて除去する
    工程と、を少なくとも有することを特徴とするトナーの
    製造方法。 一般式(1) F−Y−A1−X−D 一般式(2) F−Y−A2−N=N−A3−X−D (上記式中、A1は、 【化1】 を示し、Jは水素原子、又は、炭素数1〜18のアルキ
    ル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、
    アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ア
    ミノ基、カルボキシル基、及び水酸基からなる群より選
    ばれる1つ、又は2つ以上の置換基を示し、R1は水素
    原子、炭素数1〜18のアルキル基またはアルケニル基
    を示し、A2、A3はそれぞれ独立に、アリール基を示
    し、X及びYはそれぞれ独立に、−O−、−CO−、−
    NH−、−NR2−を示し、R2は炭素数1〜4のアルキ
    ル基を示し、D及びFはそれぞれ独立に、−H、−O
    H、−Na、−K、−ONa、−OKを示す。)
  2. 【請求項2】 上記トナー粒子の形成工程が、少なくと
    も重合性単量体と、着色剤と、前記一般式(1)で示さ
    れる芳香族化合物と下記一般式(2)で示されるアゾ染
    料のうちの少なくとも一方とを含有する単量体組成物
    を、難水溶性無機分散剤を分散させた水系媒体中に分散
    させ、懸濁重合によりトナー粒子を形成する工程である
    ことを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 トナー粒子表面に付着した微粒子を除去
    する工程において、水系媒体がイオン交換水であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記トナー粒子を取り出す工程におい
    て、トナー粒子の含水率が20〜50重量%であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 得られるトナー粒子の重量平均粒子径が
    2〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載のトナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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