JP2003120843A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2003120843A JP2002219932A JP2002219932A JP2003120843A JP 2003120843 A JP2003120843 A JP 2003120843A JP 2002219932 A JP2002219932 A JP 2002219932A JP 2002219932 A JP2002219932 A JP 2002219932A JP 2003120843 A JP2003120843 A JP 2003120843A
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Hideyuki Hayakawa
早川  秀幸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁弁における低温時の応答性を改善する。 【解決手段】 プランジャ11の外周面に、プランジャ
11の外周を一周する溝部11aを形成し、この溝部1
1a内にオリフィス12cが備えられた円筒状部材12
を嵌め込む。このような構成では、常温時であれば、円
筒状部材12と溝部11aとの摺動方向の隙間量がほぼ
無い状態となるため、オリフィス12cの絞り効果によ
り、プランジャ11の摺動速度が遅くされる。一方、低
温時であれば線膨張の影響で円筒状部材12とプランジ
ャ11の溝部11aと間に摺動方向の隙間が形成され、
低温によって常温時よりも流体の粘性抵抗が大きくなっ
ていてもプランジャ11の摺動が容易となり、電磁弁1
による流路の開閉動作が所望の遅さとなり、遅くなり過
ぎないようにできる。このため、低温時における応答性
を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルへの通電に
よって流路の開閉が制御される電磁弁に関するもので、
例えば車両用ブレーキ装置に備えられるABSアクチュ
エータの管路中に設けられるブレーキ液圧制御弁に用い
て好適である。
【0002】
【従来の技術】図6に、従来の電磁弁の断面構成を示
す。この電磁弁J1は、コイルJ2に対して通電を行っ
ていない時には、スプリングJ3の弾性力によってプラ
ンジャJ4が付勢され、プランジャJ4と共に移動する
シャフトJ5の先端に備えられたボールJ6がシートバ
ルブJ7の弁座J8から離れているため、管路Aが開状
態となる。また、コイルJ2に対して通電を行った時に
は、スプリングJ3の弾性力に抗してプランジャJ4が
付勢され、プランジャJ4の先端に備えられたボールJ
6がシートバルブJ7の弁座J8に着座するため、流路
Aが閉状態となる。そして、プランジャJ4の外周面に
は、プランジャJ4の摺動方向と平行な縦溝J11が形
成されており、この縦溝を通じて流体が移動すること
で、プランジャJ4が容易に摺動できるようになってい
る。
【0003】このような電磁弁J1においては、管路A
の開閉動作を速く行うと、流体の脈動が大きくなり、騒
音発生等の問題が生じる。このため、プランジャJ4の
外周に溝部J9を設けると共に、溝部J9内に樹脂から
なるリング状部材J10を配置し、そのリング状部材J
10にオリフィスJ12(流体絞り)を設けることで、
プランジャJ4の摺動速度を遅くし、流体の脈動低減効
果が得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、脈動低
減効果を狙ってプランジャJ4の摺動速度を遅くする
と、低温時に、流体の流動抵抗(粘性抵抗)が大きくな
るためにプランジャJ4の摺動速度が常温時に比べて大
幅に遅くなり、要求される弁機能が得られなくなるとい
う問題がある。例えば、電磁弁J1を車両用ブレーキ装
置に備えられるABSアクチュエータに適用する場合、
電磁弁J1による管路Aの開閉速度が遅くなることによ
ってABS性能(応答性)が充分に満たされなくなる可
能性がある。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、電磁弁における
低温時の応答性を改善することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、プランジャ(11)の
外周面には、該プランジャの外周を一周する溝部(11
a)が備えられていると共に、該プランジャの摺動方向
における流体の移動を可能としたオリフィス(12c)
が備えられた円筒状部材(12)が溝部内に嵌め込まれ
ており、円筒状部材は、プランジャの軸方向に沿って切
断された断面形状の長手方向がプランジャの摺動方向に
沿った構成となっていることを特徴としている。
【0007】このような電磁弁においては、常温時であ
れば、円筒状部材とプランジャの溝部との摺動方向の隙
間量がほぼ無い状態となっているため、円筒状部材に形
成されたオリフィスの絞り効果により、プランジャの摺
動速度が遅くされる。このため、電磁弁による流路の開
閉動作を遅くすることができ、流体の脈動低減効果を得
ることが可能となる。
【0008】また、低温時であれば線膨張の影響で円筒
状部材とプランジャの溝部と間に摺動方向の隙間が形成
されることから、低温によって常温時よりも流体の粘性
抵抗が大きくなっていてもプランジャの摺動が容易とな
り、電磁弁による流路の開閉動作が所望の遅さとなり、
遅くなり過ぎないようにできる。このため、低温時にお
ける応答性を改善することができる。これにより、常温
時と低温時共に流体の脈動低減効果を得ることができ、
かつ低温時の応答性を改善することが可能となる。
【0009】例えば、請求項2に示すように、円筒状部
材の線膨張係数を10×10-5/℃以上とするのが好ま
しい。また、請求項3に示すように、円筒状部材を異な
る材質からなる第1、第2の円筒状部材(12a、12
b)によって構成さすることもできる。この場合、請求
項4に示すように、第1の円筒状部材と第2の円筒状部
材のいずれか一方が他方よりも線膨張係数が大きい材質
で構成されるようにする。
【0010】請求項5に記載の発明では、プランジャ
(11)の外周面には、該プランジャの外周を一周する
溝部(11a)が備えられていると共に、該プランジャ
の摺動方向における流体の移動を可能としたオリフィス
(20a)が備えられたリング状部材(20)が溝部内
に嵌め込まれており、スリーブ(10)の内壁面は、ス
リーブのうち底面側よりも開口部側の内径が小さくなっ
ていることを特徴としている。
【0011】このように、スリーブのうち底面側よりも
開口部側の内径が小さくなるようにすることで、弁体が
弁座に着座するときにのみプランジャの摺動速度が遅く
なるようにすることができる。このため、常温時、低温
時にかかわらず、電磁弁が流路を閉じる直前にのみプラ
ンジャの摺動速度が遅くなるようにすることができるた
め、低温時に流体の粘性抵抗が大きくなっても充分な応
答性を得ることが可能となる。
【0012】例えば、請求項6に示すように、スリーブ
の内壁面に段付き部(10a)を形成し、段付き部にて
スリーブのうち底面側よりも開口部側の内径を小さくす
ることができる。この場合、請求項7に示すように、コ
イルへの通電を行ったときに、弁体が弁座に着座するよ
りも前に、リング状部材が段付き部に接するように段付
き部を形成する。
【0013】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に、本発明
の一実施形態である電磁弁1の断面構成を示す。この電
磁弁1は、例えばABSアクチュエータのハウジング2
に形成されたブレーキ液の管路A中に配設されるもの
で、図1は、通常ブレーキ時、つまりコイル非通電時の
様子を示したものである。
【0015】図1に示されるように、電磁弁1には、磁
性体にて形成されたガイド3が備えられている。このガ
イド3は、段付円柱状に形成され、ガイド3の大径部側
がABSアクチュエータのハウジング2の凹部4内に嵌
入されるようになっている。そして、凹部4の開口端近
傍をかしめることで、ハウジング2の一部をガイド3に
備えられた窪み内に入り込ませ、ガイド3をハウジング
2に固定するようになっている。
【0016】ガイド3には、小径部側に位置してシャフ
ト5を摺動自在に保持するガイド穴3a、大径部側に位
置してシートバルブ6が圧入されるシート挿入穴3b、
さらには、シートバルブ6とシート挿入穴3bとで囲ま
れた空間3cをハウジング2内に形成された管路Aと連
通させる連通穴3dが形成されている。
【0017】シャフト5は、非磁性体金属(例えばステ
ンレス)で形成されている。このシャフト5は、円柱形
状で構成され、シートバルブ6側の端部がガイド3のガ
イド穴3aから突き出て空間3cに延びており、その先
端にボール(弁体)5aが溶接されている。
【0018】シートバルブ6は円柱状を成し、その径方
向中心部にガイド3内の空間3cとハウジング2に形成
された管路Aとを連通させる第1連通路6aが形成さ
れ、この第1連通路6aにおける空間3c側の端部に、
シャフト5のボール5aが着離するテーパ状の第1弁座
6bが形成されている。また、シートバルブ6には、ガ
イド3内の空間3cと管路Aとを連通させる第2連通路
6cが第1連通路6aと並列に形成され、この第2連通
路6cにおけるシャフト5と反対側の端部に、球状の逆
止弁7が着離するテーパ状の第2弁座6dが形成されて
いる。
【0019】逆止弁7は、ガイド3のシート挿入穴3b
の端部側に圧入されたフィルタ8にて、第2弁座6dと
対向する位置に保持されている。また、ガイド3の大径
部の外周にも、連通穴3dを囲むようにしてフィルタ9
が配置されている。これらのフィルタ8、9により、流
体に混入した異物が電磁弁1内に入り込むことを防止す
るようになっている。
【0020】ガイド3の小径部の外周側は、スリーブ1
0に嵌入されている。このスリーブ10は非磁性体金属
(例えばステンレス)で形成され、一端が開口した筒状
部を有するコップ形状を成しており、その底面が略球形
状を成している。また、スリーブ10の底面側に磁性体
で構成された略円柱状のプランジャ11が配置されてい
る。このプランジャ11はスリーブ10内を摺動可能に
なっている。なお、プランジャ11はスリーブ10の底
面に接するようになっており、プランジャ11がスリー
ブ10の底面に接すると、プランジャ11の紙面上方向
への摺動が規制されるようになっている。
【0021】プランジャ11の外周面には、プランジャ
11の摺動方向と平行な縦溝11bが形成されており、
この縦溝を通じて流体が移動することで、プランジャ1
1が容易にスリーブ10内を摺動できるようになってい
る。また、プランジャ11の外周面には、プランジャ1
1の外周を一周する溝部11aが形成されており、この
溝部11aに円筒状部材12が配置されている。この円
筒状部材12は、プランジャ11の軸方向に沿って切断
した断面形状が略長方形状を成しており、径方向寸法が
薄肉、軸方向(プランジャ11の摺動方向)寸法が厚肉
とされ、長手方向がプランジャ11の摺動方向に沿うよ
うに構成されている。円筒状部材12は、例えば10×
10-5/℃以上という大きい線膨張係数を有した樹脂等
で構成され、その幅が例えば1mm以上(例えば3m
m)で構成されている。この円筒状部材12にはプラン
ジャ11の摺動方向と平行なオリフィス12cが備えら
れ、オリフィス12cによって連通路を流動する流体量
が規制されるようになっている。
【0022】そして、円筒状部材12及び溝部11a
は、プランジャ11の摺動方向におけるそれぞれの長さ
が、常温時には同等となり、低温時には円筒状部材12
の方が溝部11aよりも短くなるように構成されてい
る。具体的には、プランジャ11の摺動方向において円
筒状部材12と溝部11aとの間に形成される隙間量と
電磁弁1の応答時間との関係が図2に示す比例関係とな
ることが確認されているため、低温時に円筒状部材12
と溝部11aとの間に形成される隙間量が電磁弁1とし
て要求される応答時間に応じた隙間量と一致するよう
に、円筒状部材12と溝部11aとの長さが設定されて
いる。
【0023】なお、円筒状部材12には、オリフィス1
2cが形成された位置とは異なる位置に図示しないバイ
アスカット部(切り欠き部)が形成されており、バイア
スカット部で円筒状部材12を径方向に広げることで、
円筒状部材12が溝部11a内に嵌め込められるように
なっている。
【0024】シャフト5は、シャフト5とシートバルブ
6との間に配置されたスプリング13によってプランジ
ャ11側に付勢されており、シャフト5とプランジャ1
1とが常時当接して一体的に作動するようになってい
る。なお、これらのシャフト5とプランジャ11は後述
するコイル14への通電の有無に対応して移動する可動
部材を成すものである。
【0025】スリーブ10の周囲には、通電時に磁界を
形成するコイル14が収納された円筒状のスプール15
が配置されている。このスプール15は、樹脂(例えば
ナイロン)よりなり、一次成形後にコイル14を装着し
たのち二次成形を行うことで形成される。スプール15
の外周には磁性体からなる略コップ形状を成すヨーク1
6が形成され、このヨーク16に内にスプール15及び
コイル14が収容された状態となっている。このヨーク
16の底面の中央部には開口部が形成されており、この
開口部内にスリーブ10の底面側が嵌入されるようにな
っている。なお、コイル14からは図示しないターミナ
ルが引き出されており、このターミナルを介して外部か
らコイル14への通電が行えるようになっている。
【0026】なお、ヨーク16の入口側において、ヨー
ク16とガイド3の大径部との間にはリング状の位置決
め部材17が配置されており、ヨーク16とガイド3と
の位置決めが成されるようになっている。
【0027】次に、上記構成になる電磁弁1の作動を説
明する。上述したように、図1はコイル非通電時におけ
る電磁弁1の様子を示したものであり、この図に示され
るように、コイル非通電時にはスプリング13の弾性力
によってシャフト5及びプランジャ11がスリーブ10
の底面側に向かって付勢され、プランジャ11がスリー
ブ10の底面に接する。そして、シャフト5のボール5
aがシートバルブ6の第1弁座6bから離れた状態とな
り、管路Aは、第1連通路6a、ガイド3の空間3c、
及び連通穴3dを介して連通状態となる。従って、コイ
ル非通電時には電磁弁1は連通状態(開状態)になる。
【0028】一方、コイル通電時には、コイル14が磁
界を形成し、ガイド3、プランジャ11、ヨーク16及
びリング部材17により磁路が形成される。そして、磁
気吸引力によりプランジャ11がガイド3側に吸引さ
れ、シャフト5及びプランジャ11がスプリング13に
抗してシートバルブ6側に向かって移動される。これに
より、シャフト5のボール5aがシートバルブ6の第1
弁座6bに着座し、電磁弁1が遮断状態(閉状態)とさ
れる。
【0029】このような電磁弁1の開閉動作において、
常温時であれば、円筒状部材12とプランジャ11の溝
部11aとの摺動方向の隙間量がほぼ無い状態となって
いるため、円筒状部材12に形成されたオリフィス12
cの絞り効果により、プランジャ11の摺動速度が遅く
される。このため、電磁弁1による管路A(流路)の開
閉動作を遅くすることができ、流体の脈動低減効果を得
ることが可能となる。
【0030】また、低温時であれば、円筒状部材12と
プランジャ11の溝部11aとの間に隙間が形成される
ことから、低温によって常温時よりも流体の粘性抵抗が
大きくなっていてもプランジャ11の摺動が容易とな
り、電磁弁1による管路Aの開閉動作が所望の遅さとな
って、遅くなり過ぎないようにできる。このため、低温
時における応答性を改善することができる。
【0031】このように、本実施形態における電磁弁1
では、プランジャ11に溝部11aを設けると共に、溝
部11a内に円筒状部材12を配置し、プランジャ11
の摺動方向における円筒状部材12と溝部11aとの長
さの関係が常温時と低温時とで上記関係となるようにし
ている。このため、常温時にはオリフィス12cの絞り
効果によって電磁弁1による流路の開閉動作が所望の遅
さとなるようにでき、低温時には流体の粘性抵抗によっ
て電磁弁1による流路の開閉動作が遅くなり過ぎないよ
うにできる。これにより、常温時と低温時共に流体の脈
動低減効果を得ることができ、かつ低温時の応答性を改
善することが可能となる。
【0032】(第2実施形態)図3に、本発明の第2実
施形態における電磁弁1の断面構成を示す。本実施形態
は、第1実施形態に対して円筒状部材12を変更したも
のであり、その他の構成については第1実施形態と同様
であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0033】図3に示すように、本実施形態における電
磁弁1においては、円筒状部材12が第1、第2の円筒
状部材12a、12bから構成されている。これら第
1、第2の円筒状部材12a、12bは、異なる種類の
樹脂で構成されており、それぞれの線膨張係数が異なっ
ている。具体的には、スリーブ10の底面側に位置する
第1の円筒状部材12aは、例えば炭素繊維入りのテフ
ロン(登録商標)で構成され、スリーブ10の開口端側
に位置する第2の円筒状部材12bは、例えば純テフロ
ンで構成されている。このため、第1の円筒状部材12
aの方が第2の円筒状部材12bよりも線膨張係数が小
さくなっている。
【0034】円筒状部材12を線膨張係数の大きな材質
で構成した場合、低温時に円筒状部材12と溝部11a
との間の摺動方向の隙間量が大きくなるようにできる
が、その反面、スリーブ10内を摺動することによって
擦り減り、円筒状部材12とスリーブ10との間の充分
な摺動抵抗が得られなくなる可能性がある。
【0035】このため、本実施形態に示すように、線膨
張係数の異なる第1、第2の円筒状部材12a、12b
を組み合わせれば、線膨張係数が大きな第2の円筒状部
材12bによって低温時に円筒状部材12と溝部11a
との間に所望の隙間が形成されるようにでき、かつ、線
膨張係数が小さな第1の円筒状部材12aによって円筒
状部材12とスリーブ10との間の充分な摺動抵抗が得
られるようにできる。このようにしても、第1実施形態
と同様の効果を得ることができる。
【0036】(第3実施形態)図4に、本発明の第2実
施形態における電磁弁1の断面構成を示す。また、図5
に、図4に示す電磁弁1の部分拡大図を示す。本実施形
態は、従来に対してスリーブ10を変更したものであ
る。電磁弁1の基本構成については第1実施形態と同様
であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0037】図4、図5に示すように、本実施形態で
は、プランジャ11に形成した溝部11aの幅を狭く
し、第1、第2実施形態に示した円筒状部材12に代え
て、リング状部材20を配置している。このリング状部
材20にもオリフィス20aが形成されており、オリフ
ィス20aを通じてプランジャ11の縦溝が連通するよ
うになっている。また、スリーブ10の内壁面に段付き
部10aを設け、スリーブ10のうち底面側よりも開口
部側において内径が小さくなるようにしている。この段
付き部10aは、コイル非通電時には、リング状部材2
0が段付き部10aよりもスリーブ10の底面側に位置
し、コイル通電を行ったのち電磁弁1が流路を閉じる直
前およびコイル通電を止めたのち電磁弁1が管路Aを開
けてすぐの時には、リング状部材20が段付き部10a
よりもスリーブ10の開口部側に位置するような配置関
係で形成されている。すなわち、コイル通電時にはプラ
ンジャ11の摺動抵抗が2段階に変化し、管路Aの開閉
の瞬間にプランジャ11の摺動速度が遅くなるようにし
ている。
【0038】このような構成とすれば、コイル通電して
すぐの段階では、リング状部材20がスリーブ10の内
壁面から離れ、もしくはリング状部材20とスリーブ1
0との摺動抵抗が非常に小さくなって、プランジャ11
が容易にスリーブ10内を摺動する。そして、電磁弁1
が管路Aを閉じる直前の段階において、リング状部材2
0がスリーブ10の内径が小さくなる部分に接し、リン
グ状部材20とスリーブ10との摺動抵抗が大きくなっ
て、プランジャ11の摺動速度が遅くなる。
【0039】このため、常温時、低温時にかかわらず、
電磁弁1が管路Aを閉じる直前にのみプランジャ11の
摺動速度が遅くなるようにすることができるため、低温
時に流体の粘性抵抗が大きくなっても充分な応答性を得
ることが可能となる。このようにしても、第1実施形態
と同様の効果を得ることができる。
【0040】(他の実施形態)上記第1実施形態では、
線膨張係数の大きい材質のもので円筒状部材12を構成
しているが、必ずしも線膨張係数の大きい材質のもので
ある必要はなく、プランジャ11の摺動方向における円
筒状部材12の長さを調整することで、常温時と低温時
において、円筒部材と溝部11aとの摺動方向の隙間量
の関係が上述した関係となるようにすれば良い。
【0041】また、上記第2実施形態では、第1の円筒
状部材12aが線膨張係数の大きい材質、第2の円筒状
部材12bが線膨張係数の小さい材質となるようにして
いるが、逆であっても良い。さらに、上記第3実施形態
では、スリーブ10の内壁面に段付き形状部分を設ける
ことでプランジャ11の摺動抵抗が2段階に変化するよ
うにしているが、徐々に変化するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電磁弁1の全体
構成を示す図である。
【図2】摺動方向の隙間量と応答時間との関係を示した
図である。
【図3】本発明の第2実施形態における電磁弁1の全体
構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態における電磁弁1の全体
構成を示す図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】従来の電磁弁1の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1…電磁弁、2…ハウジング、3…ガイド、5…シャフ
ト、6…シートバルブ、7…逆止弁、8、9…フィル
タ、10…スリーブ、11…プランジャ、12…円筒状
部材、12a、12b…第1、第2の円筒状部材、13
…スプリング、14…コイル、15…ヨーク。
フロントページの続き (72)発明者 早川 秀幸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 矢吹 勇治 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 株式会 社アドヴィックス内 Fターム(参考) 3H106 DA07 DA12 DA23 DB02 DB12 DB22 DB32 DC04 DC17 DD05 EE06 GA20 GA25 KK22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状部及び底面を有し、一端側が開口部
    となったコップ形状で構成されたスリーブ(10)と、 前記スリーブの外周に備えられたコイル(14)と、 前記スリーブ内に収容され、前記コイルへの通電によ
    り、前記スリーブ内を摺動動作するプランジャ(11)
    と、 前記プランジャの摺動動作に伴って移動する弁体(5
    a)と、 前記弁体が離着する弁座(6b)を有すると共に、前記
    弁体が前記弁座に離着することによって開閉される連通
    路(6a)を有してなるシートバルブ(6)とを備えて
    なる電磁弁において、 前記プランジャの外周面には、該プランジャの外周を一
    周する溝部(11a)が備えられていると共に、該プラ
    ンジャの摺動方向における流体の移動を可能とするオリ
    フィス(12c)が備えられた円筒状部材(12)が前
    記溝部内に嵌め込まれており、 前記円筒状部材は、前記プランジャの軸方向に沿って切
    断された断面形状の長手方向が前記プランジャの摺動方
    向に沿った構成となっていることを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記円筒状部材は、線膨張係数が10×
    10-5/℃以上となっていることを特徴とする請求項1
    に記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記円筒状部材は、異なる材質からなる
    第1、第2の円筒状部材(12a、12b)によって構
    成され、前記第1の円筒状部材が前記スリーブの底面
    側、前記第2の円筒状部材が前記スリーブの開口部側に
    配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁
    弁。
  4. 【請求項4】 前記第1の円筒状部材と前記第2の円筒
    状部材のいずれか一方は、他方よりも線膨張係数が大き
    い材質で構成されていることを特徴とする請求項3に記
    載の電磁弁。
  5. 【請求項5】 筒状部及び底面を有し、一端側が開口部
    となったコップ形状で構成されたスリーブ(10)と、 前記スリーブの外周に備えられたコイル(14)と、 前記スリーブ内に収容され、前記コイルへの通電によ
    り、前記スリーブ内を摺動動作するプランジャ(11)
    と、 前記プランジャの摺動動作に伴って移動する弁体(5
    a)と、 前記弁体が離着する弁座(6b)を有すると共に、前記
    弁体が前記弁座に離着することによって開閉される連通
    路(6a)を有してなるシートバルブ(6)とを備えて
    なる電磁弁において、 前記プランジャの外周面には、該プランジャの外周を一
    周する溝部(11a)が備えられていると共に、該プラ
    ンジャの摺動方向における流体の移動を可能としたオリ
    フィス(20a)が備えられたリング状部材(20)が
    前記溝部内に嵌め込まれており、 前記スリーブの内壁面は、前記スリーブのうち前記底面
    側よりも前記開口部側の内径が小さくなっていることを
    特徴とする電磁弁。
  6. 【請求項6】 前記スリーブの内壁面には段付き部(1
    0a)が形成され、前記段付き部にて前記スリーブのう
    ち前記底面側よりも前記開口部側の内径が小さくされて
    いることを特徴とする請求項5に記載の電磁弁。
  7. 【請求項7】 前記段付き部は、前記コイルへの通電を
    行ったときに、前記弁体が前記弁座に着座するよりも前
    に、前記リング状部材が前記段付き部に接するように形
    成されていることを特徴とする請求項6に記載の電磁
    弁。
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