JPH084934A - 流体制御用電磁弁 - Google Patents

流体制御用電磁弁

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JPH084934A
JPH084934A JP13431894A JP13431894A JPH084934A JP H084934 A JPH084934 A JP H084934A JP 13431894 A JP13431894 A JP 13431894A JP 13431894 A JP13431894 A JP 13431894A JP H084934 A JPH084934 A JP H084934A
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JP
Japan
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valve
core
bearing
iron core
movable
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JP13431894A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Mitsuida
浩 三井田
Yoshihito Ooya
吉仁 大矢
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比例特性がよく、ヒステリシスが少なく、か
つ、これらが夾雑物によって悪化することがなく、小
型、経済的な流体制御用電磁弁を提供する。 【構成】 可動鉄心5を中央部で外径が最大となる形状
とし、その最大外径部で軸受け6に移動自在に支持す
る。また、軸受け6をヨーク7およびパイプ8の一端部
側にこれらと同軸となるように嵌合し、このパイプの他
端部内に固定鉄心4を軸受け6と同軸上に嵌合する。ま
た、ソレノイド部1と弁部21とを遮断するダイヤフラ
ム31を設ける。また、軸受け6を磁気回路の構成要素
として磁性材を含んで構成し、その軸受け6より可動鉄
心5に磁束を供給する。更に、弁部21の弁体をボール
26によって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体制御用電磁弁に関
する。たとえば、自動車の自動変速機などの用途に好適
な特性と、磁性摩耗粉などの夾雑物による不具合が起こ
りにくい機能とを備えた流体制御用電磁弁に関する。
【0002】
【背景技術】たとえば、自動車の自動変速機では、変速
時のショックを軽減する目的や、燃費を向上させる目的
でロックアップを行うために、油圧回路の圧力を調整す
る流体制御用電磁弁が用いられるようになってきてい
る。このような目的で用いられる流体制御用電磁弁に
は、主に、次のような点が要求されている。 電流に対する制御圧力の比例特性がよいこと。 電流を増加させたときと減少させたときとで、同一電
流値における制御圧力の差(ヒステリシス)が小さいこ
と。 流体中に混入する夾雑物などの影響を受けて、上記比
例特性やヒステリシスが経時変化しないこと。また、可
動部の固着など重大な故障形態を引き起こさないこと。 軽量で、かつ、コンパクトであること。 コストパフォーマンスの面から、部品点数が少なく、
かつ、組み立てが容易であること。
【0003】特に、自動車の自動変速機に用いられる流
体制御用電磁弁では、図7に示すように、圧力制御を安
定的に行うために、圧力制御電流範囲51の間でコイル
に通電する電流値に比例して圧力値が直線的に変化する
特性(比例特性)と、同一電流値でも電流を増加させて
その電流値に到達させた場合の圧力値と、電流を減少さ
せてその電流値に到達させた場合の圧力値との差52
(ヒステリシス)が小さいことが要求されている。ま
た、自動変速機内には、ギヤなどによる磁性摩耗粉が存
在するため、それらの摩耗粉がソレノイド部に付着し
て、圧力制御特性が変化しないことが要求されている。
【0004】従来、この種の流体制御用電磁弁として、
図8に示す構造(特開平3−24382号公報で開示さ
れた電磁弁)、あるいは、図9に示す構造が知られてい
る。 〔図8に示す流体制御用電磁弁の説明〕図8において、
61はコイル、62は磁気回路で、ケース63、ステー
タ64を有するカバープレート65、アーマチュア66
および周辺ガイド67により構成されている。前記アー
マチュア66は、スプリング68によりステータ64か
ら離れる方向(図8中下方)へ押圧されている。また、
流体を制御する弁部71は、ケーシング72、センター
ガイド73および弁スリーブ74により構成されてい
る。前記ケーシング72には、入口ポート75が形成さ
れている。なお、入口ポート75は、図示していない
が、その上流のオリフィスを通って油圧発生装置に接続
されている。前記センターガイド73には、ランド7
6,77や、前記入口ポート75と出力ポート78とを
連通する連絡通路79および弁シート80などがそれぞ
れ形成されている。
【0005】以上の構成において、コイル61に電流を
流さない状態では、アーマチュア66と一体となった弁
スリーブ74は、スプリング68により図8中下方へ押
圧され、弁シート80に着座している。従って、入口ポ
ート75と出力ポート78とは遮断されている。コイル
61に電流を流すと、そのコイル電流にほぼ比例した吸
引力がアーマチュア66とステータ64との間に発生す
る。この吸引力がスプリング68の押圧力よりも小さい
ときは、入口ポート75と出力ポート78とは遮断され
たままで電流値が増大していく。やがて、スプリング6
8の押圧力よりも大きくなると、アーマチュア66がス
テータ64側に吸引され、つまり、弁スリーブ74が図
8中上方へ移動され、吸引力とスプリング68の押圧力
とが釣り合った位置で停止される。弁スリーブ74の位
置は電流の増加に伴い上方へ移動するので、電流の増加
に伴い入口ポート75と出力ポート78との開口量が増
す結果、流体圧力が減少する。このような動作によっ
て、電流にほぼ比例して流体圧力が制御される。
【0006】〔図9に示す流体制御用電磁弁の説明〕図
9において、磁気回路91は、固定鉄心92を有するケ
ース93、可動鉄心94およびエンドプレート95を含
んで構成されている。前記ケース93内には、樹脂製の
ボビン96に巻回されたコイル97が収納されている。
前記可動鉄心94は、前記ボビン96の内周面側に挿入
固定された非磁性材からなるスリーブ98内に摺動自在
に収納され、かつ、出力軸99の一端側に固定されてい
る。出力軸99は、中間部で軸受け100に支持され、
かつ、他端側が制御弁部101に連結されている。制御
弁部101は、図示していないが、ケーシングと、前記
出力軸99と連結した流体制御弁とで構成されている。
以上の構成において、コイル97に通電すると、そのコ
イル電流にほぼ比例した吸引力が可動鉄心94と固定鉄
心92との間に働く。これにより、制御弁部101側の
復帰ばね(図示省略)のばね力に抗して出力軸99がC
方向へ移動され、吸引力と復帰ばね力とが釣り合った位
置で停止される。出力軸99と連結された流体制御弁
は、出力軸99とともに移動され、弁の開口量が変化さ
れる結果、流体圧力が制御される。このような動作によ
って、電流にほぼ比例して流体圧力が制御される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記図8および図9に
示す流体制御用電磁弁を、夾雑物が混入した流体の圧力
制御用電磁弁、たとえば、自動車の自動変速機の流体制
御用電磁弁として使用しようとした場合、次のような問
題があった。 〔図8に示す流体制御用電磁弁の問題〕図8に示す流体
制御用電磁弁では、弁スリーブ74と周辺ガイド67と
の間に隙間が存在するため、電磁弁が作動することによ
り開口する弁スリーブ74と弁シート80との隙間から
流出した流体の一部が、前記隙間を通ってアーマチュア
66と周辺ガイド67との隙間に流入する構造である。
一般に、自動車の自動変速機の作動油中には、ギヤなど
の磁性摩耗粉や組み立て時に混入した微粉などの磁性粉
が存在するため、コイル61に通電すると、アーマチュ
ア66と周辺ガイド67との間を通る磁束により、作動
油中に存在する磁性粉が吸引され付着する。そのため、
磁気回路の特性が変化し、電流圧力特性が変化を起こす
原因となっていた。また、付着する磁性粉が極度に多い
場合には、アーマチュア66と周辺ガイド67との間で
固着を起こしてしまうという問題があった。このほか
に、センターガイド73と弁スリーブ74の加工精度
が、夾雑物による固着や弁部の作動流体の漏れに影響す
るため、高精度な加工が必要であり、コストアップにつ
ながっていた。更に、小型、軽量化の面でも満足できる
ものではなかった。従って、前記およびの要
求を満足できないという問題があった。
【0008】〔図9に示す流体制御用電磁弁の問題〕図
9に示す流体制御用電磁弁では、可動鉄心94と出力軸
99の可動部が軸受け100による片持ち支持構造であ
るため、支持が不安定であること、可動鉄心94の外周
部がスリーブ98との間で擦れ合うため摩擦力が大き
く、電流の増加減少における制御圧力値のヒステリシス
が大きいという問題があった。また、流体中の夾雑物が
出力軸99と軸受け100の隙間から侵入し、作動特性
を悪化させたり、支持が不安定であるため、可動鉄心9
4とスリーブ98が擦れ合い磁性摩耗粉が発生し、その
磁性粉が可動鉄心94と固定鉄心92の間に付着し、特
性を変化させる問題もあった。更に、小型化、経済的な
面でも満足できるものではなかった。従って、前記
およびの要求を満足できないという問題があっ
た。
【0009】ここに、本発明の目的は、上述した従来の
構造に起因する問題を解消し、前記〜の要求に応え
られる流体制御用電磁弁を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性体からな
るケーシングに外周部を囲まれた筒形励磁コイルの中心
孔に、固定鉄心、可動鉄心および前記可動鉄心を移動自
在に支持する軸受けを収納したソレノイド部と、前記可
動鉄心の移動に伴って流体導入通路を開閉する弁部とを
備えた流体制御用電磁弁において、前記および
の要求を達成するために、前記可動鉄心は、ほぼ中央部
で外径が最大となる形状を有し、かつ、その最大外径部
で前記軸受けに移動自在に支持され、前記軸受けは前記
ケーシングに保持されたヨークおよび非磁性材からなる
パイプの一端部側にこれらと同軸となるように嵌合され
ているとともに、前記固定鉄心は前記パイプの他端部内
に前記軸受けと同軸上に嵌合され、前記可動鉄心と前記
ケーシングとの間には前記ソレノイド部と前記弁部とを
遮断し、かつ、可動鉄心の移動を許容するダイヤフラム
が設けられ、前記軸受けは、前記可動鉄心に磁束を供給
する磁気回路の一部を形成する磁性材を含む構成として
いる。
【0011】また、本発明は、前記構成において、前記
の要求を確保するために、前記軸受けは、前記可
動鉄心に磁束を供給する磁気回路の一部を形成する磁性
材からなる外層部と、この外層部の内周面に設けられた
非磁性材からなる内層部とからなる構成、あるいは、前
記可動鉄心の最大外径部には非磁性層が設けられた構成
としている。また、本発明は、前記構成において、前記
の要求を確保するために、前記可動鉄心、ダイヤ
フラムおよびヨークで仕切られた室内の流体と、前記固
定鉄心、可動鉄心およびパイプで仕切られた室内の流体
とが、前記可動鉄心の移動に応じて、相互に移動可能、
かつ、前記ソレノイド部の外部と連通可能な通路を備え
た構成としている。また、本発明は、前記構成におい
て、前記の要求を達成するために、前記弁部は、ボー
ルからなる弁体を含む構成としている。
【0012】
【作用】本発明では、磁性体からなるケーシングに外周
部を囲まれた筒形コイルの中心孔に、固定鉄心、可動鉄
心および前記可動鉄心を移動自在に支持する軸受けを収
納したソレノイド部と、前記可動鉄心の移動に伴って流
体導入通路を開閉する弁部とを備えた流体制御用電磁弁
において、可動鉄心を、ほぼ中央部で外径が最大となる
形状とし、かつ、その最大外径部で軸受けに移動自在に
支持した構成としているから、可動鉄心の移動バランス
が保たれ、摩擦力が軽減される。また、軸受けをケーシ
ングに保持されたヨークおよび非磁性材からなるパイプ
の一端部側にこれらと同軸となるように嵌合するととも
に、固定鉄心をパイプの他端部内に軸受けと同軸上に嵌
合した構成としているから、可動鉄心と固定鉄心との軸
心を互いに一致させることができる。ちなみに、可動鉄
心と固定鉄心との軸心にずれがあると、可動鉄心に半径
方向の力(電磁的半径方向力)が発生し、比例特性やヒ
ステリシスを悪化させるが、前記構造によってこの点も
解消できる。また、可動鉄心とケーシングとの間にはソ
レノイド部と弁部とを遮断し、かつ、可動鉄心の移動を
許容するダイヤフラムを設けた構成としているから、流
体の入れ替わりの多い弁部からソレノイド部が隔離され
るため、流体中に混入している夾雑物がソレノイド部に
侵入することがなく、比例特性やヒステリシスの経時変
化が少ない。また、軸受けを磁気回路の一部として磁性
材を含んで構成しているから、つまり、その軸受けより
可動鉄心に磁束を供給する構造としているか、可動鉄心
への磁束供給面積を増やすことができ、その結果、固定
鉄心と可動鉄心との吸引力を増すことができるから、電
磁弁の小型化がはかれる。従って、これらから前記
およびの要求を達成できる。
【0013】ここで、軸受けより可動鉄心に磁束を供給
する構造の場合、軸受けと可動鉄心の軸心のずれによ
り、可動鉄心が半径方向に強く当たるために摩擦力が増
加し、比例特性やヒステリシスを悪化させるという問題
がある。とりわけ、この電磁的半径方向力は偏心率(軸
心の偏心量を軸受け内径と可動鉄心外径の半径差で割っ
た値)が0.7を超えると指数的に増大する。そこで、
これに対しては、軸受けの外層部を磁気回路の一部とし
て磁性材から構成し、軸受けの内層部を非磁性材で構成
し、特に、内層部の厚さを少なくとも偏心率が0.7以
下とすれば、軸受けと可動鉄心の軸心のずれにより発生
する前記電磁的半径方向力を軽減することができる。あ
るいは、可動鉄心の最大外径部には非磁性層を設ける構
成としても、前記電磁的半径方向力を軽減することがで
きる。従って、軸受けより可動鉄心に磁束を供給する構
造における不具合を解消し、前記およびの要求を
確保できる。
【0014】また、可動鉄心、ダイヤフラムおよびヨー
クで仕切られた室内の流体と、固定鉄心、可動鉄心およ
びパイプで仕切られた室内の流体とが、相互に移動可
能、かつ、ソレノイド部の外部と連通可能な通路を備え
る構成とすれば、各室内の流体は相互に、かつ、ソレノ
イド部の外部へ移動できるから、可動鉄心の移動が阻害
されることがない。よって、可動鉄心の円滑な動作が確
保されるから、応答性を向上させることができ、前記
およびの要求を確保できる。
【0015】また、弁部を、ボールからなる弁体を含ん
で構成すれば、ボールの調心効果により弁部と可動鉄心
との軸心を合わせる必要がなくなり(一般に、弁体と可
動鉄心とが一体となっていると、シール性を確保するた
めに弁部のシートと弁体の軸心を合わせる必要があ
る。)、加工精度をゆるくすることができ、結果的に安
価に製造できる。従って、これにより前記の要求を達
成できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明にかかる流体制御用電磁弁の一
実施例を図を参照しながら詳細に説明する。本実施例の
電磁弁は、自動車の自動変速機の圧力制御に用いられる
もので、弁体にはシール性に優れたボール弁方式を採用
している。同電磁弁は、図1に示す如く、ソレノイド部
1と、弁部21と、前記ソレノイド部1と弁部21とを
遮断するダイヤフラム31とから構成されている。
【0017】前記ソレノイド部1は、円筒形の励磁コイ
ル2と、軟磁性体からなるケーシング3と、固定鉄心4
と、可動鉄心5と、軸受け6と、ヨーク7と、非磁性材
からなるパイプ8と、前記固定鉄心4および前記可動鉄
心5の間の磁気ギャップを形成する非磁性材からなるス
ペーサ9と、調整ねじ10と、スプリング11とを含ん
で構成されている。ここで、ケーシング3、固定鉄心
4、可動鉄心5、軸受け6およびヨーク7により磁気回
路12が形成されている。
【0018】前記励磁コイル2は、ボビン2Aに巻回さ
れ、かつ、中心に中心孔2Bを有する。中心孔2Bに
は、前記パイプ8が挿入されている。パイプ8の一端部
(下端部)側および前記ヨーク7の内周面には前記軸受
け6がこれらと同軸となるように嵌合され、このパイプ
8の他端部(上端部)内には前記固定鉄心4が前記軸受
け6と同軸上に嵌合されている。
【0019】前記軸受け6は、図2に示すように、外層
部6Aと、この外層部6Aの内周面に設けられた内層部
6Bとから構成されている。内層部6Bは、非磁性材と
してテフロンを主成分とした潤滑材を含浸させた焼結銅
合金層によって形成され、前記可動鉄心5を軸方向へ低
摩擦力で摺動自在に支持している。外層部6Aは、軟鋼
などの磁性材で形成され、可動鉄心5に磁束を供給する
磁気回路の一部を兼ねている。これにより、軸受け6の
外層部6Aから可動鉄心5に磁束を供給する構造である
ため、磁束供給面積を広くとることができ、同一形状で
あればより多くのソレノイド作動力(吸引力)を発生さ
せることができる。本実施例では、軸受け6として容易
に入手可能な軸受け用ブッシュを使用している。内層部
6Bの厚さは約0.3mm、可動鉄心5の外径と軸受け
6の内径との隙間は直径差で0.02〜0.05mm、
偏心率は0.07〜0.17である。
【0020】前記可動鉄心5は、ほぼ中央部で外径が最
大となる形状に形成されている。具体的には、図3に示
すように、軸方向の端部5A,5Bの外径寸法に対して
中央部5Cの外径寸法が約1.7倍の大きさに形成さ
れ、その最大外径部である中央部5Cが前記軸受け6に
移動自在に支持されている。端部5Aには、前記スプリ
ング11の押圧力(前記調整ねじ10によって調整可
能)が加わっている。端部5Bには、前記ダイヤフラム
31を保持する環状溝5Dが形成されている。なお、可
動鉄心5については、軸受け6との摺動特性や、後述す
る弁部21のボール26との接触部での耐摩耗性を向上
させる目的で、窒化などの表面硬化処理や硬質層をコー
ティングすると、耐久性を更に向上させることができ
る。
【0021】前記弁部21は、前記ケーシング3に形成
された流体導入通路22および流体排出通路23,24
と、この流体導入通路22および流体排出通路23,2
4の間に形成された弁座25と、この弁座25を開閉す
る弁体としてのボール26とを含み、前記可動鉄心5の
移動に伴って流体導入通路22を開閉する構造に形成さ
れている。ボール26と接する可動鉄心5の接触部は、
平面でもよいが、調心性を向上させるために内部に窪ん
だ円錐面状(コーン面状)にしてもよい(図3参照)。
【0022】前記ダイヤフラム31は、可動鉄心5の移
動を許容できる所定の変形が可能で、かつ、低温時でも
弾性がほとんど変化しない耐油性のゴム、たとえば、フ
ロロシリコンゴムにて作られている。図4に示すよう
に、ダイヤフラム31の中央部には孔31Aが形成さ
れ、その孔31Aが前記可動鉄心5の環状溝5Dにシー
ル性を有するように装着されている。また、ダイヤフラ
ム31の外周縁部31Bは、前記ケーシング内側端面段
付部3Aと前記ヨーク7との間に挟まれシール性を有す
るように固定されている(図5参照)。
【0023】なお、前記ソレノイド部1には、図5に示
すように、前記可動鉄心5、ダイヤフラム31およびヨ
ーク7で仕切られた室41内の流体と、前記固定鉄心
4、可動鉄心5およびパイプ8で仕切られた室42内の
流体とが、前記可動鉄心5の移動に応じて、相互に移動
可能、かつ、前記ソレノイド部1の外部と連通可能な通
路43,44が形成されている。具体的には、前記ヨー
ク7に前記室41とパイプ8の外側とを連通する通路4
3が、前記パイプ8に前記室42をパイプ8の外側に連
通する通路44がそれぞれ形成されている。パイプ8の
外側と励磁コイル2の内周側との隙間45は、図示され
ていないが、ソレノイド部1の外部と連通されている。
【0024】次に、本実施例の作用を説明する。励磁コ
イル2に電流を流さない状態では、スプリング11の押
圧力によりボール26が弁座25に押し付けられ、流体
導入通路22を閉じている。励磁コイル2に電流を流す
と、その電流にほぼ比例した吸引力が固定鉄心4と可動
鉄心5との間に発生する。この吸引力がスプリング11
の押圧力よりも大きくなると、可動鉄心5がスプリング
11の押圧力に抗して固定鉄心4側に吸引される。この
とき、室41(可動鉄心5、ダイヤフラム31およびヨ
ーク7で仕切られた室)と、室42(固定鉄心4、可動
鉄心5およびパイプ8で仕切られた室)は微小な体積変
化を起こすが、各室41,42は通路43,44を通じ
て外部に連通しているから、可動鉄心5の円滑な移動が
妨げられることがない。しかも、その際の体積変化も微
小であるから、各室41,42内での流体の移動量や入
れ替わり量も少ないので、外部の夾雑物がソレノイド部
1内に持ち込まれにくい。
【0025】可動鉄心5が固定鉄心4側に移動すると、
ボール26を弁座25に押し付けていた力が働かなくな
るため、ボール26は流体導入通路22に供給された流
体圧力により弁座25から離れ、流体導入通路22が開
かれる。このとき、流体導入通路22の開き量は、可動
鉄心5と固定鉄心4との間の吸引力と、スプリング11
の押圧力と、ボール26に作用する流体力の釣り合った
位置であり、おおむね電流に比例して大きくなる。流体
導入通路22の上流にはオリフィス(図示省略)が設け
られているため、流体導入通路22の開き量が大きくな
ると流体導入通路22内の流体圧力は減少し、逆に、流
体導入通路22の開き量が小さくなると流体導入通路2
2内の流体圧力は上昇する。このようにして、励磁コイ
ル2に流す電流の強弱にほぼ比例して流体圧が制御され
る。
【0026】本実施例によれば、可動鉄心5とケーシン
グ3との間にソレノイド部1と弁部21とを遮断し、か
つ、可動鉄心5の移動を許容するダイヤフラム31を設
けたので、作動油の入れ替わりの多い弁部21からソレ
ノイド部1が遮断されるため、作動油中に混入している
磁性粉がソレノイド部1に侵入することがなく、比例特
性やヒステリシスの経時変化が少ない。しかも、ダイヤ
フラム31の孔31Aを可動鉄心5の環状溝5Dに装着
し、外周縁部31Bをケーシング内側端面段付部3Aと
ヨーク7との間に挟み込んで固定するようにしたので、
確実にシールできる。
【0027】また、可動鉄心5を、ほぼ中央部5Cで外
径が最大となる形状(端部5A,5Bに対して約1.7
倍の直径)とし、かつ、その最大外径部で軸受け6に移
動自在に支持したので、可動鉄心5の移動バランスが保
たれ、摩擦力を軽減できる。しかも、可動鉄心5を支持
した軸受け6をケーシング3に保持されたヨーク7およ
びパイプ8の一端部側にこれらと同軸となるように嵌合
し、そのパイプ8の他端部内に固定鉄心4を軸受け6と
同軸上に嵌合したので、可動鉄心5と固定鉄心4との軸
心を互いに一致させることができる。これにより、可動
鉄心5と固定鉄心4との軸心にずれがないから、比例特
性やヒステリシスを悪化させることがない。
【0028】また、可動鉄心5、ダイヤフラム31およ
びヨーク7で仕切られた室41内の流体と、固定鉄心
4、可動鉄心5およびパイプ8で仕切られた室42内の
流体とが、相互に移動可能、かつ、ソレノイド部1の外
部と移動可能な通路43,44を備える構成としたか
ら、各室41,42内の流体は相互に、かつ、ソレノイ
ド部1の外部に移動できるから、可動鉄心5の移動が阻
害されることがない。よって、可動鉄心5の円滑な動作
を確保できるから、応答性を向上させることができる。
しかも、その際の各室41,42内の体積変化も微小で
あるから、外部の夾雑物がソレノイド部1内に持ち込ま
れにくい構造にできる。
【0029】また、軸受け6を、軟鋼からなる外層部6
Aと、非磁性材としてテフロンを主成分とした潤滑材を
含浸させた焼結銅合金層からなる内層部6Bとから構成
したから、可動鉄心5を軸方向へ低摩擦力で移動自在に
支持することができるとともに、外層部6Aより可動鉄
心5に磁束を供給する構造にできる。この構造により、
可動鉄心5への磁束供給面積を増やすことができ、その
結果、固定鉄心4と可動鉄心5との吸引力を増すことが
できるから、電磁弁の小型化がはかれる。しかも、内層
部6Bを厚さを約0.3mm、少なくとも偏心率が0.
07〜0.17としたから、軸受け6と可動鉄心5の軸
心のずれにより発生する電磁的半径方向力を軽減するこ
とができる。
【0030】また、弁部21を、ボール26からなる弁
体を含んで構成しているから、ボール26の調心効果に
より弁部21と可動鉄心5との軸心を合わせる必要がな
くなり加工精度をゆるくすることができ、結果的に安価
に製造できる。
【0031】なお、上記実施例では、軸受け6を、可動
鉄心5に磁束を供給する磁気回路の一部を形成する磁性
材からなる外層部6Aと、この外層部6Aの内周面に設
けられた非磁性材からなる内層部6Bとから構成した
が、全体を磁性材から構成してもよい。この場合、図6
に示すように、前記可動鉄心5の最大外径部である中央
部5Cに非磁性層5Eを形成すれば、同様な効果が期待
できる。非磁性層5Eの形成方法としては、肉厚約0.
3mmのテフロン製熱収縮チューブを中央部5Cに装着
する方法、あるいは、テフロンコーティングや非磁性金
属のメッキなどの方法でもよい。ちなみに、肉厚約0.
3mmのテフロン製熱収縮チューブを用いた場合、その
チューブ外径と軸受け6の内径との隙間は直径差で0.
02〜0.05mm、偏心率0.07〜0.17が好ま
しい。
【0032】また、上記実施例では、自動車の自動変速
機に用いられる流体制御用電磁弁について説明したが、
本発明は、これに限らず、特に夾雑物が混入した流体の
圧力制御用電磁弁として他の用途にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上の通り、本発明の流体制御用電磁弁
によれば、可動鉄心の円滑な動作を確保しているから、
比例特性がよく、ヒステリシスも小さくできる。また、
流体中に混入する磁性粉などの夾雑物の影響によって、
比例特性やヒステリシスが使用中に悪化することがな
く、ソレノイド部の固着による作動不良もなくすことが
できる。また、軽量で、かつ、コンパクトにできるとと
もに、経済的にも安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体制御用電磁弁にかかる一実施例を
示す全体の断面図である。
【図2】同上実施例における軸受けの構造を示す断面図
である。
【図3】同上実施例における可動鉄心の構造の一例を示
す図である。
【図4】同上実施例におけるダイヤフラムを示す断面図
である。
【図5】同上実施例におけるソレノイド部内に形成され
る室が外部と連通する通路を示す断面図である。
【図6】可動鉄心の異なる例を示す図である。
【図7】電磁弁において、コイル電流値と流体圧力値と
の関係を示す図である。
【図8】従来の流体制御用電磁弁の一例を示す図であ
る。
【図9】従来の流体制御用電磁弁の他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ソレノイド部 2 励磁コイル 3 ケーシング 4 固定鉄心 5 可動鉄心 6 軸受け 7 ヨーク 8 パイプ 12 磁気回路 21 弁部 26 ボール 31 ダイヤフラム 41,42 室 43,44 通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体からなるケーシングに外周部を囲
    まれた筒形励磁コイルの中心孔に、固定鉄心、可動鉄心
    および前記可動鉄心を移動自在に支持する軸受けを収納
    したソレノイド部と、前記可動鉄心の移動に伴って流体
    導入通路を開閉する弁部とを備えた流体制御用電磁弁に
    おいて、 前記可動鉄心は、ほぼ中央部で外径が最大となる形状を
    有し、かつ、その最大外径部で前記軸受けに移動自在に
    支持され、 前記軸受けは前記ケーシングに保持されたヨークおよび
    非磁性材からなるパイプの一端部側にこれらと同軸とな
    るように嵌合されているとともに、前記固定鉄心は前記
    パイプの他端部内に前記軸受けと同軸上に嵌合され、 前記可動鉄心と前記ケーシングとの間には前記ソレノイ
    ド部と前記弁部とを遮断し、かつ、可動鉄心の移動を許
    容するダイヤフラムが設けられ、 前記軸受けは、前記可動鉄心に磁束を供給する磁気回路
    の一部を形成する磁性材を含んで構成されていることを
    特徴とする流体制御用電磁弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流体制御用電磁弁にお
    いて、前記軸受けは、前記可動鉄心に磁束を供給する磁
    気回路の一部を形成する磁性材からなる外層部と、この
    外層部の内周面に設けられた非磁性材からなる内層部と
    から構成されていることを特徴とする流体制御用電磁
    弁。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の流体制御用電磁弁にお
    いて、前記可動鉄心の最大外径部には非磁性層が設けら
    れていることを特徴とする流体制御用電磁弁。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    流体制御用電磁弁において、前記可動鉄心、ダイヤフラ
    ムおよびヨークで仕切られた室内の流体と、前記固定鉄
    心、可動鉄心およびパイプで仕切られた室内の流体と
    が、前記可動鉄心の移動に応じて、相互に移動可能、か
    つ、前記ソレノイド部の外部と連通可能な通路を備えて
    いることを特徴とする流体制御用電磁弁。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    流体制御用電磁弁において、前記弁部は、ボールからな
    る弁体を含んで構成されていることを特徴とする流体制
    御用電磁弁。
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