JP4151335B2 - 電磁弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルへの通電によって流路の開閉が制御される電磁弁に関するもので、例えば車両用ブレーキ装置に備えられるABSアクチュエータの管路中に設けられるブレーキ液圧制御弁に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
図6に、従来の電磁弁の断面構成を示す。この電磁弁J1は、コイルJ2に対して通電を行っていない時には、スプリングJ3の弾性力によってプランジャJ4が付勢され、プランジャJ4と共に移動するシャフトJ5の先端に備えられたボールJ6がシートバルブJ7の弁座J8から離れているため、管路Aが開状態となる。また、コイルJ2に対して通電を行った時には、スプリングJ3の弾性力に抗してプランジャJ4が付勢され、プランジャJ4の先端に備えられたボールJ6がシートバルブJ7の弁座J8に着座するため、流路Aが閉状態となる。そして、プランジャJ4の外周面には、プランジャJ4の摺動方向と平行な縦溝J11が形成されており、この縦溝を通じて流体が移動することで、プランジャJ4が容易に摺動できるようになっている。
【0003】
このような電磁弁J1においては、管路Aの開閉動作を速く行うと、流体の脈動が大きくなり、騒音発生等の問題が生じる。このため、プランジャJ4の外周に溝部J9を設けると共に、溝部J9内に樹脂からなるリング状部材J10を配置し、そのリング状部材J10にオリフィスJ12(流体絞り)を設けることで、プランジャJ4の摺動速度を遅くし、流体の脈動低減効果が得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、脈動低減効果を狙ってプランジャJ4の摺動速度を遅くすると、低温時に、流体の流動抵抗(粘性抵抗)が大きくなるためにプランジャJ4の摺動速度が常温時に比べて大幅に遅くなり、要求される弁機能が得られなくなるという問題がある。例えば、電磁弁J1を車両用ブレーキ装置に備えられるABSアクチュエータに適用する場合、電磁弁J1による管路Aの開閉速度が遅くなることによってABS性能(応答性)が充分に満たされなくなる可能性がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、電磁弁における低温時の応答性を改善することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、プランジャ(11)の外周面には、該プランジャの外周を一周する溝部(11a)が備えられていると共に、該プランジャの摺動方向における流体の移動を可能としたオリフィス(12c)が備えられた円筒状部材(12)が溝部内に嵌め込まれており、円筒状部材は、プランジャの軸方向に沿って切断された断面形状の長手方向がプランジャの摺動方向に沿った構成となっており、円筒状部材及び溝部は、プランジャの摺動方向におけるそれぞれの長さが、常温時には同等であるとともに、低温時には円筒状部材の方が溝部よりも短くなって両者間にプランジャの摺動方向の隙間が形成されるように構成されていることを特徴としている。
【0007】
このような電磁弁においては、常温時であれば、円筒状部材とプランジャの溝部との摺動方向の隙間量がほぼ無い状態となっているため、円筒状部材に形成されたオリフィスの絞り効果により、プランジャの摺動速度が遅くされる。このため、電磁弁による流路の開閉動作を遅くすることができ、流体の脈動低減効果を得ることが可能となる。
【0008】
また、低温時であれば線膨張の影響で円筒状部材とプランジャの溝部と間に摺動方向の隙間が形成されることから、低温によって常温時よりも流体の粘性抵抗が大きくなっていてもプランジャの摺動が容易となり、電磁弁による流路の開閉動作が所望の遅さとなり、遅くなり過ぎないようにできる。このため、低温時における応答性を改善することができる。これにより、常温時と低温時共に流体の脈動低減効果を得ることができ、かつ低温時の応答性を改善することが可能となる。
【0009】
例えば、請求項2に示すように、円筒状部材の線膨張係数を10×10-5/℃以上とするのが好ましい。また、請求項3に示すように、円筒状部材を異なる材質からなる第1、第2の円筒状部材(12a、12b)によって構成さすることもできる。この場合、請求項4に示すように、第1の円筒状部材と第2の円筒状部材のいずれか一方が他方よりも線膨張係数が大きい材質で構成されるようにする。
【0010】
請求項5に記載の発明では、プランジャ(11)の外周面には、該プランジャの外周を一周する溝部(11a)が備えられていると共に、該プランジャの摺動方向における流体の移動を可能としたオリフィス(20a)が備えられたリング状部材(20)が溝部内に嵌め込まれており、スリーブの内壁面には段付き部(10a)が形成され、段付き部にてスリーブのうち底面側よりも開口部側の内径が小さくされており、段付き部は、コイルへの通電を行ったときに、弁体が弁座に着座するよりも前に、リング状部材が段付き部に接するように形成されていることを特徴としている。
【0011】
このように、スリーブのうち底面側よりも開口部側の内径が小さくなるようにすることで、弁体が弁座に着座するときにのみプランジャの摺動速度が遅くなるようにすることができる。このため、常温時、低温時にかかわらず、電磁弁が流路を閉じる直前にのみプランジャの摺動速度が遅くなるようにすることができるため、低温時に流体の粘性抵抗が大きくなっても充分な応答性を得ることが可能となる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態である電磁弁1の断面構成を示す。この電磁弁1は、例えばABSアクチュエータのハウジング2に形成されたブレーキ液の管路A中に配設されるもので、図1は、通常ブレーキ時、つまりコイル非通電時の様子を示したものである。
【0015】
図1に示されるように、電磁弁1には、磁性体にて形成されたガイド3が備えられている。このガイド3は、段付円柱状に形成され、ガイド3の大径部側がABSアクチュエータのハウジング2の凹部4内に嵌入されるようになっている。そして、凹部4の開口端近傍をかしめることで、ハウジング2の一部をガイド3に備えられた窪み内に入り込ませ、ガイド3をハウジング2に固定するようになっている。
【0016】
ガイド3には、小径部側に位置してシャフト5を摺動自在に保持するガイド穴3a、大径部側に位置してシートバルブ6が圧入されるシート挿入穴3b、さらには、シートバルブ6とシート挿入穴3bとで囲まれた空間3cをハウジング2内に形成された管路Aと連通させる連通穴3dが形成されている。
【0017】
シャフト5は、非磁性体金属(例えばステンレス)で形成されている。このシャフト5は、円柱形状で構成され、シートバルブ6側の端部がガイド3のガイド穴3aから突き出て空間3cに延びており、その先端にボール(弁体)5aが溶接されている。
【0018】
シートバルブ6は円柱状を成し、その径方向中心部にガイド3内の空間3cとハウジング2に形成された管路Aとを連通させる第1連通路6aが形成され、この第1連通路6aにおける空間3c側の端部に、シャフト5のボール5aが着離するテーパ状の第1弁座6bが形成されている。また、シートバルブ6には、ガイド3内の空間3cと管路Aとを連通させる第2連通路6cが第1連通路6aと並列に形成され、この第2連通路6cにおけるシャフト5と反対側の端部に、球状の逆止弁7が着離するテーパ状の第2弁座6dが形成されている。
【0019】
逆止弁7は、ガイド3のシート挿入穴3bの端部側に圧入されたフィルタ8にて、第2弁座6dと対向する位置に保持されている。また、ガイド3の大径部の外周にも、連通穴3dを囲むようにしてフィルタ9が配置されている。これらのフィルタ8、9により、流体に混入した異物が電磁弁1内に入り込むことを防止するようになっている。
【0020】
ガイド3の小径部の外周側は、スリーブ10に嵌入されている。このスリーブ10は非磁性体金属(例えばステンレス)で形成され、一端が開口した筒状部を有するコップ形状を成しており、その底面が略球形状を成している。また、スリーブ10の底面側に磁性体で構成された略円柱状のプランジャ11が配置されている。このプランジャ11はスリーブ10内を摺動可能になっている。なお、プランジャ11はスリーブ10の底面に接するようになっており、プランジャ11がスリーブ10の底面に接すると、プランジャ11の紙面上方向への摺動が規制されるようになっている。
【0021】
プランジャ11の外周面には、プランジャ11の摺動方向と平行な縦溝11bが形成されており、この縦溝を通じて流体が移動することで、プランジャ11が容易にスリーブ10内を摺動できるようになっている。また、プランジャ11の外周面には、プランジャ11の外周を一周する溝部11aが形成されており、この溝部11aに円筒状部材12が配置されている。この円筒状部材12は、プランジャ11の軸方向に沿って切断した断面形状が略長方形状を成しており、径方向寸法が薄肉、軸方向(プランジャ11の摺動方向)寸法が厚肉とされ、長手方向がプランジャ11の摺動方向に沿うように構成されている。円筒状部材12は、例えば10×10-5/℃以上という大きい線膨張係数を有した樹脂等で構成され、その幅が例えば1mm以上(例えば3mm)で構成されている。この円筒状部材12にはプランジャ11の摺動方向と平行なオリフィス12cが備えられ、オリフィス12cによって連通路を流動する流体量が規制されるようになっている。
【0022】
そして、円筒状部材12及び溝部11aは、プランジャ11の摺動方向におけるそれぞれの長さが、常温時には同等となり、低温時には円筒状部材12の方が溝部11aよりも短くなるように構成されている。具体的には、プランジャ11の摺動方向において円筒状部材12と溝部11aとの間に形成される隙間量と電磁弁1の応答時間との関係が図2に示す比例関係となることが確認されているため、低温時に円筒状部材12と溝部11aとの間に形成される隙間量が電磁弁1として要求される応答時間に応じた隙間量と一致するように、円筒状部材12と溝部11aとの長さが設定されている。
【0023】
なお、円筒状部材12には、オリフィス12cが形成された位置とは異なる位置に図示しないバイアスカット部(切り欠き部)が形成されており、バイアスカット部で円筒状部材12を径方向に広げることで、円筒状部材12が溝部11a内に嵌め込められるようになっている。
【0024】
シャフト5は、シャフト5とシートバルブ6との間に配置されたスプリング13によってプランジャ11側に付勢されており、シャフト5とプランジャ11とが常時当接して一体的に作動するようになっている。なお、これらのシャフト5とプランジャ11は後述するコイル14への通電の有無に対応して移動する可動部材を成すものである。
【0025】
スリーブ10の周囲には、通電時に磁界を形成するコイル14が収納された円筒状のスプール15が配置されている。このスプール15は、樹脂(例えばナイロン)よりなり、一次成形後にコイル14を装着したのち二次成形を行うことで形成される。スプール15の外周には磁性体からなる略コップ形状を成すヨーク16が形成され、このヨーク16に内にスプール15及びコイル14が収容された状態となっている。このヨーク16の底面の中央部には開口部が形成されており、この開口部内にスリーブ10の底面側が嵌入されるようになっている。なお、コイル14からは図示しないターミナルが引き出されており、このターミナルを介して外部からコイル14への通電が行えるようになっている。
【0026】
なお、ヨーク16の入口側において、ヨーク16とガイド3の大径部との間にはリング状の位置決め部材17が配置されており、ヨーク16とガイド3との位置決めが成されるようになっている。
【0027】
次に、上記構成になる電磁弁1の作動を説明する。上述したように、図1はコイル非通電時における電磁弁1の様子を示したものであり、この図に示されるように、コイル非通電時にはスプリング13の弾性力によってシャフト5及びプランジャ11がスリーブ10の底面側に向かって付勢され、プランジャ11がスリーブ10の底面に接する。そして、シャフト5のボール5aがシートバルブ6の第1弁座6bから離れた状態となり、管路Aは、第1連通路6a、ガイド3の空間3c、及び連通穴3dを介して連通状態となる。従って、コイル非通電時には電磁弁1は連通状態(開状態)になる。
【0028】
一方、コイル通電時には、コイル14が磁界を形成し、ガイド3、プランジャ11、ヨーク16及びリング部材17により磁路が形成される。そして、磁気吸引力によりプランジャ11がガイド3側に吸引され、シャフト5及びプランジャ11がスプリング13に抗してシートバルブ6側に向かって移動される。これにより、シャフト5のボール5aがシートバルブ6の第1弁座6bに着座し、電磁弁1が遮断状態(閉状態)とされる。
【0029】
このような電磁弁1の開閉動作において、常温時であれば、円筒状部材12とプランジャ11の溝部11aとの摺動方向の隙間量がほぼ無い状態となっているため、円筒状部材12に形成されたオリフィス12cの絞り効果により、プランジャ11の摺動速度が遅くされる。このため、電磁弁1による管路A(流路)の開閉動作を遅くすることができ、流体の脈動低減効果を得ることが可能となる。
【0030】
また、低温時であれば、円筒状部材12とプランジャ11の溝部11aとの間に隙間が形成されることから、低温によって常温時よりも流体の粘性抵抗が大きくなっていてもプランジャ11の摺動が容易となり、電磁弁1による管路Aの開閉動作が所望の遅さとなって、遅くなり過ぎないようにできる。このため、低温時における応答性を改善することができる。
【0031】
このように、本実施形態における電磁弁1では、プランジャ11に溝部11aを設けると共に、溝部11a内に円筒状部材12を配置し、プランジャ11の摺動方向における円筒状部材12と溝部11aとの長さの関係が常温時と低温時とで上記関係となるようにしている。このため、常温時にはオリフィス12cの絞り効果によって電磁弁1による流路の開閉動作が所望の遅さとなるようにでき、低温時には流体の粘性抵抗によって電磁弁1による流路の開閉動作が遅くなり過ぎないようにできる。これにより、常温時と低温時共に流体の脈動低減効果を得ることができ、かつ低温時の応答性を改善することが可能となる。
【0032】
(第2実施形態)
図3に、本発明の第2実施形態における電磁弁1の断面構成を示す。本実施形態は、第1実施形態に対して円筒状部材12を変更したものであり、その他の構成については第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0033】
図3に示すように、本実施形態における電磁弁1においては、円筒状部材12が第1、第2の円筒状部材12a、12bから構成されている。これら第1、第2の円筒状部材12a、12bは、異なる種類の樹脂で構成されており、それぞれの線膨張係数が異なっている。具体的には、スリーブ10の底面側に位置する第1の円筒状部材12aは、例えば炭素繊維入りのテフロンで構成され、スリーブ10の開口端側に位置する第2の円筒状部材12bは、例えば純テフロンで構成されている。このため、第1の円筒状部材12aの方が第2の円筒状部材12bよりも線膨張係数が小さくなっている。
【0034】
円筒状部材12を線膨張係数の大きな材質で構成した場合、低温時に円筒状部材12と溝部11aとの間の摺動方向の隙間量が大きくなるようにできるが、その反面、スリーブ10内を摺動することによって擦り減り、円筒状部材12とスリーブ10との間の充分な摺動抵抗が得られなくなる可能性がある。
【0035】
このため、本実施形態に示すように、線膨張係数の異なる第1、第2の円筒状部材12a、12bを組み合わせれば、線膨張係数が大きな第2の円筒状部材12bによって低温時に円筒状部材12と溝部11aとの間に所望の隙間が形成されるようにでき、かつ、線膨張係数が小さな第1の円筒状部材12aによって円筒状部材12とスリーブ10との間の充分な摺動抵抗が得られるようにできる。このようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0036】
(第3実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態における電磁弁1の断面構成を示す。また、図5に、図4に示す電磁弁1の部分拡大図を示す。本実施形態は、従来に対してスリーブ10を変更したものである。電磁弁1の基本構成については第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0037】
図4、図5に示すように、本実施形態では、プランジャ11に形成した溝部11aの幅を狭くし、第1、第2実施形態に示した円筒状部材12に代えて、リング状部材20を配置している。このリング状部材20にもオリフィス20aが形成されており、オリフィス20aを通じてプランジャ11の縦溝が連通するようになっている。また、スリーブ10の内壁面に段付き部10aを設け、スリーブ10のうち底面側よりも開口部側において内径が小さくなるようにしている。この段付き部10aは、コイル非通電時には、リング状部材20が段付き部10aよりもスリーブ10の底面側に位置し、コイル通電を行ったのち電磁弁1が流路を閉じる直前およびコイル通電を止めたのち電磁弁1が管路Aを開けてすぐの時には、リング状部材20が段付き部10aよりもスリーブ10の開口部側に位置するような配置関係で形成されている。すなわち、コイル通電時にはプランジャ11の摺動抵抗が2段階に変化し、管路Aの開閉の瞬間にプランジャ11の摺動速度が遅くなるようにしている。
【0038】
このような構成とすれば、コイル通電してすぐの段階では、リング状部材20がスリーブ10の内壁面から離れ、もしくはリング状部材20とスリーブ10との摺動抵抗が非常に小さくなって、プランジャ11が容易にスリーブ10内を摺動する。そして、電磁弁1が管路Aを閉じる直前の段階において、リング状部材20がスリーブ10の内径が小さくなる部分に接し、リング状部材20とスリーブ10との摺動抵抗が大きくなって、プランジャ11の摺動速度が遅くなる。
【0039】
このため、常温時、低温時にかかわらず、電磁弁1が管路Aを閉じる直前にのみプランジャ11の摺動速度が遅くなるようにすることができるため、低温時に流体の粘性抵抗が大きくなっても充分な応答性を得ることが可能となる。このようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、線膨張係数の大きい材質のもので円筒状部材12を構成しているが、必ずしも線膨張係数の大きい材質のものである必要はなく、プランジャ11の摺動方向における円筒状部材12の長さを調整することで、常温時と低温時において、円筒部材と溝部11aとの摺動方向の隙間量の関係が上述した関係となるようにすれば良い。
【0041】
また、上記第2実施形態では、第1の円筒状部材12aが線膨張係数の大きい材質、第2の円筒状部材12bが線膨張係数の小さい材質となるようにしているが、逆であっても良い。さらに、上記第3実施形態では、スリーブ10の内壁面に段付き形状部分を設けることでプランジャ11の摺動抵抗が2段階に変化するようにしているが、徐々に変化するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電磁弁1の全体構成を示す図である。
【図2】摺動方向の隙間量と応答時間との関係を示した図である。
【図3】本発明の第2実施形態における電磁弁1の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態における電磁弁1の全体構成を示す図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】従来の電磁弁1の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1…電磁弁、2…ハウジング、3…ガイド、5…シャフト、6…シートバルブ、7…逆止弁、8、9…フィルタ、10…スリーブ、11…プランジャ、12…円筒状部材、12a、12b…第1、第2の円筒状部材、13…スプリング、14…コイル、15…ヨーク。
Claims (5)
- 筒状部及び底面を有し、一端側が開口部となったコップ形状で構成されたスリーブ(10)と、
前記スリーブの外周に備えられたコイル(14)と、
前記スリーブ内に収容され、前記コイルへの通電により、前記スリーブ内を摺動動作するプランジャ(11)と、
前記プランジャの摺動動作に伴って移動する弁体(5a)と、
前記弁体が離着する弁座(6b)を有すると共に、前記弁体が前記弁座に離着することによって開閉される連通路(6a)を有してなるシートバルブ(6)とを備えてなる電磁弁において、
前記プランジャの外周面には、該プランジャの外周を一周する溝部(11a)が備えられていると共に、該プランジャの摺動方向における流体の移動を可能とするオリフィス(12c)が備えられた円筒状部材(12)が前記溝部内に嵌め込まれており、
前記円筒状部材は、前記プランジャの軸方向に沿って切断された断面形状の長手方向が前記プランジャの摺動方向に沿った構成となっており、
前記円筒状部材及び前記溝部は、前記プランジャの摺動方向におけるそれぞれの長さが、常温時には同等であるとともに、低温時には前記円筒状部材の方が前記溝部よりも短くなって両者間に前記プランジャの摺動方向の隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする電磁弁。 - 前記円筒状部材は、線膨張係数が10×10-5/℃以上となっていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
- 前記円筒状部材は、異なる材質からなる第1、第2の円筒状部材(12a、12b)によって構成され、前記第1の円筒状部材が前記スリーブの底面側、前記第2の円筒状部材が前記スリーブの開口部側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
- 前記第1の円筒状部材と前記第2の円筒状部材のいずれか一方は、他方よりも線膨張係数が大きい材質で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電磁弁。
- 筒状部及び底面を有し、一端側が開口部となったコップ形状で構成されたスリーブ(10)と、
前記スリーブの外周に備えられたコイル(14)と、
前記スリーブ内に収容され、前記コイルへの通電により、前記スリーブ内を摺動動作するプランジャ(11)と、
前記プランジャの摺動動作に伴って移動する弁体(5a)と、
前記弁体が離着する弁座(6b)を有すると共に、前記弁体が前記弁座に離着することによって開閉される連通路(6a)を有してなるシートバルブ(6)とを備えてなる電磁弁において、
前記プランジャの外周面には、該プランジャの外周を一周する溝部(11a)が備えられていると共に、該プランジャの摺動方向における流体の移動を可能としたオリフィス(20a)が備えられたリング状部材(20)が前記溝部内に嵌め込まれており、
前記スリーブの内壁面には段付き部(10a)が形成され、前記段付き部にて前記スリーブのうち前記底面側よりも前記開口部側の内径が小さくされており、
前記段付き部は、前記コイルへの通電を行ったときに、前記弁体が前記弁座に着座するよりも前に、前記リング状部材が前記段付き部に接するように形成されていることを特徴とする電磁弁。
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