JP2000142353A - ブレーキ制御用電磁弁 - Google Patents

ブレーキ制御用電磁弁

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JP2000142353A
JP2000142353A JP10312336A JP31233698A JP2000142353A JP 2000142353 A JP2000142353 A JP 2000142353A JP 10312336 A JP10312336 A JP 10312336A JP 31233698 A JP31233698 A JP 31233698A JP 2000142353 A JP2000142353 A JP 2000142353A
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雅彦 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でありながらブレーキ制御時にお
ける車両に発生する不快な振動や騒音を効率よく抑制で
きるブレーキ制御用電磁弁を提供する。 【解決手段】 電磁弁10は、電磁石装置11が励磁さ
れていない状態では開弁状態になるが、通常、弁体14
は閉弁位置(開口部31aを閉鎖する位置)と全開位置
(プランジャ12がスリーブ22の天井面に当接する位
置)との中間位置に保持される。この状態で電磁石装置
11が励磁されると、弁体14は開口部31aを閉鎖す
る方向に移動して閉弁する。弁体14が開口部31aを
閉鎖するまでの移動距離は、従来のように全開位置に保
持されている場合に比べて短いため、弁体14が開口部
31aに衝突するときの速度は従来に比べて小さく、衝
突音が低減される。また、弁体14と開口部31aとの
間を通過する流量が従来に比べて少なくなるため、脈動
や油撃が低減され、不快な振動が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ制御用電
磁弁に関し、特にABS、TRC、VSC等のブレーキ
制御一般に使われる増圧制御用に適する電磁弁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーキ制御一般に使われる増圧
制御用の電磁弁としては、図15に示すように、電磁弁
101の下方から弁室102に向かって形成された上流
側通路103と、弁室102から側方に向かって形成さ
れた下流側通路104と、上流側通路103の開口部1
03aを開閉する弁体105と、弁体105に連動して
スリーブ112内をストロークする可動子(シャフト1
06及びプランジャ107)と、弁体105が開口部1
03aを開放する方向にシャフト106を付勢するリタ
ーンスプリング108と、プランジャ107の周囲に設
けられた電磁石装置109とを備えたものが知られてい
る。なお、電磁石装置109は、ソレノイド110、磁
性体製のガイド111等で構成されている。
【0003】この電磁弁101は、ノーマルブレーキ時
には電磁石装置109のソレノイド110は非通電状態
であり、このため弁体105、シャフト106及びプラ
ンジャ107はリターンスプリング108により上方に
持ち上げられ、弁体105が開口部103aを開放して
いる。上流側通路103には、マスタシリンダ(以下
「M/C」という)の油圧が与えられており、ブレーキ
操作によりM/Cの油圧が高くなると、下流側通路10
4に接続されたホイールシリンダ(以下「W/C」とい
う)の油圧が高くなり、ブレーキがかかる。
【0004】一方、ABS制御時にタイヤのスリップ率
が所定値を越えた場合、電磁石装置109のソレノイド
110に通電される。すると、プランジャ107はガイ
ド111に吸引されて下方向に移動するため、弁体10
5は開口部103aを閉鎖する。これと同時に、別の
(図示しない)電磁弁の作動に伴い、W/C圧が減圧さ
れる。その後、タイヤのスリップ率が正常になると、ソ
レノイド110の通電が停止される。すると、弁体10
5、シャフト106及びプランジャ107がリターンス
プリング108により上方に持ち上げられ、弁体105
が開口部103aを開放するため、W/C圧が増加す
る。このような制御により、W/C圧を細かく制御して
タイヤがロックされるのを防止しつつ車両の安定性を確
保する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ABS
制御時において、電磁石装置109のソレノイド110
の通電を停止して開弁させた後、ソレノイド110に通
電して閉弁させる場合、弁体105が一気に全開位置
(プランジャ107がスリーブ112と当接する位置、
図15参照)まで移動した後、今度は一気に閉弁位置ま
で移動するため、脈圧が大きくなり、車両に不快な振動
を引き起こすことがあった。また、開弁する際、弁体1
05が開口部103aに勢いよく衝突して騒音が発生す
ることがあった。
【0006】このような課題を解決するため、特開平8
−320086号公報に記載された図16の電磁弁20
1では、ABS制御時に開弁する際には、下部弁体20
5を備えたピストン206は閉弁位置のままで上部弁体
207だけが上昇してピストン206に設けた開口部2
08を開放する。これにより、上流側通路203からブ
レーキ油がオリフィス209により少量に絞られて下流
側通路204へ圧送されるため、圧力振動による耳障り
な騒音が低減される。
【0007】しかしながら、この電磁弁201では、下
部弁体205や開口部208を備えたピストン206を
用いるため部品コストが嵩むうえ、構造が複雑なため組
付工程が多数必要になる等の問題があった。本発明は上
記課題を解決するためになされたものであり、その目的
は、簡単な構造でありながらブレーキ制御時における車
両の振動や騒音を効率よく抑制できるブレーキ制御用電
磁弁を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、請求項1記載のブレーキ制御用電磁弁
は、流体が上流側通路から弁室を経て下流側通路へ至る
ように形成された流路と、前記弁室内にて前記上流側通
路の開口部を開放又は閉鎖する弁体と、前記弁体と連動
してストロークする可動子と、前記弁体が前記開口部を
開放する方向に前記可動子を付勢する第1付勢部材と、
励磁されると、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記
弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を吸引す
ることにより、前記開口部を前記弁体によって閉鎖させ
る電磁石装置と、前記弁体が前記開口部を閉鎖する方向
に前記可動子を付勢する第2付勢部材とを備え、前記電
磁石装置が励磁されていない状態では、前記第1付勢部
材の付勢力と前記第2付勢部材の付勢力とのバランスに
より、前記弁体が前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記
弁体が前記開口部から最も離間した全開位置との中間位
置に前記弁体を保持することを特徴とする。
【0009】この電磁弁では、電磁石装置が励磁されて
いない状態では開弁状態になるが、弁体は通常時には全
開位置ではなく中間位置に保持される。この状態で電磁
石装置が励磁されると、弁体は開口部を閉鎖する方向に
移動して閉弁する。ここで、弁体が開口部を閉鎖するま
での移動距離は、従来の電磁弁(図15参照、以下同
じ)のように開弁状態において弁体が全開位置に保持さ
れる場合に比べて短いため、弁体が開口部に衝突すると
きの衝突速度は従来の電磁弁に比べて小さくなり、した
がって衝突音が低減される。また、開弁時に弁体は中間
位置に保持されているため、弁体と開口部との間を通過
する流体の流量が従来の電磁弁に比べて少なくなり、開
弁から閉弁するまでの間の流量変化の割合が従来の電磁
弁に比べて小さくなり、脈動や油撃が低減され、車両に
発生する不快な振動が抑制される。更に、従来の電磁弁
に対して第2付勢部材を付加すればよいため、簡単な構
造であり、製造工程で負担が増すこともない。
【0010】本発明の電磁弁につき、請求項2に記載し
たように、前記弁体は、前記電磁石装置が励磁されてい
ない状態において、前記上流側通路から前記下流側通路
へ通過する流体の流量がある一定量を越えると、前記中
間位置から前記全開位置に向かって移動するように構成
されていてもよい。この構成の一例として、第2付勢部
材の特性を弁体がこのような動作をするように設定する
ことが挙げられる。なお、ある一定量の流量は例えばノ
ーマルブレーキ領域の流量を上回る経験的な値として得
られるものである。この場合、例えば急ブレーキ時のよ
うに大きな流量が要求される際には、上記流量(差圧)
により弁体が中間位置から全開位置に向かって移動する
ため、弁体と開口部の間を流れる流量が増加し、ブレー
キの応答性が損われることがない。
【0011】本発明の電磁弁につき、請求項3に記載し
たように、前記電磁石装置は、励磁された時に発生する
磁界によって前記可動子を前記第1付勢部材の付勢力に
抗して吸引する固定子を備え、前記可動子と前記固定子
は、前記可動子が閉弁位置に至るまでの過程で、前記可
動子と前記固定子との間に働く吸引力が略一定になるよ
うに形成されていてもよい。この種のブレーキ制御用電
磁弁では、可動子と固定子の間に働く吸引力は、第1及
び第2付勢部材の付勢力と上流側通路−下流側通路間の
差圧による力との和を上回る必要があるが、上記力の和
は閉弁位置において最も大きくなる。上述のように吸引
力が弁体の位置によらず略一定の場合には、閉弁位置に
おいて吸引力が上記力の和を上回るように設定すれば弁
体の全移動範囲で吸引力が上記力の和を上回るため、電
磁石装置の設定が容易であり、設計の自由度が増す。
【0012】このとき、請求項4に記載したように、前
記可動子と前記固定子は、前記可動子の移動方向と交差
する方向に微小間隔をもって配設され、この微小間隔は
前記可動子が閉弁位置に至るまでの過程において略一定
になるように形成されていてもよい。この場合、可動子
の移動方向と交差する方向の磁界によって可動子が吸引
されるため、弁体が開口部を閉鎖する方向に可動子が移
動したとしても、磁界が可動子に及ぼす吸引力は略一定
になる。
【0013】また、請求項5に記載したように、前記可
動子は、前記固定子に向かって突出した形状の凸部を有
し、前記固定子は、前記可動子の凸部を収納可能な凹部
を有し、前記凸部と前記凹部は前記可動子の移動方向と
略直交する方向に所定の微小間隔をもって配設されてい
てもよい。この場合、弁体の位置によらず吸引力を略一
定にするための構造が比較的簡素になり、製造工程上の
負担が少ない。
【0014】本発明の電磁弁につき、請求項6に記載し
たように、前記開口部から所定距離だけ離間した位置に
設けられた規制部材と、前記可動子と係脱可能に設けら
れ、前記第1付勢部材により前記開口部側から前記規制
部材に向かって付勢されるストッパ部材とを備え、前記
電磁石装置が励磁されていない状態において、前記上流
側通路から前記下流側通路へ通過する流体の流量がある
一定量以下の場合には、前記ストッパ部材は前記可動子
と係止した状態で前記第1付勢部材により前記規制部材
に押し当てられることにより、前記弁体を所定の中間位
置に保持するようにしてもよい。この場合、開弁状態に
おいて上記流量がある一定量以下の場合に、上記差圧が
変動したとしても、前記ストッパ部材が可動子と係止し
た状態で第1付勢部材により規制部材に押し当てられる
ため、弁体は所定の中間位置に保持され、弁体と開口部
の間の有効通路径は一定になる。このため、ブレーキ制
御時において所定時間開弁するときの増圧量(パルス増
圧量)が一定となり、良好に制御できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は第1実施形態の電磁弁の概略構
成を表す断面図である。第1実施形態の電磁弁10は、
自動車のブレーキ制御一般に使われる増圧制御用の電磁
弁である。この電磁弁10は、主として、電磁石装置1
1、プランジャ12、シャフト13、弁体14、シート
バルブ15などを備えている。
【0016】電磁石装置11は、ガイド16、ソレノイ
ド17、ヨーク18、リング19から構成されている。
ガイド16は、磁性体製であり、上下方向の貫通孔21
を有している。この貫通孔21は、上部が小径に形成さ
れ、下部が大径に形成されている。このガイド16の上
部には非磁性体製のスリーブ22が被せられ、このスリ
ーブ22の外周には非磁性体製のボビン23に巻回され
たソレノイド17が配設されている。このソレノイド1
7は、図示しない外部装置により通電・非通電を制御で
きるように電気的に接続されている。また、ソレノイド
17は磁性体製のヨーク18によって覆われ、ヨーク1
8とガイド16との間には磁性体製のリング19が配設
されている。そして、ソレノイド17が通電されると電
磁石装置11に磁路が形成されてガイド16が電磁石と
して機能する。なお、ガイド16は本発明の固定子に相
当する。また、ソレノイド17が通電状態のとき電磁石
装置11は励磁状態となり、ソレノイド17が非通電状
態のとき電磁石装置11は非励磁状態となる。
【0017】プランジャ12は、磁性体製であり、ガイ
ド16の上端面とスリーブ22の天井面との間を上下動
できるように配置されている。プランジャ12の上端面
には窪み部25が形成され、この窪み部25とスリーブ
22の天井面との間に、第2付勢部材としての対向スプ
リング26が配設されている。この対向スプリング26
は、プランジャ12をガイド16に向かって付勢してい
る。
【0018】シャフト13は、非磁性体製であり、ガイ
ド16の貫通孔21のうち小径部分に上下方向に摺動可
能に配置されている。このシャフト13の下部は貫通孔
21の大径部分に配置されており、シャフト13の下端
にはボール状の弁体14が例えば溶接あるいはかしめ等
により一体的に接合されている。シャフト13のやや下
方位置には、後述のリターンスプリング34のばね受け
となる段差部13aが設けられている。なお、プランジ
ャ12及びシャフト13は、共に弁体14と連動してガ
イド16の貫通孔21に沿ってストロークするものであ
り、本発明の可動子に相当する。また、第1実施形態で
はプランジャ12の下端面とシャフト13の上端面は固
着されていないが、固着されていてもよい。
【0019】シートバルブ15は、磁性体又は非磁性体
製であり、ガイド16の貫通孔21の大径部分に圧入さ
れている。この貫通孔21の大径部分のうち、シートバ
ルブ15の上部空間は弁室30となっている。シートバ
ルブ15には、上流側通路31とチェック弁付き通路3
2が形成されている。上流側通路31は、フィルタ36
を介してM/Cのブレーキ油を弁室30に供給するため
の通路であり、シートバルブ15を上下方向に貫通して
いる。この上流側通路31の弁室側の開口部31aの手
前には、M/CからW/Cへ流れるブレーキ油の流量を
規制するオリフィス31bが形成されている。また、上
流側通路31の弁室側の開口部31aは弁室30に向か
って広がるテーパ状のシート面として形成されている。
この開口部31aは、弁体14に対向する位置にあり、
閉弁時にはこの弁体14によって閉鎖される。チェック
弁付き通路32は、上流側通路31と略平行に形成され
ており、チェック弁33は、弁室30の油圧が上流側通
路31の油圧を上回ったときに開弁して、弁室30の圧
力を低下させる役割を果たす。
【0020】下流側通路35は、弁室30のブレーキ油
をフィルタ37を介してW/Cに供給するための通路で
あり、弁室30から水平方向にガイド16を貫通するよ
うに形成されている。第1実施形態では下流側通路35
が2方向に設けられているが、両下流側通路35から送
出されるブレーキ油はフィルタ37を通過した後一つに
まとめられてW/Cに供給される。
【0021】このように電磁弁10は、ブレーキ油が上
流側通路31から弁室30を経て下流側通路35へ至る
ように形成された流路を備えている。第1付勢部材とし
てのリターンスプリング34は、シャフト13の段差部
13aとシートバルブ15の上端面との間に配設され、
弁体14が開口部31aを開放する方向つまり上方にシ
ャフト13を付勢するものである。弁体14はシャフト
13と一体化されており、またプランジャ12はシャフ
ト13と当接しているため、弁体14、シャフト13及
びプランジャ12は、リターンスプリング34により弁
体14が開口部31aを開放する方向に付勢され、ま
た、対向スプリング26により弁体14が開口部31a
を閉鎖する方向に付勢されている。
【0022】そして、電磁石装置11のソレノイド17
に通電されていない時には、この両スプリング26、3
4の付勢力のバランスにより、弁体14、シャフト13
及びプランジャ12は、図1に示すように、弁体14が
開口部31aを開放し且つプランジャ12がスリーブ2
2の天井面から離間した位置(以下「初期位置」とい
う)に保持されている。
【0023】図2は弁体14がとり得る位置を表す説明
図である。電磁石装置11のソレノイド17に通電され
ると、プランジャ12がガイド16に吸引され、弁体1
4、シャフト13及びプランジャ12が下降し、弁体1
4が上流側通路31の開口部31aに密着してこれを閉
鎖する。図2(a)はこのときの様子を表したものであ
り、この位置を閉鎖位置と呼ぶ。
【0024】一方、電磁石装置11のソレノイド17に
通電されていないときには、弁体14、シャフト13及
びプランジャ12は、両スプリング26、34の付勢力
のバランスによって、弁体14が開口部31aを開放し
且つプランジャ12がスリーブ22の天井面から離間し
た位置に保持されている。図1及び図2(b)はこのと
きの様子を表したものであり、この位置を初期位置と呼
ぶ。ノーマルブレーキ時においては、ブレーキ操作によ
る油の流れによって発生する上流側通路31の圧力と下
流側通路35の圧力との差圧が及ぼす力によってその位
置が若干変動する。
【0025】そして、急ブレーキ時においては、両通路
31、35を通過する油の流量がノーマルブレーキ領域
の流量よりも大きく、弁部に発生する差圧が大きいた
め、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は、対
向スプリング26の付勢力に抗して上方つまり弁体14
が開口部31aを開放する方向に移動し、プランジャ1
2がスリーブ22の天井面に当接する。図2(c)はこ
のときの様子を表したものであり、この位置を全開位置
と呼ぶ。
【0026】図3は、スプリングの特性を表すグラフで
ある。この図3において、横軸は弁体の位置(=リフト
量)を表す。この図からわかるように、対向スプリング
26はリターンスプリング34より弾性係数(ばね定
数)が小さいものを使用している。また、合力の特性が
ゼロになる位置が弁体の初期位置となる。
【0027】図4は、電磁弁の開度特性を表すグラフで
ある。弁体14が閉弁位置から上流側通路31の開口部
31aを開放する方向に移動するのにしたがって、有効
通路径(弁体14と開口部31aとの間隙)が大きくな
る。ここで有効通路径はブレーキ油の流量とみることが
できる。そして、開口部31aを開放する方向に弁体1
4が移動していき、有効通路径が上流側通路31の通路
径(=オリフィス径)に一致すると、それ以上開口部3
1aを開放する方向に弁体14を移動させても、ブレー
キ油の流量は上流側通路31の通路径によって制限され
るため、有効通路径はそこで頭打ちとなる。
【0028】図5は、電磁弁の流量特性を表すグラフで
ある。ノーマルブレーキ領域では、弁体14は初期位置
あるいはその周辺に保持されるため、従来の電磁弁のよ
うに開弁時に常に弁体が全開位置にある場合の特性(全
開位置特性)に比べて、ブレーキ油が弁体14と開口部
31aとの間を通過する際の通過流量に対する圧力損失
の増加割合が若干大きくなる傾向にある。一方、強めの
ブレーキ領域や急ブレーキ領域では、両通路31、35
を通過する油の流量が大きく、弁部に発生する差圧が大
きいため、弁体14は初期位置周辺から開口部31aを
開放する方向に移動する。この結果、有効通路径が大き
くなり、通過流量に対する圧力損失の増加割合が全開位
置特性に近づく。このため、開弁時に常に弁体14を初
期位置で保持する場合の特性(初期位置特性)に比べ
て、強めのブレーキ領域や急ブレーキ領域における圧力
損失を小さく抑えることができ、このような領域におけ
るブレーキの応答性が損なわれることがない。また、本
実施形態では、対向スプリング26の弾性係数(ばね定
数)は、全開位置特性に比べて急ブレーキ領域において
圧力損失が僅かに増加する程度となるように設定されて
いる。
【0029】次にこの電磁弁10の作動につき、ABS
用の油圧回路の増圧制御弁にこの電磁弁10を用いたと
きを例に挙げて説明する。図6はABS用の油圧回路図
であり、この油圧回路は、M/Cから増圧制御弁である
電磁弁10を介してW/Cに至る第一油路と、第一油路
のうちM/Cと電磁弁10との間からW/Cと電磁弁1
0との間に至る第二油路とを備えている。第二油路には
W/C側からM/C側に向かって減圧制御弁2とポンプ
6が設けられ、両者の間にはリザーバ4が配置されてい
る。電磁弁10のうち上流側通路31はM/C圧がかか
る通路であり、下流側通路35はW/C圧がかかる通路
である。
【0030】ノーマルブレーキ時では、図6に示すよう
に、電磁弁10は連通位置(非通電状態)、減圧制御弁
2は遮断位置(非通電状態)にある。このときの電磁弁
10の電磁石装置11は、ソレノイド17に電流が流れ
ていないため吸引力が発生せず、図1に示すように、初
期位置周辺で停止している。
【0031】ところで、一般にABS制御は、例えばド
ライバの急激なブレーキ操作によって各車輪のスリップ
が発生すると車両をコントロールできなくなるおそれが
あるため、このような現象を防止すべく、運転者がブレ
ーキ操作を行って車両を制動しようとしている場合に、
各車輪のスリップ状態を適正にするために実行されるも
のである。
【0032】図6に基づいてABS制御を説明すると、
図示しない電子制御装置が車輪がロック傾向にあると判
断すると、電磁弁10を遮断位置(通電状態)にすると
共に、減圧制御弁2を連通位置(通電状態)にして、W
/C圧を減圧し、車輪のロックを防止する。このとき、
W/C圧の減圧分のブレーキ油は減圧制御弁2を介して
リザーバ4に排出され、ポンプ6によりM/C側に還流
される。このときの電磁弁10は、電磁石装置11のソ
レノイド17に電流が流れるためガイド16が電磁石と
して働き、プランジャ12がガイド16に接近するよう
な吸引力が働き、この吸引力によりリターンスプリング
34の付勢力に抗して弁体14、シャフト13及びプラ
ンジャ12が下方に動き、弁体14が上流側通路31の
開口部31aを閉鎖する。この結果、上流側通路31と
下流側通路35は遮断される。
【0033】その後、図示しない電子制御装置が、車輪
のロック傾向が解消したと判断すると、電磁弁10を連
通位置(非通電状態)にすると共に、減圧制御弁2を遮
断位置(非通電状態)にして、W/C圧を増圧させる。
この場合、W/C圧を急激に増加させると車輪がロック
傾向となるため、数msだけ増圧させた後、電磁弁10
と減圧制御弁2を共に遮断させてW/C圧を保持する状
態をつくる。そして、このような制御により、W/C圧
を徐々に増加させ、車輪のロックを防止しつつ車両の安
定性を確保する。
【0034】このときの制御について詳説する。まず、
数msだけ増圧させる場合には、電磁石装置11のソレ
ノイド17に流れていた電流が切断される。このため電
磁石装置11の吸引力が消失し、弁体14、シャフト1
3及びプランジャ12は図2(b)に示すようにリター
ンスプリング34の付勢力等によって弁体14が開口部
31aを開放する方向つまり上方に移動する。一方、対
向スプリング26の付勢力はこれと逆方向に働くため、
両スプリング26、34の付勢力、及び両通路31、3
5の差圧が及ぼす力によって、弁体14、シャフト13
及びプランジャ12は初期位置周辺で保持される。つま
り、弁体14は最上点である全開位置と最下点である閉
弁位置との中間位置において保持される。
【0035】その後、W/C圧を保持する状態をつくる
場合には、図7に示すように、図示しない電子制御装置
からの弁駆動信号がオフからオンになって電磁石装置1
1のソレノイド17に再び通電されるため、電磁石装置
11の吸引力が働き、弁体14、シャフト13及びプラ
ンジャ12は弁体14が開口部31aを閉鎖する方向つ
まり下方に移動し、弁体14が開口部31aに衝突して
この開口部31aを閉鎖する閉弁位置に至る。このと
き、弁体14が開口部31aに衝突するまでの移動距離
は、初期位置周辺から閉弁位置までであり、従来の電磁
弁のように弁体が全開位置から移動を開始した場合に比
べて短いため、弁体14が開口部31aに衝突する際の
衝突速度は小さくなり(図7の中段のグラフ参照)、し
たがって衝突音が緩和される。
【0036】また、開弁時つまり弁体14等が初期位置
周辺で保持されている時、弁体14と開口部31aとの
間隙を通過するブレーキ油の流量は、従来の電磁弁のよ
うに開弁時に弁体が全開位置に保持される場合に比べて
小さいため、閉弁される際の時間に対する通過流量の変
化即ち流量変化速度が小さくなり(図7の下段のグラフ
参照)、したがってW/C圧及びM/C圧に生じる油撃
による脈圧が抑えられる。この結果、ABS制御時の車
両振動や騒音を抑制できる。
【0037】この点につき更に詳説すると、図8に示す
ように、弁駆動信号がオンからオフになると、ソレノイ
ド17は通電状態から非通電状態になり、電磁石装置1
1の吸引力が消失し、開弁するため、上流側通路31か
ら弁室30を経て下流側通路35へブレーキ油が供給さ
れる。このため、上流側通路31のM/C圧が低下し、
下流側通路35のW/C圧が上昇する。その後、ソレノ
イド17の通電状態がオフからオンになると、両通路3
1、35が遮断されるため、M/C圧は元の圧力に戻
り、W/C圧はブレーキ油が供給された分、ある圧力値
まで上がる。ここで、M/C圧が元の圧力に戻る過程や
W/C圧がある圧力値まで上がる過程において、流量変
化速度が大きいほど脈圧の振幅(オーバーシュート量)
が大きくなり、油撃による振動や騒音が発生するが、本
実施形態では流量変化速度が従来の電磁弁に比べて小さ
いため、これらの発生が抑制されるのである。
【0038】以上詳述した本実施形態によれば、例えば
雪道を走行中にノーマルブレーキ操作を行ったような場
合、ABS制御が実行されることがあるが、この場合の
ABS制御においては開弁時に弁体14が初期位置周辺
つまり最下点と最上点の中間位置に保持されるため、閉
弁時に弁体14が開口部31aに衝突するときの衝突速
度や油撃が緩和され、車両に発生する不快な振動や騒音
が抑制される。なお、急ブレーキ操作時にABS制御が
実行された場合には、運転者は車両の振動や騒音を気に
している余裕がないのが実情であり、このためこれらを
抑制する必要性が乏しいが、前述のようにノーマルブレ
ーキ操作時にABS制御が実行された場合には、運転者
は比較的車両の振動や騒音に敏感であるため、これらを
抑制する必要性が高い。
【0039】また、急ブレーキ時のように、上流側通路
31と下流側通路35の差圧が増大すると、弁体14、
シャフト13及びプランジャ12は対向スプリング26
の付勢力に抗して弁体14が開口部31aを開放する方
向へ移動する。このため、ノーマルブレーキ時に比べて
弁体14と開口部31aの間の有効通路径が大きくな
り、ブレーキ油の流量が増大する。また、このときの圧
力損失は全開位置特性に比べて僅かに増加する程度とな
るように対向スプリング26の弾性係数(ばね定数)が
設定されている。このため、ブレーキ操作の応答性が損
なわれることがない。
【0040】更に、従来の電磁弁に対して対向スプリン
グ26を付加すればよいため、簡単な構造であり、製造
工程で負担が増すこともない。 [第2実施形態]図9は第2実施形態の電磁弁の概略構
成を表す断面図である。本実施形態の電磁弁50は、プ
ランジャ12の下端面にガイド16に向かって円筒状に
突出した凸部27が形成され、ガイド16の貫通孔21
の上部にこの凸部27を収納可能な凹部28が形成され
ている以外は、第1実施形態と同様の構成である。この
ため、同じ構成要素については同じ符号を付し、その説
明を省略する。凸部27と凹部28とはプランジャ12
の半径方向(つまりプランジャ12の移動方向と直交す
る方向)に微小間隔をもって配置されている。また、弁
体14、シャフト13及びプランジャ12が閉弁位置に
至る過程において、この微小間隔は略一定なため、ガイ
ド16がプランジャ12を吸引する力は略一定になる。
【0041】次に、第2実施形態の電磁弁50の作動に
ついて説明する。ノーマルブレーキ時や急ブレーキ時の
作動については、第1実施形態と同様のため、その説明
を省略する。また、ABS制御時の作動についても、基
本的には第1実施形態と同様のため、ここでは第1実施
形態と相違する点についてのみ説明する。
【0042】第2実施形態では、電磁石装置11のソレ
ノイド17に通電されて電磁石装置11のガイド16に
吸引力が働く場合、プランジャ12の凸部27とガイド
16の凹部28との半径方向の間隔が微小であることか
ら、この微小間隔に働く力がプランジャ12をガイド1
6に接近させるのに最も大きく寄与する。そして、この
微小間隔はプランジャ12がガイド16に接近・離間す
るにかかわらず略一定であるため、ガイド16の吸引力
は図10に実線で示すように初期位置周辺から閉弁位置
に至るまで略一定である。これに対して、第1実施形態
では、ガイド16の吸引力は図10に点線で示すように
プランジャ12の下端面とガイド16の上端面との間隔
が小さくなるにつれて増大する。
【0043】両実施形態の吸引力特性につき、実使用範
囲(閉弁位置〜全開位置)において、ガイド16の吸引
力により弁体14等を閉弁位置に移動させる必要がある
ことから、ガイド16の吸引力は、実使用範囲の全域に
おいて、“両スプリング26,34の合力と両通路3
1、35の差圧が弁体14に及ぼす力との和を上回る”
という条件を満たす必要がある。ところで、この種の電
磁弁では、上記力の和は閉弁位置において最大となる。
第2実施形態の吸引力特性は、閉弁位置で上記条件を満
たすように設定すれば、実使用範囲全域において上記条
件を満たすことになるのに対して、第1実施形態の吸引
力特性は、同様に設定したとしても実使用範囲全域にお
いて上記条件を満たすことになるとは限らない。このた
め、第2実施形態では、第1実施形態に比べて電磁石装
置11の設定が容易であり、設計の自由度が増す。ま
た、第2実施形態の吸引力特性につき、閉弁位置で上記
条件を満たすように設定するため、閉弁位置における吸
引力を必要最小限に抑えることができる。更に、第2実
施形態では差圧が大きいほど加速度が小さくなるので衝
突速度が小さくなり、初期位置周辺から閉弁位置に至る
までの時間が長くなるため、流量変化の度合いつまり流
量変化速度が小さくなり、W/C圧及びM/C圧に生じ
る油撃による脈圧が抑えられる。
【0044】以上のように、第2実施形態によれば、第
1実施形態と同様の効果が得られるうえ、その効果が第
1実施形態よりも顕著に得られる。 [第3実施形態]図11は第3実施形態の電磁弁の概略
構成を表す断面図である。第3実施形態の電磁弁60
は、第2実施形態において、シャフト13の段差部13
aとリターンスプリング34との間にリング状のストッ
パ部材40を備えた以外は、第2実施形態と同様の構成
である。このため、同じ構成要素については同じ符号を
付し、その説明を省略する。
【0045】ストッパ部材40は、シャフト13の段差
部13aと係脱可能であり、リターンスプリング34に
よって弁室30の上面30a(本発明の規制部材に相
当)に向かって付勢されている。なお、弁室30の上面
30aは、上流側通路31の開口部31aから所定距離
だけ離間している。
【0046】次にこの電磁弁60の作動について説明す
る。ノーマルブレーキ時では、電磁弁60の電磁石装置
11は、ソレノイド17に電流が流れていないため吸引
力が発生せず、図11に示すように、初期位置で停止し
ている。そして、上流側通路31から下流側通路35へ
通過する油の流量がノーマルブレーキ領域の範囲内の場
合には、ストッパ部材40はリターンスプリング34に
より弁室30の上面30aに押し当てられた状態で保持
され、また、シャフト13の段差部13aは対向スプリ
ング26によりストッパ部材40に係止されている。図
12は第3実施形態のスプリング特性を表すグラフであ
る。ノーマルブレーキ時では両通路31、35の差圧に
よる力よりも対向スプリング26の付勢力が勝っている
ため、弁体14等は所定の初期位置に保持される。つま
り、両通路31、35の差圧がノーマルブレーキ領域の
範囲内で変動しても、弁体14は図11に示す所定の初
期位置で保持され、弁体14と開口部31aの有効通路
径は一定になる。
【0047】ABS制御時では、基本的には第2実施形
態と同様のため、ここでは相違する点についてのみ説明
する。電磁石装置11のソレノイド17に通電して電磁
弁60を遮断した後、数msだけ増圧されるが、この場
合には、電磁石装置11のソレノイド17に流れていた
電流が切断される。このため、電磁石装置11の吸引力
が消失し、ストッパ部材40はリターンスプリング34
により弁室30の上面30aに向かって移動する。この
ストッパ部材40は、シャフト13の段差部13aに係
止した状態で弁室30の上面30aに当接するまで移動
するため、弁体14、シャフト13及びプランジャ12
は図11に示す所定の初期位置に保持される。このた
め、弁体14と開口部31aとの間を通過するブレーキ
油の流量は従来の電磁弁に比べて少なくなり、開弁から
閉弁に至るまでの間の流量変化の割合が従来の電磁弁に
比べて小さくなり、脈動や油撃が低減され、車両に発生
する不快な振動が低減される。そのうえ、所定の初期位
置に保持されるため、ABS制御時において数msだけ
開弁するときの増圧量(パルス増圧量)が一定となり、
良好に制御できる。
【0048】急ブレーキ時では、ブレーキ操作による油
の流れによって発生する両通路31、35の差圧による
力が対向スプリング26の付勢力より大きくなるため、
弁体14、シャフト13及びプランジャ12は図11の
初期位置から上昇し、プランジャ12がスリーブ22の
天井面に当接する位置つまり全開位置に至る。このた
め、ノーマルブレーキ時に比べて弁体14と開口部31
aの間の有効通路径が大きくなり、ブレーキ油の流量が
増大する。また、このときの圧力損失は全開位置特性に
比べて僅かに増加する程度となるように対向スプリング
26の弾性係数(ばね定数)が設定されている。このた
め、ブレーキ操作の応答性が損なわれることがない。
【0049】以上のように、第3実施形態によれば、第
2実施形態と同様の効果が得られるうえ、ABS制御を
良好に行うことができる。なお、第1実施形態にストッ
パ部材40を付加してもよく、この場合も第3実施形態
と同様の効果が得られる。 [その他の実施形態]上記各実施形態のリターンスプリ
ング34に代えて、図13に示すような板バネ44を用
いてもよく、この場合も上記各実施形態と同様の効果が
得られる。なお、対向スプリング26の代わりに板バネ
を用いてもよい。
【0050】また、上記第2実施形態では、凸部27を
略円筒状に形成したが、図14に示すような略円錐台状
の凸部77を採用すると共に、この凸部77を収納可能
な凹部78を採用してもよい。この場合、プランジャ1
2の凸部77とガイド16の凹部78は、プランジャ1
2の移動方向と斜めに交差する方向に微小間隔をもって
配設され、この微小間隔はプランジャ12が閉弁位置に
至るまでの過程において略一定になるように形成されて
いる。したがって、この過程において、プランジャ12
とガイド16との間に働く吸引力は略一定となり、上記
第2実施形態と略同じ効果が得られる。
【0051】さらに、上記第2実施形態の構成を簡素化
した次の2つの実施形態も上記第2実施形態に近い(簡
素化のため効果としては劣る方向の)効果が期待でき
る。一つには、第2実施形態から対向スプリング26を
省略した図17の構成としてもよい。この構成の弁位置
(エアギャップ)に対する略一定の吸引力特性により、
一般的にこの種の弁に用いられるばね定数の低いリター
ンスプリング34の特性に対する、弁位置(エアギャッ
プ)全体にわたっての力のバランスがよく、設定が容易
となる(一般的な弁位置に対する双曲線状の吸引力特性
では図10の波線に示すように勾配が大きく、一般的な
設計ではどうしてもエアギャップの大きい側に対してエ
アギャップの小さい側での吸引力が過大となりがちであ
るため、トータルの弁加速力として出やすい)。これに
より、簡素な構成にて弁の衝突速度の緩和の効果が得ら
れる。
【0052】もう一つには、第2実施形態からリターン
スプリング34を省略した図18の構成としてもよい。
これにより、弁の特性としては図3が対向スプリングの
みの特性(力としてはより弱く)になり、図4の閉弁位
置が初期位置になり、図5の通常ブレーキ領域において
もある程度の圧力損失の加わる特性になる。このため、
ブレーキ操作時のペダルフィーリングとしては若干悪化
傾向となり、また、ブレーキ制御時の増圧が弁に加わる
差圧自体を利用するため、増圧量が差圧に依存して安定
しない傾向となるが、弁リフトの短縮による流量自体の
低減、弁の衝突速度の緩和の効果は簡素な構成にて同様
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面
図である。
【図2】 第1実施形態の弁体がとり得る位置を表す説
明図である。
【図3】 第1実施形態のスプリングの特性を表すグラ
フである。
【図4】 第1実施形態の電磁弁の開度特性を表すグラ
フである。
【図5】 第1実施形態の電磁弁の流量特性を表すグラ
フである。
【図6】 ABS用の油圧回路図である。
【図7】 時間に対する弁駆動信号の変化を表すグラ
フ、時間に対する弁体位置の変化を表すグラフ、時間に
対するブレーキ液通過流量の変化を表すグラフである。
【図8】 時間に対する弁駆動信号の変化を表すグラ
フ、時間に対するM/C圧及びW/C圧の変化を表すグ
ラフである。
【図9】 第2実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面
図である。
【図10】 電磁石装置の吸引力特性を表すグラフであ
る。
【図11】 第3実施形態の電磁弁の概略構成を表す断
面図である。
【図12】 第3実施形態のスプリングの特性を表すグ
ラフである。
【図13】 その他の実施形態の断面図である。
【図14】 その他の実施形態の断面図である。
【図15】 従来の電磁弁の断面図である。
【図16】 特開平8−320086号公報記載の電磁
弁の断面図である。
【図17】 その他の実施形態の断面図である。
【図18】 その他の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
10・・・電磁弁、11・・・電磁石装置、12・・・
プランジャ、13・・・シャフト、13a・・・段差
部、14・・・弁体、15・・・シートバルブ、16・
・・ガイド、17・・・ソレノイド、22・・・スリー
ブ、26・・・対向スプリング、27・・・凸部、28
・・・凹部、30・・・弁室、31・・・上流側通路、
31a・・・開口部、34・・・リターンスプリング、
35・・・下流側通路、40・・・ストッパ部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16K 31/06 345 F16K 31/06 345 385 385A // B60T 13/68 B60T 13/68 Fターム(参考) 3D046 BB28 CC02 LL23 3D048 AA00 BB25 BB32 CC02 CC06 GG10 GG18 HH24 HH26 HH50 QQ08 3D049 AA00 BB16 BB22 CC02 HH10 HH18 HH20 HH34 JJ07 JJ08 JJ09 QQ05 3H106 DA03 DA07 DA12 DA23 DA36 DB02 DB12 DB23 DB32 DB38 DC04 DD03 EE20 GA23 GC03 KK22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が上流側通路から弁室を経て下流側
    通路へ至るように形成された流路と、 前記弁室内にて前記上流側通路の開口部を開放又は閉鎖
    する弁体と、 前記弁体と連動してストロークする可動子と、 前記弁体が前記開口部を開放する方向に前記可動子を付
    勢する第1付勢部材と、 励磁されると、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記
    弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を吸引す
    ることにより、前記開口部を前記弁体によって閉鎖させ
    る電磁石装置と、 前記弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を付
    勢する第2付勢部材とを備え、 前記電磁石装置が励磁されていない状態では、前記第1
    付勢部材の付勢力と前記第2付勢部材の付勢力とのバラ
    ンスにより、前記弁体が前記開口部を閉鎖する閉鎖位置
    と前記弁体が前記開口部から最も離間した全開位置との
    中間位置に前記弁体を保持することを特徴とするブレー
    キ制御用電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記弁体は、前記電磁石装置が励磁され
    ていない状態において、前記上流側通路から前記下流側
    通路へ通過する流体の流量がある一定量を越えると、前
    記中間位置から前記全開位置に向かって移動することを
    特徴とする請求項1記載のブレーキ制御用電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記電磁石装置は、励磁された時に発生
    する磁界によって前記可動子を前記第1付勢部材の付勢
    力に抗して吸引する固定子を備え、 前記可動子と前記固定子は、前記可動子が閉弁位置に至
    るまでの過程で、前記可動子と前記固定子との間に働く
    吸引力が略一定になるように形成されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載のブレーキ制御用電磁弁。
  4. 【請求項4】 前記可動子と前記固定子は、前記可動子
    の移動方向と交差する方向に微小間隔をもって配設さ
    れ、この微小間隔は前記可動子が閉弁位置に至るまでの
    過程において略一定になるように形成されていることを
    特徴とする請求項3記載のブレーキ制御用電磁弁。
  5. 【請求項5】 前記可動子は、前記固定子に向かって突
    出した形状の凸部を有し、前記固定子は、前記可動子の
    凸部を収納可能な凹部を有し、前記凸部と前記凹部は前
    記可動子の移動方向と略直交する方向に所定の微小間隔
    をもって配設されていることを特徴とする請求項3又は
    4記載のブレーキ制御用電磁弁。
  6. 【請求項6】 前記開口部から所定距離だけ離間した位
    置に設けられた規制部材と、 前記可動子と係脱可能に設けられ、前記第1付勢部材に
    より前記開口部側から前記規制部材に向かって付勢され
    るストッパ部材と、 を備え、 前記電磁石装置が励磁されていない状態において、前記
    上流側通路から前記下流側通路へ通過する流体の流量が
    ある一定量以下の場合には、前記ストッパ部材は前記可
    動子と係止した状態で前記第1付勢部材により前記規制
    部材に押し当てられることにより、前記弁体を所定の中
    間位置に保持することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のブレーキ制御用電磁弁。
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