JP2003120783A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JP2003120783A JP2001320473A JP2001320473A JP2003120783A JP 2003120783 A JP2003120783 A JP 2003120783A JP 2001320473 A JP2001320473 A JP 2001320473A JP 2001320473 A JP2001320473 A JP 2001320473A JP 2003120783 A JP2003120783 A JP 2003120783A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールナットの内部に多量の潤滑剤を間
欠的又は連続的に補給する必要がなく、且つ、シール部
材から外部への潤滑剤の漏出量が従来のものより少ない
ボールねじを提供すること。 【解決手段】 ボールねじは、外周面に螺旋状のボール
転動溝5を有するねじ軸1と、ボール転動溝5に対向す
る螺旋状のボール転動溝6を内周面に有するとともにボ
ール循環案内部材であるリターンチューブ7が装着され
たボールナット2と、両ボール転動溝5,6間とリター
ンチューブ7内に介挿された複数個のボール3と、ボー
ルナット2の軸方向両端部に装着されたシール部材4,
4とからなる。ボールナット2には、内周面の両シール
部材4,4近傍に開口9,10を有する潤滑剤循環路8
が設けられている。両シール部材4,4によって閉塞さ
れたボールナット2の内部と潤滑剤循環路8内に、潤滑
剤Gが封入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリース又はオイ
ル(以下、「潤滑剤」という。)を用いるボールねじに
関し、特に、電動式射出成形機の駆動装置又は電動式プ
レス機の駆動装置等に用いられるボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械及び一般産業機械等の送りねじ
として、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸
と、ねじ軸のボール転動溝に対向する螺旋状のボール転
動溝を内周面に有するとともにボール循環案内部材(リ
ターンチューブ、こま、エンドキャップ又はガイドプレ
ート)が装着されたボールナットと、両ボール転動溝間
とボール循環案内部材内に介挿された複数個のボール
と、ボールナットの軸方向両端部に装着されたシール部
材とからなるボールねじが用いられている。また、両シ
ール部材によって閉塞されたボールナットの内部(ねじ
軸の外周面とボールナットの内周面が形成する空間)に
は、通常、潤滑剤が封入されている(例えば、実公昭3
8−7725号公報参照)。
【0003】なお、 (1)このようなボールねじにおいては、一般に、ねじ
軸及びボールナットの材質としてクロムモリブデン鋼S
CM415H又はSCM420H( JIS G 4105)が用
いられ、浸炭焼入れ及び焼戻しによって表面硬さはHR
C58〜62とされている。また、軸方向荷重を支承す
るボールとしては、高炭素クロム軸受鋼SUJ2( JIS
G 4805 )からなる玉軸受用鋼球( JIS B 1501 )が用
いられている。 (2)シール部材として、内周面がねじ軸のボール転動
溝に適合する雌ねじ形状に成形加工された接触形若しく
は非接触形ワイパシール、又は、内周面がねじ軸のボー
ル転動溝の軸直角断面形状に対応した形状に成形加工さ
れたリップシールが用いられている(例えば、(株)工
業調査会発行 井澤實著「ボールねじ応用技術」初版
(1993.5.20)第131〜136頁参照)。 (3)潤滑剤をボールナットの内部に充填すると、潤滑
剤の攪拌抵抗によってボールねじの動摩擦トルクが増大
して異常に発熱する。このため、潤滑剤の封入量は、ボ
ールナットの内部容積の1/3〜1/2が目安とされて
いる。
【0004】ところで、近年、省エネルギー性及び環境
のクリーン性の観点から、電動式射出成形機の駆動装置
又は電動式プレス機の駆動装置等の、従来は油圧シリン
ダを用いていた「短いストロークで駆動され且つ瞬間的
に高負荷が加わる用途」にボールねじが多用されるよう
になっている。
【0005】しかし、この短いストローク(特に、スト
ロークがボールナットの全長よりも短い仕様)で駆動さ
れ且つ瞬間的に高負荷が加わる用途では、 ねじ軸及びボールナットの両ボール転動溝とボール
との接触面の間に、2000MPa以上の瞬間的な高面
圧が繰返し作用する。 ボールナットの内部に封入された潤滑剤は、ボール
ねじの揺動運動(微小送りによる繰返し運動)、すなわ
ち、ボールの繰返し転動公転によってボールナットの両
端部に押しやられ、その一部がボールの押出力によって
シール部材から外部に漏出する。特に、潤滑剤としてグ
リースを用いた場合は、グリースがボールナットの両端
部に滞留したままの状態になる。このため、潤滑を必要
とする両ボール転動溝とボール間の潤滑剤の絶対量が不
足して、両ボール転動溝とボールの接触面における油膜
が上記の高面圧によって破断されやすくなり、両ボー
ル転動溝(特に、ねじ軸のボール転動溝)が早期に損傷
する。という問題があった。なお、シール部材として、
前述の接触形ワイパシール又はリップシールを用いたと
しても、ボールの押出力による潤滑剤の漏出を完全に防
止することはできない。
【0006】このような問題の対応策として、ボールナ
ットに潤滑剤供給孔を設け、この潤滑剤供給孔からボー
ルナットの内部に潤滑剤が間欠的又は連続的に補給され
ている(例えば、特開2000−52394号公報の図
2参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、潤滑剤
をボールナットの内部に間欠的又は連続的に補給して
も、前述したように、潤滑剤はボールの繰返し転動公転
によってボールナットの両端部に押しやられ、その一部
がボールの押出力によってシール部材から外部に漏出す
る。このため、多量の潤滑剤を常に補給しなければなら
ない。すなわち、省エネルギー性及び環境のクリーン性
という電動化の趣旨に反して、多量の潤滑剤を消費する
とともに、潤滑剤を垂れ流す状態になって周辺の環境を
汚染するという問題があった。
【0008】本発明は、従来のボールねじの有するこの
ような問題に着目してなされたものであり、ボールナッ
トの内部に多量の潤滑剤を間欠的又は連続的に補給する
必要がなく、且つ、シール部材から外部への潤滑剤の漏
出量が従来のものより少ないボールねじを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に係るボールねじは、外周面に
螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、前記ボール転
動溝に対向する螺旋状のボール転動溝を内周面に有する
とともにボール循環案内部材が装着されたボールナット
と、前記両ボール転動溝間と前記ボール循環案内部材内
に介挿された複数個のボールと、前記ボールナットの軸
方向両端部に装着されたシール部材とからなるボールね
じにおいて、前記ボールナットには、前記内周面の前記
両シール部材近傍に開口を有する潤滑剤循環路が設けら
れており、前記両シール部材によって閉塞された前記ボ
ールナットの内部と前記潤滑剤循環路内に潤滑剤が封入
されていることを特徴とする。
【0010】また、請求項2に係るボールねじは、外周
面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、前記ボー
ル転動溝に対向する螺旋状のボール転動溝を内周面に有
するとともにボール循環案内部材が装着されたボールナ
ットと、前記両ボール転動溝間と前記ボール循環案内部
材内に介挿された複数個のボールと、前記ボールナット
の軸方向両端部に装着されたシール部材とからなるボー
ルねじにおいて、前記ボールナットには、1回路ごとに
該1回路を挟む一対の開口を前記内周面に有する潤滑剤
循環路が設けられており、前記シール部材によって閉塞
された前記ボールナットの内部と前記潤滑剤循環路内に
潤滑剤が封入されていることを特徴とする。
【0011】さらに、請求項3に係るボールねじは、外
周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、前記ボ
ール転動溝に対向する螺旋状のボール転動溝を内周面に
有するとともにボール循環案内部材が装着されたボール
ナットと、前記両ボール転動溝間と前記ボール循環案内
部材内に介挿された複数個のボールと、前記ボールナッ
トの軸方向両端部に装着されたシール部材とからなるボ
ールねじにおいて、前記ボールナットには、前記内周面
の前記両シール部材近傍に開口を有する第1の潤滑剤循
環路と、1回路ごとに該1回路を挟む一対の開口を前記
内周面に有する第2の潤滑剤循環路とが設けられてお
り、前記両シール部材によって閉塞された前記ボールナ
ットの内部と前記第1及び第2の潤滑剤循環路内に潤滑
剤が封入されていることを特徴とする。
【0012】なお、請求項1乃至3に記載の文言「ボー
ルナットの内部」とは、前述したように、ねじ軸の外周
面とボールナットの内周面が形成する空間をいう。ま
た、請求項2及び3に記載の文言「1回路」とは、後述
するように、ボールが介挿される両ボール転動溝間とボ
ール循環案内部材内とからなる1閉回路をいう。
【作用】
【0013】本発明の請求項1に係るボールねじによれ
ば、ボールの転動公転によってボールナットの一方の端
部に押しやられた潤滑剤は、ボールの押出力によってシ
ール部材近傍の開口内に押し込まれる。そうすると、潤
滑剤循環路内に封入されている潤滑剤が、他方のシール
部材近傍の開口内からボールナットの内部に押し出され
る(ボールねじが反転する際も同様である。)。このた
め、潤滑剤を押し出すための圧力が分散されるから、シ
ール部材から外部への潤滑剤の漏出量は従来のものより
減少する。
【0014】請求項2に係るボールねじによれば、1回
路ごとに、ボールの転動公転によって潤滑剤が一方の開
口内に押し込まれる。そうすると、潤滑剤循環路内に封
入されている潤滑剤が、他方の開口内からボールナット
の内部に押し出される。このため、潤滑剤がボールナッ
トの端部に押しやられたとしても、潤滑剤を押し出すた
めの圧力が低下しているから、シール部材から外部への
潤滑剤の漏出量は従来のものより減少する。
【0015】請求項3に係るボールねじは、請求項1の
構成と請求項2の構成を組み合わせたものである。従っ
て、請求項3に係るボールねじによれば、シール部材か
ら外部への潤滑剤の漏出量は従来のものよりさらに減少
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
おけるボールねじの実施形態を説明する。なお、例示す
るボールねじは、総有効巻数(1回路における有効巻数
×回路数)が2.5×2巻のリターンチューブ式ボール
ねじである。ここで、1回路、有効巻数及び回路数と
は、それぞれ、ボールが介挿される両ボール転動溝間と
ボール循環案内部材(リターンチューブ)内とからなる
1閉回路、1回路中のボールがねじ軸の周りを幾巻して
いるかを示す数、及び、1回路が幾列組み込まれている
かを示す数をいう。
【0017】図1乃至図3に、本発明の第1の実施の形
態を示す。ねじ軸1の外周面には、螺旋状のボール転動
溝5が形成されている。ねじ軸1が挿通されるボールナ
ット2の内周面には、ボール転動溝5に対向する螺旋状
のボール転動溝6が形成されている。また、ボールナッ
ト2には、ほぼコ字状のリターンチューブ7,7が装着
されている。具体的に述べると、ボールナット2の外周
面には平坦な切欠面16が形成されており、この切欠面
16に貫設された挿通孔(図示せず。)にリターンチュ
ーブ7の両脚部が挿脱可能に差し込まれ、押え部材17
と小ねじ18とによって切欠面16上に固定されてい
る。このリターンチューブ7内と両ボール転動溝5,6
間とからなる1回路ごとに、複数個のボール3,3が介
挿されている。ボールナット2の軸方向両端部には、シ
ール部材4,4が装着されている。具体的に述べると、
ボールナット2の両端部には凹部19,19が形成され
ており、この凹部19,19に内周面がボール転動溝5
に適合する雌ねじ形状に成形加工された接触形ワイパシ
ール4,4が嵌着されている。このワイパシール4は、
前述の実公昭38−7725号公報に示されるように、
別体としてボールナット2に装着してもよい。また、ワ
イパシール4の替わりに、リップシールを用いてもよ
い。なお、符号20,21は、それぞれ、ボールナット
2をハウジング(図示せず。)に取付けるためのフラン
ジ部及びねじ挿通孔を示す。
【0018】また、ボールナット2の肉厚内には、内周
面の両シール部材4,4近傍にそれぞれ開口9,10を
有する軸方向に直角な穿通孔11,12と、この穿通孔
11,12に連通する軸方向の穿通孔13とからなり、
埋栓15と後述のニップル14によって閉空間とされた
潤滑剤循環路8が設けられている。この潤滑剤循環路8
内と両シール部材4,4によって閉塞されたボールナッ
ト2の内部(ねじ軸1の外周面とボールナット2の内周
面が形成する空間)に、潤滑剤Gが封入されている。具
体的に述べると、潤滑剤Gは、潤滑剤充填路8内に充填
されるとともにボールナット2の内部容積の約1/2を
占めるように封入されている。穿通孔12のボールナッ
ト外周面側には、潤滑剤Gを補給するためのニップル1
4が螺着されている。
【0019】なお、この第1の実施の形態および後述の
第2乃至第5の実施の形態において、ボールナット2の
内部に潤滑剤Gを充填させる場合は、ねじ軸1に軸方向
の中空穴(図示せず。)を貫設して、この中空穴内に温
度制御された液体又は空気を循環させることによってボ
ールねじを強制冷却する。また、ニップル14の位置は
例示であって、この位置に限定されるものではない。
【0020】第1の実施の形態の作用を説明する。ボー
ルねじの揺動運動、すなわち、ボール3の繰返し転動公
転によってボールナット2の一方の端部に押しやられた
潤滑剤Gは、ボール3の押出力によってシール部材4近
傍の開口10(又は9)内に押し込まれる。そうする
と、潤滑剤循環路8内に充填されている潤滑剤Gが、他
方のシール部材4近傍の開口9(又は10)内からボー
ルナット2の内部に押し出される。このため、潤滑剤G
を押し出すための圧力が分散されるから、シール部材4
から外部への潤滑剤Gの漏出量は従来のものより減少す
る。
【0021】なお、潤滑剤Gが劣化した場合は、ボール
ナット2から両シール部材4,4を抜脱して劣化した潤
滑剤Gを除去し、ボールナット2の内部と潤滑剤循環路
8内を洗浄する。その後、シール部材4,4をボールナ
ット2に装着して、ニップル14から新たな潤滑剤Gを
ボールナット2の内部と潤滑剤循環路8内に供給封入す
ればよい。
【0022】図4に、本発明の第2の実施の形態を示
す。この第2の実施の形態は、上述の第1の実施の形態
の変形態様である。なお、第1の実施の形態と同一又は
相当部分には同一の符号を付して、その説明は省略す
る。上述の第1の実施の形態との相違点は、ボールナッ
ト2の肉厚内に軸方向の穿通孔13を設ける替わりに、
その一方の端部がフランジ部20に設けた軸方向の穿通
孔43に嵌挿される真直なパイプ22と、このパイプ2
2の他方の端部と連接連通するほぼL字状のパイプ23
をクランプ24によってボールナット2の外周面に装着
したことである(可撓性の材質とした場合は、バイプ2
2,23を一体としてもよい。)。すなわち、潤滑剤循
環路8は、穿通孔11,12とパイプ22,23内とか
ら形成されている。また、潤滑剤循環路8に対して円周
方向に位相を180°ずらせたボールナット2のほぼ中
央位置に、軸方向に直角な穿通孔25が設けられてい
る。この穿通孔25のボールナット外周面側に、潤滑剤
Gを充填供給するためのニップル14が螺着されてい
る。なお、作用は第1の実施の形態と同様であるので、
その説明は省略する。
【0023】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。なお、前述の第1の実施の形態と同一又は相当部分
には同一の符号を付して、その説明は省略する。図5に
示すように、ボールナット2の肉厚内には、左側の1回
路を挟む一対の開口27,28を内周面に有する軸方向
に直角な穿通孔29,30と、この穿通孔29,30に
連通する軸方向の穿通孔31とからなる潤滑剤循環路2
6が設けられている。また、潤滑剤循環路26に対して
円周方向に位相を180°ずらせた位置に、右側の1回
路を挟む一対の開口33,34を内周面に有する軸方向
に直角な穿通孔35,36(開口34はシール部材4近
傍に位置している。)と、この穿通孔35,36に連通
する軸方向の穿通孔37とからなる潤滑剤循環路32が
設けられている。この潤滑剤循環路26,32内と両シ
ール部材4,4によって閉塞されたボールナット2の内
部に、潤滑剤Gが封入されている。具体的に述べると、
潤滑剤Gは、潤滑剤循環路26,32内に充填されると
ともにボールナット2内部の空間容積の約1/2を占め
るように封入されている。さらに、穿通孔35のボール
ナット外周面側に、潤滑剤Gを補給するためのニップル
14が螺着されている。なお、図6(第3の実施の形態
の変形態様)に示すように、潤滑剤循環路26の開口2
7をシール部材4近傍に設けることが好ましい。
【0024】第3の実施の形態の作用を説明する。1回
路ごとに、ボール3の転動公転によって潤滑剤Gが一方
の開口28,34(又は27,33)内に押し込まれ
る。そうすると、潤滑剤循環路26,32内に充填され
ている潤滑剤Gが、他方の開口27,33(又は28,
34)内からボールナット2の内部に押し出される。こ
のため、潤滑剤Gを押し出すための圧力が低下している
から、シール部材4から外部への潤滑剤Gの漏出量は従
来のものより減少する。
【0025】なお、ボールねじの回路数が3以上の場合
は、1回路ごとに当該1回路を挟む一対の開口を内周面
に有する潤滑剤循環路を、円周方向に360°/N(N
は回路数)ずつ位相をずらした位置に設けることが好ま
しい。この場合、ボールナットの両端に位置する潤滑剤
循環路の一方の開口をシール部材の近傍に設けることが
より好ましい。
【0026】図7に、本発明の第4の実施の形態を示
す。この第4の実施の形態も、上述の第3の実施の形態
の変形態様である。なお、第3の実施の形態と同一又は
相当部分には同一の符号を付して、その説明は省略す
る。上述の第3の実施の形態との相違点は、ボールナッ
ト2の肉厚内に軸方向の穿通孔31,37を設ける替わ
りに、ほぼコ字状のパイプ38,39をそれぞれクラン
プ41,42によってボールナット2の外周面に装着し
たことである。すなわち、潤滑剤循環路26,32は、
それぞれ、穿通孔29,30とパイプ38内、及び穿通
孔35,36とパイプ39内とから形成されている。ま
た、穿通孔36に連通する軸方向の穿通孔40が設けら
れ、そのボールナット端面側に潤滑剤を補給するための
ニップル14が螺着されている。なお、作用は第3の実
施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0027】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る(図示せず。)。この第5の実施の形態は、前述の第
1又は第2の実施の形態と第3又は第4の実施の形態を
組合わせたものである。すなわち、ボールナット2に
は、内周面の両シール部材4,4近傍に開口9,10を
有する第1の潤滑剤循環路8(図2及び図4参照)と、
1回路ごとに当該1回路を挟む一対の開口27,28;
33,34を内周面に有する第2の潤滑剤循環路26,
32(図5乃至図7参照)が設けられている。そして、
両シール部材4,4によって閉塞されたボールナット2
の内部と、第1及び第2の潤滑剤循環路8;26,32
内に潤滑剤Gが封入されている。具体的に述べると、潤
滑剤Gは、第1及び第2の潤滑剤循環路8;26,32
内に充填されるとともにボールナット2内部の空間容積
の約1/2を占めるように封入されている。なお、第2
の潤滑剤循環路26,32は、リターンチューブ7,7
と第1の潤滑剤循環路8に干渉しない円周方向に位相を
ずらせた位置に設けられる。
【0028】第5の実施の形態の作用を説明する。第1
の潤滑剤循環路8と第2の潤滑剤循環路26,32によ
って潤滑剤Gを押し出すための圧力が分散低下している
から、シール部材4から外部への潤滑剤Gの漏出量は従
来のものよりさらに減少する。
【0029】上述の実施の形態はリターンチューブ式ボ
ールねじについて例示したが、ボール循環案内部材とし
て「こま」、「エンドキャップ」又は「ガイドプレー
ト」を用いたボールねじに対しても本発明を適用するこ
とができることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るボールねじによ
れば、ボールの転動公転によってボールナットの一方の
端部に押しやられた潤滑剤は、ボールの押出力によって
シール部材近傍の開口内に押し込まれる。そうすると、
潤滑剤循環路内に充填されている潤滑剤が、他方のシー
ル部材近傍の開口内からボールナットの内部に押し出さ
れる(ボールねじが反転する際も同様である。)。この
ため、潤滑剤を押し出すための圧力が分散されるから、
シール部材から外部への潤滑剤の漏出量は従来のものよ
り減少する。また、従来のボールねじのように、ボール
ナットの内部に多量の潤滑剤を間欠的又は連続的に補給
する必要がない。
【0031】請求項2に係るボールねじによれば、1回
路ごとに、ボールの転動公転によって潤滑剤が一方の開
口内に押し込まれる。そうすると、潤滑剤循環路内に充
填されている潤滑剤が、他方の開口内からボールナット
の内部に押し出される。このため、潤滑剤がボールナッ
トの端部に押しやられたとしても、潤滑剤を押し出すた
めの圧力が低下しているから、シール部材から外部への
潤滑剤の漏出量は従来のものより減少する。また、従来
のボールねじのように、ボールナットの内部に多量の潤
滑剤を間欠的又は連続的に補給する必要がない。
【0032】請求項3に係るボールねじは、請求項1の
構成と請求項2の構成を組み合わせたものである。従っ
て、請求項3に係るボールねじによれば、シール部材か
ら外部への潤滑剤の漏出量は従来のものよりさらに減少
する。また、従来のボールねじのように、ボールナット
の内部に多量の潤滑剤を間欠的又は連続的に補給する必
要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の平面図。
【図2】 図1のボールナットを180°反転させた状
態の縦断面図。
【図3】 図2の右側面図。
【図4】 本発明の第2の実施形態の縦断面図。
【図5】 本発明の第3の実施形態の縦断面図。
【図6】 本発明の第3の実施形態の縦断面図。
【図7】 本発明の第4の実施形態の縦断面図。
【符号の説明】
1 ねじ軸 2 ボールナット 3 ボール 4 シール部材 5,6 ボール転動溝 7 ボール循環案内部材(リターンチュー
ブ) 8,26,32 潤滑剤循環路 9,10,27,28,33,34 開口 G 潤滑剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に螺旋状のボール転動溝を有する
    ねじ軸と、前記ボール転動溝に対向する螺旋状のボール
    転動溝を内周面に有するとともにボール循環案内部材が
    装着されたボールナットと、前記両ボール転動溝間と前
    記ボール循環案内部材内に介挿された複数個のボール
    と、前記ボールナットの軸方向両端部に装着されたシー
    ル部材とからなるボールねじにおいて、 前記ボールナットには、前記内周面の前記両シール部材
    近傍に開口を有する潤滑剤循環路が設けられており、 前記両シール部材によって閉塞された前記ボールナット
    の内部と前記潤滑剤循環路内に潤滑剤が封入されている
    ことを特徴とする、 ボールねじ。
  2. 【請求項2】 外周面に螺旋状のボール転動溝を有する
    ねじ軸と、前記ボール転動溝に対向する螺旋状のボール
    転動溝を内周面に有するとともにボール循環案内部材が
    装着されたボールナットと、前記両ボール転動溝間と前
    記ボール循環案内部材内に介挿された複数個のボール
    と、前記ボールナットの軸方向両端部に装着されたシー
    ル部材とからなるボールねじにおいて、 前記ボールナットには、1回路ごとに該1回路を挟む一
    対の開口を前記内周面に有する潤滑剤循環路が設けられ
    ており、 前記両シール部材によって閉塞された前記ボールナット
    の内部と前記潤滑剤循環路内に潤滑剤が封入されている
    ことを特徴とする、 ボールねじ。
  3. 【請求項3】 外周面に螺旋状のボール転動溝を有する
    ねじ軸と、前記ボール転動溝に対向する螺旋状のボール
    転動溝を内周面に有するとともにボール循環案内部材が
    装着されたボールナットと、前記両ボール転動溝間と前
    記ボール循環案内部材内に介挿された複数個のボール
    と、前記ボールナットの軸方向両端部に装着されたシー
    ル部材とからなるボールねじにおいて、 前記ボールナットには、前記内周面の前記両シール部材
    近傍に開口を有する第1の潤滑剤循環路と、1回路ごと
    に該1回路を挟む一対の開口を前記内周面に有する第2
    の潤滑剤循環路とが設けられており、 前記両シール部材によって閉塞された前記ボールナット
    の内部と前記第1及び第2の潤滑剤循環路内に潤滑剤が
    封入されていることを特徴とする、 ボールねじ。
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