JP2003120579A - 立軸ポンプの吸込水槽 - Google Patents
立軸ポンプの吸込水槽Info
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Abstract
上し、十分な小型化を図る。 【解決手段】河川等の水が流入される略長方形の吸込水
槽1と、吸込水槽1より高いヘッドに位置している吐出
水槽2と、吸込水槽1の下流側閉端部の近傍で下端のポ
ンプ吸込口3を下方底面に向けて開口し、その上方が略
水平横方向に曲折してその先端開口部のポンプ吐出口4
が吐出水槽2中に接続しているポンプ吸込管5とを備え
る立軸ポンプの吸込水槽において、ポンプ吸込管5の上
流側で吸込水槽1を幅方向に2等分する仕切壁7が設置
されており、またその下流側端部には仕切壁7の両側の
平均流速を6:4より大きく8:2より小さく偏らせる
よう、吸込水槽1の一方の側壁に向けて屈曲した屈曲部
6が形成されている。
Description
設けられる立軸ポンプの吸込水槽に係わり、特に下方へ
向けて開口したポンプ吸込管へ導水する立軸ポンプの吸
込水槽に関する。
時における河川流域の冠水被害を防止する目的で、海や
バイパス水路などに緊急排水を行う排水ポンプ機場(以
下適宜、単に機場という)が建設されている。
槽に導き、この吸込水槽中において吸込口が下方に開口
するように設置したポンプ吸込管へさらに導入した後、
立軸ポンプによって高いヘッド(揚程)に位置する吐出
水槽へ揚水することにより、適切な排水経路に排水しよ
うとするものである。
路の形状は、例えば機場やプラントの立地条件に大きく
左右され、水路の流れが理想的になるように形状を決定
できることはまれである。例えば、ポンプ吸込水槽に水
を導入する水路中に屈曲部がある場合や、ポンプ吸込水
槽に水を導入する水路が分割壁等により2つ以上に分割
されている場合等においては、水路の幅方向に偏った流
速分布を生じたまま(=偏流)ポンプ吸込水槽に流入す
ることがある。このような場合、その偏流によりポンプ
吸込管付近において旋回流が発生し、これによって空気
吸込渦や水中渦が生じることがある。そして、これらの
渦の中心においては水圧が極端に低くなるため空洞が発
生し、この空洞が立軸ポンプに到達することで震動や騒
音などといった悪影響を及ぼす。
保の困難化あるいは環境問題への配慮等により、機場の
省スペース化が強く望まれる傾向にある。そのために
は、吸込水槽を小さく必要があるが、この場合、吸込流
量を維持するため吸込流速を大きくする必要がある。そ
の一方で、上述した空気吸込渦や水中渦等は一般に流速
が大きくなるほど発生しやすくなるため、吸込流速の向
上にはある限界(=限界流速)があり、これが吸込水槽
のコンパクト化、ひいては機場の省スペース化の妨げと
なっていた。
開平2000−18199号公報に記載のように、吸込
水路におけるポンプの上流側天井部から水面付近にまで
下方に突出した天井側突出構造物を設ける構成が提唱さ
れている。これにより、天井側突出構造物より水路下流
側では水路幅方向の偏流の発生を低減でき、旋回流によ
る上記空気吸込渦や水中渦等の発生を抑制し、限界流速
を向上することができる。このときさらに、上流側水路
における幅方向流速分布の偏りが小さいほど、すなわち
水路を幅方向に2等分したときの両側の平均流速V1,
V2の比V1:V2=50:50に近づくほど、ポンプ
の周囲において旋回流による空気吸込渦や水中渦等の発
生をさらに抑制できる結果、限界流速をさらに向上でき
ることが開示されている。
来技術には以下のような課題が存在する。すなわち、上
記のように天井側突出構造物を設ける場合には、水流の
圧力抵抗に耐えうるだけの大きい強度のものをポンプ吸
込水槽の幅方向全体に設置しなければならない。また天
井側突出構造物は、立軸ポンプ機場の運転状況により大
きく変化するポンプ吸込水槽の水位に幅広く対応可能と
するため、水深方向に大きな構造とすることが必要とな
る。また設置コストの増大を招く可能性があった。
ることなく限界流速を向上し、十分な小型化を図ること
ができる立軸ポンプの吸込水槽を提供することにある。
るために、本発明は、立軸ポンプの吸込管内へ導水する
立軸ポンプの吸込水槽において、前記吸込管の上流側水
路を幅方向に2等分したときの平均流速比を、6:4よ
り大きく8:2より小さくなるように偏らせる偏流手段
を備えている。
合においても、天井側突出構造物を設ける場合と同様、
水路を幅方向に2等分したときの両側の平均流速の比を
例えば10:0から9:1、8:2と小さくしていくほ
ど、ポンプの下部において旋回流による空気吸込渦や水
中渦等の発生を抑制でき、限界流速を向上できる傾向と
なる。そこで本発明においては、ポンプ吸込管の上流側
水路を幅方向に2等分したときの平均流速比を8:2よ
り小さくすることにより、ポンプ吸込管近傍における旋
回流による水中渦や空気吸込渦の発生を防止する。
ない場合、流速比がある程度5:5に近づいていると、
ポンプ吸込管の両側面を通過した水流の水面付近に剥離
渦が吸込管の左右交互に生じやすくなる。流速が限界流
速以上になると、これが水中渦や空気吸込渦に発達し、
内部の空洞がポンプ本体に到達して震動・騒音等の悪影
響を及ぼす。そこで本発明においては、ポンプ吸込管の
上流側水路を幅方向に2等分したときの平均流速比を
6:4より大きくすることにより、ポンプ吸込管の左右
両側に発生する剥離渦を吸込管のすぐ下流側で接触して
互いに打ち消し合わせ、これによって2つの剥離渦の発
達を抑制させる。この結果、空気吸込渦や水中渦の発生
を防止することができる。
いることなく、旋回流による水中渦や空気吸込渦の発生
及び剥離渦による水中渦や空気吸込渦の発生を防止して
吸込水槽内の限界流速を向上できる。したがって天井側
突出構造物を設ける従来構造のように天井側突出構造物
を設けることなく、立軸ポンプの吸込水槽の十分な小型
化を図ることができる。
前記偏流手段は、下流側端部に屈曲部を設けた仕切壁を
備えるものとする。
させることができ、かつそれらの平均流速比を確実に偏
らせることができる。
前記偏流手段は、上流側端部に屈曲部を備えた仕切壁を
備えるものとする。
は、前記偏流手段は、多数の開口部を備え、幅方向一方
側と他方側とで開口比の異なる抵抗板を備えるものとす
る。
抵抗板を組み合わせて用いることで、流れ解析などの検
討を必要とせずに、上流側水路を幅方向に2等分したと
きの平均流速比を簡便に設定することができる。
くは、前記偏流手段は、前記上流側水路を前記幅方向一
方側と他方側とに仕切る仕切壁をさらに備えたものとす
る。
路を明確に2等分させることができ、その結果、一方側
と他方側の平均流速比を安定化させることができる。
を参照しつつ説明する。以下に、本発明の第1の実施の
形態による立軸ポンプの吸込水槽を図1〜図9により説
明する。
ンプの吸込水槽の水流方向縦断面図であり、図1(b)
は、図1(a)中I−I面から見た矢視平面図である。こ
れら図1(a)及び図1(b)において、図示しない導
水経路から河川等の水が流入される略長方形の吸込水槽
1と、吸込水槽1より高いヘッドに位置している吐出水
槽2と、吸込水槽1の下流側閉端部(図中右端部)近傍
で下端のポンプ吸込口3を下方底面に向けて開口し、そ
の上方が略水平横方向に曲折してその先端開口部のポン
プ吐出口4が吐出水槽中に接続しているポンプ吸込管5
と、ポンプ吸込管5の上流側で吸込水槽1の側壁と略平
行に配置され、その下流側端部に屈曲部6を備えた仕切
壁7と、ポンプ吸込口3下方の吸込水槽1の底面に設置
した旋回流防止板7と、ポンプ吸込口3内部に配置され
複数枚の羽根9aを備えたポンプ羽根車9と、ポンプ吸
込管5を貫通して設けられポンプ羽根車9を先端に固定
した羽根車シャフト10と、ポンプ吸込管5の曲折部の
上方に位置し、クラッチ11を介して羽根車シャフト1
0に接続するポンプ原動機12aを備えた駆動部12と
が設けられている。
に位置して吸込水槽1からポンプ吸込管5内に導水する
ものであり、また曲線的に広がるベルマウス形状に形成
されている。ポンプ原動機12aは例えばガスタービン
等の原動機であり、またその出力軸は駆動力の接続・切
り離しを行う例えば円板型のクラッチ11を介して羽根
車シャフト10に接続している。ポンプ吐出口4は吐出
水槽2を満たす水中に浸漬するよう吐出水槽2に接続し
ている。また、仕切壁7はポンプ吸込管5の上流側で吸
込水槽1を幅方向に2等分する配置で設置されており、
またその下流側端部には仕切壁7の両側の平均流速Vs
1,Vs2を後述する比率に設定するよう、吸込水槽1
の一方の側壁(図1(b)中下側の側壁)に向けて屈曲
した屈曲部6が形成されている。
の範囲1又は2項記載の吸込管5の上流側水路を幅方向
に2等分したときの平均流速比を、6:4より大きく
8:2より小さくなるように偏らせる偏流手段を構成し
ている。
ず、本発明の背景原理を、図2〜図9を用いて説明す
る。以下、これら図2〜図9までにおいて、図1と同符
号のものは同一部分を示す。
造を表す縦断面図である。図2において、吸込水槽22
は略長方形の形状で図中左方向に伸びて設置している。
先の図1(a)と同様、ポンプ吸込口3は吸込水槽22
を満たす水中に位置して吸込水槽22からポンプ吸込管
5内に導水できるようになっている。
駆動され揚水開始されると、図2の要部拡大図である図
3(a)及び図3(a)中III−III断面による水平断面
図である図3(b)に示すように、ポンプ吸込口3周囲
の水がポンプ羽根車9の回転と連動して流速Vbでポン
プ吸込管6の中へ吸い込まれるとともに、吸込水槽22
中の水が図中左側からポンプ吸込管5に向かって流速V
sで流れる。
側の水路全体で見た平均流速であると考え、そのうち上
流側水路を幅方向に2分割して見た場合にそれぞれ上流
側水路の両側壁に沿って流れる流速をVs1,Vs2と
する。そしてこれら流速Vs 1,Vs2に大きな差があ
る場合、すなわち幅方向の流速分布の偏りが大きい場合
には、全体的に流速Vsが大きくなるに従いポンプ吸込
口3付近に旋回流13が生じる。そしてこの旋回流13
がさらに強くなるに従って吸込水槽22の底面から又は
水面Wから渦が発生し、それぞれの渦の中心の圧力が極
度に低くなることで空洞化し、その結果、同図3中に示
すような水中渦14や空気吸込渦15に発達する。そし
てこの水中渦14及び空気吸込渦15は、流速Vsが十
分に大きい間は渦の状態が維持されてポンプ吸込管5に
震動・騒音を与え続ける。
場合、すなわち幅方向の流速分布の偏りが小さい場合で
全体的に流速Vsがある一定の大きさを越えた時点で
は、図2の要部拡大図である図4(a)及び図4(a)
中IV−IV断面による水平断面図である図4(b)に示す
ように、ポンプ吸込管5下流側の左右両側面の水面W付
近にそれぞれ剥離渦16が生じる。これら2つの剥離渦
16は時間の経過とともにどちらか一方の剥離渦16が
下流側に流されながら次第に発達して大きくなってい
く。そしてついには内部が空洞化し、ポンプ吸込口3に
まで続く空気吸込渦15又は水中渦14に発達してポン
プ吸込管5に大きな震動・騒音を与える。ここで吸込水
槽22が天井部の無い開水路である場合は剥離渦16が
空気吸込渦15に、吸込水槽22が天井部を備えた閉水
路である場合は水中渦14に発達する。このような渦の
発生から拡散消滅までの行程は、左右2つの剥離渦16
が交互に、またそれぞれ比較的長い時間をかけて行うも
のであり、各行程の最中では左右2つの渦剥離16はお
互いに何ら干渉し合うことなくスムーズに進行する。
込渦15によって、ポンプ吸込管5やその内部で回転す
るポンプ羽根車9に大きな振動や騒音を与えるのを防ぐ
ため、従来ではVb,Vsの限界である流速限界が低く
制限されていた。その結果、同一流量を確保するために
は、吸込水槽22の幅方向寸法を大きく取らざるを得な
くなるため、吸込水槽22自体の省スペース化が妨げら
れることになる。
周囲に渦の発生を防ぐための何かしらの構成を設けるこ
とが考えられる。図5は上記旋回流13による水中渦1
4及び空気吸込渦15の発生をそれぞれ防止するために
旋回流防止板8を設けた場合の水流方向縦断面図であ
る。
によって、図3に示すような吸込水槽22の底面におけ
る旋回流13の動きが抑制され、水中渦14及び空気吸
込渦15の発生を防ぐ効果が向上するものの、図4に示
すようなポンプ吸込管5下流側における水面付近の剥離
渦16の発達を防ぐには何ら効果が得られない。
吸込管5の上流側水路において幅方向の流速分布を大き
く偏らせることが考えられるが、過度に偏らせた場合に
は、ある一定の流速を超えると旋回流防止板8を備えて
いても局所的な乱流をきっかけとしてやはり強い水中渦
14が発生してしまう。そのため幅方向の流速分布の偏
りを過度に大きくした場合にはVsの限界流速VsLを
高く設定することができなくなる。
を行ったところ、ポンプ吸込管5の上流側水路を幅方向
に2等分させてそれらの平均流速比を6:4より大きく
8:2より小さくなるように偏らせることで、左右2つ
の剥離渦16の発達を抑制しつつ限界流速VsLを高く
設定できることを知見した。
用について図6〜図9により説明する。図6は、旋回流
防止板8を備えた立軸ポンプの吸込水槽22において、
幅方向の平均流速比Vs1:Vs2の変化と限界流速V
sLとの関係を示す図であり、図7、図8、図9はそれ
ぞれ幅方向の平均流速比Vs1:Vs2を5:5、7:
3、9:1とした場合のそれぞれの剥離渦16又は旋回
流13が発生する様子を上から見た平面図である。
s2を5:5として偏りを無くした場合には、図7に示
すようにポンプ吸込管5の左右両側面の下流側にそれぞ
れ剥離渦16a,16bが発生し、そしてそれらが互い
に干渉することのない離れた位置に発生するため、時間
が経過するに従い交互に発達しやすくなっている。その
ため比較的低い流速Vsでも空気吸込渦15や水中渦1
4に発達しやすく、その結果、図6に示すように限界流
速VsLが低く設定されることになる。
Vs2を偏らせた場合、図8に示すように、平均流速の
高い側(図中流速Vs1側)の剥離渦16aが発生直後
からポンプ吸込管5の下流側に大きく回り込むようにな
り、ついには平均流速の低い側(図中Vs2側)の剥離
渦16bに接触する状態となる。これにより2つの剥離
渦16a,16bはお互いに干渉し合い、各渦の旋回方
向が逆方向であるために、互いに旋回力を打ち消し合っ
てどちらも強くて定常的な渦に発達しにくくなる。すな
わち2つの剥離渦16a,16bは共に発達が抑制され
て空気吸込渦15や水中渦14に発達しにくくなり、そ
の結果、図6に示すように限界流速Vs Lは比較的高く
設定される。
り大きく、8:2より小さくなるように偏らせた場合に
は、2つの剥離渦16a,16bの干渉が顕著となって
高い発達抑制効果が得られるため、限界流速VsLは大
幅に高く設定される。
Vs2を9:1まで偏らせた場合には、図9に示すよう
に、平均流速の高い側の剥離渦16aが平均流速の低い
側の剥離渦16bを打ち流し、結果的にポンプ吸込管5
の周囲に旋回流13を発生させる状態となる。この場
合、ポンプ吸込口3の下方に旋回流防止板8を設置して
いても、ある一定の流速を超えると局所的に乱流が発生
し、それをきっかけに水中渦14が発生しやすくなる。
従って図6に示すように限界流速VsLが低く設定され
ることになる。
込管5の上流側水路を幅方向に2等分したそれぞれの平
均流速比Vs1:Vs2を、6:4より大きく8:2よ
り小さくなるよう偏らせることにより、良好な剥離渦1
6の発達抑制効果が得られることを知見した。この知見
に基づき、図1に示す本発明の第1の実施の形態におい
ては、上流側水路に設置した仕切壁7を偏流手段とし
て、平均流速比Vs1:Vs2を特に最適な7:3に偏
らせるよう構成することで剥離渦16の発達を抑制す
る。
路から河川等の水が吸込水槽1に平均流速Vsで流入
し、その後に吸込水槽1内で仕切壁7により幅方向に2
等分される。そして両側の流れが仕切壁7の下流側端部
に設けた屈曲部6を通過することにより、それぞれの平
均流速の比Vs1:Vs2を7:3となるよう偏流さ
れ、その後に下流側のポンプ吸込管5に流される。この
ように適切な平均流速比で偏流させた水流をポンプ吸込
管5へ流すことにより、上記の知見に基づいた吸込管5
下流側の剥離渦16の発達抑制効果が良好に得ることが
でき、水中渦14や空気吸込渦15の発生を防ぐことが
できる。したがって本発明の第1の実施の形態による立
軸ポンプの吸込水槽1によれば、限界流速VsLを高く
設定することができ、吸込水槽1を十分に小型化するよ
う設計できる。
s2の偏りは、仕切壁7の屈曲部6における水平断面形
状の違いにより両側の流れの抵抗が異なることによって
生じる。したがって、屈曲部6の形状は、図1(b)に
示すように単純に一方へ曲げられる形状に限られず、そ
れ以外にも幅方向両側のそれぞれの流れに対して異なる
抵抗を与えるのであればどのような形状としてもよい。
また、それら屈曲部6等による流れの抵抗は、基本的に
その流れの流速と線形関係にあるため、上流側の流速V
sが変化しても幅方向両側の平均流速比Vs1:Vs2
の偏りはほとんど変化しない。
s2を所望に偏らせるための屈曲部6の大きさや角度の
設定は、個々のポンプ吸込水槽1の形状や上流側の導水
路の構成などの他の要因が複雑に影響し合って多様に相
違するものであるが、近年一般的な設計に使用されるよ
うになった汎用流れ解析を利用すれば、数回の計算を実
施することによって最適な形状を見出すことができる。
またこのとき実験によっても最適な形状を見出すことが
できるのは勿論である。
本実施の形態のように下流側端部に限られず、それ以外
にも仕切壁7の上流側端部又は両端の間の途中位置に設
けてもほぼ同様の効果を得ることができる。
については、吸込水槽1やその上流側の水路が図1に示
すような開水路に設置する場合に限られるものではな
く、天井部を備えた閉水路であっても設置することは可
能であり、その場合には仕切壁7は天井部を支持する強
度部材としても機能する。
水槽を図10により説明する。本実施の形態は、前述し
た本発明の第1の実施の形態における屈曲部付きの仕切
壁に代えて、吸込水槽の幅方向に2枚の抵抗板を並設し
たものである。
ンプの吸込水槽を上から見た水流方向平面図であり、図
10(b)は図10(a)中の矢視Xから見た縦断面図
である。これら図10(a)及び図10(b)におい
て、図1(a)及び図1(b)と同符号のものは同一部
分を示し、適宜説明を省略する。
吸込水槽20のポンプ吸込管5上流側には、2枚の抵抗
板25a,25bが幅方向に並んで吸込水槽20全体を
塞ぐように設置されており、一方側の抵抗板25aには
比較的大径の丸孔で構成する開口部26aが、他方側の
抵抗板25bには比較的小径の丸孔で構成する開口部2
6bが、それぞれ均等な配置で多数設けられている。そ
してそれぞれの全板面積に対する開口部26a,26b
の占める割合、すなわち各抵抗板25a,25bの開口
比については、抵抗板25aの方が抵抗板25bよりも
大きくなっている。
bが特許請求の範囲1又は3項記載の吸込管5の上流側
水路を幅方向に2等分したときの平均流速比を、6:4
より大きく8:2より小さくなるように偏らせる偏流手
段を構成している。
5bの開口比が水流の通過を妨げる抵抗係数に逆比例す
ることが分かっており、すなわち開口比の大きい抵抗板
25aを通過する流量の方が相対的に多くなり、開口比
の低い抵抗板25bを通過する流量の方が少なくなる。
この結果、図10(a)に示すように抵抗板25a側下
流の平均流速Vs1は、抵抗板25b側下流の平均流速
Vs2より大きくなる。
板25a,25bのそれぞれの開口比を調整して幅方向
の平均流速比Vs1:Vs2を6:4より小さく8:2
より大きく偏らせることにより、上記第1の実施の形態
と同様にして、水中渦14及び空気吸込渦15の発生が
防止され、限界流速VsLを高く設定することができ
る。特に本実施の形態は、比較的小さな立軸ポンプを用
いる吸込水槽の場合に有効であり、簡易な構成で各渦の
発生を防止することができる。
どから抵抗係数が既知の抵抗板を利用することで、流れ
解析などの検討を必要とすることなく所望の幅方向の平
均流速比の偏りを設定し、簡便に吸込水槽を最適に設計
することができる。
a,25bは多数の丸孔形状の開口部26a,26bを
設けた多孔板の形態で構成されているが、本発明はこれ
に限られず、例えば網状フェンスの形態であったり、又
は複数のスリットを設けた形態としてもよく、また吸込
水槽20全体を塞がずとも一部だけ塞ぐような構成とし
てもよい。どのような形態・構成であっても各抵抗板2
5a,25bの開口比(又は抵抗係数)及びそれらどう
しの比を適切に調整することにより同様の効果を得るこ
とができる。
変形例として図11に示すように、ポンプ吸込管5の上
流側水路を、幅方向一方側と他方側に仕切るような仕切
壁7Aを2枚の抵抗板25Aa,25Abの間にさらに
設ける構成としてもよい。以下、このような変形例を図
11(a)及び図11(b)により説明する。
ンプの吸込水槽を上から見た水流方向平面図であり、図
11(b)は図11(a)中の矢視XIから見た縦断面図
である。これら図11(a)及び図11(b)におい
て、図10(a)及び図10(b)と同符号のものは同
一部分を示し、適宜説明を省略する。
吸込水槽21の側壁と平行な仕切壁7Aが、その下流側
端部を2枚の抵抗板25Aa,25Abの間に挟まれる
配置で設置されており、この仕切壁7Aは抵抗板25A
a,25Abの上流側の水路を幅方向に2等分するよう
になっている。
ある。すなわち、前述したように、2枚の抵抗板25A
a,25Abを通過する流量の割合を調整して幅方向に
所望の平均流速比に偏らせる上で、上流側水路を各抵抗
板25Aa,25Abに明確に対応させるよう2等分す
ることができ、その結果、一方側と他方側の平均流速比
を安定化させることができる。特に本変形例は、比較的
大きな立軸ポンプを用いる吸込水槽の場合に有効であ
り、また強い水流に対しても仕切壁7Aが2枚の抵抗板
25Aa,25Abを堅固に支持する強度部材として機
能する。
水路を幅方向に2等分したときの平均流速比を8:2よ
り小さくすることにより、旋回流による水中渦や空気吸
込渦の発生を防止し、また平均流速比を6:4より大き
くすることにより、2つの剥離渦を吸込管のすぐ下流側
で互いに打ち消し合わせて発達を抑制し、空気吸込渦や
水中渦の発生を防止することができる。
させることができ、立軸ポンプの吸込水槽の十分な小型
化を図ることができる。
形態の水流方向縦断面図、及び図1(a)中I−I面から
見た矢視平面図である。
面図である。
縦断面図、及び図3(a)中III−III面から見た矢視平
面図である。
縦断面図、及び図4(a)中IV−IV面から見た矢視平面
図である。
向縦断面図である。
水槽において、幅方向の平均流速比の変化と限界流速と
の関係を示す図である。
水槽において、幅方向の平均流速比を5:5とした場合
の剥離渦が発生する様子を説明する平面図である。
水槽において、幅方向の平均流速比を7:3とした場合
の2つの剥離渦が接触・干渉する様子を説明する平面図
である。
水槽において、幅方向の平均流速比を9:1とした場合
の旋回流が発生する様子を説明する平面図である。
の形態の水流方向平面図、及び図10(a)中の矢視X
から見た縦断面図である。
の形態の変形例の水流方向平面図、及び図11(a)中
の矢視XIから見た縦断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】立軸ポンプの吸込管内へ導水する立軸ポン
プの吸込水槽において、 前記吸込管の上流側水路を幅方向に2等分したときの平
均流速比を、6:4より大きく8:2より小さくなるよ
うに偏らせる偏流手段を備えていることを特徴とする立
軸ポンプの吸込水槽。 - 【請求項2】請求項1記載の立軸ポンプの吸込水槽にお
いて、前記偏流手段は、下流側端部に屈曲部を備えた仕
切壁を設けたことを特徴とする立軸ポンプの吸込水槽。 - 【請求項3】請求項1記載の立軸ポンプの吸込水槽にお
いて、前記偏流手段は、上流側端部に屈曲部を備えた仕
切壁を設けたことを特徴とする立軸ポンプの吸込水槽。 - 【請求項4】請求項1記載の立軸ポンプの吸込水槽にお
いて、前記偏流手段は、多数の開口部を備え、幅方向一
方側と他方側とで開口比の異なる抵抗板を備えることを
特徴とする立軸ポンプの吸込水槽。 - 【請求項5】請求項4記載の立軸ポンプの吸込水槽にお
いて、前記偏流手段は、前記上流側水路を前記幅方向一
方側と他方側とに仕切る仕切壁をさらに備えたことを特
徴とする立軸ポンプの吸込水槽。
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