JP2003119623A - 光反射機能構造体 - Google Patents

光反射機能構造体

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JP2003119623A JP2002215402A JP2002215402A JP2003119623A JP 2003119623 A JP2003119623 A JP 2003119623A JP 2002215402 A JP2002215402 A JP 2002215402A JP 2002215402 A JP2002215402 A JP 2002215402A JP 2003119623 A JP2003119623 A JP 2003119623A
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金也 熊沢
Hidekazu Takahashi
秀和 高橋
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康朗 甲斐
Hiroshi Tabata
洋 田畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広視野角度になっても灰色に見えることがな
く、発色波長の分光スペクトルの急峻さに由来する色の
深み機能を発現させる新規な発色機構に基づいた光反射
機能構造体を提供する。 【解決手段】 屈折率の異なる少なくとも2種類の材料
を使用し、光透過性を有する第1の材料2中に、回折・
散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な
規則性をもって第2の材料からなる複数の微細構造体3
を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は光の回折・散乱作用により、可視
光線、赤外線及び紫外線領域の少なくともいずれかの波
長域の光を反射する光学機能構造体に係わり、さらに詳
しくは、顔料や染料を必要とせず、例えば可視光線領域
において、光の特定波長を反射して発色する新規な光反
射機能構造体、およびこれを用いた物品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光エネルギーは、一般に我々の視覚で認
知できる可視光線(波長0.38μm〜0.78μ
m)、それより短かい波長域の紫外線(波長0.29μ
m〜0.38μm)、可視光線より長い波長域の赤外線
(波長0.78μm以上)に区分される。このうち可視
光線域は、我々の視知覚と密接に関与しており、この光
の下で各種物体の色を感知している。一般に、物体の色
はその物体が光の一部を吸収することにより生じる。こ
の原理を利用した着色が従来から用いられてきた顔料や
染料を用いた方法であり、現在の我々の身の回りのほと
んどの着色および発色はこの方法に基づいている。
【0003】ところが、これらによる着色は各種顔料や
染料自体が必要であるばかりでなく、これらを混練する
工程や廃液処理等も必要になり、工程および環境上も問
題視されてきている。また、品質的には、物体表面に溶
出して質感低下を引き起こしたり、紫外線等による退色
に基づく初期品質の低下に伴う意匠性や商品性を損ねた
りするといった欠点も少なからず指摘されている。
【0004】このような問題点を解決するため、顔料や
染料などのいわゆる色素を用いることなく、光の干渉、
回折などの物理作用を用いた発色手段(広義には構造性
発色と称する)が知られている。これは、物体表面やそ
の内部の微細構造と、光との相互作用によって発色する
もので、既にいくつかの公知技術が知られている。
【0005】例えば、光の干渉反射作用を利用すること
により発色する構造体としては、分子配向異方性フィル
ムを2枚の偏光フィルムで挟んだ構造とすることにより
発色する材料が発表されている(繊維機械学会誌Vo
l.42,No.2,P55(1989)および同誌V
ol.42,No.10,P160(1989))。
【0006】この原理は、第1の偏光フィルムに法線方
向からの光が入射すると、このフィルムを通った光は一
定方向のみに振動する光(直線偏光)となり、次に、こ
の直線偏光が45°に配位した分子配向異方性フィルム
を通ると、偏光面を回転させて楕円偏光に変わる。そし
て、この楕円偏光が第2の偏光フィルムを通ると再び直
線偏光となるが、その際に、波長によって光の強さが異
なるために、それが着色偏光となって色として認識され
ることになるものである(いわゆる偏光の干渉による発
色)。
【0007】また、屈折率の異なる2種類のポリマー物
質を、交互に何十層と積層した構造とすることにより発
色する材料も報告されている(特開平4−295804
号公報、特許第3036305号)。この原理は、屈折
率の異なる交互積層界面で生じるフレネル反射が重なっ
て干渉を起こし、その結果として反射率の波長依存性や
反射率そのものの増強や減少を生じるもので、特定波長
で特定位相差をもって重なり合うときに現れる発色であ
る(発色波長λ=2(n+n):発色波
長λはお互いの光学的厚みが等しいとき、すなわち、
=nのとき、最大となる)。
【0008】例えば、特開平4−295804号公報に
は少なくとも第1と第2のポリマー物質の屈折率が互い
に少なくとも0.03異なり、しかも0.1μm程度の
厚さで積層させたフィルム状の反射性ポリマー物体を開
示している。さらに本発明者らも特許第3036305
号において、屈折率の異なる2種類の高分子物質からな
る交互積層構造を有する繊維状の発色構造体を開示して
いる。後者の発色繊維は非染色の発色繊維であって、見
る方向によって色味が変わり、しかもこれと組合せる糸
の色によってはその複合効果によって、干渉特有の独特
の質感を呈するものである。
【0009】一方、回折・干渉作用を利用した構造体と
しては、繊維表面に一定幅の細溝を設けることによって
回折・干渉色を発する構造体が提案されている(特開昭
62−170510号公報あるいは特開昭63−120
642号公報、特開平8−234007号公報)。この
原理は、平面あるいは凹面上に多数の所定寸法の溝(間
隔と深さ)を規則的(いわゆる、回折格子のごとく)に
形成させたものに光を入射させると、光路差ΔLが生
じ、この光路差が波長λの整数倍のとき、反射光が強め
合って明るくなるもの(光路差ΔL=mλ :但し、m
は回折次数で、m=0,1,2・・・)で、実際には、
ある入射角で入った入射光に対し、ある回折角で波長λ
の発色を与えるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
うち、分子配向異方性フィルムを偏光フィルムで挟んだ
構造体においては、細い繊維や微小な光輝材用チップ
(小片)を安価に、しかも安定して製造することが困難
であると共に、色味の鮮やかさの点でも十分ではなかっ
た。また、第1と第2の屈折率の異なるポリマーからな
る反射性ポリマー物体においても、細い繊維や微小な光
輝材用チップを安価に製造することが困難であるばかり
でなく、見る角度によって、即ち、広視野角度になると
干渉現象特有の、灰色に見えてしまう(死角がある)と
いう本質的な問題もあった。ここで死角とは、干渉発色
フィルムや繊維の照射面に対して、法線方向からの光が
入射し、我々の眼でこの法線からθだけずれた位置で見
る場合、このθが大きくなればなるほど、多層薄膜干渉
理論に基づき、発色波長λ1が法線方向で見た場合より
も短波長側にシフトし、最終的にはλ1が可視光領域を
はずれて紫外線領域にシフトしてしまい、色として認知
できない角度を意味する。
【0011】また、特許第3036305号にて開示し
た繊維状の発色構造体においても見る方向によって色味
が変わるというメリットと裏腹に、やはり広視野角度に
なると、干渉現象特有の灰色に見えてしまうという問題
を内在していた。
【0012】一方、回折・干渉作用を利用した構造体に
おいては上記のような欠点は少ないものの、CD盤のご
とくレインボー色に見え、商品として安価なイメージを
与えてしまうものであったり、膜状のものにおいては、
特殊な装置や製造方法が必要となったり、実用性に乏し
いといった問題があり、このような問題点の解消が従来
の発色構造体における課題となっていた。
【0013】
【発明の目的】本発明は、構造性発色機能を備えた従来
の発色構造体における上記課題に着目してなされたもの
であって、広視野角度になると灰色に見える(死角があ
る)という問題点を解消すると共に、目指す発色波長の
分光スペクトルの急峻さに由来する色の深み機能を発現
させる新規な発色機構に基づいた光反射機能構造体を提
供するということを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる光反射機
能構造体は、可視光線、赤外線および紫外線の反射特性
のうちの少なくともいずれかの光学機能を有する繊維状
あるいはフィルム状の構造体であって、該構造体が屈折
率の異なる少なくとも第1および第2の材料からなると
共に、少なくとも第1の材料が当該構造体の断面におい
て光透過性を有し、第2の材料からなる複数の微細構造
体が光透過性を有する第1の材料によって取り囲まれ、
回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに
十分な規則性をもって配置されている構成としており、
光反射機能構造体におけるこのような構成を前述した従
来の課題を解決するための手段としたことを特徴として
いる。
【0015】本発明に係わる光反射機能構造体の好適形
態としては、微細構造体が所定の断面形状を有し、光の
入射方向をy方向、これに対向する複数の微細構造体か
らなる微細構造体群の方向をx方向、微細構造体群の奥
行き方向をz方向としたとき、第1の材料の内部に、所
定断面形状を有する複数の微細構造体がx−y平面内で
多角形状の規則的配列をなしている構成、例えば、第1
の材料の内部に、所定断面形状を有する複数の微細構造
体がx−y平面内で行と列のマトリックス状(アレイ
状)の規則的配列、x−y平面内で六角形状の規則的配
列、三角形状の規則的配列、五角形状の規則的配列、あ
るいは八角形状の規則的配列をなしている構成としたこ
とを特徴としている。
【0016】さらに、本発明に係わる光反射機能構造体
の他の好適形態としては、複数の微細構造体がその長さ
方向(z方向)に一様に連続している構成、微細構造体
の断面形状が円形である構成とすることができ、この場
合、微細構造体の円形断面における半径をr、x−y平
面内での行と列のマトリックス状配列における隣接する
微細構造体の中心間ピッチをP、回折・散乱作用による
反射ピーク波長をλとしたとき、サイズパラメータα
(=λ/2πr)および前記ピッチPが、10 ≦α
≦10、かつ2r≦P、なる関係を満たす構成、さら
には微細構造体個々の断面形状が円形、楕円形、矩形お
よび多角形からなる群から選択される1種以上の断面形
状である構成とすることができる。
【0017】また、他の好適形態として、微細構造体が
所定の断面形状を有し、光の入射方向をy方向、これに
対向する複数の微細構造体群の方向をx方向、微細構造
体群の奥行き方向をz方向としたとき、互いに異なる波
長の光を出射するに足る十分な規則性をもった微細構造
体群が複数のブロックとしてx方向に存在するように構
成することができる。また、このような規則性をもった
微細構造体群がy方向に複数のブロックとして存在する
ように構成しても良い。
【0018】さらに他の好適形態としては、少なくとも
第1の材料がポリマー系、ガラス系、セラミックス系よ
りなる群から選ばれる1種類以上の材料からなる構成と
し、前記ポリマー系材料としては、ポリエステル系、ポ
リアミド系、ポリオレフィン系、ビニル系、ポリエーテ
ルケトン系、ポリサルファイド系、フッ素系、ポリカー
ボネート系の単体もしくはこれらのブレンド、あるいは
これら2種類以上の共重合体のいずれかとすることがで
きる。
【0019】さらに、別の好適形態として、第1の材料
が光透過性を維持できる程度の顔料および/または染料
を含有しているものとしたり、第2の材料からなる微細
構造体を第3の材料により被覆したり、さらには当該光
反射機能構造体の断面形状を円形、楕円形、正方形、矩
形、三角形、星型、あるいは多角形としたり、このよう
な光反射機能構造体を所定の長さに切断して微小なチッ
プとしたり、粉砕して粉末としたりすることができる。
【0020】そして、このようなチップや粉末は光輝材
として使用することができ、塗料やフィルム構造体、プ
ラスチック等の各種成形体、壁紙等に広く適用すること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて具体的に説明する。
【0022】図1(a)は、本発明に係わる光反射機能
構造を繊維あるいはフィルム状構造体に適用した場合を
示す概念図であって、本発明に係わる光反射機能構造体
1は屈折率の異なる少なくとも第1および第2の材料か
らなり、ここでは光透過性を有し、矩形断面形状をなす
第1の材料2の内部に、第2の材料からなり円形断面を
備えた複数の微細構造体3(微細構造体群)が回折・散
乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規
則性をもって配置されたものである。
【0023】ここで、本発明を理解するうえで、光の入
射方向に対する座標軸を定義しておいた方が好ましいの
で、以下のように定義し説明を進める。即ち、上記構造
体1の断面において、光の入射方向をyとし、該構造体
1の最外周辺に位置する微細構造体群を構成する微細構
造体2の中心同士を結んだ等価線をy方向と直行する位
置に配置した場合、その等価線の方向をx、さらにその
x−y平面に直行する奥行き方向をzとする。また、当
該構造体1に対する法線を図1(b)のように仮定し、
かつ、入射角αで入ってきた入射光の反射光(回折角
β)を0次反射と称するものとし、入射光側に正の次数
(+1,+2,・・・)、反射光側に負の次数(−1,
−2,・・・)の反射光が出射されるものとする。な
お、各次数の反射光のピーク波長を、例えば、λ(0
次反射光)、λ−1(−1次反射光)と記述することに
する。
【0024】図2(a)は、第1の材料2の内部に、第
2の材料からなる複数の微細構造体3をx方向、y方向
にそれぞれ配列方向が互いに直行するようなマトリック
ス(アレイ)状に規則的に配列したものの全体像である
(ここでは直交配列型と称する)。また、図2(b)は
そのx−y平面の拡大図を示したものである。
【0025】ここで、光の反射機能を発現させるのに
「十分な規則性」とは、例えば、図2(b)において、
光透過性を有する第1の材料1の内部に、第2の材料か
らなる微細構造体3が、同一直径Dでしかもx方向およ
びy方向に、あるピッチPでもって規則的に配列してい
るようなものをいう。なお、ピッチPとは隣接する微細
構造体3の中心間距離を意味する。
【0026】すなわち、本発明者らは、上記目的の達成
に向けて、鋭意検討した結果として、上記のように、構
造体1が屈折率の異なる少なくとも第1、第2の材料か
らなり、しかも第2の材料からなる微細構造体3の直径
やそのピッチが狙いとする反射ピーク波長λを実質的に
発現させるように、規則性、周期性が確保できていれ
ば、回折・散乱作用に基づく所望の反射機能を得ること
ができ、特に可視光線領域では、従来から問題視されて
きた広視野角度になると、灰色に見えたり(死角がある
ことを意味する)、レインボー色に見えたりする欠点を
解消できるということを見出すに到った。
【0027】すなわち、本発明において、実質的に「回
折・散乱作用」に基づくとは、基本的に以下の内容を意
味するものである。
【0028】一様な媒質中にその屈折率とは異なる屈折
率で波長よりも小さな物体があると、これによって光が
散乱されるが、その物体が等間隔で規則的に並んでいる
と、散乱されたそれぞれの光が一定方向に波面を形成し
てその方向に強く反射(回折)されることになる。本発
明においては、この現象の特異性を「回折・散乱作用」
に基づく、と称することにする(詳細については、例え
ば、光波工学:共立出版参照)。
【0029】これを踏まえ、再度、図1(b)を用いて
本発明における光反射機能の特異性について説明する。
すなわち、当該構造体1に、入射角αで入った光は回折
角βで0次反射光を、さらに±1次、±2次等の反射光
を発現する。つまり、入射角αが一定のとき、反射光側
に位置して、当該構造体1を見たり、反射測定したりす
ると、次数の重なりを生じ、各次数の反射光成分に基づ
いた反射スペクトルがあたかも合成されたかのように、
一つの連続スペクトルとして検知されることになる。
【0030】さらに、各次数の反射スペクトルにおける
反射ピーク波長λ、λ±1、λ± 等も入射角依存性
(入射角を変えると、λ、λ±1、λ±2等もシフト
すること)、および反射強度依存性をもつため、反射光
側に位置して当該構造体1を入射角度を変えて見ても、
ある色相を保持し、それゆえ、広視野角度になっても灰
色に見えたりすることがない(死角がない)と考えられ
る。なお、入射角度を変えながら、当該構造体をある角
度で見ることと、入射角度を一定にして、見る角度(受
光角度)を変えて観察することは概ね等価であるので、
以下では、入射角度を変えた状態をベースに説明するこ
とにする。
【0031】以上のごとく、本発明における「回折・散
乱作用」に基づく光の反射機能を発現させる構造体1
は、従来から知られている回折や干渉作用に基づく発
色、さらに着色体(顔料自身、あるいは顔料や染料によ
って着色した物体、分子構造に基づく着色物体など)の
単なる散乱作用に基づく反射体とは機構的に明らかに異
なるものである。
【0032】本発明に係わる光反射機能構造体1は、構
成上、屈折率の異なる少なくとも第1、第2の材料から
なるが、両者の屈折率の大小関係については特に限定さ
れない。すなわち、光透過性を有する第1の材料2の屈
折率をn、第2の材料の屈折率をnとするとその大
小は、(1)n>nであっても、(2)n<n
であっても構わず、その選択は後述するように、ユーザ
ーの嗜好性によるところが大である。つまり、(1)の
場合は、高屈折率の材料が最表面に配置される形になる
ため、キラキラ感を含めた「光沢」が増す傾向になる。
一方、(2)の場合は低屈折率の材料が最表面に配置さ
れる形になるため、(1)とは逆に、しっとりした「濡
れた」感じが増す傾向となる。
【0033】なお、ここで第2の材料(屈折率n)と
第1の材料(屈折率n)との屈折率比については、両
者の比をできるだけ大きくとれるように材料選択するこ
とが、回折・散乱作用に基づく反射強度向上の点で望ま
しい。ここで、両者の比とは、分子/分母の形におい
て、屈折率の大きな方を分子とすることとし、(1)n
>nの場合、n/nとして、また、(2)n
>nの場合、n/n として表現する。実用的には
両者の比は、1.01以上、好ましくは1.03以上で
あることが望ましい。その理由について以下、説明す
る。両者の屈折率比が限りなく1.0に近い場合では、
所望の反射機能(例えば、反射率を得るために、微細構
造体3のy軸方向の段数Nymを格段にアップさせる必
要性が生じてくる。このことは、当該光反射機能構造体
1自身の厚み(y軸方向における構造体の厚さ)を増大
させてしまうため、適用分野を限定してしまうことにな
る。また、本構造体1を成形するための紡糸口金自体も
極めて大掛かりになるというデメリットも生じ、両者の
屈折率比としては、1.01以上、好ましくは1.03
以上であることが望ましい。
【0034】次に、先に述べた本発明に係わる光反射機
能構造体1(図1に記載の構造体)における反射機能の
特異性について説明する。
【0035】図3ないし図7は、実際の光学機能構造体
における反射スペクトルの入射角依存性(α=0〜60
°)の想定結果を示すものである。ここでは第1の材料
2として、屈折率n=1.53のナイロン6(Ny
6)を、第2の材料として、屈折率n=1.63のポ
リエチレンテレフタレート(PET)を選択し、図2に
示すような円柱形をなす微細構造体3が直交配列した系
を用いた。なお、当該構造体1は、微細構造体3の直径
Dを0.19μm、ピッチPを0.28μmとすると共
に、y方向の行数Nym(Nymの定義は後述する)を
5として、青色発色を狙ったものである。また、図3な
いし7に示されている反射スペクトルは全反射スペクト
ルであり、反射測定法において、様々な方向に反射され
る反射光(ここでは主に、0次、±1次の反射光)を積
分球にて取り込んだものと基本的に等価である。
【0036】図3は、横軸に波長λ(nm)、縦軸にエ
ネルギー反射率Rをとり、入射角α=0°での反射スペ
クトルを示したもので、波長370nm付近にメインピ
ークが、また波長450nm付近にサブピークが認めら
れ、両ピークに起因して、この場合の色味としては概ね
青紫色となる。入射角α=0°で見られるこのメインピ
ークは、図4〜図6からも明らかなように、入射角αが
15°〜45°へと増大しても波長500nm〜430
nm付近に位置し、大きなピークシフトは発生せず、し
たがって、色味もほぼ青紫色と安定することになる。さ
らに、図7に示すように、入射角α=60°となっても
メインピークは波長490nm付近に位置し、色味的に
は青〜緑青色を呈することになる。
【0037】ここでは一例を示したに過ぎないが、入射
角αを0°〜60°と大きく変えても、色味的に大きな
変化を引き起こさず、また、当然のことながら、広視野
角(入射角α=60°)になっても、従来の干渉型構造
体で認められたような灰色に見えるというようなことも
発生しない。
【0038】また、図8は、上記条件下において、微細
構造体3としての円柱体の直径Dをパラメータにして、
0.03,0.06,0.09,0.13,0.19お
よび0.28μmと変化させた場合の入射角度αと反射
ピーク波長λとの関係の一例を示したものである。この
例ではピッチPと比較して、円柱体直径Dが小さな方が
反射ピーク波長λの入射角度依存性が少ない傾向が認め
られる。
【0039】また、本発明に係わる光反射機能構造体1
においては、屈折率の異なる少なくとも第1および第2
の材料からなると記述しているように、本発明は屈折率
の異なる2種類の材料の組み合わせのみに限定されず、
例えば、図9(a)およびその拡大図である図9(b)
に示すように、第2の材料からなる微細構造体3に第3
の材料4を合体させた構成としてもよい。すなわち、第
3の材料が高屈折率材料であっても成形が困難であった
り、延伸処理等により所望の寸法サイズまで引落とすこ
とが物性上、困難であったりする場合に、成形可能な第
2の材料からなる微細構造体3の周囲を高屈折率材料で
ある第3の材料で覆う芯鞘型の構成とすることにより、
高屈折率材料による優れた発色効果を得ることができる
ようになる。
【0040】なお、第2の材料からなる微細構造体3の
実際の直径、ピッチ等は、狙いとする所望の反射スペク
トル波長λを得るために、第2の材料と第1の材料2と
の屈折率比(n/n)や、第2の材料からなる微細
構造体3の数N(図2参照:行数や列数を言うもので、
x方向における第2の材料からなる微細構造体3の数:
x1,Nx2,・・・Nxn、y方向における同材料
からなる微細構造体の数:Ny1,Ny2,・・・N
ym)等を調整することによって制御することができ
る。
【0041】例えば、先に記載した材料の組み合わせ
(屈折率n=1.63のPETと屈折率n=1.5
3のNy6の組み合わせ)において、青色発色(反射ピ
ーク波長λ=0.45μm)を得るための諸元寸法は概
ね、以下のように算出することができる。まず、微細構
造体3の各々の中心間の距離(ピッチP)については、
狙いとする反射ピーク波長をλ、見かけの屈折率をmと
すると、おおよそ、λ/mで与えられる。ここで、上記
構成においては、屈折率nの媒質中に屈折率n の微
細構造体3が置かれているので、見かけの屈折率mは計
算上光反射機能構造体1の断面内に占める両物質の面積
比で換算することができる。今、断面内に占める屈折率
の媒質がA/100(%),屈折率nの微細構造
体3がB/100(%)であるとすると、見かけの屈折
率mは、 m=n×(B/100)+n×(A/100) となる。従って、屈折率n=1.63のPETと屈折
率n=1.53のNy6において、面積比で各々50
%ずつ存在しているとすると、ピッチPは、概ね0.2
8μm(=0.45μm/(1.53+1.63)/
2)程度となる。
【0042】また、微細構造体3の直径Dは、本発明に
係わる光反射機能構造体1を構成する材料、すなわち、
第2の材料の屈折率nや第1の材料の屈折率nの大
きさ、および両者の比(n/n)、さらには微細構
造体3の配列形態等により、一義的には設定できない
が、概ね次のように考えることができる。
【0043】散乱理論に基づいて、粒子のサイズパラメ
ータとして、 α=(λ/2πr)・・・ なる関係式が広く用いられている。ここで、rは粒子の
半径、λは波長である。散乱理論によれば、散乱光強度
はこのαの値により大きく変動(振動)するとされてき
たが、本発明者らは種々検討した結果、単なる散乱理論
の適用ではなく、前述してきたように、規則性(すなわ
ち、回折・散乱作用)に着目することにより、このサイ
ズパラメータαが 10−2≦α≦10・・・ という範囲においても、実用的な光反射機能を発現する
ということを見出した。ここで、前述した図3ないし図
7から実際の値を適用し、α値を逆算してみると、微細
構造体3の半径r=(0.19μm/2)、反射ピーク
波長λ=0.45μmという値から、α=0.75程度
となる。光反射機能を発現するためのより好ましいサイ
ズパラメータαの値としては、10−1〜10、さら
には10 〜10が好適である。特に可視光線〜近赤
外線領域における光反射機能の点からは10−1〜10
であることが望ましい。
【0044】なお、このサイズパラメータαが10−2
よりも小さくなると、粒子サイズが波長オーダよりも非
常に大きくなってしまい、繊維状あるいはフィルム状の
構造体自身の成形が困難になってしまう。逆に、このα
が10よりも大きくなってしまうと、粒子サイズが分
子レベル以下の大きさとなってしまい、規則性を保持す
ることが困難になると共に、散乱光強度自体も非常に小
さくなり、実用的な光反射機能を発現できなくなってし
まう。
【0045】また、2r(=D)≦Pなる関係式は、微
細構造体3の直径DとピッチPとの関係を示したもの
で、微細構造体3の直径Dは、最大でもピッチPの寸法
(この場合、隣接する微細構造体同士が点接触すること
を意味する)であることを規定している。直径Dがピッ
チP以上になると、微細構造体同士の融着や断面構造に
変化を生じさせ、回折・散乱作用による光反射機能を低
下させるため、好ましくない。
【0046】第2の材料からなる微細構造体3の数につ
いては、x方向における数Nxn(行列でいうところの
列の数)は、反射光波長λよりも十分に長い距離をとる
ことが望ましく、好ましくは波長λの数倍以上、より好
ましくは数十倍程度確保されていることが望ましい。こ
のようにすることにより、発色領域を確保でき、回折・
散乱効率を向上させることができる。
【0047】また、y方向における数Nym(行列でい
うところの行の数)は、第2の材料と光透過性を有する
第1の材料との屈折率の比(n/n)に依存し、一
義的に設定せっていすることはできないが、微細構造体
3に空気孔を用いた系においては、数行(2〜5行程
度)で所望の光反射機能を得ることができるが、第1の
材料としてポリマー系、ガラス系、セラミックス系など
の材料を用いた系においては、概ね5行以上、より好ま
しくは10行以上とすることが望ましい。
【0048】次に、第2の材料からなる微細構造体3の
断面形状および第1、第2の材料として適用可能な材料
の種類について説明する。
【0049】微細構造体3の断面形状のいついては、二
次元的(x,y方向)に、あるいは三次元的(x,y,
z方向)に十分な規則性を保つことが可能であれば円形
断面に限定されず、例えば、図10(a)ないし(c)
に示すように楕円形、矩形、多角形断面など任意の形状
であっても構わないが、回折・散乱光の位相整合性(円
形断面であれば、等価面から見た場合、どの方向に回折
・散乱光が反射されても光路長が等しくできるため)
と、回折・散乱光の反射強度を稼げる(円形断面である
と、円形断面の直径Dと円形断面の中心間ピッチPが等
しい場合に、隣接する円形断面同士の点接触が可能とな
り、反射スペクトルの半値幅も大きくできるというメリ
ット有り)という視点から、円形断面がより好ましい。
【0050】また、第2の材料からなる微細構造体3
は、x−y平面だけでなく、z方向においても規則性を
もった形態であれば、特に限定されず、上記に示したよ
うな種々の断面形状をもった三次元体であっても良い。
なお、このような、より一般的な形状体としては図11
に示すような球状体を一例としてあげることができる。
なお、少なくとも第1と第2の材料からなる本発明の光
反射機能構造体1自体の断面形状については何ら限定さ
れず、図12(a)ないし(g)に示すように、円形、
楕円形、矩形、星型、多角形等、目的や用途に応じて適
宜設定できることは言うまでもない。例えば、後述する
ように、当該光反射機能構造体1を塗装用光輝材の形で
使用する場合、入射光に対し、塗装膜内で光輝材の回折
・散乱面が一様にそろう確率が大となる観点から、円形
断面よりも矩形や偏平の断面形態がより好ましい。
【0051】また、本発明の光反射機能構造体は、例え
ば、図13に示すように微細構造体が断面(x−y平
面)内で回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現さ
せるのに十分な規則性をもって配列されているため、従
来の発色構造体では得られなかった以下のような大きな
特徴も兼ね備えている。すなわち、当該構造体では、例
えば図13において、基本的に光がx−z平面に入射し
た場合(図13(a))に大きな光反射機能を発現する
ように構成されているが、光がx−y平面(断面方向:
図13(b))、あるいはy−z平面(側面方向:図1
3(c))に入射した場合でも反射効率は劣るものの、
ほぼ全方位的に光反射機能を発現し得るということであ
る。
【0052】特に、当該構造体内の微細構造体が円柱体
のような連続一様のもの(図13(a))、あるいは球
状体のもの(図11)などであって、しかもその規則的
配列が直交配列(四角形配列)のような場合であれば、
y−z平面(側面)に光が入射した場合(図13(c)
参照)でも反射機能を発現する。この特異性は、例えば
当該構造体を縦糸、及び/又は横糸に用いて織編物とし
たとき、当該構造体(糸)に撚りが入っていても概ね全
方位的に発色を示す(従来の干渉や回折作用に基づいて
発色する織編物類では、撚りが入ると灰色に見えてしま
うという欠点があった)ということを意味する。
【0053】さらにまた、図14に示すように、当該構
造体(糸)を数mm〜数十μmオーダにチッピング(小
片)して塗装用光輝材11として塗膜10の中に入れて
使用した場合、通常の干渉発色光輝材では形状的に極め
て扁平とすることによって自然に配向するようにした
り、あるいは配向がランダムになっても発色するよう着
色付き光輝材とせざるを得なかったのに対し、本発明の
構造体からなる光輝材の場合には、必ずしも光輝材の配
向の精密制御をしなくても発色させることができるとい
う大きなメリットも持ち合わせている。
【0054】また、本発明で言う光透過性材料とは、可
視光線、赤外線および紫外線領域の中のいずれかの領域
で実質的に光透過性を有する材料であれば、特に限定さ
れず、固体、液体、気体物質のいずれであっても構わな
い。また、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現
させるためには、第1の材料2と第2の材料3との境界
面での反射が重要となるので、第1の材料2は少なくと
も入射した光の一部が透過する材料系であることが望ま
しい。加えて、第2の材料3も光透過性を有する材料と
し、かつ、当該構造体1が可視光の特定波長を反射する
発色構造体になっているとすると、以下のような特異性
も発現する。
【0055】すなわち、我々が入射光側に位置して当該
構造体1を見る場合(反射光を見ることになる)と、入
射光線側と反対側に位置して構造体1を見る場合(透過
光を見ることになる)とで、色相が異なるという商品性
も付与できる。
【0056】また、少なくとも第1の材料2が、実質的
に光透過性を有してさえいれば、分子構造に基づく着色
があっても良いし、あるいは顔料や染料などの色素によ
って人工的に着色されていても構わない。このような着
色機能と本発明の回折・散乱作用に基づく光の反射機能
との相乗効果(複合効果)により、今までにない独特の
色味や質感を与えることも可能である。さらに、第2の
材料からなる個々の微細構造体3の中に、実質的に紫外
線や赤外線を反射させる材料を適量添加することによ
り、紫外線あるいは赤外線の反射特性を向上させること
も可能である。また、紫外線や赤外線を吸収させる材料
を適量添加することにより、紫外線や赤外線を遮蔽させ
たり、保温効果を持たせたりすることも可能である。そ
のような具体的な材料としては微粒子形態が好ましく、
例えば、チタンやジルコニウム、アルミニウム、アンチ
モン、亜鉛、リンなどの酸化物等を挙げることができ
る。
【0057】次に、実質的に光透過性を有する材料につ
いて、少なくとも第1の材料としては、ポリマー系、ガ
ラス系、セラミックス系より成る群から選ばれる1種類
以上の材料からなることが望ましい。ガラス系の材料と
しては例えば、通常のクラウンガラス、フリントガラ
ス、Eガラス、Sガラス、石英ガラスなどが挙げられ
る。また、セラミックス系の材料としては例えば、Al
,BeO,CaOなどを挙げることができる。さ
らに、より多くの応用品に適用するため、例えば紫外線
・赤外線の反射や、可視光領域で死角のない発色化のた
めの織編物やフィルム、成形品として、あるいはまた、
それらを所定の長さに切断した微小なチップ(小片)と
し、光輝材として使用した加飾性・高意匠性用途には、
光透過性を有するポリマー系がより望ましい。
【0058】ポリマー系材料としては、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂といった種々のポリマー
系の中でも、成形性および後加工性、コスト等の点か
ら、第1の材料および第2の材料の少なくとも一方は、
ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ビ
ニル系、ポリエーテルケトン系、ポリサルファイド系、
フッ素系、ポリカーボネート系の単体もしくはこれらの
ブレンド、あるいはこれらの共重合体のいずれかである
ことが望ましい。なお、上記系の一部に液晶性高分子を
付与し、配向性を向上させても構わない。
【0059】次に、「十分な規則性」をもっている断面
構造のバリエーションについて、さらに説明する。ま
ず、図15には、第2の材料からなる微細構造体3にお
いて、x方向およびy方向の各々のピッチPは同一であ
るが、奇数行(Ny1,Ny3,・・・)と偶数行(N
y2,Ny4,・・・)に位置する第2の材料からなる
微細構造体群を形成する微細構造体3の直径が、お互い
に異なる場合を示している。
【0060】また、図16には、Ny1行からNy4
に位置する微細構造体群を単一ユニットと考えた時、ピ
ッチPはいずれの行も同一であって、Ny1行とNy4
行に位置する微細構造体3の直径Dが等しく、Ny2
とNy3行に位置する微細構造体3の直径dが等しく、
前者と後者の直径が異なる場合を示したものである。
【0061】また、図17及び18は、x−y平面内で
微細構造体(円柱体)が、三角形状の規則的配列をとった
場合を示しており、図17では、図17(a)に示すよ
うに、規則性の最小構成として同一直径(2R)の円柱
状微細構造体が三角形配列をとったものであり、図17
(c)に拡大して示すように、y方向にはA/B/A/
Bの繰返し構造となっている。また、図18では、図1
8(a)に示すように、頂点を構成する円柱状微細構造
体の直径(2R)と他の2点に位置する円柱状微細構造
体の直径(2r)が異なる場合を示している。
【0062】図19〜21には、図18に示した直径が
異なる円柱体からなる三角形配列において、入射角を0
°、45°、60°と変えたときの反射スペクトルをそ
れぞれ示す。なお、ここでは第2の材料からなる複数の
円柱体(微細構造体3)とそれを取り囲む第1の材料2
の屈折率比を1.065と一定にし、発色波長λ決定に
寄与する断面内の頂点部(入射光側から見て)に位置す
る円柱体同士のピッチPを0.44μm、その円柱体直
径2Rを0.10μm、三角形の底辺を構成する他の2
点間のピッチpを0.22μm、その円柱体直径2r
を0.08μm、また、その円柱体からなる三角形を1
ユニット(規則性の最小構成)と考えたときの近接三角
形同士のピッチpを0.21μm、さらにy方向にお
いて、その三角形を1ユニットとしたときの段数Nを1
1とした。この場合には、図19ないし21からも明ら
かなように、エネルギー反射率も0.9程度と極めて大
きく、しかも入射角を0°から60°へと変えた場合で
も色味は灰色にならず、ある色味を保持していることが
認められる。
【0063】また、x−y平面内での円柱体の配列形態
として、前述の三角形配列に加え、五角形配列とした際
の反射スペクトルについても検討した。これらのうち、
図22(a)及び(b)には五角形状の規則的配列の構
成例を、また、図23には、図22(b)に例示した構
成の場合の反射スペクトル例(45°入射)を示す。こ
の場合にも、三角形状配列に比べ、反射スペクトルはや
やブロードになっているものの、青色領域に反射ピーク
が認められている。なお、この場合も、第2の材料から
なる複数の円柱体(微細構造体3)と、これらを取り囲
む第1の材料3の屈折率比を1.065と一定にし、発
色波長λ決定に寄与する頂点に位置する円柱体同士のピ
ッチPxを0.42μm、その直径2Rを0.10μ
m、また、五角形の2点(頂点及び底辺を構成する点以
外)の円柱体3の直径2rが0.08μm、y方向のピ
ッチpyが0.12μm、さらに五角形を1ユニット
と考えたときの近接五角形同士のピッチpyが0.2
4μm、y方向のユニット段数Nを11とした場合の例
である。
【0064】また、図24(a)(b)(c)には、円
柱体(微細構造体3)の八角形状の規則的配列の構成例
をそれぞれ示す。なお、三角形状、五角形状、八角形状
のいずれの場合においても、発色波長(反射ピーク波
長)λを決定づけるのは、既に段落[0041]でも説
明したように、入射光側に最も近い面に位置する円柱体
同士のピッチPxである。このように、発色波長(反
射ピーク波長)λを決定づけている入射光側に最も近い
面に位置する微細構造体(円柱体)同士のピッチPx
に留意し、かつ、微細構造体群の配列形態が多角形状
で、しかも規則的配列が確保できていれば、回折・散乱
作用に基づく光反射機能を十分発現させることが可能で
ある。
【0065】また、図25には奇数行(あるいは偶数
行)において、x方向にピッチPで規則的に配置されて
いる微細構造体3と、偶数行(あるいは奇数行)におい
て、x方向に上記と同一ピッチで配置している微細構造
体3とが互いに半ピッチずれており、しかも偶数行と奇
数行に位置する最近接の微細構造体同士もピッチPとな
っている場合を示したもので、いわゆる結晶学上、良く
見られる六角形配列(この場合、奇数行に位置する微細
構造体3、偶数行に位置する微細構造体3とが互いに同
一ピッチになっている)である。
【0066】図26ないし28は、上記六角形配列にお
ける反射スペクトルの一例を示したものである。但し、
第1の材料および第2の材料としてそれぞれ前述したP
ETおよびNy6を用い、円柱体(微細構造体)直径D
=0.19μm、ピッチP=0.28μm、微細構造体
群の行数Nym=5とし、入射角度αを0°、45°、
60°と変えたものである。入射角α=0°、45°、
60°におけるメインピーク波長λはそれぞれ、430
nm、460nm、450nm程度で、入射角を大きく
変えても大きなピークシフトは見られないことがわか
る。それ故、色味としても概ね、青色を呈している。
【0067】このように、微細構造体3の配列を六角形
配列とすることにより、広視野角度になっても干渉型発
色構造体のように灰色に見えるようなことはなく、しか
も安定した色味を呈することが判る(干渉型発色構造体
のように、大きな色味の変化は発生しない)。以上の事
例は、第2の材料からなる微細構造体3が直径D、ピッ
チPなる寸法で、しかも微細構造体3同士が接触せず、
光透過性を有する第1の材料2を介して、ある間隔(ス
ペース)でもって規則的に配列したものである。
【0068】一方、回折・散乱作用に基づく光の反射機
能を実質的に発揮させる上で、第2の材料からなる微細
構造体3同士が必ずしも、ある間隔を空けて配列してい
る必要はなく、微細構造体3が直径D、ピッチPなる寸
法で規則性を保持してさえいれば、微細構造体3同士が
近接していたり、接触していても構わないことを本発明
者らは見出した。例えば、図29においては、図2で示
した直交配列の状態で、微細構造体3同士が点接触して
いる断面構造を例示しており、また、図30には図25
で示した六角形配列の状態で、やはり点接触しているよ
うな場合を示したものである。
【0069】図31は、図29に示した構造体(円柱体
同士が接触:D=P=0.28μmの場合)における反
射スペクトルを示す。なお、参考として、円柱体の直径
Dがそれよりも小さい0.16μm、0.19μm、
0.22μmの場合の反射スペクトルを図32ないし3
4に示す。なお、発色としては青色を狙い、材料系とし
ては前述したPETとNy6とし、ピッチP=0.28
μm、微細構造体群の行数Nym=5行、入射角度α=
45°として得たものである。
【0070】図31から明らかなように、反射ピークは
2つの波長である波長λ=400nm付近と波長λ=6
80nm付近に認められ、メインピークはλ=680n
m付近となっている。また、この場合の色味は概ね赤紫
色を呈する。また、2つの反射ピーク位置は、円柱体
(微細構造体)の直径Dが小さくなってもほどんど変化
せず、反射強度の大小が変化する傾向が認められるだけ
で、十分実用的な光反射機能を発現することがわかる。
【0071】また、以上のような事例から、本発明者ら
はさらに次のようなバリエーションも可能であることを
見出した。
【0072】例えば、図35(a)および(b)に示す
ように、入射光側から見たとき、実質的に回折・散乱作
用に基づいて光の反射機能を発現するのに十分な規則性
(直径D、ピッチPの直交配列型)を有しているブ
ロックAと、その下、あるいはその上部に、やはり実質
的に回折・散乱作用に基づく反射機能を発現する規則性
(直径D、ピッチPの直交配列型)をもった微細構
造体群からなるブロックBが配置されていても構わない
(但し、D<D,P<P)。さらに、図35
(c)に示すように、実質的に回折・散乱作用に基づい
て光の反射機能を発現するブロックAの間に、前記ブロ
ックBが入り込んだサンドイッチ構造とすることもでき
る。
【0073】ここでブロックBの機能は、ブロックAか
らの回折、散乱作用に基づく反射機能をさらに向上させ
るためのもの(一種の反射増幅機能)であり、例えば、
図35(a)において、ブロックBはその上部に位置す
るブロックAからの回折・散乱作用に基づく反射波長λ
(0次反射波長:図1参照)と同一の反射波長λを発
現するよう寸法・諸元が決定されていることが特に望ま
しい。一例としては、ブロックAからの回折・散乱作用
に基づく反射波長λが0.47μm(青色発色)とす
ると、ブロックBからの反射波長λも0.47μm
(青色発色)であるようになっていることが好ましい。
【0074】このような機能を発現させるため、具体的
にはブロックBにおいて、微細構造体3の各々の直径D
は、ブロックAからの反射ピーク波長λと等価の値
となるλ/(4n)に近い方がより望ましく、また、
微細構造体のy方向のピッチPy2は、(λ/(4
)+λ/(4n))の値に近い方がより望まし
い。また、x方向のピッチPx2は直径Dに近い値が
より好ましい。なお、微細構造体3のx方向のピッチP
x2が直径Dに近い値をとることは、微細構造体同士
が最近接あるいは接触していて、見掛け上、層状構造と
なることを意味する。このような構成をとることによ
り、ブロックAとブロックB両者からの反射の相乗効果
により、例えば目的とする反射波長λにおける反射率
を極めて大きくすることが可能である。
【0075】また、このように、個々に反射機能を有す
るブロックを組合せるバリエーションの他の例を、図3
6及び図37に示す。すなわち、図36(a)及び
(b)には、微細構造体が三角形状配列であるブロック
Aと、直交配列状であるブロックBがy方向に組み合わ
さった構造体を示す。また、図37(a)及び(b)に
は、ブロックAとブロックBが3段構成された例を示し
たものであり、図37(a)は,微細構造体が直交(四
角形)配列状であるブロックBが三角形状配列のブロッ
クAにサンドイッチ状に挟まれた構成とし、図37
(b)は逆に、三角形状配列のブロックAが直交(四角
形)配列状であるブロックBに挟まれた構成としてい
る。このように、回折・散乱作用に基づく光の反射機能
を発現させるのに十分な規則性をもっているブロック同
士を組合せることにより、見る角度が大きくなっても灰
色に見えることを解消し、しかも物理発色独特な上品な
輝きと鮮やかな色味を提供することができる。
【0076】また、これら一連の断面構造の検討から、
さらに次のようなバリエーションとすることにより、多
機能な光学特性を発現することも見出されたした。図3
8は、図1に示した光反射機能を有する構造体を基本と
し、この構造体のx方向に、互いに異なる波長の光を出
射するようなブロックとなった構造体が複数配置された
ものである。例えば、図38(a)の構造体ではx方向
に3つのブロックが配置されており、左側のブロックA
からは青色の光λが、真中に位置するブロックBから
は緑色の光λが、また、右側のブロックCからは赤色
の光λというように、光の3原色が回折・散乱作用に
よって発せられるように構成されたものである。このよ
うな構成とすることにより、見る角度(受光角)を例え
ば、法線方向から60°、70°と大きく変えても灰色
に見えることなく、色味を保持した高品位な発色が可能
となる。
【0077】さらに、図38(b)のように、前述のブ
ロックがy方向に複数配置された構成とすることによ
り、種々の光の色を発現させることが可能となる。例え
ば、入射光側に位置するブロックAから青色の光λ
が、真中に位置するブロックBから緑色の光λが、
さらに下部に位置するブロックCから赤色の光λ(光
の3原色)が回折・散乱作用により出射できるようにす
ると、各々から発せられる光の強度を制御する(各ブロ
ック内に位置する微細構造体のy方向の段数Nを変えた
り、微細構造体の直径を変えたりして)ことにより、黒
色以外の様々な「光の色」を発現させることが可能とな
る(加法混色)。なお、3原色の光強度が同一となるよ
う制御すれば、λ + λ + λ=λ(白)とな
り、我々の眼には白色に見えることになる。
【0078】加えて、各々のブロックから発せられる色
味が異なっているため、見る角度(受光角)を大きく変
えても必ず、あるブロックから回折・散乱光が反射され
てくるため、灰色に見えることなく、色味を保持できる
という特徴を有することになる。なお、上記各ブロック
内の微細構造体は、回折・散乱作用に基づく光の反射機
能を発現させるのに十分な規則性をもって配置していれ
ば、どんな配置構成であっても構わず、前述したよう
に、例えば、x−y平面で多角形配列(三角形配列、直
交配列(四角形配列)、五角形配列、六角形配列、八角
形配列など)が挙げられる。また、上記事例ではいずれ
も青色B、緑色G、赤色Rという光の3原色を発するよ
う3ブロック配列からなる構成としたが、必ずしもこれ
に限定されるものではない(例えば、緑色Gと赤色R発
色となるような2ブロックの組合せなど、種々の組合せ
が可能)。
【0079】このように、本発明者は、屈折率の異なる
少なくとも第1、第2の材料からなり、かつ、構造体断
面において少なくとも第1の材料が光透過性を有し、該
第1の材料によって取り囲まれた第2の材料からなる微
細断面構造群が、x軸方向、y軸方向、z軸方向での規
則性を保つことによって初めて、光との相互作用による
回折・散乱作用に基づいた所望の反射機能を得ることが
できるということを見出した。
【0080】また、本発明の光反射機能構造体1におい
ては、第2の材料からなる微細構造体群を覆う第1の材
料2の厚みも重要になってくる。この厚みは単なる保護
的な役割を担うに足りるものであっても構わないが、各
種耐久性(耐摩耗性や耐引掻性等)や耐候性の観点から
適正な厚みに調整されることが望ましい。なお、このよ
うな実用的な機能に加え、適切な光透過性材料の選択と
厚みの調整により、実質的に回折・散乱作用に基づく光
の反射機能をさらに向上させる機能を兼ね備えることも
可能である。
【0081】例えば、図1に示したような光反射機能構
造体1の周囲に、さらに同一の、あるいは異種の光透過
性材料を一次被覆、二次被覆として覆っても構わない。
図39(a)および(b)はその概略図を示したもの
で、当該構造体1の周囲に、第1の材料2および第2の
材料より屈折率の大きな第3の光透過性材料からなる保
護層5として設けることにより反射率を向上させ、さら
に高品位性を高めることができる。また、図39(b)
に示すように、当該保護層(一次被覆層)5の外側をさ
らに被覆して二次被覆層6とすることもできる。
【0082】なお、第1の材料の厚み、あるいは第1の
材料を覆う保護層5の厚みに関しては、その光透過性材
料の屈折率と厚みの積で与えられる光学的厚み(屈折率
×厚み)を適正にしなければ、この部分での反射と回折
・散乱作用に基づく反射とが打ち消しあう(位相がずれ
る)こともあるので、これに留意する必要がある。
【0083】また、本発明に係わる光反射機能構造体1
の光沢度を高めるために、第1の材料2あるいは第2の
材料のうち、より平滑性の高い材料を選択して保護層5
として設けても良いし、さらに両者よりも高平滑性を有
する第3の光透過性材料を保護層5として設けても良
い。なお、このような保護層5は繊維状やフィルム状の
構造体を成形する際に、複合溶融紡糸口金や成形ダイを
使って一気に押出し(一体成形)しても良いし、後工程
で一次被覆、二次被覆しても良い。
【0084】本発明に係わる光反射機能構造体の実施態
様において、可視光線領域での発色向上のため、あるい
は今までにない複合色や深み感を向上させるために、前
記構造体の中に顔料の含有領域が組込まれていても良
い。例えば、黒色や褐色などの暗色系の顔料を組込んだ
領域を、光の入射方向に対し、当該構造体1の下部に設
けると、回折・散乱光以外の余分な光(いわゆる迷光)
を吸収して、より鮮やかで深みのある質感を発現させる
ことができる。この場合、当該構造体1の下部に位置す
る第2の材料から成る微細構造体3自身に暗色系の顔料
が含有されていても構わないし、下部に位置する第1の
材料自身に含有されていても構わない。さらに、当該構
造体1の成形後に、暗色系の塗料や粘着テープなどを付
着させても良い。また、構造体1を繊維として用いる場
合、撚り糸の相手側に暗色系の糸を用いたり、縦糸ある
いは横糸のいずれか一方に暗色系の糸を用いて織編み物
としたりすることも可能である。なお、光透過性を維持
できる程度については、含有する顔料および/または染
料の種類やサイズ、さらに第1の材料との相溶性や密着
性等により一義的に決定できないが、第1の材料内に組
込まれる場合、含有量的には概ね、0.01wet%〜
20wet%の範囲内で選択されることが好ましい。
【0085】一方、暗色系の顔料に替えて、白色系の顔
料を組み込んだ領域を当該構造体1の下部に設けると、
拡散反射が助長されるために一種の着色高反射体(着色
ミラー)としての機能をも発現させることができる。
【0086】次に、本発明の光反射機能構造体1の成形
について、上記で示したポリマー系を例として説明す
る。すなわち、繊維状あるいはフィルム状の光反射機能
構造体1を成形する代表的な手段としては、複合溶融紡
糸法や共押出し法が挙げられる。
【0087】ここで、複合溶融紡糸法による光反射機能
構造体(繊維)の成形について触れると、公知の海島型
構造成形用口金(特公昭44−13208号公報や特公
昭44−18369号公報等)において、図2に示すよ
うな島部直径D、島部同士の中心間ピッチPの規則的な
直交配列型の超微細構造体群を、高精度に成形できるよ
う相似的にスケールアップした特殊口金と、第1の材料
と第2の材料の溶融可能な2種類のポリマーを用い、適
切な紡糸条件(口金温度、口金下温度、総吐出量、吐出
量比、巻き取り速度等)で未延伸糸を成形する。さらに
所望の光学機能発現と機械特性向上を図るため、次のス
テップとして適切な条件下(温度、巻き取り速度、延伸
比等)で熱延伸処理等を施すことによって、当該光反射
機能構造体1を得ることができる。なお、溶融可能な2
種類のポリマーにおいては、口金流路内および口金吐出
孔下での両者の応力バランスを考慮すると、できるだけ
溶融粘度特性の近いものが望ましい。
【0088】なお、糸の断面形状や寸法は前述のごと
く、特に規定されず、目的に合った形状・寸法のものが
可能であるが、単糸レベルでは円形断面であれ、矩形断
面であれ、概ねミクロンオーダの寸法のものが製造上の
観点からは好ましい。
【0089】本発明に係わる光反射機能構造体において
は、当該構造体1を、数百本から数千本というオーダ
で、ある断面寸法になるように束ねた状態にして、機械
的にカッター等で切断し、微小なチップ(小片)とする
ことも可能である。例えば、適切な含浸液(例えば、
水)を使用しながら当該構造体を数千本程度集合させて
直径数十mm程度にした後、集合束の送り出し機構を備
えた自動カッターで、連続的に数十μmから数mm程度
の長さに切断することも可能である。なお、チッピング
の方法等は、例えば、繊維機械学会編「繊維工学(II)
繊維の製造、構造体及び物性」の第116頁や、同学会
編「繊維工学(III)繊維の製造、構造体及び物性」の
第233〜235ページに記載されている。
【0090】あるいはまた、当該構造体1を上記のごと
く束ねたのち、フリージング処理し、各種方法によって
粉砕して所定の寸法の粉末体とすることも可能である。
これらはいずれも従来にない優れた色材として各種分野
に幅広く適用できるものである。
【0091】また、このような微小なチップ(小片)や
粉末体を光輝材として、光透過性を有する塗料に用いる
ことにより、自動車や家電、建築材、玩具、スポーツ用
品などの様々な内外装面に塗布することが可能となる。
このような適用により、見る方向によっても大きな死角
がなく、しかも鮮やかな色味と反射スペクトルの急峻さ
による深み感をも兼ね備えた優れた意匠性を実現するこ
とができる。
【0092】さらに、上記チップや粉末体は、フィルム
や各種のプラスチック成形体に光輝材として混ぜ込むこ
とや、不織布や紙に漉き込んで壁紙や障子紙などにする
ことも可能である。
【0093】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、これら実施例によって本発明が限定されるも
のではない。
【0094】(実施例1)光透過性を有する第1の材料
として、平均屈折率n=1.53のナイロン6(Ny
6)を、また、微細構造体3を形成するための第2の材
料として、平均屈折率n=1.63のポリエチレンテ
レフタレート(PET)を選択し、下記条件にて、図2
に示すような矩形型の光反射機能を有する構造体1を狙
って紡糸を行った。
【0095】まず、口金として、特開平8−22601
1号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正したものを準
備し、これを溶融複合紡糸装置に装着したうえで、紡糸
温度285℃、巻き取り速度3km/minから5km
/minの条件下で、吐出量を適宜変えて未延伸糸を得
た。この未延伸糸は、さらに熱延伸処理により細径化さ
れ、光反射機能を有する構造体1を得た。
【0096】得られた糸の断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、糸断面形状は矩形で、その断面寸法は約5.8
μm×22μmであって、内部には1本当たり、平均直
径D=0.19μmφ、平均ピッチP=0.28μmの
円柱体からなる微細構造体群(10行×60列の直行配
列型)が規則的に配列していることが確認された。この
単糸を、積分球を具備した分光光度計(日立製作所製モ
デルU−4000を改良したもの)を用い、可視光領域
で、入射角度θ=45°にて反射スペクトルを測定し
た。なお、反射率は標準白色板を基準とした。得られた
反射スペクトルは、波長λ=0.40μmにメインピー
クを、波長λ=670nm付近にサブピークをもってい
た。メインピークでの反射率Rは65%、しかもその波
長におけるスペクトルの半値幅Bも約70nmと小さ
く、スペクトルとしては急峻な形状を示した。
【0097】また、角度45°程度での目視によっても
青紫色に発色していることが確認された。さらに見る角
度を0°〜60°の範囲に大きく変えても干渉型繊維の
ように灰色的に見えることなく、青紫色から赤紫色に明
らかに発色していることが確認された。
【0098】(実施例2)実施例1と同様のポリマーを
使用し、狙いとする断面構造については、図29に示す
ような密着した直交配列型とした。そして、特開平8−
226011号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正し
たものを使用して、実施例1と同様の手順で紡糸および
熱延伸処理を行い、光反射機能を有する構造体1を得
た。
【0099】得られた糸の断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、糸断面形状は矩形で、その断面寸法は約6.8
μm×25μmであって、内部には1本当たり、平均直
径D=0.28μmφ、平均ピッチP=0.28μmの
円柱体からなる微細構造体群(10行×60列の直行配
列型)が規則的に配列していた。この単糸を、上記分光
光度計を用いて、可視光領域で、入射角度θ=45°に
て反射スペクトルを測定した。なお、反射率は標準白色
板を基準とした。得られた反射スペクトルは、波長λ=
0.68μmにメインピークを、波長λ=0.42μm
付近にサブピークをもっていた。メインピークでの反射
率Rは約56%、スペクトルの半値幅Bは約140nm
であった。
【0100】また、角度45°程度での目視によっても
赤紫色に発色していることが確認され、さらに見る角度
を0°〜60°の範囲に大きく変えても、干渉型繊維の
ように灰色的に見えることなく、青紫色から赤紫色に明
らかに発色していることが確認された。
【0101】(実施例3)実施例1および2と同様のポ
リマーを使用し、狙いとする断面構造については、図1
に示すような直交配列型とした。そして、特開平8−2
26011号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正した
ものを使用し、実施例1および2と同様の手順で紡糸お
よび熱延伸処理を行い、光反射機能を有する構造体1を
得た。
【0102】得られた糸の断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、断面形状は矩形で、その断面寸法は約6.2μ
m×26μm、内部には1本当たり直径D=0.16μ
mφ、平均ピッチP=0.28μmの円柱体からなる微
細構造体群(10行×60列の直行配列型)が規則的に
配列していた。この単糸を、上記分光光度計を用いて、
可視光領域で、標準白色板を基準として、入射角度θ=
45°にて反射スペクトルを測定した。得られた反射ス
ペクトルは、波長λ=0.4μmにメインピークを、波
長λ=0.66μmにサブピークをもっていた。メイン
ピークでの反射率Rは約52%、スペクトルの半値幅B
は約125nmであった。
【0103】また、角度45°程度での目視によっても
赤紫色に発色していることが確認され、さらに見る角度
を0°〜60°程度の範囲に大きく変えても、干渉型繊
維のように灰色的に見えることはなく、明らかに青紫色
から赤紫色に発色していることが確認された。
【0104】(実施例4)実施例1,2および3と同様
のポリマーを使用し、狙いとする断面構造については、
図25に示すような六角形配列型とした。そして、特開
平8−226011号公報に記載の複合紡糸口金を一部
修正したものを使用すると共に、防止温度を290℃と
したこと以外は、上記各実施例と同様の手順で紡糸およ
び熱延伸処理を行い、光反射機能を有する構造体1を得
た。
【0105】得られた糸の断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、断面形状は矩形で、その断面寸法は約5.2μ
m×19μmで、内部には1本当たり直径D=0.09
μmφ、平均ピッチP=0.16μmの円柱体からなる
微細構造体群(行数:10、列数:60の六角形配列
型)が密着して規則的に配列していることが確認され
た。この単糸を、上記分光光度計を用いて、可視光領域
で、標準白色板を基準として入射角度θ=45°にて反
射スペクトルを測定した。得られた反射スペクトルは、
波長λ=0.62μmにメインピークを、波長λ=0.
40μmにサブピークをもっていた。メインピークでの
反射率Rは約40%、スペクトルの半値幅Bは約120
nmであった。
【0106】また、目視によっても紫赤色に発色してい
ることが確認され、さらに見る角度を0°〜60°程度
の範囲に大きく変えても、干渉型繊維のように灰色的に
見えることはなく、明らかに青紫色から紫赤色に発色し
ていることが確認された。
【0107】(実施例5)光透過性を有する第1の材料
として、平均屈折率n=1.63のポリエチレンテレ
フタレート(PET)を、また、微細構造体3を形成す
るための第2の材料として、平均屈折率n=1.53
のナイロン6(Ny6)を選択し、下記条件にて、図1
8に示すような光反射機能を有する構造体1(繊維断面
は矩形型、内部微細構造体群は三角形状の配列)を狙っ
て紡糸を行った。
【0108】口金としては、海島複合繊維製造用の複合
紡糸口金(最終吐出孔:矩形形状)を準備し、紡糸温度
285℃、巻き取り速度3〜5km/minにて吐出量
を適宜変えて未延伸糸を得た。この未延伸糸をさらに、
熱延伸処理により細径化し、目的とする光反射機能を有
する構造体1(フィラメント)を得た。
【0109】得られたフィラメントの断面を電子顕微鏡
にて観察したところ、断面形状は矩形状であった。ま
た、その内部には微細構造体(円柱体)が三角形状配列
をなしており、発色波長に寄与する入射側に最も近い円
柱体1本の直径2Rは0.10μmφ、その円柱体同士
のピッチP=0.44μm、また、三角形の底辺を構成
する他の2点の円柱体の直径2rが0.08μm、その
2点間のピッチpが0.22μm、さらに三角形を1
ユニット(規則性の最小単位)と考えた時の近接三角形
同士のピッチpが0.21μm、y方向における段
数(三角形を1ユニットとしたときの)N=11となっ
ていた。この構造体(フィラメント)を上記の分光光度
計を用いて、入射角度θ=45°にて反射スペクトルを
測定した。得られたスペクトルは図20に示すように、
反射ピーク波長440nm、ピーク反射率89%で、紫
青色を示していた。また、見る角度を0°〜60°の範
囲に大きく変えても灰色に見えることなく、青紫色から
橙色に発色していることが確認された。
【0110】(実施例6)光透過性を有する第1の材料
として、平均屈折率n=1.63のポリエチレンテレ
フタレート(PET)を、また、微細構造体3を形成す
るための第2の材料として、平均屈折率n=1.49
のポリメチルメタクリレート(PMMA)を選択し、下
記条件にて、図22(b)に示すような光反射機能を有
する構造体1(繊維断面は矩形型、内部微細構造体群は
五角形状の配列)を狙って紡糸を行った。
【0111】口金としては、海島複合繊維製造用の複合
紡糸口金(最終吐出孔:矩形形状)を準備し、実施例5
と同様、紡糸温度285℃、巻き取り速度3〜5km/
minにて吐出量を適宜変えて未延伸糸を得た。この未
延伸糸をさらに、熱延伸処理により細径化し、目的とす
る光反射機能を有する構造体1(フィラメント)を得
た。
【0112】得られたフィラメントの断面を電子顕微鏡
にて観察したところ、断面形状は矩形状であった。ま
た、その内部には微細構造体(円柱体)が五角形状配列
をなしており、発色波長に寄与する入射側に最も近い円
柱体1本の直径2Rは0.10μmφ、その円柱体同士
のピッチPx=0.42μm、また、五角形の2点
(頂点および底辺を構成する点以外)の円柱体の直径2
rが0.08μm、y方向のピッチpyが0.12μ
m、さらに五角形を1ユニット(規則性の最小単位)と
考えた時の近接五角形同士のピッチpy=0.24μ
m、y方向における段数(五角形を1ユニットとしたと
きの)N=11となっていた。この構造体(フィラメン
ト)を上記分光光度計を用いて、入射角度θ=45°に
て反射スペクトルを測定した。得られたスペクトルは、
図40に示すように、反射ピーク波長665nm、ピー
ク反射率72%で、赤色を示していた(図面の示す結果
と合わないようです。ご確認下さい。)。また、見る角
度を0°〜60°の範囲に大きく変えても灰色に見える
ことなく、赤紫色から赤色に発色していることが確認さ
れた。
【0113】(実施例7)光透過性を有する第1の材料
として、平均屈折率n=1.63のポリエチレンテレ
フタレート(PET)を、また、微細構造体3を形成す
るための第2の材料として、平均屈折率n=1.53
のナイロン6(Ny6)を選択し、下記条件にて、図2
4(c)に示すような光反射機能を有する構造体1(繊
維断面は矩形型、内部微細構造体群は八角形状の配列)
を狙って紡糸を行った。
【0114】口金としては、海島複合繊維製造用の複合
紡糸口金(最終吐出孔:矩形形状)を準備し、紡糸温度
285℃、巻き取り速度3〜5km/minにて吐出量
を適宜変えて未延伸糸を得た。この未延伸糸をさらに、
熱延伸処理により細径化し、目的とする光反射機能を有
する構造体1(フィラメント)を得た。
【0115】得られたフィラメントの断面を電子顕微鏡
にて観察したところ、断面形状は矩形状であった。ま
た、その内部には微細構造体(円柱体)が八角形状配列
をなしており、発色波長に寄与する入射側に最も近い円
柱体1本の直径2Rは0.10μmφ、その円柱体同士
のピッチP=0.44μm、また、八角形の頂点2点お
よび底辺2点以外の点4点の円柱体の直径2rが0.0
7μm、y方向の2点間のピッチpが0.29μm、
さらにピッチpが0.44μm、y方向における段数
(八角形を1ユニットとしたときの)N=11となって
いた。この構造体(フィラメント)を上記分光光度計を
用いて、入射角度θ=45°にて反射スペクトルを測定
した。得られたスペクトルは図41に示すように、反射
ピーク波長510nm、ピーク反射率78%で、青緑色
を示していた。また、見る角度を0°〜60°の範囲に
大きく変えても灰色に見えることなく、青色から緑色に
発色していることが確認された。
【0116】(実施例8)光透過性を有する第1の材料
として、平均屈折率n=1.63のポリエチレンテレ
フタレート(PET)を、また、微細構造体3を形成す
るための第2の材料として、平均屈折率n=1.53
のナイロン6(Ny6)を選択し、下記条件にて、図3
8(b)に示すような光反射機能を有する構造体1(繊
維断面は矩形型、内部は青色、緑色、赤色をそれぞれ出
射するように配置した3ブロックからなる構造微細構造
体群は直交配列状)を狙って紡糸を行った。
【0117】口金としては、海島複合繊維製造用の複合
紡糸口金(最終吐出孔:矩形形状)を準備し、紡糸温度
285℃、巻き取り速度3〜5km/minにて吐出量
を適宜変えて未延伸糸を得た。この未延伸糸をさらに、
熱延伸処理により細径化し、目的とする光反射機能を有
する構造体1(フィラメント)を得た。
【0118】得られたフィラメントの断面を電子顕微鏡
にて観察したところ、断面形状は矩形状であった。ま
た、その内部には微細構造体(円柱体)の直径が異なる
3つのブロックがy方向に配列されていた。また、3ブ
ロック内の各々の微細構造体(円柱体)の段数Nは入射
側に最も近い方(円柱体の直径の小さい方)から、それ
ぞれ、6段、8段、6段となっていた。この構造体(フ
ィラメント)を上記分光光度計を用いて、入射角度θ=
45°にて反射スペクトルを測定した。得られたスペク
トルは図42に示すように、反射ピーク波長542n
m、ピーク反射率86%で、緑色を示していた。また、
見る角度を0°〜60°の範囲に大きく変えても灰色に
見えることなく、青紫色から緑色に発色していることが
確認された。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる光
反射機能構造体においては、光透過性を有する第1の材
料によって取り囲まれた第2の材料からなる複数の微細
構造体が回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現さ
せるのに十分な規則性をもって配置されているので、広
視野角度になっても灰色に見えたり(死角がある)、レ
インボー色を発現したりするということを解消すること
ができると共に、回折・散乱作用特有の反射スペクトル
の急峻さに基づく色調の深み感も付与することができる
という極めて優れた効果がもたらされる。
【0120】さらに、本発明に係わる光反射機能構造体
は、繊維状やフィルム状の形態でそのまま使用すること
ができるばかりでなく、微小なチップや粉末体に比較的
容易かつ安価に加工することができるので、光輝材とし
て塗料やプラスチック成形体、さらには不織布や紙など
にも適用可能であり、当該構造体の有する新規な発色機
構に基づく意匠性を種々の物品に付与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の基
本構造を示す斜視図である。 (b) 本発明に係わる光反射機能構造体において、入
射角、回折角等の定義の説明図である。
【図2】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の実
施形態として直交配列型の構造体を示す斜視図である。 (b) 図2(a)に示した光反射機能構造体における
x−y平面の拡大説明図である。
【図3】図2に示した光反射機能構造体による入射角度
α=0°のときの反射スペクトルを示すグラフである。
【図4】図2に示した光反射機能構造体による入射角度
α=15°のときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図5】図2に示した光反射機能構造体による入射角度
α=30°のときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図6】図2に示した光反射機能構造体による入射角度
α=45°のときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図7】図2に示した光反射機能構造体による入射角度
α=60°のときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図8】図2に示した光反射機能構造体における微細構
造体の径を変化させた場合の入射角度αと反射ピーク波
長λとの関係を示すグラフである。
【図9】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の実
施形態として芯鞘型微細構造体による直交配列型の構造
体を示す斜視図である。 (b) 図9(a)に示した光反射機能構造体における
x−y平面の拡大説明図である。
【図10】(a)ないし(c)は本発明に係わる光反射
機能構造体の実施形態として直交配列した微細構造体の
断面が楕円形、矩形および多角形の例を示すx−y平面
の拡大説明図である。
【図11】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の
実施形態として球状微細構造体による直交配列型の構造
体を示す斜視図である。 (b) 図11(a)に示した光反射機能構造体におけ
る球状微細構造体の拡大説明図である。
【図12】(a)ないし(g)は本発明に係わる光反射
機能構造体自身の形状例を示すそれぞれ断面図である。
【図13】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体に
おいて光の入射方向がx−z平面の場合の光反射機能が
発現する方向及び部位を示す説明図である。 (b) 本発明に係わる光反射機能構造体において光の
入射方向がx−y平面の場合の光反射機能が発現する方
向及び部位を示す説明図である。 (c) 本発明に係わる光反射機能構造体において光の
入射方向がy−z平面の場合の光反射機能が発現する方
向及び部位を示す説明図である。
【図14】本発明に係わる光反射機能構造体からなる微
小チップを塗装用光輝材として含む塗膜構造を示す概略
説明図である。
【図15】本発明に係わる光反射機能構造体の実施形態
として直交配列した円柱形微細構造体の径を行ごとに変
えた例を示すx−y平面の拡大説明図である。
【図16】同じく光反射機能構造体の実施形態として直
交配列した円柱形微細構造体の径を2行ごとに変えた例
を示すx−y平面の拡大説明図である。
【図17】本発明に係わる光反射機能構造体の実施形態
として三角形状に配列した円柱形微細構造体の直径がす
べて同一の場合を示すx−y平面の断面図である。
【図18】同じく光反射機能構造体の実施形態として三
角形状に配列した円柱形微細構造体の直径がy方向で相
違する場合を示すx−y平面の断面図である。
【図19】図18に示した光反射機能構造体による入射
角度α=0°のときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図20】図18に示した光反射機能構造体による入射
角度α=45°のときの反射スペクトルを示すグラフで
ある。
【図21】図18に示した光反射機能構造体による入射
角度α=60°のときの反射スペクトルを示すグラフで
ある。
【図22】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の
実施形態として五角形状に配列した円柱形微細構造体の
直径がすべて同一の場合を示すx−y平面の断面図であ
る。 (b) 同じく光反射機能構造体の実施形態として五角
形状に配列した円柱形微細構造体の直径がy方向で相違
する場合を示すx−y平面の断面図である。
【図23】図22(b)に示した光反射機能構造体によ
る入射角度α=45°のときの反射スペクトルを示すグ
ラフである。
【図24】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の
実施形態として八角形状に配列した円柱形微細構造体の
直径がすべて同一の場合を示すx−y平面の断面図であ
る。 (b) 同じく実施形態として八角形状に配列した円柱
形微細構造体の直径が同一であり隣接する八角形ユニッ
トの辺が共通している場合を示すx−y平面の断面図で
ある。 (c) 同じく光反射機能構造体の実施形態として八角
形状に配列した円柱形微細構造体の直径がy方向で相違
する場合を示すx−y平面の断面図である。
【図25】(a) 本発明に係わる光反射機能構造体の
実施形態として円形断面の微細構造体による六角形配列
型の構造体を示す斜視図である。 (b) 図25(a)に示した光反射機能構造体におけ
るx−y平面の拡大断面図である。
【図26】図25に示した光反射機能構造体による入射
角度α=0°のときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図27】図25に示した光反射機能構造体による入射
角度α=45°のときの反射スペクトルを示すグラフで
ある。
【図28】図25に示した光反射機能構造体による入射
角度α=60°のときの反射スペクトルを示すグラフで
ある。
【図29】本発明に係わる光反射機能構造体の実施形態
として直交配列した円柱形微細構造体が互いに接触した
例を示すx−y平面の拡大説明図である。
【図30】本発明に係わる光反射機能構造体の実施形態
として六角形配列した円柱形微細構造体が互いに接触し
た例を示すx−y平面の拡大説明図である。
【図31】図29に示した光反射機能構造体であって円
柱形微細構造体の径が0.28μmのときの反射スペク
トルを示すグラフである。
【図32】図29に示した光反射機能構造体であって円
柱形微細構造体の径が0.16μmのときの反射スペク
トルを示すグラフである。
【図33】図29に示した光反射機能構造体であって円
柱形微細構造体の径が0.19μmのときの反射スペク
トルを示すグラフである。
【図34】図29に示した光反射機能構造体であって円
柱形微細構造体の径が0.22μmのときの反射スペク
トルを示すグラフである。
【図35】(a)ないし(c)は本発明に係わる光反射
機能構造体の実施形態として配列の規則性が異なる2種
類のブロックからなる例を示す断面説明図である。
【図36】(a)及び(b)は本発明に係わる光反射機
能構造体の実施形態として微細構造体の配列形態が異な
る2種類のブロックからなる構造例を示すx−y平面の
断面図である。
【図37】(a)及び(b)は同じく光反射機能構造体
の実施形態として微細構造体の配列形態が異なる2種類
のブロックがy方向に3段に組み合わされた構造例を示
すx−y平面の断面図である。
【図38】(a)及び(b)は同じく光反射機能構造体
の実施形態として微細構造体の配列形態が異なる2種類
のブロックがx方向に3列に組み合わされた構造例を示
すx−y平面の断面図である。
【図39】(a)および(b)は本発明に係わる光反射
機能構造体の実施形態として当該構造体の周囲に一次被
覆層および一次、二次被覆層を設けた例を示す断面説明
図である。
【図40】本発明の実施例6に係わる光反射機能構造体
による入射角度α=45°のときの反射スペクトルを示
すグラフである。
【図41】本発明の実施例7に係わる光反射機能構造体
による入射角度α=45°のときの反射スペクトルを示
すグラフである。
【図42】本発明の実施例8に係わる光反射機能構造体
による入射角度α=45°のときの反射スペクトルを示
すグラフである。
【符号の説明】
1 光反射機能構造体 2 第1の材料 3 微細構造体 10 塗膜 11 塗装用光輝材(光反射機能構造体)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 8/14 D01F 8/14 C Z (72)発明者 甲斐 康朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田畑 洋 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 Fターム(参考) 4J038 CB002 CD092 DD002 DE002 DF002 DH002 DK002 HA486 KA08 MA02 NA01 PB08 4L041 AA07 BA04 BA05 BA13 BA14 BA16 BA37 BC06 BD20 CA06 CA21 CA55 DD01 DD07 DD14

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光線、赤外線および紫外線の反射特
    性のうちの少なくともいずれかの光学機能を有する繊維
    状あるいはフィルム状の構造体であって、 該構造体が屈折率の異なる少なくとも第1および第2の
    材料からなると共に、少なくとも第1の材料が当該構造
    体の断面において光透過性を有し、第2の材料からなる
    複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料によっ
    て取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を
    発現させるのに十分な規則性をもって配置されているこ
    とを特徴とする光反射機能構造体。
  2. 【請求項2】 微細構造体が所定の断面形状を有し、光
    の入射方向をy方向、これに対向する複数の微細構造体
    からなる微細構造体群の方向をx方向、微細構造体群の
    奥行き方向をz方向としたとき、第1の材料の内部に、
    所定断面形状を有する複数の微細構造体がx−y平面内
    で多角形状の規則的配列をなしていることを特徴とする
    請求項1記載の光反射機能構造体。
  3. 【請求項3】 第1の材料の内部に、所定断面形状を有
    する複数の微細構造体がx−y平面内で行と列のマトリ
    ックス状(アレイ状)の規則的配列をなしていることを
    特徴とする請求項2記載の光反射機能構造体。
  4. 【請求項4】 第1の材料の内部に、所定断面形状を有
    する複数の微細構造体がx−y平面内で六角形配列をな
    していることを特徴とする請求項2記載の光反射機能構
    造体。
  5. 【請求項5】 第1の材料の内部に、所定断面形状を有
    する複数の微細構造体がx−y平面内で三角形配列をな
    していることを特徴とする請求項2記載の光反射機能構
    造体。
  6. 【請求項6】 第1の材料の内部に、所定断面形状を有
    する複数の微細構造体がx−y平面内で五角形配列をな
    していることを特徴とする請求項2記載の光反射機能構
    造体。
  7. 【請求項7】 第1の材料の内部に、所定断面形状を有
    する複数の微細構造体がx−y平面内で八角形配列をな
    していることを特徴とする請求項2記載の光反射機能構
    造体。
  8. 【請求項8】 複数の微細構造体がその長さ方向に一様
    に連続していることを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の光反射機能構造体。
  9. 【請求項9】 微細構造体の断面形状が円形であること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の光反
    射機能構造体。
  10. 【請求項10】 微細構造体の円形断面における半径を
    r、x−y平面内での行と列のマトリックス状配列にお
    ける隣接する微細構造体の中心間ピッチをP、回折・散
    乱作用による反射ピーク波長をλとしたとき、サイズパ
    ラメータα(=λ/2πr)および前記ピッチPが 10−2≦α≦10 2r≦P なる関係を満たすことを特徴する請求項9記載の光反射
    機能構造体。
  11. 【請求項11】 微細構造体が所定の断面形状を有し、
    光の入射方向をy方向、これに対向する複数の微細構造
    体からなる微細構造体群の方向をx方向、微細構造体群
    の奥行き方向をz方向としたとき、互いに異なる波長の
    光を出射するに十分な規則性をもった微細構造体群が複
    数のブロックとしてx方向に存在することを特徴とする
    請求項1〜10のいずれかに記載の光反射機能構造体。
  12. 【請求項12】 微細構造体が所定の断面形状を有し、
    光の入射方向をy方向、これに対向する複数の微細構造
    体からなる微細構造体群の方向をx方向、微細構造体群
    の奥行き方向をz方向としたとき、互いに異なる波長の
    光を出射するに十分な規則性をもった微細構造体群が複
    数のブロックとしてy方向に存在することを特徴とする
    請求項1〜10のいずれかに記載の光反射機能構造体。
  13. 【請求項13】 微細構造体個々の断面形状が円形、楕
    円形、矩形および多角形からなる群から選択される1種
    以上の断面形状であることを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれかに記載の光反射機能構造体。
  14. 【請求項14】 第1の材料がポリマー系、ガラス系、
    セラミックス系よりなる群から選ばれる1種以上の材料
    からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに
    記載の光反射機能構造体。
  15. 【請求項15】 前記ポリマー系材料が、ポリエステル
    系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ビニル系、ポリ
    エーテルケトン系、ポリサルファイド系、フッ素系、ポ
    リカーボネート系の単体もしくはこれらのブレンド、あ
    るいはこれら2種類以上の共重合体のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項14記載の光反射機能構造体。
  16. 【請求項16】 第1の材料が光透過性を維持できる程
    度の顔料および/または染料を含有していることを特徴
    とする請求項1〜15のいずれかに記載の光反射機能構
    造体。
  17. 【請求項17】 第2の材料からなる微細構造体が第3
    の材料により被覆されていることを特徴とする請求項1
    〜16のいずれかに記載の光反射機能構造体。
  18. 【請求項18】 断面形状が円形、楕円形、正方形、矩
    形、三角形、星型、又は多角形であることを特徴とする
    請求項1〜17のいずれかに記載の光反射機能構造体。
  19. 【請求項19】 所定の長さに切断された微小なチップ
    であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか
    に記載の光反射機能構造体。
  20. 【請求項20】 所定の寸法に粉砕した粉末であること
    を特徴とする請求項1ないし18のいずれかに光反射機
    能構造体。
  21. 【請求項21】 請求項19記載の光反射機能構造体チ
    ップを含有することを特徴とする塗料、フィルム構造
    体、プラスチック成形体、不織布および壁紙からなる群
    より選ばれる物品。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の光反射機能構造体粉
    末を含有することを特徴とする塗料、フィルム構造体、
    プラスチック成形体、不織布および壁紙からなる群より
    選ばれる物品。
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