JP2905712B2 - オパール様回折発色膜 - Google Patents

オパール様回折発色膜

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オパール様回折発色
膜に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
死角の少ないオパール様回折発色膜としてエステティッ
ク用素材、装飾等の分野において有用な、新しい回折発
色膜とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、装飾、エステティ
ック材料等の諸分野においては光の回折現象を利用した
回折発色の方法が様々に知られている。これら従来の方
法としては、たとえば、以下のものが知られている。 (1)機械的線状痕による回折格子を利用した回折発色
(ホログラフィーなど) (2)写真現像による線状および点状の回折格子による
回折発色 (3)LSIパターン作成技術による高精度回折格子作
成による回折発色 (4)固体表面の不規則的凹凸作製による弱い回折発色 (5)顔料微粒子を含む塗工剤の塗布による不規則格子
作製とそれに伴う弱い回折発色 しかしながら、これら従来の方法にはいずれも以下の通
りの問題点があった。 (1)機械的線状痕による回折光は高い輝度を示すが線
の走る方向と直角方向にのみに強い回折現象を示し、死
角がある。 (2)写真現像による線状痕および点状格子は1μmよ
り大きいサイズでは高い精度の回折格子作製が可能だ
が、格子がフィルム中に現像されているため高い輝度が
得にくい。また感光粒子の大きさの制約のため回折格子
の周期が1μmを切ると現像特有の線および点の大きさ
のバラツキが生じ、回折光がにぶくなる。 (3)LSIパターン作成技術は、線状、点状の回折格
子が高い分解能(0.3μm)で作成できるが、とても
高価である。 (4)不規則格子(点状)については表面をサンドペー
パー、エッチング等でザラつかせることで得られるが乱
反射のため回折光は極めて弱い。 (5)顔料微粒子を含む溶剤(塗工剤)を塗布した場合
も微粒子は不規則格子を作り乱反射のため回折光は極め
て弱い。
【0003】そこで、この発明は、上記の通りの従来の
回折発光の欠点を解消し、微粒子によって構成される膜
からなり、しかも、死角の少ない高輝度回折格子を提供
することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ミクロンオーダー微粒子の最密
充填六方格子単層微粒子膜を有することを特徴とするオ
パール様回折発色膜を提供する。
【0005】
【作用】上記の通りこの発明の回折発色膜によって、死
角の少ないオパール様高輝度回折格子膜が実現される。
この特徴のある発色膜についてさらに詳しく説明する
と、よく知られているモルフォ蝶の羽の示す美しいオパ
ール様回折光についての詳しい検討を踏まえ、その知見
の上に、再現のある独自の構成としてこの発明が完成さ
れている。
【0006】モルフォ蝶の羽の発光原理は以下の通りで
ある。すなわち、モルフォ蝶の発色が何に由来するのか
を調べる実験を行ってみる。3種の蝶(2種はモルフォ
蝶)の羽の表面構造を異なるスケールで観察する。ギア
ナ産のモルフォ蝶(Morpho rhetenor) は群青の発色を
し、羽のリン粉の表面には0.65μmの規則的線条痕
が走っていること、また、ペルー産のモルフォ蝶(Morph
o sulkowski)は空色の発色をし、羽のリン粉の表面には
0.8μmの規則的線条痕が走っていることが確認され
る。一方、回折発色のない東京近郊の蝶はリン粉表面の
構造が数μmの規則性を示している。従って光の波長程
度の回折格子の存在がモルフォ蝶の美しい回折発色に重
要なことが示唆される。より具体的には、図1は、モル
フォ蝶Morpho rhetenor の羽の発色が顔料由来でないこ
とを示すためのもので、図1(A)は、その全体像を、
図1(B)は、リン粉を顕微鏡の反射光で示したもので
ある。これがこの蝶の羽の元来の色である。同じ対象を
暗視野の回折光で見た顕微鏡像が図1(C)である。鮮
やかな群青の発色が主に見える。ただし、リン粉部の周
辺では発色はカッ色、黄色に変わっている。これらの発
色に対応した構造を見るためそれぞれのリン粉表面を走
査型電子顕微鏡で示したのが図1(D)〜図1(H)で
ある。図1(D)はリン粉と羽シートの接触の様子を示
している。図1(E)、図1(F)は群青発色部リン粉
の表面の拡大写真である。0.65μm間隔で大きなす
じが走っているのが見える。図1(G)、1(H)は黄
色発色する同じリン粉の表面拡大写真である。回折格子
の間隔は1μmより大きくなっている。図1(F)およ
び図1(H)に示すように格子の間には更に細かい構造
が見られる。これに対して、図2(A)は発色しない東
京近郊の蝶のリン粉を示し、図2(B)および図2
(C)は、その表面拡大写真である。規則的線状格子の
間隔は約5μmが見られた。以上の観察よりモルフォ蝶
の美しい発色は素地の色と無関係な波長オーダの表面の
規則的テクスチャーによる回折光であることがわかる。
【0007】そこで、以上の通りの知見から、この発明
の発明者は、波長オーダの微粒子による単粒子膜の発色
とこれに対応する構造について検討し、前記の通りのミ
クロンオーダー微粒子の最密充填六方格子単層微粒子膜
を有するオパール様の死角のない回折発色膜を完成し
た。この回折発色膜は、この発明の発明者によって確立
された固体基板上への微粒子の移流集積による単粒子膜
の形成方法によって製造される。この方法は、高分子、
セラミックス等の微粒子を含む水性懸濁液に固体基板を
浸漬し、これを精密に制御された条件下に引上げて基板
上に微粒子単粒子膜を形成することを特徴としている。
【0008】そして、この単粒子膜の形成に際しては、
微粒子は元来基板に対して吸着性が小さいことが積極的
に利用されていることから、機械的に容易に所要のパタ
ーンにリソグラフィーすることができる。たとえば所要
のパターンからなる絵柄を書いた、接着テープを切り絵
のように切り抜いたものを平らなガラスに貼付けたもの
等からなるスタンプを単粒子膜に押し付け、接着力で微
粒子を剥ぎ取ることができる。たとえばこのようにして
パターニングが容易に行われる。もちろん、それ以外に
も、より精密に電子線、イオン等の照射による寸法も可
能である。
【0009】そしてまた、単粒子膜の固定も容易であ
る。微粒子の性質に応じて、電子線、イオン、光等のエ
ネルギー線の照射や、加熱等による手段、あるいは基板
表面の親水化もしくは疎水化処理による微粒子との間の
物理的吸着力の増大等による固定化が可能である。この
場合、金、銀等の金属の蒸着膜、あるいは塗布等の手段
も考慮される。また、これら手段は、固定化とともに、
発色膜の発色を増強するための手段としても使われる。
たとえば10nm程度の膜厚の銀または金を蒸着するこ
とが有効である。
【0010】たとえば以上の通りの微粒子単層膜の形成
法、リソグラフィー並びに固定化方法等を適宜に組合わ
せて実施することで、この発明の回折発色膜は様々な応
用が可能となる。回折発色膜そのものは、装飾やエステ
ティック用素材としても極めて有用である。
【0011】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0012】
【実施例】 .最密充填六方格子単層粒子膜(単粒子膜)の発色 波長オーダの微粒子(ポリスチレン球)によるこの発明
の単粒子膜の発色および対応する構造について説明する
と、図3(A)は単粒子膜の発色の全体像である。図3
(B)は反射光顕微鏡像であるが、ポリスチレン球が無
色なので発色はない。図3(C)は同じ対象を暗視野で
の回折光で見た顕微鏡像である。鮮やかな回折発色が見
える。単粒子膜は全面が単一結晶でなく結晶方向の少し
ずつ異なるポリクリスタルなので発色は単一でなく結晶
方向に依存した色となる。図3(C)には単一結晶領域
間にすじ条の欠陥が多数見えている。電子顕微鏡による
拡大図が図3(D)に示してある。単一結晶領域内はこ
のような単層の最密充填六方格子となっている。微粒子
の大きさに依存した発色の様子を太陽光を光源としてみ
ると、0.953μm(図4(C))、1.083μm
(図4(D))、2.106μm(図4(E))のよう
に、粒子サイズと可視光の波長とが同程度の微粒子の場
合には、粒子の大きさと結晶の方向に依存した回折発色
をすることが確認される。
【0013】モルフォ蝶の羽の発色と単粒子膜の発色を
比較したのが図5である。0.953μmのポリスチレ
ン球の単粒子膜とモルフォ蝶Morpho sulkowskiの同一入
射光による発色の様子が異なるスケールで示されてい
る。図5(A)はモルフォ蝶の羽の実体像で上方が自然
のモノ、下方が単粒子膜による発色膜を蝶の羽の形に切
り抜いたものである。人工羽は実際のスケールのものを
コンピュータで拡大したものである。図5(A)の発色
は入射光角60°で入射方向を上から下の方向に光をあ
て撮ったものである。入射角を同じにして入射方向を9
0°回転させるとモルフォ蝶の発色はなくなる。これは
図1(C)で説明したように回折格子がこの方向になく
なるからである。一方単粒子膜による人工羽の発色はほ
とんど変わらなかった。すなわち回折光発色に死角がな
かった。図5(B)はモルフォ蝶羽根と単粒子膜の光学
顕微鏡による拡大図である。100μmのリン粉と同程
度の大きさの結晶領域が観測されている。図5(C)は
電子顕微鏡による拡大図である。このモルフォ蝶のきら
きら光る美しさは極めて規則的な線状回折格子(図5
(C)上段)から生まれている。一方人工単粒子膜も極
めて規則的な点状回折格子を形成し、その周期はほぼモ
ルフォ蝶の格子周期と同じであることが分かる。
【0014】規則性の高いテクスチャーを持つ表面から
の光の反射はこうして高輝度回折光を持つことがわか
り、かつその発色の様子は格子周期に依存する。しかし
人工単粒子膜の発色はモルフォ蝶と2点で少し違ってい
る。第一点のは図5(B)から分かるように100μm
オーダの発色領域の両者の間の構造差による。モルフォ
蝶のリン粉は完全に方向がそろっているが、単粒子膜の
結晶領域は向きが少しずつばらついている。従って発色
は単色でなく特定の色のまわりの幅のある色帯となる。
しかし両者ともきらきら輝く回折発色を示す点で似てい
る。第二点は微粒子人工膜の発色では死角がない点で自
然より一歩先を行っている。 .単粒子膜の作成法 作成原理についてはすでにこの発明の発明者らが提案し
ている。この作成法の具体例を示すと、作成装置の概略
は図6に示した通りである。すなわち、たとえば親水処
理したガラス基板を微粒子を含む懸濁液に漬け、ステッ
プモータにより回転する小さい滑車で引き上げる。速度
はギヤー比を変えて調節する。単粒子膜の成長は膜成長
部に光をあてながら横型顕微鏡で常に観測される。拡大
像はCCDカメラを用いてTV画像化し、リアルタイム
で成長の様子がモニターされる。装置のサイズは、たと
えばセルが100×40×10mm、滑車が2cmであ
る。顕微鏡の分解能は0.35μm、また引き上げ速度
は0.1μm/秒から10μm/秒まで変えられる。
【0015】実際に、以下の通りで単粒子層を形成し
た。 <a>微粒子:ポリスチレン微粒子(次の表1の特性)
【0016】
【表1】
【0017】1μmシリカ微粒子 <b>溶媒:ポリスチレン球の場合は純水、または次の
物質を含んだ水溶液 a)0.001mol/l sodium dodecyl sulfate
(SDS) b)0.001mol/l octanol c)0.01mg/ml ferritin シリカ球の場合は2,2,2−trifluoroethanol <c>ガラスとその処理:スライドガラス(76×26
×1mm)は親水処理を次の手順で行った。クロム酸液
に一昼夜つけ水で洗い、次に0.1MSDSもしくはエ
タノールに1時間つけた。SDSにつけたガラスは水洗
いし乾燥、エタノールにつけたガラスはそのまま乾燥さ
せた。一様な単粒子膜を作るにはガラス板を微粒子懸濁
液につけゆっくり引き上げるだけでよい。このとき成膜
の条件は以下の式によって与えられる。
【0018】
【数1】
【0019】ここでve は単粒子膜を一様に作るときの
結晶成長速度(すなわちガラスプレートの引き上げ速
度)、βは流体力学的係数(約1)、je は水の結晶部
での蒸発速度、dは粒子の直径、φは懸濁液中粒子の体
積率。上式〔1〕はいわば理想化された条件での成膜式
である。このため、実際にはガラス表面の種々のむら、
たとえばぬれ性の差、ゴミの存在等、そして粒子径のバ
ラツキ等を考慮してガラスの引き上げ速度を制御する。
装置で単粒子膜の成長過程を常にモニターしているのは
膜のできる様子を見て引き上げ速度を最適化するためで
ある。モニター途中の単粒子成長過程の実例を図7に示
した。図7(A)は、0.814μmポリスチレン微粒
子が方向の異なる小さな領域の単粒子膜を作っているこ
とを示している。図7(B)は、0.953μmポリス
チレン微粒子による単一結晶領域を示している。この図
7(B)図には結晶化膜に向かう粒子の流れが見える。
粒子速度が100μm/sと速いので移動中の粒子はボ
ヤけて見える。矢印で示す明るい粒子は0.953μm
より充分直径の大きい混入粒子で水のぬれ膜表面により
強く板に押しつけられているため静止している。1μm
のシリカ微粒子を用いる場合は、シリカの比重は1.4
〜1.44なので、水懸濁液では微粒子を長期間水中に
分散できず、沈殿がはじまる。従って粒子を移流集積で
充分成膜化できない。そこで水より比重の大きい溶媒と
してトリフロロエタノールを用いると、比重が大きいた
めシリカ微粒子は良く懸濁される。図8はシリカ単粒子
膜の成長過程と格子形成の拡大写真が示したものであ
る。暗視野顕微鏡の写真図8(A)では黒い部分は裸の
ガラス面、緑はシリカ単粒子膜、黄色はシリカ懸濁液の
ぬれ膜である。このモニター写真から単粒子膜の作成原
理は既出のポリスチレン微粒子と同じようにトリフロロ
エタノールの蒸発に伴う粒子の移流集積と液体薄膜での
粒子間力(横毛管力)によるpacking であることがわか
る。図8(B)の拡大図の六方最密充填膜は粒子間のpa
cking 力が強く働いていることを示唆している。 .接着スタンプリソグラフィー 単粒子膜は粒子の流れを利用して作られるので、懸濁液
中では粒子は元来基板に対し吸着性が小さいことを前提
としている。従って乾燥後は単粒子膜は基板から容易に
はがれる。このことを利用して簡便な機械的リソグラフ
ィーが行える。接着剤で絵柄を書いたスタンプ(接着テ
ープを切り絵のように切り抜いたものを平らなガラスに
はりつけたもの)を作成し、単粒子膜に押しつけ、接着
力で粒子をはぎとる。すると単粒子膜面には雌型の絵柄
が、またスタンプ側には雄型の絵柄が粒子膜の構造を保
持したまま残る。これが単粒子膜を用いた接着スタンプ
リソグラフィーである。両面接着テープをガラスにはり
つけLVMNの太字を切り抜いた。これをスタンプと
し、単粒子膜上に粒子を取り除く形でLVMHの絵柄を
作った。図9(A)は0.953μm単粒子膜の雌型リ
ソグラフィー。図9(B)は1.083μm単粒子膜の
雄型リソグラフィー。図9(C)は0.479μm単粒
子膜の雄型リソグラフィーである。図9(D)は図9
(A)のMの字の右肩の拡大写真であり、リソグラフィ
ーの境界の切れを示している。 .発色増強と単粒子膜の固定化 リソグラフィー作成後の単粒子膜の固定と発色増強は1
0nm程度の膜厚の銀または金蒸着により簡単に行われ
ることがわかった。こうした金属蒸着により粒子膜の反
射率が増し、発色が増強される。また金属蒸着により粒
子が金属膜でカバーされ、基板と強く接着する。前述の
接着テープではがれない程度まで接着強度がます。この
粒子の接着メカニズムは金属膜カバー効果の他に粒子と
基板の直接接着が蒸着の際の局所的高温化で誘起される
と考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上、詳しく説明した通り、この発明に
より死角のない高輝度のオパール様回折発色膜が実現さ
れる。また、この発明により、高度に制御された微粒子
単層膜の移流集積による形成と、そのリソグラフィー、
固定化並びに発色増強も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はモルフォ蝶の全体像を示した図面に代
わる写真、(B)は、モルフォ蝶の羽を示した図面に代
わる反射光顕微鏡写真、(C)は図面に代わる回折光顕
微鏡写真、(D)は、リン粉の羽表面への吸着を示した
図面に代わる走査型電子顕微鏡写真、(E)は、羽中央
のリン粉表面の回折格子を示した図面に代わる走査型電
子顕微鏡写真、(F)は、その拡大写真、(G)は、羽
周辺のリン粉の回折格子を示した図面に代わる走査型電
子顕微鏡写真、(H)は、その拡大写真である。
【図2】(A)は、発色しない蝶のリン粉を示した図面
に代わる走査型電子顕微鏡写真、(B)は、対応するリ
ン粉表面の微細構造を示した図面に代わる走査型電子顕
微鏡写真、(C)は、その拡大写真である。
【図3】(A)は、実施例としてのポリスチレン単粒子
膜の回折発色による全体像を示した図面に代わる顕微鏡
写真、(B)は、対応する図面に代わる反射光による顕
微鏡写真、(C)は、ポリスチレン単粒子膜の図面に代
わる回折光による顕微鏡写真、(D)は、ポリスチレン
単粒子膜の単一結晶領域を示した図面に代わる走査型電
子顕微鏡写真である。
【図4】(C)は、ポリスチレン(0.953μm)単
粒子膜の太陽光による回折発色を示した図面に代わる顕
微鏡写真、(D)は、ポリスチレン(1.083μm)
単粒子膜の太陽光による回折発色を示した図面に代わる
顕微鏡写真、(E)は、ポリスチレン(2.106μ
m)単粒子膜の太陽光による回折発色を示した図面に代
わる顕微鏡写真である。
【図5】ペルー産モルフォ蝶の羽の発光と単粒子膜の発
色を比較した図面に代わる写真であって、次のものを示
している。すなわち、ペルー産モルフォ蝶(サルコフス
キー)(図A上半分)と0.953μmポリスチレン単
粒子膜(図A下半分)で合成したモルフォ蝶である。
(A)白色光源照射による裸眼写真。(B)暗視野モー
ドで撮った回折光顕微鏡写真(右上すみのはめ込みは反
射光写真)。上半分:モルフォ蝶のリン粉構造、下半
分:ポリスチレン単粒子膜のドメイン(領域)構造。
(C)走査型電子顕微鏡写真。上半分:リン粉表面の回
折格子パターン、下半分:単粒子膜の最密充填パター
ン。
【図6】この発明に用いる装置例を示した側面図であ
る。
【図7】ポリスチレン単粒子膜の成長過程を示した図面
に代わる顕微鏡写真である。
【図8】シリカ微粒子の単粒子膜の成長過程を示した図
面に代わる顕微鏡写真である。
【図9】単粒子膜のリソグラフィーの結果を示した図面
に代わる顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−43527(JP,A) 特開 平6−210158(JP,A) 特開 平6−279199(JP,A) 特開 平6−277501(JP,A) 特開 平6−339625(JP,A) 特開 昭63−183175(JP,A) 特開 平3−154668(JP,A) 特開 平3−288537(JP,A) 特開 平5−115773(JP,A) 特開 平8−57295(JP,A) 特許2828386(JP,B2) 特表 平6−502028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/18 B01J 19/00 B05D 5/06 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.1〜10μm径の微粒子の懸濁液中
    に基板を浸漬し、これを引上げて基板上に微粒子単層膜
    を移流集積させて、ミクロンオーダ微粒子の最密充填六
    方格子単層微粒子膜を形成することを特徴とするオパー
    ル様回折発色膜の製造法
  2. 【請求項2】 0.1〜10μm径の微粒子の懸濁液中
    に基板を浸漬し、これを引上げて基板上に微粒子単層膜
    を移流集積させ、得られた単層微粒子膜に金または銀を
    蒸着し、単層膜の固定化と発色増強を行うことを特徴と
    するオパール様回折発色膜の製造法
  3. 【請求項3】 0.1〜10μm径の微粒子懸濁液中
    に基板を浸漬し、これを引上げて基板上に微粒子単層膜
    を移流集積させ、次いで接着パターン部材により剥離し
    てリソグラフすることにより形成した単層微粒子膜に金
    または銀を蒸着し、単層膜の固定化と発色増強を行う
    とを特徴とするオパール様回折発色膜の製造法。
  4. 【請求項4】 微粒子懸濁液中に基板を浸漬し、これを
    引上げて基板上に微粒子単層膜を移流集積させることに
    より形成した単層膜を接着パターン部材により剥離して
    リソグラフすることを特徴とする単層微粒子パターン膜
    の製造法。
JP7041038A 1995-02-28 1995-02-28 オパール様回折発色膜 Expired - Fee Related JP2905712B2 (ja)

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