JP2003119096A - 多元系フッ化物単結晶およびその作製方法 - Google Patents

多元系フッ化物単結晶およびその作製方法

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JP2003119096A JP2001317193A JP2001317193A JP2003119096A JP 2003119096 A JP2003119096 A JP 2003119096A JP 2001317193 A JP2001317193 A JP 2001317193A JP 2001317193 A JP2001317193 A JP 2001317193A JP 2003119096 A JP2003119096 A JP 2003119096A
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Hiroki Sato
浩樹 佐藤
Hiroshi Machida
博 町田
Tsuguo Fukuda
承生 福田
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Tokin Corp
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NEC Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱歪みあるいはクラック等のない多元系フッ
化物単結晶を作製する作成方法を提供すること。 【解決手段】 下部るつぼ部品5とこの上に重ねた上部
るつぼ部品1とを有するるつぼを使用する。上部るつぼ
部品の底には少なくとも1個の小径の穴3を明ける。る
つぼ内に投入する原料の量を、原料を溶融させた時の融
液が上部るつぼ部品に10〜50%入る程度に規制しつ
つ、ブリッジマン育成を行なう。こうして、発生する白
濁物質2を上部るつぼ部品に集める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外および真空紫
外で光学部材として使用され得る多元系フッ化物単結
晶、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置用のフォトリソグラフィ
ーなどのレーザー加工の分野では、より精密に加工する
必要から、紫外光を利用することが多くなってきてい
る。しかしながら、レンズ、プリズム、ハーフミラー、
窓材等の光学部材に用いられる硝材として従来から使用
されている石英ガラスでは、紫外光に対する内部透過率
が低くなるなどの問題があるため石英ガラス以外の硝材
が望まれるようになってきている。こうしたなか、波長
が200nmよりも短い、いわゆる真空紫外光に対して
は石英ガラス以外の硝材としてフッ化カルシウム(Ca
2)やフッ化リチウム(LiF)の使用が検討されて
いる。
【0003】しかしながら、フッ化リチウムは潮解性、
劈開性が高く、各種光学部材に加工することが難しい。
一方、フッ化カルシウムはフッ化リチウムに比べると潮
解性はやや低くなるものの、依然として高い潮解性を持
つことに変わりなく、また、劈開性も高いために各種光
学部品への加工は決して容易ではない。
【0004】また、これらの硝材は、エキシマレーザー
光などの高エネルギー光を繰り返し照射すると、内部透
過率が減少することがあり、高い耐久が求められる光学
部材として使用するには未だ満足のいくものではない。
【0005】また、フッ化カルシウムの結晶を成長させ
るには原料を入れたるつぼを1400℃まで加熱・融解
させる必要があり、そのため莫大なエネルギーが消費さ
れる。
【0006】これらの問題点を解決するために、LiC
aAlF6、KMgF3、BaLiF 3等の多元系フッ化
物単結晶が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大口径
CaF2、LiF等の作製で使用されているブリッジマ
ン法でこれらの単結晶を作製する際には、これらの結晶
の作製温度におけるそれぞれの原料の蒸気圧差のため原
料の蒸発量に差が生じ、結晶作製が進むに従い組成ズレ
が発生し、たとえ原料を秤量する際にその蒸発の補正分
として原料を補正していたとしても、この組成ズレを完
全になくすことが非常に困難であるため、作製結晶後期
に目的としている結晶組成とは異なった多結晶相あるい
は共晶相が形成され白濁物質として残ってしまうことは
避けられない。
【0008】また、BaLiF3のように融液が分解溶
融型の場合には目的組成の結晶を得るために、融液組成
をLiFリッチにする必要があり、必然的に結晶作製後
期には目的組成とは異なった共晶相が形成され白濁物質
として残ってしまうことは避けられない。
【0009】さらにこれらの不純物白濁物質は作製した
単結晶と熱膨張率が違うため、多元系フッ化物単結晶作
製後の単結晶冷却中に、この不純物相と単結晶との境界
で熱歪みが発生し、さらにはクラック等が入ってしまう
ため、大口径の多元系フッ化物単結晶をブリッジマン法
を用いて作製することは困難であった。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、熱歪みあるいはクラック等のない多元系
フッ化物単結晶を作製する作製方法を提供することを目
的とする。
【0011】また本発明は、上記作製方法を用いて得ら
れた大口径多元系フッ化物単結晶を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる多元系フ
ッ化物単結晶作製方法は、大口径CaF2、LiF等の
作製で使用されているブリッジマン法を使用する際に、
結晶作製中の原料の蒸発に伴う結晶作製中の融液組成ズ
レ、あるいは融液の非調和溶融性に伴う作製後期に発生
する白濁物質を結晶作製中に分離することを特徴とす
る。
【0013】本発明によれば、下部るつぼ部品とこの上
に重ねた上部るつぼ部品とを有しかつ前記上部るつぼ部
品の底に少なくとも1個の小径の穴を明けてなるるつぼ
を用意し、前記るつぼ内に投入する原料の量を、原料を
溶融させた時の融液が前記上部るつぼ部品に10〜50
%入る程度に規制しつつ、ブリッジマン育成を行なうこ
とで、発生する白濁物質を前記上部るつぼ部品に集め、
これにより熱膨張率差に起因する状態を低減した多元系
フッ化物単結晶を得ることを特徴とする多元系フッ化物
単結晶作製方法が得られる。
【0014】前記小径の穴は、直径が2〜5mmであっ
てもよい。
【0015】前記下部るつぼ部品と前記上部るつぼ部品
とを互いにねじ込み式で結合させた接合部を有していて
もよい。
【0016】前記接合部はすり合わせ式になっていても
よい。
【0017】前記白濁物質は、単結晶作製中の原料の蒸
発に伴う結晶作製中の融液組成ズレに伴って発生するも
のであってもよい。
【0018】前記白濁物質は、融液の非調和溶融性に伴
って単結晶作製後期に発生するものであってもよい。
【0019】本発明によれば、上述した多元系フッ化物
単結晶作製方法で製造した大口径フッ化リチウムカルシ
ウムアルミニウム単結晶又は大口径フッ化カリウムマグ
ネシウム単結晶又は大口径フッ化バリウムリチウム単結
晶を提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多元系フッ化物
単結晶の製造方法をフッ化リチウムカルシウムアルミニ
ウム単結晶作製を例にとり詳細に説明する。
【0021】(a)粉末フッ化物原料の準備 原料のLiF、CaF2、AlF3の混合比がモル比でL
iF:CaF2:AlF3=1.00:1.00:1.0
0となるように混合粉末フッ化物原料を準備する。フッ
化リチウムあるいはフッ化アルミニウムのフッ化リチウ
ムカルシウムアルミニウムの融点付近での蒸気圧が高い
ため、これらの原料の蒸発が考えられるにも関わらず化
学量論組成とするのは、後に述べるるつぼの構造に関係
し、るつぼにフタをするため蒸発が発生しにくいためで
ある。蒸発を考慮してフッ化リチウムあるいはフッ化ア
ルミニウムを過剰に入れた場合、育成初期にこれらの原
料の融液組成ズレに起因する結晶内の組成ムラが発生す
るため良質結晶は得られない。
【0022】(b)粉末フッ化物原料の混合 これらの原料を不純物の溶出の少ないテフロン(登録商
標)容器に入れ、ローラーにて1〜2時間混合する。混
合時間が1時間以下の場合には、十分な撹拌が行われず
炉内で溶融を行う際にムラができてしまい、混合時間を
2時間以上とすると、原料が撹拌されている間に原料自
身により容器内壁を僅かながら削ってしまうことにより
発生する不純物が増大してしまう。
【0023】(c)溶融原料の作製 得られた混合粉末フッ化物原料をカーボンるつぼに投入
し、溶融原料作製炉内に置く。ロータリーポンプおよび
ディフェージョンポンプを用い、炉内を10-6torr
以上の高真空を保ちながら、混合粉末フッ化物原料を室
温から500〜1000℃の範囲の所定の温度まで加熱
し、炉内において原料中に含まれる水分・酸素を除去す
る。
【0024】この場合、混合粉末フッ化物原料は所望の
単結晶の組成に応じて適宜選択して用いる、粒度等も特
に制限が無く当業者であれば適宜設定できる範囲であ
る。また、10-6torr以上の高真空とするのは水分
および酸素の除去を容易とするためである10-6tor
r未満だと十分に水分を除去できない。
【0025】粉末フッ化物原料を室温から500℃以上
で例えば1000℃の範囲内の所定の温度まで加熱し、
原料中に含まれる水分・酸素を除去する。500℃未満
であると十分な効果が望めず、また上限温度は水分・酸
素の除去という観点から設定し、例えば1000℃とす
る。所定の温度で2〜5時間保持し水分・酸素を除去し
た後、高純度(99.9999%)アルゴンを導入し、
融解温度までさらに昇温する。融解温度で5〜12時間
保持した後急冷する。急冷するのは溶融原料をカーボン
るつぼから取り出しやすくするためで、徐冷した場合カ
ーボンるつぼから溶融原料を取り出せない場合がある。
【0026】(d)ブリッジマン法によるフッ化物バル
ク単結晶の製造 育成用カーボンるつぼの最下部に種結晶を入れ、その上
に得られたフッ化物溶融原料を投入する。
【0027】育成用カーボンるつぼは、図1に示す通り
上下2段式になっている。即ち、るつぼは、上部るつぼ
部品1が下部るつぼ部品5の上に重なった状態にある。
上部るつぼ部品1の底には、メルト導入穴として、直径
2〜5mm程度の小径の穴3が1〜数個、即ち、少なく
とも1個明いている。さらに、このるつぼに原料を入れ
て溶解させた時に原料が上るつぼ部品1と下るつぼ部品
5との継ぎ目から漏れないように、上るつぼ部品1と下
るつぼ部品5との接合部はねじ込み式となっており、し
かもその接合面はすり合わせ式になっている。
【0028】るつぼに投入する溶融原料の量は、原料を
溶融させた時の融液が上部るつぼ部品1に10〜50%
入る程度とする。このような形状とするのは、単結晶作
製中の原料の蒸発に伴う結晶作製中の融液組成ズレ、あ
るいは融液の非調和溶解性に伴う作製後期に発生する白
濁物質2のみを上部るつぼ部品1に集め、これにより熱
膨張率差に起因する状態即ち熱歪みあるいはクラック等
ない多元系フッ化物単結晶を作製するためである。な
お、4は透明結晶部であり、6は種結晶である。
【0029】溶融原料を投入した育成用カーボンるつぼ
を図2に示すようなブリッジマン育成炉に置く。即ち、
ブリッジマン育成炉のチャンバー7内に育成用カーボン
るつぼを配置する。育成用カーボンるつぼの外側はカー
ボン断熱材8で覆う。カーボン断熱材8の内側にはカー
ボンヒータ9を配置する。なお、11は育成軸である。
【0030】さらに、ロータリーポンプおよびディフュ
ージョンポンプ12を用いて炉内を10-6torr以上
の高真空を保ちながら、カーボンヒータ9により溶融原
料を室温から500〜1000℃の範囲の所定の温度ま
で加熱し、炉内において原料中に含まれる水分・酸素を
除去する。なお、13は排気弁であり、14はアルゴン
ガス導入弁である。
【0031】この場合、10-6torr以上の高真空と
するのは水分および酸素の除去を容易とするためであ
る。10-6torr未満だと十分に水分を除去できな
い。
【0032】溶融原料を室温から500℃以上で例えば
1000℃の範囲内の所定の温度まで加熱し、原料中に
含まれる水分・酸素を除去する。500℃未満であると
十分な効果が望めず、また上限温度は水分・酸素の除去
という観点から設定し、例えば1000℃とする。所定
の温度で2〜5時間保持し水分・酸素を除去した後、高
純度(99.9999%)アルゴンを導入し、融解温度
までさらに昇温する。融解温度で5〜12時間保持した
後、るつぼを0.5〜1.5mm/hの速度で降下さ
せ、種結晶部分から固化させる。上るつぼ部品1及び下
るつぼ部品5の内部でのつながりは上部るつぼ部品1の
底にあけられた小径の穴3のみであるため、上部のるつ
ぼ部品1からの歪みあるいはクラックは下部るつぼ部品
5へ侵入することがない。このように多元系フッ化物単
結晶を作製する際に育成後期に発生する白濁物質2を取
り除かない限り熱歪みあるいはクラックのない単結晶を
作製することはできない。
【0033】[実施例1]純度4NのLiF、Ca
2、AlF3市販粉末原料をモル比でLiF:Ca
2:AlF3=1.00:1.00:1.00となるよ
うに秤量し、それらをテフロン(登録商標)容器に投入
した。原料の全重量は10kgであった。そのテフロン
(登録商標)容器をローラーにて1時間撹拌混合した。
得られたフッ化リチウムカルシウムアルミニウム混合原
料を直径200mmの育成用カーボンるつぼに入れ、溶
融原料作製炉に置き、10-6torr程度まで真空に引
き、そのまま約700℃程度まで真空状態で加熱した。
この温度で2時間保持したのちArガスを溶融原料作製
炉に導入した。その後、900℃まで昇温し、粉末原料
を融解し、そのまま6時間液体状態で保ち急冷した。
【0034】直径200mmの育成用カーボンるつぼの
最下部にフッ化リチウムカルシウムアルミニウム単結晶
であるc軸方位の種結晶を入れ、得られたフッ化リチウ
ムカルシウムアルミニウム溶融原料を投入した。この育
成用カーボンるつぼは上下2段式になっており、上部の
るつぼ部品の底中心部には直径3mmの穴が1個明いて
いる。また、このるつぼに原料を入れて溶解させた時に
原料が上下のるつぼ部品の継ぎ目から漏れないように上
下のるつぼ部品の接合部はねじ込み式となっており、し
かも上下のるつぼ部品の接合面はすり合わせ式になって
いる。この育成用カーボンるつぼの寸法として、10k
gのフッ化リチウムカルシウムアルミニウムが溶融した
時、上部るつぼ部品に溶液が20%侵入するようにし
た。
【0035】種結晶と溶融原料を投入した育成用カーボ
ンるつぼをブリッジマン育成炉に置き、ロータリーポン
プおよびディフュージョンポンプを用い、10-6tor
r程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真
空状態で加熱した。この温度で2時間保持したのちAr
ガスを育成炉内に導入し約900℃まで昇温し、種結晶
を50%溶解させ、溶融原料のすべてを融解させてその
まま6時間液体状態で保った。その後、育成用るつぼを
速度0.5〜1.5mm/hで降下させ種結晶部分から
固化させた。その結果、るつぼ上部には白濁物が残りク
ラック等が多数見られたが、るつぼ下部にはクラックの
ない透明な良質フッ化リチウムカルシウムアルミニウム
単結晶が得られた。
【0036】[実施例2]純度4NのKF、MgF2
販粉末原料をモル比でKF:MgF2=1.00:1.
00となるように秤量し、それらをテフロン(登録商
標)容器に投入した。原料の全重量は10kgであっ
た。そのテフロン(登録商標)容器をローラーにて1時
間撹拌混合した。得られたフッ化カリウムマグネシウム
混合原料を直径200mmのカーボンるつぼに入れ、溶
融原料作製炉に置き、10-6torr程度まで真空に引
き、そのまま約800℃程度まで真空状態で加熱した。
この温度で2時間保持したのちArガスを溶融原料作製
炉に導入した。その後、1200℃まで昇温し、粉末原
料を融解し、そのまま6時間液体状態で保ち急冷した。
【0037】直径200mmの育成用カーボンるつぼの
最下部にフッ化カリウムマグネシウム単結晶である(1
11)方位の種結晶を入れ、得られたフッ化カリウムマ
グネシウム溶融原料を投入した。この育成用カーボンる
つぼは、上下2段式になっており、上部のるつぼ部品の
底中心部には直径3mmの穴が1個明いている。この育
成用カーボンるつぼの寸法として、10kgのフッ化カ
リウムマグネシウムが溶融した時に、上部るつぼに融液
が20%侵入するようにした。
【0038】種結晶と溶融原料を投入した育成用カーボ
ンるつぼをブリッジマン育成炉に置き、ロータリーポン
プおよびディフュージョンポンプを用い、10-6tor
r程度まで真空に引き、そのまま約800℃程度まで真
空状態で加熱した。この温度で2時間保持したのちAr
ガスを育成炉内に導入し約1200℃まで昇温し、種結
晶を50%溶解させ、溶融原料のすべてを融解させてそ
のまま6時間液体状態で保った。その後、育成用るつぼ
を速度0.5〜1.5mm/hで降下させ種結晶部分か
ら固化させた。その結果、るつぼ上部には白濁物が残り
クラック等が多数見られたが、るつぼ下部にはクラック
のない透明な良質フッ化カリウムマグネシウム単結晶が
得られた。
【0039】[実施例3]純度4NのLiF、BaF2
市販粉末原料をモル比でLiF:BaF2=0.57:
0.43となるように秤量し、それらをテフロン(登録
商標)容器に投入した。モル比を化学量論組成からずら
しているのはBaLiF3融液が分解溶融型であるた
め、LiFを増やすことでBaLiF3結晶組成を安定
化している。この原料の全重量は10kgであった。そ
のテフロン(登録商標)容器をローラーにて1時間撹拌
混合した。得られたフッ化バリウムリチウム混合原料を
直径200mmのカーボンるつぼに入れ、溶融原料作製
炉に置き、10-6torr程度まで真空に引き、そのま
ま約700℃程度まで真空状態で加熱した。この温度で
2時間保持したのちArガスを溶融原料作製炉に導入し
た。その後、900℃まで昇温し、粉末原料を融解し、
そのまま6時間液体状態で保ち急冷した。
【0040】直径200mmの育成用カーボンるつぼの
最下部にフッ化バリウムリチウム単結晶である(11
1)方位の種結晶を入れ、得られたフッ化バリウムリチ
ウム溶融原料を投入した。この育成用カーボンるつぼ
は、上下2段式になっており、上部のるつぼ部品の底中
心部には直径3mmの穴が1個あいている。この育成用
カーボンるつぼの寸法として、10kgのフッ化バリウ
ムリチウムが溶融した時に、上部るつぼに融液が50%
侵入するようにした。
【0041】種結晶と溶融原料を投入した育成用カーボ
ンるつぼをブリッジマン育成炉に置き、ロータリーポン
プおよびディフュージョンポンプを用い、10-6tor
r程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真
空状態で加熱した。この温度で2時間保持したのちAr
ガスを育成炉内に導入し約900℃まで昇温し、種結晶
を50%溶解させ、溶融原料のすべてを融解させてその
まま6時間液体状態で保った。その後、育成用るつぼを
速度0.5〜1.5mm/hで降下させ種結晶部分から
固化させた。結果、るつぼ上部には白濁物が残りクラッ
ク等が多数見られたが、るつぼ下部にはクラックのない
透明な良質フッ化バリウムリチウム単結晶が得られた。
【0042】[比較例1]純度4NのLiF、Ca
2、AlF3市販粉末原料を育成中の蒸発を考慮してモ
ル比でLiF:CaF2:AlF3=1.10:1.1
0:1.10となるように秤量し、それらをテフロン
(登録商標)容器に投入した。原料の全重量は10kg
であった。そのテフロン(登録商標)容器をローラーに
て1時間撹拌混合した。得られたフッ化リチウムカルシ
ウムアルミニウム混合原料を直径200mmのカーボン
るつぼに入れ、溶融原料作製炉に置き、10-6torr
程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真空
状態で加熱した。この温度で2時間保持したのちArガ
スを溶融原料作製炉に導入した。その後、900℃まで
昇温し、粉末原料を融解し、そのまま6時間液体状態で
保ち急冷した。
【0043】直径200mmの育成カーボンるつぼの最
下部にフッ化リチウムカルシウムアルミニウム単結晶で
ある。c軸方位の種結晶を入れ、得られたフッ化リチウ
ムカルシウムアルミニウム溶融原料を投入した。この育
成用カーボンるつぼは、上下2段式になっており、上部
のるつぼ部品の底中心部には直径3mmの穴が1個あい
ている。この育成用カーボンるつぼの寸法として、10
kgのフッ化リチウムカルシウムアルミニウムが溶融し
た時に、上部るつぼに融液が20%侵入するようにし
た。
【0044】種結晶と溶融原料を投入した育成用カーボ
ンるつぼをブリッジ育成炉に置き、ロータリーポンプお
よびディフュージョンポンプを用い、10-6torr程
度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真空状
態で加熱した。この温度で2時間保持したのちArガス
を育成炉内に導入し約900℃まで昇温し、種結晶を5
0%溶解させ、溶融原料のすべてを融解させてそのまま
6時間液体状態で保った。その後、育成用るつぼを速度
0.5〜1.5mm/hで降下させ種結晶部分から固化
させた。結果、るつぼ上部には白濁物が残りクラック等
が多数見られたが、るつぼ下部にはクラックのない透明
なフッ化リチウムカルシウムアルミニウム単結晶が得ら
れた。しかし、この透明結晶の育成前半部分ではフッ化
リチウムとフッ化アルミニウムの蒸発考慮分に起因する
と考えられる組成ムラが発生し、結晶品質は劣った。
【0045】[比較例2]純度4NのLiF、Ca
2、AlF3市販粉末原料をモル比でLiF:Ca
2:AlF3=1.10:1.10:1.10となるよ
うに秤量し、それらをテフロン(登録商標)容器に投入
した。原料の全重量は10kgであった。そのテフロン
(登録商標)容器をローラーにて1時間撹拌混合した。
得られたフッ化リチウムカルシウムアルミニウム混合原
料を直径200mmのカーボンるつぼに入れ、溶融原料
作製炉に置き、10-6torr程度まで真空に引き、そ
のまま約700℃程度まで真空状態で加熱した。この温
度で2時間保持したのちArガスを溶融原料作製炉に導
入した。その後、900℃まで昇温し、粉末原料を融解
し、そのまま6時間液体状態で保ち急冷した。
【0046】直径200mmの育成カーボンるつぼの最
下部にフッ化リチウムカルシウムアルミニウム単結晶で
あるc軸方位の種結晶を入れ、得られたフッ化リチウム
カルシウムアルミニウム溶融原料を投入した。
【0047】種結晶と溶融原料を投入した育成用カーボ
ンるつぼをブリッジマン育成炉に置き、ロータリーポン
プおよびディフュージョンポンプを用い、10-6tor
r程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真
空状態で加熱した。この温度で2時間保持したのちAr
ガスを育成炉内に導入し約900℃まで昇温し、種結晶
を50%溶解させ、溶融原料のすべてを融解させてその
まま6時間液体状態で保った。その後、育成用るつぼを
速度0.5〜1.5mm/hで降下させ種結晶部分から
固化させた。結果、育成結晶上部が白濁し、その白濁部
から下部の透明結晶部への多数のクラックが発生した。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
通常のブリッジマン育成方法では作製困難であった多元
系フッ化物単結晶の作製が可能となった。更に、半導体
製造装置用のフォトリソグラフィーに使用するレンズ、
プリズム、ハーフミラー、窓材等の光学部材としたフッ
化リチウムカルシウムアルミニウム単結晶、フッ化カリ
ウムマグネシウム、フッ化バリウムリチウム等の大口径
多元系フッ化物単結晶を提供できることが示された、等
多くの重大な効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるブリッジマン育成用二段る
つぼの模式的断面図である。
【図2】本発明に用いられるブリッジマン育成装置の模
式的断面図である。
【符号の説明】
1 上部るつぼ部品 2 白濁物質 3 小径の穴 4 透明結晶部 5 下部るつぼ部品 6 種結晶 7 チャンバー 8 カーボン断熱材 9 カーボンヒータ 11 育成軸 12 ロータリーポンプおよびディフュージョンポンプ 13 排気弁 14 アルゴンガス導入弁
フロントページの続き (72)発明者 福田 承生 宮城県仙台市泉区虹ノ丘2−6−7 Fターム(参考) 4G077 AA02 BE02 CD02 EC05 EG01 HA01 MB04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部るつぼ部品とこの上に重ねた上部る
    つぼ部品とを有しかつ前記上部るつぼ部品の底に少なく
    とも1個の小径の穴を明けてなるるつぼを用意し、前記
    るつぼ内に投入する原料の量を、原料を溶融させた時の
    融液が前記上部るつぼ部品に10〜50%入る程度に規
    制しつつ、ブリッジマン育成を行なうことで、発生する
    白濁物質を前記上部るつぼ部品に集め、これにより熱膨
    張率差に起因する状態を低減した多元系フッ化物単結晶
    を得ることを特徴とする多元系フッ化物単結晶作製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記小径の穴は、直径が2〜5mmであ
    る請求項1に記載の多元系フッ化物単結晶作製方法。
  3. 【請求項3】 前記下部るつぼ部品と前記上部るつぼ部
    品とを互いにねじ込み式で結合させた接合部を有してい
    る請求項1又は2に記載の多元系フッ化物単結晶作製方
    法。
  4. 【請求項4】 前記接合部はすり合わせ式になっている
    請求項1から3のいずれか一つに記載の多元系フッ化物
    単結晶作製方法。
  5. 【請求項5】 前記白濁物質は、単結晶作製中の原料の
    蒸発に伴う結晶作製中の融液組成ズレに伴って発生する
    ものである請求項1から4のいずれか一つに記載の多元
    系フッ化物単結晶作製方法。
  6. 【請求項6】 前記白濁物質は、融液の非調和溶融性に
    伴って単結晶作製後期に発生するものである請求項1か
    ら4のいずれか一つに記載の多元系フッ化物単結晶作製
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の多元系フッ化物単結晶
    作製方法で製造した大口径フッ化リチウムカルシウムア
    ルミニウム単結晶。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の多元系フッ化物単結晶
    作製方法で製造した大口径フッ化カリウムマグネシウム
    単結晶。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の多元系フッ化物単結晶
    作製方法で製造した大口径フッ化バリウムリチウム単結
    晶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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