JP2003119053A - 絶縁性薄膜及びそれを有するガラス物品 - Google Patents

絶縁性薄膜及びそれを有するガラス物品

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JP2003119053A
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film
insulating thin
glass
tin
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JP2001312647A
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Toru Yamamoto
透 山本
Takuji Aida
拓司 合田
Koichiro Kiyohara
康一郎 清原
Masahiro Hirata
昌宏 平田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁性に優れた絶縁性薄膜、並びに絶縁性に
優れると共に金属イオン拡散防止性能に優れたガラス物
品、及び絶縁性に優れると共に電波透過性に優れたガラ
ス物品を提供する。 【解決手段】 アルカリ含有ガラス基板の表面に、アル
カリ防止性能を有する酸化珪素膜、金属イオン拡散防止
性能を有する酸化錫膜、及び錫とリンと酸素を主成分と
する複合酸化物からなり、表面抵抗値が1.0×108
〜1.0×1016Ω/□の絶縁性薄膜を積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ等の
電子材料や、電波透過性を必要とする建築用ガラスまた
は自動車用ガラス等に適用される絶縁性薄膜及びそれを
有するガラス物品に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイ(PDP)やフィ
ールドエミッションディスプレイ(FED)、液晶ディ
スプレイ(LCD)、エレクトロルミネセンスディスプ
レイ(ELD)等の平面型ディスプレイでは、通常、2
枚のガラス基板上に電極等の部材を形成した後、貼り合
わせて使用されるが、特に、前面側ガラス基板にはIT
O、SnO2 等の透明電極が使用されている。また、特
に大型のディスプレイでは電極の配線抵抗を下げるため
にAg、Cr/Cu/Cr等の金属が補助電極として使
用されている。
【0003】従来、PDP用のガラス基板としては、
1.5〜3.5mm厚さの板状に成形されたソーダライ
ムシリケートガラス、もしくは高歪点のアルカリ含有ガ
ラスが用いられている。通常、このようなガラスは、大
量生産に向き、平滑性に優れたフロート法によって成形
される。フロートガラスは、成形過程で水素雰囲気に晒
されるため、ガラス表面に数ミクロンの還元層が生成
し、この層には溶融Sn由来のSn2+が存在することが
一般に知られている。
【0004】一方、PDPの製造工程においては、一般
に、ガラス基板表面に透明電極を介してAgがバス電極
として塗布された後、550〜600℃で20〜60分
保持するという熱処理が数回繰り返される。
【0005】この熱処理工程において、Ag+ イオンが
透明電極内に拡散してガラス表面に至り、ガラス中のN
+ イオンとの間でイオン交換が生じる。その結果、ガ
ラス中にAg+ イオンが侵入し、侵入したAg+ イオン
は還元層に存在するSn2+によって還元され、Agのコ
ロイドを生成する。そして、Agコロイドによってガラ
ス基板の黄変が生じ、この黄変がディスプレイの表示品
位を著しく低下させるという問題があった。
【0006】このような金属コロイドによるガラス基板
の黄変の問題は、Agに限らず、拡散し易いCu,Au
等の金属電極膜を形成した場合にも起こり得る。また、
PDPに限らず、曇り防止のためにストライプ状にAg
電極を形成した自動車用リアガラスにおいても、Agコ
ロイドによりガラス基板が黄変するという問題が知られ
ている。
【0007】従来、アルカリ含有ガラスをディスプレイ
基板として用いる場合、ガラス基板の黄変を防止する方
法として、PDP等ではガラス中のアルカリと、電極と
して使用されるAg等との交換反応を防止し、金属コロ
イドによるガラス基板の黄変を防止するための各種金属
膜、窒化物膜、或いは、SiO2、ZrO2、Al23
TiO2 、ZnOのような酸化物膜よりなる金属イオン
拡散防止膜を形成することが提案されている(特開平9
−245652号、同10−114549号公報、同1
0−302648号公報、同11−109888号公
報、同11−130471号公報)。これらの金属イオ
ン拡散防止膜には、電極間でのリーク防止のために、絶
縁性が必要となっている。
【0008】一方、ガラス基板に可視光低反射、熱線反
射、断熱、遮熱等の機能を付与させるために、ガラス基
板表面に機能性薄膜を形成させることが行われている。
前記機能性薄膜は単層で用いられることもあるが、屈折
率の異なる薄膜を積層して干渉により透過光や反射光を
調整した、いわゆる光学薄膜の作製が行われており、そ
の膜材料として透明導電膜を使用する場合もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記PDP用ガラス基
板の場合は、従来提案されている金属イオン拡散防止膜
は、いずれも金属イオンの拡散防止性能が不十分であ
り、特に窒化物膜ではPDP製造工程での熱処理で酸化
されて金属イオン拡散防止性能が低下するという欠点が
あった。
【0010】前記光学薄膜の場合は、近年の携帯電話等
の普及によりさらに電波透過性も求められており、光学
特性だけでなく膜の絶縁性も求められている。特に、自
動車用ガラスにおいては、ガラスアンテナの普及により
ガラス基板の絶縁性が必須となっている。従って、透明
導電膜等の導電性に優れた薄膜を使用することができ
ず、膜材料が制約されていた。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、高い絶縁性を有する絶縁性薄膜を提供する
ことを第一の目的とするものであり、高い絶縁性を有し
金属イオンの拡散防止性能に優れたガラス物品及び高い
絶縁性を有し電波透過性能に優れたガラス物品を提供す
ることを第二の目的とするものであり、これらのガラス
物品を用いたディスプレイ用ガラス基板及び電波透過性
ガラス基板を提供することを第三及び第四の目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため、請求項1に記載の絶縁性薄膜は、錫とリンと酸
素を主成分とする複合酸化物からなり、表面抵抗値が
1.0×108〜1.0×1016Ω/□であることを特
徴とする。
【0013】請求項2に記載の絶縁性薄膜は、請求項1
に記載の絶縁性薄膜において、前記複合酸化物中のリン
/錫の比率が、深さ方向で一定でないことを特徴とす
る。
【0014】請求項3に記載の絶縁性薄膜は、請求項1
に記載の絶縁性薄膜において、前記複合酸化物中のリン
/錫の比率が深さ方向で一定であることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の絶縁性薄膜は、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の絶縁性薄膜において、
前記複合酸化物中に、さらに珪素、チタン、ジルコニ
ア、インジウム、亜鉛、アルミニウム及びアンチモンの
うち、少なくとも一種類の元素を含むことを特徴とす
る。
【0016】上記第二の目的を達成するため、請求項5
のガラス物品は、請求項1ないし4のいずれか1項に記
載の絶縁性薄膜をアルカリ含有ガラス基板の表面に有す
ることを特徴とする。
【0017】請求項6に記載のガラス物品は、請求項5
に記載のガラス物品において、前記アルカリ含有ガラス
基板と前記絶縁性薄膜の間に、少なくとも酸化錫膜が形
成されていることを特徴とする。
【0018】請求項7に記載のガラス物品は、請求項5
に記載のガラス物品において、前記アルカリ含有ガラス
基板と前記絶縁性薄膜の間に、少なくとも酸化珪素膜が
形成されていることを特徴とする。
【0019】請求項8に記載のガラス物品は、請求項5
ないし7のいずれか1項に記載のガラス物品において、
前記酸化錫薄膜が、前記アルカリ含有ガラス基板と前記
酸化珪素膜の間及び/または前記酸化珪素膜と前記絶縁
性薄膜の間に形成されていることを特徴とする。
【0020】上記第三の目的を達成するため、請求項9
のディスプレイ用ガラス基板は、請求項5ないし8のい
ずれか1項に記載のガラス物品の絶縁性薄膜表面に、銀
を含有する電極膜を形成したことを特徴とする。
【0021】さらに、上記第四の目的を達成するため、
請求項10の電波透過性ガラス基板は、請求項5ないし
8のいずれか1項に記載のガラス物品を用いたことを特
徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明者等は、上記目的を達成す
べく鋭意研究を行った結果、絶縁性薄膜を形成するに際
し、錫とリンと酸素を主成分とする複合酸化物からな
り、表面抵抗値が1.0×108〜1.0×1016Ω/
□となるように構成することにより、絶縁性が著しく良
好な絶縁性薄膜を得ることができることを見い出した。
【0023】また、本発明者等は、ガラス物品を形成す
るに際し、アルカリ含有ガラス基板の表面に前記絶縁性
薄膜を有するように構成することで、絶縁性が著しく良
好で金属イオンの拡散防止性能に優れたガラス物品、並
びに高い絶縁性を有し、電波透過性能に優れたガラス物
品が得られることを見い出した。該ガラス物品は、アル
カリ含有ガラス基板の表面に前記絶縁性薄膜を有してい
るので高い絶縁性を有し、また金属イオンの拡散防止性
能に優れた酸化錫膜と前記絶縁性薄膜とを積層させるこ
とにより、絶縁性が良好で金属イオン拡散防止性能に優
れ、絶縁性薄膜表面に銀を含有する電極を形成した場合
には、金属コロイドによりガラス基板が黄変する問題が
生じないものである。
【0024】また、前記絶縁性薄膜と酸化珪素等の屈折
率の異なる膜とを組み合わせた積層膜とすることもで
き、絶縁性に優れた光学薄膜とすることができる。この
場合、酸化チタン等の高い絶縁性を有する金属酸化物を
組み合わせることもできる。さらに、前記絶縁性薄膜を
構成する複合酸化物中に、珪素、チタン、ジルコニア、
インジウム、亜鉛、アルミニウム、アンチモンのうち、
少なくとも一種類の元素を含んでもよい。各元素を適宜
量含ませることにより、絶縁性薄膜の屈折率を変化させ
ることができ、これにより種々の特性を有し、電波透過
性の良好な光学薄膜を作製することができる。
【0025】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。
【0026】図1は、本発明の実施形態に係るディスプ
レイ用途としてのガラス物品の模式構造を示す断面図で
ある。
【0027】同図において、ガラス物品1は、ガラス基
板2と、ガラス基板2上に形成された酸化錫膜3と、酸
化錫膜3上に形成された絶縁性薄膜4と、絶縁性薄膜4
上に形成された金属電極膜5とを有する。
【0028】前記ガラス基板2は、アルカリ含有ガラス
よりなる。このアルカリ含有ガラスの好適な主要組成と
しては、以下の組成割合が例示される。 SiO2 50〜73質量% Al23 0〜15質量% R2O 6〜24質量% R'O 6〜27質量% ここで、R2OはLi2O、Na2O及びK2Oの合計であ
り、R'OはCaO、MgO、SrO及びBaOの合計
である。
【0029】本発明において、酸化錫膜3は金属イオン
の拡散防止性能に優れ、導電性の機能を有する膜であ
る。酸化錫膜3の膜厚は50〜400nm、好ましくは
100〜300nmの範囲である。膜厚が50nmより
も小さいと十分な金属イオン拡散防止性能を得ることが
難しく、膜厚が400nmを越えると生産性の点で好ま
しくない。
【0030】絶縁性薄膜4は、錫とリンと酸素を主成分
とする複合酸化物からなる。また、絶縁性薄膜4は、そ
の比抵抗が1×103Ωcm以上になるように、リン/
錫の比率を調整する。リン/錫の比率は、0.1〜1.
0の範囲が好ましい。リン/錫の比率が0.1より小さ
いと絶縁性薄膜の比抵抗が小さくなり、リン/錫の比率
が1.0を越えると酸化錫膜3の抵抗値の影響により絶
縁性が損なわれてしまう。
【0031】前記表面抵抗値は、リン/錫の比率を調整
することにより容易に変更が可能であり、また、絶縁性
薄膜4の膜厚を調整することによっても変更が可能であ
る。表面抵抗値を1.0×108〜1.0×1016Ω/
□の範囲にすることにより、高絶縁性を有するガラス物
品を得ることができる。
【0032】前記絶縁性薄膜4の膜厚は100〜400
nm、好ましくは150〜300nmの範囲である。膜
厚が100nmより小さいと酸化錫膜3の抵抗値の影響
により所望の抵抗値が得られず、膜厚が400nmを越
えると生産性の点で好ましくない。
【0033】前記絶縁性薄膜4を構成する複合酸化物中
のリン/錫の比率(原子数の比率)や、リン/錫の比率
の深さ方向の分布は、使用する原料や作製条件によって
異なり、適宜選定される。
【0034】また、前記絶縁性薄膜4自体は金属イオン
拡散防止性能が十分でないが、酸化錫膜3を介在させて
ガラス基板2上に形成させることにより、金属イオン拡
散防止性能に優れた絶縁性ガラス物品を得ることが可能
である。
【0035】図2は、本発明の別実施形態に係るガラス
物品の模式構造を示す断面図である。
【0036】同図において、ガラス物品1は、ガラス基
板2と金属イオン拡散防止性能を有する酸化錫膜3との
間にアルカリ溶出防止性能を有する酸化珪素膜6が形成
され、前記酸化錫膜3上に絶縁性薄膜4と金属電極膜5
とが順次形成されている。
【0037】本構成にあって、酸化珪素膜6はガラス基
板2から溶出するアルカリを遮蔽する機能を有してお
り、酸化錫膜3の膜性能をより安定化させることができ
るものである。
【0038】図3は、本発明のさらに別実施形態に係る
ガラス物品の模式構造を示す断面図である。
【0039】同図において、ガラス物品1は、アルカリ
溶出防止性能を有する酸化珪素膜6の上下に金属イオン
拡散防止性能を有する酸化錫膜3が夫々形成され、前記
酸化錫膜3上に絶縁性薄膜4と金属電極膜5とが順次形
成されている。
【0040】本構成にあっては、膜の干渉色の発生を抑
制することができる。他の機能については、図2の構成
と同様である。
【0041】図4は、本発明に係る光学薄膜を有する電
波透過性ガラス用途のガラス物品の模式構造を示す断面
図である。
【0042】同図において、ガラス物品1は、ガラス基
板2上に酸化珪素膜6が形成され、前記酸化珪素膜6上
に高屈折率を有する絶縁性薄膜4が形成され、前記絶縁
性薄膜4上に酸化珪素膜7が形成されている。
【0043】高屈折率を有する前記絶縁性薄膜4は、錫
とリンと酸素を主成分とする複合酸化物からなる。ま
た、前記絶縁性薄膜4の屈折率は、酸化珪素膜6の屈折
率よりも大きくなければならないが、リン/錫比率を変
化させること及び他の元素を含有させることにより、
1.6〜2.5の範囲で調整が可能である。
【0044】さらに、この複合酸化物は比抵抗が1×1
3Ωcm以上となるように、リン/錫の比率を調整す
る。リン/錫の比率は、0.1〜1.0の範囲が好まし
い。リン/錫の比率が0.1より小さいと比抵抗が小さ
くなり、1.0を越えると屈折率が小さくなってしま
う。また、表面抵抗値を1.0×108〜1.0×101
6Ω/□にすることが好ましい。
【0045】酸化珪素膜6、高屈折率を有する絶縁性薄
膜4及び酸化珪素膜7の膜厚の調整を行うことにより、
ガラス物品1は低反射性能が得られる。例えば、絶縁性
薄膜4におけるリン/錫の比率を0.5とし、酸化珪素
膜6、絶縁性薄膜4及び酸化珪素膜7の膜厚を夫々60
nm、100nm及び80nmとすることにより、ガラ
ス物品1は可視光反射率4.3%、表面抵抗値1.0×
109Ω/□の物性値を有する。このような前記ガラス
物品は、自動車用ガラス基板や電波透過性の高い高機能
ガラス用基板またはタッチパネル用基板等として適用す
ることが可能である。
【0046】前記タッチパネル用基板は、基板表面の抵
抗値の均一性と基板全体の透過性が重要であり、そのた
め薄膜の積層により透過率を向上させ、最表面に酸化錫
膜等の透明導電膜を形成させている(特開平8−138
446号、特開平8−151235号公報)。
【0047】しかし、下層の積層膜が導電性を有する
と、最表層の導電膜の抵抗値に影響を及ぼすため、積層
膜の抵抗値の均一性が損なわれる。従って、最表層の抵
抗値に影響を及ぼさないためには、下層の積層膜を絶縁
性にすることが必要である。本発明の絶縁性薄膜を使用
することにより、容易に作成できるようになる。
【0048】また、積層構成を種々変更することによ
り、絶縁性の高い様々な光学特性を有するガラス物品を
得ることができる。
【0049】このような本発明の絶縁性薄膜は、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の
いわゆる物理蒸着法や、化学気相法等のいわゆる化学蒸
着法、印刷法やゾルゲル法等を用いることにより容易に
成膜することができる。
【0050】また、積層構造を有する絶縁性薄膜を形成
する場合には、上記の異なる成膜法を組み合わせること
もできる。
【0051】上記各製造方法の中でも、連続的に成膜で
きる熱分解法、特にガラス板をフロート法で製造する場
合のガラスリボンの成形工程において、ガラスリボンの
熱を利用して熱分解反応を進行させる化学気相成長法
(以下、「オンラインCVD法」という)が最適であ
る。
【0052】以下、オンラインCVD法について、図を
用いて具体的に説明する。図5に示すように、この装置
では、熔融炉(フロート窯)11からスズフロート槽
(フロートバス)12内に流れ出し、スズ浴15上を帯
状に移動するガラスリボン10の表面から所定距離を隔
て、所定個数のコータ16(図示した形態では3つのコ
ータ16a、16b、16c)が配置されている。これ
らのコータ16からは、ガス状の原料が供給され、ガラ
スリボン10上に連続的に膜が形成されていく。膜が形
成されたガラスリボン10は、ローラ17により引き上
げられて、徐冷窯13へと送り込まれる。なお、徐冷窯
13で徐冷されたガラス板は、図示を省略するフロート
法汎用の切断装置により切断され、所定の大きさのガラ
ス板となる。なお、スズフロート槽空間内が槽外よりも
やや高圧に維持されるように、スズフロート槽空間内に
は98体積%の窒素と2体積%の水素とを供給して、槽
内を非酸化性雰囲気に保持する。
【0053】オンラインCVD法により錫とリンと酸素
を主成分とする複合酸化物膜を形成するための原料とし
ては、錫化合物とリン化合物と酸化剤からなる蒸気を不
活性ガスで所定濃度に希釈したガスが用いられる。
【0054】錫化合物としては、モノブチル錫トリクロ
ライド、ジメチル錫ジクロライド、テトラエチル錫、四
塩化錫等が好適である。リン化合物としては、亜リン酸
トリエチル、亜リン酸トリメチル、五フッ化リン、三塩
化リン、三臭化リン、五塩化リン等が好適である。酸化
剤としては、酸素、水蒸気、オゾン、一酸化炭素等が好
適である。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アル
ゴン等を用いることができる。
【0055】オンラインCVD法により積層構造を有す
る絶縁性薄膜を形成する場合には、各コータに異なる原
料ガスを供給することにより連続した成膜ができる。例
えば、第1の層として酸化珪素膜を、第2の層として酸
化錫膜を、第3の層として錫、リン、酸素主成分とする
複合酸化物膜をこの順に形成するためには、1番目のコ
ータ(16a)で酸化珪素膜を形成し、2番目のコータ
(16b)で酸化錫膜を形成し、3番目のコーター(1
6c)で錫とリンと酸素を主成分とする複合酸化物膜を
形成すればよい。
【0056】また4層や5層の積層構造の膜を形成させ
るには、コーターの個数を増やして形成させればよい。
【0057】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。
【0058】(実施例1)厚さ3mmのフロートガラス
製造工程において、フロートバス内に設置した第一のコ
ータから、モノシラン、エチレン、酸素及び窒素からな
る混合ガスをガラスリボン表面に供給して30nmの酸
化珪素膜を形成し、次いで、前記酸化珪素膜上に第二の
コーターから、モノブチル錫トリクロライド及び亜リン
酸トリエチルの蒸気、酸素と窒素からなる混合ガスを供
給して錫とリンと酸素を主成分とする120nm厚さの
膜を形成した。
【0059】膜が形成されたガラスリボンは、徐冷、洗
浄工程を経て切断された。上層の膜の組成をXPSによ
り調べたところ、錫とリンと酸素を主成分とする複合酸
化物であり、膜中のリン/錫の比率は膜表面で約0.4
5であり、深さ方向でほぼ一定であった。
【0060】この膜の表面抵抗値をハイレスタ(三菱化
学製)で測定したところ、表面抵抗値は1.2×1012
Ω/□であった。
【0061】(実施例2)予め100×100mmの大
きさに切断した厚さ3mmのソーダライムガラス板をメ
ッシュベルトに載せて加熱炉を通過させ、約600℃に
加熱した。この加熱したガラス板をさらに搬送しなが
ら、ガラス搬送路の上方に設置したコータから、ジメチ
ル錫ジクロライド、水蒸気、酸素及び窒素からなる混合
ガスを供給し、ガラス板上に膜厚160nmの酸化錫膜
を形成し、その上にジメチル錫ジクロライド、亜リン酸
トリエチル、水蒸気、酸素及び窒素からなる混合ガスを
供給し、ガラス板上に膜厚200nmの錫とリンと酸素
を主成分とする膜を形成し、このガラス板を徐冷した後
に洗浄、乾燥を行った。
【0062】上層の膜の組成をXPSにより調べたとこ
ろ、錫とリンと酸素を主成分とする複合酸化物であり、
膜中のリン/錫の比率は膜表面で約1.0、酸化錫膜近
傍で約0.56であった。この膜の表面抵抗値を、実施
例1と同様にして測定したところ、1.5×1011Ω/
□であった。この膜の表面にAgペーストを印刷し、5
50℃で1時間焼成して厚さ8μmのAg電極を形成し
た後に、ガラス基板の黄変の程度をハロゲンランプ(5
00W)のもと目視で観察したところ、ほとんど黄変は
見られなかった。この結果、本実施例のガラス物品は、
PDP用ガラス基板として高い絶縁性を有すると共に、
金属イオンの拡散防止性能に優れていることが確認され
た。
【0063】(実施例3)厚さ3mmのフロートガラス
製造工程において、フロートバス内に設置した第一のコ
ータから、モノシラン、エチレン、酸素及び窒素からな
る混合ガスをガラスリボン表面に供給して30nmの酸
化珪素膜を形成し、次いで、前記酸化珪素膜上に第二の
コータから、モノブチル錫トリクロライドの蒸気及び酸
素、窒素からなる混合ガスを供給して150nmの酸化
錫膜を形成し、さらに、前記酸化錫膜上に第三のコータ
から、モノブチル錫トリクロライド及び亜リン酸トリエ
チルの蒸気、酸素と窒素からなる混合ガスを供給して錫
とリンと酸素を主成分とする120nm厚さの膜を形成
した。
【0064】膜が形成されたガラスリボンは、徐冷、洗
浄工程を経て切断された。最上層の膜の組成をXPSに
より調べたところ、錫とリンと酸素を主成分とする複合
酸化物であり、膜中のリン/錫の比率は膜表面で約0.
45であり、深さ方向でほぼ一定であった。実施例2と
同様にして、表面抵抗値とAg電極を形成した後のガラ
ス基板の黄変の程度を観察したところ、表面抵抗値は
2.5×1010Ω/□で、黄変はほとんど見られなかっ
た。この結果、本実施例のガラス物品は、PDP用ガラ
ス基板として高い絶縁性を有すると共に、金属イオンの
拡散防止性能に優れていることが確認された。
【0065】(実施例4)厚さ3mmのフロートガラス
製造工程において、フロートバス内に設置した第一のコ
ータから、モノシラン、エチレン、酸素及び窒素からな
る混合ガスをガラスリボン表面に供給して60nmの酸
化珪素膜を形成し、次いで、前記酸化珪素膜上に第二の
コータから、モノブチル錫トリクロライド及び亜リン酸
トリエチルの蒸気、酸素、窒素からなる混合ガスを供給
して100nmの錫とリンと酸素を主成分とする膜を形
成し、さらに、前記膜上に第三のコータから、モノシラ
ン、エチレン、酸素及び窒素からなる混合ガスを供給し
て80nm厚さの酸化珪素膜を形成した。
【0066】膜が形成されたガラスリボンは、徐冷、洗
浄工程を経て切断された。中間層の膜の組成をXPSに
より調べたところ、錫とリンと酸素を主成分とする複合
酸化物であり、膜中のリン/錫の比率は膜表面で約0.
34であり、深さ方向でほぼ一定であった。ハイレスタ
にて表面の抵抗値を測定したところ、1.3×1012Ω
/□であった。分光光度計(島津製作所製、UV−30
00)で可視光反射率を測定したところ、4.4%であ
った。この結果、本実施例のガラス物品は、電波透過性
ガラス基板として高い絶縁性を有すると共に、低い反射
率及び電波透過性能に優れていることが確認された。
【0067】(実施例5)第二のコータから、モノブチ
ル錫トリクロライド及び亜リン酸トリエチル、チタンイ
ソプロキシドの蒸気、酸素、窒素からなる混合ガスを供
給して80nmの錫とリンとチタンと酸素を主成分とす
る膜を形成したこと以外は実施例4と同様にしたとこ
ろ、表面の抵抗値は5.6×1011Ω/□であり、可視
光反射率は4.2%であった。この結果、本実施例のガ
ラス物品は、電波透過性ガラス基板として高い絶縁性を
有すると共に、低い反射率及び透過透過性能に優れてい
ることが確認された。
【0068】(実施例6)第二のコータから、モノブチ
ル錫トリクロライド及び亜リン酸トリエチル、テトラエ
トキシシランの蒸気、酸素、窒素からなる混合ガスを供
給して130nmの錫とリンと珪素と酸素を主成分とす
る膜を形成したこと以外は実施例4と同様にしたとこ
ろ、表面の抵抗値は8.2×1012Ω/□であり、可視
光反射率は5.1%であった。この結果、本実施例のガ
ラス物品は、電波透過性ガラス基板として高い絶縁性を
有すると共に、低い反射率及び透過透過性能に優れてい
ることが確認された。
【0069】(比較例1)最上層の錫、リン、酸素を主
成分とする膜を形成しないこと以外は、実施例1と同様
に行ったところ、ほとんど着色は見られなかったが、表
面抵抗値は520Ω/□であった。
【0070】(比較例2)第二のコータからモノブチル
錫トリクロライドの蒸気、酸素、窒素からなる混合ガス
を供給し、100nmの酸化錫膜を形成した以外は実施
例3と同様に行ったところ、可視光反射率は4.2%で
あったが、表面抵抗値は320Ω/□であった。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の絶縁性薄
膜によれば、錫とリンと酸素を主成分とする複合酸化物
からなり、表面抵抗値が1.0×108〜1.0×10
16Ω/□であるので、高い絶縁性を有する絶縁性薄膜を
得ることができる。
【0072】本発明のガラス物品によれば、アルカリ含
有ガラス基板の表面に前記絶縁性薄膜を有するので高い
絶縁性を有し、また金属イオンの拡散防止性能に優れた
酸化錫膜と絶縁性薄膜とを積層させることにより、絶縁
性が良好で金属イオン拡散防止性能に優れ、絶縁性薄膜
表面に銀を含有する電極膜を形成した場合は、金属コロ
イドによりガラスの黄変が生ずる問題がないガラス物品
を得ることができる。また、電波透過性に優れた光学薄
膜を有するガラス物品を得ることもできる。
【0073】従って、本発明のガラス物品は、ディスプ
レイ用基板や建築用ガラス基板、自動車用高機能ガラス
等として、工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス物品の実施形態を示す模式断面
図である。
【図2】本発明のガラス物品の別実施形態を示す模式断
面図である。
【図3】本発明のガラス物品の別実施形態を示す模式断
面図である。
【図4】本発明のガラス物品の別実施形態を示す模式断
面図である。
【図5】本発明のガラス物品を製造できる装置の概略を
示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス物品 2 ガラス基板 3 酸化錫膜 4 絶縁性薄膜 5 金属電極膜 6 酸化珪素膜 7 酸化珪素膜 10 ガラスリボン 11 熔融炉 12 スズフロート槽 13 徐冷炉 15 スズ浴 16 コータ 17 ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清原 康一郎 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 平田 昌宏 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA08 AB13 AB14 AC20 DA01 DB09 EA02 EA05 EA07 EB01 GA02 GA04 GA05 GA12 GA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された絶縁性薄膜であっ
    て、錫とリンと酸素を主成分とする複合酸化物からな
    り、表面抵抗値が1.0×108 〜1.0×10 16Ω/
    □であることを特徴とする絶縁性薄膜。
  2. 【請求項2】 前記複合酸化物中のリン/錫の比率が深
    さ方向で一定でない請求項1に記載の絶縁性薄膜。
  3. 【請求項3】 前記複合酸化物中のリン/錫の比率が深
    さ方向で一定である請求項1に記載の絶縁性薄膜。
  4. 【請求項4】 前記複合酸化物中に、さらに珪素、チタ
    ン、ジルコニア、インジウム、亜鉛、アルミニウム及び
    アンチモンのうち、少なくとも一種類の元素を含む請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の絶縁性薄膜。
  5. 【請求項5】 アルカリ含有ガラス基板の表面に、請求
    項1ないし4のいずれか1項に記載の絶縁性薄膜を有す
    るガラス物品。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ含有ガラス基板と前記絶縁
    性薄膜の間に、少なくとも酸化錫膜が形成されている請
    求項5に記載のガラス物品。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ含有ガラス基板と前記絶縁
    性薄膜の間に、少なくとも酸化珪素膜が形成されている
    請求項5に記載のガラス物品。
  8. 【請求項8】 前記酸化錫薄膜が、前記アルカリ含有ガ
    ラス基板と前記酸化珪素膜の間及び/または前記酸化珪
    素膜と前記絶縁性薄膜の間に形成されている請求項5な
    いし7のいずれか1項に記載のガラス物品。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし8のいずれか1項に記載
    のガラス物品の絶縁性薄膜表面に、銀を含有する電極膜
    を形成したディスプレイ用ガラス基板。
  10. 【請求項10】 請求項5ないし8のいずれか1項に記
    載のガラス物品を用いた電波透過性ガラス基板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005030664A1 (ja) * 2003-09-25 2005-04-07 Nippon Sheet Glass Company, Limited 機能性ガラス物品およびその製造方法
CN102795788A (zh) * 2012-08-16 2012-11-28 大连交通大学 一种SiO2薄膜的制备方法及其应用

Cited By (3)

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JPWO2005030664A1 (ja) * 2003-09-25 2007-11-15 日本板硝子株式会社 機能性ガラス物品およびその製造方法
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