JP2003114092A - 電子部品用脱バインダー炉 - Google Patents

電子部品用脱バインダー炉

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JP2003114092A
JP2003114092A JP2002154915A JP2002154915A JP2003114092A JP 2003114092 A JP2003114092 A JP 2003114092A JP 2002154915 A JP2002154915 A JP 2002154915A JP 2002154915 A JP2002154915 A JP 2002154915A JP 2003114092 A JP2003114092 A JP 2003114092A
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Japan
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furnace
electronic parts
debinding
heater
debinder
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JP2002154915A
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Michiro Aoki
道郎 青木
Masaya Onishi
雅也 大西
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NGK Insulators Ltd
NGK Kilntech Corp
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
NGK Kilntech Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックチップコンデンサー等の電子部品
に亀裂を生じさせることなく、脱バインダー処理の時間
を従来よりも短縮できるような電子部品用脱バインダー
炉を提供する。 【解決手段】 セラミックチップコンデンサー3を載置
したセッター1を平面状に配列し、連続搬送しながら加
熱することにより、セラミックチップコンデンサー3中
に含まれるバインダー成分を除去する脱バインダー炉で
ある。加熱源として炉内天井部に遠赤外線ヒーター5を
設置したセラミックチップコンデンサー等の電子部品用
脱バインダー炉である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、セラミックチッ
プコンデンサーなどの電子部品中に含まれるバインダー
成分を除去するために使用する脱バインダー炉に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 電子部品の内、セラミックチップコン
デンサー(以下「コンデンサー」と略す。)の製造にお
いては、焼成工程に先立って、コンデンサー中に含まれ
るバインダー成分を除去する脱バインダー工程が必要と
なる。従来、この脱バインダー工程は、電気ヒーターや
ガス燃焼バーナーを加熱源とする熱風発生器により外気
を吸引して所定温度に加熱し、これを処理の対象となる
コンデンサーが収容された脱バインダー炉内に導入する
ことにより行われてきた。
【0003】 炉内に導入された熱風は、セッター上に
並べられたコンデンサーを加熱して、それに含まれるバ
インダー成分を液化又は気化させ、更にその液化又は気
化したバインダー成分をコンデンサーの表面から取り去
る。
【0004】 こうしてコンデンサーから取り去ったバ
インダー成分を含む熱風は、コンデンサーと接触した
後、直ちに炉外に排気される場合もあるが(いわゆるシ
ングルフロータイプ)、エネルギー損失を低減する観点
から、熱風を炉内で循環させるタイプのものが多く使用
されている。
【0005】 なお、熱風を循環させる場合は、熱風の
バインダー含有量が次第に増えて行くので、バインダー
含有量がある一定のレベルを超えないように外気を少量
吸引し、それに見合った量の熱風を排気するようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 一般に、コンデンサ
ーの脱バインダー処理は、処理温度が高いほど処理時間
が短縮でき生産効率が向上するが、コンデンサーには、
高温になるとチップ内の電極が酸化するタイプのものが
あり、そのようなコンデンサーを高温で脱バインダー処
理にする場合には、酸化防止のために炉内雰囲気を低酸
素濃度にする必要が生じる。
【0007】 通常、低酸素濃度の雰囲気は、炉内に窒
素ガスを導入することによって作り出される。したがっ
て、熱風発生装置により外気を吸引して熱風を生成し、
これを炉内に導入する従来の脱バインダー炉では、低酸
素濃度の雰囲気を維持することができない。また、炉内
で熱風を循環させるために必要となるファンにも、高温
中での使用に十分に耐え得るものがないというのが現状
である。
【0008】 このような問題を解決すべく、炉体を外
気の侵入しない構造とし、加熱源として電気ヒーターを
炉内に直接設置したコンデンサー用脱バインダー炉も開
発されたが、低酸素濃度の雰囲気では、加熱によりコン
デンサーから気化したバインダー成分(バインダーガ
ス)中に含まれるC(炭素)分がCO2になることがで
きず、カーボン単体の形で炉内に析出し、これがヒータ
ー表面に付着するとヒーター線の短絡や対地絶縁低下を
起こす。
【0009】 そこで、ヒーター線を炉内雰囲気と遮断
すべく、ステンレス製のマッフルに覆われたヒーターを
加熱源として使用し、高温で低酸素濃度の雰囲気中にお
いても、ヒーター線の短絡等を起こすことなく脱バイン
ダー処理を実施できるようにしたが、この場合には脱バ
インダー処理時間が長くなり、高い生産効率が得にくい
という問題があった。なお、処理時間を短縮すべく、処
理温度を更に高温にした場合には、脱バインダーが急激
に行われるため、コンデンサー内に熱応力が発生して亀
裂が生じやすくなる。
【0010】 本発明は、このような従来の事情に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、セラ
ミックチップコンデンサー等の電子部品に亀裂を生じさ
せることなく、脱バインダー処理の時間を従来よりも短
縮できるようなセラミックチップコンデンサー等の電子
部品用脱バインダー炉を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、電子
部品を載置したセッターを平面状に配列し、連続搬送し
ながら加熱することにより、前記電子部品中に含まれる
バインダー成分を除去する脱バインダー炉であって、加
熱源として炉内天井部に遠赤外線ヒーターを設置したこ
とを特徴とする電子部品用脱バインダー炉、が提供され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】 前述のとおり、本発明の脱バイ
ンダー炉は、加熱源として炉内天井部に遠赤外線ヒータ
ーを設置したことをその主要な特徴とするものである。
ここで、「遠赤外線」とは、波長が3〜1000μmで
ある電磁波を意味する。また、「遠赤外線ヒーター」と
は、最大放射率を示す波長領域が前記領域にあるような
ヒーターを言う。このようなヒーターは、金属ヒーター
をセラミックス内に埋設することにより作製され、当該
セラミックスを金属ヒーターで加熱して、その放射特性
で遠赤外線放射を行う。
【0013】 従来の脱バインダー炉のように、熱風や
通常のヒーターを使用した対流加熱の場合には、コンデ
ンサー等の電子部品の表面が先に乾燥してしまい、内部
のバインダー成分が表層部に移動しにくくなる、いわゆ
る「アンコ」の状態が生じやすくなるため、脱バインダ
ー処理に時間がかかり、また、内部の熱応力による亀裂
が発生しやすくなる。
【0014】 これに対し、本発明のように遠赤外線ヒ
ーターを加熱源とし、電子部品上面から輻射加熱した場
合には、遠赤外線がコンデンサー等電子部品の内部(表
面から深さ数十μm)まで浸透し、浸透した点から伝導
加熱するので、「アンコ」の状態になりにくく、短時間
で効率よく脱バインダー処理ができるとともに、亀裂の
発生も防止できる。
【0015】 図1は、本発明に係る脱バインダー炉の
実施形態の一例を示す概略図である。この脱バインダー
炉において、セッター1は、脱バインダー処理の対象と
なるコンデンサー3が多数載置された状態で平面状に配
列され、炉内を連続的に搬送される。
【0016】 炉の加熱源である遠赤外線ヒーター5
は、炉内天井部に多数近接させて設置される。この遠赤
外線ヒーター5は、前述のように金属ヒーターをセラミ
ックス内に埋設しているので、炉内に析出したカーボン
がヒーター線に直接付着することはなく、低酸素濃度の
雰囲気においても、カーボンの付着に起因する短絡等は
起こらない。
【0017】 遠赤外線ヒーター5の上方には、当該ヒ
ーター5の端子部7を収容するチャンバー9を設けるこ
とが好ましい。このチャンバー9に所定のガス組成に調
製された雰囲気ガスを導入するとともに、当該雰囲気ガ
スを、チャンバー9の下部に設けられたガス供給孔11
より、隣接するヒーター5間の隙間を通じて炉内に均等
に供給することができるようにすると、電圧導入部であ
るヒーター5の端子部7にカーボン等のバインダー成分
が付着するのを防止でき、電気的なトラブルを回避する
ことが可能となる。
【0018】 セッター1を炉内で連続搬送するための
搬送手段としては、ローラー13を使用することが好ま
しい。炉内搬送手段としてのローラー13は、その軸方
向が製品の搬送方向と直交するようにして多数平行に配
置され、ローラー13上のセッター1を炉の出口方向に
向かって順次移動させる。このようにローラーを搬送手
段に用いると、炉内に粉塵が発生しにくく、粉塵による
製品の汚染を効果的に防止することができる。
【0019】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0020】 通常の金属ヒーターを加熱源とする脱バ
インダー炉と、金属ヒーターをセラミックス内に埋設し
てなる遠赤外線ヒーターを加熱源とする脱バインダー炉
とを使用し、同じ条件でコンデンサーの脱バインダー処
理を行った。処理条件は下表に示すとおりである。
【0021】
【表1】
【0022】 この脱バインダー処理の結果、通常の金
属ヒーターを加熱源とするバインダー炉では、コンデン
サーの一部に亀裂が生じ、また、処理後のコンデンサー
の残留炭素量にもバラツキが見られた。これに対し、本
発明に係る遠赤外線ヒーターを加熱源とする脱バインダ
ー炉では、コンデンサーに亀裂が生じることはなく、残
留炭素量にもほとんどバラツキは見られなかった。
【0023】 以上、電子部品としてセラミックチップ
コンデンサーを例にとって説明してきたが、勿論これに
限定されるものではなく、その他、フェライト等に対し
ても適用することができることが明らかである。
【0024】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の脱バイ
ンダー炉を使用すれば、従来の脱バインダー炉を使用し
た場合に比して、脱バインダー効率が向上し、コンデン
サー等の電子部品に亀裂を生じさせることなく、脱バイ
ンダー処理の時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る脱バインダー炉の実施形態の一
例を示す概略図である。
【符号の説明】 1…セッター、3…セラミックチップコンデンサー、5
…遠赤外線ヒーター、7…端子部、9…チャンバー、1
1…ガス供給孔、13…ローラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 雅也 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 エ ヌジーケイ・キルンテック株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA40 DA04 KA39 4K050 AA01 BA07 CD06 4K063 AA06 AA09 AA12 BA04 CA03 CA06 FA05 5E082 AA01 AB03 BB07 BC33 BC38 LL02 MM07 MM12 MM24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を載置したセッターを平面状に
    配列し、連続搬送しながら加熱することにより、前記電
    子部品中に含まれるバインダー成分を除去する脱バイン
    ダー炉であって、 加熱源として炉内天井部に遠赤外線ヒーターを設置した
    ことを特徴とする電子部品用脱バインダー炉。
  2. 【請求項2】 前記遠赤外線ヒーターの上方に当該ヒー
    ターの端子部を収容するチャンバーを設け、当該チャン
    バーに所定のガス組成に調製された雰囲気ガスを導入す
    るとともに、当該雰囲気ガスを、前記チャンバーの下部
    に設けられたガス供給孔より、隣接するヒーター間の隙
    間を通じて炉内に均等に供給することができるようにし
    た請求項1記載の電子部品用脱バインダー炉。
  3. 【請求項3】 前記セッターを連続搬送するための搬送
    手段としてローラーを使用した請求項1又は2に記載の
    電子部品用脱バインダー炉。
  4. 【請求項4】 前記電子部品が、セラミックチップコン
    デンサーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    子部品用脱バインダー炉。
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