JP2004164938A - ガス加熱用セラミックスヒータ - Google Patents

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学 橋倉
Fumio Otsuji
文雄 大辻
Hirohiko Nakada
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Abstract

【課題】ガスによる腐蝕を受けたり、反りが発生したりせず、高速昇温が可能であって、ガスを直接且つ効率的に、しかも均一に加熱することができるガス加熱用セラミックスヒータを提供する。
【解決手段】セラミックスヒータ10は、厚さは1mm以下の平板状のセラミックス基材1と、その両側表面にそれぞれ設けた渦巻き状パターンを有する発熱体2、2と、発熱体2、2を被覆したセラミックス層又はガラス層3、3とを備えている。このセラミックスヒータ10をガスの流路又は加熱室内に配置して、供給されたガスを直接加熱する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の反応装置等におけるガスの流路又は加熱室に配置され、供給されたガスを直接加熱するためのガス加熱用セラミックスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、各種の反応装置等においては、反応性のガスを用いることが多いため、そのガスを加熱する場合には、ヒータで直接加熱するのではなく、加熱室の外側にヒータを配置してガスを間接的に加熱している。
【0003】
例えば、特開平9−213596号公報には、半導体装置の製造工程で、亜酸化窒素ガス等を用いてウェハに熱酸化膜を形成する際に排出される排ガスから、窒素酸化物NOxを選択接触還元反応により除去する装置が開示されている。このNOx含有排ガスの処理装置では、空気等の希釈ガスを混合した排ガスを予熱するヒータとして、セラミックス粒子が充填された筒状のケーシングの外側に設けた筒状ヒータを用いている。
【0004】
しかし、このように加熱室の外側にヒータを配置してガスを間接的に加熱する方法では、ヒータがガスと接触せず、間接的にガスを加熱するに過ぎないため、ガスを効率良く加熱することができず、加熱時間が長くなり、それに伴って消費電力が大きくなるという欠点があった。
【0005】
また、半導体製造プロセスでは、ドライエッチングのエッチングガスやCVD工程でのクリーニングガスに、人体に無害で爆発性がなく、取り扱いの容易な過フッ化物(PFC)ガスを使用している。実際にエッチング又はクリーニングで消費されるガス量は数〜数十vol%であり、残りは未反応のまま反応容器外に排出される。
【0006】
PFCは、塩素を含まないFC(フルオロカーボン)やHFC(ヒドロフルオロカーボン)のフロンと、NFやSFなどからなり、分子間の結合力が高いので、大気中に長時間安定に存在することができる。例えば、CFが50000年、Cが10000年、SFが3200年と寿命が非常に長い。また一方で、これらのガスは温暖化係数が非常に大きく、COと比較してCFが6500倍、Cが9200倍、SFが23900倍に及ぶ。
【0007】
昨今の有害ガス排出規制により、これらのガスは規制の対象となりつつある。そこで、半導体製造工場における排気対策の一環として、これらのガスを分解処理する装置の設置が進められている。また、これらのガスの分解方法としては、薬剤方式と燃焼方式が実用化されている。
【0008】
燃焼方式のガスの分解方法として、例えば特許第3217034号公報において、アルミナ系触媒を用いて燃焼温度700℃で効率良く分解する方法が提案されている。この方法では、触媒槽に入る前の排ガスは、PFCの分解が開始される約650〜750℃にまで、加熱器中の電気ヒータにより間接加熱される。しかし、このような間接的にガスを加熱する方法では、ヒータがガスと接触せず、ガスを効率良く加熱することができなかった。
【0009】
また、特開平9−290135号公報や特開2000−325751号公報には、病院等での滅菌処理や殺菌処理工程から排出されるエチレンオキサイドガスやホルムアルデヒドガス等を含む有害排ガスを酸化触媒で酸化分解する装置が記載されている。この有害排ガスの処理装置では、排ガスの流路に配置したヒータが図示され、ヒータで排ガスを直接加熱するようになっている。
【0010】
しかしながら、上記のごとくヒータでガスを直接加熱する場合には、ヒータとして通常の金属製の抵抗発熱体を用いると、ガスによる腐蝕を受けやすいという問題があった。また、ステンレス等の耐食性のチューブ内に耐熱性絶縁物と共に発熱体を装入したシースヒータ等もあるが、急速加熱が難しいうえ、ガスとの接触面積が小さいため、ガス全体を均一に加熱できないという欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一方、電熱器やアイロン等の家電製品やコピー機等の事務機器の加熱部に使用されるヒータとして、例えば特開平10−189225号公報や特開平11−135234号公報等に記載されるように、AlN等からなる電気絶縁性のセラミックス基板の表面に、通電によって発熱する膜状の発熱体を設けたセラミックスヒータが知られている。
【0012】
しかし、セラミックスヒータに関しては、各種の反応装置等におけるガスの直接加熱に用いられた事例は知られていない。また、従来のセラミックスヒータをガスの加熱の用いたとしても、ガスとの接触面積は大きくできるものの、急速昇温や均熱性が不充分であるため、流れるガスや大量のガスを急速に且つ均一に加熱することは極めて困難である。しかも、従来のセラミックスヒータは、反りが発生しやすく、表面に露出している発熱体がガスによって腐蝕されやすいという問題もあった。
【0013】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、ガスによる腐蝕を受けたり、反りが発生したりせず、高速昇温が可能であって、ガスを直接且つ効率的に、しかも均一に加熱することができるガス加熱用セラミックスヒータを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供するガス加熱用セラミックスヒータは、ガスの流路又は加熱室内に配置され、供給されたガスを直接加熱するためのヒータであって、平板状のセラミックス基材と、セラミックス基材の少なくとも片側表面に設けた発熱体と、発熱体を被覆するセラミックス層又はガラス層とを備え、他方側の表面には少なくともセラミックス層又はガラス層を備えることを特徴とする。
【0015】
上記本発明のガス加熱用セラミックスヒータの好ましい具体例は、前記セラミックス基材の両側表面に、発熱体と、発熱体を被覆するセラミックス層又はガラス層とをそれぞれ備えることを特徴とする。
【0016】
また、上記本発明のガス加熱用セラミックスヒータにおいては、ガスを直接且つ効率的に、しかも均一に加熱するため、前記発熱体はセラミックス基材のガス接触面全体に回路パターンを有することが好ましく、前記発熱体は渦巻き状パターンを有することが更に好ましい。また、前記発熱体の最外周端とセラミックス基材の外周端との距離は、5mm以下であることが好ましい。更に、前記セラミックス基材の厚さが1mm以下であることが、急速加熱の点で好ましい。
【0017】
更に、上記本発明のガス加熱用セラミックスヒータにおいては、前記セラミックス基材が、酸化アルミニウム、二酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、ホウ化ジルコニウム、又はそれらの複合物からなることが好ましい。また、前記発熱体は、W、Mo、Ag−Pd、Ag、又はニクロムからなることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミックスヒータは、平板状のセラミックス基材と、セラミックス基材の少なくとも片側表面に設けた発熱体、及び発熱体を被覆するセラミックス層又はガラス層とを備えている。従って、通電により発熱体で発生したジュール熱が高熱伝導率のセラミックスを介して表面に達し、その表面との接触又は至近距離から輻射熱によってガスに伝えられるため、ガスを直接的に効率良く加熱することができる。
【0019】
しかも、発熱体はセラミックス層又はガラス層で被覆されているため、ガスによる腐食を防止することができる。また、セラミックス基材の他方側の表面にも少なくともセラミックス層又はガラス層を有するため、加熱時の反りを抑制することができる。更に、セラミックス基材の厚さを薄くするほど、高速昇温及び急速降温が可能であり、ヒータの昇温にかかるスタンバイ時間を短くすることができる。
【0020】
好ましいセラミックスヒータとして、図1に示す構造のものがある。即ち、このセラミックスヒータ10は、薄い平板状で、熱伝導性、耐熱性且つ耐食性に優れるセラミックス基材1と、このセラミックス基材1の両側の表面にそれぞれ所定の回路パターンに形成した発熱体2、2と、これらの発熱体2、2をそれぞれ被覆したセラミックス層又はガラス層3、3とを備えている。
【0021】
このセラミックスヒータにおいては、セラミックス基材1及びセラミックス層又はガラス層3、3の熱伝導率が高いため、発熱体2、2で発生した熱を効率良くガスに伝えることができる。また、セラミックス基材1の厚さは、ヒータの熱容量を小さくするため5mm以下が望ましいが、好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.6mm以下とすることにより、ヒータ温度が20〜30秒で室温から400℃に達する急速昇温、又は20〜40秒で400℃から室温まで降温する急速降温とが可能となる。
【0022】
更に、セラミックス基材1の両側の表面に、発熱体2、2と、セラミックス層又はガラス層3、3とを備えているため、通電加熱時に熱膨張差による反りを抑えることができる。尚、図1の構造に限らず、セラミックス基材1のいずれか片側の表面に発熱体2とセラミックス層又はガラス層3を備えていれば、他方の表面には発熱体2のみか又はセラミックス層又はガラス層3のみであって良く、その場合でも加熱時の反りを抑制することが可能である。
【0023】
発熱体は、ガスを直接且つ効率的に、しかも均一に加熱するため、セラミックス基材のガス接触面全体に回路パターンを有することが好ましい。例えば、図2に示すように、セラミックス基材1のガス接触面全体にわたって、発熱体2の渦巻き状のパターンを1つ又はそれ以上組み合わせたものが好ましい。尚、図2における符号4、4は、発熱体2に通電するための電極である。
【0024】
このような渦巻き状パターンの発熱体2とすることにより、発熱体2の密度を高くすることができ、且つセラミックス基材1の隅々まで発熱体2を均一に配置できるため、より一層効率的な加熱が可能となる。同時に、ヒータ表面の温度分布が均一になるため、急速昇温や急速降温時における局所的な温度上昇による破損をなくすと共に、ガスの均一加熱を促して温度斑を低減することができる。
【0025】
また、発熱体の最外周端は、セラミックス基材の外周端からの距離が5mm以下となるように形成することが好ましい。発熱体の最外周端からセラミックス基材の外周端までの距離が5mmを超えた場合、発熱体を通電加熱したとき、放熱しているセラミックス基板の外周端と発熱体部分との間で局所的に温度差が大きくなり、平板状のセラミックス基板が割れてしまうからである。
【0026】
セラミックスヒータのセラミックス基材としては、酸化アルミニウム、二酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、ホウ化ジルコニウム、又はそれらの複合物からなることが好ましい。尚、上記セラミックスのうち、炭化珪素及びホウ化ジルコニウム又はその複合物に関しては、発熱体を形成せずにそのまま通電加熱することもできる。
【0027】
これらのセラミックスは熱伝導率が高く、しかも熱衝撃に強いため、急速昇温や急速降温によっても亀裂又は破損を生じることがない。例えば、窒化アルミニムの場合、非酸化性雰囲気中にて1700〜1900℃で焼成することにより、平均粒径8〜10μmの焼結体が得られ、熱伝導率が170W/mK程度で、曲げ強度は30kg/mm程度となる。尚、焼成温度が低いほど焼結体粒子の平均粒径が小さくなり、平均粒径が小さい粒子間の接合面積も大きくなるため、相対的に高強度のセラミックス基材が得られる。
【0028】
発熱体としては、W、Mo、Ag−Pd、Ag、又はニクロムが好ましい。また、発熱体を覆うセラミックス層又はガラス層としては、高温加熱時にヒータの反りを抑え、破損や層剥離を防ぐために、セラミックス基材と同種のセラミックスか、若しくはセラミックス基材と熱膨張係数差の少ないガラスが好ましい。このようなガラスとしては、例えばZnO−B−SiO等がある。また、このように耐食性を有するセラミックス層又はガラス層で発熱体を覆うことによって、ガスによる発熱体の腐食を防止することができる。
【0029】
本発明のセラミックスヒータを製造するには、例えば、薄いセラミックス基材の両側表面上に、スクリーン印刷等の手法で所定パターンのヒータ回路を形成した後、焼き付けて発熱体とする。次に、これらの発熱体を覆うように、セラミックス又はガラスのペーストを塗布し、焼成してセラミックス層又はガラス層を形成すれば良い。尚、セラミックス基材上の発熱体をセラミックス層で覆う場合には、セラミックスの各グリーンシート間にヒータ回路を形成した後、焼成することにより発熱体を焼き付けると同時に、セラミックス基材と各セラミックス層を接合することもできる。
【0030】
次に、本発明のセラミックスヒータによるガスの直接加熱について具体的に説明する。例えば、図3に示すように、ガスが流れる加熱室11内に複数のセラミックスヒータ10を互い違いの階段状に配置することにより、ジグザグなガス流路Aを形成する。このような構造をとることにより、ガス流路Aを流れるガスとセラミックスヒータ10とが接触面積が大きくなり、ガスへの熱伝達率を向上させると共に、加熱室11を小型化することができる。
【0031】
また、図3のセラミックスヒータ10の代りに、複数のセラミックスヒータを複数組み合わせたヒータユニットを用いることもできる。例えば、図4に示すように、4枚のセラミックスヒータ10を並列に並べて枠体13に取り付け、支持部材14で固定してヒータユニット12とする。尚、図4における符号15は、各セラミックスヒータ10に通電するためのリード線である。このようなヒータユニット12によれば、ガスとの接触面積がより大きくなるため、加熱室の容積が大きい場合や、ガスの流速が速い場合に有利である。また、これ以外にも、ガスとの接触面積を大きくするため、セラミックスヒータ10の取り付け位置を変えることで、立体的にしても良い。
【0032】
【実施例】
実施例1
AlN粉末100重量部に対して焼結助剤を0.8重量部添加し、更に所定量の有機バインダと有機溶剤を加え、ボールミル混合法により混合した。得られたスラリーをドクターブレード法によりシート成形し、所定の大きさに切断した後、非酸化性雰囲気中にて800〜900℃で脱脂処理した。尚、このときの脱脂処理は、大気等の酸化性雰囲気中にて600℃以下で行っても良い。この場合に温度が600℃を超えると、AlN粉末表面の酸化反応が進行し、得られるAlN焼結体の熱伝導率が低下するので好ましくない。
【0033】
上記のごとく脱脂処理したシートに予め電極部等の穴加工を実施した後、非酸化性雰囲気中にて1700〜1900℃の温度で焼結した。得られたAlN焼結体は、平均粒径が8〜10μmであり、熱伝導率が約170W/mK、曲げ強度が約30kg/mmであった。
【0034】
得られたAlN焼結体から、320mm×110mm×厚さ0.6mmのセラミックス基材を準備した。この両側表面の表面粗さを10点平均高さ粗さRzで2μmに仕上げ、その両側表面上にAg−Pdを主成分とするペーストをスクリーン印刷法によって塗布することにより、図2に示す連続した3つの渦巻き状パターンを形成した後、大気中にて870〜900℃で焼成して発熱体とした。このAg−Pdからなる発熱体の抵抗値は26Ωとした。
【0035】
その後、セラミックス基材の両側表面に設けた発熱体を覆うように、ガラスをスクリーン印刷法により塗布し、大気中にて670℃で焼成することによって、厚み60μmのガラス層を形成した。このようにして、図1の構造、即ちセラミックス基材1の両側表面にそれぞれ発熱体2、2を備え、両発熱体2、2を被覆するガラス層3、3を有するセラミックスヒータを得た。
【0036】
次に、このセラミックスヒータの電極端子にリード線を結線し、電流19〜20A、電圧180〜220Vを通電して、ヒータ自体の昇温試験を行った。尚、このセラミックスヒータ1枚のみ(1連)の昇温試験と共に、図4のヒータユニットを想定してセラミックスヒータ4枚を並列に並べて結線した場合(4連)についても、同様に昇温試験を行った。得られた結果を図5に示す。
【0037】
図5から分るように、1連の場合のセラミックスヒータは、約20〜30秒で400℃に達し、最高温度は約540℃であった。また、4連のセラミックスヒータの場合には、約40〜50秒で400℃に達し、最高温度は約490℃であった。従来からガスの加熱に通常使用されているシースヒータの場合には400℃までの昇温に約5〜10分かかることから、本発明のセラミックスヒータは従来の1/6〜1/30の昇温速度が得られた。更に、400℃から室温まで自然降温させたとき、従来のシースヒータでは約1〜2時間かかったのに対し、本発明のセラミックスヒータは約20〜40分で降温することができた。
【0038】
実施例2
セラミックスヒータの反り量を調査するため、下記の試料1〜4の各セラミックスヒータを作製した。即ち、上記実施例1と同様に作製したセラミックスヒータ、即ちAlN焼結体からなるセラミックス基材の両側表面にAg−Pdの発熱体と、ガラス層とをそれぞれ設けたものを試料1とした。
【0039】
一方、試料2〜4の各セラミックスヒータについては、いずれも片側の表面には発熱体とこれを被覆するガラス層とを設けたが、他方側の表面には試料2では発熱体のみを設け、試料3ではガラス層のみを設け、試料4では何も設けなかった。
【0040】
これら試料1〜4の各セラミックスヒータの電極端子にリード線を結線し、電流19〜20A、電圧180〜220Vを通電して、400〜500℃に昇温したときのヒータ全長320mmに対する反り量を測定した。
【0041】
その結果、各セラミックスヒータの反り量は、試料1では0.01〜0.05mm、試料2では0.09〜0.15mm、試料3では0.05〜0.08mm、及び試料4では0.15mm以上であった。尚、上記の通電により400〜500℃に昇温したとき、試料1〜3の各セラミックスヒータには破損が全く認められなかったが、試料4のうちの幾つかには破損が発生した。
【0042】
実施例3
上記実施例1で作製したセラミックスヒータ4枚を、内部が440mm×120mm×高さ55mmのSUS製の加熱室内に、図3に示すような互い違いの階段状になるように、相互に10mmの間隔を隔てて設置した。
【0043】
この加熱室に空気を100リットル/分にて連続的に導入しながら、セラミックスヒータに電流19〜20A、電圧180〜220Vで通電したところ、加熱室の出口付近における温度で約350℃にまで空気を連続的に加熱することができた。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスによる腐蝕がなく、ガスに対する接触面積が大きく、しかも加熱時に反りが発生することがないうえ、高速昇温及び高速降温ができ、ガスを直接且つ効率的に、しかも均一に加熱することができるガス加熱用セラミックスヒータを提供することができる。
【0045】
従って、本発明のガス加熱用セラミックスヒータを用いることによって、各種の反応装置等においてガスを直接加熱して、その温度を均一に制御することができ、しかも加熱室の小型化及び省エネ化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガス加熱用セラミックスヒータの具体例を一部切欠いて示す概略の斜視図である。
【図2】本発明によるガス加熱用セラミックスヒータの回路パターンの具体例を示す概略の平面図である。
【図3】本発明のガス加熱用セラミックスヒータを用いた加熱室の具体例を示す概略の断面図である。
【図4】本発明のガス加熱用セラミックスヒータを組み合わせたヒータユニットの具体例を示す概略の平面図である。
【図5】本発明によるガス加熱用セラミックスヒータの昇温試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 セラミックス基材
2 発熱体
3 ガラス層
4 電極
10 セラミックスヒータ
11 加熱室
12 ヒータユニット

Claims (9)

  1. ガスの流路又は加熱室内に配置され、供給されたガスを直接加熱するためのヒータであって、平板状のセラミックス基材と、セラミックス基材の少なくとも片側表面に設けた発熱体と、発熱体を被覆するセラミックス層又はガラス層とを備え、他方側の表面には少なくともセラミックス層又はガラス層を備えることを特徴とするガス加熱用セラミックスヒータ。
  2. 前記セラミックス基材の両側表面に、発熱体と、発熱体を被覆するセラミックス層又はガラス層とをそれぞれ備えることを特徴とする、請求項1に記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  3. 前記発熱体はセラミックス基材のガス接触面全体に回路パターンを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  4. 前記発熱体は渦巻き状パターンを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  5. 前記発熱体の最外周端とセラミックス基材の外周端との距離が5mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  6. 前記セラミックス基材の厚さが1mm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  7. 前記セラミックス基材が、酸化アルミニウム、二酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、ホウ化ジルコニウム、又はそれらの複合物からなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  8. 前記発熱体は渦巻き状パターンを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
  9. 前記発熱体が、W、Mo、Ag−Pd、Ag、又はニクロムからなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のガス加熱用セラミックスヒータ。
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JP2017010884A (ja) * 2015-06-25 2017-01-12 京セラ株式会社 試料保持具
CN108869140A (zh) * 2018-07-27 2018-11-23 潍柴西港新能源动力有限公司 燃气发动机进气加热器

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