JP2003109623A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池

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JP2003109623A
JP2003109623A JP2001301736A JP2001301736A JP2003109623A JP 2003109623 A JP2003109623 A JP 2003109623A JP 2001301736 A JP2001301736 A JP 2001301736A JP 2001301736 A JP2001301736 A JP 2001301736A JP 2003109623 A JP2003109623 A JP 2003109623A
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polymer electrolyte
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carbon
molecule
electrolyte fuel
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JP2001301736A
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Shinya Kosako
慎也 古佐小
Makoto Uchida
誠 内田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化物ラジカルやヒドロキシラジカルに対
する耐酸化性が飛躍的に向上した耐久性の高い高分子電
解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】 水素イオン伝導性高分子電解質膜11
と、前記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟むように
配置された一対の触媒層12と、前記触媒層上に配置さ
れた一対のガス拡散層13と、前記ガス拡散層上に配置
された一対の導電性セパレータとを具備した高分子電解
質型燃料電池において、前記触媒層の少なくとも一方
が、パーフルオロカーボンスルホン酸系高分子電解質
と、炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを有す
る分子とを含むことにより、前記分子が過酸化物ラジカ
ルやヒドロキシラジカルに対して優先的に反応し、パー
フルオロカーボンスルホン酸を劣化から防御することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料ガスとして水
素ガス、あるいはメタノールまたは化石燃料からの改質
水素を用い、空気や酸素を酸化剤とする高分子電解質型
燃料電池に関するものであり、特にその電極に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質型燃料電池は、水素などの
燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを電
極において電気化学的に反応させることで、化学エネル
ギーを電気エネルギーと熱に変換させるものである。高
分子電解質型燃料電池の高分子電解質膜−電極接合体の
一例を図1を用いて説明する。
【0003】水素イオン(水素イオン)を選択的に輸送
する高分子電解質膜11の両面のそれぞれに、触媒層1
2が密着して配置されている。これらの触媒層12は、
白金系の金属触媒を担持した炭素粒子を主成分とし、水
素イオン伝導性の高分子電解質を混合した層である。
【0004】高分子電解質としては、式:
【0005】
【化1】
【0006】で示されるパーフルオロカーボンスルホン
酸、例えば、Nafion(デュポン社製)、Flem
ion(旭硝子社製)、Aciplex(旭化成社製)
などが一般的に使用されている。この触媒層12の外面
には、ガス透過性と電子導電性を併せ持つ、例えば撥水
処理を施したカーボンペーパーやカーボンクロスなどで
ガス拡散層13が形成される。この高分子電解質膜1
1、触媒層12とガス拡散層13とを合わせて高分子電
解質膜−電極接合体と呼ぶ。
【0007】この高分子電解質膜−電極接合体を用いた
電池では、燃料ガスや酸化剤ガスが外にリークしたり、
互いに混合したりしないように、電極の周囲には、高分
子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置さ
れている。
【0008】図2に単電池の構成を示す。図2に示すよ
うに、ガスケット209付きの高分子電解質膜−電極接
合体の外側には、ガス流路213、214および循環水
流路215、216を有する導電性セパレータ板21
1、212が配されている。
【0009】通常、燃料電池を電源として使用するとき
は、単電池を数10セル直列に積層して電池スタックを
作製して使用する。このとき、電池スタックの両端部に
はステンレス製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さら
に単板と締結ロッドで固定する。このときの締結圧はセ
パレータの面積あたり例えば15kgf/cm2であ
る。
【0010】さて、高分子電解質型燃料電池から電力を
取る出すためには、高分子電解質中(3次元のネットワ
ーク状に広がる水素イオンチャンネル中)を水素イオン
が移動しなければならない。高分子電解質膜中を移動す
る水素イオンは、アノード側触媒層中の白金触媒上で次
式(1)の反応によって生じる。
【0011】 H2→2H++2e− (1) カソード側触媒層では、アノードから移動してきた水素
イオンと酸素との次式(2)の反応により水が生成す
る。
【0012】 1/2O2+2H++2e−→H2O (2) しかしながら、実際の燃料電池ではこれらの主反応の他
に副反応が起こる。それらのうちの代表的なものが過酸
化水素(H2O2)の生成である。
【0013】過酸化水素の生成はアノード、カソードの
どちらの極でも起こるが、例えばカソードでは、次式
(3)の反応によりが過酸化水素生成する。
【0014】 O2+2H++2e−→2H2O2 (3) また、アノードでは、カソードで電解質にとけ込み、高
分子電解質膜を通過してアノードに拡散してきた酸素が
反応に関与すると考えられ、上式(3)か次式(4)の
反応が起こるとされている。
【0015】 2M−H+O2−→2M+H2O2 (4) ここにMは、アノードに使用されている触媒を示し、M
−Hはその触媒に水素原子が吸着していることを示す。
通常、触媒としては白金(Pt)や白金−ルテニウム合
金(Pt−Ru)等の貴金属が用いられる。
【0016】さて、これらの触媒上で発生した過酸化水
素は、拡散等のため触媒上から離れ高分子電解質あるい
は高分子電解質膜中に移動する。この過酸化水素は系外
に流れてしまえば問題はないが、2価の鉄イオンなどの
存在により、酸化力の極めて強い分子種であるヒドロキ
シラジカルや過酸化物ラジカルを発生させる。例えば、
次式(5)または(6)の反応により生成すると考えら
れる。
【0017】 H2O2→2・OH (5) H2O2→・H+・OOH (6) このような反応で発生したラジカルは、高分子電解質の
有機分子から水素やフッ素を引き抜き、高分子電解質が
劣化すると考えられる。
【0018】このような反応は、比較的劣化が起こりに
くいとされてきたパーフルオロカーボンスルホン酸でも
起こり、側鎖のフッ素が引き抜かれてスルホン酸部が破
壊され、やがて水素イオン導電性の大きな低下を引き起
こし、ひいては燃料電池の性能の低下を引き起こしてい
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高分子電解質型燃料電池に起こっている電池反応によっ
て発生する酸化力の強いラジカルが存在しても、電解質
より酸化されやすい分子種をラジカルの拡散経路に存在
させると、パーフルオロカーボンスルホン酸を攻撃しな
いことに着目し、過酸化物ラジカルやヒドロキシラジカ
ルに対する耐酸化性が飛躍的に向上した耐久性の高い高
分子電解質型燃料電池を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子電解質型
燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記
水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟むように配置され
た一対の触媒層と、前記触媒層上に配置された一対ガス
拡散層と、前記ガス拡散層上に配置された一対の導電性
セパレータとを具備した高分子電解質型燃料電池におい
て、前記触媒層の少なくとも一方が、パーフルオロカー
ボンスルホン酸系高分子電解質と、炭素−フッ素結合よ
り小さい結合エネルギーを有する分子とを含むことを特
徴とする。
【0021】また、本発明の高分子電解質型燃料電池
は、前記炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを
有する分子が、スルホン酸基と樹脂基質に挟まれた部分
に存在することを特徴とする。
【0022】また、本発明の高分子電解質型燃料電池
は、前記炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを
有する分子の沸点が、電池運転温度以上であることを特
徴とする。
【0023】また、前記炭素−フッ素結合より小さい結
合エネルギーを有する分子が、前記パーフルオロカーボ
ン酸系高分子電解質のポリマー部分と相溶しないことを
特徴とする。
【0024】また、本発明の高分子電解質型燃料電池
は、前記炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを
有する分子が、極性官能基を有することを特徴とする。
【0025】また、本発明の高分子電解質型燃料電池
は、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記水素イオ
ン伝導性高分子電解質膜を挟むように配置された一対の
触媒層と、前記触媒層上に配置された一対ガス拡散層
と、前記ガス拡散層上に配置された一対の導電性セパレ
ータとを具備した高分子電解質型燃料電池において、燃
料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方に、炭素−フ
ッ素結合より小さい結合エネルギーを有する分子を混合
することを特徴とする。
【0026】また、本発明の高分子電解質型燃料電池
は、前記炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを
有する分子が、熱重合性を有することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の請求項第1の高分子電解
質型燃料電池は、パーフルオロカーボンスルホン酸系高
分子電解質に、炭素−フッ素結合より小さい結合エネル
ギーを有する分子を含有させるものである。高分子電解
質型燃料電池を長時間運転すると、排水中からフッ素イ
オンが大量に検出されるが、電極中に発生したラジカル
は、パーフルオロカーボンスルホン酸分子の多くのフッ
素原子のうち、結合エネルギーの最も低いフッ素原子を
攻撃するものと考えられる。このようなフッ素原子は具
体的にはパーフルオロカーボンスルホン酸分子の側鎖に
ある酸素原子に隣接するフッ素原子であり、通常のC−
Fの結合エネルギーである484kJ/molよりやや
小さい値であると言える。
【0028】このようなフッ素原子は、このフッ素原子
の周辺に水分子以外の分子が存在しなければ発生したラ
ジカルにより引き抜かれるが、結合エネルギーが484
kJ/molより小さい結合を有する分子が存在する
と、前記ラジカルはその分子の前記結合原子を優先的に
引き抜き、パーフルオロカーボンスルホン酸分子の側鎖
にある酸素原子に隣接するフッ素原子は結合解離を免れ
ることになる。いいかえると、前記分子がパーフルオロ
カーボンスルホン酸分子の犠牲となり分解されることに
なる。これにより、パーフルオロカーボンスルホン酸分
子の分解に伴う劣化が大幅に押さえられ、過酸化物ラジ
カルやヒドロキシラジカルに対する耐酸化性が飛躍的に
向上した耐久性の高い高分子電解質型燃料電池が得られ
ることになる。
【0029】さて、結合エネルギーがC−F結合より小
さい結合を列挙すると、S−H(364kJ/mo
l)、N−H(386)、P−H(316)、C−H
(411)、Si−H(318)、C−Cl(32
3)、C−Br(269)、C−I(212)、Si−
Cl(397)、N−F(273)、P−Cl(31
9)、O−F(210)、O−Cl(202)、S−F
(322)、S−Cl(287)などがあげられる。
【0030】本発明の請求項第2の高分子電解質型燃料
電池は、パーフルオロカーボンスルホン酸の炭素−フッ
素結合より小さい結合エネルギーを有する分子が、側鎖
のスルホン酸基とパーフルオロカーボンである樹脂基質
に挟まれた部分に存在させるものである。過酸化物ラジ
カルやヒドロキシラジカルから、側鎖上のフッ素原子を
防衛するためには、犠牲となる分子はスルホン酸基とパ
ーフルオロカーボンである樹脂基質の中間領域になけれ
ば効果が得られない。
【0031】本発明の高分子電解質型燃料電池では、パ
ーフルオロカーボンスルホン酸の炭素−フッ素結合より
小さい結合エネルギーを有する分子の沸点が電池運転温
度以上のものが好ましい。前記分子の沸点が電池運転温
度以下であると前記分子の揮発が容易に起こり、系外へ
流出してしまうからである。
【0032】本発明の高分子電解質型燃料電池では、パ
ーフルオロカーボンスルホン酸系高分子電解質と前記パ
ーフルオロカーボン酸系高分子電解質のポリマー部分と
相溶しない炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギー
を有する分子とを含むことが望ましい。高分子電解質の
ポリマー部分と相溶してしまうと、犠牲となる分子がス
ルホン酸基部分から離れてしまうため、効果が得られな
い。具体的には、パーフルオロカーボンの溶解度パラメ
ータより2程度以上値の大きな溶解度パラメータを有す
る分子が望ましい。また、この目的で極性官能基を有す
る分子が望ましい。
【0033】具体的には、アルコール類、アルデヒド
類、カルボン酸類、アミン類、アニリン誘導体、アミノ
酸類、アルキルスルホン酸類、芳香族スルホン酸類、有
機リン酸類、チオール類、ニトロ化合物、フェノール
類、各種界面活性剤などがあげられる。
【0034】本発明の請求項第6の高分子電解質型燃料
電池は、燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方
に、炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを有す
る分子を混合することにより、上記と同様な理由でパー
フルオロカーボンスルホン酸の側鎖のフッ素原子のラジ
カルによる引き抜きを抑制できるものである。
【0035】本発明の請求項第7の高分子電解質型燃料
電池の製造方法は、炭素粒子とパーフルオロカーボンス
ルホン酸系高分子電解質と熱重合性を有し炭素−フッ素
結合より小さい結合エネルギーを有する分子とを少なく
とも含む混合物から作製させるものである。この方法に
より、犠牲となる分子を安定的に高分子電解質中に滞在
させることができる。また、触媒層は多量のカーボンを
含むため、紫外線を透過しにくいので重合開始剤は熱重
合タイプが好ましい。
【0036】熱重合性を有し炭素−フッ素結合より小さ
い結合エネルギーを有する分子としては、アクリレート
類やメタクリレート類などの単官能モノマーや、より好
ましくは架橋重合できる重合性多官能モノマーである。
単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレートなどのアルキル(=C1-18)
(メタ)アクリレートなど、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、アリール(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ−アルキル(=
C2-4)(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)ア
クリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)ア
クリレートなどがあげられる。
【0037】架橋可能なモノマーとしては、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、PEG
#200ジメタクリレート、PEG#400ジメタクリ
レート、PEG#600ジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオー
ルジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレー
ト、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジ
メタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキ
シプロピルメタクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、PEG#200ジアクリレート、PEG
#400ジアクリレート、PEG#600ジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシ
クロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートな
どがあげられる。
【0038】
【実施例】以下実施例を詳細に説明する。
【0039】《実施例1》まず、金属触媒として平均径
2nmの白金を50重量%担持した平均径30nmの炭
素粒子(ケッチェンインターナショナル製、ケッチェン
ブラックEC)2.0gに発煙硝酸(関東化学製)10
gに、蒸留水を15cc加え、その後高分子電解質(旭
硝子(株)製の10重量%Flemionエタノール溶
液)溶液50gとラウリルアルコール(関東化学社製)
0.5gを加え、超音波をかけながらスターラーを使用
して1時間攪拌・分散させ、触媒ペーストを得た。
【0040】この触媒ペーストをバーコーターを利用し
て、東レ(株)製の膜厚50μmのポリプロピレンフィ
ルムに塗布し、室温乾燥後、6cm×6cmの正方形に
切り抜き、触媒層付きポリプロピレンフィルムを作製し
た。このときのポリプロピレンフィルム上の白金含有量
は約0.2mg/cm2であった。
【0041】つぎに、高分子電解質膜(DuPont社
のNafion112膜)の両側に前記触媒層付きポリ
プロピレンフィルムを触媒層が内側になるように配置
し、そのさらに外側をテフロン(登録商標)シート、耐
熱ラバーシートで挟んで、135℃のホットプレス装置
で圧接し、ポリプロピレンフィルム上の触媒層を一体化
高分子電解質膜の外側両面に転写した。
【0042】ポリプロピレンフィルムを剥離し、前記触
媒層を一体化高分子電解質膜の外側に、フッ素樹脂分散
液(ダイキン工業(株)ND−1)に浸した後300℃
で焼成したカーボンペーパ(東レ(株)製のTGPH0
60H)を載せ、ガスケットを取り付けたものを、テフ
ロンシートで挟んで135℃のホットプレス装置で圧接
し、高分子電解質膜−電極接合体Aを作製した。
【0043】《比較例1》ラウリルアルコールを添加す
る以外は実施例1と全く同じ方法で触媒ペーストを作
り、同様に触媒層をNafion112膜の両側に転写
し、カーボンペーパとガスケットとの圧接をおこない、
高分子電解質膜−電極接合体Xを作製した。
【0044】《実施例2》比較例1と同様な方法で高分
子電解質膜−電極接合体Xを作製したが、燃料ガスに1
%のメタノールを混合してアノードに供給した。
【0045】《実施例3》金属触媒として平均径2nm
の白金を50重量%担持した平均径30nmの炭素粒子
(ケッチェンインターナショナル製、ケッチェンブラッ
クEC)2.0gに発煙硝酸(関東化学製)10gに、
蒸留水を15cc加え、その後高分子電解質(旭硝子
(株)製の10重量%Flemionエタノール溶液)
溶液50gと1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
(共栄社化学(株)社製)1gと重合開始剤0.1を加
え、超音波をかけながらスターラーを使用して1時間攪
拌・分散させ、触媒ペーストを得た。
【0046】この触媒ペーストをバーコーターを利用し
て、東レ(株)製の膜厚50μmのポリプロピレンフィ
ルムに塗布し、室温乾燥後、6cm×6cmの正方形に
切り抜き、触媒層付きポリプロピレンフィルムを作製し
た。このときのポリプロピレンフィルム上の白金含有量
は約0.2mg/cm2であった。
【0047】つぎに、高分子電解質膜(DuPont社
のNafion112膜)の両側に前記触媒層付きポリ
プロピレンフィルムを触媒層が内側になるように配置
し、そのさらに外側をテフロンシート、耐熱ラバーシー
トで挟んで、135℃のホットプレス装置で圧接し、ポ
リプロピレンフィルム上の触媒層を一体化高分子電解質
膜の外側両面に転写した。
【0048】ポリプロピレンフィルムを剥離し、前記触
媒層を一体化高分子電解質膜の外側に、フッ素樹脂分散
液(ダイキン工業(株)ND−1)に浸した後300℃
で焼成したカーボンペーパ(東レ(株)製のTGPH0
60H)を載せ、ガスケットを取り付けたものを、テフ
ロンシートで挟んで135℃のホットプレス装置で圧接
し、高分子電解質膜−電極接合体Bを作製した。
【0049】[評価試験]以上の高分子電解質膜−電極
接合体をセパレータで挟み、図2で示されるような単電
池を組んだ。
【0050】これに燃料極に純水素ガスを、空気極に空
気をそれぞれ供給し、電池温度75℃、水素露点70
℃、空気露点60℃、水素利用率70%、酸素利用率4
0%、電流密度0.2A/cm2の条件で電池の寿命試
験を行った。
【0051】図3には、電池の作動時間とセルの電圧の
関係を示すグラフである。
【0052】図3からわかるように、結合エネルギーが
C−F結合エネルギーより小さい結合を有する分子を導
入することにより大幅な劣化の改善がみられることがわ
かる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、過酸化物
ラジカルやヒドロキシラジカルに対する耐酸化性が飛躍
的に向上した耐久性の高い高分子電解質型燃料電池を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子電解質膜−電極接合体の縦断面図
【図2】高分子電解質型燃料電池の構成要素である単電
池の構成を示す概略断面図
【図3】本発明の実施例および比較例の高分子電解質型
燃料電池の電圧−作動時間特性を示すグラフ
【符号の説明】
11 水素イオン伝導性高分子電解質膜 12 触媒層 13 ガス拡散層 15 高分子電解質膜−電極接合体 201 高分子電解質膜 202,203 触媒層 207,208 ガス拡散層 209 ガスケット 211,212 導電性セパレータ 213,214 ガス流路 215,216 循環水流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 BB01 BB03 BB06 BB08 BB12 CC06 DD06 DD08 EE03 EE08 EE16 EE18 HH00 HH08 5H026 AA06 BB08 CC03 CX05 EE19 HH00 HH08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前
    記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟むように配置さ
    れた一対の触媒層と、前記触媒層上に配置された一対の
    ガス拡散層と、前記ガス拡散層上に配置された一対の導
    電性セパレータとを具備した高分子電解質型燃料電池に
    おいて、前記触媒層の少なくとも一方が、パーフルオロ
    カーボンスルホン酸と、炭素−フッ素結合より小さい結
    合エネルギーを有する分子とを含むことを特徴とする高
    分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記炭素−フッ素結合より小さい結合エ
    ネルギーを有する分子が、スルホン酸基と樹脂基質に挟
    まれた部分に存在することを特徴とする請求項1に記載
    の高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記炭素−フッ素結合より小さい結合エ
    ネルギーを有する分子の沸点が、電池運転温度以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃
    料電池。
  4. 【請求項4】 前記炭素−フッ素結合より小さい結合エ
    ネルギーを有する分子が、前記パーフルオロカーボン酸
    系高分子電解質のポリマー部分と相溶しないことを特徴
    とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記炭素−フッ素結合より小さい結合エ
    ネルギーを有する分子が、極性官能基を有することを特
    徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  6. 【請求項6】 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前
    記水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟むように配置さ
    れた一対の触媒層と、前記触媒層上に配置された一対ガ
    ス拡散層と、前記ガス拡散層上に配置された一対の導電
    性セパレータとを具備した高分子電解質型燃料電池にお
    いて、燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方に、
    炭素−フッ素結合より小さい結合エネルギーを有する分
    子を混合することを特徴とする高分子電解質型燃料電
    池。
  7. 【請求項7】 前記炭素−フッ素結合より小さい結合エ
    ネルギーを有する分子が、熱重合性を有することを特徴
    とする高分子電解質型燃料電池。
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