JP2003107611A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2003107611A
JP2003107611A JP2001298722A JP2001298722A JP2003107611A JP 2003107611 A JP2003107611 A JP 2003107611A JP 2001298722 A JP2001298722 A JP 2001298722A JP 2001298722 A JP2001298722 A JP 2001298722A JP 2003107611 A JP2003107611 A JP 2003107611A
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acid
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Tadashi Ito
忠 伊藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像液の補充量を低減させた場合にも感度、
コントラストおよび画像濃度などの写真特性が安定であ
るハロゲン化銀写真感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層と少なくとも1層のその他の親水性コロイド層
を有し、前記の乳剤層またはその他の親水性コロイド層
の少なくとも1層中に、少なくとも1種のヒドラジン誘
導体を含有し、かつ、前記乳剤層またはその他の親水性
コロイド層の少なくとも1層中に、ジヒドロキシベンゼ
ンのスルホン酸またはその塩、およびジヒドロキシベン
ゼンのカルボン酸またはその塩から選ばれる少なくとも
1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料、特に写真製版工程に用いられるハロゲン化銀感
光材料に適した超硬調ネガ型写真感光材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料の露光方法の1つに原図を
走査し、その画像信号に基づいてハロゲン化銀写真感光
材料上に露光を行い、原図の画像に対応するネガ画像も
しくはポジ画像を形成する所謂スキャナー方式による画
像記録方法が知られている。スキャナー方式による画像
記録方法を実用した記録装置は種々あるが、網点発生器
を用いる所謂ドットジェネレーター方式が現在では数多
く用いられている。これらのスキャナー方式記録装置の
記録用光源としては、従来グローランプ、キセノンラン
プ、水銀ランプ、タングステンランプ、発光ダイオード
などが用いられてきた。しかし、これらの光源はいずれ
も出力が弱く寿命が短いという実用上の欠点を有してい
た。これらの欠点を補うものとして、He−Neレー
ザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、半導体レーザ
などのコヒーレントなレーザ光源をスキャナー方式の光
源として用いるスキャナーがある。これらのスキャナー
に使用される感光材料には種々の特性が要求されるが、
特に10-3〜10-10秒という短時間露光で露光される
ため、写真感光材料としては、このような条件下でも、
高コントラストであることが必須条件となる。
【0003】近年では、高コントラストの点からヒドラ
ジン誘導体を含有し超硬調な写真特性を得ることが可能
な造核系システムが該分野でも主流となっている。しか
しながら、ヒドラジン誘導体を用いると現像液の疲労に
よる影響を受け易く、感度、コントラストおよび画像濃
度などの写真特性が変動するという問題を抱えていた。
さらに、印刷業界においても環境への影響から処理廃液
の削減が強く望まれており、現像液、定着液の低補充化
に対する広範囲なニーズが存在している。これら印刷分
野のニーズに応えるために、低補充量にしても感度、コ
ントラストおよび画像濃度などの写真特性が変動しない
写真感光材料の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点を考慮して、本発明は、高感度かつ高コントラスト
であるハロゲン化銀写真感光材料において、現像液の補
充量を低減させた場合にも感度、コントラストおよび画
像濃度などの写真特性が安定であるハロゲン化銀写真感
光材料を提供することを課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層と少なくとも1層のその他の親水性コロイド層を
有し、前記の乳剤層またはその他の親水性コロイド層の
少なくとも1層中に、少なくとも1種のヒドラジン誘導
体を含有し、かつ、前記乳剤層またはその他の親水性コ
ロイド層の少なくとも1層中に、ジヒドロキシベンゼン
のスルホン酸またはその塩、およびジヒドロキシベンゼ
ンのカルボン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1
種を含有することを特徴とする本発明のハロゲン化銀写
真感光材料によれば、上記課題を解決しうることを見出
した。ここで、ジヒドロキシベンゼンのスルホン酸また
はその塩、およびジヒドロキシベンゼンのカルボン酸ま
たはその塩は、ハイドロキノンのモノスルホン酸または
その塩、およびハイドロキノンのモノカルボン酸または
その塩であることが好ましい。
【0006】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成
する乳剤層またはその他の親水性コロイド層の少なくと
も1層中には、下記一般式(1)で表される化合物を含
有することが好ましい。
【0007】一般式(1)
【化7】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、またはアル
カリで開裂する保護基を表わす。R11、R12およびR13
は同じでも異なっていてもよく、各々水素原子、置換ま
たは無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール
基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換または無置換のアル
コキシ基、またはシアノ基を表わす。)
【0008】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
るヒドラジン誘導体は、下記一般式(2)〜(6)で表
される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
【0009】一般式(2)
【化8】 (式中Arは芳香族基を表し、L21は電子吸引性基を有
する2価の連結基を表し、Xはアニオン性基を表す。)
【0010】一般式(3)
【化9】
【0011】(式中R31はジフルオロメチル基もしくは
モノフルオロメチル基を表わし、A31は芳香族基を表わ
す。)
【0012】一般式(4)
【化10】
【0013】(式中、R41はアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、
42は水素原子、アルキル基、アリール基または複素環
基を表す。Rは水素原子またはブロック基を表す。L41
はアルキレン基またはアルケニレン基を表す。ただし、
41−S−L41の部分に少なくとも2個の環を含むもの
とする。この各環は結合手および/または脂肪族基で結
合されていてもよい。J41およびJ42は、各々連結基を
表し、nは0または1を表す。Xは芳香族残基または複
素環残基を表す。A41およびA42は共に水素原子である
か、または一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニ
ル基またはオキザリル基を表す。)
【0014】一般式(5)
【化11】
【0015】(式中、R5はCOR51、SO252、SO
53、POR5455およびCOCOR 56からなる群から
選択したアシル基を表し、R51およびR56の各々は独立
に水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もし
くは非置換アリールもしくはヘテロアリール基、OR57
またはNR5859を表し、R52およびR53の各々は独立
に置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換
アリールもしくはヘテロアリール基、OR57またはNR
5859を表し、R54およびR55の各々は独立にR 52につ
いて示した基の1つを表し、またはそれらは一緒になっ
て環を形成するのに必要な原子を構成できる。R57は置
換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリ
ールもしくはヘテロアリール基を表し、R58およびR59
の各々は独立に水素原子、置換もしくは非置換アルキル
基、または置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロ
アリール基を表し、またはそれらは一緒になって環を形
成するのに必要な原子を構成できる。A5およびA5′の
各々は独立に水素原子、アルカリ性写真処理条件下で水
素イオンを生じうる基またはSO250基を表す、但し
5がSO250であるとき、A5′は水素原子であり、
またその逆も同じである、R50はR52について示した基
の1つを表す。L5は2価結合基である。Qはカチオン
窒素含有芳香族複素環式環である。Y-はQの正電荷を
補償するための負に帯電した対イオンである。nは式
(5)による化合物が分子内塩であるとき0であり、ま
たはQの正電荷に等しい整数である。Zは置換もしくは
非置換芳香族もしくはヘテロ芳香族環を形成するのに必
要な原子を表す。)
【0016】一般式(6)
【化12】
【0017】(式中、R6は炭素数6〜18のアルキル
基または硫黄もしくは酸素の環原子を含む、環原子数5
〜6の複素環であり、R61は炭素原子数1〜12のアル
キルまたはアルコキシ基であり、Xは炭素原子数1〜約
5のアルキル、チオアルキルもしくはアルコキシ基、ハ
ロゲン原子、または−NHCOR62、−NHSO
262、−CONR6263または−SO26263(ここ
でR62およびR63は同一でも異っていてもよく、水素原
子または炭素原子数1〜約4のアルキル基である)であ
り、そしてnは0、1または2を表す。)
【0018】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のハロゲン
化銀写真感光材料について詳細に説明する。なお、本発
明において「〜」とは、その前後に記載される数値をそ
れぞれ最小および最大として含む範囲を表す。本発明の
ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上に少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層のその他の親
水性コロイド層を有する。そして、乳剤層またはその他
の親水性コロイド層の少なくとも1層中に、少なくとも
1種のヒドラジン誘導体を含有し、かつ、前記乳剤層ま
たはその他の親水性コロイド層の少なくとも1層中に、
ジヒドロキシベンゼンのスルホン酸またはその塩、およ
びジヒドロキシベンゼンのカルボン酸またはその塩から
選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いるジヒドロキ
シベンゼンのスルホン酸またはその塩、ジヒドロキシベ
ンゼンのカルボン酸またはその塩としては、ハイドロキ
ノンモノスルホン酸およびその塩、ハイドロキノンモノ
カルボン酸およびその塩、ハイドロキンジスルホン酸お
よびその塩、ハイドロキンジカルボン酸およびその塩、
モノスルホカテコール、ジスルホカテコール、カテコー
ルのモノカルボン酸およびその塩、カテコールのジカル
ボン酸およびその塩などを挙げることができる。特に好
ましくは、ハイドロキノンモノスルホン酸塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩など)、ハイドロキノンモノカルボン
酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)である。ジヒド
ロキシベンゼンのスルホン酸またはその塩、ジヒドロキ
シベンゼンのカルボン酸またはその塩の添加層として
は、ハロゲン化銀乳剤層、保護層、中間層、支持体とハ
ロゲン化銀乳剤層との間の層が好ましく、特に、ハロゲ
ン化銀乳剤層、支持体とハロゲン化銀乳剤層との間の層
が好ましい。ジヒドロキシベンゼンのスルホン酸または
その塩、ジヒドロキシベンゼンのカルボン酸またはその
塩は、1つの層の中にのみ含まれていてもよいし、複数
の層の中に含まれていてもよい。ジヒドロキシベンゼン
のスルホン酸またはその塩、ジヒドロキシベンゼンのカ
ルボン酸またはその塩の添加量は、ハロゲン化銀写真感
光材料1m2当り、10- 5mol〜10-2molが好ま
しく、さらには5×10-5mol〜5×10-3molが
好ましい。ジヒドロキシベンゼンのスルホン酸またはそ
の塩、ジヒドロキシベンゼンのカルボン酸またはその塩
は、ハロゲン化銀写真感光材料の作製工程中のいかなる
段階で添加してもよい。例えば、ハロゲン化銀乳剤層に
添加する場合には、ハロゲン化銀の脱塩工程後、ハロゲ
ン化銀の化学増感時、塗布前などに添加することができ
る。また、これらの工程中の複数回に分けて添加するこ
ともできる。添加方法としては、水、メタノール、エタ
ノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶
解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、p
Hを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物につ
いては、それぞれpHを高くまたは低くして溶解し、こ
れを添加することが望ましい。
【0019】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、乳
剤層またはその他の親水性コロイド層の少なくとも1層
中に上記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化
合物を含有することが好ましい。一般式(1)中、Mは
水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム原子、
カリウム原子など)またはアルカリで開裂する保護基
(例えばアセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、
ステアロイル基、ベンジル基、p−トルエンスルホニル
基、ドデシルカルバモイル基、ベンゾイル基、シクロヘ
キシルカルバモイル基など)を表わす。R11、R12およ
びR13は同じでも異なっていてもよく、各々水素原子、
置換または無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数
12までの例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘ
キシル基、ヒドロキシエチル基、クロロプロピル基、ベ
ンジル基、シアノエチル基など)、置換または無置換の
アリール基(好ましくは炭素原子数6〜12の例えばフ
ェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフエ
ニル基など)、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子など)、ニトロ基、置換または無置換のアルコキシ基
(好ましくは炭素原子数12までの例えばメトキシ基、
エトキシ基、n−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、ヒド
ロキシエトキシ基など)、シアノ基を表わす。
【0020】以下に一般式(1)で表される化合物の具
体例を列挙するが、本発明で用いることができる一般式
(1)で表される化合物はこれらに限定されるものでは
ない。 (1)5,6−ジメチルベンゾトリアゾール (2)5−ブチルベンゾトリアゾール (3)5−メチルベンゾトリアゾール (4)5−クロロベンゾトリアゾール (5)5−ブロモベンゾトリアゾール (6)5,6−ジクロロベンゾトリアゾール (7)4,6−ジクロロベンゾトリアゾール (8)5−ニトロベンゾトリアゾール (9)4−ニトロ−6−クロロ−ベンゾトリアゾール (10)4,5,6−トリクロロベンゾトリアゾール (11)5−カルボキシベンゾトリアゾール (12)5−スルホベンゾトリアゾール Na塩 (13)5−メトキシカルボニルベンゾトリアゾール (14)5−アミノベンゾトリアゾール (15)5−ブトキシベンゾトリアゾール (16)5−ウレイドベンゾトリアゾール (17)ベンゾトリアゾール これらの中で特に好ましい化合物は、5−メチルベンゾ
トリアゾールである。
【0021】本発明において一般式(1)で表されるベ
ンゾトリアゾール化合物は、支持体に対してハロゲン化
銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層、あるいは他の親水
性コロイド層のどの層に添加してもよいが、該ハロゲン
化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイド層に
添加することが好ましい。また、一般式(1)で表され
るベンゾトリアゾール化合物を2種類以上併用して使用
することもできる。一般式(1)で表されるベンゾトリ
アゾール化合物の添加量は、ハロゲン化銀1molに対
し1×10-4〜1×10-1molが好ましく、1×10
-3〜7×10-2molが特に好ましい。
【0022】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ヒ
ドラジン誘導体として上記一般式(2)〜(6)で表さ
れる化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。以
下において、一般式(2)〜(6)で表される化合物に
ついて順に説明する。一般式(2)中、Arは芳香族基
を表し、L21は電子吸引性基を有する2価の連結基を表
し、Xはアニオン性基を表す。一般式(2)で表される
ヒドラジン誘導体は、下記一般式(2−a)、および
(2−b)で表される化合物であることが好ましい。
【0023】
【化13】
【0024】式中Arは芳香族基を表し、L22はフッ素
原子で置換された2価のアルキレン基またはフェニレン
基を表わす。Mは対カチオンを表わし、mは1〜3の整
数を表わす。
【0025】当該化合物はヒドラジドのアシル基部分に
その最大の特徴があり、電子吸引性基とアニオン性基を
同時に置換基として有する点で、造核剤の造核硬調化性
能を高め、かつまた保存性を高めることができた。この
様な効果は、特開昭63−32538号公報に開示され
ている、電子吸引性基で置換されていない2−カルボキ
シエチルカルボニル基をアシル基とするヒドラジド誘導
体等には見られない特徴である。
【0026】ここでいうアニオン性基とは、カルボン
酸、スルホン酸、スルフィン酸、リン酸、ホスホン酸、
およびそれらの塩を表し、電子吸引性基とはこれらアニ
オン性基を除く電子吸引性の置換基のことで、具体的に
はハメットの置換基定数(σm)として正の数値を与え
うる置換基を意味する。本発明におけるアニオン性基と
して好ましいものはカルボン酸、スルホン酸およびこれ
らの塩であり、さらに好ましくはカルボン酸およびその
塩である。本発明における電子吸引性基として好ましい
ものは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、オキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スル
ファモイル基、4級アンモニウム基、スルホニル基、ア
シル基等であるが、ハロゲン原子が特に好ましく、さら
に好ましくはフッ素原子である。
【0027】一般式(2)で表される化合物において、
Arは芳香族基を表し、具体的には置換もしくは無置換
のフェニル基、ナフチル基、ヘテロ環基を表す。一般式
(2)においてArで表される基は、好ましくは置換さ
れたフェニル基であり、その置換基としては、以下に挙
げた基が含まれる。
【0028】本発明において置換基とは、ハロゲン原
子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で
環もしくは主鎖に結合する置換基を表す。炭素原子で結
合するものとしては、アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、カルバモイル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
カルボキシル基、シアノ基、ヘテロ環基が、酸素原子で
結合するものとしてはヒドロキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、
カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基が、窒素原
子で結合するものとしてはアシルアミノ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、スルホンアミド基、イミド基、ヘテロ環基が、硫黄
原子で結合するものとしてはアルキルチオ基、アリール
チオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルコキ
シスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、スルホ
ニル基、スルホ基、スルフィニル基が挙げられる。これ
らはこれら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0029】さらに詳しく置換基について説明する。ハ
ロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子である。アルキル基としては炭素原子数1〜1
6、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖、分岐鎖また
は環状のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ベンジル
基、シクロペンチル基である。アルケニル基としては炭
素原子数2〜16のもので、例えばビニル基、1−プロ
ペニル基、1−ヘキセニル基、スチリル基等が挙げられ
る。アルキニル基としては炭素原子数2〜16のもの
で、例えばエチニル基、1−ブチニル基、1−ドデセニ
ル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。アリール基
としては炭素原子数6〜24のアリール基で例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、p−メトキシフェニル基であ
る。
【0030】カルバモイル基としては炭素原子数1〜1
8のもので、例えばカルバモイル基、N−エチルカルバ
モイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−フェニル
カルバモイル基である。アルコキシカルボニル基として
は炭素原子数2〜18のもので、例えばメトキシカルボ
ニル基、ベンジルオキシカルボニル基である。アリール
オキシカルボニル基としては炭素原子数7〜18のもの
で、例えばフェノキシカルボニル基である。アシル基と
しては炭素原子数1〜18のもので、例えばアセチル
基、ベンゾイル基である。環上の炭素原子で連結するヘ
テロ環基としては炭素原子数1〜5の酸素原子、窒素原
子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環
の飽和または不飽和のヘテロ環であって環を構成するヘ
テロ原子の数および元素の種類は1つでも複数であって
もよく、例えば2−フリル基、2−チエニル基、2−ピ
リジル基、2−イミダゾリル基である。
【0031】アルコキシ基としては炭素原子数1〜1
6、好ましくは炭素原子数1〜10のもので例えば、メ
トキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−メタンスルホ
ニルエトキシ基である。アリールオキシ基としては炭素
原子数6〜24のもので例えば、フェノキシ基、p−メ
トキシフェノキシ基、m−(3−ヒドロキシプロピオン
アミド)フェノキシ基である。ヘテロ環オキシ基として
は炭素原子数1〜5の酸素原子、窒素原子、もとくは硫
黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不
飽和のヘテロ環オキシ基であって環を構成するヘテロ原
子の数および元素の種類は1つでも複数であってもよく
例えば、1−フェニルテトラゾリル−5−オキシ基、2
−テトラヒドロピラニルオキシ基、2−ピリジルオキシ
基である。アシルオキシ基としては炭素原子数1〜1
6、好ましくは炭素原子数1〜10のもので例えば、ア
セトキシ基、ベンゾイルオキシ基、4−ヒドロキシブタ
ノイルオキシ基である。カルバモイルオキシ基としては
炭素原子数1〜16、好ましくは炭素原子数1〜10の
もので例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ
基、N−ヘキシルカルバモイルオキシ基、N−フェニル
カルバモイルオキシ基である。スルホニルオキシ基とし
ては炭素原子数1〜16のもので、例えばメタンスルホ
ニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基である。
【0032】アシルアミノ基としては炭素原子数1〜1
6、好ましくは炭素原子数1〜10のもので、例えばア
セトアミド基、p−クロロベンゾイルアミド基である。
アルキルアミノ基としては炭素原子数1〜16、好まし
くは炭素原子数1〜0のもので例えば、N,N−ジメチ
ルアミノ基、N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ基で
ある。アリールアミノ基としては炭素原子数6〜24の
もので例えばアニリノ基、N−メチルアニリノ基であ
る。ヘテロ環アミノ基としては炭素原子数1〜5の酸素
原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員
または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環アミノ基で
あって環を構成するヘテロ原子の数および元素の種類は
1つでも複数であってもよく例えば、2−オキサゾリル
アミノ基、2−テトラヒドロピラニルアミノ基、4−ピ
リジルアミノ基である。ウレイド基としては炭素原子数
1〜16、好ましくは炭素原子数1〜10のもので例え
ば、ウレイド基、メチルウレイド基、N,N−ジエチル
ウレイド基、2−メタンスルホンアミドエチルウレイド
基である。
【0033】スルファモイルアミノ基としては炭素原子
数0〜16、好ましくは炭素原子数0〜10のもので、
例えばメチルスルファモイルアミノ基、2−メトキシエ
チルスルファモイルアミノ基である。アルコキシカルボ
ニルアミノ基としては炭素原子数2〜16、好ましくは
炭素原子数2〜10のもので、例えばメトキシカルボニ
ルアミノ基である。アリールオキシカルボニルアミノ基
としては炭素原子数7〜24のもので、例えばフェノキ
シカルボニルアミノ基、2,6−ジメトキシフェノキシ
カルボニルアミノ基である。スルホンアミド基としては
炭素原子数1〜16、好ましくは炭素原子数1〜10の
もので、例えばメタンスルホンアミド基、p−トルエン
スルホンアミド基である。イミド基としては炭素原子数
4〜16のもので、例えばN−スクシンイミド基、N−
フタルイミド基である。環の窒素原子で連結するヘテロ
環基としては、炭素原子、酸素原子または硫黄原子の少
なくとも1種と窒素原子からなる5〜6員のヘテロ環
で、例えばピロリジノ基、モルホリノ基、イミダゾリノ
基である。
【0034】アルキルチオ基としては炭素原子数1〜1
6、好ましくは炭素原子数1〜10のもので、例えばメ
チルチオ基、2−フェノキシエチルチオ基である。アリ
ールチオ基としては炭素原子数6〜24のもので、例え
ばフェニルチオ基、2−カルボキシフェニルチオ基であ
る。ヘテロ環チオ基としては炭素原子数1〜5の酸素原
子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員ま
たは6員環の飽和または不飽和のヘテロ環チオ基であっ
て環を構成するヘテロ原子の数および元素の種類は1つ
でも複数であってもよく、例えば2−ベンゾチアゾリル
チオ基、2−ピリジルチオ基である。
【0035】スルファモイル基としては炭素原子数0〜
16、好ましくは炭素原子数0〜10のもので、例えば
スルファモイル基、メチルスルファモイル基、フェニル
スルファモイル基である。アルコキシスルホニル基とし
ては炭素原子数1〜16、好ましくは炭素原子数1〜1
0のもので、例えばメトキシスルホニル基である。アリ
ールオキシスルホニル基としては炭素原子数6〜24、
好ましくは炭素原子数6〜12のもので、例えばフェノ
キシスルホニル基である。スルホニル基としては炭素原
子数1〜16、好ましくは炭素原子数1〜10のもの
で、例えばメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
である。スルフィニル基としては炭素原子数1〜16、
好ましくは炭素原子数1〜10のもので、例えばメタン
スルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基である。
【0036】本発明における置換基として好ましくは、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ウレ
イド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ス
ルホニル基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリ
ール基、カルバモイル基、アルコキシ基、アシルアミノ
基、ウレイド基、スルホンアミド基、スルファモイル基
である。最も好ましくはアシルアミノ基、ウレイド基、
スルホンアミド基である。一般式(2)においてArで
表わされる基は、ハロゲン化銀粒子への吸着促進基を置
換基として有していてもよい。ハロゲン化銀への吸着促
進基の好ましい例としては、チオアミド基、メルカプト
基または5ないし6員の含窒素ヘテロ環基が挙げられ
る。チオアミド吸着促進基としては、
【0037】
【化14】
【0038】で表わされる2価の基であり、環構造の一
部であってもよいし、また好ましくは非環式チオアミド
基であることができる。有用なチオアミド吸着促進基
は、例えば米国特許第4,030,925号明細書、同
4,031,127号明細書、同4,080,207号
明細書、同4,245,037号明細書、同4,25
5,511号明細書、同4,266,013号明細書お
よび同4,276,364号明細書、ならびにリサーチ
・ディスクロージャー(Research Disclosure) 第15
1巻、1976年11月、15162項、および同第1
76巻、1978年12月、17626項に開示されて
いるものから選ぶことができる。特に好ましいチオアミ
ド基は式(A)で示されるものである。 一般式(A)
【0039】
【化15】
【0040】〔式中、EおよびE′の一方は−N
(R73)−を表わし、他方は−O−、−S−または−N
(R74)−を表わす。R72は水素原子、脂肪族基もしく
は芳香族基を表わすかまたはEもしくはE′と互いに結
合して5員もしくは6員複素環を形成する。R73および
74はそれぞれ水素原子、脂肪族基もしくは芳香族基で
ある。〕
【0041】式(A)で表わされるチオアミドとして
は、チオ尿素、チオウレタン、ジチオカルバミン酸エス
テルである。またEまたはE′とR62とが互いに結合し
て環を形成する場合の例としては、メロシアニン色素の
酸性核としてみられるものが挙げられ、例えば4−チア
ゾリン−2−チオン、チアゾリジン−2−チオン、4−
オキサゾリン−2−チオン、オキサゾリジン−2−チオ
ン、2−ピラゾリン−5−チオン、4−イミダゾリン−
2−チオン、2−チオヒダントイン、ローダニン、イソ
ローダニン、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオ
ン、チオバルビツール酸、テトラゾリン−5−チオン、
1,2,4−トリアゾリン−3−チオン、1,3,4−
チアジアゾリン−2−チオン、1,3,4−オキサジア
ゾリン−2−チオン、ベンズイミダゾリン−2−チオ
ン、ベンズオキサゾリン−2−チオンおよびベンゾチア
ゾリン−2−チオンなどであり、これらはさらに置換さ
れていてもよい。
【0042】メルカプト吸着促進基としては、脂肪族メ
ルカプト基、芳香族メルカプト基、またはヘテロ環メル
カプト基(SH基が結合する炭素の隣りが窒素原子の場
合は、互変異性体である環形成チオアミド基としてすで
に述べた)が挙げられる。脂肪族メルカプト基として
は、例えばメルカプトアルキル基(例えばメルカプトエ
チル基やメルカプトプロピル基など)、メルカプトアル
ケニル基(例えばメルカプトプロペニル基など)および
メルカプトアルキニル基(例えばメルカプトブチニル基
など)が挙げられる。芳香族メルカプト基としては、例
えばメルカプトフェニル基やメルカプトナフチル基が挙
げられる。ヘテロ環メルカプト基の例としては、環形成
チオアミド基で述べたものに加え例えば4−メルカプト
ピリジル基、5−メルカプトキノリニル基、6−メルカ
プトベンゾチアゾリル基などが挙げられる。
【0043】5ないし6員の含窒素ヘテロ環吸着促進基
としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および炭素原
子の組合せからなる5員ないし6員の含窒素ヘテロ環が
挙げられる。これらのうち、好ましいものとしては、ベ
ンゾトリアゾール、トリアゾール、テトラゾール、イン
ダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾール、ベンゾ
チアゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、オキサ
ゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアジ
ンなどが挙げられる。これらはさらに適当な置換基を有
してもよい。含窒素ヘテロ環としてさらに好ましくはベ
ンゾトリアゾール、トリアゾール、テトラゾール、イン
ダゾールであり、最も好ましくはベンゾトリアゾールで
ある。
【0044】含窒素ヘテロ環の好ましい具体例を挙げる
と、例えばベンゾトリアゾール−5−イル、6−クロロ
ベンゾトリアゾール−5−イル、ベンゾトリアゾール−
5−カルボニル、5−フェニル−1,3,4−トリアゾ
ール−2−イル、4−(5−メチル−1,3,4−トリ
アゾール−2−イル)ベンゾイル、1H−テトラゾール
−5−イルおよび3−シアノインダゾール−5−イルな
どが挙げられる。
【0045】一般式(2)で表される化合物においてL
21は、先に説明した電子吸引性基で置換された2価の連
結基を表し、具体的にはアルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、アラルキレン基、アリーレン基ま
たは、これらの組み合わせからなる基を表わす。好まし
くはL1がアルキレン基、アリーレン基を表す時であ
り、特に好ましくはアルキレン基、フェニレン基を表す
時である。
【0046】次に一般式(2−a)もしくは(2−b)
で表される化合物について説明する。
【0047】一般式(2−a)および(2−b)におい
てArは、一般式(2)におけるArと同義の基であ
り、その好ましい範囲もまた同じである。L22はフッ素
原子で部分的に、もしくは完全に置換された2価のアル
キレン基、フェニレン基を表す。具体的には、例えば−
CF2CF2−、−C36−、−CF2CH2−、−CFH
−、−(CF24−、−(CF26−、−C64−(テ
トラフルオロフェニレン基)、−CF2−等の基が挙げ
られる。L2として特に好ましくは、−CF2CF2−、
−C36−の基である。
【0048】一般式(2−b)においてMは対カチオン
を表し、mは1〜3の整数を表す。Mで表されるカチオ
ン種は、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウム
イオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイ
オン、四級アンモニウムイオン、4級化された窒素原子
を含むヘテロ環、4級ホスホニウムイオン等が挙げられ
る。Mは特に好ましくは、ナトリウムイオン、カリウム
イオンであり、この時mは1を表す。
【0049】一般式(2−a)および(2−b)におい
てArで表される基は、ハロゲン化銀粒子への吸着促進
基を置換基として有していてもよい。
【0050】一般式(2)で表される化合物のうち、よ
り好ましいものは、次の一般式(3−a)もしくは(3
−b)で表される化合物である。
【0051】
【化16】
【0052】式中L22、M、mは一般式(2−a)、
(2−b)におけるそれらと同じものであり、X1、X2
はベンゼン環に置換可能な基を表し、m1、m2はそれぞ
れ0〜4、0〜5の整数を表す。m1、m2が2以上の整
数を表す時、それらは互いに同じでも異なっていてもよ
く、またそれらが互いに結合して環を形成していてもよ
い。X1で表される置換基は、先に置換基について説明
したのと同じものを表す。好ましくは、アルキル基、ヒ
ドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールア
ミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホン
アミド基、カルボキシル基、スルホ基またはそれらの
塩、アルキルチオ基、メルカプト基、アシルオキシ基、
ヘテロ環基であるが、一般式(3−a)もしくは(3−
b)で表される化合物のうち、特に好ましくはm1が0
を表す時である。X2は先に一般式(2)のArの置換
基について説明したものと同じであり、好ましい範囲も
また同じである。またこれがハロゲン化銀粒子への吸着
促進基を含んでいてもよい。m2は好ましくは1、もし
くは2であり、特に好ましくは1である。
【0053】一般式(3−a)もしくは(3−b)で表
される化合物のうち、さらに好ましいものは、次の一般
式(4−a、b)〜(7−a、b)で表される。
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】
【化20】
【0058】一般式(4−a、b)〜(7−a、b)に
おいて、X3、X4は置換基を表し、これは一般式(3−
a)もしくは(3−b)におけるX1、X2と同じ意味の
基であり、m3、m4はともに0〜4の整数を表わす。J
1、J2、J3、J4は2価の連結基を表わし、具体的には
−SO2NR76−基、−NR76SO2−基、−CONR 76
−基、−NR76CO−基、−COO−基、−O−CO−
基、−O−基、−S−基、−NR76SO2NR77−基、
−NR76CONR77−基を表わす。ここでR76、R77
水素原子、脂肪族基、または芳香族基を表わす。p、
q、r、tはそれぞれ1または2を表わし、p、r、t
が2のとき、m4は3以下の整数を表わす。sおよびu
は0または1を表わす。
【0059】一般式(4−a)もしくは(4−b)にお
いてR75は置換もしくは無置換で、分岐もしくは直鎖の
総炭素原子数4〜16のアルキル基を表わす。R75で表
わされるアルキル基が置換基を有するとき、その置換基
としては先に一般式(2)のArの置換基として説明し
たのと同じものが挙げられるが、より好ましい置換基と
してはアリールオキシ基、アルコキシ基(エチレンオキ
シ単位をくり返し含む基を含む)、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0060】一般式(5−a)もしくは(5−b)にお
いてR78は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、ヘテロ環基を表わし、R79は2価の脂肪族基を表わ
す。R78およびR79で表わされる基の総炭素原子数は2
〜20が好ましく、これらの基はさらに置換基を有して
いてもよい。好ましい置換基の例としては、アルコキシ
基(エチレンオキシ単位をくり返し含むアルコキシ基を
含む)、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、カルバモイル基、アンモニウム基、アミノ
基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基等が挙げられる。
【0061】一般式(6−a)もしくは(6−b)にお
いてAはハロゲン化銀粒子への吸着促進基を表わし、具
体的には一般式(1)におけるArが置換基として有し
ていてもよい吸着促進基について説明したものと同じも
のが挙げられる。好ましくは、メルカプト基を含む芳香
族基もしくはヘテロ環基、メルカプトアルキレン基を有
するヘテロ環基、チオウレイド基、チオウレタン基、チ
オアミド基、ジスルフィド結合を含むアルキルもしくは
シクロアルキル基、N原子を2つ以上含み、かつ少なく
ともその1つが水素原子と結合した含窒素ヘテロ環基で
あり、より具体的には、メルカプト基、メルカプトフェ
ニル基、2−メルカプト−1−チア−3,4−ジアゾリ
ル基、5−メルカプトテトラゾリル基、2−メルカプト
−1,3,4−トリアゾリル基、2−メルカプトベンズ
オキサゾリル基、2−メルカプトベンゾチアゾリル基、
2−メルカプトピリジル基、4−メルカプト−1,3,
3a,7−テトラザインデニル基、ベンゾトリアゾリル
基、チアトリアゾリル基、チオウレイド基、N′−フェ
ニルチオウレイド基、フェニルチオウレタン基、などが
挙げられる。
【0062】一般式(7−a)もしくは(7−b)にお
いてBはカチオン性基およびその対アニオンを表わし、
具体的には4級のアンモニウム基、窒素原子が4級化さ
れた含窒素ヘテロ環基、4級のホスホニウム基、3級の
スルホニウム基および、その対アニオンであるクロロア
ニオン、ブロモアニオン、ヨードアニオン、スルホン酸
アニオンを表わす。Bで表わされるカチオン性基は、好
ましくは4級のアンモニウム基もしくは窒素原子が4級
化された含窒素ヘテロ環基であり、トリアルキルアンモ
ニウム基、ピリジニウム基、キノリニウム基、イソキノ
リニウム基、フェナンスリニウム基、トリアゾリニウム
基、イミダゾリニウム基、ベンゾチアゾリニウム基、が
挙げられる。これらの基はさらに置換基によって置換さ
れていてもよいが、置換基として好ましくは、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルバモイル
基、アミノ基、アンモニウム基、ヘテロ環基が挙げられ
る。Bで表わされるカチオン性基として、特に好ましく
は、トリアルキルアンモニウム基およびピリジニウム基
であり、また対イオンとしてはクロロアニオン、ブロモ
アニオンである。R80は2価の脂肪族基を表わし、さら
に置換基を有していてもよい。R80は好ましくはアルキ
レン基であり、特に好ましくは無置換で直鎖または分岐
のアルキレン基である。
【0063】一般式(4−a、b)〜(7−a、b)に
おいてMおよびmは、一般式(1)におけるそれらと同
じ意味を表わす。
【0064】以下に本発明に用いることができる一般式
(2)の化合物の具体例を列挙するが、本発明で用いる
ことができる一般式(2)の化合物はこれらに限定され
るものではない。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】次に、一般式(3)で表されるヒドラジン
誘導体について詳細に説明する。一般式(3)中、R31
はジフルオロメチル基もしくはモノフルオロメチル基を
表わし、A31は芳香族基を表わす。一般式(3)で表わ
される化合物のうち、好ましいものは次の下記一般式
(31)で表わされる。
【0074】一般式(31)
【化21】
【0075】式中R32は、ジフルオロメチル基もしくは
モノフルオロメチル基を表わし、A 32は2価の芳香族基
を表わし、X31はハロゲン化銀への吸着促進基を表わす
が、X31を含有しなくてもよい。R33、R34は2価の脂
肪族基または芳香族基を表わし、L31およびL32は2価
の連結基を表し、m32およびm33はそれぞれ独立に0ま
たは1を表わす。一般式(31)で表わされる化合物の
うち、好ましいものは次の一般式(32)で表わされ
る。
【0076】一般式(32)
【化22】
【0077】式中X32、R35、R36、R37、L33、m34
およびm35は、それぞれ一般式(31)におけるX31
32、R33、R34、L32、m32およびm33と同義の差で
であり、Yは置換基を表し、nは0〜4の整数表す。
【0078】一般式(3)において、A31で表される芳
香族基とは、単環もしくは2環のアリール基、および芳
香族ヘテロ環基である。具体的にはベンゼン環、ナフタ
レン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピ
ロール環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、イ
ンドール環等が挙げられる。A0として好ましくは、ベ
ンゼン環を含むものであり、特に好ましくはベンゼン環
である。A0は置換基で置換されていてもよく、置換基
としては例えばアルキル基、アラルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、
アシルオキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カル
バモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、カルボキ
シル基、置換アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニルウレイド
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、
スルファモイル基、アシルスルファモイル基、カルバモ
イルスルファモイル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン
原子、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、
スルファモイルアミノ基、オキサモイルアミノ基等が挙
げられる。これらの基はさらに置換されていてもよい。
これらのうち、スルホンアミド基、ウレイド基、アシル
アミノ基、カルバモイル基、アルコキシ基、置換アミノ
基、アルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボ
キシル基、オキシカルボニル基が好ましく、スルホンア
ミド基、ウレイド基が特に好ましい。A31は、置換基を
有するが、A31の少なくとも1つの置換基が、ハロゲン
化銀への吸着促進基を含有してもよい。
【0079】ハロゲン化銀への吸着促進基として好まし
くは、チオアミド基、メルカプト基、ジスルフィド結合
を有する基または5ないし6員の含窒素ヘテロ環基が挙
げられる。チオアミド吸着促進基としては、−CS−ア
ミノ−で表される2価の基であり、環構造の一部であっ
てもよいし、また非環式チオアミド基であってもよい。
有用なチオアミド吸着促進基は、例えば米国特許第4,
030,925号明細書、同第4,031,127号明
細書、同第4,080,207号明細書、同第4,24
5,037号明細書、同第4,255,511号明細
書、同第4,266,013号明細書、および同第4,
276,364号明細書、ならびに「リサーチ・ディス
クロージャー」(Research Disclosure) 誌第151巻 N
o.15162(1976年11月)、および同第176
巻 No.17626(1978年12月)に開示されてい
るものから選ぶことができる。
【0080】非環式チオアミド基の具体例としては、例
えばチオウレイド基、チオウレタン基、ジチオカルバミ
ン酸エステル基など、また環状のチオアミド基の具体例
としては、例えば4−チアゾリン−2−チオン、4−イ
ミダゾリン−2−チオン、2−チオヒダントイン、ロー
ダニン、チオバルビツール酸、テトラゾリン−5−チオ
ン、1,2,4−トリアゾリン−3−チオン、1,3,
4−チアジアゾリン−2−チオン、1,3,4−オキサ
ジアゾリン−2−チオン、ベンズイミダゾリン−2−チ
オン、ベンズオキサゾリン−2−チオンおよびベンゾチ
アゾリン−2−チオンなどが挙げられ、これらはさらに
置換されていてもよい。メルカプト基としては脂肪族メ
ルカプト基、芳香族メルカプト基やヘテロ環メルカプト
基(−SH基が結合した炭素原子の隣りが窒素原子の場
合は、これと互変異性体の関係にある環状チオアミド基
と同義であり、この基は具体例は上に列挙したものと同
じである)が挙げられる。
【0081】5員ないし6員の含有窒素ヘテロ環基とし
ては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および炭素原子の
組合せからなる5員ないし6員の含窒素ヘテロ環が挙げ
られる。これらのうち、好ましいものとしては、ベンゾ
トリアゾール、トリアゾール、テトラゾール、インダゾ
ール、ベンズイミダゾール、イミダゾール、ベンゾチア
ゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、オキサゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアジンな
どが挙げられる。これらはさらに適当な置換基で置換さ
れていてもよい。吸着促進基として好ましいものは環状
のチオアミド基(すなわちメルカプト置換含窒素ヘテロ
環で、例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプ
トテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキ
サジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基
など)、またはイミノ銀を形成する含窒素ヘテロ環基
(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール
基、インダゾール基など)の場合である。なお本発明に
おいて吸着促進基には、その前駆体も含まれる。前駆体
とは、現像時に現像液によってはじめて吸着促進基が放
出される、プレカーサー基のついた吸着促進基のこと
で、現像液中の水酸イオン、亜硫酸イオンによって、或
いは現像主薬との反応をひきがねとして分解される。具
体的には、カルバモイル基、1,3,3a,7−テトラ
ザインデン−4−イル基、ウラシル基、アルコキシカル
ボニル基、あるいは4位がウレイド基、スルホンアミド
基、アミド基で置換された4−置換−2,5−ジヒドロ
キシフェニル基等が挙げられる。一般式(3)における
31が、その置換基に含むハロゲン化銀への吸着促進基
として特に好ましいものは、5−メルカプトテトラゾー
ル基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、
およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいの
は、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基およ
び5−メルカプトテトラゾール基である。
【0082】一般式(3)で表わされる化合物のうち、
好ましいものは一般式(31)で表わされるものであ
り、これについて詳しく説明する。
【0083】一般式(31)においてR33、R34は2価
の脂肪族基または芳香族基を表す。2価の脂肪族基と
は、置換もしくは無置換で、直鎖、分岐もしくは環状の
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基であ
り、芳香族基とは単環もしくは2環のアリーレン基であ
る。R33およびR34として好ましくは、アルキレン基ま
たはアリーレン基であり、さらに最も好ましくはR33
フェニレン基、R34がフェニレン基またはアルキレン基
を表す時である。これらは先に一般式(3)におけるA
31が有する置換基について説明したのと同じ置換基を有
していてもよい。R 33およびR34が有する好ましい置換
基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシ
ルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スル
ファモイル基、スルホニル基であり、さらに好ましくは
アルキル基、アリール基、カルバモイル基、アルコキシ
基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、
スルファモイル基が挙げられる。
【0084】一般式(31)においてL31、L32で表さ
れる2価の連結基とは、−O−、─S−、−N−(R
N)−(RNは水素原子、アルキル基、またはアリール
基を表す。)−CO−、−SO2−、等の基の単独、ま
たはこれらの基の組み合わせからなる基である。ここで
組み合わせからなる基とは、具体的には、−CON(R
N)−、−SO2N(RN)−、−COO−、−N(R
N)CON(RN)−、−SO2N(RN)CO−、−
SO2N(RN)CON(RN)−、−N(RN)CO
CON(RN)−、−N(RN)SO2N(RN)−等
の基である。一般式(31)においてL31は、好ましく
は−SO2NH−、−NHCONH−、−O−、−S
−、−N(RN)−であり、最も好ましくは−SO2
H−、−NHCONH−である。L32は好ましくは、−
CON(RN)−、−SO2NH−、−NHCONH
−、−N(RN)CONH−、−COO−である。ここ
でL32が−CON(RN)−もしくは−N(RN)CO
NH−を表す時、RNが、置換アルキル基として、一般
式(31)における−R34−X基を表すこともあってよ
い。
【0085】一般式(31)において、A32で表わされ
る2価の芳香族基として好ましくは、単環のアリーレン
基であり、さらに好ましくはフェニレン基である。A32
がフェニレン基を表わすとき、これは置換基を有してい
てもよい。フェニレン基が有する置換基としては、一般
式(3)のA31が有していてもよい置換基について述べ
たものが挙げられるが、好ましくは、アルキル基、アル
コキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、
ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基等であり、こ
れらの基の総炭素原子数は1〜12、特に好ましくは1
〜8であることが好ましい。A32がフェニレン基を表わ
すとき、特にA32が無置換のフェニレン基を表わすとき
が好ましい。
【0086】一般式(31)においてX31はハロゲン化
銀への吸着促進基を表わすが、X31を含有しなくてもよ
い。X31は一般式(3)のA31が、その少なくとも1つ
の置換基に含まれるハロゲン化銀への吸着促進基につい
て説明したものと同じであり、その好ましい範囲もまた
同じである。
【0087】一般式(31)で表わされる化合物のう
ち、より好ましいものは、一般式(32)で表わされ
る。一般式(32)のYで表わされる置換基とは、一般
式(31)においてA32が有していてもよい置換基につ
いて説明したものと同じものが挙げられ、好ましい範囲
もまた同じである。nは0または1が好ましく、さらに
好ましくはnが0を表わす時である。
【0088】以下に本発明に用いることができる一般式
(3)の化合物の具体例を列挙するが、本発明で用いる
ことができる一般式(3)の化合物はこれらに限定され
るものではない。
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【表14】
【0095】
【表15】
【0096】
【表16】
【0097】
【表17】
【0098】次に、一般式(4)で表されるヒドラジン
誘導体についてさらに詳細に説明する。R41はアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、ブチ
ル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、
tert−オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラ
デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル
基、ベンジル基等)、アルケニル基(例えばアリル基、
1−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ブテ
ニル基、2−ペンテニル基、シンナミル基等)、アルキ
ニル基(例えばプロパルギル基、2−ブチニル基等)、
アリール基(例えばフェニル基、トリル基、ジ−i−プ
ロピルフェニル基、ナフチル基等)、複素環(例えばピ
リジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、チエニル
基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチ
アゾリル基等)の各基を表すが、これらの基はさらにア
ルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アミノ
基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、ウレイド基等で置換されてい
てもよい。
【0099】L41は、アルキレン基(例えばメチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、メチルメチレン基、
エチルメチレン基、ブチルメチレン基、ヘキシルメチレ
ン基、デシルメチレン基等)またはアルケニレン基(例
えばプロピニレン基、ブテニレン基等)を表す。これら
の基は、種々の基、例えばアルキル基、アリール基、複
素環基などで置換されていてもよい。
【0100】ただし、R41−S−L41の部分に少なくと
も2個の環を含む。この環としては、芳香族環(例えば
フェニル、ナフチル等)、複素環(例えばピペラジニ
ル、ピラジニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサ
ゾリル、チアゾリル、インドリル等)、脂肪族環(例え
ばシクロヘキシル、シクロプロピル等)が挙げられる。
各環は、結合手および/または脂肪族基で結合されてい
てもよい。
【0101】R42は水素原子、またはアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、メトキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、メ
トキシフェニル基等)、複素環基(例えばピリジル基、
チエニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基等)を表
す。
【0102】R43は水素原子またはブロック基を表す
が、ブロック基としての具体例は、アルキル基(例えば
メチル基、エチル基、ベンジル基、メトキシメチル基、
トリフルオロメチル基、フェノキシメチル基、ヒドロキ
シメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル
基等)、アリール基(例えばフェニル基、クロロフェニ
ル基、2−ヒドロキシメチルフェニル基等)、複素環基
(例えばピリジル基、チエニル基、フリル基等)、−C
ON(R44)(R45)、−COOR46の各基が好まし
い。
【0103】R44およびR45は各々、水素原子、アルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、ベンジル基等)、ア
ルケニル基(例えばアリル基、ブテニル基等)、アルキ
ニル基(例えばプロパルギル基、ブチニル基等)、アリ
ール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、複素環基
(例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル
基、N−エチル−N'−エチルピラゾリジニル基、ピリ
ジル基等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えばメ
トキシ基、エトキシ基等)、アミノ基(例えばアミノ
基、メチルアミノ基等)を表し、R44とR45で窒素原子
と共に環(例えばピペリジノ環、モルホリノ環等)を形
成してもよい。R46は水素原子、アルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、ヒドロキシエチル基等)、アルケニ
ル基(例えばアリル基、ブテニル基等)、アルキニル基
(例えばプロパルギル基、ブチニル基等)、アリール基
(例えばフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例え
ば2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基、N−
メチルピペリジニル基、ピリジル基等)を表す。
【0104】J41、J42は連結基を表すが、J41として
は例えば以下の基が挙げられる。
【0105】−CO−、−SO2−、−N(A43)CO
−、−N(A43)N(A44)CO−、−CON(A43
N(A44)CO−、ここでA44、は各々、水素原子、ア
ルキル基、アリール基または複素環基を示すが、好まし
くはn=1でJ1がカルボニル基の場合である。
【0106】J42は具体的にはアシルアミノ基(例えば
ベンゾイルアミノ基、フェノキシアセチルアミノ基
等)、スルホンアミド基(例えばベンゼンスルホンアミ
ド基、フランスルホンアミド基等)、ウレイド基(例え
ばウレイド基、フェニルウレイド基等)、アルキルアミ
ノ基(例えばベンジルアミノ基、フルフリルアミノ基
等)、アニリノ基、アルキリデンアミノ基(例えばベン
ジリデンアミノ基)、アリールオキシ基(例えばフェノ
キシ基)、アミノカルボニルアルコキシ基(例えばアミ
ノカルボニルメトキシ基)、スルホニルヒドラジノカル
ボニルアミノ基(例えばベンゼンスルホニルヒドラジノ
カルボニルアミノ基)等を挙げることができる。J42
して好ましくはベンゼンスルホンアミド基である。
【0107】Xは芳香族残基(例えばフェニレン基、ナ
フチレン基等、またはこれらに置換基を有するもの
等)、または複素環残基(例えばピリジン、ピラゾー
ル、ピロール、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン
等、またはこれらに置換基を有するもの等の2価残基)
を表す。
【0108】A41およびA42は共に水素原子、または一
方が水素原子で他方はアシル基(例えばアセチル基、ト
リフロオロアセチル基等)、スルホニル基(例えばメタ
ンスルホニル基、トルエンスルホニル基等)、オキザリ
ル基(例えばエトキザリル基等)から選ばれる基を表
す。A41およびA42は共に水素原子であることが好まし
い。
【0109】上記一般式(4)で表される代表的な具体
的化合物例を以下に示すが、本発明で用いることができ
る一般式(4)の化合物はこれらに限定されるものでは
ない。
【0110】
【化23】
【0111】
【化24】
【0112】
【化25】
【0113】
【化26】
【0114】
【化27】
【0115】
【化28】
【0116】
【化29】
【0117】
【化30】
【0118】
【化31】
【0119】
【化32】
【0120】
【化33】
【0121】
【化34】
【0122】
【化35】
【0123】
【化36】
【0124】
【化37】
【0125】
【化38】
【0126】
【化39】
【0127】
【化40】
【0128】
【化41】
【0129】
【化42】
【0130】
【化43】
【0131】
【化44】
【0132】
【化45】
【0133】
【化46】
【0134】
【化47】
【0135】
【化48】
【0136】
【化49】
【0137】
【化50】
【0138】
【化51】
【0139】次に、一般式(5)で表されるヒドラジン
誘導体について詳細に説明する。一般式(5)中、R5
はCOR51、SO252、SOR53、POR5455およ
びCOCOR56からなる群から選択したアシル基を表
し、R51およびR56の各々は独立に水素原子、置換もし
くは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリールも
しくはヘテロアリール基、OR57またはNR5859を表
し、R52およびR53の各々は独立に置換もしくは非置換
アルキル基、置換もしくは非置換アリールもしくはヘテ
ロアリール基、OR57またはNR5859を表し、R54
よびR55の各々は独立にR52について示した基の1つを
表し、またはそれらは一緒になって環を形成するのに必
要な原子を構成でき、R57は置換もしくは非置換アルキ
ル基または、置換もしくは非置換アリールもしくはヘテ
ロアリール基を表し、R58およびR59の各々は独立に水
素原子、置換もしくは非置換アルキル基または置換もし
くは非置換アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
またはそれらは一緒になって環を形成するのに必要な原
子を構成できる。
【0140】A5およびA5′の各々は独立に水素原子、
アルカリ性写真処理条件下に水素イオンを生じうる基ま
たはSO250基を表す、但しA5がSO250であると
きにはA5′は水素原子であり、この逆も同じである、
50はR52について示した意義の1つを有する。
【0141】Lは2価の結合基である。Qはカチオン窒
素含有芳香族複素環式環である。Y -はQの正電荷を補
償するための負に帯電した対イオンである。nは一般式
(5)の化合物が分子内塩であるとき0であり、または
Qの正電荷に等しい整数である。Zは置換もしくは非置
換芳香族もしくはヘテロ芳香族環を形成するのに必要な
原子を表す。
【0142】最も好ましい実施態様において、Qはピリ
ジニウム基、キノリニウム基およびイソキノリニウム基
から選択し、Lは置換もしくは非置換エチレン基であ
る。
【0143】上記一般式(5)で表される代表的な具体
的化合物例を以下に示すが、本発明で用いることができ
る一般式(5)の化合物はこれらに限定されるものでは
ない。
【0144】
【化52】
【0145】
【化53】
【0146】
【化54】
【0147】
【化55】
【0148】次に、一般式(6)で表されるヒドラジン
誘導体について詳細に説明する。一般式(6)中、R6
は炭素原子数6〜18のアルキル基または硫黄原子もし
くは酸素原子の環原子を含む、環原子数5〜6の複素環
であり、R61は炭素原子数1〜12のアルキル基または
アルコキシ基であり、Xは炭素原子数1〜約5のアルキ
ル基、チオアルキル基もしくはアルコキシ基、ハロゲン
原子、または−NHCOR62、−NHSO262、−C
ONR6263または−SO26263(ここでR62およ
びR63は同一でも異っていてもよく、水素原子または炭
素原子数1〜約4のアルキル基である)であり、そして
nは0.1または2である。
【0149】R6により表されるアルキル基は直鎖また
は分枝鎖であってよく、置換されていても非置換であっ
てもよい。置換基としては、炭素原子数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子(例えば、塩素およびフッ素原
子)または−NHCOR62−もしくは−NHSO262
(ここでR62は先に定義したとおりである)が挙げられ
る。好ましいR6のアルキル基は炭素原子を8〜16個
含有するが、このサイズのアルキル基がヒドラジン核形
成剤に高度の不溶性を付与し、それにより核形成剤がコ
ーティングされている層から現像液中に現像の際浸出す
る傾向を低減するからである。R6により表される複素
環基としてはチエニル基およびフリル基を挙げることが
でき、これらの基は炭素原子数1〜4のアルキル基また
はハロゲン原子、例えば、塩素原子で置換されていても
よい。
【0150】R61により表されるアルキル基またはアル
コキシ基は直鎖であっても分枝鎖であってよく、置換さ
れていてもまたは非置換であってもよい。これらの基の
置換基は炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子(例えば、塩素原子またはフッ素原子);または−N
HCOR62もしくは−NHSO262(ここでR62は先
に定義したとおりである)であってよい。好ましいアル
キル基またはアルコキシ基は、ヒドラジン核形成剤に十
分な不溶性を付与して、それらがコーティングされてい
る層から現像液により浸出する傾向を低減させるために
炭素原子1〜5を含有する。
【0151】Xにより表されるアルキル基、チオアルキ
ル基およびアルコキシ基は炭素原子を1〜5個含有し、
直鎖または分枝鎖であってよい。Xがハロゲン原子であ
る場合は塩素原子、フッ素原子、臭素原子またはヨウ素
原子であってよい。1個以上のXが存在する場合、かか
る置換基は同一でも異っていてもよい。
【0152】上記一般式(6)で表される代表的な具体
的化合物例を以下に示すが、本発明で用いることができ
る一般式(6)の化合物はこれらに限定されるものでは
ない。
【0153】
【化56】
【0154】本発明で用いることができるヒドラジン誘
導体は、例えば、特開昭61−213847号公報、同
62−260153号公報、米国特許第4,648,6
04号明細書、同第3,379,529号明細書、同第
3,620,746号明細書、同第4,377,634
号明細書、同第4,332,878号明細書、特開昭4
9−129536号公報、同56−153336号公
報、同56−153342号公報、特開平1−2699
36号公報、米国特許第4,988,604号明細書、
同第4,994,365号明細書などに記載されている
方法を利用することにより合成することができる。
【0155】ヒドラジン誘導体は適当な水混和性有機溶
媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、
プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン)、ジメニルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解し
て用いることができる。また、既によく知られている乳
化分散法によって、ジフチルフタレート、トリクレジル
フォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジ
エチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘ
キサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化
分散物を作製して用いることもできる。あるいは固体分
散法として知られている方法によって、ヒドラジン誘導
体の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるい
は超音波によって分散して用いることもできる。
【0156】本発明においてヒドラジン誘導体は、支持
体に対してハロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤
層、あるいは他の親水性コロイド層のどの層に添加して
もよいが、該ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接す
る親水性コロイド層に添加することが好ましい。
【0157】また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
には、上記ヒドラジン系造核剤を2種類以上併用して使
用することもできる。本発明における造核剤添加量はハ
ロゲン化銀1molに対し1×10-5〜1×10-2mo
lが好ましく、1×10-5〜5×10-3molがより好
ましく、2×10-5〜5×10-3molが最も好まし
い。
【0158】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤のハロゲン組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ
臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ塩臭化銀のいずれからなるも
のでもよい。
【0159】本発明に用いられる各々のハロゲン化銀粒
子の形状は、立方体、十四面体、八面体、不定型、板状
のいずれでも良いが、立方体もしくは板状が好ましい。
【0160】本発明に用いられる写真乳剤は、 P. Glaf
kides 著 Chimie et PhysiquePhotographique (Pau
l Montel 社刊、1967年)、G. F. Dufin 著 Photographi
cEmulsion Chemistry (The Focal Press 刊、1966年)、V.
L. Zelikman et al 著Making and Coating Photograph
ic Emulsion (The Focal Press 刊、1964年)などに記載
された方法を用いて調製することができる。
【0161】すなわち、酸性法、中性法等のいずれでも
よく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み
合わせなどのいずれを用いても良い。粒子を銀イオン過
剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を
用いることもできる。同時混合法の一つの形式としてハ
ロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方
法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェッ
ト法を用いることもできる。またアンモニア、チオエー
テル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を
使用して粒子形成させることが好ましい。より好ましく
は四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−8240
8号公報、同55−77737号公報に記載されてい
る。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンである。
ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および
目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、
ハロゲン化銀1molあたり10-5〜10-2molが好
ましい。また、銀と錯体を作る含窒素複素環化合物の存
在下で粒子形成をさせてもよく、特開平11−3447
88号公報に記載の(N−1)〜(N−59)の化合物
を用いることが好ましい。これらの化合物の添加量は、
pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条
件の下で相当の範囲にわたって変化するが、ハロゲン化
銀1molあたり、10-6〜10-2molが好ましい。
これらの化合物の添加は粒子形成前、粒子形成中、粒子
形成後の各段階に適宜行うことができるが、特に粒子形
成時に添加することが好ましい。
【0162】コントロールド・ダブルジェット法および
ハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型
が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作
るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳
剤を作るのに有用な手段である。また、粒子サイズを均
一にするためには、英国特許第1,535,016号明
細書、特公昭48−36890号公報、同52−163
64号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン
化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させ
る方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特
開昭55−158124号公報に記載されているように
水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を
越えない範囲において早く成長させることが好ましい。
本発明の乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒径の標準
偏差)/(平均粒径)}×100で表される変動係数が
20%以下、より好ましくは15%以下である。ハロゲ
ン化銀乳剤粒子の平均粒子サイズは0.5μm以下が好
ましく、より好ましくは0.1μm〜0.4μmであ
る。
【0163】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤は単独であっても2種類以上であっても良い。2種類
以上である場合には粒子サイズが異なっていることが好
ましい。それらの粒子サイズ差としては、平均粒子辺長
として10%以上異なることが好ましい。
【0164】本発明に用いられる二種以上のハロゲン化
銀乳剤の併用の割合は、特別の制限はないが、銀量の割
合で1:1〜1:20、さらに好ましくは1:1〜1:
10である。
【0165】また、特願2000−379706号明細
書の段落0020から0032に記載の銀と錯体を生成
しうる含窒素複素環化合物の添加量の異なる少なくとも
2種の乳剤を混ぜ合わせることも好ましく用いられる。
【0166】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
VIII族に属する金属を含有してもよい。高コントラ
スト及び低カブリを達成するために、ロジウム化合物、
イリジウム化合物、ルテニウム化合物、レニウム化合
物、クロム化合物などを含有することが好ましい。これ
らの重金属として好ましいものは、金属配位錯体であ
り、下の一般式で表わされる六配位錯体である。 〔M(NY)m6-mn- (式中、MはIr、Ru、Rh、Re、Cr、Feから
選ばれる重金属である。Lは架橋配位子である。Yは酸
素原子又は硫黄原子である。m=0、1、2であり、n
=0、1、2、3である。) Lの好ましい具体例としてはハロゲン化物配位子(フッ
化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物)、シアン化物配位
子、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレノ
シアネート配位子、テルロシアネート配位子、アシド配
位子及びアコ配位子が挙げられる。アコ配位子が存在す
る場合には、配位子の1つ又は2つを占めることが好ま
しい。また、高感度化のためには鉄化合物を含有するこ
とが好ましく、特に好ましいのは配位子としてシアンリ
ガンドをもつ金属配位錯体である。これら化合物は、水
あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、化合物の
溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、す
なわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フ
ッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKC
l、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を
用いることができる。また、あらかじめこれらの化合物
をドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解
させることも可能である。以下に金属配位錯体の具体例
を示す。 1.〔Rh(H2O)Cl52- 2.〔RuCl63- 3.〔Ru(NO)Cl52- 4.〔RhCl63- 5.〔Ru(H20)Cl52- 6.〔Ru(NO)(H2O)Cl4〕− 7.〔Ru2Cl10O]6- 8.〔Re(NO)Cl52- 9.〔Ir(NO)Cl52- 10.〔Ir(H20)Cl52- 11.〔Re(H20)Cl52- 12.〔RhBr63- 13.〔ReCl63- 14.〔IrCl63- 15.〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 16.〔Cr(CN)63- 17.〔Fe(CN)63-
【0167】また、上記に挙げた化合物のほかに、特願
2000−95144号明細書の0027〜0056に
記載の化合物も好ましく用いることができる。
【0168】これらの化合物の添加量は、ハロゲン化銀
乳剤の銀1mol当たり1×10-8〜5×10-6mo
l、好ましくは5×10-8〜1×10-6molである。
また、上記重金属は併用してもよい。ハロゲン化銀粒子
中の該重金属の分布には特に制限はなく、均一な分布で
も、表面と内部での分布が異なるコアシェル型でも、連
続的に分布を変化させてもよい。これらの化合物の添加
は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時及び乳剤を塗布する
前の各段階において適宜行うことができるが、特に乳剤
形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれるこ
とが好ましい。
【0169】本発明では、添加することにより、850
〜1000nmの波長範囲における分光反射率の積分値
の平均値が、添加しない場合に対して1.5%以上増加
する固体粒子を感光性ハロゲン化銀乳剤層あるいは他の
親水性コロイド層中に含有することが好ましい。好まし
くは2%以上であるが、ヘイズ悪化の観点から5%以下
が好ましい。
【0170】本発明の感光材料による850〜1000
nmの分光反射率の積分値の平均値は、分光測定器を用
いて簡便に測定することができる。例えば、日立製作所
(株)製分光測定器U3500の受光部に積分球を設置
したものを用いて、感光材料の裏面に黒紙を設置したも
のにプローブ光を当てて、感光材料からの反射光を積分
球で積分して測定することにより測定することができ
る。
【0171】添加することにより上記反射率の積分値を
増加せしめる固体粒子は、上記反射特性を有していれ
ば、素材は特に限定せずに本発明に用いることができ
る。写真性能に影響を与えないものであれば、無機粒
子、有機物の分散物等、種類を問わないが、屈折率が
1.54以上のものを用いることが好ましい。本発明に
おける屈折率とは、空気に対する相対屈折率を表す。
又、屈折率は光の波長、温度などで微妙に変化するが、
光源としてNa−D線(λ=589.3nm)、20℃
の値であるnD20を用いた。又、固体の場合、結晶の
異方性により、方向により屈折率が小さい場合は、一番
大きい値をその物質の値とした。
【0172】屈折率が1.54以上の具体的な化合物例
としては、ハロゲン化銀、酸化マグネシウム、アルミ
ナ、方解石、ZrO2、SnO2、ZnO、Al23及び
TiO 2などで代表される金属酸化物、硫酸バリウム、
ポリスチレン、塩化ビニリデン樹脂など多彩の化合物が
挙げられる。
【0173】好ましい屈折率の範囲としては1.60以
上、特に好ましくは1.70以上である。
【0174】また固体粒子の粒径は、屈折率により好ま
しい範囲が異なるが、2nm〜20μmが好ましく、5
nm〜10μmがより好ましい。ここでいう固体粒子の
粒径は光散乱法により求めた粒径を表し、具体的には大
塚電子社製ELS−800を用い平均粒径を求めた。
【0175】この固体粒子の添加量として好ましくは1
0mg〜1g/m2、特に好ましくは、20〜500m
g/m2である。
【0176】固体粒子の添加位置は特に限定されず、乳
剤層、乳剤層と支持体の間、乳剤保護層、バッキング
層、支持体中に用いることができるが、特に好ましく
は、赤外センサーからの放出光が直接当たる面の最上層
である。
【0177】これら固体粒子は、感光材料中で粒子状で
あることが必要であり、微粒子の分散方法にもよるが、
水溶性が低い方が好ましい。又、処理液中で溶解する性
質は好ましく用いられる。
【0178】更に本発明では、上記固体粒子のうちで
も、非感光性ハロゲン化銀粒子を用いることが好まし
い。
【0179】本発明において用いられる非感光性ハロゲ
ン化銀粒子は、ハロゲン組成として、臭化銀、塩臭化
銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀のいずれかを使用するこ
とができる。ハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四
面体、八面体、不定型、板状のいずれでも良いが、立方
体もしくは十四面体、平板粒子が好ましい。
【0180】本発明に用いられる非感光性ハロゲン化銀
粒子は、P. Glafkides 著 Chimieet Physique Photogrp
hique (Paul Montel 社刊、1967年) 、 G. F. Dufin 著
Photographic Emulsion Chemistry ( The Focal Pre
ss刊、1966年 ) 、 V. L.Zelikman et al 著 Making and
Coating Photographic Emulsion ( The FocalPress
刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製すること
ができる。本発明の非感光性ハロゲン化銀粒子は青色域
感度が、本発明の感光材料に用いられる感光性ハロゲン
化銀粒子の1/10以下の感度であり、分光増感されて
いないことが好ましい。本発明の非感光性ハロゲン化銀
粒子は、感光性ハロゲン化銀の項で述べる、金属錯体ド
ーパント、化学増感等の表面修飾を施すことができる。
立方体、八面体粒子を用いる場合には、単分散粒子が好
ましく、{(粒径の標準偏差)/(平均粒径)}×10
0で表される変動係数が20%以下、より好ましくは1
5%以下である。ハロゲン化乳剤粒子の平均粒子サイズ
は立方体もしくは八面体の場合には0.1μm以上が好
ましく、より好ましくは0.2μm〜10μmであり、
さらに好ましくは0.5μm〜1.5μmである。ま
た、ここで平板状ハロゲン化銀粒子は、1枚の双晶面か
2枚以上の平行な双晶面を有するハロゲン化銀の総称で
ある。双晶面とは、(111)面の両側で全ての格子点
のイオンが鏡像関係にある場合にこの(111)面のこ
とをいう。この平板状粒子は粒子を上から見たときに、
三角形状、四角形状、六角形状もしくはこれらが丸みを
帯びた円形状をしており、三角形状のものは三角形の、
六角形状のものは六角形の、円形状のものは円形の互い
に平行な外表面を有している。
【0181】本発明に用いられる非感光性乳剤は全投影
面積の50%以上が粒子厚み0.02〜0.20μmの
平板粒子で占められていることが好ましい。粒子の厚み
は、参照用のラテックスとともに粒子の斜め方向から金
属を蒸着し、そのシャドーの長さを電子顕微鏡写真上で
測定し、ラテックスのシャドーの長さを参照にして計算
することにより容易に求められる。
【0182】本発明の非感光性乳剤の全粒子において円
相当径は1.5μm未満であることが好ましく、さらに
好ましくは0.2μm〜1.2μmである。円相当径の
変動係数は、好ましくは40%以下であり、より好まし
くは25%以下、さらに好ましくは15%以下である。
【0183】平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開昭58−
127927号公報、特開昭58−113927号公報
公報、特開昭58−113928号公報に記載された方
法等を参照すれば容易に調製できる。また、pBr1.
3以下の比較的低pBr値の雰囲気中で平板状粒子が質
量で40%以上存在する種晶を形成し、同程度のpBr
値に保ちつつ銀およびハロゲン溶液を同時に添加しつつ
種晶を成長させることにより得られる。この成長過程に
おいて、新たな結晶核が発生しないように銀およびハロ
ゲン溶液を添加することが望ましい。平板状ハロゲン化
銀粒子の大きさは、温度調節、溶剤の種類や量の選択、
粒子成長時に用いる銀塩、およびハロゲン化物の添加速
度をコントロールすることにより調整できる。
【0184】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の塗
布量は、感光性用と非感光性用と合算し銀量に換算して
5g/m2以下が好ましく、2.2〜4.5g/m2がよ
り好ましい。感光性用は、銀量に換算して4.5g/m
2以下が好ましく、2〜4g/m2がより好ましい。非感
光性用は、銀量に換算して0.5g/m2以下が好まし
く、0.03〜0.3g/m2がより好ましい。
【0185】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感され
ることが好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの
知られている方法を用いることができ、単独または組み
合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合には、
例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増
感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法
などが好ましい。
【0186】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳
剤を一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤
としては公知の化合物を使用することができ、例えば、
ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化
合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、
ローダニン類等を用いることができる。その他米国特許
第1,574,944号明細書、同第2,410,68
9号明細書、同第2,278,947号明細書、同第
2,728,668号明細書、同第3,501,313
号明細書、同第3,656,955号明細書、ドイツ特
許第1,422,869号明細書、特公昭56−249
37号公報、特開昭55−45016号公報等に記載さ
れている硫黄増感剤も用いることができる。好ましい硫
黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄
増感剤の添加量は化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化
銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハ
ロゲン化銀1mol当り10-7〜10-2molであり、
より好ましくは10-5〜10-3molである。
【0187】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を
一定時間攪拌することにより行われる。不安定型セレン
化合物としては特公昭44−15748号公報、同43
−13489号公報、特開平4−25832号公報、同
4−109240号公報、同4−324855号公報等
に記載の化合物を用いることが好ましい。具体的な不安
定セレン増感剤としては、イソセレノシアネート類(例
えばアリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレ
ノシアネート類)、セレノ尿素類、セレノケトン類、セ
レノアミド類、セレノカルボン酸類(例えば、2−セレ
ノプロピオン類、2−セレノ酪酸)、セレノエステル
類、ジアシルセレニド類(例えば、ビス(3−クロロ−
2,6−ジメトキシベンゾイル)セレニド)、セレノホ
スフェート類、ホスフィンセレニド類、コロイド状金属
セレンなどが挙げられる。不安定型セレン化合物の好ま
しい類型を上に述べたがこれらは限定的なものではな
い。当業技術者には写真乳剤の増感剤としての不安定型
セレン化合物といえば、セレンが不安定である限りにお
いて該化合物の構造はさして重要なものではなく、セレ
ン増感剤分子の有機部分はセレンを担持し、それを不安
定な形で乳剤中に存在せしめる以外何らの役割を持たな
いことが一般に理解されている。本発明においては、か
かる広範な概念の不安定セレン化合物が有利に用いられ
る。本発明で用いられる非不安定型セレン化合物として
は特公昭46−4553号公報、特公昭52−3449
2号公報および特公昭52−34491号公報に記載の
化合物が用いられる。非不安定型セレン化合物としては
例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セレナゾ
ール類、セレナゾール類の四級塩、ジアリールセレニ
ド、ジアリールジセレニド、ジアルキルセレニド、ジア
ルキルジセレニド、2−セレナゾリジンジオン、2−セ
レノオキサゾリジンチオンおよびこれらの誘導体等が挙
げられる。特に特開平4−324855号公報中の一般
式(VIII)および(IX)で示される化合物を用いること
が好ましい。また、低分解活性セレン化合物も好ましく
用いることができる。低分解活性セレン化合物とは、A
gNO3 10mmol、セレン化合物0.5mmol、
2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸バッファー4
0mmolの水/1,4−ジオキサン体積比1/1の混
合溶液(pH=6.3)を40℃にて反応させた時の該
セレン化合物の半減期が6時間以上であるセレン化合物
である。半減期を求める際のセレン化合物の検出にはH
PLC等により分析することができる。この低分解活性
セレン化合物ついては、特開平9−166841号公報
の化合物例SE−1からSE−8の化合物を用いること
が好ましい。
【0188】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−
313284号公報に記載の方法で試験することができ
る。具体的には、米国特許第1,623,499号明細
書、同第3,320,069号明細書、同第3,77
2,031号明細書、英国特許第235,211号明細
書、同第1,121,496号明細書、同第1,29
5,462号明細書、同第1,396,696号明細
書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−
204640号公報、同4−271341号公報、同4
−333043号公報、同5−303157号公報、ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル
・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635
(1980),ibid1102(1979),ibid 645(1979)、ジャーナル
・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トラン
ザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.) 1,2191(198
0)、S.ハ゜タイ(S. Patai) 編、ザ・ケミストリー・オブ・
オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カン
パウンズ ( The Chemistry of Organic Serenium an
d Tellunium Compounds),Vol 1(1986)、同 Vol 2(198
7)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平5
−313284号公報中の一般式 (II) (III)(I
V)で示される化合物が好ましい。
【0189】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1mol
当たり10-8〜10-2mol、好ましくは10-7〜10
-3mol程度を用いる。本発明における化学増感の条件
としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pA
gとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度
としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃であ
る。本発明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白
金、パラジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金
増感が好ましい。上記の金増感剤としては金の酸化数が
+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用いら
れる金化合物を用いることができる。代表的な例として
は塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリック
トリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、
カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックア
シド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルト
リクロロゴールド、硫化金などが挙げられ、ハロゲン化
銀1mol当たり10-7〜10-2mol程度を用いるこ
とができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロ
ゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカド
ミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させ
てもよい。本発明においては、還元増感を用いることが
できる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホ
ルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いる
ことができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州特許
公開EP第293,917号公報に示される方法によ
り、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に
用いられる感光材料中のハロゲン化銀乳剤は、同一層内
に二種以上、金属錯体の種類、分布、含有量の異なるも
の、晶癖、形状の異なるもの、化学増感剤の種類、添加
量、増感条件の異なるもの、分光増感色素の種類、添加
量、分光増感条件の異なるものなどを併用してもよく、
さらに、それらの層の重層構成であってもよい。
【0190】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、感光
材料の用途にあわせて、増感色素によって比較的長波長
の青色光、緑色光、赤色光または赤外光に分光増感され
てもよい。増感色素としては、シアニン色素、メロシア
ニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレック
スメロシアニン色素、ホロホーラーシアニン色素、スチ
リル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミ
オキソノール色素等を用いることができる。本発明に使
用される有用な増感色素は例えば RESEARCH DISCLOSURE
Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同It
em18341X項(1979年8月p.437)に記載もしく
は引用された文献に記載されている。特に各種スキャナ
ー、イメージセッターや製版カメラの光源の分光特性に
適した分光感度を有する増感色素を有利に選択すること
ができる。例えば、A)アルゴンレーザー光源に対して
は、特開昭60−162247号公報に記載の(I)−
1から(I)−8の化合物、特開平2−48653号公
報に記載のI−1からI−28の化合物、特開平4−3
30434号公報に記載のI−1からI−13の化合
物、米国特許第2,161,331号明細書に記載のE
xample1からExample14の化合物、西独
特許936,071号記載の1〜7の化合物、B)ヘリ
ウム−ネオンレーザーおよび赤色レーザーダイオード光
源に対しては、特開昭54−18726号公報に記載の
I−1からI−38の化合物、特開平6−75322号
公報に記載のI−1からI−35の化合物および特開平
7−287338号公報に記載のI−1からI−34の
化合物、特許第2822138号公報に記載の2−1か
ら2−14,3−(1)から3−(14),4−1から
4−6の化合物、C)LED光源に対しては特公昭55
−39818号公報に記載の色素1から20、特開昭6
2−284343号公報に記載のI−1からI−37の
化合物および特開平7−287338号公報に記載のI
−1からI−34の化合物、特許第2822138号公
報に記載の2−1から2−14,3−(1)から3−
(14),4−1から4−6の化合物、D)半導体レー
ザー光源に対しては特開昭59−191032号公報に
記載のI−1からI−12の化合物、特開昭60−80
841号公報に記載のI−1からI−22の化合物、特
開平4−335342号公報に記載のI−1からI−2
9の化合物および特開昭59−192242号公報に記
載のI−1からI−18の化合物、E)製版カメラのタ
ングステンおよびキセノン光源に対しては特開昭55−
45015号公報に記載の一般式〔I〕で表される
(1)から(19)の化合物、特開平6−242547
号公報に記載の4−Aから4−Sの化合物、5−Aから
5−Qの化合物、6−Aから6−Tの化合物および特開
平9−160185号公報に記載のI−1からI−97
の化合物などが有利に選択されるが、本発明はこれらに
限定されない。
【0191】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色
素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物
質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosur
e)176巻17643(1978年12月発行)第2
3頁IVのJ項、あるいは前述の特公昭49−2550
0号公報、同43−4933号公報、特開昭59−19
032号公報、同59−192242号公報等に記載さ
れている。
【0192】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独も
しくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。ま
た、米国特許第3,469,987号明細書等に開示さ
れているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該
溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号公
報、同44−27555号公報、同57−22091号
公報等に開示されているように、色素を酸に溶解し、該
溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて
水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,8
22,135号明細書、同第4,006,025号明細
書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水
溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加
する方法、特開昭53−102733号公報、同58−
105141号公報に開示されているように親水性コロ
イド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添
加する方法、特開昭51−74624号公報に開示され
ているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素
を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法を用いること
もできる。また、溶液に超音波を用いることもできる。
【0193】本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲ
ン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であるこ
とが認められている乳剤調製のいかなる工程中であって
もよい。例えば米国特許第2,735,766号明細
書、同第3,628,960号明細書、同第4,18
3,756号明細書、同第4,225,666号明細
書、特開昭58−184142号公報、同60−196
749号公報等に開示されているように、ハロゲン化銀
の粒子形成工程または/および脱塩前の時期、脱銀工程
中および/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時
期、特開昭58−113920号公報等に開示されてい
るように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟
成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならばいか
なる時期、工程において添加されてもよい。また、米国
特許第4,225,666号明細書、特開昭58−76
29号公報等に開示されているように、同一化合物を単
独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば
粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後
とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに
分けるなどして分割して添加してもよく、分割して添加
する化合物および化合物の組み合わせの種類を変えて添
加してもよい。
【0194】本発明の増感色素の添加量は、ハロゲン化
銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学増感の方法
と程度、カブリ防止剤の種類等により異なるが、ハロゲ
ン化銀1molあたり、4×10-6〜8×10-3mol
で用いることができる。例えばハロゲン化銀粒子サイズ
が0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀粒子の
表面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×10-6mo
lの添加量が好ましく、6.5×10-7〜2.0×10
-6molの添加量がより好ましい。
【0195】本発明において、「その他の親水性コロイ
ド層」とは、ハロゲン化銀乳剤層と水透過性又は水非透
過性の関係にある親水性コロイド層をいう。前者の例と
しては保護層、中間層などが挙げられ、後者の例として
はバック層がある。本発明のハロゲン化銀写真感光材料
には、その他の親水性コロイド層が1層以上設けられて
いる。
【0196】本発明に用いられる支持体は、例えばバラ
イタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプロピレン合成紙、
ガラス板、セルロースアセテート、セルロースナイトレ
ート、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステルフィルム、特開平7−234478号公報、及び
米国特許第5,558,979号明細書に記載のシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる支
持体、特開昭64−538号公報、米国特許第4,64
5,731号明細書、同第4,933,267号明細
書、同第4,954,430号明細書に記載のポリエス
テルフィルムを塩化ビニリデン共重合体で被覆した支持
体を挙げることができる。これらの支持体は、それぞれ
ハロゲン化銀写真感光材料の使用目的に応じて適宜選択
される。
【0197】本発明のハロゲン化銀乳剤層及びその他の
親水性コロイド層のバインダーとして、好ましくはゼラ
チンが用いられるが、特開平10−268464号公報
段落番号0025記載のポリマーも用いることができ
る。バインダーの塗布量は、ハロゲン化銀乳剤層を有す
る側の全親水性コロイド層のバインダー量が3g/m2
以下で(好ましくは1.0〜3.0g/m2)、かつハ
ロゲン化銀乳剤層を有する側の全親水性コロイド層及び
その反対側の面の全親水性コロイド層の全バインダー量
が7.0g/m2以下であり、好ましくは2.0〜7.
0g/m2である。
【0198】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
最外層表面の表面粗さをコントロールする目的で、親水
性コロイド層中に無機および/または有機重合体の微粉
末粒子(以下、マット剤と記す)を用いる。感光材料の
ハロゲン化銀乳剤層を有する面の最外層表面および乳剤
層とは反対面の最外層表面の表面粗さは、マット剤の平
均粒径および添加量を種々変化させることによってコン
トロールすることができる。マット剤を含有させる層
は、感光材料構成層のどの層でも良いが、ハロゲン化銀
乳剤層を有する側は、ピンホールを防止するため支持体
より遠い位置の層に含有することが好ましく、特に最外
層が好ましい。
【0199】本発明に用いられるマット剤は、写真的諸
特性に悪影響を及ぼさない固体粒子であれば、どのよう
なものでもよい。具体的には、特開平10−26846
4号公報段落番号0009〜0013に記載のものが挙
げられる。本発明において好ましいマット剤の平均粒径
は、20μm以下であり、特に1〜10μmの範囲であ
る。本発明において好ましいマット剤の添加量は、5〜
400mg/m2、特に10〜200mg/m2の範囲で
ある。本発明の感光材料の表面粗さは、乳剤層を有する
面およびその反対面の最外層表面の少なくとも一方、好
ましくは両方のベック平滑度が、4000秒以下であ
り、より好ましくは10秒〜4000秒である。ベック
平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119およびT
APPI標準法T479により容易に求めることができ
る。
【0200】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
塗布乾燥時におけるマット剤の沈み込み、或いは、自動
搬送・露光・現像時等の取り扱いにおける圧力増減感、
カールバランス、耐傷性向上、耐接着性向上等の目的
で、コロイド状無機粒子をハロゲン化銀乳剤層、中間
層、保護層、バック層、バック保護層等に用いることが
できる。好ましいコロイド状無機粒子としては、特開平
10−268464号公報段落番号0008および00
14記載の細長い形状のシリカ粒子、コロイド状シリ
カ、日産化学工業(株)製のパールスライク(パールネ
ックレス状)コロイダルシリカ:「Snowtex−P
S」などが挙げられる。
【0201】本発明に用いられるコロイド状無機粒子の
使用量は添加すべき層のバインダー(例、ゼラチン)に
対して、乾燥質量比で、0.01〜2.0で、好ましく
は0.1〜0.6である。
【0202】本発明において、圧力増減感改良等の目的
で、特開平3−39948号公報第10頁右下11行目
から同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒドロキシ
ベンゼン化合物を用いることが好ましい。具体的には、
同公報に記載の化合物(III)−1〜25の化合物が挙
げられる。
【0203】本発明において、脆性、寸度安定性、圧力
増減感等の改良の目的で、ポリマーラテックスを用いる
ことができる。ポリマーラテックスとしては、米国特許
第2,763,652号明細書、同2,852,382
号明細書、特開昭64−538号公報、同62−115
152号公報、特開平5−66512号公報、同5−8
0449号公報、特公昭60−15935号公報、特公
平6−64058号公報、同5−45014号公報など
に記載のアルキルアクリレート、アルキルメタクリレー
トなどの種々のモノマーからなるポリマーラテックス、
特公昭45−5819号公報、同46−22507号公
報、特開昭50−73625号公報、特開平7−152
112号公報、特開平8−137060号公報などに記
載の活性メチレン基を有するモノマーとアルキルアクリ
レートなどのモノマーと共重合したポリマーラテックス
などが挙げられる。特に好ましくは、特開平8−248
548号公報、特開平8−208767号公報、特開平
8−220669号公報などに記載のシェル部に活性メ
チレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーからなる
繰り返し単位を有するコア/シェル構造を有するポリマ
ーラテックスである。これらのシェル部に活性メチレン
基を有するコア/シェル構造のポリマーラテックスは、
写真感光材料のウェット膜強度を低下せずに、脆性、寸
度安定性、感光材料同志などの接着のし難さなどの特性
が向上し、また、ラテックス自身の剪断安定性の向上が
得られる。ポリマーラテックスの使用量は、添加すべき
層のバインダー(例:ゼラチン)に対して乾燥質量比
で、0.01〜4.0が好ましく、0.1〜2.0がよ
り好ましい。
【0204】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
保存性、圧力増減感改良等の目的で塗膜のpHを低下さ
せるために、特開平7−104413号公報第14頁左
1行目から同頁右30行目に記載の酸性ポリマーラテッ
クスを用いることが好ましい。具体的には同公報15頁
に記載の化合物II−1)〜II−9)、特開平2−103
536号公報第18頁右下6行目から同公報19頁左上
1行目に記載の酸基を有する化合物を挙げることができ
る。ハロゲン化銀乳剤層を有する側の塗布膜のpHは、
6〜4が好ましい。
【0205】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
構成層の少なくとも一層が表面抵抗率が25℃相対湿度
25%の雰囲気下で1012Ω以下の導電性層を有するこ
とができる。本発明に用いられる導電性物質としては、
特開平2−18542号公報第2頁左下13行目から同
公報第3頁右上7行目に記載の導電性物質を挙げること
ができる。具体的には、同公報第2頁右下2行目から同
頁右下10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記
載の化合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物、米国
特許第5,575,957号明細書、特開平10−14
2738号公報段落番号0034〜0043、特開平1
1−223901号公報段落番号0013〜0019に
記載の針状の金属酸化物等が用いることができる。
【0206】本発明において、前記導電性物質のほか
に、特開平2−18542号公報第4頁右上2行目から
第4頁右下下から3行目、特開平3−39948号公報
第12頁左下6行目から同公報第13頁右下5行目に記
載の含フッ素界面活性剤を併用することによって、更に
良好な帯電防止性を得ることができる。
【0207】本発明において、ハロゲン化銀乳剤層また
はその他の親水性コロイド層には、塗布助剤、添加剤の
分散・可溶化剤、滑性向上、接着防止および写真特性改
良(例えば、現像促進、硬調化、増感、保存性)等の目
的で、種々の界面活性剤を用いることができる。例え
ば、特開平2−12236号公報第9頁右上7行目から
同頁右下3行目に記載の界面活性剤、特開平2−103
536号公報第18頁左下4行目から同頁左下7行目に
記載のPEG系界面活性剤、具体的には、同公報に記載
の化合物VI−1〜VI−15の化合物、特開平2−1
8542号公報第4頁右上2行目から第4頁右下下から
3行目、特開平3−39948号公報第12頁左下6行
目から同公報第13頁右下5行目に記載の含フッ素界面
活性剤を挙げることができる。
【0208】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
自動搬送機における搬送性、耐傷性、圧力増減感特性等
の改良の目的で、種々の滑り剤を用いることができる。
例えば、特開平2−103536号公報第19頁左上1
5行目から同公報19頁右上15行目、特開平4−21
4551号公報段落番号0006〜0031に記載の滑
剤を挙げることができる。
【0209】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
塗膜の可塑剤として、特開平2−103536号公報第
19頁左上12行目から同公報19頁右上15行目に記
載の化合物を含有することができる。
【0210】本発明において、親水性バインダーの架橋
剤として、特開平2−103536号公報第18頁右上
5行目から同頁右上17行目、特開平5−297508
号公報段落番号0008〜0011に記載の化合物を用
いることができる。本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の乳剤層及び保護層を含めた親水性コロイド層の膨潤率
は50〜200%の範囲が好ましく、より好ましくは7
0〜180%の範囲である。親水性コロイド層の膨潤率
は、ハロゲン化銀写真感光材料における乳剤層及び保護
層を含めた親水性コロイド層の厚み(d0)を測定し、
該ハロゲン化銀写真感光材料を25℃の蒸留水に1分間
浸漬し、膨潤した厚み(△d)を測定し、膨潤率(%)
=△d÷d0×100の計算式によって求める。
【0211】本発明において、ハロゲン化銀感光材料の
塗布後乾燥する際の乾燥、乾燥後にロール状に巻き取ら
れるときの環境、加工、熱処理等は、特開平10−26
8464号公報段落番号0026〜0032に記載の方
法で行うことが好ましい。
【0212】本発明において、塗布後の感光材料に、塗
布から現像処理までの任意の時点で加熱熱処理をされる
ことが好ましい。加熱処理は、塗布直後から引き続いて
行っても良いし、ある期間が経過してから行っても良い
が、短期間、例えば1日以内で加熱処理に入ることが好
ましい。加熱処理は主に現像処理に耐えうる膜強度にす
るための硬膜反応促進の為であり、加熱処理条件は、硬
膜剤の種類やその添加量、膜pH、所要する膜強度等に
よって適宜決定しなければならないが、30〜60℃が
好ましく、より好ましくは35℃〜50℃である。加熱
処理の期間は30分〜10日間が好ましい。
【0213】本発明においては、感光材料中に造核促進
剤としてアミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド誘導
体またはヒドロキシメチル誘導体を内蔵することが好ま
しい。本発明に用いられる造核促進剤の例として、特開
平7−77783号公報48頁2行〜37行に記載の化
合物で、具体的には49頁〜58頁に記載の化合物A−
1)〜A−73)、特開平7−84331号公報に記載
の(化21)、(化22)および(化23)で表される
化合物で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合
物、特開平7−104426号公報に記載の一般式〔N
a〕および一般式〔Nb〕で表される化合物で、具体的
には同公報16頁〜20頁に記載のNa−1〜Na−2
2の化合物およびNb−1〜Nb−12の化合物、特開
平8−272023号公報に記載の一般式(1)、一般
式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式
(5)、一般式(6)および一般式(7)で表される化
合物で、具体的には同明細書に記載の1−1〜1−19
の化合物、2−1〜2−22の化合物、3−1〜3−3
6の化合物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5−4
1の化合物、6−1〜6−58の化合物、および7−1
〜7−38の化合物、特開平9−297377号公報の
p55,カラム108の8行〜p69,カラム136の
44行までに記載の造核促進剤を挙げることができる。
【0214】本発明に用いられる造核促進剤の代表的具
体例を以下に示す。但し、本発明で用いることができる
造核促進剤は以下の化合物に限定されるものではない。
【0215】
【化57】
【0216】
【化58】
【0217】造核促進剤は、適当な水混和性有機溶媒、
例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパ
ノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用い
ることができる。また、既によく知られている乳化分散
法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォス
フェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチル
フタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作製して用いることができる。あるいは固体分散法と
して知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水
の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によ
って分散し用いることができる。
【0218】造核促進剤は、支持体に対してハロゲン化
銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層、あるいは他の親水
性コロイド層のどの層に添加してもよいが、該ハロゲン
化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイド層に
添加することが好ましい。造核促進剤の添加量はハロゲ
ン化銀1molに対し1×10-6〜2×10-2molが
好ましく、1×10-5〜2×10-2molがより好まし
く、2×10-5〜1×10-2molが最も好ましい。ま
た、2種類以上の造核促進剤を併用して使用することも
できる。
【0219】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる各種添加剤に関しては、特に制限はなく、例えば
下記箇所に記載されたものを好ましく用いることができ
る。
【0220】例えば、特開平3−39948号公報第1
0頁右下11行目から同公報第12頁左下5行目に記載
のポリヒドロキシベンゼン化合物、具体的には、同公報
に記載の化合物(III)−1〜25の化合物を用いるこ
とができる。
【0221】また、特開平1−118832号公報に記
載の一般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極
大を持たない化合物、具体的には、同公報に記載の化合
物I−1〜I−26の化合物を用いることができる。ま
た、特開平2−103536号公報第17頁右下19行
目から同公報18頁右上4行目に記載のカブリ防止剤を
用いることができる。
【0222】特開平2−103536号公報第18頁左
下12行目から同頁左下20行目に記載のポリマーラテ
ックス。特開平9−179228号公報に記載の一般式
(I)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスで、具体的には同明細書に記載の化合物I−1〜
I−16、特開平9−179228号公報に記載のコア
/シェル構造を有するポリマーラテックスで、具体的に
は同明細書に記載の化合物P−1〜P−55、特開平7
−104413号公報第14頁左1行目から同頁右30
行目に記載の酸性ポリマーラテックスで、具体的には同
公報15頁に記載の化合物II−1)〜II−9)も用
いることができる。
【0223】さらに、特開平2−103536号公報第
19頁左上15行目から同公報19頁右上15行目に記
載のマット剤、滑り剤、可塑剤を用いることができる。
【0224】特開平2−103536号公報第18頁右
上5行目から同頁右上17行目に記載の硬膜剤を用いる
ことができる。
【0225】特開平2−103536号公報第18頁右
下6行目から同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有
する化合物を用いることができる。
【0226】特開平2−18542号公報第2頁左下1
3行目から同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物
質、具体的には、同公報第2頁右下2行目から同頁右下
10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化
合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物を用いること
ができる。
【0227】特開平2−103536号公報第17頁右
下1行目から同頁右上18行目に記載の水溶性染料を用
いることができる。
【0228】特開平9−179243号公報記載の一般
式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一
般式(FA3)で表される固体分散染料、具体的には同
公報記載の化合物F1〜F34、特開平7−15211
2号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−
152112号公報記載の(III−5)〜(III−1
8)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)
〜(IV−7)。特開平2−294638号公報及び特開
平5−11382号公報に記載の固体分散染料を用いる
ことができる。
【0229】特開平2−12236号公報第9頁右上7
行目から同頁右下3行目に記載の界面活性剤。特開平2
−103536号公報第18頁左下4行目から同頁左下
7行目に記載のPEG系界面活性剤、特開平3−399
48号公報第12頁左下6行目から同公報第13頁右下
5行目に記載の含フッ素界面活性剤、具体的には、同公
報に記載の化合物VI−1〜VI−15の化合物を用いるこ
とができる。
【0230】特開平5−274816号公報に記載の酸
化されることにより現像抑制剤を放出しうるレドックス
化合物、好ましくは同公報に記載の一般式(R−1)、
一般式(R−2)、一般式(R−3)で表されるレドッ
クス化合物、具体的には、同公報に記載の化合物R−1
〜R−68の化合物を用いることができる。
【0231】特開平2−18542号公報第3頁右下1
行目から20行目に記載のバインダーを用いることがで
きる。
【0232】以下に本発明のハロゲン化銀写真感光材料
に用いる現像液、定着液などの処理剤および処理方法等
について述べるが、言うまでもなく本発明は以下の記述
および具体例に限定されるものではない。
【0233】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理には、公知の方法のいずれを用いることもできる
し、現像処理液には公知のものを用いることができる。
【0234】本発明に使用する現像液(以下、現像開始
液および現像補充液の双方をまとめて現像液という。)
に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキ
シベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノ
ンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独使用で
も併用でも良い。特に、ジヒドロキシベンゼン系現像主
薬およびこれと超加成性を示す補助現像主薬を含有する
ことが好ましく、ジヒドロキシベンゼン類やアスコルビ
ン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリドン類の組み
合わせ、またはジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン
酸誘導体とp−アミノフェノール類の組み合わせなどを
挙げることができる。本発明に用いる現像主薬として
は、ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイド
ロキノンが好ましい。またアスコルビン酸誘導体現像主
薬としては、アスコルビン酸およびイソアスコルビン酸
とそれらの塩があるが、特にエリソルビン酸ナトリウム
が素材コストの点から好ましい。
【0235】本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾ
リドンまたはその誘導体の現像主薬としては、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4、4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
本発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬として
N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、N−(β−ヒドロキシフェニル)−p−アミノフ
ェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、
o−メトキシ−p−(N,N−ジメチルアミノ)フェノ
ール、o−メトキシ−p−(N−メチルアミノ)フェノ
ールなどがあるが、なかでもN−メチル−p−アミノフ
ェノール、または特開平9−297377号公報および
特開平9−297378号公報に記載のアミノフェノー
ル類が好ましい。
【0236】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常
0.05〜0.8mol/Lの量で用いられるのが好ま
しい。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3
−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノール類の組
み合わせを用いる場合には前者を0.05〜0.6mo
l/L、好ましくは0.10〜0.5mol/L、後者
を0.06mol/L以下、好ましくは0.03〜0.
003mol/Lの量で用いるのが好ましい。
【0237】アスコルビン酸誘導体現像主薬は、通常
0.01〜0.5mol/Lの量で用いられるのが好ま
しく、0.05〜0.3mol/Lがより好ましい。ま
たアスコルビン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン類もしくはp−アミノフェノール類の組み合わせを
用いる場合にはアスコルビン酸誘導体を0.01〜0.
5mol/L、1−フェニル−3−ピラゾリドン類もし
くはp−アミノフェノール類を0.005〜0.2mo
l/Lの量で用いるのが好ましい。
【0238】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
する際の現像液には、通常用いられる添加剤(例えば現
像主薬、アルカリ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤
等)を含有することができる。以下にこれらの具体例を
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する際の現
像液に用いられる緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62
−186259号公報に記載のほう酸、特開昭60−9
3433号公報に記載の糖類(例えばサッカロース)、
オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノール類
(例えば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(例え
ばナトリウム塩、カリウム塩)などが用いられ、好まし
くは炭酸塩、ほう酸を挙げることができる。緩衝剤、特
に炭酸塩の使用量は、好ましくは0.05mol/L以
上、特に0.08〜1.0mol/Lである。
【0239】本発明においては、現像開始液及び現像補
充液の双方が、「該液1リットルに0.1molの水酸
化ナトリウムを加えたときのpH上昇が0.2〜1.
5」の性質を有することが好ましい。使用する現像開始
液ないし現像補充液がこの性質を有することを確かめる
方法としては、試験する現像開始液ないし現像補充液の
pHを10.5に合わせ、ついでこの液1リットルに水
酸化ナトリウムを0.1mol添加し、この時の液のp
H値を測定し、pH値の上昇が0.2〜1.5であれば
上記に規定した性質を有すると判定する。本発明では特
に、上記試験を行った時のpH値の上昇が0.3〜1.
0である現像開始液及び現像補充液を用いることが好ま
しい。
【0240】本発明に用いられる保恒剤としては亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸
アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリ
ウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがあ
る。亜硫酸塩は好ましくは0.2mol/L以上、特に
0.3mol/L以上用いられるが、あまりに多量添加
すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.
2mol/Lとするのが望ましい。特に好ましくは、
0.35〜0.7mol/Lである。ジヒドロキシベン
ゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用して前
記のアスコルビン酸誘導体を少量使用することが好まし
い。なかでも素材コストの点からエリソルビン酸ナトリ
ウムを用いることが好ましい。添加量はジヒドロキシベ
ンゼン系現像主薬に対して、mol比で0.03〜0.
12の範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.
10の範囲である。保恒剤としてアスコルビン酸誘導体
を使用する場合には現像液中にホウ素化合物を含まない
ことが好ましい。
【0241】上記以外に用いられる添加剤としては、臭
化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドのような有機溶剤、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアル
カノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現
像促進剤、ヘテロ環メルカプト化合物(例えば3−(5
−メルカプトテトラゾール−1−イル)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾールなど)、特開昭62−212651号公報に記載
の化合物を物理現像ムラ防止剤として添加することもで
きる。また、メルカプト系化合物、インダゾール系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール
系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(blackpe
pper)防止剤として含んでも良い。具体的には、5
−ニトロインダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミ
ノインダゾール、1−メチル−5−ニトロインダゾー
ル、6−ニトロインダゾール、3−メチル−5−ニトロ
インダゾール、5−ニトロベンゾイミダゾール、2−イ
ソプロピル−5−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニト
ロベンゾトリアゾール、4−((2−メルカプト−1,
3,4−チアジアゾール−2−イル)チオ)ブタンスル
ホン酸ナトリウム、5−アミノ−1,3,4−チアジア
ゾール−2−チオール、メチルベンゾトリアゾール、5
−メチルベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾト
リアゾールなどを挙げることができる。これらの添加剤
の量は、通常現像液1リットルあたり0.01〜10m
molであり、より好ましくは0.1〜2mmolであ
る。
【0242】さらに現像液中には各種の有機、無機のキ
レート剤を単独または併用で用いることができる。無機
キレート剤としては、例えば、テトラポリリン酸ナトリ
ウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどを用いることが
できる。一方、有機キレート剤としては、主に有機カル
ボン酸、アミノポリカルボン酸、有機ホスホン酸、アミ
ノホスホン酸および有機ホスホノカルボン酸を用いるこ
とができる。有機カルボン酸としては、例えば、アクリ
ル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グ
ルコン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アシエライン酸、
セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン
酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン
酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などを挙げることがで
きる。
【0243】アミノポリカルボン酸としては、例えば、
イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン
酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、
1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジ
アミノ−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号公
報、同55−67747号公報、同57−102624
号公報、および特公昭53−40900号公報に記載の
化合物を挙げることができる。
【0244】有機ホスホン酸としては、例えば、米国特
許第3,214,454号明細書、同第3,794,5
91号明細書および西独特許公開第2227369号公
報等に記載のヒドロキシアルキリデン−ジホスホン酸や
リサーチ・ディスクロージャー第181巻,Item
18170(1979年5月号)等に記載の化合物が挙
げられる。アミノホスホン酸としては、例えば、アミノ
トリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテト
ラメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸
等が挙げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロー
ジャー18170、特開昭57−208554号公報、
同54−61125号公報、同55−29883号公
報、同56−97347号公報等に記載の化合物を挙げ
ることができる。
【0245】有機ホスホノカルボン酸としては、例え
ば、特開昭52−102726号公報、同53−427
30号公報、同54−121127号公報、同55−4
024号公報、同55−4025号公報、同55−12
6241号公報、同55−65955号公報、同55−
65956号公報および前述のリサーチ・ディスクロー
ジャー18170等に記載の化合物を挙げることができ
る。
【0246】これらの有機および/または無機のキレー
ト剤は、前述のものに限定されるものではない。また、
アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用しても良
い。これらのキレート剤の添加量としては、現像液1リ
ットルあたり好ましくは、1×10-4〜1×10-1mo
l、より好ましくは1×10-3〜1×10-2molであ
る。
【0247】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
例えば特開昭56−24347号公報、特公昭56−4
6585号公報、特公昭62−2849号公報、特開平
4−362942号公報、特開平8−6215号公報に
記載の化合物の他、メルカプト基を1つ以上有するトリ
アジン(例えば特公平6−23830号公報、特開平3
−282457号公報、特開平7−175178号公報
に記載の化合物)、同ピリミジン(例えば2−メルカプ
トピリミジン、2,6−ジメルカプトピリミジン、2,
4−ジメルカプトピリミジン、5,6−ジアミノ−2,
4−ジメルカプトピリミジン、2,4,6−トリメルカ
プトピリミジン、特開平9−274289号公報記載の
化合物など)、同ピリジン(例えば2−メルカプトピリ
ジン、2,6−ジメルカプトピリジン、3,5−ジメル
カプトピリジン、2,4,6−トリメルカプトピリジ
ン、特開平7−248587号公報に記載の化合物な
ど)、同ピラジン(例えば2−メルカプトピラジン、
2,6−ジメルカプトピラジン、2,3−ジメルカプト
ピラジン、2,3,5−トリメルカプトピラジンな
ど)、同ピリダジン(例えば3−メルカプトピリダジ
ン、3,4−ジメルカプトピリダジン、3,5−ジメル
カプトピリダジン、3,4,6−トリメルカプトピリダ
ジンなど)、特開平7−175177号公報に記載の化
合物、米国特許5,457,011号明細書に記載のポ
リオキシアルキルホスホン酸エステルなどを用いること
ができる。これらの銀汚れ防止剤は単独または複数の併
用で用いることができ、添加量は現像液1Lあたり0.
05〜10mmolが好ましく、0.1〜5mmolが
より好ましい。また、溶解助剤として特開昭61−26
7759号公報記載の化合物を用いることができる。さ
らに必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤
等を含んでも良い。
【0248】現像液の好ましいpHは9.0〜11.0
であり、特に好ましくは9.6〜11.0の範囲であ
る。pH調整に用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機
アルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)を用いること
ができる。
【0249】使用される現像液の比重が高すぎると、露
光された感光材料の黒化部の濃度が低くなる傾向があ
る。使用される現像液の好ましい比重としては、1.1
00以下であり、より好ましくは1.020〜1.10
0であり、さらに好ましくは1.040〜1.100で
ある。
【0250】現像液のカチオンとしては、ナトリウムイ
オンに比べてカリウムイオンの方が現像抑制をせず、ま
たフリンジと呼ばれる黒化部のまわりのギザギザが少な
い。さらに、濃縮液として保存する場合には一般にカリ
ウム塩のほうが溶解度が高く好ましい。しかしながら、
定着液においてはカリウムイオンは銀イオンと同程度に
定着阻害をすることから、現像液のカリウムイオン濃度
が高いと、感光材料により現像液が持ち込まれることに
より定着液中のカリウムイオン濃度が高くなり、好まし
くない。以上のことから現像液におけるカリウムイオン
とナトリウムイオンのmol比率は20:80〜80:
20の間であることが好ましい。カリウムイオンとナト
リウムイオンの比率は、pH緩衝剤、pH調整剤、保恒
剤、キレート剤などの対カチオンで、上記の範囲で任意
に調整できる。
【0251】現像液の補充量は、感光材料1m2につき
390ミリリットル以下であり、325〜30ミリリッ
トルが好ましく、250〜120ミリリットルが最も好
ましい。現像補充液は、現像開始液と同一の組成および
/または濃度を有していても良いし、開始液と異なる組
成および/または濃度を有していても良い。
【0252】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜かえることができるが、一般には約0.7〜
約3.0mol/Lである。
【0253】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
も良く、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それには例
えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、
硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウム、乳
酸アルミニウムなどがある。これらは使用液におけるア
ルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.15mo
l/Lで含まれることが好ましい。なお、定着液を濃縮
液または固形剤として保存する場合、硬膜剤などを別パ
ートとした複数のパーツで構成しても良いし、すべての
成分を含む一剤型の構成としても良い。
【0254】定着処理剤には所望により保恒剤(例えば
亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.01
5mol/L以上、好ましくは0.02mol/L〜
0.3mol/L)、pH緩衝剤(例えば酢酸、酢酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン
酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1mol/L〜1
mol/L、好ましくは0.2mol/L〜0.7mo
l/L)、アルミニウム安定化能や硬水軟化能のある化
合物(例えばグルコン酸、イミノジ酢酸、5−スルホサ
リチル酸、グルコヘプタン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、安息香
酸、サリチル酸、タイロン、アスコルビン酸、グルタル
酸、アスパラギン酸、グリシン、システイン、エチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸やこれらの誘導体およ
びこれらの塩、糖類などを0.001mol/L〜0.
5mol/L、好ましくは0.005mol/L〜0.
3mol/L)を含むことができが、近年の環境保護の
点からホウ素系化合物は含まない方が良い。
【0255】このほか、特開昭62−78551号公報
に記載の化合物、pH調整剤(例えば水酸化ナトリウ
ム、アンモニア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定
着促進剤等も含むことができる。界面活性剤としては、
例えば硫酸化物スルホン酸化物などのアニオン界面活性
剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6840
号公報記載の両性界面活性剤が挙げられ、公知の消泡剤
を使用することもできる。湿潤剤としては、アルカノー
ルアミン、アルキレングリコール等がある。定着促進剤
としては、特開平6−308681号公報に記載のアル
キルおよびアリル置換されたチオスルホン酸およびその
塩や、特公昭45−35754号公報、同58−122
535号公報、同58−122536号公報記載のチオ
尿素誘導体、分子内に3重結合を有するアルコール、米
国特許第4,126,459号明細書記載のチオエーテ
ル化合物、特開昭64−4739号公報、特開平1−4
739号公報、同1−159645号公報および同3−
101728号公報に記載のメルカプト化合物、同4−
170539号公報に記載のメソイオン化合物、チオシ
アン酸塩を含むことができる。
【0256】本発明における定着液のpHは、4.0以
上が好ましく、より好ましくは4.5〜6.0を有す
る。定着液は処理により現像液が混入してpHが上昇す
るが、この場合、硬膜定着液では6.0以下好ましくは
5.7以下であり、無硬膜定着液においては7.0以下
好ましくは6.7以下である。
【0257】定着液の補充量は、感光材料1m2につき
500ミリリットル以下であり、390ミリリットル以
下が好ましく、320〜80ミリリットルがより好まし
い。補充液は、開始液と同一の組成および/または濃度
を有していても良いし、開始液と異なる組成および/ま
たは濃度を有していても良い。
【0258】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、例えば富士写真フイルム(株)製FS−2000
などがある。また、活性炭などの吸着フィルターを使用
して、色素などを除去することも好ましい。
【0259】本発明における現像および定着処理剤が液
剤の場合、例えば特開昭61−73147に記載された
ような、酸素透過性の低い包材で保管することが好まし
い。さらにこれらの液が濃縮液の場合、所定の濃度にな
るように、濃縮液1部に対して水0.2〜3部の割合で
希釈して使用される。
【0260】本発明における現像処理剤及び定着処理剤
は固形にしても液剤同様の結果が得られるが、以下に固
形処理剤に関する記述を行う。本発明における固形剤
は、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コ
ンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状な
ど)が使用できる。これらの固形剤は、接触して互いに
反応する成分を分離するために、水溶性のコーティング
剤やフィルムで被覆しても良いし、複数の層構成にして
互いに反応する成分を分離しても良く、これらを併用し
ても良い。
【0261】被覆剤、造粒助剤には公知のものが使用で
きるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物が好まし
い。この他、特開平5−45805号公報カラム2の4
8行〜カラム3の13行目が参考にできる。
【0262】複数の層構成にする場合は、接触しても反
応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成
にして錠剤やブリケット等に加工しても良いし、公知の
形態の成分を同様の層構成にして包装しても良い。これ
らの方法は、例えば特開昭61−259921号公報、
同4−16841号公報、同4−78848号公報、同
5−93991号公報等に示されている。
【0263】固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g
/cm3が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/c
3が好ましく、顆粒は0.5〜1.5g/cm3が好ま
しい。
【0264】本発明における固形処理剤の製法は、公知
のいずれの方法を用いることができる。例えば、特開昭
61−259921号公報、特開平4−15641号公
報、特開平4−16841号公報、同4−32837号
公報、同4−78848号公報、同5−93991号公
報、特開平4−85533号公報、同4−85534号
公報、同4−85535号公報、同5−134362号
公報、同5−197070号公報、同5−204098
号公報、同5−224361号公報、同6−13860
4号公報、同6−138605号公報、同8−2863
29号公報等を参考にすることができる。
【0265】より具体的には転動造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、解砕造粒法、撹拌造粒法、スプレード
ライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコ
ンパクティング法等を用いることができる。
【0266】本発明における固形剤は、表面状態(平
滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のド
ーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。
さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶
解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形
状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の
異なる多層の造粒物でも良い。
【0267】固形剤の包材は、酸素および水分透過性の
低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状な
どの公知のものが使用できる。また、特開平6−242
585号公報〜同6−242588号公報、同6−24
7432号公報、同6−247448号公報、同6−3
01189号公報、同7−5664号公報、同7−56
66号公報〜同7−5669号公報に開示されているよ
うな折り畳み可能な形状にすることも、廃包材の保管ス
ペース削減のためには好ましい。これらの包材は、処理
剤の取り出し口にスクリューキャップや、プルトップ、
アルミシールをつけたり、包材をヒートシールしてもよ
いが、このほかの公知のものを使用しても良く、特に限
定はしない。さらに環境保全上、廃包材をリサイクルま
たはリユースすることが好ましい。
【0268】本発明の固形処理剤の溶解および補充の方
法としては特に限定はなく、公知の方法を使用すること
ができる。これらの方法としては例えば、撹拌機能を有
する溶解装置で一定量を溶解し補充する方法、特開平9
−80718号公報に記載されているような溶解部分と
完成液をストックする部分とを有する溶解装置で溶解
し、ストック部から補充する方法、特開平5−1194
54号公報、同6−19102号公報、同7−2613
57号公報に記載されているような自動現像機の循環系
に処理剤を投入して溶解・補充する方法、溶解槽を内蔵
する自動現像機で感光材料の処理に応じて処理剤を投入
し溶解する方法などがあるが、このほかの公知のいずれ
の方法を用いることもできる。また処理剤の投入は、人
手で行っても良いし、特開平9−138495号公報に
記載されているような開封機構を有する溶解装置や自動
現像機で自動開封、自動投入してもよく、作業環境の点
からは後者が好ましい。具体的には取り出し口を突き破
る方法、はがす方法、切り取る方法、押し切る方法や、
特開平6−19102号公報、同6−95331号公報
に記載の方法などがある。
【0269】現像、定着処理が済んだ感光材料は、つい
で水洗または安定化処理される(以下特に断らない限
り、安定化処理を含めて水洗といい、これらに使用する
液を、水または水洗水という)。水洗に使用される水
は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水でも安定化液で
もよい。これらの補充量は、一般的には感光材料1m2
あたり約17リットル〜約8リットルであるが、それ以
下の補充量で行うこともできる。特に3リットル以下の
補充量(0も含む。すなわち、ため水水洗)では、節水
処理が可能となるのみならず、自動現像機設置の配管を
不要とすることもできる。水洗を低補充量で行う場合
は、特開昭63−18350号公報、同62−2872
52号公報等に記載のスクイズローラー、クロスオーバ
ーローラーの洗浄槽を設けることがより好ましい。ま
た、少量水洗時に問題となる公害負荷低減や、水垢防止
のために種々の酸化剤(例えばオゾン、過酸化水素、次
亜塩素酸ナトリウム、活性ハロゲン、二酸化塩素、炭酸
ナトリウム過酸化水素塩など)添加やフィルター濾過を
組み合わせても良い。
【0270】水洗の補充量を少なくする方法として、古
くより多段向流方式(例えば2段、3段等)が知られて
おり、水洗補充量は感光材料1m2あたり200〜50
ミリリットルが好ましい。この効果は、独立多段方式
(向流にせず、多段の水洗槽に個別に新液を補充する方
法)でも同様に得られる。
【0271】さらに、本発明の方法で水洗工程に水垢防
止手段を施しても良い。水垢防止手段としては公知のも
のを使用することができ、特に限定はしないが、防ばい
剤(いわゆる水垢防止剤)を添加する方法、通電する方
法、紫外線または赤外線や遠赤外線を照射する方法、磁
場をかける方法、超音波処理する方法、熱をかける方
法、未使用時にタンクを空にする方法などがある。これ
らの水垢防止手段は、感光材料の処理に応じてなされて
も良いし、使用状況に関係なく一定間隔で行われても良
いし、夜間など処理の行われない期間のみ施しても良
い。またあらかじめ水洗水に施しておいて、これを補充
しても良い。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止
手段を行うことも、耐性菌の発生を抑える上では好まし
い。節水水垢防止装置としては、富士写真フイルム
(株)製装置AC−1000と水垢防止剤として富士写
真フイルム(株)製AB−5を用いても良く特開平11
−231485号公報の方法を用いても良い。防ばい剤
としては特に限定はなく公知のものが使用できる。前述
の酸化剤の他例えばグルタルアルデヒド、アミノポリカ
ルボン酸等のキレート剤、カチオン性界面活性剤、メル
カプトピリジンオキシド(例えば2−メルカプトピリジ
ン−N−オキシドなど)などがあり、単独使用でも複数
の併用でも良い。通電する方法としては、特開平3−2
24685号公報、同3−224687号公報、同4−
16280号公報、同4−18980号公報などに記載
の方法が使用できる。
【0272】このほか、水泡ムラ防止や汚れ転写防止の
ために、公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても
良い。また、感光材料から溶出した染料による汚染防止
に、特開昭63−163456号公報に記載の色素吸着
剤を水洗系に設置しても良い。
【0273】水洗工程からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号公報に記載さ
れているように、定着能を有する処理液に混合利用する
こともできる。また微生物処理(例えば硫黄酸化菌、活
性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多孔質担
体に担持させたフィルターによる処理等)や、通電や酸
化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求量(B
OD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費量等を
低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリマーを
用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等の難溶
性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降させてフ
ィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を低下させる
ことも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0274】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号公
報、同2−132435号公報、同1−102553号
公報、特開昭46−44446号公報に記載の化合物を
含有した浴を感光材料の最終浴として使用しても良い。
この安定浴にも必要に応じてアンモニウム化合物、B
i、Al等の金属化合物、蛍光増白剤、各種キレート
剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防ばい剤、アルカ
ノールアミンや界面活性剤を加えることもできる。
【0275】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0276】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は焼却処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液は例えば特公平7−83867号公
報、米国特許第5,439,560号明細書等に記載さ
れているような濃縮装置で濃縮液化または固化させてか
ら処分することも可能である。
【0277】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の開口面積を小さくして液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機につい
ては米国特許第3,025,779号明細書、同第3,
545,971号明細書などに記載されており、本明細
書においては単にローラー搬送型自動現像機として言及
する。この自現機は現像、定着、水洗および乾燥の四工
程からなっており、本発明の方法も、他の工程(例えば
停止工程)を除外しないが、この四工程を踏襲するのが
最も好ましい。さらに、現像定着間および/または定着
水洗間にリンス浴を設けても良い。
【0278】本発明の現像処理では、処理開始から乾燥
後まで(dry to dry)で25〜160秒が好
ましく、現像および定着時間が40秒以下、好ましくは
6〜35秒、各液の温度は25〜50℃が好ましく、3
0〜40℃が好ましい。水洗の温度および時間は0〜5
0℃で40秒以下が好ましい。本発明の方法によれば、
現像、定着および水洗された感光材料は水洗水を絞りき
る、すなわちスクイズローラーを経て乾燥しても良い。
乾燥は約40〜約100℃で行われ、乾燥時間は周囲の
状態によって適宜かえられる。乾燥方法は公知のいずれ
の方法も用いることができ特に限定はないが、温風乾燥
や、特開平4−15534号公報、同5−2256号公
報、同5−289294号公報に開示されているような
ヒートローラー乾燥、遠赤外線による乾燥などがあり、
複数の方法を併用しても良い。
【0279】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴
をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨
を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。
【0280】 実施例1 <乳剤Aの調製> 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g 2液 水 300ml 硝酸銀 150g 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム (0.005%、KCl20%水溶液) 5ml ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム (0.001%、NaCl20%水溶液) 7ml 3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリ
ウム(0.005%、KClの20%水溶液)およびヘ
キサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001%、N
aClの20%水溶液)は、粉末をそれぞれKClの2
0%水溶液、NaClの20%水溶液に溶解し、40℃
で120分間加熱して調製した。
【0281】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加
え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間に
わたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、
ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成
を終了した。 4液 水 100ml 硝酸銀 50g 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g 黄血塩 5mg その後、常法にしたがってフロキュレーション法によっ
て水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、下記に
示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハ
ロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた。(pH3.2
±0.2の範囲であった)次に上澄み液を約3L除去し
た(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、ハ
ロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液
を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさ
らに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了
した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、p
H5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスルホ
ン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナ
トリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金
酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学
増感を施し、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、
防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,L
td.製)100mgを加えた。最終的に塩化銀を70
mol%、沃化銀を0.08mol%含む平均粒子径
0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子
乳剤を得た。(最終的に乳剤として、pH=5.7、p
Ag=7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2〜
1.25x103kg/m3、粘度=50mPa・sとな
った。)
【0282】 <乳剤Bの調製> 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 1g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g 2液 水 300ml 硝酸銀 150g 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム (0.005%、KCl20%水溶液) 5ml ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム (0.001%、NaCl20%水溶液) 15ml 3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリ
ウム(0.005%、KClの20%水溶液)およびヘ
キサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001%、N
aClの20%水溶液)は、粉末をそれぞれKClの2
0%水溶液、NaClの20%水溶液に溶解し、40℃
で120分間加熱して調製した。
【0283】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラアザインデン500mgを加え、
続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さら
に、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって
加え、0.18μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カ
リウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了し
た。 4液 水 100ml 硝酸銀 50g 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g 黄血塩 2mg その後、常法にしたがってフロキュレーション法によっ
て水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、下記に
示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハ
ロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた。(pH3.2
±0.2の範囲であった)次に上澄み液を約3L除去し
た(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、ハ
ロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液
を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさ
らに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了
した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、p
H5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスルホ
ン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナ
トリウム3mg、トリフェニルホスフィンセレニド2m
g、塩化金酸1mgを加え55℃にて最適感度を得るよ
うに化学増感を施し、安定剤として4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン10
0mg、防腐剤としてプロキセル100mgを加えた。
最終的に塩化銀を70mol%、沃化銀を0.08mo
l%含む平均粒子径0.18μm、変動係数10%のヨ
ウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。(最終的に乳剤とし
て、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS
/m、密度=1.2x103kg/m3、粘度=50mP
a・sとなった。)
【0284】<非感光性ハロゲン化銀粒子の調製>
【0285】 1液 水 1L ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg 2液 水 400ml 硝酸銀 100g 3液 水 400ml 塩化ナトリウム 13.5g 臭化カリウム 45.0g ヘキサクロロジウム(III)酸カリウム (0.001%水溶液) 860ml
【0286】70℃、pH4.5に保たれた1液と2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。
【0287】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下
げ、下記に示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸
を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた。
(pH3.2±0.2の範囲であった)次に上澄み液を
約3L除去した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加
えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。
再度上澄み液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と
同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱
塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45
gを加え、pH5.7、pAgを7.5に調整し、防腐
剤として、フェノキシエタノールを加え、最終的に平均
塩化銀を30mol%、沃化銀を0.08mol%含
む、平均粒子径0.45μm、変動係数10%の未後熟
ヨウ塩臭化銀立方体乳粒子の分散物を得た。(最終的に
乳剤として、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=
40μS/m、密度=1.3〜1.35x103kg/
3、粘度=50mPa・sとなった。)
【0288】
【化59】
【0289】<塗布試料の作製>下記に示す両面が塩化
ビニリデンを含む防湿層下塗りからなるポリエチレンテ
レフタレートフィルム支持体上に、UL層/乳剤層/保
護層下層/保護層上層の構成となるように塗布して試料
を作製した。以下に各層の調製方法、塗布量および塗布
方法を示す。
【0290】<乳剤層>乳剤Aおよび乳剤BをAg量換
算で1:2の割合で混合し、増感色素(SD−1)5.
7×10-4mol/molAgを加えて分光増感を施し
た。さらに KBr 3.4×10-4mol/molAg 化合物(Cpd−1) 2.0×10-4mol/molAg 化合物(Cpd−2) 2.0×10-4mol/molAg 化合物(Cpd−3) 8.0×10-4mol/molAg 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン 1.2×10-4mol/molAg ハイドロキノン 1.2×10-2mol/molAg ジヒドロキシベンゼン化合物(表18に示す種類) 添加量は表18に示す クエン酸 3.0×10-4mol/molAg ヒドラジン誘導体(表18に示す種類) 1.5×10-4mol/molAg 造核促進剤(Cpd−4) 6.0×10-4mol/molAg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ −1,3,5−トリアジンナトリウム塩 90mg/m2 コロイダルシリカ(粒径10nm) ゼラチンに対して15質量% 水性ラテックス(Cpd−5) 100mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 メチルアクリレート と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩 と2−アセトキシエチルメタクリレートのラテックス共重合体 (質量比88:5:7) 150mg/m2 コアシェル型ラテックス (コア:スチレン/ブタジエン共重合体(質量比37/63) シェル:スチレン/2−アセトキシエチルアクリレート(質量比84/1 6) コア/シェル比=50/50) 150mg/m2 化合物(Cpd−6) ゼラチンに対し4質量% を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整
した。このようにして調製した乳剤層塗布液を下記支持
体上にAg量3.4g/m2、ゼラチン量1.47g/
2になるように塗布した。
【0291】 <保護層上層> ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmの不定形シリカマット剤 25mg/m2 化合物(Cpd−7)(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20nmのコロイダルシリカ (日産化学製、スノーテックスC) 30mg/m2 化合物(Cpd−8) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(Cpd−9) 20mg/m2 化合物(Cpd−10) 20mg/m2 防腐剤(ICI Co.,Ltd.製、プロキセル) 1mg/m2
【0292】 <保護層下層> ゼラチン 0.5g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子 塗布Ag量として 0.1g/m2 化合物(Cpd−11) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd−12) 3mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
【0293】 <UL層> ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 一般式(1)の化合物(表18に示す種類) 添加量は表18に示す 化合物(Cpd−6) 40mg/m2 化合物(Cpd−13) 10mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
【0294】なお、各層の塗布液は、下記構造式で表さ
れる増粘剤Zを加え、粘度調整した。
【0295】
【化60】
【0296】なお、本発明で使用したサンプルは下記組
成のバック層および導電層を有する。 <バック層> ゼラチン 3.3g/m2 化合物(Cpd−14) 40mg/m2 化合物(Cpd−15) 20mg/m2 化合物(Cpd−16) 90mg/m2 化合物(Cpd−17) 40mg/m2 化合物(Cpd−18) 26mg/m2 化合物(Cpd−19) 5mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子 (平均粒径6.5μm) 30mg/m2 流動パラフィン 78mg/m2 化合物(Cpd−6) 120mg/m2 硝酸カルシウム 20mg/m2 防腐剤(プロキセル) 12mg/m2
【0297】 <導電層> ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2/Sb(9/1質量比、平均粒子径0.25μ) 200mg/m2 防腐剤(プロキセル) 0.3mg/m2
【0298】
【化61】
【0299】
【化62】
【0300】
【化63】
【0301】<支持体>二軸延伸したポリエチレンテレ
フタレート支持体(厚さ100μm)の両面に下記組成
の下塗層第1層および第2層を塗布した。
【0302】 <下塗層1層> コア−シェル型塩化ビニリデン共重合体 15g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μ) 0.05g 化合物(Cpd−20) 0.20g コロイダルシリカ(日産化学(株)製、 スノーテックスZL、粒径70〜100nm) 0.12g 水を加えて 100g さらに、10質量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃2分間で、乾燥膜厚が0.
9μになる様に塗布した。
【0303】 <下塗層第2層> ゼラチン 1g メチルセルロース 0.05g 化合物(Cpd−21) 0.02g C1225OCH2CH2O()10H 0.03g プロキセル 3.5×10-3g 酢酸 0.2g 水を加えて 100g この塗布液を乾燥温度170℃2分間で、乾燥膜厚が
0.1μになる様に塗布した。
【0304】
【化64】
【0305】<塗布方法>上記下塗層を施した支持体上
に、まず乳剤面側として支持体に近い側よりUL層、乳
剤層、保護層下層、保護層上層の順に4層を、35℃に
保ちながらスライドビードコーター方式により硬膜剤液
を加えながら同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5
℃)を通過させた後、乳剤面とは反対側に支持体に近い
側より、導電層、バック層の順に、カーテンコーター方
式により硬膜剤液を加えながら同時重層塗布し、冷風セ
ットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセットゾーン
を通過した時点では、塗布液は充分なセット性を示し
た。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に下記乾燥条件
にて乾燥した。なお、バック面側を塗布した後、巻き取
りまではローラー、その他には一切無接触の状態で搬送
した。この時の塗布速度は200m/minであった。
【0306】<乾燥条件>セット後、水/ゼラチンの質
量比が800%となるまで30℃の乾燥風で乾燥し、8
00〜200%を35℃30%の乾燥風で乾燥させ、そ
のまま風を当て、表面温度34℃となった時点(乾燥終
了と見なす)より30秒後に、48℃2%の空気で1分
間乾燥した。この時、乾燥時間は乾燥開始〜水/ゼラチ
ン比800%までが50秒、800〜200%までが3
5秒、200%〜乾燥終了までが5秒である。
【0307】この感光材料を25℃55%で巻き取り、
35℃30%において72時間熱処理を行なった。次い
で25℃55%で裁断し、6時間調湿したバリアー袋
に、25℃50%で8時間調湿した後、25℃50%で
2時間調湿してある厚紙と共に密閉し、表18に示す試
料を作製した。また、比較のために巻き取り後の熱処理
を行なわない試料も作製した。
【0308】バリアー袋内の湿度を測定したところ45
%であった。また、得られた試料の乳剤層側の膜面pH
は5.5〜5.8,バック側の膜面pHは6.0〜6.
5であった。
【0309】評価は以下の方法で行なった。 [写真性の評価]得られた試料を、富士写真フイルム
(株)製のイメージセッターRC5600Vを使用して
175線/インチで光量を変えながらテストステップを
出力し、下記の処理条件で現像処理を行い、中間網点が
50%になるLV値で露光した際のDmax部を測定
し、実技濃度とした。なお、網%および実技濃度はMa
cbeth TD904を用いて測定した。
【0310】そして下記処方の現像液(A)および定着
液(B)を使用し、FG−680AG自動現像機(富士
写真フイルム(株)製)を用い、35℃30秒の現像条
件で処理した。
【0311】 現像液(A) 濃縮液1Lあたりの組成を示す。 水 600ml 水酸化カリウム 105.0g ジエチレントリアミン−五酢酸 6.0g 炭酸カリウム 120.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 120.0g 臭化カリウム 9.0g ハイドロキノン 75.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.12g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル −1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.35g 2−メルカプトベンツイミダゾール −5−スルホン酸ナトリウム 0.432g 4−(N−カルボキシメチル−N− メチルアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジン 0.18g 2−(N−カルボキシメチル−N− メチルアミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン 0.06g ジエチレングリコール 60.0g 水酸化カリウムを加えて、水を加えて1LとしpHを1
0.7に合わせるスタート液(母液)は上記液1に対し
て水3を加えた(pHは10.40)。補充液は上記液
1に対して水2を加えた(pHは10.45)。補充量
は大全(50.8×61.0cm)1枚当たり100m
l、または、1m2当たり323mlとした。
【0312】 定着液(B)処方 濃縮液1Lあたりの処方を示す。 チオ硫酸アンモニウム 360g エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.09g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 33.0g メタ亜硫酸ナトリウム 57.0g 水酸化ナトリウム 37.2g 酢酸(100%) 90.0g 酒石酸 8.7g グルコン酸ナトリウム 5.1g 硫酸アルミニウム 25.2g pH 4.85 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈する。使用液のpHは4.8である。
【0313】[疲労現像液での写真性評価]上記現像液
(A)で、1日あたり80%黒化のそれぞれのフィルム
サンプルを、大全サイズ(50.8cm×61cm)あ
たり使用液50ml補充しながら大全サイズ40枚処理
し、これを30日間連続して行うことにより、処理と経
時による疲労現像液を作製した。
【0314】上記のような疲労現像液を用いて、上記実
技濃度および網%の評価を行った。但し、LV値は現像
液(A)で処理した場合と同じ値で露光し、実技濃度お
よび網%の変化を評価した。
【0315】
【表18】
【0316】表18より、本発明の試料は、疲労現像液
で処理した場合の網%変動が少なく、処理安定性が良好
であることがわかる。また、化合物(1)を添加した試
料は疲労現像液で処理した場合の実技濃度低下が少な
く、さらに処理安定性が良好であることがわかる。
【0317】実施例2 実施例1と同様の実験を、現像剤は実施例1の処方を基
に、下記積層の順序でポリエチレン容器に細密充填した
固形現像剤(C)および固形定着剤(D)を用いて行っ
たところ、実施例1と同様に本発明の構成の試料が良好
な性能を示した。
【0318】
【0319】定着剤は、下記処方を現像剤と同じに充て
んしたものを使用した。 固形定着剤(D)処方 第一層 (NH4223/Na223/SS 160.0g 第二層 Na225 15.0g 第三層 無水酢酸ナトリウム 32.7g 第四層 エチレンジアミン四酢酸 0.03g コハク酸 3.3g 酒石酸 3.0g グルコン酸ナトリウム 1.8g 第五層 アンモニウム明バン 23.0g 使用液1LでのpH 4.80
【0320】実施例3 実施例1の現像液(A)の代わりに、下記現像液(E)
を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例
1と同様に本発明の構成のハロゲン化銀写真感光材料が
良好な性能を示した。
【0321】以下に現像液(E)の濃縮液1Lあたりの
組成を示す。 水 600ml 水酸化カリウム 96.0g ジエチレントリアミン−五酢酸 6.0g 炭酸カリウム 48.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 120.0g 臭化カリウム 9.0g ハイドロキノン 70.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.24g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.7g 2−メルカプトベンツチアゾール 0.18g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.06g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 40.0g 水酸化カリウムを加えて、水を加えて1LとしpHを1
0.8に合わせる 使用液は上記液1に対して水2を加えた(pHは10.
45)。補充量は大全(50.8×61.0cm)1枚
当たり100ml、または、1m2当たり323mlと
した。
【0322】実施例4 実施例1〜3において現像温度38℃、定着温度37
℃、現像時間20秒に設定して処理を行ったところ、実
施例1〜3と同様の結果となり、本発明の効果は失われ
ることはなかった。
【0323】実施例5 実施例1〜4において自動現像機を同社製FG−680
ASを用い、ハロゲン化銀写真感光材料の搬送速度を線
速1500mm/分に設定して同様の処理をしても、同
様の結果を得た。
【0324】実施例6 富士写真フイルム(株)製のラックスセッターRC−5
600Vを使用するかわりに、大日本スクリーン(株)
製のイメージセッターFT−R5055アグファゲバル
ト(株)製のセレクトセット5000、アバントラ2
5、もしくはアキュセット1000、サイテックス
(株)製のドレブ450、もしくはドレブ800、ハイ
デル(株)製のライノ630、クエーサー、ハーキュレ
スエリート、もしくはシグナセッター、もしくはLux
el F−9000、またはプレプレス(株)製のパン
サープロ62のいずれか1機種を用いて実施例1〜5と
同様の評価を行なったところ、本発明の構成を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料が同様に優れた効果を示した。
【0325】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、
高感度かつ高コントラストであり、現像液の補充量を低
減させた場合にも感度、コントラストおよび画像濃度な
どの写真特性が安定である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層と少なくとも1層のその他の親水性コロイド層
    を有し、前記の乳剤層またはその他の親水性コロイド層
    の少なくとも1層中に、少なくとも1種のヒドラジン誘
    導体を含有し、かつ、前記乳剤層またはその他の親水性
    コロイド層の少なくとも1層中に、ジヒドロキシベンゼ
    ンのスルホン酸またはその塩、およびジヒドロキシベン
    ゼンのカルボン酸またはその塩から選ばれる少なくとも
    1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。
  2. 【請求項2】 前記のジヒドロキシベンゼンのスルホン
    酸またはその塩、およびジヒドロキシベンゼンのカルボ
    ン酸またはその塩が、ハイドロキノンのモノスルホン酸
    またはその塩、およびハイドロキノンのモノカルボン酸
    またはその塩であることを特徴とする請求項1に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記の乳剤層またはその他の親水性コロ
    イド層の少なくとも1層中に下記一般式(1)で表され
    る化合物を含有することを特徴とする請求項1または2
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(1) 【化1】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、またはアル
    カリで開裂する保護基を表わす。R11、R12およびR13
    は同じでも異なっていてもよく、各々水素原子、置換ま
    たは無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール
    基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換または無置換のアル
    コキシ基、またはシアノ基を表わす。)
  4. 【請求項4】 前記のヒドラジン誘導体が下記一般式
    (2)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(2) 【化2】 (式中Arは芳香族基を表し、L21は電子吸引性基を有
    する2価の連結基を表し、Xはアニオン性基を表す。)
  5. 【請求項5】 前記のヒドラジン誘導体が下記一般式
    (3)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(3) 【化3】 (式中R31はジフルオロメチル基もしくはモノフルオロ
    メチル基を表わし、A31は芳香族基を表わす。)
  6. 【請求項6】 前記のヒドラジン誘導体が下記一般式
    (4)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(4) 【化4】 (式中、R41はアルキル基、アルケニル基、アルキニル
    基、アリール基または複素環基を表し、R42は水素原
    子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。R
    は水素原子またはブロック基を表す。L41はアルキレン
    基またはアルケニレン基を表す。ただし、R41−S−L
    41の部分に少なくとも2個の環を含むものとする。この
    各環は結合手および/または脂肪族基で結合されていて
    もよい。J41およびJ42は、各々連結基を表し、nは0
    または1を表す。Xは芳香族残基または複素環残基を表
    す。A41およびA42は共に水素原子であるか、または一
    方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル基またはオ
    キザリル基を表す。)
  7. 【請求項7】 前記のヒドラジン誘導体が下記一般式
    (5)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(5) 【化5】 (式中、R5はCOR51、SO252、SOR53、POR
    5455およびCOCOR 56からなる群から選択したアシ
    ル基を表し、R51およびR56の各々は独立に水素原子、
    置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換ア
    リールもしくはヘテロアリール基、OR57またはNR58
    59を表し、R52およびR53の各々は独立に置換もしく
    は非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリールもし
    くはヘテロアリール基、OR57またはNR5859を表
    し、R54およびR55の各々は独立にR 52について示した
    基の1つを表し、またはそれらは一緒になって環を形成
    するのに必要な原子を構成できる。R57は置換もしくは
    非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリールもしく
    はヘテロアリール基を表し、R58およびR59の各々は独
    立に水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、または
    置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基
    を表し、またはそれらは一緒になって環を形成するのに
    必要な原子を構成できる。A5およびA5′の各々は独立
    に水素原子、アルカリ性写真処理条件下で水素イオンを
    生じうる基またはSO250基を表す、但しA5がSO2
    50であるとき、A5′は水素原子であり、またその逆
    も同じである、R50はR52について示した基の1つを表
    す。L5は2価結合基である。Qはカチオン窒素含有芳
    香族複素環式環である。Y-はQの正電荷を補償するた
    めの負に帯電した対イオンである。nは式(5)による
    化合物が分子内塩であるとき0であり、またはQの正電
    荷に等しい整数である。Zは置換もしくは非置換芳香族
    もしくはヘテロ芳香族環を形成するのに必要な原子を表
    す。)
  8. 【請求項8】 前記のヒドラジン誘導体が下記一般式
    (6)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(6) 【化6】 (式中、R6は炭素数6〜18のアルキル基または硫黄
    もしくは酸素の環原子を含む、環原子数5〜6の複素環
    であり、R61は炭素原子数1〜12のアルキルまたはア
    ルコキシ基であり、Xは炭素原子数1〜約5のアルキ
    ル、チオアルキルもしくはアルコキシ基、ハロゲン原
    子、または−NHCOR62、−NHSO262、−CO
    NR6263または−SO26263(ここでR62および
    63は同一でも異っていてもよく、水素原子または炭素
    原子数1〜約4のアルキル基である)であり、そしてn
    は0、1または2を表す。)
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