JP2003107557A - シャッタ羽根の係止解除装置 - Google Patents

シャッタ羽根の係止解除装置

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JP2003107557A
JP2003107557A JP2001296071A JP2001296071A JP2003107557A JP 2003107557 A JP2003107557 A JP 2003107557A JP 2001296071 A JP2001296071 A JP 2001296071A JP 2001296071 A JP2001296071 A JP 2001296071A JP 2003107557 A JP2003107557 A JP 2003107557A
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JP
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shutter blade
unlocking device
collision
locking member
shutter
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JP2001296071A
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Yoshiaki Tanabe
佳明 田辺
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱の影響を受けにくいシャッタ羽根の係止
解除装置を提供する。 【解決手段】 係止カギ7に錘14を設けて、アーマチ
ュアレバー4の運動エネルギと、係止カギ7がアーマチ
ュアレバー4との衝突時に得る運動エネルギとを概略等
しくなるようにする。このときに、アーマチュアレバー
4の慣性モーメントをIA ,アーマチュアレバー4の回
転中心から衝突点における力積の作用線までの距離をR
A とし、係止カギ7の慣性モーメントをIB ,係止カギ
7の回転中心から衝突点における力積の作用線までの距
離をRB としたとき、IB /RB 2≒IA /RA 2 の関係
に近くなるように錘14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォーカルプレー
ンシャッタに用いられるシャッタ羽根の係止解除装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、シャッタ羽
根を駆動する駆動レバーを係止する係止カギを設けたも
のがある。このような従来の装置では、解除部材である
アーマチュアレバーを所定のタイミングで係止カギに衝
突させて、係止カギを動かし、係止カギによる駆動レバ
ーの係止を解除することが行われている。上記の従来装
置の例としては、例えば、特開平6−51372号公報
に記載されている形態のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の装置において、係止カギの動作は、温度変化や耐久劣
化等の外乱の影響を大きく受けて、動作が不安定とな
り、シャッタスピードがばらつくという可能性があっ
た。
【0004】本発明の課題は、外乱の影響を受けにくい
シャッタ羽根の係止解除装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1の発明は、シャッタ羽根を直接又は間接
的に係止し、回動可能に設けられた係止部材(7)と、
回動して前記係止部材に衝突することにより前記係止部
材を回動させて、前記シャッタ羽根の係止を解除する解
除部材(4)と、を備えたシャッタ羽根の係止解除装置
であって、前記係止部材及び前記解除部材は、前記衝突
時に前記解除部材が有する運動エネルギから前記係止部
材の受ける運動エネルギが実質的に最大となるように、
前記係止部材及び前記解除部材の慣性モーメント及び/
又は前記衝突の衝突点における力積の作用線が決定され
ること、を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置であ
る。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載のシャ
ッタ羽根の係止解除装置において、前記解除部材(4)
の慣性モーメントをIA ,前記解除部材の回転中心から
前記衝突の衝突点における力積の作用線までの距離をR
A とし、前記係止部材(7)の慣性モーメントをIB
前記係止部材の回転中心から前記衝突の衝突点における
力積の作用線(Q)までの距離をRB としたとき、IB
/RB 2≒IA /RA 2の関係にあること、を特徴とするシ
ャッタ羽根の係止解除装置である。
【0007】請求項3の発明は、請求項2に記載のシャ
ッタ羽根の係止解除装置において、0.65*(IA
A 2)≦IB /RB 2≦1.35*(IA /RA 2)の関係
にあること、を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置
である。
【0008】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載のシャッタ羽根の係止解除装
置において、前記係止部材(7)の慣性モーメントを調
整する慣性モーメント調整手段(14)を備えること、
を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置である。
【0009】請求項5の発明は、請求項4に記載のシャ
ッタ羽根の係止解除装置において、前記慣性モーメント
調整手段は、前記係止部材に設けられる錘(14)であ
ること、を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置であ
る。
【0010】請求項6の発明は、請求項5に記載のシャ
ッタ羽根の係止解除装置において、前記錘は、前記シャ
ッタ羽根を任意の時間開放させるバルブ機構の少なくと
も一部(7c,26,27)を兼ねていること、を特徴
とするシャッタ羽根の係止解除装置である。
【0011】請求項7の発明は、請求項1から請求項6
までのいずれか1項に記載のシャッタ羽根の係止解除装
置において、前記衝突点における力積の作用線(Q)を
調整する作用線調整手段(15〜19)を備えること、
を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置である。
【0012】請求項8の発明は、請求項7に記載のシャ
ッタ羽根の係止解除装置において、前記作用線調整手段
は、前記係止部材(7)に設けられ、前記衝突点の位置
を変更することにより、前記作用線の向きを変更する衝
突点位置変更部材(15〜19)であること、を特徴と
するシャッタ羽根の係止解除装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照しながら、本
発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。 (第1実施形態)図1は、第1実施形態におけるマグネ
ット1,アーマチュアレバー4等を示した図である。図
2は、第1実施形態におけるアーマチュアレバー4,係
止カギ7等を示した図である。図3は、第1実施形態に
おける係止カギ7,駆動レバー10等を示した図であ
る。本実施形態におけるシャッタ羽根の係止解除装置
は、主に一眼レフカメラに使用されるフォーカルブレー
ンシャッタのシャッタ後羽根の係止を、所定のタイミン
グにおいて解除する装置であり、マグネット1,鉄片
2,アーマチュアレバー4,係止カギ7,駆動レバー1
0,錘14等を備えている。尚、図1〜3は、シャッタ
後羽根を係止した状態を示している。
【0014】マグネット1は、不図示の制御部により制
御され、通電のON,OFFを行うことにより、鉄片2
の吸着及び吸着解除が可能な電磁石である。
【0015】鉄片2は、マグネット1により吸着可能な
鉄製の小片であり、軸3によりアーマチュアレバー4に
取り付けられている。
【0016】アーマチュアレバー4は、軸5のまわりに
回転可能であって、バネ6によって矢印A方向に付勢さ
れている解除部材である。アーマチュアレバー4の腕4
aは、その回転軌跡上に後述の係止カギ7の折り曲げ部
7aがあるように設けられている。
【0017】係止カギ7は、軸8のまわりに回転可能で
あって、バネ9によって矢印B方向に付勢されている係
止部材である。図4は、係止カギ7を示す斜視図であ
る。係止カギ7は、折り曲げ部7a,7b,7dを有し
ている。折り曲げ部7aは、先に述べたように、アーマ
チュアレバー4の腕4aの回転軌跡上に設けられてい
る。折り曲げ部7bは、後述の駆動レバー10の爪部1
0aと係合して、駆動レバー10を係止している。折り
曲げ部7dは、固定ピン31に当接して、係止カギ7を
位置決めしており、これによって、爪部10aと折り曲
げ部7bとの係合量は、係止時において常に一定に保た
れている。また、係止カギ7には、錘14が慣性モーメ
ント調整手段として固定されている。錘14の役割につ
いては、後に詳しく説明する。
【0018】駆動レバー10は、軸11のまわりに回転
可能であって、バネ12によって矢印D方向に付勢され
ている。駆動レバー10には、ピン13が固設されてお
り、このピン13には、公知のシャッタ羽根機構が係合
している。
【0019】ここで、本実施形態におけるシャッタ羽根
の係止解除装置の動作について説明する。尚、本実施形
態におけるシャッタ羽根の係止解除装置は、公知のシャ
ッタ装置と同様な動作を行うシャッタ装置に用いられる
装置であり、ここでは、本発明を説明するために必要な
部分の動作についてのみ説明を行う。図1〜3の状態
は、先に述べたように、シャッタ後羽根を係止した状態
であり、マグネット1に通電が行われ、鉄片2がマグネ
ット1に吸着した状態を示している。この状態から、不
図示の制御部によりマグネット1への通電がOFFされ
ると、バネ6の付勢力によってアーマチュアレバー4が
矢印A方向に回転する。
【0020】アーマチュアレバー4が回転すると、腕4
aが係止カギ7の折り曲げ部7aに衝突する。この衝突
により、係止カギ7は、アーマチュアレバー4から運動
エネルギを得て、バネ9の付勢力に抗して矢印C方向に
回転を行ない、折り曲げ部7bと駆動レバー10の爪部
10aとの係合が解除される。この係合が解除される
と、駆動レバー10がバネ12の付勢力によって矢印D
方向に回転を開始して、公知のシャッタ羽根機構を動作
させる。
【0021】上述のように、アーマチュアレバー4の腕
4aが係止カギ7の折り曲げ部7aに衝突することによ
り、係止カギ7は、アーマチュアレバー4から運動エネ
ルギを得て、回転を行なうので、受け取る運動エネルギ
が少ないと、例えば温度変化や耐久劣化等によって摩擦
抵抗力等が増加した場合に、回転速度が遅くなるなどし
て、動作が不安定になる可能性がある。したがって、係
止カギ7は、できるだけ多くの運動エネルギを得ること
が望ましい。
【0022】ここで、簡単なモデルを用いて、アーマチ
ュアレバー4と係止カギ7との衝突時の運動エネルギに
ついて考察する。図5及び図6は、アーマチュアレバー
4と係止カギ7との衝突時のモデルを示す図である。物
体mA は、点PA を中心として角速度ベクトルωA で回
転している。物体m B は、点PB を中心として角速度ベ
クトルωB で回転している。いま、点PA を原点とし
て、点PA から点PB へ向かう方向にX軸をとり、これ
に直角な方向にY軸をとる。さらに、図5の紙面に垂直
な方向をZ軸にとる。物体mA の慣性モーメントをIA
で表し、物体mB の慣性モーメントをIB で表す。物体
A と物体mB とが点PC で衝突したときの点PC にお
ける力積の作用線をQとする。また、直線Qの方向余弦
をベクトルλで表し、さらに、衝突によって、物体mA
に作用する力積をベクトル∫FA dt、物体mB に作用
する力積をベクトル∫FBdt、位置ベクトルrAP、r
BP、rB 及び各成分は、図6のようにとる。
【0023】まず、物体mA に角運動量保存の法則を適
用する。 IA ωA −IA ωA ’=rAP×∫FA dt・・・(1) 次に、物体mB に角運動量保存の法則を適用する。 IB ωB −IB ωB ’=rBP×∫FB dt・・・(2) ここで、ωA ’、ωB ’は、それぞれ物体mA 、mB
衝突後の角速度ベクトルを表す。図6より、位置ベクト
ルrBP、rAP、rB には、 rBP=rAP−rB ・・・(3) の関係が成り立っている。
【0024】点PC において作用反作用の法則を適用す
る。 ∫FA dt=−∫FB dt・・・(4) 衝突前の物体mA 、mB において、点PC における速度
のλ方向成分をvAλ、vBλで表す。衝突後の物体
A 、mB において、点PC における速度のλ方向成分
をvAλ’、vBλ’で表す。そして点PC における反発
係数をeとすると、 e=[vBλ’−vAλ’]/[vAλ−vBλ]・・・(5) が成り立つ。ここで、 vAλ=(ωA ×rAP)・λ・・・(6) vBλ=(ωB ×rBP)・λ・・・(7) vAλ’=(ωA ’×rAP)・λ・・・(8) vBλ’=(ωB ’×rBP)・λ・・・(9) の関係がある。
【0025】この式(1)〜(9)を用いて、角速度ベ
クトルωA ’、ωB ’を求めると、次の式(10)、
(11)を得る。 ωAZ’=[(RB 2A −eRA 2B )ωAZ−(1+e)RB A B ωBZ]/( RB 2A +RA 2B )・・・(10) ωBZ’=[(RA 2B −eRB 2A )ωBZ−(1+e)RB A A ωAZ]/( RB 2A +RA 2B )・・・(11) ここで、RA 、RB は、それぞれ直線Qと点PA ,点P
B との距離を表す。
【0026】式(11)において、衝突前に物体m
B は、静止しているものとして、衝突後にこの物体mB
が受け取る運動エネルギが最大になる条件を求めてみ
る。式(11)に対して、 ωBZ=0・・・(12) を代入すると、 ωBZ’=−[(1+e)RA B A ωAZ]/(RB 2A +RA 2B )・・・( 13)
【0027】従って、衝突後に物体mB が受け取った運
動エネルギは、 EB =IB ωBZ2/2・・・(14) となる。このEB をIB で微分し、その微分係数が0と
なる条件は、 IB /RB 2=IA /RA 2・・・(15) と求まる。すなわち、物体mB の受け取る運動エネルギ
B が最大となるのは、式(15)条件を満足したとき
である。
【0028】言い換えると、アーマチュアレバー4及び
係止カギ7について、式(15)を満たすように慣性モ
ーメント,力積の作用線の少なくとも一方を決定するこ
とにより、アーマチュアレバー4が有する運動エネルギ
から係止カギ7が受ける運動エネルギを実質的に最大に
できることから、係止カギ7の動作は安定する。
【0029】係止カギ7に設けている錘14は、上記の
式(15)を所定の誤差範囲で満足するために設けてい
る。従来から、アーマチュアレバー4は、鉄片2が取り
付けられていることなどから、一般に大きく重い部材で
あり、慣性モーメントも大きくなる傾向にある。一方、
係止カギ7は、装置を小型化するために、小型にするこ
とが行われており、慣性モーメントが小さくなってい
た。従来は、係止カギ7が受け取るエネルギを考慮せず
に、係止カギ7等の形状が決定されていた。
【0030】ここで、錘14を設けていない場合のアー
マチュアレバー4と係止カギ7との衝突時におけるエネ
ルギ受け渡しについて示す。表1は、本実施形態の係止
カギ7から錘14を取り外した場合の慣性モーメント等
を示している(従来のシャッタについての一例を示
す)。
【0031】
【表1】
【0032】この表から判るように、式(15)の両辺
に相当するI/R2 を比較すると、アーマチュアレバー
4のI/R2 値が係止カギ7に対して約4.5倍となっ
ている。この比較から、錘14を設けていない場合に
は、アーマチュアレバー4から係止カギ7へのエネルギ
伝達効率が非常に悪いことが判る。本実施形態では、ア
ーマチュアレバー4と係止カギ7と関係が、式(15)
にできるだけ近くなるように、錘14の質量及び取り付
け位置を決定した。
【0033】材料のばらつき、部品の寸法精度、組み立
てのばらつき等によって、経験上、慣性モーメントI
は、±20%程度のばらつきがある。また、同様に、衝
突点までの距離は、±5%程度のばらつきで作製するこ
とができる。これらのばらつきを考慮すると、式(1
5)の左辺及び右辺の最小値及び最大値を求めると、以
下のようになる。 最小値:0.8I/(1.05R)2 ≒0.72I/R2 最小値:1.2I/(0.95R)2 ≒1.33I/R2 したがって、上記のばらつきを考慮したとしても、±3
5%くらいの誤差範囲内で式(15)が成立する。これ
を式で示すと、以下のようになる。 0.65*(IA /RA 2)≦IB /RB 2≦1.35*(IA /RA 2)・・・( 16)
【0034】本実施形態によれば、錘14を設けたこと
により、係止カギ7は、アーマチュアレバー4との衝突
時に受け取る運動エネルギをほぼ最大値にすることがで
きるので、係止カギ7による係止解除動作が確実にな
り、外的要因によって動作が不安定になることを防止で
き、これによってシャッタスピードのばらつきを減少さ
せることができるので、高精度のシャッタとすることが
できる。また、係止カギ7の運動が安定するので、カメ
ラの作動が確実となり、信頼性の高いカメラを得ること
ができる。
【0035】(第2実施形態)図7は、第2実施形態に
おけるバルブ機構の一部を示す図である。図8は、第2
実施形態における係止解除装置の動作が制限レバー25
により制限されている状態を示す図である。図9は、第
2実施形態における係止解除装置の動作が制限レバー2
5により制限されていない状態を示す図である。尚、以
下に説明する第2及び第3実施形態は、第1実施形態に
おける係止カギ7周辺を改良したものであるので、他の
共通する部分についての説明は、適宜省略する。本実施
形態は、第1実施形態における錘14により追加する質
量に相当する分が、カメラのバルブ機構を兼ねるように
した例である。すなわち、バルブ機構の一部が錘を成し
ている形態である。図8に示す曲げ部7c、軸27、ロ
ーラ26が第1実施形態の錘14に相当し、係止カギ7
の慣性モーメントIを増加する役割を果たしている。
【0036】図7において、シャッタダイヤル21を回
転して、バルブ(B)位置をカメラの指標22に合わせ
ると、シャッタダイヤル21と一体に回転するカム23
の切り欠き23aに、バルブレバー24の先端24aが
かみ合う。バルブレバー24は、ばね26によって時計
方向に付勢されている。
【0037】カム23の切り欠き23aとバルブレバー
24の先端24aとのかみ合いによって、シャツタ釦2
0の突部20aの下にバルブレバー24が入り込む。こ
の状態において、ばね28に抗してシャツタ釦20を矢
印S方向に押し下げると、ばね29に抗してバルブレバ
ー24と制限レバー25とは一体となって同じ方向(矢
印S方向)に移動する。図8に示すように制限レバー2
5の折り曲げ25aは、係止カギ7のローラ26に当接
する。さらにシャッタ釦20を矢印S方向に押し下げる
と、公知の方法によりシャッタ先羽根が走行する。あら
かじめ設定された時間が経過すると、マグネット1の通
電をoffしてアーマチュアレバー4がばね6の付勢カ
によって矢印A方向に回転し、腕4aが係止カギ7の曲
げ部7aと衝突しても、折り曲げ25aとローラ26と
の当接によって係止カギ7の矢印C方向への回転は制限
される。
【0038】したがって、爪10aと曲げ部7bと(図
3参照)は、係合状態を保ち、これによってシャッタ後
羽根の走行を抑えることができる。所定時間の経過後、
シャッタ釦20から指を離すと、ばね28,29の作用
を受けてシャッタ釦20,バルブレバー24,制限レバ
ー25は、矢印E方向に復帰する。これにより、曲げ部
25aとローラ26との当接が解除し、ばね6の付勢力
によって係止カギ7は、軸8の回りに矢印C方向に回転
する。よって、爪10aと曲げ部7bとの係合が解除し
て、シャッタ後羽根が走行を開始する。以上説明した動
作によって、シャッタ釦20の押し込みにより、シャッ
タ先羽根が走行し露光を開始し、シャッタ釦20から指
を離すことによってシャッタ後羽根が走行して露光を終
了させることができ、バルブ機構として機能する。
【0039】本実施形態によれば、バルブ機構の質量を
第1実施形態における錘14に相当するように設けた。
したがって、別途錘を設けなくても、係止カギ7は、ア
ーマチュアレバー4との衝突時に得るエネルギを最大に
近くすることができる。
【0040】(第3実施形態)図10は、本発明の第3
実施形態を示す図である。係止カギ7上には、偏心ピン
16,軸17,ばね掛けピン19が固設されておいる。
衝突レバー15は、軸17を中心として回転可能に取り
付けられ、ねじりコイルばねであるばね18によって矢
印D方向に付勢されている。衝突レバー15の腕15b
は、偏心ピン16に当接している。この偏心ピン16を
回転調節することによって、曲げ部15aの向きを調節
可能となっている。この曲げ部15aに腕4aが衝突す
るので、衝突点の位置を変更することにより、作用線Q
の向きを変更することができる。したがって、衝突レバ
ー15,偏心ピン16,軸17,ばね18,ばね掛けピ
ン19等は、衝突点位置変更部材として機能し、回転軸
8から力積の作用線Q(図5,6参照)までの距離Rを
調整することができ、作用線調整手段を形成している。
【0041】本実施形態によれば、第1実施例の錘14
を偏心ピン16、バネ掛けピン19、軸17、衝突レバ
ー15によって構成し、係止カギ7の慣性モーメントI
を増加すると共に、偏心ピン16の回転調整によって、
回転軸8から力積の作用線Qまでの距離Rも調節可能と
した。したがって、より高精度に式(15)が成り立つ
ようにすることができる。
【0042】(変形形態)以上説明した実施形態に限定
されることなく、種々の変形や変更が可能であって、そ
れらも本発明の均等の範囲内である。例えば、各実施形
態において、シャッタ後羽根を係止する係止カギ7に本
発明を適用した例を示したが、シャッタ先羽根を係止す
る部分について適用してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、係止部材及び解除部材は、解除部材が有
する運動エネルギから係止部材が受ける運動エネルギを
実質的に最大値となるように、係止部材及び解除部材の
慣性モーメント及び/又は衝突点における力積の作用線
が決定されるので、係止部材による係止解除動作が確実
になり、外的要因によって動作が不安定になることを防
止でき、これによってシャッタスピードのばらつきを減
少させることができるので、高精度のシャッタとするこ
とができる。また、係止部材の運動が安定するので、カ
メラの作動が確実となり、信頼性の高いカメラを得るこ
とができる。
【0044】請求項2の発明によれば、IB /RB 2≒I
A /RA 2 の関係にあるので、確実に係止部材の動作を
安定させることができる。
【0045】請求項3の発明によれば、0.65*(I
A /RA 2)≦IB /RB 2≦1.35*(IA /RA 2)の
関係にあるので、従来の部品精度であっても、係止部材
の動作を安定させることができる。
【0046】請求項4の発明によれば、係止部材の慣性
モーメントを調整する慣性モーメント調整手段を備える
ので、係止部材の動作を安定させることができる。
【0047】請求項5の発明によれば、慣性モーメント
調整手段は、係止部材に設けられる錘であるので、簡単
に係止部材の動作を安定させることができる。
【0048】請求項6の発明によれば、錘は、シャッタ
羽根を任意の時間開放させるバルブ機構の少なくとも一
部を兼ねているので、無駄がなく、より安価に係止部材
の動作を安定させることができる。
【0049】請求項7の発明によれば、衝突点における
力積の作用線を調整する作用線調整手段を備えるので、
高精度な調整を行うことができ、より確実に係止部材の
動作を安定させることができる。
【0050】請求項8の発明によれば、作用線調整手段
は、係止部材に設けられ、衝突点の位置を変更すること
により、作用線の向きを変更する衝突点位置変更部材で
あるので、簡単な構成により調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるマグネット1,アーマチ
ュアレバー4等を示した図である。
【図2】第1実施形態におけるアーマチュアレバー4,
係止カギ7等を示した図である。
【図3】第1実施形態における係止カギ7,駆動レバー
10等を示した図である。
【図4】係止カギ7を示す斜視図である。
【図5】アーマチュアレバー4と係止カギ7との衝突時
のモデルを示す図である。
【図6】アーマチュアレバー4と係止カギ7との衝突時
のモデルを示す図である。
【図7】第2実施形態におけるバルブ機構の一部を示す
図である。
【図8】第2実施形態における係止解除装置の動作が制
限レバー25により制限されている状態を示す図であ
る。
【図9】第2実施形態における係止解除装置の動作が制
限レバー25により制限されていない状態を示す図であ
る。
【図10】本発明の第3実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 マグネット 2 鉄片 4 アーマチュアレバー 7 係止カギ 10 駆動レバー 14 錘 15 衝突レバー 16 偏心ピン 20 シャツタ釦 21 シャッタダイヤル 22 指標 23 カム 24 バルブレバー 25 制限レバー 26 ローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャッタ羽根を直接又は間接的に係止
    し、回動可能に設けられた係止部材と、 回動して前記係止部材に衝突することにより前記係止部
    材を回動させて、前記シャッタ羽根の係止を解除する解
    除部材と、 を備えたシャッタ羽根の係止解除装置であって、前記係
    止部材及び前記解除部材は、前記衝突時に前記解除部材
    が有する運動エネルギから前記係止部材の受ける運動エ
    ネルギが実質的に最大となるように、前記係止部材及び
    前記解除部材の慣性モーメント及び/又は前記衝突の衝
    突点における力積の作用線が決定されること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシャッタ羽根の係止解
    除装置において、 前記解除部材の慣性モーメントをIA ,前記解除部材の
    回転中心から前記衝突の衝突点における力積の作用線ま
    での距離をRA とし、 前記係止部材の慣性モーメントをIB ,前記係止部材の
    回転中心から前記衝突の衝突点における力積の作用線ま
    での距離をRB としたとき、 IB /RB 2≒IA /RA 2 の関係にあること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシャッタ羽根の係止解
    除装置において、 0.65*(IA /RA 2)≦IB /RB 2≦1.35*
    (IA /RA 2) の関係にあること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載のシャッタ羽根の係止解除装置において、 前記係止部材の慣性モーメントを調整する慣性モーメン
    ト調整手段を備えること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のシャッタ羽根の係止解
    除装置において、 前記慣性モーメント調整手段は、前記係止部材に設けら
    れる錘であること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のシャッタ羽根の係止解
    除装置において、 前記錘は、前記シャッタ羽根を任意の時間開放させるバ
    ルブ機構の少なくとも一部を兼ねていること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載のシャッタ羽根の係止解除装置において、 前記衝突点における力積の作用線を調整する作用線調整
    手段を備えること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のシャッタ羽根の係止解
    除装置において、 前記作用線調整手段は、前記係止部材に設けられ、前記
    衝突点の位置を変更することにより、前記作用線の向き
    を変更する衝突点位置変更部材であること、 を特徴とするシャッタ羽根の係止解除装置。
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