JP2003107085A - 生化学解析用ユニット - Google Patents

生化学解析用ユニット

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JP2003107085A
JP2003107085A JP2001303450A JP2001303450A JP2003107085A JP 2003107085 A JP2003107085 A JP 2003107085A JP 2001303450 A JP2001303450 A JP 2001303450A JP 2001303450 A JP2001303450 A JP 2001303450A JP 2003107085 A JP2003107085 A JP 2003107085A
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layer
analysis unit
adsorption layer
adsorption
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JP2001303450A
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Hirohiko Tsuzuki
博彦 都築
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い分解能で、生化学解析用データを生成す
ることができ、定量性に優れた生化学解析用データを生
成することができる生化学解析用ユニットを提供する。 【解決手段】 吸着層3が形成された支持体2を備え、
吸着層2の表面に、撥水層4が形成され、撥水層によっ
て、吸着層が分画されて、複数の吸着性領域5が形成さ
れたことを特徴とする生化学解析用ユニット1。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学解析用ユニ
ットに関するものであり、さらに詳細には、高い分解能
で、生化学解析用データを生成することができ、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することができる生
化学解析用ユニットに関するものである。
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。蓄積
性蛍光体シートを放射線の検出材料として使用するオー
トラジオグラフィ解析システムは、写真フイルムを用い
る場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要
であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ
処理を施すことにより、所望のように、解析用データを
再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能
になるという利点を有している。他方、オートラジオグ
ラフィ解析システムにおける放射性標識物質に代えて、
蛍光色素などの蛍光物質を標識物質として使用した蛍光
(fluorescence)解析システムが知られている。この蛍
光解析システムによれば、蛍光物質から放出された蛍光
を検出することによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レ
ベル、実験用マウスにおける投与物質の代謝、吸収、排
泄の経路、状態、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子
量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえば、
電気泳動されるべき複数種の蛋白質分子を含む溶液を、
ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍
光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動された蛋
白質を染色し、励起光によって、蛍光色素を励起して、
生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲ
ル支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を検出し
たりすることができる。あるいは、ウェスタン・ブロッ
ティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体
上に、電気泳動された蛋白質分子の少なくとも一部を転
写し、目的とする蛋白質に特異的に反応する抗体を蛍光
色素で標識して調製したプローブと蛋白質分子とを会合
させ、特異的に反応する抗体にのみ結合する蛋白質分子
を選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を検出
したりすることができる。また、電気泳動させるべき複
数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後
に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、
あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数
のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支
持体を、蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳
動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光色素
を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を
生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出したり、あ
るいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳
動させた後に、DNAを変性(denaturation)し、次い
で、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロー
スなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも
一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもし
くはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変
性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNA
もしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選
択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、
生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写
支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりするこ
とができる。さらに、標識物質によって標識した目的と
する遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調
製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、
酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結
合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を
発する蛍光物質に変化させ、励起光によって、生成され
た蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することによ
り、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの
分布を検出したりすることもできる。この蛍光解析シス
テムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝
子配列などを検出することができるという利点がある。
また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由来の物質を支
持体に固定し、化学発光基質と接触させることによって
化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標識
し、標識物質によって選択的に標識された生体由来の物
質と化学発光基質とを接触させて、化学発光基質と標識
物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光
を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、
画像処理を施して、CRTなどの表示手段あるいは写真
フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を再生し
て、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情報を得
るようにした化学発光解析システムも知られている。さ
らに、近年、スライドガラス板やメンブレンフィルタな
どの担体表面上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホル
モン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイ
ム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、R
NAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、か
つ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結
合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の
独立したスポットを形成し、次いで、細胞、ウィルス、
ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザ
イム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、
mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取
され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの
処理が施された生体由来の物質であって、蛍光物質、色
素などの標識物質によって標識された物質を、ハイブリ
ダイゼーションなどによって、特異的結合物質に、特異
的に結合させたマイクロアレイに、励起光を照射して、
蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光など
の光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析するマ
イクロアレイ解析システムが開発されている。このマイ
クロアレイ解析システムによれば、スライドガラス板や
メンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、
数多くの特異的結合物質のスポットを高密度に形成し
て、標識物質によって標識された生体由来の物質をハイ
ブリダイズさせることによって、短時間に、生体由来の
物質を解析することが可能になるという利点がある。ま
た、メンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置
に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵
素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核
酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と
特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組
成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用
いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次
いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵
素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核
酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離など
によって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学
的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質
であって、放射性標識物質によって標識された物質を、
ハイブリダイゼーションなどによって、特異的結合物質
に、特異的に結合させたマクロアレイを、輝尽性蛍光体
を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シート
と密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる後に、
輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体層から
発せられた輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用デ
ータを生成し、生体由来の物質を解析する放射性標識物
質を用いたマクロアレイ解析システムも開発されてい
る。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロアレイ解析システムやマクロアレイ解析システムにお
いては、特異的結合物質を、スポット状に、担体である
生化学解析用ユニットの所望の位置に滴下することが一
般に容易ではなく、担体である生化学解析用ユニットと
して、メンブレンフィルタなどを用いた場合には、スポ
ット状に滴下された特異的結合物質を含む溶液が、担体
内を浸透し、隣り合った特異的結合物質のスポットを、
所望のように、分画することが困難になり、その結果、
蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、ハイブ
リダイゼーションなどによって、選択的に、特異的結合
物質に特異的に結合させた後、生化学解析用ユニットを
励起光によって走査し、蛍光物質が励起されて、放出し
た蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成
する場合、化学発光基質と接触させることによって化学
発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来
の物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、選択
的に、特異的結合物質に特異的に結合させた後、生化学
解析用ユニットを化学発光基質と接触させ、標識物質か
ら放出された化学発光を光電的に検出して、生化学解析
用データを生成する場合あるいは放射性標識物質によっ
て標識された生体由来の物質を、ハイブリダイゼーショ
ンなどによって、選択的に、特異的結合物質に特異的に
結合させた後、生化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光体
層が形成された蓄積性蛍光体シートに重ね合わせて、生
化学解析用ユニットに含まれた放射性標識物質によっ
て、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれた輝
尽性蛍光体を露光し、輝尽性蛍光体層を励起光によって
走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放
出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用デー
タを生成する場合に、高い分解能で、生化学解析用デー
タを生成することが困難になり、定量性に優れた生化学
解析用データを生成することができないという問題があ
った。したがって、本発明は、高い分解能で、生化学解
析用データを生成することができ、定量性に優れた生化
学解析用データを生成することができる生化学解析用ユ
ニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
吸着層が形成された支持体を備え、前記吸着層の表面
に、撥水層が形成され、前記撥水層によって、前記吸着
層が分画されて、複数の吸着性領域が形成されたことを
特徴とする生化学解析用ユニットによって達成される。
本発明によれば、生化学解析用ユニットは、吸着層が形
成された支持体を備え、吸着層の表面に、撥水層が形成
され、撥水層によって、吸着層が分画されて、複数の吸
着性領域が形成されているから、特異的結合物質を含む
溶液を、複数の吸着性領域内に、確実に滴下することが
でき、したがって、蛍光物質によって標識された生体由
来の物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、選
択的に、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に
特異的に結合させた後、生化学解析用ユニットを励起光
によって走査し、蛍光物質が励起されて、放出した蛍光
を光電的に検出して、生化学解析用データを生成する場
合、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
を、ハイブリダイゼーションなどによって、選択的に、
複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に特異的に
結合させた後、生化学解析用ユニットを化学発光基質と
接触させ、標識物質から放出された化学発光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する場合および放
射性標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハ
イブリダイゼーションなどによって、選択的に、複数の
吸着性領域に含まれた特異的結合物質に特異的に結合さ
せた後、生化学解析用ユニットを、輝尽性蛍光体層が形
成された蓄積性蛍光体シートに重ね合わせて、生化学解
析用ユニットに含まれた放射性標識物質によって、蓄積
性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光
体を露光し、輝尽性蛍光体層を励起光によって走査し
て、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生
成する場合のいずれの場合にも、高い分解能で、定量性
に優れた生化学解析用データを生成することが可能にな
る。本発明の好ましい実施態様においては、吸着層が5
μm以下の厚さを有し、さらに好ましくは、1μm以
下、最も好ましくは、0.5μm以下の厚さを有してい
る。本発明の好ましい実施態様によれば、吸着層が5μ
m以下の厚さを有しているから、吸着性領域に滴下され
た特異的結合物質の溶液が、吸着層内を、隣り合った吸
着性領域に浸透することを効果的に防止することがで
き、したがって、より高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することが可能になる。本発明
の好ましい実施態様においては、前記撥水層が、放射線
を減衰させる性質を有している。本発明の好ましい実施
態様によれば、撥水層が、放射線を減衰させる性質を有
しているから、生化学解析用ユニットに、複数の吸着性
領域を高密度に形成した場合においても、生化学解析用
ユニットの複数の吸着性領域に、生体由来の物質と特異
的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成な
どが既知の特異的結合物質を滴下して、吸着させ、複数
の吸着性領域に吸着された特異的結合物質に、放射性標
識物質によって標識された生体由来の物質を、特異的に
結合させて、選択的に標識し、生化学解析用ユニットと
蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせて、複数の吸着性領
域に選択的に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性
蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光する際に、各吸着
性領域に含まれている放射性標識物質から放出された電
子線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱
することを効果的に防止することができ、したがって、
各吸着性領域に含まれている放射性標識物質から放出さ
れた電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層の領域
に、選択的に、入射させて、対応する輝尽性蛍光体層の
領域のみを露光することが可能になるから、放射性標識
物質によって露光された輝尽性蛍光体層を励起光によっ
て走査し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電
的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優
れた生化学解析用のデータを生成することが可能にな
る。本発明の好ましい実施態様においては、前記撥水層
が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だ
け、放射線が前記撥水層中を透過したときに、放射線の
エネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有してい
る。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記
撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい
距離だけ、放射線が前記撥水層中を透過したときに、放
射線のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を
有している。本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離
に等しい距離だけ、放射線が前記撥水層中を透過したと
きに、放射線のエネルギーを、1/50以下に減衰させ
る性質を有している。本発明のさらに好ましい実施態様
においては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の
間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記撥水層中を透
過したときに、放射線のエネルギーを、1/100以下
に減衰させる性質を有している。本発明のさらに好まし
い実施態様においては、前記撥水層が、隣り合う前記吸
着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記撥
水層中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/
500以下に減衰させる性質を有している。本発明のさ
らに好ましい実施態様においては、前記撥水層が、隣り
合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射
線が前記撥水層中を透過したときに、放射線のエネルギ
ーを、1/1000以下に減衰させる性質を有してい
る。本発明の好ましい実施態様においては、前記撥水層
が、光を減衰させる性質を有している。本発明の好まし
い実施態様によれば、撥水層が、光を減衰させる性質を
有しているから、生化学解析用ユニットに、複数の吸着
性領域を高密度に形成した場合においても、生化学解析
用ユニットの複数の吸着性領域に、生体由来の物質と特
異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成
などが既知の特異的結合物質を滴下して、吸着させ、複
数の吸着性領域に吸着された特異的結合物質に、蛍光物
質によって標識された生体由来の物質を、特異的に結合
させて、選択的に標識し、生化学解析用ユニットを励起
光によって走査し、蛍光物質が励起されて、放出した蛍
光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成する
ときに、隣り合った吸着性領域に含まれた蛍光物質から
放出される蛍光が混ざり合うことを効果的に防止するこ
とができ、また、複数の吸着性領域に吸着された特異的
結合物質に、化学発光基質と接触させることによって化
学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由
来の物質を、特異的に結合させて、選択的に標識し、生
化学解析用ユニットを化学発光基質と接触させ、標識物
質から放出された化学発光を光電的に検出して、生化学
解析用データを生成するときに、隣り合った吸着性領域
に含まれた標識物質から放出される化学発光が混ざり合
うことを効果的に防止することができ、したがって、高
い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生
成することが可能になる。本発明の好ましい実施態様に
おいては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間
の距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透過した
ときに、光のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性
質を有している。本発明のさらに好ましい実施態様にお
いては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透過したと
きに、光のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性
質を有している。本発明のさらに好ましい実施態様にお
いては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透過したと
きに、光のエネルギーを、1/50以下に減衰させる性
質を有している。本発明のさらに好ましい実施態様にお
いては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間の
距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透過したと
きに、光のエネルギーを、1/100以下に減衰させる
性質を有している。本発明のさらに好ましい実施態様に
おいては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の間
の距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透過した
ときに、光のエネルギーを、1/500以下に減衰させ
る性質を有している。本発明のさらに好ましい実施態様
においては、前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域の
間の距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透過し
たときに、光のエネルギーを、1/1000以下に減衰
させる性質を有している。本発明の好ましい実施態様に
おいては、前記吸着層に、10以上の吸着性領域が形成
されている。本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記吸着層に、50以上の吸着性領域が形成されて
いる。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前
記吸着層に、100以上の吸着性領域が形成されてい
る。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記
吸着層に、500以上の吸着性領域が形成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着
層に、1000以上の吸着性領域が形成されている。本
発明のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着層
に、5000以上の吸着性領域が形成されている。本発
明のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着層
に、10000以上の吸着性領域が形成されている。本
発明のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着層
に、50000以上の吸着性領域が形成されている。本
発明のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着層
に、100000以上の吸着性領域が形成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記吸着層に形
成された前記複数の吸着性領域が、それぞれ、5平方ミ
リメートル未満のサイズを有している。本発明のさらに
好ましい実施態様においては、前記吸着層に形成された
前記複数の吸着性領域が、それぞれ、1平方ミリメート
ル未満のサイズを有している。本発明のさらに好ましい
実施態様においては、前記吸着層に形成された前記複数
の吸着性領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未
満のサイズを有している。本発明のさらに好ましい実施
態様においては、前記吸着層に形成された前記複数の吸
着性領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満の
サイズを有している。本発明のさらに好ましい実施態様
においては、前記吸着層に形成された前記複数の吸着性
領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサ
イズを有している。本発明のさらに好ましい実施態様に
おいては、前記吸着層に形成された前記複数の吸着性領
域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイ
ズを有している。本発明の好ましい実施態様において
は、前記吸着層に、前記複数の吸着性領域が、10個/
平方センチメートル以上の密度で、形成されている。本
発明のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着層
に、前記複数の吸着性領域が、50個/平方センチメー
トル以上の密度で、形成されている。本発明のさらに好
ましい実施態様においては、前記吸着層に、前記複数の
吸着性領域が、100個/平方センチメートル以上の密
度で、形成されている。本発明のさらに好ましい実施態
様においては、前記吸着層に、前記複数の吸着性領域
が、500個/平方センチメートル以上の密度で、形成
されている。本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記吸着層に、前記複数の吸着性領域が、1000
個/平方センチメートル以上の密度で、形成されてい
る。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記
吸着層に、前記複数の吸着性領域が、5000個/平方
センチメートル以上の密度で、形成されている。本発明
のさらに好ましい実施態様においては、前記吸着層に、
前記複数の吸着性領域が、10000個/平方センチメ
ートル以上の密度で、形成されている。本発明のさらに
好ましい実施態様においては、前記吸着層に、前記複数
の吸着性領域が、50000個/平方センチメートル以
上の密度で、形成されている。本発明のさらに好ましい
実施態様においては、前記吸着層に、前記複数の吸着性
領域が、100000個/平方センチメートル以上の密
度で、形成されている。本発明の好ましい実施態様にお
いては、前記複数の吸着性領域が、規則的なパターンで
形成されている。本発明の好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、略円形に形成
されている。本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記複数の吸着性領域が、それぞれ、略矩形状に形
成されている。本発明において、吸着層の表面に、撥水
層を形成する方法は、とくに限定されるものではない
が、油溶性インクなどの撥水性材料を、吸着層の表面に
印刷して、撥水層を形成する方法や、インクジェット法
を用いて、油溶性インクなどの撥水性材料を、吸着層の
表面に噴射して、撥水層を形成する方法が簡便であり、
好ましい。また、撥水性材料を、吸着層の表面に蒸着す
ることによって、撥水層を形成することもできる。本発
明において、撥水層に、金属またはセラミックの微粒子
が分散されていると、撥水層によって、放射線および光
を減衰させることが可能になり、したがって、生化学解
析用ユニットを用いて、高い分解能で、定量性に優れた
生化学解析用のデータを生成することが可能になるの
で、好ましい。本発明において、撥水層が、吸着層の表
面に、金属を蒸着して、形成されていると、撥水層によ
って、放射線および光を減衰させることが可能になり、
したがって、生化学解析用ユニットを用いて、高い分解
能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成する
ことが可能になるので、好ましい。本発明において、好
ましくは、撥水層が、2g/cm以上の比重を有し、
さらに、好ましくは、3g/cm以上の比重を有して
いる。2g/cm以上の比重を有する撥水層が、吸着
層の表面に形成されていると、撥水層によって、放射線
および光を減衰させることができ、したがって、生化学
解析用ユニットを用いて、高い分解能で、定量性に優れ
た生化学解析用のデータを生成することが可能になるの
で、好ましい。本発明において、撥水層に分散して、使
用される金属あるいは吸着層の表面に蒸着され、撥水層
を形成するために使用される金属は、とくに限定される
ものではなく、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバ
ルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、
青銅などの合金などが、これらの目的に使用される。ま
た、本発明において、撥水層に分散して、使用されるセ
ラミックは、とくに限定されるものではなく、たとえ
ば、シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、
炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属
酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムな
どの無機塩が、撥水層に分散して、使用される。本発明
の好ましい実施態様においては、前記吸着層が、吸着性
材料によって形成されている。本発明において、吸着層
を形成するための吸着性材料としては、多孔質材料ある
いは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と繊維
材料とを併用して、吸着層を形成することもできる。本
発明において、吸着層を形成するために使用される多孔
質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機
/無機複合体でもよい。本発明において、吸着層を形成
するために使用される有機多孔質材料は、とくに限定さ
れるものではないが、活性炭などの炭素材料あるいはメ
ンブレンフィルタを形成可能な材料が、好ましく用いら
れる。具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイ
ロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、酢
酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘
導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウ
ム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックス
などのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニ
リデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライ
ドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体または
複合体が挙げられる。本発明において、吸着層を形成す
るために使用される無機多孔質材料は、とくに限定され
るものではないが、好ましくは、たとえば、白金、金、
鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属;アルミ
ナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸化物;
ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金属塩や
これらの複合体などが挙げられる。本発明において、吸
着層を形成するために使用される繊維材料は、とくに限
定されるものではないが、好ましくは、たとえば、ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイ
ロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸
セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
本発明において、吸着層は、電解処理、プラズマ処理、
アーク放電などの酸化処理;シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤などを用いたプライマー処理;界面
活性剤処理などの表面処理によって形成することもでき
る。また、これらの組み合わせでもよい。本発明の好ま
しい実施態様においては、前記吸着層の表面が、粗面化
されている。本発明の好ましい実施態様によれば、吸着
層の表面が粗面化されているから、吸着層は大きな吸着
表面積を有し、したがって、十分な量の特異的結合物質
を吸着層に吸着させることが可能になる。本発明のさら
に好ましい実施態様においては、前記吸着層の表面が、
フラクタル構造を有するように、粗面化されている。本
発明のさらに好ましい実施態様によれば、吸着層の表面
が、フラクタル構造を有するように、粗面化されている
から、吸着層は、表面が平滑である場合よりも、100
倍以上の大きな吸着表面積を有し、したがって、十分な
量の特異的結合物質を吸着層に吸着させることが可能に
なる。本発明の好ましい実施態様においては、前記支持
体が、金属、合金またはガラスによって形成されてい
る。
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。図
1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析用
ユニットの略斜視図である。図1に示されるように、本
実施態様にかかる生化学解析用ユニット1は、ガラスに
よって形成された支持体2を備え、支持体2の表面に
は、ナイロン6よりなる吸着層3が形成されている。図
1に示されるように、吸着層3の表面には、撥水層4が
形成され、撥水層4によって、吸着層3が分画されて、
多数の吸着性領域5が形成されている。図1には正確に
図示されていないが、本実施態様においては、吸着層3
は、約0.5μmの厚さを有しており、その表面は粗面
化され、フラクタル構造を有している。また、本実施態
様においては、撥水層4は、吸着層3の表面に、アルミ
ニウム微粉末が分散された油溶性インクを印刷すること
によって形成されている。図1には正確に図示されてい
ないが、本実施態様においては、約10000の約0.
01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性
領域5が、約5000個/平方センチメートルの密度
で、規則的に、吸着層3に形成されている。図2は、ス
ポッティング装置の略正面図である。生化学解析にあた
っては、図2に示されるように、生化学解析用ユニット
1に規則的に形成された多数の吸着性領域5内に、特異
的結合物質、たとえば、塩基配列が既知で、互いに異な
った複数のcDNAが、スポッティング装置を使用し
て、滴下される。図2に示されるように、スポッティン
グ装置は、特異的結合物質の溶液を、生化学解析用ユニ
ット1に向けて、噴射するインジェクタ6とCCDカメ
ラ7を備えたスポッティングヘッドを有し、CCDカメ
ラ7によって、インジェクタ6の先端部と、cDNAを
滴下すべき吸着性領域5を観察しながら、インジェクタ
6の先端部と、cDNAを滴下すべき吸着性領域5の中
心とが合致したときに、インジェクタ6から、cDNA
が滴下されるように構成され、多数の吸着性領域5に、
cDNAを正確に滴下することができるように保証され
ている。ここに、本実施態様においては、吸着層3の表
面に、撥水層4が形成され、撥水層4によって、吸着性
領域5が分画されているから、特異的結合物質を含む溶
液を、多数の吸着性領域5内に、確実に滴下することが
でき、また、吸着層3の厚さが約0.5μmで、きわめ
て薄いため、吸着性領域5に滴下された特異的結合物質
の溶液が、吸着層3内を、隣り合った吸着性領域5に浸
透することを効果的に防止することができ、したがっ
て、特異的結合物質を、所望のように、各吸着性領域5
に吸着させることが可能になる。さらに、本実施態様に
かかる生化学解析用ユニット1の吸着層3の表面は粗面
化され、フラクタル構造を有しているから、吸着層3
は、表面が平滑である場合よりも、100倍以上の大き
な吸着表面積を有し、したがって、十分な量の特異的結
合物質を吸着層3に吸着させることが可能になる。図3
は、ハイブリダイゼーション容器の略横断面図である。
図3に示されるように、ハイブリダイゼーション容器8
は矩形状断面を有し、内部に、標識物質によって標識さ
れたプローブである生体由来の物質を含むハイブリダイ
ゼーション溶液9が収容されている。放射性標識物質に
よって、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識
する場合には、放射性標識物質によって標識されたプロ
ーブである生体由来の物質を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液9が調製され、ハイブリダイゼーション容器8内
に収容される。一方、化学発光基質と接触させることに
よって化学発光を生じさせる標識物質によって、cDN
Aなどの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じ
させる標識物質によって標識されたプローブである生体
由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製
され、ハイブリダイゼーション容器8内に収容される。
さらに、蛍光色素などの蛍光物質によって、cDNAな
どの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、蛍光
色素などの蛍光物質によって標識されたプローブである
生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が
調製され、ハイブリダイゼーション容器8内に収容され
る。放射性標識物質によって標識された生体由来の物
質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を
生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質
および蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体
由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含むハイ
ブリダイゼーション溶液9を調製して、ハイブリダイゼ
ーション容器8内に収容させることもでき、本実施態様
においては、放射性標識物質によって標識された生体由
来の物質および蛍光物質によって標識された生体由来の
物質を含むハイブリダイゼーション溶液9が調製され、
ハイブリダイゼーション容器8内に収容されている。ハ
イブリダイゼーションにあたって、cDNAなどの特異
的結合物質が、吸着層3に形成された多数の吸着性領域
5に吸着されている生化学解析用ユニット1が、ハイブ
リダイゼーション容器8内に挿入される。その結果、吸
着層3に形成された多数の吸着性領域5に吸着されてい
る特異的結合物質に、放射性標識物質により標識され、
ハイブリダイゼーション溶液9に含まれた生体由来の物
質および蛍光物質によって標識され、ハイブリダイゼー
ション溶液9に含まれた生体由来の物質が、選択的に、
ハイブリダイズされる。こうして、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着層3に形成された多数の吸着性領域5に、標
識物質である蛍光物質の蛍光データおよび放射性標識物
質の放射線データが記録される。生化学解析用ユニット
1に記録された蛍光データは、後述するスキャナによっ
て、読み取られ、生化学解析用データが生成される。一
方、生化学解析用ユニット1に記録された放射線データ
は、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シー
トに記録された放射線データは、後述するスキャナによ
って、読み取られ、生化学解析用データが生成される。
図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。図4に
示されるように、本実施態様にかかる蓄積性蛍光体シー
ト10は、多数の略円形の貫通孔13が規則的に形成さ
れたニッケル製の支持体11を備え、支持体11に形成
された多数の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体が埋め込ま
れて、多数の輝尽性蛍光体層領域12が、ドット状に形
成されている。多数の貫通孔13は、生化学解析用ユニ
ット1の吸着層3に形成された多数の吸着性領域5と同
一のパターンで、支持体11に形成され、各輝尽性蛍光
体層領域12は、生化学解析用ユニット1の吸着層3に
形成された吸着性領域5と等しいサイズを有するよう
に、形成されている。したがって、図4には正確に示さ
れていないが、約10000の約0.01平方ミリメー
トルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域12
が、約5000個/平方センチメートルの密度で、か
つ、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数
の吸着性領域5と同一の規則的なパターンにより、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に、ドット状に形成さ
れている。図5は、生化学解析用ユニット1の吸着層3
に形成された多数の吸着性領域5に含まれた放射性標識
物質によって、蓄積性蛍光体シート10に形成された多
数の輝尽性蛍光体層領域12を露光する方法を示す略断
面図である。露光に際しては、生化学解析用ユニット1
の吸着層3に形成された多数の吸着性領域5のそれぞれ
が、蓄積性蛍光体シート10に形成された対応する輝尽
性蛍光体層領域12に、正確に対向するように、蓄積性
蛍光体シート10と生化学解析用ユニット1とが重ね合
わされる。こうして、所定の時間にわたって、生化学解
析用ユニット1の吸着層3に形成された多数の吸着性領
域5のそれぞれが、蓄積性蛍光体シート10に形成され
た対応する輝尽性蛍光体層領域12に対向するように、
生化学解析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート10とを
重ね合わせることによって、吸着性領域5に含まれた放
射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート10に形成
された多数の輝尽性蛍光体層領域12が露光される。こ
の際、吸着性領域5に吸着されている放射性標識物質か
ら電子線(β線)が発せられるが、生化学解析用ユニッ
ト1の吸着層3に形成された吸着性領域5の間には、ア
ルミニウム微粉末が分散された放射線を減衰させる性質
を有する撥水層4が形成されているから、各吸着性領域
5から放出された電子線(β線)が散乱して、隣り合う
吸着性領域5から放出された電子線(β線)と混ざり合
い、隣り合う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層領
域12に入射することを効果的に防止することができ、
さらに、蓄積性蛍光体シート10の多数の輝尽性蛍光体
層領域12が、放射線を減衰させる性質を有するニッケ
ル製の支持体11に形成された複数の貫通孔13内に、
輝尽性蛍光体を埋め込んで、形成されているから、各吸
着性領域5から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11内で散乱して、対向する輝
尽性蛍光体層領域12に隣り合う輝尽性蛍光体層領域1
2に入射することを効果的に防止することが可能にな
り、したがって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域
5に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
(β線)を、その吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体
層領域12に選択的に入射させることができ、吸着性領
域5に含まれている放射性標識物質から放出された電子
線(β線)が、隣り合う吸着性領域5から放出される電
子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域12に
入射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止す
ることができる。こうして、蓄積性蛍光体シート10の
支持体11に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域12
に、放射性標識物質の放射線データが記録される。図6
は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域5に記
録された蛍光物質の蛍光データおよび蓄積性蛍光体シー
ト10の多数の輝尽性蛍光体層領域12に記録された放
射性標識物質の放射線データを読み取って、生化学解析
用データを生成するスキャナの略斜視図であり、図7
は、フォトマルチプライア近傍のスキャナの詳細を示す
略斜視図である。図6に示されるように、スキャナは、
640nmの波長のレーザ光24を発する第1のレーザ
励起光源21と、532nmの波長のレーザ光24を発
する第2のレーザ励起光源22と、473nmの波長の
レーザ光24を発する第3のレーザ励起光源23とを備
えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光
源21は、半導体レーザ光源により構成され、第2のレ
ーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23は、
第二高調波生成(Second Harmonic Generation)素子に
よって構成されている。第1のレーザ励起光源21によ
り発生されたレーザ光24は、コリメータレンズ25に
よって、平行光とされた後、ミラー26によって反射さ
れる。第1のレーザ励起光源21から発せられ、ミラー
26によって反射されたレーザ光24の光路には、64
0nmのレーザ光4を透過し、532nmの波長の光を
反射する第1のダイクロイックミラー27および532
nm以上の波長の光を透過し、473nmの波長の光を
反射する第2のダイクロイックミラー28が設けられて
おり、第1のレーザ励起光源21により発生されたレー
ザ光24は、第1のダイクロイックミラー27および第
2のダイクロイックミラー28を透過して、ミラー29
に入射する。他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入
射する。また、第3のレーザ励起光源23から発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ31によって、平
行光とされた後、第2のダイクロイックミラー28によ
り反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー
29に入射する。ミラー29に入射したレーザ光24
は、ミラー29によって反射され、さらに、ミラー32
に入射して、反射される。ミラー32によって反射され
たレーザ光24の光路には、中央部に穴33が形成され
た凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34が配
置されており、ミラー32によって反射されたレーザ光
24は、穴開きミラー34の穴33を通過して、凹面ミ
ラー38に入射する。凹面ミラー38に入射したレーザ
光24は、凹面ミラー38によって反射されて、光学ヘ
ッド35に入射する。光学ヘッド35は、ミラー36
と、非球面レンズ37を備えており、光学ヘッド35に
入射したレーザ光24は、ミラー36によって反射され
て、非球面レンズ37によって、ステージ40のガラス
板41上に載置された蓄積性蛍光体シート10あるいは
生化学解析用ユニット1に入射する。蓄積性蛍光体シー
ト10に、レーザ光24が入射すると、蓄積性蛍光体シ
ート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層領域
12に含まれた輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光45
が放出され、また、生化学解析用ユニット1に、レーザ
光24が入射すると、吸着性領域5に含まれている蛍光
物質が励起されて、蛍光45が放出される。蓄積性蛍光
体シート10の輝尽性蛍光体層領域12から放出された
輝尽光45あるいは生化学解析用ユニット1の吸着性領
域5から放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設け
られた非球面レンズ37によって、ミラー36に集光さ
れ、ミラー36によって、レーザ光24の光路と同じ側
に反射され、平行な光とされて、凹面ミラー38に入射
する。凹面ミラー38に入射した輝尽光45あるいは蛍
光45は、凹面ミラー38によって反射されて、穴開き
ミラー34に入射する。穴開きミラー34に入射した輝
尽光45あるいは蛍光45は、図7に示されるように、
凹面ミラーによって形成された穴開きミラー34によっ
て、下方に反射されて、フィルタユニット48に入射
し、所定の波長の光がカットされて、フォトマルチプラ
イア50に入射し、光電的に検出される。図7に示され
るように、フィルタユニット48は、4つのフィルタ部
材51a、51b、51c、51dを備えており、フィ
ルタユニット48は、モータ(図示せず)によって、図
7において、左右方向に移動可能に構成されている。図
8は、図7のA−A線に沿った略断面図である。図8に
示されるように、フィルタ部材51aはフィルタ52a
を備え、フィルタ52aは、第1のレーザ励起光源21
を用いて、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成さ
れた吸着性領域5に含まれている蛍光物質を励起し、蛍
光45を読み取るときに使用されるフィルタ部材であ
り、640nmの波長の光をカットし、640nmより
も波長の長い光を透過する性質を有している。図9は、
図7のB−B線に沿った略断面図である。図9に示され
るように、フィルタ部材51bはフィルタ52bを備
え、フィルタ52bは、第2のレーザ励起光源22を用
いて、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された
吸着性領域5に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光4
5を読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、5
32nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長
の長い光を透過する性質を有している。図10は、図7
のC−C線に沿った略断面図である。図10に示される
ように、フィルタ部材51cはフィルタ52cを備え、
フィルタ52cは、第3のレーザ励起光源23を用い
て、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された吸
着性領域5に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光45
を読み取るときに使用されるフィルタ部材であり、47
3nmの波長の光をカットし、473nmよりも波長の
長い光を透過する性質を有している。図11は、図7の
D−D線に沿った略断面図である。図11に示されるよ
うに、フィルタ部材51dはフィルタ52dを備え、フ
ィルタ52dは、第1のレーザ励起光源21を用いて、
蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された輝尽
性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起
して、輝尽性蛍光体層領域12から発せられた輝尽光4
5を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝尽性
蛍光体層領域12から放出される輝尽光45の波長域の
光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性
質を有している。したがって、使用すべきレーザ励起光
源に応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、5
1dを選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置
させることによって、フォトマルチプライア50は、検
出すべき光のみを光電的に検出することができる。フォ
トマルチプライア50によって、輝尽光45が光電的に
検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換
器53に出力されて、ディジタル化され、データ処理装
置54に出力される。図12は、光学ヘッド35の走査
機構の略平面図である。図12においては、簡易化のた
め、光学ヘッド35を除く光学系ならびにレーザ光24
および蛍光45あるいは輝尽光45の光路は省略されて
いる。図12に示されるように、光学ヘッド35を走査
する走査機構は、基板60を備え、基板60上には、副
走査パルスモータ61と一対のレール62、62とが固
定され、基板60上には、さらに、図12において、矢
印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板63とが
設けられている。移動可能な基板63には、ねじが切ら
れた穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、
副走査パルスモータ61によって回転されるねじが切ら
れたロッド64が係合している。移動可能な基板63上
には、主走査ステッピングモータ65が設けられ、主走
査ステッピングモータ65は、エンドレスベルト66
を、生化学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着
性領域5の間の距離、すなわち、蓄積性蛍光体シート1
0に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の
距離に等しいピッチで、間欠的に駆動可能に構成されて
いる。光学ヘッド35は、エンドレスベルト66に固定
されており、主走査ステッピングモータ65によって、
エンドレスベルト66が駆動されると、図12におい
て、矢印Xで示された主走査方向に移動されるように構
成されている。図12において、67は、光学ヘッド3
5の主走査方向における位置を検出するリニアエンコー
ダであり、68は、リニアエンコーダ67のスリットで
ある。したがって、主走査ステッピングモータ65によ
って、エンドレスベルト66が、主走査方向に間欠的に
駆動され、1ラインの走査が完了すると、副走査パルス
モータ61によって、基板63が、副走査方向に間欠的
に移動されることによって、光学ヘッド35は、図12
において、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで
示される副走査方向に移動され、レーザ光24によっ
て、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
すべての輝尽性蛍光体層領域12あるいは生化学解析用
ユニット1の吸着層3に形成されたすべての吸着性領域
5が走査される。図13は、図6に示されたスキャナの
制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダ
イアグラムである。図13に示されるように、スキャナ
の制御系は、スキャナ全体を制御するコントロールユニ
ット70を備えており、また、スキャナの入力系は、ユ
ーザーによって操作され、種々の指示信号を入力可能な
キーボード71を備えている。図13に示されるよう
に、スキャナの駆動系は、光学ヘッド35を主走査方向
に間欠的に移動させる主走査ステッピングモータ65
と、光学ヘッド35を副走査方向に間欠的に移動させる
副走査パルスモータ61と、4つのフィルタ部材51
a、51b、51c、51dを備えたフィルタユニット
48を移動させるフィルタユニットモータ72を備えて
いる。コントロールユニット70は、第1のレーザ励起
光源21、第2のレーザ励起光源22または第3のレー
ザ励起光源23に選択的に駆動信号を出力するととも
に、フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力可能
に構成されている。また、図13に示されるように、ス
キャナの検出系は、フォトマルチプライア50と、光学
ヘッド35の主走査方向における位置を検出するリニア
エンコーダ67を備えている。本実施態様においては、
コントロールユニット70は、リニアエンコーダ67か
ら入力される光学ヘッド35の位置検出信号にしたがっ
て、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源
22または第3のレーザ励起光源23をオン・オフ制御
するように構成されている。以上のように構成された本
実施態様にかかるスキャナは、以下のようにして、蓄積
性蛍光体シート10の支持体11に形成された多数の輝
尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データを読み
取って、生化学解析用データを生成する。まず、蓄積性
蛍光体シート10が、ステージ40のガラス板41上に
載置される。次いで、ユーザーによって、キーボード7
1に、蓄積性蛍光体シート10に形成された多数の輝尽
性蛍光体層領域12を、レーザ光24によって走査する
旨の指示信号が入力される。キーボード71に入力され
た指示信号は、コントロールユニット70に入力され、
コントロールユニット70は、指示信号にしたがって、
フィルタユニットモータ72に駆動信号を出力し、フィ
ルタユニット48を移動させ、輝尽性蛍光体から放出さ
れる輝尽光45の波長域の光のみを透過し、640nm
の波長の光をカットする性質を有するフィルタ52dを
備えたフィルタ部材51dを、輝尽光45の光路内に位
置させる。さらに、コントロールユニット70は、主走
査ステッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学ヘ
ッド35を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダ6
7から入力される光学ヘッド35の位置検出信号に基づ
いて、第1の輝尽性蛍光体層領域12に、レーザ光24
を照射可能な位置に、光学ヘッド35が移動したことが
確認されると、主走査ステッピングモータ65に停止信
号を出力するとともに、第1のレーザ励起光源21に、
駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源21を起動
させ、640nmの波長のレーザ光24を発せさせる。
第1のレーザ励起光源21から発せられたレーザ光24
は、コリメータレンズ25によって、平行な光とされた
後、ミラー26に入射して、反射される。ミラー26に
よって反射されたレーザ光24は、第1のダイクロイッ
クミラー27および第2のダイクロイックミラー28を
透過し、ミラー29に入射する。ミラー29に入射した
レーザ光24は、ミラー29によって反射されて、さら
に、ミラー32に入射して、反射される。ミラー32に
よって反射されたレーザ光24は、穴開きミラー34の
穴33を通過して、凹面ミラー38に入射する。凹面ミ
ラー38に入射したレーザ光24は、凹面ミラー38に
よって反射されて、光学ヘッド35に入射する。光学ヘ
ッド35に入射したレーザ光24は、ミラー36によっ
て反射され、非球面レンズ37によって、ステージ40
ガラス板41上に載置された蓄積性蛍光体シート10の
第1の輝尽性蛍光体層領域12に集光される。その結
果、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された
第1の輝尽性蛍光体層領域12に含まれる輝尽性蛍光体
が、レーザ光24によって励起されて、第1の輝尽性蛍
光体層領域12から輝尽光45が放出される。この際、
蓄積性蛍光体シート10の支持体11はニッケルによっ
て形成されているから、レーザ光24が、支持体11内
で散乱して、第1の輝尽性蛍光体層領域12に隣り合っ
た輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体
を励起し、蓄積している放射線エネルギーが輝尽光45
の形で放出されることを効果的に防止することができ、
さらには、第1の輝尽性蛍光体層領域12から放出され
た輝尽光45が、支持体11内で散乱し、フォトマルチ
プライア50によって検出されなくなることを効果的に
防止することが可能になる。第1の輝尽性蛍光体領域1
2から放出された輝尽光45は、光学ヘッド35に設け
られた非球面レンズ37によって集光され、ミラー36
により、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、平行
な光とされて、凹面ミラー38に入射する。凹面ミラー
38に入射した輝尽光45は、凹面ミラー38により反
射されて、穴開きミラー34に入射する。穴開きミラー
34に入射した輝尽光45は、凹面ミラーによって形成
された穴開きミラー34によって、図7に示されるよう
に、下方に反射され、フィルタユニット48のフィルタ
52dに入射する。フィルタ52dは、輝尽性蛍光体か
ら放出される輝尽光45の波長域の光のみを透過し、6
40nmの波長の光をカットする性質を有しているの
で、励起光である640nmの波長の光がカットされ、
第1の輝尽性蛍光体層領域12から放出された輝尽光4
5の波長域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォ
トマルチプライア50によって、光電的に検出される。
フォトマルチプライア50によって光電的に検出され
て、生成されたアナログデータは、A/D変換器53に
よって、ディジタル化され、データ処理装置54に出力
される。第1のレーザ励起光源21がオンされた後、所
定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、コントロー
ルユニット70は、第1のレーザ励起光源21に駆動停
止信号を出力して、第1のレーザ励起光源21の駆動を
停止させるとともに、主走査ステッピングモータ65
に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、蓄積性蛍
光体シート10に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領
域12の間の距離に等しいピッチだけ、移動させる。リ
ニアエンコーダ67から入力された光学ヘッド35の位
置検出信号に基づいて、光学ヘッド35が、隣り合う輝
尽性蛍光体層領域12間の距離に等しい1ピッチだけ移
動されて、第1のレーザ励起光源21から発せられるレ
ーザ光24を、蓄積性蛍光体シート10に形成された第
2の輝尽性蛍光体層領域12に照射可能な位置に移動し
たことが確認されると、コントロールユニット70は、
第1のレーザ励起光源21に駆動信号を出力して、第1
のレーザ励起光源21をオンさせて、レーザ光24によ
って、蓄積性蛍光体シート10に形成された第2の輝尽
性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起
する。同様にして、所定の時間にわたり、第1のレーザ
励起光源21から発せられたレーザ光24が、蓄積性蛍
光体シート10に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域
12に照射され、第2の輝尽性蛍光体層領域12に含ま
れている輝尽性蛍光体が励起されて、第2の輝尽性蛍光
体層領域12から放出された輝尽光45が、フォトマル
チプライア50によって、光電的に検出されて、アナロ
グデータが生成され、A/D変換器53によって、ディ
ジタル化されて、第2の輝尽性蛍光体層領域12に記録
された放射線データから、生化学解析用データが生成さ
れると、コントロールユニット70は、第1のレーザ励
起光源21にオフ信号を出力して、第1のレーザ励起光
源21をオフさせるとともに、主走査ステッピングモー
タ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、隣
り合う輝尽性蛍光体層領域12の間の距離に等しい1ピ
ッチだけ、移動させる。こうして、光学ヘッド35の間
欠的な移動に同期して、第1のレーザ励起光源21のオ
ン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ67から入力
された光学ヘッド35の位置検出信号に基づき、光学ヘ
ッド35が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、
第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域12のレーザ光24
による走査が完了したことが確認されると、コントロー
ルユニット70は、主走査ステッピングモータ65に駆
動信号を出力して、光学ヘッド35を元の位置に復帰さ
せるとともに、副走査パルスモータ61に駆動信号を出
力して、移動可能な基板63を、副走査方向に、1ライ
ン分だけ、移動させる。リニアエンコーダ67から入力
された光学ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学
ヘッド35が元の位置に復帰され、また、移動可能な基
板63が、副走査方向に、1ライン分だけ、移動された
ことが確認されると、コントロールユニット70は、第
1ライン目の輝尽性蛍光体層領域12に、順次、第1の
レーザ励起光源21から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、第2ライン目の輝尽性蛍光体
層領域12に、順次、第1のレーザ励起光源21から発
せられるレーザ光24を照射して、輝尽性蛍光体層領域
12に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、第2ライン
目の輝尽性蛍光体層領域12から発せられた輝尽光45
を、順次、フォトマルチプライア50に、光電的に検出
させる。フォトマルチプライア50によって光電的に検
出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換器
53に出力され、ディジタル化されて、各ドット状の輝
尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データから、
生化学解析用データが生成される。こうして、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体
層領域12がすべて、第1のレーザ励起光源21から放
出されたレーザ光24によって走査され、輝尽性蛍光体
層領域12に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、
放出された輝尽光45が、フォトマルチプライア50に
よって光電的に検出され、生成されたアナログデータ
が、A/D変換器53によって、ディジタル化され、各
輝尽性蛍光体層領域12に記録された放射線データか
ら、生化学解析用データが生成されると、コントロール
ユニット70から、駆動停止信号が、第1のレーザ励起
光源21に出力され、第1のレーザ励起光源21の駆動
が停止される。一方、生化学解析用ユニット1の吸着層
3に形成された多数の吸着性領域5に記録された蛍光物
質の蛍光データを読み取って、生化学解析用ディジタル
データを生成するときは、まず、ユーザーによって、生
化学解析用ユニット1が、吸着層3が上を向くように、
ステージ40のガラス板41上にセットされる。次い
で、ユーザーによって、キーボード71に、標識物質で
ある蛍光物質の種類が特定され、蛍光データを読み取る
べき旨の指示信号が入力される。キーボード71に入力
された指示信号は、コントロールユニット70に入力さ
れ、コントロールユニット70は、指示信号を受ける
と、メモリ(図示せず)に記憶されているテーブルにし
たがって、使用すべきレーザ励起光源を決定するととも
に、フィルタ52a、52b、52cのいずれを蛍光4
5の光路内に位置させるかを決定する。たとえば、生体
由来の物質を標識する蛍光物質として、532nmの波
長のレーザによって、最も効率的に励起することのでき
るローダミン(登録商標)が使用され、その旨が、キー
ボード71に入力されたときは、コントロールユニット
70は、第2のレーザ励起光源22を選択するととも
に、フィルタ52bを選択し、フィルタユニットモータ
72に駆動信号を出力して、フィルタユニット48を移
動させ、532nmの波長の光をカットし、532nm
よりも波長の長い光を透過する性質を有するフィルタ5
2bを備えたフィルタ部材51bを、生化学解析用ユニ
ット1から放出されるべき蛍光45の光路内に位置させ
る。さらに、コントロールユニット70は、主走査ステ
ッピングモータ65に駆動信号を出力し、光学ヘッド3
5を主走査方向に移動させ、リニアエンコーダから入力
される光学ヘッド35の位置検出信号に基づいて、生化
学解析用ユニット1の吸着層3に形成された多数の吸着
性領域5のうち、第1の吸着性領域5に、レーザ光24
を照射可能な位置に、光学ヘッド35が達したことが確
認されると、主走査ステッピングモータ65に停止信号
を出力するとともに、第2のレーザ励起光源22に駆動
信号を出力して、第2のレーザ励起光源22を起動さ
せ、532nmの波長のレーザ光24を発せさせる。第
2のレーザ励起光源22から発せられたレーザ光24
は、コリメータレンズ30によって、平行な光とされた
後、第1のダイクロイックミラー27に入射して、反射
される。第1のダイクロイックミラー27によって反射
されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラー2
8を透過し、ミラー29に入射する。ミラー29に入射
したレーザ光24は、ミラー29によって反射されて、
さらに、ミラー32に入射して、反射される。ミラー3
2によって反射されたレーザ光24は、穴開きミラー3
4の穴33を通過して、凹面ミラー38に入射する。凹
面ミラー38に入射したレーザ光24は、凹面ミラー3
8によって反射されて、光学ヘッド35に入射する。光
学ヘッド35に入射したレーザ光24は、ミラー36に
よって反射され、非球面レンズ37によって、ステージ
40ガラス板41上に載置された生化学解析用ユニット
1に集光される。その結果、レーザ光24によって、生
化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された第1の吸
着性領域5に含まれた蛍光物質、たとえば、ローダミン
が励起されて、蛍光45が発せられる。ここに、本実施
態様にかかる生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成
された吸着性領域5の間には、アルミニウム微粉末が分
散され、光を減衰させる性質を有する撥水層4が形成さ
れているから、蛍光物質から放出された蛍光が、隣り合
う吸着性領域5に含まれる蛍光物質から放出された蛍光
と混ざり合うことを確実に防止することができる。ロー
ダミンから放出された蛍光45は、光学ヘッド35に設
けられた非球面レンズ37によって集光され、ミラー3
6によって、レーザ光24の光路と同じ側に反射され、
平行な光とされて、凹面ミラー38に入射する。凹面ミ
ラー38に入射した蛍光45は、凹面ミラー38によっ
て反射されて、穴開きミラー34に入射する。穴開きミ
ラー34に入射した蛍光45は、凹面ミラーによって形
成された穴開きミラー34によって、図7に示されるよ
うに、下方に反射され、フィルタユニット48のフィル
タ52bに入射する。フィルタ52bは、532nmの
波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有しているので、励起光である532n
mの波長の光がカットされ、ローダミンから放出された
蛍光45の波長域の光のみがフィルタ52bを透過し
て、フォトマルチプライア50によって、光電的に検出
される。フォトマルチプライア50によって光電的に検
出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換器5
3に出力されて、ディジタル信号に変換され、データ処
理装置54に出力される。第2のレーザ励起光源22が
オンされた後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過す
ると、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22に駆動停止信号を出力して、第2のレーザ励起
光源22の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピ
ングモータ65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド3
5を、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された
隣り合う吸着性領域5の間の距離に等しいピッチだけ、
移動させる。リニアエンコーダ67から入力された光学
ヘッド35の位置検出信号に基づいて、光学ヘッド35
が、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された隣
り合う吸着性領域5の間の距離に等しい1ピッチだけ移
動されて、第2のレーザ励起光源22から発せられるレ
ーザ光24を、生化学解析用ユニット1に形成された第
2の吸着性領域5に照射可能な位置に移動したことが確
認されると、コントロールユニット70は、第2のレー
ザ励起光源22に駆動信号を出力して、第2のレーザ励
起光源22をオンさせて、レーザ光24によって、生化
学解析用ユニット1に形成された第2の吸着性領域5に
含まれている蛍光物質、たとえば、ローダミンを励起す
る。同様にして、所定の時間にわたり、レーザ光24
が、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された第
2の吸着性領域5に照射され、第2の吸着性領域5から
放出された蛍光45が、フォトマルチプライア50によ
って、光電的に検出されて、アナログデータが生成され
ると、コントロールユニット70は、第2のレーザ励起
光源22にオフ信号を出力して、第2のレーザ励起光源
22をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ
65に、駆動信号を出力して、光学ヘッド35を、生化
学解析用ユニット1に形成された隣り合う吸着性領域5
の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。こうし
て、光学ヘッド35の間欠的な移動に同期して、第2の
レーザ励起光源22のオン・オフが繰り返され、リニア
エンコーダ67から入力された光学ヘッド35の位置検
出信号に基づき、光学ヘッド35が、主走査方向に1ラ
イン分だけ、移動され、生化学解析用ユニット1の吸着
層3に形成された第1ライン目のすべての吸着性領域5
を、レーザ光24により、走査したことが確認される
と、コントロールユニット70は、主走査ステッピング
モータ65に駆動信号を出力して、光学ヘッド35を元
の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ61
に駆動信号を出力して、移動可能な基板63を、副走査
方向に、1ライン分だけ、移動させる。リニアエンコー
ダ67から入力された光学ヘッド35の位置検出信号に
基づいて、光学ヘッド35が元の位置に復帰され、ま
た、移動可能な基板63が、副走査方向に、1ライン分
だけ、移動されたことが確認されると、コントロールユ
ニット70は、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形
成された第1ライン目の吸着性領域5に、順次、第2の
レーザ励起光源22から発せられるレーザ光24を照射
したのと全く同様にして、生化学解析用ユニット1の吸
着層3に形成された第2ライン目の吸着性領域5に含ま
れているローダミンを励起し、吸着性領域5から放出さ
れた蛍光45を、順次、フォトマルチプライア50によ
って、光電的に検出させる。フォトマルチプライア50
によって光電的に検出されて、生成されたアナログデー
タは、A/D変換器53によって、ディジタルデータに
変換されて、データ処理装置54に送られる。こうし
て、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成されたす
べての吸着性領域5が、第2のレーザ励起光源22から
放出されたレーザ光24によって走査され、生化学解析
用ユニット1の吸着層3に形成された吸着性領域5に含
まれているローダミンが励起されて、放出された蛍光4
5が、フォトマルチプライア50によって光電的に検出
され、生成されたアナログデータが、A/D変換器53
によって、ディジタルデータに変換されて、データ処理
装置54に送られると、コントロールユニット70か
ら、駆動停止信号が、第2のレーザ励起光源22に出力
され、第2のレーザ励起光源22の駆動が停止される。
本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の支持体
2に形成された吸着層3の表面に、撥水層4が形成さ
れ、撥水層4によって、吸着性領域5が分画されている
から、特異的結合物質を含む溶液を、多数の吸着性領域
5内に、確実に滴下することができ、また、生化学解析
用ユニット1の支持体2に形成された吸着層3の厚さが
約0.5μmで、きわめて薄いため、吸着性領域5に滴
下された特異的結合物質の溶液が、吸着層3内を、隣り
合った吸着性領域5に浸透することを効果的に防止する
ことができ、したがって、特異的結合物質を、所望のよ
うに、各吸着性領域5に吸着させることが可能になるか
ら、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、生
化学解析用ユニット1の吸着層3に形成された多数の吸
着性領域5に含まれた特異的結合物質に、選択的にハイ
ブリダイズさせた後、生化学解析用ユニット1の吸着層
3に形成された吸着性領域5をレーザ光24によって走
査し、吸着性領域5に含まれた蛍光物質を励起し、蛍光
物質から放出された蛍光45を光電的に検出して、生化
学解析用データを生成する場合にも、また、放射性標識
物質によって標識された生体由来の物質を、生化学解析
用ユニット1の吸着層3に形成された多数の吸着性領域
5に含まれた特異的結合物質に、選択的にハイブリダイ
ズさせた後、生化学解析用ユニット1を、多数の輝尽性
蛍光体層領域12が形成された蓄積性蛍光体シート10
に重ね合わせて、生化学解析用ユニット1の吸着層3に
形成された吸着性領域5に含まれている放射性標識物質
によって、蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成
された輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍
光体を露光し、輝尽性蛍光体層領域12をレーザ光24
によって走査して、輝尽性蛍光体層領域12に含まれて
いる輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出され
た輝尽光45を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成する場合にも、高い分解能で、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することが可能になる。また、
本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の吸着層
3の表面が、フラクタル構造を有するように、粗面化さ
れているので、吸着層3は、表面が平滑である場合より
も、100倍以上の大きな吸着表面積を有し、したがっ
て、十分な量の特異的結合物質を吸着層3に吸着させる
ことが可能になり、輝尽光45あるいは蛍光45を光電
的に検出することによって、十分に高い信号強度を有す
る生化学解析用データを生成することが可能になる。さ
らに、本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の
吸着層3の表面に、アルミニウム微粉末が分散された油
溶性インクを印刷することによって、撥水層4が形成さ
れ、撥水層4によって、多数の吸着性領域5が分画され
ているから、生化学解析用ユニット1の吸着層3に形成
された吸着性領域5の間には、アルミニウム微粉末が分
散された放射線を減衰させる性質を有する撥水層4が存
在し、したがって、露光の際に、各吸着性領域5から放
出された電子線(β線)が散乱して、隣り合う吸着性領
域5から放出された電子線(β線)と混ざり合い、隣り
合う吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層領域12に
入射することを効果的に防止することが可能になるとと
もに、蓄積性蛍光体シート10の多数の輝尽性蛍光体層
領域12が、放射線を減衰させる性質を有するニッケル
製の支持体11に形成された複数の貫通孔13内に、輝
尽性蛍光体を埋め込んで、形成されているから、各吸着
性領域5から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍光
体シート10の支持体11内で散乱して、対向する輝尽
性蛍光体層領域12に隣り合う輝尽性蛍光体層領域12
に入射することを効果的に防止することが可能になり、
したがって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域5に
含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β
線)を、その吸着性領域5に対向する輝尽性蛍光体層領
域12に選択的に入射させることができ、吸着性領域5
に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
(β線)が、隣り合う吸着性領域5から放出される電子
線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域12に入
射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止する
ことが可能になるから、生化学解析用ユニット1の吸着
性領域5に含まれている放射性標識物質によって露光さ
れた輝尽性蛍光体層領域12を、レーザ光24によって
走査して、輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
45を光電的に検出して、生成された生化学解析用デー
タ中に、電子線(β線)の散乱に起因したノイズが生成
されることを効果的に防止することができ、したがっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。また、本実施態様によれ
ば、生化学解析用ユニット1の吸着層3の表面に、アル
ミニウム微粉末が分散された油溶性インクを印刷するこ
とによって、撥水層4が形成され、撥水層4によって、
多数の吸着性領域5が分画されているから、生化学解析
用ユニット1の吸着層3に形成された吸着性領域5の間
には、アルミニウム微粉末が分散された放射線を減衰さ
せる性質を有する撥水層4が存在し、したがって、レー
ザ光24によって、生化学解析用ユニット1の吸着層3
に形成された吸着性領域5を走査して、吸着性領域5に
含まれている蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出され
た蛍光45を光電的に検出する際、吸着性領域5から放
出された蛍光が、隣り合った吸着性領域5から放出され
た蛍光45と混ざり合うことを効果的に防止することが
可能になるから、蛍光45を光電的に検出して、生成さ
れた生化学解析用データ中に、隣り合った吸着性領域5
から放出された蛍光45が混ざり合うことに起因するノ
イズが生成されることを効果的に防止することができ、
したがって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析
用データを生成することが可能になる。図14は、本発
明の別の好ましい実施態様にかかる生化学解析用ユニッ
トの略斜視図である。図14に示されるように、本実施
態様かかる生化学解析用ユニット81は、アルミニウム
によって形成された支持体82を備え、支持体82の表
面には、吸着層83が形成されている。本実施態様にお
いては、吸着層83は、アルミニウム製の支持体82の
表面を、電界酸化処理することによって形成され、約
0.5μmの厚さを有している。図14には正確に図示
されていないが、吸着層83の表面は、ミクロポア構造
を有するように、粗面化されており、さらに、シランカ
ップリング剤によって、吸着層83の表面に、親和化処
理が施されている。吸着層83の表面には、アルミニウ
ムが蒸着されて、撥水層84が形成され、撥水層84に
よって、吸着層83が分画されて、多数の吸着性領域8
5が形成されている。図14には正確に図示されていな
いが、本実施態様においては、約10000の約0.0
1平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領
域85が、約5000個/平方センチメートルの密度
で、規則的に、吸着層83に形成されている。生化学解
析にあたっては、前記実施態様と同様にして、図2に示
されたスポッティング装置を用いて、生化学解析用ユニ
ット81の吸着層83に形成された多数の吸着性領域8
5に、特異的結合物質を含む溶液が滴下される。本実施
態様においても、アルミニウムを蒸着することによっ
て、吸着層83の表面に、撥水層84が形成され、撥水
層84によって、吸着性領域85が分画されているか
ら、特異的結合物質を含む溶液を、多数の吸着性領域8
5内に、確実に滴下することができ、また、吸着層83
の厚さが約0.5μmで、きわめて薄いため、吸着性領
域85に滴下された特異的結合物質の溶液が、吸着層8
3内を浸透して、隣り合った吸着性領域85に到達する
ことを効果的に防止することができ、したがって、特異
的結合物質を、所望のように、各吸着性領域85に吸着
させることが可能になる。また、本実施態様にかかる生
化学解析用ユニット81の吸着層83の表面は、ミクロ
ポア構造を有するように、粗面化されているから、吸着
層83は、表面が平滑である場合よりも、はるかに大き
な吸着表面積を有し、さらに、シランカップリング剤に
よって、吸着層83の表面に、親和化処理が施されてい
るから、十分な量の特異的結合物質を吸着層83に吸着
させることが可能になる。こうして、多数の吸着性領域
85に、特異的結合物質が吸着されると、前記実施態様
と同様にして、放射性標識物質によって標識された生体
由来の物質および蛍光物質によって標識された生体由来
の物質を含むハイブリダイゼーション溶液が調製され
て、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域5に含
まれている特異的結合物質に、放射性標識物質によって
標識された生体由来の物質および蛍光物質によって標識
された生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズさ
れて、生化学解析用ユニット81の吸着層83に形成さ
れた多数の吸着性領域85に、放射性標識物質の放射線
データおよび蛍光物質の蛍光データが記録される。生化
学解析用ユニット81の吸着層83に形成された多数の
吸着性領域85に記録された蛍光データは、前記実施態
様と全く同様にして、図6ないし図13に示されたスキ
ャナによって、読み取られ、生化学解析用データが生成
される。スキャナによって、蛍光データが読み取られる
際、生化学解析用ユニット81の吸着層83の表面に、
アルミニウムが蒸着されて、撥水層84が形成され、撥
水層84によって、多数の吸着性領域85が分画されて
いるから、生化学解析用ユニット81の吸着層83に形
成された吸着性領域85の間には、アルミニウムによっ
て形成された放射線を減衰させる性質を有する撥水層8
4が存在し、したがって、レーザ光24によって、生化
学解析用ユニット81の吸着層83に形成された吸着性
領域85を走査して、吸着性領域85に含まれている蛍
光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光45を光
電的に検出する際、吸着性領域85から放出された蛍光
が、隣り合った吸着性領域85から放出された蛍光45
と混ざり合うことを効果的に防止することが可能になる
から、蛍光45を光電的に検出して、生成された生化学
解析用データ中に、隣り合った吸着性領域85から放出
された蛍光45が混ざり合うことに起因するノイズが生
成されることを効果的に防止することができ、したがっ
て、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データ
を生成することが可能になる。一方、生化学解析用ユニ
ット81の吸着層83に形成された多数の吸着性領域8
5に記録された放射線データは、前記実施態様と同様に
して、図4に示された蓄積性蛍光体シート10と生化学
解析用ユニット81を重ね合わせることによって、生化
学解析用ユニット81の吸着層83に形成された多数の
吸着性領域85に含まれている放射性標識物質により、
蓄積性蛍光体シート10の支持体11に形成された多数
の輝尽性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体
を露光して、蓄積性蛍光体シート10の多数の輝尽性蛍
光体層領域12に転写される。この際、吸着性領域85
に吸着されている放射性標識物質から電子線(β線)が
発せられるが、本実施態様にかかる生化学解析用ユニッ
ト81の吸着層83に形成された吸着性領域85の間に
は、アルミニウムによって形成された放射線を減衰させ
る性質を有する撥水層84が形成されているから、各吸
着性領域85から放出された電子線(β線)が散乱し
て、隣り合う吸着性領域85から放出された電子線(β
線)と混ざり合い、隣り合う吸着性領域85に対向する
輝尽性蛍光体層領域12に入射することを効果的に防止
することができ、さらに、蓄積性蛍光体シート10の多
数のドット状の輝尽性蛍光体層領域12が、放射線を減
衰させる性質を有するニッケル製の支持体11に形成さ
れた複数の貫通孔13内に、輝尽性蛍光体を埋め込ん
で、形成されているから、生化学解析用ユニット81の
各吸着性領域85から放出された電子線(β線)が、蓄
積性蛍光体シート10の支持体11内で散乱して、対向
する輝尽性蛍光体層領域12に隣り合う輝尽性蛍光体層
領域12に入射することを効果的に防止することが可能
になり、したがって、生化学解析用ユニット81の吸着
性領域85に含まれている放射性標識物質から放出され
た電子線(β線)を、その吸着性領域85に対向する輝
尽性蛍光体層領域12に選択的に入射させることがで
き、吸着性領域85に含まれている放射性標識物質から
放出された電子線(β線)が、隣り合う吸着性領域85
から放出される電子線によって露光されるべき輝尽性蛍
光体層領域12に入射して、輝尽性蛍光体を露光するこ
とを確実に防止することができる。こうして、蓄積性蛍
光体シート10の支持体11に形成された多数の輝尽性
蛍光体層領域12に記録された放射線データは、前記実
施態様と全く同様にして、図6ないし図13に示された
スキャナによって、読み取られ、生化学解析用データが
生成される。したがって、本実施態様によれば、生化学
解析用ユニット81の支持体82に形成された吸着層8
3の表面に、撥水層84が形成され、撥水層84によっ
て、吸着性領域85が分画されているから、特異的結合
物質を含む溶液を、多数の吸着性領域85内に、確実に
滴下することができ、また、生化学解析用ユニット81
の支持体82に形成された吸着層83の厚さが約0.5
μmで、きわめて薄いため、吸着性領域85に滴下され
た特異的結合物質の溶液が、吸着層83内を、隣り合っ
た吸着性領域85に浸透することを効果的に防止するこ
とができ、したがって、特異的結合物質を、所望のよう
に、各吸着性領域85に吸着させることが可能になるか
ら、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、生
化学解析用ユニット81の吸着層83に形成された多数
の吸着性領域85に含まれた特異的結合物質に、選択的
にハイブリダイズさせた後、生化学解析用ユニット81
の吸着層83に形成された吸着性領域85をレーザ光2
4によって走査し、吸着性領域85に含まれた蛍光物質
を励起し、蛍光物質から放出された蛍光45を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する場合にも、ま
た、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質
を、生化学解析用ユニット81の吸着層83に形成され
た多数の吸着性領域85に含まれた特異的結合物質に、
選択的にハイブリダイズさせた後、生化学解析用ユニッ
ト81を、多数の輝尽性蛍光体層領域12が形成された
蓄積性蛍光体シート10に重ね合わせて、生化学解析用
ユニット81の吸着層83に形成された吸着性領域85
に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体
シート10の支持体11に形成された輝尽性蛍光体層領
域12に含まれている輝尽性蛍光体を露光し、輝尽性蛍
光体層領域12をレーザ光24によって走査して、輝尽
性蛍光体層領域12に含まれている輝尽性蛍光体を励起
し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光45を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成する場合にも、高
い分解能で、定量性に優れた生化学解析用データを生成
することが可能になる。また、本実施態様によれば、生
化学解析用ユニット81の吸着層83の表面が、ミクロ
ポア構造を有するように、粗面化されているので、吸着
層83は、表面が平滑である場合よりも、はるかに大き
な吸着表面積を有し、さらに、シランカップリング剤に
よって、吸着層83の表面に親和化処理が施されている
から、十分な量の特異的結合物質を吸着層83に吸着さ
せることが可能になり、輝尽光45あるいは蛍光45を
光電的に検出することによって、十分に高い信号強度を
有する生化学解析用データを生成することが可能にな
る。さらに、本実施態様によれば、生化学解析用ユニッ
ト81の吸着層83の表面に、アルミニウムが蒸着され
て、撥水層84が形成され、撥水層84によって、多数
の吸着性領域85が分画されているから、生化学解析用
ユニット81の吸着層83に形成された吸着性領域85
の間には、アルミニウムによって形成された放射線を減
衰させる性質を有する撥水層84が存在し、したがっ
て、露光の際に、各吸着性領域85から放出された電子
線(β線)が散乱して、隣り合う吸着性領域85から放
出された電子線(β線)と混ざり合い、隣り合う吸着性
領域85に対向する輝尽性蛍光体層領域12に入射する
ことを効果的に防止することが可能になり、したがっ
て、生化学解析用ユニット81の吸着性領域85に含ま
れている放射性標識物質から放出された電子線(β線)
を、その吸着性領域85に対向する輝尽性蛍光体層領域
12に選択的に入射させることができ、吸着性領域85
に含まれている放射性標識物質から放出された電子線
(β線)が、隣り合う吸着性領域85から放出される電
子線によって露光されるべき輝尽性蛍光体層領域12に
入射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止す
ることが可能になるから、生化学解析用ユニット81の
吸着性領域85に含まれている放射性標識物質によって
露光された輝尽性蛍光体層領域12を、レーザ光24に
よって走査して、輝尽性蛍光体層領域12に含まれてい
る輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された
輝尽光45を光電的に検出して、生成された生化学解析
用データ中に、電子線(β線)の散乱に起因したノイズ
が生成されることを効果的に防止することができ、した
がって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することが可能になる。また、本実施態様に
よれば、生化学解析用ユニット81の吸着層83の表面
に、アルミニウムが蒸着されて、撥水層84が形成さ
れ、撥水層84によって、多数の吸着性領域85が分画
されているから、生化学解析用ユニット81の吸着層8
3に形成された吸着性領域85の間には、アルミニウム
によって形成された放射線を減衰させる性質を有する撥
水層84が存在し、したがって、レーザ光24によっ
て、生化学解析用ユニット81の吸着層83に形成され
た吸着性領域85を走査して、吸着性領域85に含まれ
ている蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光
45を光電的に検出する際、吸着性領域85から放出さ
れた蛍光が、隣り合った吸着性領域85から放出された
蛍光45と混ざり合うことを効果的に防止することが可
能になるから、蛍光45を光電的に検出して、生成され
た生化学解析用データ中に、隣り合った吸着性領域5か
ら放出された蛍光45が混ざり合うことに起因するノイ
ズが生成されることを効果的に防止することができ、し
たがって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することが可能になる。本発明は、以上の
実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載
された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それら
も本発明の範囲内に包含されるものであることはいうま
でもない。たとえば、図1に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット1は、ガラスによって形成さ
れた支持体2を備え、支持体2の表面には、ナイロン6
よりなる吸着層3が形成されているが、支持体2をガラ
スによって形成することは必ずしも必要でなく、金属や
合金によって形成することもできる。また、図1に示さ
れた実施態様においては、生化学解析用ユニット1は、
ガラスによって形成された支持体2を備え、支持体2の
表面には、ナイロン6よりなる吸着層3が形成されてい
るが、ナイロン6によって、吸着層3を形成することは
必ずしも必要でなく、ナイロン6以外のメンブレンフィ
ルタが形成可能な多孔質材料、たとえば、ナイロン6,
6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセル
ロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カ
ルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレ
ックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩
化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オライドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体
または複合体、あるいは、活性炭などの多孔質炭素材料
によって、生化学解析用ユニット1の吸着層3を形成す
ることもでき、さらには、白金、金、鉄、銀、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタ
イト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体な
どの無機多孔質材料あるいは複数の繊維の束によって、
生化学解析用ユニット1の吸着層3を形成するようにし
てもよい。さらに、図14に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット83は、アルミニウムによっ
て形成された支持体82を備え、支持体82の表面に
は、アルミニウム製の支持体82の表面を、電界酸化処
理することによって形成された吸着層83を備えている
が、生化学解析用ユニット81の支持体82をアルミニ
ウムによって形成することは必ずしも必要でなく、他の
金属あるいは合金によって、支持体82が形成されてい
てもよい。また、図14に示された実施態様において
は、生化学解析用ユニット83は、アルミニウムによっ
て形成された支持体82を備え、支持体82の表面に
は、アルミニウム製の支持体82の表面を、電界酸化処
理することによって形成された吸着層83を備えている
が、吸着層83を電界酸化処理によって形成することは
必ずしも必要でなく、プラズマ処理、アーク放電などの
酸化処理によって、支持体82の表面を処理し、吸着層
83を形成するようにしてもよい。さらに、図1に示さ
れた実施態様においては、撥水層4が、生化学解析用ユ
ニット1の吸着層3の表面に、アルミニウム微粉末が分
散された油溶性インクを印刷することによって形成され
ているが、アルミニウム微粉末を分散させることは必ず
しも必要でなく、アルミニウム微粉末に代えて、金、
銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロ
ム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金
属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金の微粉末あるい
はシリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭
化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸
化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなど
の無機塩などの微粉末を分散させてもよく、さらには、
微粉末が分散されていない撥水層4を、吸着層3の表面
に設けることもできる。また、図1に示された実施態様
においては、撥水層4が、生化学解析用ユニット1の吸
着層3の表面に、アルミニウム微粉末が分散された油溶
性インクを印刷することによって形成されているが、印
刷によって、撥水層4を形成することは必ずしも必要で
なく、インクジェット法によって、アルミニウム微粉末
が分散された油溶性インクを吸着層3の表面に噴射し
て、撥水層4を形成することもできる。また、図14に
示された実施態様においては、吸着層83の表面に、ア
ルミニウムが蒸着されて、撥水層84が形成されている
が、アルミニウムを蒸着して、撥水層84を形成するこ
とは必ずしも必要でなく、アルミニウムに代えて、金、
銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロ
ム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金
属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金を蒸着して、撥
水層84を形成することもできる。また、前記実施態様
においては、生化学解析用ユニット1、81の撥水層
4、84はいずれも、放射線および光を減衰させる性質
を有しているが、撥水層4、84が、放射線および光を
減衰させる性質を有していることは必ずしも必要でな
く、放射線および光の一方のみを減衰させる性質を有す
る撥水層4、84を設けることもでき、放射線も、光も
減衰させる性質を有していない撥水層4、84を設ける
こともできる。さらに、前記実施態様においては、吸着
層3、83は、約0.5μmの厚さを有しているが、吸
着層3、83が、約0.5μmの厚さを有していること
は必ずしも必要でなく、吸着層3、83が、5μm以下
の厚さを有していることが好ましく、1μm以下さらに
好ましくは、0.5μm以下の厚さを有していることが
最も好ましいが、吸着層3、83の厚さが5μmを越え
ていてもよい。また、前記実施態様においては、生化学
解析用ユニット1、81の吸着層3、83に、約100
00の約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略
円形の吸着性領域5、85が、約5000個/平方セン
チメートルの密度で、規則的に形成されているが、吸着
性領域5、85を、略円形に形成することは必ずしも必
要でなく、矩形状など、任意の形状に形成することがで
きる。さらに、前記実施態様においては、生化学解析用
ユニット1、81の吸着層3、83に、約10000の
約0.01平方ミリメートルのサイズを有する略円形の
吸着性領域5、85が、約5000個/平方センチメー
トルの密度で、規則的に形成されているが、吸着性領域
5、85の数およびサイズは、目的に応じて、任意に選
択をすることができ、好ましくは、10以上の5平方ミ
リメートル未満のサイズを有する吸着性領域5、85
が、10個/平方センチメートル以上の密度で、吸着層
3、83に形成される。また、前記実施態様において
は、生化学解析用ユニット1、81の吸着層3、83
に、約10000の約0.01平方ミリメートルのサイ
ズを有する略円形の吸着性領域5、85が、約5000
個/平方センチメートルの密度で、規則的に形成されて
いるが、吸着性領域5、85を、規則的なパターンにし
たがって、形成することは必ずしも必要でない。
【発明の効果】本発明によれば、高い分解能で、生化学
解析用データを生成することができ、定量性に優れた生
化学解析用データを生成することができる生化学解析用
ユニットを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生
化学解析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、スポッティング装置の略正面図であ
る。
【図3】図3は、ハイブリダイゼーション容器の略横断
面図である。
【図4】図4は、蓄積性蛍光体シートの略斜視図であ
る。
【図5】図5は、生化学解析用ユニットの吸着層に形成
された多数の吸着性領域に含まれた放射性標識物質によ
って、蓄積性蛍光体シートに形成された多数の輝尽性蛍
光体層領域を露光する方法を示す略断面図である。
【図6】図6は、生化学解析用ユニットの多数の吸着性
領域に記録された蛍光物質の蛍光データおよび蓄積性蛍
光体シートの多数の輝尽性蛍光体層領域に記録された放
射性標識物質の放射線データを読み取って、生化学解析
用データを生成するスキャナの略斜視図である。
【図7】図7は、図6に示されたスキャナのフォトマル
チプライア近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図9】図9は、図7のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図10】図10は、図7のC−C線に沿った略断面図
である。
【図11】図11は、図7のD−D線に沿った略断面図
である。
【図12】図12は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【図13】図13は、図6に示されたスキャナの制御
系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイア
グラムである。
【図14】図14は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット 2 支持体 3 吸着層 4 撥水層 5 吸着性領域 6 インジェクタ 7 CCDカメラ 8 ハイブリダイゼーション容器 9 ハイブリダイゼーション溶液 10 蓄積性蛍光体シート 11 支持体 12 輝尽性蛍光体層領域 13 貫通孔 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 ミラー 30 コリメータレンズ 31 コリメータレンズ 32 ミラー 33 穴開きミラーの穴 34 穴開きミラー 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 非球面レンズ 38 凹面ミラー 40 ステージ 41 ガラス板 45 蛍光あるいは輝尽光 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 データ処理装置 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 一対のレール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査ステッピングモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 キーボード 72 フィルタユニットモータ 81 生化学解析用ユニット 82 支持体 83 吸着層 84 撥水層 85 吸着性領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 33/483 C 37/00 102 37/00 102 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA03 DA02 EA01 FA01 FA06 GA02 GA07 GB01 HA01 HA02 HA03 HA09 JA03 KA02 KA05 KA09 LA02 2G045 AA40 FA11 GC15 2G054 AA06 EA03 FB01 4B029 AA07 FA12

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着層が形成された支持体を備え、前記
    吸着層の表面に、撥水層が形成され、前記撥水層によっ
    て、前記吸着層が分画されて、複数の吸着性領域が形成
    されたことを特徴とする生化学解析用ユニット。
  2. 【請求項2】 前記吸着層が、5μm以下の厚さを有し
    ていることを特徴とする請求項1に記載の生化学解析用
    ユニット。
  3. 【請求項3】 前記吸着層が、1μm以下の厚さを有し
    ていることを特徴とする請求項2に記載の生化学解析用
    ユニット。
  4. 【請求項4】 前記吸着層が、0.5μm以下の厚さを
    有していることを特徴とする請求項3に記載の生化学解
    析用ユニット。
  5. 【請求項5】 前記撥水層が、撥水性材料の印刷または
    インクジェットによって、前記吸着層の表面に形成され
    たことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の生化学解析用ユニット。
  6. 【請求項6】 前記撥水層が、前記吸着層の表面に、撥
    水性材料が蒸着されて、形成されたことを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の生化学解析用ユ
    ニット。
  7. 【請求項7】 前記撥水層が、放射線を減衰させる性質
    を有していることを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  8. 【請求項8】 前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領域
    の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記撥水層中を
    透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5以下に
    減衰させる性質を有していることを特徴とする請求項7
    に記載の生化学解析用ユニット。
  9. 【請求項9】 前記撥水層が、2g/cm以上の比重
    を有することを特徴とする請求項7または8に記載の生
    化学解析用ユニット。
  10. 【請求項10】 前記撥水層が、光を減衰させる性質を
    有していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用ユニット。
  11. 【請求項11】 前記撥水層が、隣り合う前記吸着性領
    域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記撥水層中を透
    過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減衰さ
    せる性質を有していることを特徴とする請求項10に記
    載の生化学解析用ユニット。
  12. 【請求項12】 前記撥水層に、金属またはセラミック
    の微粒子が分散されていることを特徴とする請求項7な
    いし11のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニッ
    ト。
  13. 【請求項13】 前記撥水層が、金属を蒸着して、形成
    されたことを特徴とする請求項7ないし11のいずれか
    1項に記載の生化学解析用ユニット。
  14. 【請求項14】 前記吸着層に、10以上の吸着性領域
    が形成されたことを特徴とする請求項1ないし13のい
    ずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  15. 【請求項15】 前記吸着層に形成された前記複数の吸
    着性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイ
    ズを有していることを特徴とする請求項1ないし14の
    いずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
  16. 【請求項16】 前記吸着層に、前記複数の吸着性領域
    が、10個/平方センチメートル以上の密度で、形成さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用ユニット。
  17. 【請求項17】 前記吸着層が、炭素多孔質材料または
    メンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料によって形
    成されたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれ
    か1項に記載の生化学解析用ユニット。
  18. 【請求項18】 前記吸着層が、繊維材料によって形成
    されたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか
    1項に記載の生化学解析用ユニット。
  19. 【請求項19】 前記吸着層が、前記支持体を表面処理
    することによって、形成されたことを特徴とする請求項
    1ないし16のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニ
    ット。
  20. 【請求項20】 前記吸着層の表面が、粗面化されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項
    に記載の生化学解析用ユニット。
  21. 【請求項21】 前記吸着層の表面が、フラクタル構造
    を有していることを特徴とする請求項20に記載の生化
    学解析用ユニット。
  22. 【請求項22】 前記支持体が、金属、合金またはガラ
    スによって形成されたことを特徴とする請求項1ないし
    21のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112088311A (zh) * 2018-03-15 2020-12-15 株式会社日立高新技术 自动分析装置

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