JP2003105318A - 重金属固定剤及び重金属固定剤の低温安定化方法 - Google Patents

重金属固定剤及び重金属固定剤の低温安定化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジエチルジチオカルバミン酸塩を高濃度に含
有する重金属固定剤の凝固点を降下させ、寒冷地におい
ても安定な状態を保持できる低温安定性を有する重金属
固定剤及びその低温安定化方法を提供すること。 【解決手段】 ジエチルジチオカルバミン酸塩を含有す
る水溶液を主成分とする重金属固定剤において、ピペラ
ジン及びポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも
1種を0.1〜5.0重量%含有させた重金属固定剤と
する。重金属固定剤はジエチルジチオカルバミン酸塩を
50重量%以上60重量%以下の範囲で含有し、−9℃
で凝固しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場排水や、産業
廃棄物、都市ゴミの焼却プラントにおいて発生する焼却
灰や、焼却プラント等から排ガスと共に排出され電気集
塵機で捕集された飛灰、重金属汚染土壌等に含まれる重
金属を固定し、環境への分散放出を防止する重金属固定
剤及びその低温安定化方法に関し、特に、寒冷地におい
ても重金属を含有する焼却灰等の処理を効率よく行なう
ことができる重金属固定剤及びその低温安定化方法に係
わる。
【0002】
【従来の技術】工場排水や、都市ゴミや産業廃棄物等の
焼却プラントから排出される焼却灰や、排煙中から電気
集塵機等で捕集された飛灰や、重金属汚染土壌等を処理
するに際し、焼却灰や、飛灰等に含有される鉛、クロ
ム、カドミウム、砒素、セレン等の有害な重金属の環境
への放出を排除するため、焼却灰、飛灰等をセメント固
化する方法や、焼却灰、飛灰等を酸で処理し重金属を抽
出する方法があったが、廃棄物の体積の増加や、酸によ
り抽出した重金属の処理の問題があった。このため、特
殊な装置を必要とせず、後処理が不要である重金属固定
剤による処理が採用されていた。重金属固定剤として、
ジチオカルボキシ基を官能基として有するアミン誘導体
の液体キレート剤は、重金属の捕集効果も高く、雨水等
に不溶出化することができるため多用されており、特
に、ジチオカルボキシ基を官能基として有するアミン誘
導体としてジエチルジチオカルバミン酸塩を含有する水
溶液等が好適に用いられていた。
【0003】このような重金属固定剤として使用される
ジエチルジチオカルバミン酸塩を含有する水溶液は、窒
素雰囲気下、ジエチルアミンと水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ水溶液を混合し、5〜30℃の
範囲で攪拌しながら二硫化炭素を滴下して反応させるこ
とにより、高濃度のジエチルジチオカルバミン酸塩が含
有される水溶液として製造されていた。しかしながら、
上記の方法で製造されたジエチルジチオカルバミン酸塩
を含有する水溶液からなる重金属固定剤は、ジエチルジ
チオカルバミン酸塩が高濃度、例えば、50重量%以上
となると、凝固点が上昇し、−7℃以下の低温の寒冷地
等で使用する場合には、水溶液自体が凝固してしまうた
め、保管、貯蔵に特別な装置が必要となり、これを用い
た作業にも制約がかかり、コストが高くなるのみなら
ず、煩雑な手数を要する等の問題があり、取り扱いが非
常に困難であった。一方、ジエチルジチオカルバミン酸
のカリウム塩を、30重量%以上含有させた水溶液を適
用し、低温で晶析しない重金属固定剤が提案されていた
(特開平8−332475号公報)が、ジエチルジチオ
カルバミン酸のカリウム塩の生成反応における副生成物
であるチオ炭酸塩を含有しない純度の高いジエチルジチ
オカルバミン酸のカリウム塩を50重量%以上含有する
水溶液を主成分とする重金属固定剤の凝固点を降下でき
るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、凝固
点を降下させ、寒冷地においても凝固せず安定な状態を
保持できる低温安定性を有する重金属固定剤及び寒冷地
においても焼却灰等の処理を容易とする重金属固定剤の
低温安定化方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、ジエチルジチオカルバミン酸塩を
含有する水溶液からなる重金属固定剤に、ピペラジン又
はポリアミンを0.1から5.0重量%を含有させるこ
とにより、凝固点の降下を図り、−7℃以下の低温にお
いて、特に、−9℃の低温において凝固しない重金属固
定剤を得ることができ、低温において重金属固定剤の安
定化を図ることができることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち本発明は、ジエチルジチオカルバ
ミン酸塩を含有する水溶液を主成分とする重金属固定剤
において、ピペラジン及びポリアミンからなる群から選
ばれる少なくとも1種を0.1〜5.0重量%含有し、
低温で凝固しないことを特徴とする重金属固定剤に関
し、好ましくは、ジエチルジチオカルバミン酸塩を50
重量%以上60重量%以下含有することを特徴とする請
求項1記載の重金属固定剤(請求項2)や、−9℃で凝
固しないことを特徴とする請求項1又は2のいずれか記
載の重金属固定剤(請求項3)に関する。
【0007】また、本発明は、ジエチルジチオカルバミ
ン酸塩を含有する水溶液を主成分とする重金属固定剤
に、ピペラジン及びポリアミンからなる群から選ばれる
少なくとも1種を0.1〜5.0重量%添加することを
特徴とする重金属固定剤の低温安定化方法(請求項4)
に関し、好ましくは、ジエチルジチオカルバミン酸塩を
50重量%以上60重量%以下含有することを特徴とす
る請求項4記載の重金属固定剤の低温安定化方法(請求
項5)や、−9℃で凝固しないことを特徴とする請求項
4又は5のいずれか記載の重金属固定剤の低温安定化方
法(請求項6)に関する。
【0008】本発明の重金属固定剤に使用されるジエチ
ルジチオカルバミン酸塩は、ジエチルジチオカルバミン
酸と、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金
属との塩であり、重金属を含有する焼却灰等と混合され
ることにより、アルカリ金属を重金属原子と置換して、
重金属原子とのキレート錯体を容易に形成し、重金属原
子の固定を迅速に、且つ、強固に行ない、固定された重
金属原子は雨水等により放出されないものである。本発
明の重金属固定剤は、主成分であるジエチルジチオカル
バミン酸塩の製造における、ジエチルアミン、アルカリ
金属水酸化物及び二硫化炭素を水溶液中で混合して得ら
れる生成物であるジエチルジチオカルバミン酸のアルカ
リ塩の水溶液をそのまま適用することができる。反応生
成物の水溶液からは、未反応の二硫化炭素や、ジエチル
アミンが除去されたものが好ましく、未反応の二硫化炭
素が除去されたものは、水溶液に空気中の二酸化炭酸等
が混合されpHが酸性側になったとき、二硫化炭素が放
出されるのを防止することができる。
【0009】上記ジエチルジチオカルバミン酸塩の含有
量は、特に限定されるものではないが、重金属が被処理
体中に多量に含有される場合にも、確実に重金属を固定
することができるような範囲で、適宜選択され、例え
ば、50重量%〜60重量%の範囲で選択される。この
範囲であれば、被処理体に含有される重金属と結合し、
重金属を高精度に固定し、不溶出化することができる。
50重量%未満であると、重金属を多量に含有する被処
理体について、重金属の固定が迅速に、且つ十分に行な
われない可能性があり、60重量%を超えると、ジエチ
ルジチオカルバミン酸塩が浪費される可能性が高くな
る。
【0010】本発明に使用されるピペラジンは、ジエチ
ルジチオカルバミン酸塩を含有する水溶液に溶解されて
使用されるものであり、ピペラジン無水物又はピペラジ
ン6水和物のいずれも適用することができる。ピペラジ
ン無水物又はピペラジン6水和物は固体状態のまま、あ
るいは水溶液として重金属固定剤に添加されて用いられ
てもよく、また、融点が低いピペラジン6水和物は溶融
して液状として重金属固定剤に添加されて用いられても
よい。これらのピペラジンの水溶液は塩基性であり、重
金属固定剤の凝固点を下降させると共に、水溶液が空気
中の二酸化炭素が溶解されて酸性になることにより発生
する二硫化炭素の発生を抑制する作用を有する。
【0011】本発明に使用されるポリアミンは、ジエチ
ルジチオカルバミン酸塩を含有する水溶液に溶解されて
使用されるものであり、ピペラジンと同様に、水に易溶
であり、その水溶液は塩基性であり、重金属固定剤の凝
固点を下降させると共に、水溶液が空気中の二酸化炭素
が溶解されて酸性になることにより発生する二硫化炭素
の発生を抑制する作用を有する。ポリアミンは、複数の
アミノ基を有するものであれば、特に限定されるもので
はなく、アミノ基としては、第一級アミノ基、第二級ア
ミノ基、第三級アミノ基のいずれであってもよく、ま
た、ポリアミンとしては、ジアミン、トリアミン、テト
ラミン等複数のアミノ基を有するものを挙げることがで
きるが、脂肪族アミンが好ましく、脂肪族アミンであれ
ば、脂肪族不飽和アミン、脂環式アミン等も適用するこ
とができる。
【0012】上記ポリアミンとしては、第二級アミノ基
を分子内に少なくとも一つもった多価アミンが好適であ
り、具体的には、N−メチルエチレンジアミン、N−エ
チルエチレルジアミン、N−ブチルエチレンジアミン、
N,N´−ジメチルエチレンジアミン、N,N´−ジエ
チルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパン
ジアミン、N,N´−ジメチル−1,3−プロパンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、イミノビスプロピルアミン、ポリエチレンイミ
ン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジア
ミン、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレン
ジアミン、3,3´−イミノビス(N,N´−ジメチル
プロピルアミン)等を例示することができる。
【0013】上記ピペラジンの含有量は重金属固定剤が
寒冷地で使用される際にそのもの自体が晶析しない範囲
であり、最適含有量の範囲は、ジエチルジチオカルバミ
ン酸塩を含有する水溶液に対して0.1重量%から5.
0重量%とすることができる。0.1重量%未満である
と、凝固点降下の十分な効果が得られない。また、5.
0重量%以上を添加した場合でも、効果が認められる
が、5.0重量%を超えて添加した場合の、使用量と、
得られる効果を勘案すると、5.0重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0014】上記ポリアミンの含有量は重金属固定剤が
寒冷地で使用される際にそのもの自体が晶析しない範囲
であり、最適含有量の範囲は、ジエチルジチオカルバミ
ン酸塩を含有する水溶液に対して0.1重量%から5.
0重量%とすることができる。0.1重量%未満である
と、凝固点降下の十分な効果が得られない。また、5.
0重量%以上を添加した場合でも、効果が認められる
が、5.0重量%を超えて添加した場合の、ジエチルジ
チオカルバミン酸の使用量と、得られる効果を勘案する
と、5.0重量%以下であることが好ましい。
【0015】上記のピペラジン、ポリアミンは、ピペラ
ジン単独で使用しても、また、ポリアミンの1種又は2
種以上を使用しても、あるいは、ポリアミンの1種又は
2種以上とピペラジンと共に使用してもよい。
【0016】本発明の重金属固定剤には、これらのポリ
アミンやピペラジンに加え、水溶液を塩基性に保持する
ためのpH調整剤を含有させることができる。pH調整
剤が含有されたものは、保存期間中の水素イオン濃度を
所定の範囲に保持し、副反応生成物であるチオ炭酸塩等
から生じる二硫化炭素や、硫化水素の発生を防止するこ
とができる。水溶液の水素イオン濃度がpH10以上で
あれば、空気中の二酸化炭酸等が混入することにより水
溶液が酸性になっても、また、高温に晒された場合で
も、ジエチルジチオカルバミン酸塩が分解され二硫化炭
素が発生することを防止することができ、また、副反応
生成物のチオ炭酸塩が水溶液中に存在していても、分解
されて二硫化炭素や、硫化水素が発生することを抑制す
ることができ、更に、重金属固定処理時においても、二
硫化炭素の発生を防止することができる。pH調整剤と
しては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リ
チウム等のアルカリを適用することができ、後述するジ
エチルジチオカルバミン酸塩の生成に使用したアルカリ
金属の水酸化物と同一のアルカリ金属の水酸化物を好適
に使用することもでき、添加量はジエチルジチオカルバ
ミン酸塩の0.01から200モル%とすることができ
る。
【0017】更に、重金属固定剤は他の物質、例えば、
水素イオン濃度を調整するためのアルカリや、酸、ま
た、酸化防止剤、又はメタノールやエタノール等の水溶
性有機溶媒等を含有するものであってもよい。
【0018】本発明の重金属固定剤の製造方法は、通常
のジエチルジチオカルバミン酸塩を含有した水溶液の製
造後に、固体のピペラジン又はポリアミンをそのまま、
あるいは水溶液として、あるいは、低融点であるピペラ
ジン6水和物は溶融して液状として添加してもよい。
【0019】上記ジエチルジチオカルバミン酸塩を含有
する水溶液の製造は、ジエチルアミン、アルカリ金属水
酸化物及び二硫化炭素を水溶液中で混合して製造するこ
とができるが、好ましくは、ジエチルアミン、アルカリ
金属水酸化物を水に溶解させ、これに二硫化炭素を滴下
して行なうことができ、窒素雰囲気下で行なうことが好
ましい。また、30℃以下の温度で行なわれることが好
ましく、特に、0℃〜15℃の範囲で行なわれると、重
金属固定剤による被処理体の処理の際や、保存期間中に
二硫化炭素の発生源となるチオ炭酸塩の副反応生成物の
生成が抑制され、ジエチルジチオカルバミン酸塩が選択
的に生成されるので好ましい。上記の反応はpH10以
上に調整されて行なわれることが好ましい。
【0020】反応の終点は、水溶液中に分散されている
二硫化炭素の粒が消失した時点を目安としてNMR等で
確認して決定される。更に、反応終了後、未反応の二硫
化炭素又はジエチルアミンを水溶液から除去するため、
窒素によるバブリングを行なうことが望ましい。未反応
の二硫化炭素等は、重金属固定剤の加熱や、水素イオン
濃度の変動等により水溶液中から分離されるため、当初
から除去されていることが望ましい。
【0021】反応終了後、水溶液をpH10以上にして
保存すると、保存期間中に二硫化炭素の発生が抑制でき
るため好ましい。反応生成物の水溶液をpH10以上と
して保存するには、金属水酸化物を生成ジエチルジチオ
カルバミン酸塩の0.01から200モル%添加するこ
とができる。
【0022】本発明の重金属固定剤の低温安定化方法
は、ジエチルジチオカルバミン酸塩を含有する水溶液を
主成分とする重金属固定剤に、ピペラジン及びポリアミ
ンからなる群から選ばれる少なくとも1種を0.1〜
5.0重量%添加するものであれば、特に限定されるも
のではなく、好ましくは、ジエチルジチオカルバミン酸
塩を50重量%以上60重量%以下添加するものであ
り、このため、低温、例えば、−9℃で重金属固定剤は
凝固せず、液状を維持することができ、重金属固定剤の
低温における安定化を図ることができる。
【0023】本発明の重金属固定剤を使用して焼却灰等
を処理する方法は、重金属固定剤を焼却灰、飛灰、排水
又は重金属含有土壌等の被処理体と混合すればよく、低
温、例えば、−7℃以下、特に、−9℃であっても、重
金属固定剤は凝固することなく液体であり、含有される
ジエチルジチオカルバミン酸塩が晶析することがなく、
常温での処理と同様に処理することができる。即ち、重
金属固定剤と被処理体を混合することにより、重金属固
定剤に含有されるジエチルジチオカルバミン酸が被処理
体に含有される重金属と結合し、重金属のキレート錯体
が形成され、重金属が高精度に固定され、不溶出化され
る。
【0024】重金属固定剤の使用量は、被処理体中に含
有される重金属の量によるが、都市ゴミ焼却炉の焼却灰
や、排煙灰等であれば、例えば、これら被処理体の1〜
5重量%程度を使用することができる。また、被処理体
の形態や、あるいは重金属の含有量により、適宜、重金
属固定剤に水を添加して、使用することができる。
【0025】このような重金属固定剤によって処理され
る被処理体としては、特に限定されるものではなく、重
金属が含有されるものであれば、いずれのものに対して
も適用することができ、工場排水や、産業廃棄物、都市
ゴミの焼却プラントにおいて発生する焼却灰や、焼却プ
ラントから排ガスと共に排出され電気集塵機で捕集され
たEP灰やバグフィルターで捕集された灰分等の飛灰、
重金属汚染土壌等が挙げられ、これらに含有される重金
属は無機化合物、有機化合物のいずれの形態として存在
するものも処理対象とされ、重金属固定剤により被処理
体に含有される重金属が容易に固定される。
【0026】
【実施例】以下に、実施例を挙げてこの発明を更に具体
的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定
されるものではない。 実施例1 ピペラジンを0.3重量%、0.5重量%、1.0重量
%、2.0重量%、5.0重量%添加したチオ炭酸塩を
含有しない黄緑色(波長500nmにおける紫外可視光
吸収スペクトルの吸光度が0.05以下)の56重量%
ジエチルジチオカルバミン酸カリウム水溶液からなる重
金属固定剤を調整した。これらの重金属固定剤の凝固点
を測定した。結果を、表1及び図1に示す。 比較例1 ピペラジン無添加のものと、10.0重量%添加の56
重量%ジエチルジチオカルバミン酸カリウムを含有する
水溶液からなる重金属固定剤の凝固点を測定した結果、
それぞれ、−7.2℃、3.5℃であった。結果を、表
1、図1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 テトラエチレンペンタミンを0.3重量%、0.5重量
%、1.0重量%、5.0重量%添加したジエチルジチ
オカルバミン酸カリウム水溶液からなる重金属固定剤を
調整した。これらの重金属固定剤の凝固点を測定した。
結果を、表2及び図2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】結果からも明らかなように、ピペラジンを
0.1〜5.0重量%添加し、また、ポリアミンを0.
1〜5.0重量%添加した56重量%ジエチルジチオカ
ルバミン酸カリウム水溶液からなる重金属固定剤の凝固
点は、ピペラジン無添加の重金属固定剤の凝固点より低
いことがわかった。
【0031】
【発明の効果】本発明の重金属固定剤は、ピペラジン又
はポリアミンの添加により、重金属固定剤の凝固が降下
し、低温安定性を有しているため、寒冷地等の低温下で
も保持、保管が容易となり、このため、寒冷地での重金
属が含有される被処理体の処理を安価、且つ容易に行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重金属固定剤の、ピペラジン添加によ
る凝固点を示す図である。
【図2】本発明の重金属固定剤の、テトラエチレンペン
タミン添加による凝固点を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/62

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエチルジチオカルバミン酸塩を含有
    する水溶液を主成分とする重金属固定剤において、ピペ
    ラジン及びポリアミンからなる群から選ばれる少なくと
    も1種を0.1〜5.0重量%含有し、低温で凝固しな
    いことを特徴とする重金属固定剤。
  2. 【請求項2】 ジエチルジチオカルバミン酸塩を50
    重量%以上60重量%以下含有することを特徴とする請
    求項1記載の重金属固定剤。
  3. 【請求項3】 −9℃で凝固しないことを特徴とする
    請求項1又は2のいずれか記載の重金属固定剤。
  4. 【請求項4】 ジエチルジチオカルバミン酸塩を含有
    する水溶液を主成分とする重金属固定剤に、ピペラジン
    及びポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種
    を0.1〜5.0重量%添加することを特徴とする重金
    属固定剤の低温安定化方法。
  5. 【請求項5】 ジエチルジチオカルバミン酸塩を50
    重量%以上60重量%以下含有することを特徴とする請
    求項4記載の重金属固定剤の低温安定化方法。
  6. 【請求項6】 −9℃で凝固しないことを特徴とする
    請求項4又は5のいずれか記載の重金属固定剤の低温安
    定化方法。
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