JP2019000775A - 重金属含有水溶液用の排水浄化剤 - Google Patents

重金属含有水溶液用の排水浄化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019000775A
JP2019000775A JP2017115864A JP2017115864A JP2019000775A JP 2019000775 A JP2019000775 A JP 2019000775A JP 2017115864 A JP2017115864 A JP 2017115864A JP 2017115864 A JP2017115864 A JP 2017115864A JP 2019000775 A JP2019000775 A JP 2019000775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heavy metal
aqueous solution
compound
containing aqueous
structural units
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017115864A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6891653B2 (ja
Inventor
紗也佳 木佐貫
Sayaka Kisanuki
紗也佳 木佐貫
正寛 服部
Masanori Hattori
正寛 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2017115864A priority Critical patent/JP6891653B2/ja
Publication of JP2019000775A publication Critical patent/JP2019000775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6891653B2 publication Critical patent/JP6891653B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Abstract

【課題】重金属と錯生成能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液の重金属濃度を低減する浄化剤、及びそれを用いた重金属含有水溶液の浄化方法を提供する。【解決手段】重金属含有水溶液にポリアミン化合物からなる重金属含有水溶液用の排水処理剤を添加して固形物を生成させた後、鉄化合物またはアルミニウム化合物からなる無機凝集剤及び高分子凝集剤を添加して凝集させ、その後固液分離することにより、重金属と錯生成能力を持つ化合物及び重金属を含有する水溶液から重金属を除去する水処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重金属と錯生成能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液から、重金属を除去する用途に好適なポリアミン化合物からなる重金属含有水溶液用の排水浄化剤に関するものである。
重金属を含有した水溶液は、排水処理設備に送り、例えば鉄イオンを添加してアルカリ性にし、重金属イオン等を鉄イオンやその他含有されるイオンと共に水酸化物として沈殿させる等の処理を行い、水溶液から分離した後に放流する方法等が行われてきた。
ところで、めっき工場、電子部品・機械部品製造工場、自動車工場、火力発電所、ごみ焼却場等からの排水には、クエン酸、グルコン酸等の有機酸、エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと略す)、シアン、アミン、アンモニア及びポリ燐酸等、重金属と錯生成能力を持つ化合物が含まれ、上記のような水酸化物法では処理できない事例が多くなっている。
これに対し、重金属と錯生成能力を持つ化合物を化学的に処理した後に、重金属を不溶化処理する方法が知られている。しかしながら、例えば、塩素系薬剤による酸化法、電解酸化法、過酸化水素−第一鉄塩法、オゾン酸化法、湿式酸化法等の化学的処理を用いても、共存物質による酸化反応の阻害、スケールの生成等の問題から、十分な浄化処理が行えない状況である。
排水中に含まれる各種の重金属元素を除去する技術としては、例えば、無機凝集剤又は有機凝集剤の添加による凝集分離除去法、電解による除去法、活性炭、無機吸着剤又は有機高分子材料による吸着除去法、排水を加熱蒸発させる乾固法、膜を用いた逆浸透法、電気透析又は限外ろ過法等が提案されている。
上記した諸方法を用いた場合であっても、以下のような問題が多々あり、いずれの方法もそれらに対する改善の必要性があった。例えば、
(1)凝集分離除去法では重金属を充分に処理できない、
(2)吸着除去法等は、例え重金属を吸着できたとしても処理後に多量の固形成分が発生する、
(3)逆浸透法、電気透析又は限外ろ過法等は、排水中に有機物を含有すると除去が困難であり、また、その処理コストが高い、
(4)加熱蒸発による乾固法は、処理法が煩雑かつ処理コストが高い、
等である。
ところで、ニッケルは化学物質排出把握管理促進法において第1種指定化学物質に指定される有害な重金属であり、水質汚濁に係る環境基準における要監視項目として設定されており、排水処理の重要性が高まっている。
重金属を含有した水溶液に対し、ジチオカルバミン酸の塩を重金属処理剤として使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、これら特許文献に記載の方法では、ニッケルと錯生成能力を持つ化合物を含むニッケル含有排水からの、当該重金属の浄化処理効果が十分なものではなかった。
特許3271621号明細書 特許6044160号明細書
本発明は上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、重金属と錯生成能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液の重金属濃度を低減する浄化剤、及びそれを用いた重金属含有水溶液の浄化方法を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するポリアミン化合物が、重金属と錯生成能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液の重金属濃度を簡便に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
[1]下記式(I)、(II)、及び(III)で表される構造単位を含むポリアミン化合物からなる重金属含有水溶液用の排水浄化剤。
Figure 2019000775
[式中、Xは水素、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属、Rは炭化水素基を示す。]、
Figure 2019000775
Figure 2019000775

[ただし、構造単位(I)、(II)、及び(III)の合計に対する、構造単位(I)及び(II)との合計が40〜70モル%であって、かつ構造単位(I)に対する、構造単位(II)のモル比が2〜9である。]
[2]重金属含有水溶液に、上記[1]に記載の排水浄化剤を添加した後、生成した固形物を除去することを特徴とする重金属含有水溶液の浄化方法。
[3]重金属含有水溶液が、重金属と錯生成する能力を持つ化合物を含むことを特徴とする上記[2]に記載の浄化方法。
[4]重金属と錯生成する能力を持つ化合物が、カルボキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれる官能基を分子内に有する化合物であることを特徴とする上記[3]に記載の浄化方法。
[5]生成した固形物を除去する前に、無機凝集剤を添加することを特徴とする上記[2]〜[4]のいずれかに記載の浄化方法。
[6]生成した固形物を除去する前に、無機凝集剤及び高分子凝集剤を添加することを特徴とする上記[2]〜[5]のいずれかに記載の浄化方法。
[7]無機凝集剤が、鉄化合物及びアルミニウム化合物からなる群より選択されることを特徴とする上記[5]又は[6]に記載の浄化方法。
本発明の重金属含有水溶液用の排水浄化剤は、重金属の浄化処理が難しい重金属含有水溶液(例えば、重金属と錯生成能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液)であっても、重金属濃度を低減することができるため、産業上極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の重金属含有水溶液用の排水浄化剤は、上記式(I)、(II)、及び(III)で表される構造単位を含むポリアミン化合物からなる。ただし、構造単位(I)、(II)、及び(III)の合計に対する、構造単位(I)及び(II)との合計が40〜70モル%であって、かつ構造単位(I)に対する、構造単位(II)のモル比が2〜9である。
上記量的関係は、例えば、ポリアミン化合物中の酸素原子、硫黄原子、窒素原子の元素分析等により算出することができる。
本発明において、上記ポリアミン化合物の合成方法としては特に限定されないが、例えば、ポリアミンにハロゲン化カルボン酸及び二硫化炭素を反応させ、ポリアミンに上記構造単位(I)及び(II)を導入する方法が挙げられる。
ポリアミンとしては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンイミン類、ポリプロピレンイミン類等が挙げられる。ポリアミンの重量平均分子量としては、重金属の処理能力向上の点で1800以上が好ましい。重量平均分子量を1800以上とすることで、薬剤使用量を低減できる場合がある。
ハロゲン化カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジクロロ酢酸、ジブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、3−ブロモプロピオン酸、4−クロロ酪酸、4−ブロモ酪酸、5−クロロ吉草酸、5−ブロモ吉草酸が挙げられる。これらのうち重金属処理性能、水溶性の点でクロロ酢酸、ブロモ酢酸が特に好ましい。
本発明の重金属含有水溶液用の排水浄化剤は、重金属含有水溶液の浄化処理に有用である。
本発明の重金属含有水溶液の浄化方法は、重金属含有水溶液に、上記した本発明の重金属含有水溶液用の排水浄化剤を添加した後、生成した固形物を除去することを特徴とする。ここで、生成した固形物には、本発明の浄化剤により固定化された重金属が含まれる。
本発明の浄化方法は、重金属の処理が難しい重金属含有水溶液(例えば、重金属と錯生成する能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液に対して特に有効である。
重金属と錯生成する能力を持つ化合物としては、重金属と錯体を形成する化合物であれば特に限定されない。例えば、分子内にカルボキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれる官能基を有する化合物が挙げられる。具体的には、EDTA、ポリ燐酸等が挙げられ、特に重金属と強固な錯体を形成する化合物として、EDTAが挙げられる。
固形物の除去を速やかに行うために、固形物を除去する前に、凝集剤を添加することが好ましい。凝集剤としては、例えば、無機凝集剤、高分子凝集剤等が挙げられ、無機凝集剤と高分子凝集剤とを併用することがより好ましい。
無機凝集剤としては、市販されている無機凝集剤を使用でき、特に限定されない。例えば、塩化第二鉄等の鉄化合物、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物、等が挙げられる。
重金属含有水溶液が、重金属と錯生成する能力を持つ化合物を含む場合、無機凝集剤の添加量は、重金属含有水溶液中に含まれる重金属錯生成能力を持つ化合物の含有量以上とすることが好ましい。無機凝集剤の添加量を重金属と錯生成能力を持つ化合物の含有量以上とすることで、凝集性が増し、処理後の水溶液の重金属濃度を十分に低減することが容易になる。
重金属含有水溶液中の、重金属と錯生成する能力を持つ化合物の含有量は、重金属含有水溶液中の重金属錯生成能力を持つ化合物の濃度を、例えば、HPLC、ガスクロマトグラフィー、滴定等の分析を行うことで算出することができる。
高分子凝集剤は、市販されている高分子凝集剤を使用でき、特に限定されない。例えば、アクリル酸ポリマー、アクリルアミドポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレートポリマー等が挙げられる。凝集性能の点で、弱アニオン性のアクリル酸ポリマーが好ましい。固形物を除去する前に高分子凝集剤を添加することで、除去する固形物のハンドリングが容易となる場合がある。
無機凝集剤と高分子凝集剤を併用する場合、これらの凝集剤を添加する順番は特に限定されないが、無機凝集剤を添加し、次に高分子凝集剤を添加することが好ましい。
固形物を除去する方法としては特に限定されず、例えば、ろ過、遠心分離、及び固形物を沈降させた後、上澄み液と分離する方法等が挙げられる。
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
(分析方法)
水溶液中のニッケルイオン濃度は、ICP発光分光分析装置(OPTIMA3300DV、Perkin Elmaer社製)で測定した。
調製例1.
実施例、比較例で使用したポリアミン化合物は、以下の方法に従って調製した。
(ポリアミン化合物の調製)
重量平均分子量1万のポリエチレンイミン(日本触媒社製)9.0gと純水73gを混合し、25℃で1時間攪拌した。次いでブロモ酢酸(関東化学社製)1.5gと1mol/L水酸化ナトリウム(キシダ化学社製)13gを添加し、60℃で6時間攪拌した後25℃まで冷却した。次いで、48重量%水酸化カリウム(関東化学社製)5.3gを混合し、25℃で15分間攪拌した後、二硫化炭素(キシダ化学社製)4.4mLを1時間かけて滴下し、120分間攪拌した。次いで48重量%水酸化カリウムを3.5g加え120分間攪拌した後、水50gを加え、ポリアミン化合物10重量%を含む水溶液を得た。
このポリアミン化合物は、ブロモ酢酸由来の構造単位(構造単位(I))を5モル%、二硫化炭素由来の構造単位(構造単位(II))を35モル%、無置換アミン由来の構造単位(構造単位(III))を60モル%有している。構造単位(I)と(II)の合計の、構造単位(I)、(II)、及び(III)の合計に対する割合(以下(I+II)/(I+II+III)と表す)は40モル%である。構造単位(I)に対する構造単位(II)のモル比(以下II/Iと表す)は7である。
また、ブロモ酢酸及び二硫化炭素の添加量を増減させることで、各構造単位のモル分率を変化させたポリアミン化合物を合成した。
(無機凝集剤)
無機凝集剤として、38重量%塩化第二鉄水溶液(キシダ化学社製)を使用した。
(高分子凝集剤)
高分子凝集剤として、オルガノ社製OA−23(弱アニオンポリマー)を使用した。
実施例1.
ジャーテスター(Jar Tester)に500mLビーカーを設置し、ニッケルイオン10mg/LとEDTA25mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。次いで、150rpmで攪拌しながら、調製例1で調製した10重量%ポリアミン化合物を2000mg/L加え、150rpmで10分間攪拌した。次いで、38重量%塩化第二鉄水溶液を800mg/L加え、150rpmで5分間攪拌した。次いで、高分子凝集剤として0.1重量%OA−23水溶液を2000mg/L加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調整した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2〜5.
添加する薬剤を表1に示す薬剤に変更する以外、実施例1と同様にして、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2019000775
実施例1〜5は、構造単位(I)と(II)の合計が、構造単位(I)、(II)、及び(III)の合計に対し、40モル%〜70モル%であり、かつ構造単位(I)に対する構造単位(II)のモル比が2〜9となるよう合成したポリアミン化合物で処理した例である。表1に示す通り、EDTA含有排水の処理後水溶液のニッケル濃度は、いずれも4mg/L程度となり、ニッケルを十分に低減処理することができた。
比較例1.
ジャーテスター(Jar Tester)に500mLビーカーを設置し、ニッケルイオン10mg/LとEDTA25mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。次いで、38重量%塩化第二鉄水溶液を800mg/L加え、150rpmで15分間攪拌した。次いで、高分子凝集剤として0.1重量%OA−23水溶液を2000mg/L加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調整した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。結果を表3に示す。
比較例2.
添加する薬剤を表2に示す薬剤に変更する以外、実施例1と同様にして、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。ジチオカルバミン酸の塩Aは、化学式(IV)の構造を有する薬剤であり、重金属処理において有用とされている。結果を表2に示す。
Figure 2019000775
Figure 2019000775
比較例1は、鉄イオンを添加して中和し、ニッケルイオンを鉄イオンと共に水酸化物として沈殿させる処理方法の例である。処理後の水溶液のニッケル濃度は7mg/L以上であり、ニッケルを十分低減することができなかった。
比較例2は、ポリアミン化合物の代わりに、既知の重金属処理剤であるジチオカルバミン酸の塩Aを添加した例である。処理後の水溶液のニッケル濃度は7mg/L以上であり、ニッケルを十分低減することができなかった。
比較例3〜5.
添加する薬剤を表3に示す薬剤に変更する以外、実施例1と同様にして、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。結果を以下の表3に示す。
比較例6.
ジャーテスター(Jar Tester)に500mLビーカーを設置し、ニッケルイオン10mg/LとEDTA25mg/Lを含む水溶液を500mL添加した。次いで、150rpmで攪拌しながら、表4に示す2種の10重量%ポリアミン化合物を、1000mg/Lずつ遅滞なく加え、150rpmで10分間攪拌した。次いで、38重量%塩化第二鉄水溶液を800mg/L加え、150rpmで5分間攪拌した。次いで、高分子凝集剤として0.1重量%OA−23水溶液を2000mg/L加え、50rpmで5分間攪拌した。水溶液のpHは、微量の塩酸及び水酸化ナトリウムを用いて、常にpH7となるよう調整した。攪拌終了後、10分間静置し、アドバンテック社製5Aのろ紙で水溶液をろ別し、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2019000775
比較例3は、ブロモ酢酸由来の構造単位(構造単位(I))及び二硫化炭素由来の構造単位(構造単位(II))を含まないポリアミン化合物で処理した例である。処理前後でニッケル濃度に変化が無く、処理が出来ていない。
比較例4は、二硫化炭素由来の構造単位(構造単位(II))を含まないポリアミン化合物で処理した例である。処理前後でニッケル濃度に変化が無く、ニッケル処理において構造単位(II)が不可欠であることが分かる。
比較例5は、ブロモ酢酸由来の構造単位(構造単位(I))を含まないポリアミン化合物で処理した例である。処理後のニッケル濃度は6.3mg/Lと処理能が低く、構造単位(I)が処理能向上に寄与していることが分かる。
比較例6は、比較例4と5のポリアミン化合物を混合して処理した例である。処理後のニッケル濃度は6.9mg/Lであり、ニッケルを十分に低減処理できていない。
比較例7〜9.
添加する薬剤を表4に示す薬剤に変更する以外、実施例1と同様にして、処理後の水溶液のニッケル濃度を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2019000775
比較例7は、構造単位(I)に対する構造単位(II)のモル比が2よりも小さいポリアミン化合物で処理した例である。EDTA含有排水の処理後水溶液のニッケル濃度は4.7mg/Lであった。
比較例8は、構造単位(I)に対する構造単位(II)のモル比が9よりも大きいポリアミン化合物で処理した例である。EDTA含有排水の処理後水溶液のニッケル濃度は4.9mg/Lであった。
比較例9は、構造単位(I)と(II)の合計が、構造単位(I)、(II)、及び(III)の合計に対し、80mol%であるポリアミン化合物で処理した例である。EDTA含有排水の処理後水溶液のニッケル濃度は5.2mg/Lであった。
本発明の反応物を含む重金属含有水溶液の浄化剤、及びその浄化剤を用いる浄化方法によれば、重金属の処理が難しい、重金属と錯生成能力を持つ化合物、及び重金属を含有する水溶液であっても、重金属濃度を低減できるため、新規な重金属含有水溶液の浄化方法として、めっき工場、電子部品・機械部品製造工場、自動車工場等からの重金属含有排水の処理方法として使用される可能性を有している。

Claims (7)

  1. 下記式(I)、(II)、及び(III)で表される構造単位を含むポリアミン化合物からなる重金属含有水溶液用の排水浄化剤。
    Figure 2019000775
    [式中、Xは水素、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属、Rは炭化水素基を示す。]、
    Figure 2019000775
    Figure 2019000775

    [ただし、構造単位(I)、(II)、及び(III)の合計に対する、構造単位(I)及び(II)との合計が40〜70モル%であって、かつ構造単位(I)に対する、構造単位(II)のモル比が2〜9である。]
  2. 重金属含有水溶液に、請求項1に記載の排水浄化剤を添加した後、生成した固形物を除去することを特徴とする重金属含有水溶液の浄化方法。
  3. 重金属含有水溶液が、重金属と錯生成する能力を持つ化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の浄化方法。
  4. 重金属と錯生成する能力を持つ化合物が、カルボキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれる官能基を分子内に有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載の浄化方法。
  5. 生成した固形物を除去する前に、無機凝集剤を添加することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の浄化方法。
  6. 生成した固形物を除去する前に、無機凝集剤及び高分子凝集剤を添加することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の浄化方法。
  7. 無機凝集剤が、鉄化合物及びアルミニウム化合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項5又は6に記載の浄化方法。
JP2017115864A 2017-06-13 2017-06-13 重金属含有水溶液用の排水浄化剤 Active JP6891653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017115864A JP6891653B2 (ja) 2017-06-13 2017-06-13 重金属含有水溶液用の排水浄化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017115864A JP6891653B2 (ja) 2017-06-13 2017-06-13 重金属含有水溶液用の排水浄化剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019000775A true JP2019000775A (ja) 2019-01-10
JP6891653B2 JP6891653B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=65005432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017115864A Active JP6891653B2 (ja) 2017-06-13 2017-06-13 重金属含有水溶液用の排水浄化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6891653B2 (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56168881A (en) * 1980-12-26 1981-12-25 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd Heavy metal capturing method
US4537937A (en) * 1984-02-13 1985-08-27 Olin Corporation Chelating resin and process for making same
JPH0199679A (ja) * 1987-10-09 1989-04-18 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 土壌又は固体状廃棄物中の重金属類の固定化方法
JPH091110A (ja) * 1995-04-17 1997-01-07 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤の安定化方法
JPH0995659A (ja) * 1995-07-25 1997-04-08 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 金属捕集剤の製造方法
JPH09227855A (ja) * 1996-02-20 1997-09-02 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 金属捕集方法
JPH09234450A (ja) * 1995-12-27 1997-09-09 Tosoh Corp 飛灰中の重金属を固定化する方法
JP2003105318A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤及び重金属固定剤の低温安定化方法
JP2003105317A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤、その製造方法及び焼却灰等の処理方法
JP2004115639A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤及び重金属固定剤の低温安定化方法
JP2008273995A (ja) * 2006-12-27 2008-11-13 Tosoh Corp 重金属処理剤および重金属汚染物質の処理方法
CN102125822A (zh) * 2010-01-18 2011-07-20 马涌 螯合吸附水中重金属离子和贵金属离子树脂的制备

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56168881A (en) * 1980-12-26 1981-12-25 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd Heavy metal capturing method
US4537937A (en) * 1984-02-13 1985-08-27 Olin Corporation Chelating resin and process for making same
JPH0199679A (ja) * 1987-10-09 1989-04-18 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 土壌又は固体状廃棄物中の重金属類の固定化方法
JPH091110A (ja) * 1995-04-17 1997-01-07 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤の安定化方法
JPH0995659A (ja) * 1995-07-25 1997-04-08 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 金属捕集剤の製造方法
JPH09234450A (ja) * 1995-12-27 1997-09-09 Tosoh Corp 飛灰中の重金属を固定化する方法
JPH09227855A (ja) * 1996-02-20 1997-09-02 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 金属捕集方法
JP2003105318A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤及び重金属固定剤の低温安定化方法
JP2003105317A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤、その製造方法及び焼却灰等の処理方法
JP2004115639A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤及び重金属固定剤の低温安定化方法
JP2008273995A (ja) * 2006-12-27 2008-11-13 Tosoh Corp 重金属処理剤および重金属汚染物質の処理方法
CN102125822A (zh) * 2010-01-18 2011-07-20 马涌 螯合吸附水中重金属离子和贵金属离子树脂的制备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6891653B2 (ja) 2021-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6969076B2 (ja) 重金属含有水溶液用の浄化剤、及び重金属含有水溶液の浄化方法
JP7509253B2 (ja) ニッケル含有水溶液用浄化剤及びニッケル含有水溶液の浄化方法
CN110980866A (zh) 一种深度去除电镀锌镍合金废水的方法
JP2007260586A (ja) コークス炉で発生する廃水の処理方法
JP6862660B2 (ja) ニッケル含有水溶液用浄化剤及びニッケル含有水溶液の浄化方法
Xiao et al. Disodium N, N-bis-(dithiocarboxy) ethanediamine: synthesis, performance, and mechanism of action toward trace ethylenediaminetetraacetic acid copper (II)
JP2014091115A (ja) 重金属含有廃液の処理方法及び装置
JP6862659B2 (ja) ニッケル含有水溶液の浄化方法
JP7031176B2 (ja) ニッケル含有水溶液用浄化剤及びニッケル含有水溶液の浄化方法
JP2019025481A (ja) ニッケル含有水溶液用浄化剤及びニッケル含有水溶液の浄化方法
JP2010082497A (ja) 水処理剤及び水処理方法
JP6891653B2 (ja) 重金属含有水溶液用の排水浄化剤
JP2018043232A (ja) 水銀含有水溶液用の浄化剤、及び水銀含有水溶液の浄化方法
CN112209469B (zh) 一种利用硫改性纳米零价铁去除高盐废水中络合态铜的方法
JP2019076840A (ja) 重金属含有水溶液用浄化剤、及び重金属含有水溶液の浄化方法
JP2016209861A (ja) カドミウム含有水溶液の浄化方法
JP7183560B2 (ja) ニッケル含有水溶液用浄化剤及びニッケル含有水溶液の浄化方法
JPH1147766A (ja) ヒ素固定剤及びヒ素含有排水の処理方法
JP4583786B2 (ja) ホウ素含有排水の処理方法
JP4995794B2 (ja) ホウ素除去剤及びホウ素含有水の処理方法
JP4696017B2 (ja) ホウ素含有廃水の処理方法
JP6884986B2 (ja) 亜鉛含有水溶液の浄化方法
KR100432185B1 (ko) 정수용 활성탄
JP2002143607A (ja) 水処理凝集剤及びその製造方法並びに水処理方法
JP2024035810A (ja) 亜鉛及びニッケル含有排水用の処理剤及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210510

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6891653

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151