JP2003105042A - ポリカルボン酸系共重合体の製造方法およびセメント用添加剤 - Google Patents

ポリカルボン酸系共重合体の製造方法およびセメント用添加剤

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JP2003105042A
JP2003105042A JP2001301904A JP2001301904A JP2003105042A JP 2003105042 A JP2003105042 A JP 2003105042A JP 2001301904 A JP2001301904 A JP 2001301904A JP 2001301904 A JP2001301904 A JP 2001301904A JP 2003105042 A JP2003105042 A JP 2003105042A
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carbon atoms
polycarboxylic acid
polyoxyalkylene derivative
water
carboxylic acid
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Tatsuya Matsui
龍也 松井
Akinori Ito
昭則 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料を一括に仕込んで水溶液重合によりポリ
カルボン酸系共重合体を製造することができ、またすべ
ての反応を1基の反応器で連続して行うことができ、こ
れにより低コストで、生産性よく、かつ高いポリマー分
でポリカルボン酸系共重合体を製造する。 【解決手段】 炭素数2〜8の不飽和炭化水素基を有す
るポリオキシアルキレン誘導体(a)および不飽和カル
ボン酸系化合物(b)を、水溶性開始剤(c)の存在下
に水溶液重合により共重合させてポリカルボン酸系共重
合体を製造する方法において、前記(a)、(b)およ
び(c)の仕込割合が、(a)1モルに対して(b)が
1.2〜3.5モル、(c)が0.05〜0.8モルの
割合であり、すべての原料を一括仕込みし、重合温度4
5〜65℃で重合するポリカルボン酸系共重合体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカルボン酸系
共重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは特定のポリ
オキシアルキレン誘導体(a)および不飽和カルボン酸
系化合物(b)の共重合体を水溶液重合により製造する
にあたり、ポリオキシアルキレン誘導体(a)、不飽和
カルボン酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)の
仕込みモル比を特定の比率にし、特定の温度で反応を行
い、すべての原料を一括仕込みで行うことにより工程短
縮、作業性の向上、また共重合体分(以下ポリマー分と
いう)の高いポリカルボン酸系共重合体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオキシアルキレン誘導体およ
び不飽和カルボン酸系化合物を共重合して得られるポリ
カルボン酸系共重合体は、セメント用添加剤や各種顔料
分散剤として有用であり、幅広く使用されている。この
ようなポリカルボン酸系共重合体を製造する方法として
は、水溶液重合や水以外の溶媒を用いた溶液重合が行わ
れている。水溶液重合では、一般的にモノマーの反応性
に差異があるため反応器内に各種単量体および開始剤を
滴下する方法で製造が行われている(特公昭58−38
380号公報、特開平9−142905号公報、特開平
10−194808号公報、特開平11−106247
号公報等)。
【0003】上記従来の滴下による製造方法は、実使用
に供される製品を製造する方法としては、製造上非常に
手間のかかる煩わしい工程である。また、20℃程度で
固化するポリオキシアルキレン誘導体の場合、環境によ
っては製造後さらに別の反応器に移送(滴下)する際、
固化してしまい、作業性を著しく低下させることがあ
る。また、この移送(滴下)の際、固化しないように加
熱することがあるが、これはポリオキシアルキレン誘導
体の劣化を促進してしまうため好ましい方法ではない。
さらに、この移送(滴下)による方法では、滴下用の容
器を含めた反応器を2基以上使用しなければならず、作
業性が悪く煩わしい。また、滴下法で製造を行っても、
全体のポリマー分が低く、セメント用添加剤として満足
できるものではなかった。
【0004】一方、特開平2−163108号公報の実
施例において、すべての原料を一括仕込みにして重合反
応を行っている例がある。これは水以外の溶媒を用いる
溶液重合で行われている反応であり、水以外の溶媒には
連鎖移動剤としての効果があることが知られており、そ
の効果によりすべての原料を一括で仕込んでも共重合反
応が進行するためであるが、水溶液重合ではこのような
重合はこれまで行われていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような従来技術の問題点を改善するため、すべての原
料を一括に仕込んで水溶液重合によりポリカルボン酸系
共重合体を製造することができ、またすべての反応を1
基の反応器で連続して行うことができ、これにより低コ
ストで、生産性よく、かつポリマー分の高いポリカルボ
ン酸系共重合体を容易に製造することができるポリカル
ボン酸系共重合体の製造方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のポリカルボ
ン酸系共重合体の製造方法およびセメント用添加剤であ
る。 (1) 下記式(1)で示されるポリオキシアルキレン
誘導体(a)および不飽和カルボン酸系化合物(b)
を、水溶性開始剤(c)の存在下に水溶液重合により共
重合させてポリカルボン酸系共重合体を製造する方法に
おいて、前記(a)、(b)および(c)の仕込割合
が、(a)1モルに対して(b)が1.2〜3.5モ
ル、(c)が0.05〜0.8モルの割合であり、すべ
ての原料を一括仕込みし、重合温度45〜65℃で重合
するポリカルボン酸系共重合体の製造方法。 R1O{(EO)m(PO)n}R2 …(1) (式(1)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
であり、R2は水素原子または炭素数1〜4の飽和炭化
水素基である。またEOはオキシエチレン基、POはオ
キシプロピレン基であり、mはオキシエチレン基の平均
付加モル数で10〜100であり、nはオキシプロピレ
ン基の平均付加モル数で0〜10であり、m+nは15
〜100であり、EOとPOはランダム状重合でもブロ
ック状重合でもよい。) (2) 不飽和カルボン酸系化合物(b)が、無水マレ
イン酸、マレイン酸、マレイン酸のアミン類の塩および
マレイン酸エステルからなる群から選ばれるマレイン酸
系化合物である上記(1)記載のポリカルボン酸系共重
合体の製造方法。 (3) ポリオキシアルキレン誘導体(a)のR2が水
素原子である上記(1)または(2)記載のポリカルボ
ン酸系共重合体の製造方法。 (4) ポリオキシアルキレン誘導体(a)のR2が炭
素数1〜4の飽和炭化水素基である上記(1)または
(2)記載のポリカルボン酸系共重合体の製造方法。 (5) 下記式(2)で示されるアルコール(d)に炭
素数2または3のアルキレンオキシドを付加重合させて
ポリオキシアルキレン誘導体(a)を製造した後、その
反応器に不飽和カルボン酸系化合物(b)および水溶性
開始剤(c)を仕込んで水溶液重合によりポリオキシア
ルキレン誘導体(a)および不飽和カルボン酸系化合物
(b)を共重合させる上記(1)または(2)記載のポ
リカルボン酸系共重合体の製造方法。 R3OH …(2) (式(2)中、R3は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
または炭素数1〜4の飽和炭化水素基である。) (6) 下記式(3)で示される不飽和アルコール
(e)に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付加
重合させてポリオキシアルキレン誘導体(a)を製造し
た後、その反応器に不飽和カルボン酸系化合物(b)お
よび水溶性開始剤(c)を仕込んで水溶液重合によりポ
リオキシアルキレン誘導体(a)および不飽和カルボン
酸系化合物(b)を共重合させる上記(1)または
(2)記載のポリカルボン酸系共重合体の製造方法。 R1OH …(3) (式(3)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
である。) (7) 下記式(3)で示される不飽和アルコール
(e)に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付加
重合させ、次に下記式(4)で示される炭素数1〜4の
アルキルクロリド(f)を反応させてポリオキシアルキ
レン誘導体(a)を製造した後、その反応器に不飽和カ
ルボン酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)を仕
込んで水溶液重合によりポリオキシアルキレン誘導体
(a)および不飽和カルボン酸系化合物(b)を共重合
させる上記(1)または(2)記載のポリカルボン酸系
共重合体の製造方法。 R1OH …(3) R2Cl …(4) (式(3)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
である。式(4)中、R2は炭素数1〜4の飽和炭化水
素基である。) (8) 下記式(5)で示される飽和アルコール(g)
に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付加重合さ
せ、次に下記式(6)で示される炭素数2〜8アルケニ
ルクロリド(h)を反応させてポリオキシアルキレン誘
導体(a)を製造した後、その反応器に不飽和カルボン
酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)を仕込んで
水溶液重合によりポリオキシアルキレン誘導体(a)お
よび不飽和カルボン酸系化合物(b)を共重合させる上
記(1)または(2)記載のポリカルボン酸系共重合体
の製造方法。 R2OH …(5) R1Cl …(6) (式(5)中、R2は炭素数1〜4の飽和炭化水素基で
ある。式(6)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水
素基である。) (9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の製
造方法により得られるポリカルボン酸系共重合体を主成
分とするセメント用添加剤。
【0007】
【発明の実施の形態】式(1)、(3)、(6)におい
て、R1で示される炭素数2〜8の不飽和炭化水素基と
しては、例えばビニル基、アリル基、メタリル基等の脂
肪族不飽和炭化水素基;シクロペンテニル基、シクロヘ
キセニル基等の脂環式不飽和炭化水素基などがあげら
れ、これらは1種または2種以上を混合し用いてもよ
い。好ましくはアリル基、メタリル基である。
【0008】式(1)、(4)、(5)において、R2
で示される炭素数1〜4の飽和炭化水素基としては、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブ
チル基等の脂肪族飽和炭化水素基があげられ、これらは
1種または2種以上を混合し用いてもよい。
【0009】式(1)において、EOはオキシエチレン
基であり、POはオキシプロピレン基であり、オキシエ
チレン基の平均付加モル数mは10〜100、好ましく
は20〜50であり、オキシプロピレン基の平均付加モ
ル数nは0〜10、好ましくは0〜5である。また、m
+nは15〜100、好ましくは20〜50である。E
O、POはランダム重合でもブロック重合でもよい。
m、nおよびm+nの値が上記範囲を外れると、得られ
るポリカルボン酸系共重合体をセメント用添加剤として
使用する際、減水性が低下するか、あるいは凝結遅延性
が大きくなるので好ましくない。
【0010】ポリカルボン酸系共重合体を製造する際、
ポリオキシアルキレン誘導体(a)は1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上の混合物として使用するこ
ともできる。混合物の場合、式(1)のR1、R2、m、
nまたはこれらの組み合せの異なる2種以上の化合物が
使用できる。
【0011】本発明で使用する不飽和カルボン酸系化合
物(b)は、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸
のアミン類の塩またはマレイン酸エステル等のマレイン
酸系化合物;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
のアミン類の塩、(メタ)アクリル酸エステル等の(メ
タ)アクリル酸系化合物;イタコン酸、無水イタコン
酸、イタコン酸のアミン類の塩、イタコン酸エステル等
のイタコン酸系化合物;フマル酸、フマル酸のアミン類
の塩、フマル酸エステル等のフマル酸系化合物;クロト
ン酸、クロトン酸のアミン類の塩、クロトン酸エステル
等のクロトン酸系化合物などが挙げられる。
【0012】上記アミン類の塩としては、アンモニウム
塩、ジアンモニウム塩などのアンモニウム塩などを挙げ
ることができる。上記エステルとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール等の飽和アルコール;アリルアルコ
ール、メタリルアルコール等の不飽和アルコール;ポリ
アルキレングリコール、ポリオキシアルキレンモノメチ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアリルエーテル
等のポリアルキレングリコール誘導体とのエステル化物
が挙げられる。
【0013】不飽和カルボン酸系化合物(b)としては
上記の金属塩以外の化合物が好ましく、特に無水マレイ
ン酸、マレイン酸、マレイン酸のアミン類の塩またはマ
レイン酸エステル等のマレイン酸系化合物が好ましい
が、金属塩を使用することもできる。例えば、各種不飽
和カルボン酸のモノリチウム塩、ジリチウム塩、モノナ
トリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、ジカリ
ウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩は、他の不飽和カルボ
ン酸系化合物(b)に比べると重合性が低い。なお、反
応終了後にアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物
により中和することにより、ポリカルボン酸系共重合体
中のカルボキシル基を容易に塩の形態にすることができ
る。ポリカルボン酸系共重合体を製造する際、不飽和カ
ルボン酸系化合物(b)は1種単独で使用することもで
きるし、2種以上の混合物として使用することもでき
る。
【0014】水溶性開始剤(c)としては、ベンゾイル
ペルオキシド等の過酸化物系開始剤、水溶性のアゾ系重
合開始剤、および過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始
剤等があげられる。また、必要に応じて、連鎖移動剤を
併用して重合を行うこともできる。
【0015】前記ポリオキシアルキレン誘導体(a)、
不飽和カルボン酸系化合物(b)、および水溶性開始剤
(c)の仕込割合は、(a)1モルに対して(b)が
1.2〜3.5モル、(c)が0.05〜0.8モルの
割合である。好ましくは(a)1モルに対して(b)が
1.3〜3.4モル、(c)が0.1〜0.4モルの割
合である。仕込みモル比が上記のように限定されるの
は、(a)に対して(b)および(c)の仕込割合が上
記下限値より少なくても、上記上限値より多くてもポリ
マー分が低くなり、セメント用添加剤として使用する際
に減水性が低下しその性能を十分発揮できないからであ
る。
【0016】本発明ではポリオキシアルキレン誘導体
(a)と不飽和カルボン酸系化合物(b)と水溶性開始
剤(c)と水を一括仕込みし、水溶性重合によりてポリ
カルボン酸系共重合体を製造する。すなわち、重合反応
時に、モノマーの滴下は行わない。ここで水溶液重合と
は、水を反応溶媒とし、モノマーを水に溶解させた状態
で共重合することを意味する。なお、水に加えて、他の
親水性溶剤を併用することもできる。
【0017】モノマーを一括仕込みする際、仕込み順序
は特に限定しないが、まずポリオキシアルキレン誘導体
(a)と水から仕込むことが好ましい。また、仕込み時
の溶液温度についてもポリオキシアルキレン誘導体
(a)、不飽和カルボン酸系化合物(b)、水に関して
は特に限定されないが、ポリオキシアルキレン誘導体
(a)の凝固点、水の沸点、凝固点を考慮して20〜8
0℃が好ましい。また水溶性開始剤(c)の仕込み時の
溶液温度は、重合反応温度よりも5〜25℃低いことが
好ましく、仕込み温度としては5〜40℃が好ましい。
【0018】重合温度は45〜65℃であり、好ましく
は50〜60℃である。この範囲よりも反応温度が低い
場合は、重合反応の進行が遅く、実製造には適さない。
一方この範囲よりも反応温度が高くても重合は進行する
が、セメント用添加剤としての減水効果が低くなるので
好ましくない。重合反応時の水溶液濃度は特に限定され
ないが、通常水溶液重合を行う濃度、例えば20〜95
重量%、好ましくは40〜80重量%であることが望ま
しく、このような濃度になるように水を仕込む。
【0019】本発明のポリカルボン酸系共重合体を製造
するにあたり、ポリオキシアルキレン誘導体(a)およ
び不飽和カルボン酸系化合物(b)以外に、他の共重合
可能な単量体を使用することができる。このような単量
体としては、例えば、スチレン、アリルスルホン酸ナト
リウム、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリ
ウム、メタリルスルホン酸、酢酸ビニルなどを挙げるこ
とができる。
【0020】式(1)で示されるポリオキシアルキレン
誘導体(a)は、式(2)で示されるアルコール(d)
に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付加重合さ
せて製造することができる。式(2)において、R3
示される炭素数2〜8の不飽和炭化水素基としては、例
えばビニル基、アリル基、メタリル基等の脂肪族不飽和
炭化水素基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基
等の脂環式不飽和炭化水素基などがあげられ、これらは
1種または2種以上を混合して用いてもよい。また炭素
数1〜4の飽和炭化水素基としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の脂肪族
飽和炭化水素基があげられ、これらは1種または2種以
上を混合し用いてもよい。
【0021】本発明では、上記方法によりアルコール
(d)を出発原料としてポリオキシアルキレン誘導体
(a)を製造したのち、その同じ反応器に不飽和カルボ
ン酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)を仕込ん
で前記水溶液重合によりポリカルボン酸系共重合体を製
造することもできる。これにより、ポリオキシアルキレ
ン誘導体(a)の製造およびポリカルボン酸系共重合体
の製造を1基の反応器で連続して行うことができ、工程
を短縮して容易に製造することができる。1基の反応器
で連続して製造した場合、20℃程度で固化するポリオ
キシアルキレン誘導体(a)を別の反応器に移す必要が
なくなって取り扱いが容易になるほか、固化を防止する
ための加熱が不要となって加熱による劣化を防止するこ
とができる。
【0022】アルコール(d)に炭素数2または3のア
ルキレンオキシドを付加重合させる反応は無溶媒で行う
ことができる。ポリオキシアルキレン誘導体(a)の製
造後は、ポリオキシアルキレン誘導体(a)を製造した
反応器に水、あるいは水と親水性溶剤を添加する。その
際、ポリオキシアルキレン誘導体(a)の温度は特に限
定はしないが、20〜80℃が好ましい。続いて、不飽
和カルボン酸系化合物(b)、水溶性開始剤(c)を一
括して仕込む。不飽和カルボン酸系化合物(b)、水溶
性開始剤(c)の仕込み順序は特に限定はしないが、不
飽和カルボン酸系化合物(b)を先に20〜90℃の溶
液温度で仕込むのが好ましい。水溶性開始剤(c)は溶
液温度が重合反応温度より5〜25℃低く、溶液温度が
5〜40℃で仕込むことが好ましい。その後は前記水溶
液重合と同じ方法でポリオキシアルキレン誘導体(a)
と不飽和カルボン酸系化合物(b)とを共重合させてポ
リカルボン酸系共重合体を製造する。
【0023】アルコール(d)のうちR3が不飽和炭化
水素基の場合、すなわち式(3)で示される不飽和アル
コール(e)の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒を用いて、
このアルコール(d)にアルキレンオキシドを80〜1
50℃の温度で付加させ、20〜80℃に温度を下げ、
水あるいは水と親水性有機溶剤との混合溶媒を添加し、
不飽和カルボン酸系化合物(b)および水溶性開始剤
(c)を添加し水溶液重合させることによって容易に得
ることができる。水あるいは水と親水性有機溶剤との混
合溶媒を添加する際、アルキレンオキシドを付加させる
ために加えたアルカリ触媒は除去しても、除去しなくて
もよく、工程上除去しないことが好ましい。また、水溶
液重合後に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモ
ニア水等で中和しても良い。この製造方法では、式
(1)のR2が水素原子のポリオキシアルキレン誘導体
(a)と不飽和カルボン酸系化合物(b)とを共重合さ
せたポリカルボン酸系共重合体が得られる。
【0024】また別の製造方法として、アルコール
(d)のうち、R3が不飽和炭化水素基の場合、すなわ
ち式(3)で示される不飽和アルコール(e)の場合、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラ
ート等のアルカリ触媒を用いて、このアルコール(d)
にアルキレンオキシドを80〜150℃の温度で付加さ
せ、20〜80℃に温度を下げ、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒
を必要により添加し、式(4)で示される炭素数1〜4
のアルキルクロリド(f)と60〜130℃で反応さ
せ、上記と同様に20〜80℃に温度を下げ、水あるい
は水と親水性溶剤との混合溶媒を添加し、不飽和カルボ
ン酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)を添加し
水溶液重合させることによって容易に得ることができ
る。水あるいは水と親水性有機溶剤との混合溶媒を添加
する際、アルキレンオキシドを付加させるために加えた
アルカリ触媒およびアルキルクロリド(f)と反応させ
るときに加えたアルカリ触媒は除去しても、除去しなく
てもよい。また、水溶液重合後に水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア水等で中和しても良い。この
製造方法では、式(1)のR 2が炭素数1〜4の飽和炭
化水素基のポリオキシアルキレン誘導体(a)と不飽和
カルボン酸系化合物(b)とを共重合させたポリカルボ
ン酸系共重合体が得られる。
【0025】またアルコール(d)のうち、R3が飽和
炭化水素基の場合、すなわち式(5)で示される飽和ア
ルコール(g)の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒を用い
て、このアルコール(d)にアルキレンオキシドを80
〜150℃で付加させた後、20〜80℃に温度を下
げ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメ
チラート等のアルカリ触媒を必要により添加し、式
(6)で示される炭素数2〜8のアルケニルクロリド
(h)と60〜130℃で反応させ、上記と同様に温度
を20〜80℃に下げ、水あるいは水と親水性有機溶剤
との混合溶媒を添加し、不飽和カルボン酸系化合物
(b)および水溶性開始剤(c)を添加し水溶液重合さ
せることによって容易に得ることができる。また、上記
と同様にアルカリ触媒は除去しても、除去しなくてもよ
い。また、水溶液重合後に水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、アンモニア水等で中和しても良い。この製造方
法では、式(1)のR2が炭素数1〜4の飽和炭化水素
基のポリオキシアルキレン誘導体(a)と不飽和カルボ
ン酸系化合物(b)とを共重合させたポリカルボン酸系
共重合体が得られる。
【0026】本発明のセメント用添加剤は、前記ポリカ
ルボン酸系共重合体を主成分とするセメント用添加剤で
あり、ポリカルボン酸系共重合体を製造した反応液をそ
のままセメント用添加剤として使用することもできる。
本発明のセメント用添加剤をセメント組成物に添加する
ことにより、練り上げたセメント組成物の流動性を高め
ることができ、高い減水性を有し、かつ凝結遅延が少な
いという効果が得られる。
【0027】本発明のセメント用添加剤は、普通、早
強、中庸熱、ビーライトなどのポルトランドセメント
や、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フラ
イアッシュ、シリカフューム、石灰石などの鉱物微粉体
を添加した混合セメントなどの各種セメントの配合物で
あるセメントペースト、モルタル、コンクリートなどに
添加して使用する。また骨材としては、川砂、山砂、海
砂等の細骨材、更には川砂利、砕石、軽量骨材等の粗骨
材が挙げられる。
【0028】本発明のセメント用添加剤の使用方法は、
モルタルやコンクリートに使用する水に予め溶解させて
使用することができ、また注水と同時に添加して使用す
ることができ、また注水から練り上がりまでの間に添加
して使用することができ、また一旦練り上がったセメン
ト組成物に後から添加して使用することもできる。本発
明のセメント添加剤の使用量は、ポリカルボン酸系共重
合体として各種セメントに対して0.01〜2重量%で
あることが好ましく、0.05〜1重量%であることが
より好ましい。使用量がセメントに対して0.01重量
%未満であると、セメント配合物の流動性が不十分とな
り発明の効果が発揮できないおそれがある。使用量がセ
メントに対して2重量%を超えると、材料分離を起こす
ことや、凝結時間が著しく遅くなるおそれがある。
【0029】本発明のセメント用添加剤は、その効果を
損なわない程度で、必要に応じて他のセメント用添加剤
と併用することが可能である。他のセメント用添加剤と
しては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮
合物の塩、リグニンスルホン酸の塩、芳香族アミノスル
ホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、(メタ)アクリル
酸−(メタ)アクリル酸アルキルポリオキシアルキレン
化合物共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体の
部分ポリオキシアルキレンモノアルキルまたはアルケニ
ルエーテルエステル、およびこれら共重合体の塩など他
の減水剤、空気連行剤、消泡剤、分離低減剤、凝結遅延
剤、凝結促進剤、膨張剤、乾燥収縮低減剤、防錆剤など
を挙げることができる。
【0030】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。
各実施例および比較例中、%は特に断らない限り重量%
である。
【0031】実施例1 5リットル加圧反応器にアリルアルコール58g(1.
0モル)と触媒としてナトリウムメチラート1.0gを
入れ、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、100〜
120℃でエチレンオキシド1408g(32.0モ
ル)とプロピレンオキシド116g(2.0モル)とを
あらかじめ混合しておいた溶液を約0.05〜0.5M
Pa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。
反応終了後60℃まで冷却した。
【0032】続いて、上記加圧反応器で60℃に保たれ
ている反応溶液中に水1198g、無水マレイン酸17
6.4g(1.8モル)を加え、35℃で水溶性開始剤
として過硫酸アンモニウム38.8g(0.170モ
ル)を加え、系内の空気を窒素ガスで置換した後、60
±2℃で10時間反応させた。重合反応終了後、48%
水酸化ナトリウム水溶液225g(水酸化ナトリウムと
して2.7モル)を加えて中和し、ポリカルボン酸系共
重合体の水溶液を得た。反応条件および結果を表1およ
び表2に示す。
【0033】実施例2 5リットル加圧反応器にメタノール32g(1.0モ
ル)と触媒としてナトリウムメチラート1.0gを入
れ、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、100〜1
20℃でエチレンオキシド1012g(23.0モル)
を約0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入
して付加反応を行った。反応終了後50℃まで冷却し
た。次に水酸化カリウム56gを加え、系内の空気を窒
素ガスで置換したのち、80℃で撹拌しながらアリルク
ロリド76.5g(1.0モル)を徐々に加え、6時間
反応を行い、その後副生した塩を取り除いた。
【0034】続いて、上記加圧反応器で50℃に保たれ
ている反応溶液中に水309g、無水マレイン酸147
g(1.5モル)を加え、35℃で水溶性開始剤として
過硫酸アンモニウム32.4g(0.142モル)を加
えた。系内の空気を窒素ガスで置換した後、50±2℃
で16時間反応させた。重合反応終了後、48%水酸化
ナトリウム水溶液156.3g(水酸化ナトリウムとし
て1.88モル)を加えて中和し、ポリカルボン酸系共
重合体の水溶液を得た。反応条件および結果を表1およ
び表2に示す。
【0035】実施例3〜4 表1に示した反応条件に変更した以外は実施例1と同様
に反応を行い、ポリカルボン酸系共重合体の水溶液を得
た。反応条件および結果を表1および表2に示す。
【0036】実施例5〜7 表1に示した反応条件に変更した以外は実施例2と同様
に反応を行い、ポリカルボン酸系共重合体の水溶液を得
た。反応条件および結果を表1および表2に示す。
【0037】比較例1 特開平9−142905号公報の製造例2に従って反応
を行った。すなわち撹拌機付き反応器に水270gを仕
込み、撹拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で95℃
まで昇温した。表1の式(1)の化合物534g(0.
1モル、凝固点:約55℃)を80℃の恒温槽で約10
時間かけて溶解させ、マレイン酸モノナトリウム55.
2g(0.4モル)、水270gと混合溶解したものと
20%過硫酸アンモニウム水溶液91.2g(過硫酸ア
ンモニウムとして0.1モル)を同時に反応系に2時間
かけて滴下した。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液
91.2g(過硫酸アンモニウムとして0.1モル)を
30分かけて滴下し、1時間同温度(95℃)で熟成し
た。熟成終了して、ポリカルボン酸系共重合体の水溶液
を得た。反応条件および結果を表1および表2に示す。
【0038】比較例2 特開平11−106247号公報の実施例1に従って反
応を行った。すなわち表1の式(1)の化合物498g
(0.896モル)を、撹拌機、窒素導入管、温度計、
還流管、滴下ロートを備えたガラス製反応器に仕込み、
さらに水284.4gを加えて均一に溶解し、雰囲気を
窒素置換しながら100℃まで加熱した。ここへ過硫酸
ナトリウム23.8g(0.102モル)を水95.4
gで希釈したものとマレイン酸40%水溶液290g
(マレイン酸として1.0モル)を同時に滴下して重合
を開始させ、さらに反応温度を100℃に保ち4時間で
反応を完結させた。これを水酸化ナトリウム48%水溶
液166.6gで中和して、ポリカルボン酸系共重合体
の水溶液を得た。反応条件および結果を表1および表2
に示す。
【0039】比較例3 特公昭58−38380号公報の参考例3に従って反応
を行った。すなわち温度計、撹拌機、滴下ロート、ガス
導入管および還流冷却器を備えたガラス製反応器に表1
の式(1)の化合物422.6g(0.45モル、凝固
点:約40℃)を80℃の恒温槽で約6時間かけて溶解
させたものおよび水247.7gを仕込み、撹拌下に反
応器内を窒素置換し、窒素雰囲気中で95℃に加熱し
た。その後マレイン酸52.2g(0.45モル)およ
び過硫酸アンモニウム14.2g(0.062モル)を
水78.3gに溶解した水溶液を120分で添加した。
添加終了後更に14.2gの20%過硫酸アンモニウム
水溶液(過硫酸アンモニウムとして0.012モル)を
20分で添加した。添加完結後、100分間95℃に反
応器内の温度を保持して重合反応を完了し、ポリカルボ
ン酸系共重合体水溶液を得た。次いで40%苛性ソーダ
水溶液を加えて中和を行い、ポリカルボン酸系共重合体
の水溶液を得た。反応条件および結果を表1および表2
に示す。
【0040】比較例4 特開平10−194808号公報の実施例1に従って反
応を行った。すなわち表1の式(1)の化合物151.
8g(0.1モル)を、撹拌機、窒素導入管、温度計、
還流管、滴下ロートを備えたガラス製反応器に仕込み、
さらに水300gを加えて均一に溶解し、雰囲気を窒素
置換しながら85℃まで加熱した。ここへ過硫酸アンモ
ニウム0.5g(0.00219モル)、マレイン酸1
1.6g(0.1モル)、水10gの混合溶液を滴下し
て重合を開始させ、さらに反応温度を90℃に保ち4時
間で反応を完結させ、目的のポリカルボン酸系共重合体
の水溶液を得た。反応条件および結果を表1および表2
に示す。
【0041】比較例5 特開平9−142905号公報の製造例1に従って反応
を行った。すなわち撹拌機付き反応器に水180gを仕
込み、撹拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で95℃
まで昇温した。表1の式(1)の化合物269.8g
(0.1モル、凝固点:約50℃)を80℃の恒温槽で
約8時間かけて溶解させ、マレイン酸46.4g(0.
4モル)、水180gを混合溶解したものと20%過硫
酸アンモニウム水溶液91.2g(過硫酸アンモニウム
として0.1モル)を同時に反応系に2時間かけて滴下
した。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液91.2g
(過硫酸アンモニウムとして0.1モル)を30分かけ
て滴下し、1時間同温度(95℃)で熟成した。熟成終
了後、48%水酸化ナトリウム125g(水酸化ナトリ
ウムとして1.5モル)を加えて中和し、ポリカルボン
酸系共重合体の水溶液を得た。反応条件および結果を表
1および表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】実施例8 実施例1で得られたポリカルボン酸系共重合体の水溶液
を上水で希釈して、20重量%水溶液に調整し、さらに
消泡剤(ディスホームCC−118、日本油脂(株)
製、商標)を20重量%水溶液に対して0.01重量%
添加して、セメント用添加剤の形態とした。コンクリー
トの調整は、室温20℃の試験室において、50リット
ル強制二軸練りミキサーを用い、セメント[普通ポルト
ランドセメント]12.0kg、細骨材[大井川産川砂
(比重2.60)]24.0kgおよび粗骨材[青梅産
砕石(比重2.66)]28.8kgをミキサーに入
れ、15秒空練りを行ったのち、セメント用添加剤14
4g(1.0%/C)を添加した水道水4.8kgを加
えて2分間練り混ぜた。練り返し用バットに払い出し、
練り上がり直後、30分後のスランプフローの測定を行
った。また、凝結時間の測定をJIS A 6204に
準拠して行った。得られた結果を表3に示す。
【0045】実施例9〜14 実施例2〜7で得られた共重合体の水溶液を使用し、実
施例8と同様の方法でコンクリート試験を行った。得ら
れた結果を表3に示す。
【0046】比較例6〜10 比較例1〜5で得られた共重合体の水溶液を使用し、実
施例8と同様の方法でコンクリート試験を行った。得ら
れた結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】実施例と比較例から本発明のポリカルボ
ン酸系共重合体の製造方法は、重合反応を行う際、すべ
ての原料を一括仕込みにすることで、滴下等による製造
者の煩わしさがなく、またポリマー分の高い共重合体が
製造できていることがわかる。また、ポリオキシアルキ
レン誘導体(a)の製造とポリカルボン酸系共重合体の
製造を1基の反応器を用いて連続して行うことで効率よ
く製造を行える。さらに、実施例8〜14および比較例
6〜10から本発明のポリカルボン酸系共重合体はセメ
ント用添加剤として、優れた減水性を示し、また凝結遅
延性も小さいことがわかる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示されるポリオキシアル
    キレン誘導体(a)および不飽和カルボン酸系化合物
    (b)を、水溶性開始剤(c)の存在下に水溶液重合に
    より共重合させてポリカルボン酸系共重合体を製造する
    方法において、 前記(a)、(b)および(c)の仕込割合が、(a)
    1モルに対して(b)が1.2〜3.5モル、(c)が
    0.05〜0.8モルの割合であり、すべての原料を一
    括仕込みし、重合温度45〜65℃で重合するポリカル
    ボン酸系共重合体の製造方法。 R1O{(EO)m(PO)n}R2 …(1) (式(1)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
    であり、R2は水素原子または炭素数1〜4の飽和炭化
    水素基である。またEOはオキシエチレン基、POはオ
    キシプロピレン基であり、mはオキシエチレン基の平均
    付加モル数で10〜100であり、nはオキシプロピレ
    ン基の平均付加モル数で0〜10であり、m+nは15
    〜100であり、EOとPOはランダム状重合でもブロ
    ック状重合でもよい。)
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸系化合物(b)が、無
    水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のアミン類の塩
    およびマレイン酸エステルからなる群から選ばれるマレ
    イン酸系化合物である請求項1記載のポリカルボン酸系
    共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリオキシアルキレン誘導体(a)のR
    2が水素原子である請求項1または2記載のポリカルボ
    ン酸系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオキシアルキレン誘導体(a)のR
    2が炭素数1〜4の飽和炭化水素基である請求項1また
    は2記載のポリカルボン酸系共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記式(2)で示されるアルコール
    (d)に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付加
    重合させてポリオキシアルキレン誘導体(a)を製造し
    た後、その反応器に不飽和カルボン酸系化合物(b)お
    よび水溶性開始剤(c)を仕込んで水溶液重合によりポ
    リオキシアルキレン誘導体(a)および不飽和カルボン
    酸系化合物(b)を共重合させる請求項1または2記載
    のポリカルボン酸系共重合体の製造方法。 R3OH …(2) (式(2)中、R3は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
    または炭素数1〜4の飽和炭化水素基である。)
  6. 【請求項6】 下記式(3)で示される不飽和アルコー
    ル(e)に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付
    加重合させてポリオキシアルキレン誘導体(a)を製造
    した後、その反応器に不飽和カルボン酸系化合物(b)
    および水溶性開始剤(c)を仕込んで水溶液重合により
    ポリオキシアルキレン誘導体(a)および不飽和カルボ
    ン酸系化合物(b)を共重合させる請求項1または2記
    載のポリカルボン酸系共重合体の製造方法。 R1OH …(3) (式(3)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
    である。)
  7. 【請求項7】 下記式(3)で示される不飽和アルコー
    ル(e)に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付
    加重合させ、次に下記式(4)で示される炭素数1〜4
    のアルキルクロリド(f)を反応させてポリオキシアル
    キレン誘導体(a)を製造した後、その反応器に不飽和
    カルボン酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)を
    仕込んで水溶液重合によりポリオキシアルキレン誘導体
    (a)および不飽和カルボン酸系化合物(b)を共重合
    させる請求項1または2記載のポリカルボン酸系共重合
    体の製造方法。 R1OH …(3) R2Cl …(4) (式(3)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水素基
    である。式(4)中、R2は炭素数1〜4の飽和炭化水
    素基である。)
  8. 【請求項8】 下記式(5)で示される飽和アルコール
    (g)に炭素数2または3のアルキレンオキシドを付加
    重合させ、次に下記式(6)で示される炭素数2〜8ア
    ルケニルクロリド(h)を反応させてポリオキシアルキ
    レン誘導体(a)を製造した後、その反応器に不飽和カ
    ルボン酸系化合物(b)および水溶性開始剤(c)を仕
    込んで水溶液重合によりポリオキシアルキレン誘導体
    (a)および不飽和カルボン酸系化合物(b)を共重合
    させる請求項1または2記載のポリカルボン酸系共重合
    体の製造方法。 R2OH …(5) R1Cl …(6) (式(5)中、R2は炭素数1〜4の飽和炭化水素基で
    ある。式(6)中、R1は炭素数2〜8の不飽和炭化水
    素基である。)
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の製
    造方法により得られるポリカルボン酸系共重合体を主成
    分とするセメント用添加剤。
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