JP2007119291A - セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い流動性、スランプ保持効果を有し、凝結遅延が少なく、早期強度が高いセメント組成物を提供する。
【解決手段】セメント用添加剤が、(a)酢酸ビニルに基づく単位、(b)式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物に基づく単位および(c)マレイン酸系化合物に基づく単位を有するポリカルボン酸系共重合体を含み、水/結合材が35%以下である。 [RO(CHCHO)・・・(1)] Rは炭素数2〜5のアルケニル基であり、Rは炭素数1〜8の炭化水素基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数で40〜60である。組成比がモル比で0.80≦{(a)+(b)}/(c)≦1.10であり、0.35≦(a)/(b)≦0.55(モル比)であり、重量平均分子量が1,000−50,000である。

Description

本発明は、超高強度モルタルや超高強度コンクリートの製造に適用できる、コンクリートの硬化遅延性が少なく、作業性や施工性が著しく改善されたセメント組成物に関するものである。
従来より、高強度コンクリートの製造を目的として、水/結合材比を小さくし、これによる流動性の低下を高性能減水剤、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩やメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩、さらには水溶性ビニル共重合体で補う提案がなされている(例えば特許文献1〜3)。また従来より、高強度コンクリートの製造を目的として、水/結合材比を小さくし、併せてセメントの他にシリカヒュームや高炉スラグ微粉末等の微粉末混和材料を用いる提案もなされている(例えば特許文献4、5)。
ところが、上記のような従来技術では、これらで水/結合材比を35%以下に抑えて圧縮強度80N/mm以上の高品質の超高強度硬化体が得られるようなセメント組成物を調製しようとしても、充分な流動性が得られないと同時に、その経時的低下が大きかった。超高強度コンクリートは一般に、結合材量が500〜1000kg/m3と膨大であり、所要の流動性を確保するためには多量の減水剤が必要となる。たとえ、過剰の減水剤の使用により所要の流動性が得られても、コンクリートの凝結時間の遅延が起こり、工事の工程に支障が生じる場合がある。また、コンクリート二次製品工場で製造される高強度コンクリートでは、製造時間短縮を目的に蒸気養生を行うため型枠脱型時の早期に高強度が必要となる。コンクリートの硬化遅延は初期強度の発現を妨げるため、コンクリート二次製品工場の生産性の低下を招くことが問題となっている。
特開平1−226757号公報 特開平3−93660号公報 特開2002−173351号公報 特公昭60−59182号公報 特開平3−93660号公報
したがって、従来技術では、水/結合材比35%以下の前述したようなセメント組成物を調製しようとしても、その作業性や施工性が悪く、かつ、硬化遅延性が生じ生産性に劣るために実用性に欠け、産業副産物の高強度混和材としての充分な有効活用がなされていなかった。
本発明の課題は、水/結合材比35%以下のセメント組成物を調製するのに際して、作業性や施工性が良く、硬化遅延を防止して、高強度のコンクリートの生産性を向上させることによって、減水領域のセメント組成物の有効利用を図ることである。
すなわち、本発明は、
(1)セメント用添加剤が、下記(a)、(b)および(c)を必須単量体単位として有するポリカルボン酸系共重合体であって、水/結合材が35%以下であることを特徴とするセメント組成物である。
(a) 酢酸ビニルに基づく単位
(b) 式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物に基づく単位
O(CHCHO) (1)
(ただし、式中、Rは炭素数2〜5のアルケニル基であり、Rは炭素数1〜8の炭化水素基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数で40〜60である。)
(c)無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩のいずれか1種または2種以上からなるマレイン酸系化合物に基づく単位
(ただし、(a)、(b)および(c)の組成比が、モル比で0.80≦{(a)+(b)}/(c)≦1.10であり、かつ(a)および(b)の組成比が、モル比で、0.35≦(a)/(b)≦0.55であり、ポリカルボン酸系共重合体の重量平均分子量が1,000−50,000である。)
(2) 結合材が、ポルトランドセメント単独、またはポルトランドセメントと、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末からなる群より選ばれた一種以上の混和材とを含むことを特徴とする、請求項1記載のセメント組成物である。
(3) 更に水/結合材比が13〜30%であることを特徴とする、請求項2記載のセメント組成物である。
本発明によれば、セメント用添加剤を構成する単量体の化学構造や組成比率を制御することによって、水/結合材比35%以下のセメント組成物を調製するのに際して、作業性や施工性が良く、硬化遅延を防止して、高強度のコンクリートの生産性を向上させることによって、減水領域のセメント組成物の有効利用を図ることができる。
さらには、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームや石灰石微粉末のような産業廃棄物からなるセメント混和材を使用した場合に、上述のように、水/結合材比35%以下のセメント組成物において、作業性や施工性が著しく向上し、硬化遅延が顕著に抑制される。これによって、産業廃棄物の有効利用が可能となる点で産業上画期的な発明である。
本発明で用いる結合材は、セメント単独、あるいはセメントと混和材との混合物から成る。
セメントとしては、JIS R 5210に規定されている普通、早強及び超早強ポルトランドセメント、更に中庸熱、低熱、耐硫酸塩ポルトランドセメント(低アルカリ形を含む)を用いることができる。
また、本発明における混和材としては、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカヒューム及び石灰石微粉末が挙げられる。
フライアッシュは、石炭火力発電所等で石炭を微粉砕した微粉炭を燃焼した際に発生する石炭灰のうち、集塵機で集められたもので、JIS A 6201に規定されるコンクリート用フライアッシュである。これはセメントとのポゾラン反応性が高く、セメントとの併用により、コンクリートの流動性や分離抵抗性が向上し、長期強度の増進や水和熱温度上昇の抑制効果がある。
高炉スラグ微粉末は、溶鉱炉で銑鉄を製造する際に副生されるもので、冷却処理方法によって各種の製品が得られるが、高炉スラグを水で急冷した高炉水砕スラグを乾燥・粉砕したもので、JIS A 6206に規定されるコンクリート用高炉スラグ微粉末である。これをコンクリートに混合した場合、流動性の改善や水和発熱による温度上昇の抑制のみならず、その潜在水硬性により強度発現や耐久性が向上する。
シリカヒュームは、シリコン、フェロシリコン又はシリコン合金等を製造する際に生じる排ガス中に含まれるSiOを主成分とする超微粒子鉱物である。フェロシリコンの原料はけい素を源としてケイ砂、還元材として石炭及び鉄原料である。これらの原料をアーク式電気炉中で溶融させフェロシリコンを製造する際、最終的に多量のCOと霧状のSiOが発生する。この排ガスを集塵機で集めたSiOを主成分とする超微粒子鉱物であり、JIS A 6207に規定されるコンクリート用シリカヒュームである。これは非結晶のシリカ質を主成分とし非常に高いポゾラン反応性を有すると同時に、その粒子径が普通ポルトランドセメントの1/40から1/70と超微粒子なため、セメント硬化体の空隙を充填するマイクロフィラー効果を発揮して高強度の発現と非常に緻密な硬化体組織を造る。
石灰石微粉末とは、比表面積3000〜8000cm/g程度の微粉末で、コンクリートの流動性の改善、水和熱の低減、更にセメント中の間隙質相と反応することにより強度発現に寄与する。
本発明でセメントと併用する混和材は、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカヒューム及び石灰石微粉末から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。また、取り扱いが容易なようにこれらの微粉末を予めスラリー状にしたものも使用できる。更に、これらの混和材は予めセメントに混合されて供給されるフライアッシュセメント、高炉セメントやシリカセメントであってもよい。
本発明に用いる混和材の使用量は、高強度確保のみから定まるものではなく、コンクリート打設時の作業性の向上、硬化時のセメント水和発熱の低減、硬化後の耐久性の向上、例えば、凍結融解に対する抵抗性、水密性の改善及び中性化の抑制などにより様々にコントロールされなければならないことより、特に限定できるものではない。しかし、一般的には、結合材全体を100%としたとき、重量比率で、フライアッシュは5〜40%、高炉スラグ微粉末は10〜70%、シリカフュームは3〜30%、石灰石微粉末では5〜30%である。
前記のような本発明に使用する混和材は、産業副産物から成るセメントとの反応性微粉末であり、省資源・省エネルギーや環境保全の観点から、今後、一層社会に貢献できる材料である。
本発明で用いるポリカルボン酸系共重合体は、(a)、(b)および(c)を必須単量体単位とする共重合体である。式(1)において、Rは炭素数2〜5のアルケニル基であり、Rは炭素数1〜8の炭化水素基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数で40〜60である。本発明に用いる共重合体は、式(1)で示される化合物の単量体単位が1種のみの共重合体とすることができ、あるいは、R、R、およびnの異なる多種の化合物の単位が混在する共重合体とすることができる。
式(1)において、Rで示される炭素数2〜5のアルケニル基としては例えば、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、メタリル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基などを挙げることができる。これらの中で、アリル基およびメタリル基が特に好ましい。式(1)において、Rで示される炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの脂肪族炭化水素基、フェニル基、ベンジル基、クレジル基などの芳香族炭化水素基などを挙げることができる。式(1)において、Rが炭素数1〜4の炭化水素基であることが水溶性の点で好ましく、炭素数1のメチル基であることがより好ましい。
式(1)において、オキシエチレン基の平均付加モル数nは、40〜60とする。nが60を越えると、スランプフローが低下し、40未満となると、セメント組成物の凝結が遅くなり、早期強度が低下する。
(c) 無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩からなるマレイン酸系化合物の単量体単位において、マレイン酸塩としては、例えば、モノリチウム塩、ジリチウム塩、モノナトリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、ジカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ジアンモニウム塩などのアンモニウム塩などを挙げることができる。有機アミンとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミンなどのアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミンなどのアルカノールアミンが挙げられる。塩はモノ体であってもジ体であっても良い。本発明に用いる共重合体は、マレイン酸系化合物の単位が1種のみの共重合体とすることができ、あるいは、異なる多種のマレイン酸系化合物の単位が混在する共重合体とすることができる。
本発明に用いる共重合体において単量体単位(a)、(b)および(c)からなる三元共重合体とした場合、組成比はモル比で0.80≦{(a)+(b)}/(c)≦1.10であり、好ましくは、0.85≦{(a)+(b)}/(c)≦1.05である。0.80≦{(a)+(b)}/(c)≦1.10に限定される理由は、この範囲である際に減水効果が見られ、性能を十分に発揮しているからである。
(a)および(b)の組成比は、モル比で、0.35≦(a)/(b)≦0.55であり、好ましくは、0.35≦(a)/(b)≦0.45である。(a)/(b)を0.35以上、0.55以下とすることによって、練り混ぜ直後のセメント組成物の流動性が良好であり、十分に性能を発揮している。
本発明に用いる共重合体の重量平均分子量は1,000〜50,000であり、好ましくは3,000〜40,000、より好ましくは10,000〜40,000である。この範囲内であると、減水効果が見られ、性能を十分に発揮しているからである。本発明に用いる共重合体は、式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物、マレイン酸系化合物および酢酸ビニルを有機溶剤中、または水と水性有機溶剤との混合溶媒中で溶液重合することにより、あるいは、溶剤を全く用いない系で塊状重合することにより、容易に得ることができる。
共重合体に用いる重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシドなどの過酸化物系開始剤、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系重合開始剤、および過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸系開始剤である。また、必要に応じて、連鎖移動剤を併用して重合することもできる。これらの開始剤の中でも減水性向上、および強度向上に関してはアゾ系重合開始剤を使用することが好ましい。また、得られた共重合体は、必要に応じて、カルボン酸の1部または全部をアルカリで中和することができる。無水マレイン酸を用いる場合、無水マレイン酸単位の一部または全部を加水分解により開環してマレイン酸単位とし、さらにマレイン酸単位の一部または全部をアルカリで中和することができる。中和に用いるアルカリとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミンなどのアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどやアンモニアを挙げることができ、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のセメント組成物は、セメント単独、またはセメントと混和材の併用、セメント用添加剤、水を必須として調整したものであるが、水/結合材比が35%以下であり、好ましくは、13%〜30%であり、さらに好ましくは15%〜25%である。結合材100重量部に対するセメント分散剤の添加量が0.1重量部以上、1.5重量部以下であり、好ましくは0.3重量部以上1.0重量部以下である。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。なお、合成例に用いた式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物の構造式、マレイン酸系化合物、および合成例における単量体組成比を表1に示す。
Figure 2007119291
(合成例1)
かき混ぜ機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却器を装着した5リットルフラスコに、表1に示したポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテル1,964g(1モル)、無水マレイン酸156.8g(1.6モル)、酢酸ビニル34.4g(0.4モル)、ドデカンチオール2.7gを秤取った。窒素ガス雰囲気下、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル13gを50℃以下で加え、85±2℃に昇温し、8時間反応させた。得られた共重合体の重量平均分子量は30,200、動粘度は100℃で550mm2/sであった。その後、イオン交換水1450gを加え、目的とする共重合体の60%水溶液を得た。
(合成例2)
かき混ぜ機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を装着した5リットルフラスコに、表1に示したポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテル2,580g(1モル)、無水マレイン酸147.0g(1.5モル)、酢酸ビニル34.4g(0.4モル)およびトルエン400gを秤取った。窒素ガス雰囲気下、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6.6gをトルエン132gに溶解させたものを、85±2℃のフラスコ中に3時間で滴下した。滴下終了後、さらに85±2℃で3時間反応させた。減圧下にてトルエンを留去させ、得られた共重合体の重量平均分子量は36,400、動粘度は100℃で730mm2/sであった。その後、イオン交換水1850gを加え、目的とする共重合体の60%水溶液を得た。
(合成例3〜5)
合成例2と同様の方法で、表1に示したポリオキシアルキレン化合物を使用し、共重合体を合成した。
(合成例6)
かき混ぜ機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を装着した3リットルフラスコに、表1に示したポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテル1,568g(1モル)、無水マレイン酸98g(1.0モル)およびトルエン250gを秤取った。窒素ガス雰囲気下、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート9.7gをトルエン194gに溶解させたものを、85±2℃のフラスコ中に3時間で滴下した。滴下終了後、さらに85±2℃で5時間反応させた。減圧下にてトルエンを留去させ、得られた共重合体の重量平均分子量は21,300、動粘度は100℃で231mm2/sであった。その後、イオン交換水1120gを加え、目的とする共重合体の60%水溶液を得た。
(実施例1)
合成例1で得られた共重合体の水溶液をイオン交換水で希釈して、25重量%水溶液に調整し、さらに消泡剤(ディスホームFDS−2224 日本油脂(株)製)を添加して、セメント用添加剤とした。コンクリートの調整は、室温20℃の試験室において、表2に示す使用材料と表3に示す配(調)合に、50リットル二軸強制練りミキサを用いてバッチあたり30リットルとなるようにセメントと細骨材および高強度混和材をミキサにとり、空練り10秒行った後、前記セメント用添加剤を添加した水道水を加えて2分間練混ぜ、さらに粗骨材を加えて2分間練混ぜた。練上がり直後と30分後のスランプフロー、空気量および凝結時間の測定を行った。また、表6に示すような各養生時間における圧縮強度の測定を行った。試験は表4に示す方法に準拠し、得られた結果を表5、6に示す。
Figure 2007119291
Figure 2007119291
Figure 2007119291
Figure 2007119291
Figure 2007119291
(蒸気養生条件)
前養生時間を(20℃)2時間とし、30℃/hrで50℃まで温度上昇させ、これを4.5時間保持し蒸気を停止した。
※1 圧縮強度:4.5〜6.5時間(蒸気養生)、7、28日(標準養生)
(実施例2)
合成例2で得られた共重合体の水溶液を使用し、実施例1と同様の方法で、表5の添加量によりコンクリート試験を行った。得られた結果を表5、6に示す。
(比較例1〜3)
合成例4〜6で得られた共重合体の水溶液を使用し、実施例1と同様の方法で、表5の添加量によりコンクリート試験を行った。得られた結果を表5、6に示す。
(実施例3)
合成例1で得られた共重合体の水溶液をイオン交換水で希釈して、25重量%水溶液に調整し、さらに消泡剤(ディスホームFDS−2224 日本油脂(株)製)を添加して、セメント用添加剤とした。コンクリートの調整は、室温20℃の試験室において、表7に示す使用材料と表8に示す配(調)合に、50リットル二軸強制練りミキサを用いてバッチあたり30リットルとなるようにセメントと細骨材および高強度混和材をミキサにとり、空練り10秒行った後、前記セメント用添加剤を添加した水道水を加えて2分間練混ぜ、さらに粗骨材を加えて2分間練混ぜた。練上がり直後と30分後のスランプフロー、空気量および凝結時間の測定を行った。また、表9に示すような各養生時間における圧縮強度の測定を行った。試験は表4に示す方法に準拠し、得られた結果を表9に示す。
Figure 2007119291
Figure 2007119291
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(比較例4〜6)
合成例3、4、6で得られた共重合体の水溶液を使用し、実施例3と同様の方法で、表9の添加量によりコンクリート試験を行った。得られた結果を表9に示す。
(実施例4)
合成例1で得られた共重合体の水溶液をイオン交換水で希釈して、25重量%水溶液に調整し、さらに消泡剤(ディスホームFDS−2224 日本油脂(株)製)を添加して、セメント用添加剤とした。コンクリートの調整は、室温20℃の試験室において、表10に示す使用材料と表11に示す配(調)合に、50リットル二軸強制練りミキサを用いてバッチあたり30リットルとなるようにセメントと細骨材および高強度混和材をミキサにとり、空練り15秒行った後、水道水を加えて1分間練混ぜ、前記セメント用添加剤を加えて3分30秒練混ぜ、さらに粗骨材を加えて1分間練混ぜた。練上がり直後と30分後のスランプフロー、空気量および凝結時間の測定を行った。また、表13に示すような各養生時間における圧縮強度の測定を行った。試験は表4に示す方法に準拠し、得られた結果を表12、13に示す。
Figure 2007119291
Figure 2007119291
Figure 2007119291
Figure 2007119291
(蒸気養生条件)
前養生時間を(20℃)2時間とし、20℃/hrで60℃まで温度上昇させ、これを6時間保持し蒸気を停止した。
※1 蒸気養生後試験室気中
※2、3 標準養生
(比較例7、8)
合成例4、6で得られた共重合体の水溶液を使用し、実施例4と同様の方法で、表12の添加量によりコンクリート試験を行った。得られた結果を表12、13に示す。
(比較例9)
市販のナフタレンスルホン酸系高性能AE減水剤(マイティ150、花王(株)製)を使用し、実施例4と同様の方法で、表12の添加量によりコンクリート試験を行った。得られた結果を表12、13に示す。
これらの結果より、実施例1および2と比較例1〜3、実施例3と比較例4〜6、実施例4と比較例7〜9をそれぞれ比較すると、水/結合材比15%〜25%でかつ混和材を各種使用した各配合において本発明のセメント用添加剤を使用したセメント組成物は、比較例に用いたセメント用添加剤を使用したセメント組成物に比べて高い流動性を有し、かつ凝結時間が短く、蒸気養生時に早期に強度が発現し、高い強度が得られることがわかる。
本発明のセメント組成物は、高い流動性を有し、スランプ保持効果も高く、かつ凝結遅延が少なく、強度が高いことから、レディーミクストコンクリート用の減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤として、あるいはコンクリート二次製品製造用の高性能減水剤として有効に使用することができ、土木建築関係の工事における作業性、施工性などの改善をもたらす。

Claims (3)

  1. 水、結合剤およびセメント用添加剤を含有するセメント組成物であって、
    前記セメント用添加剤が、下記(a)、(b)および(c)を必須単量体単位として有するポリカルボン酸系共重合体を含んでおり、水/結合材が35%以下であることを特徴とする、セメント組成物。
    (a) 酢酸ビニルに基づく単位
    (b) 式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物に基づく単位
    O(CHCHO) (1)
    (ただし、式中、Rは炭素数2〜5のアルケニル基であり、Rは炭素数1〜8の炭化水素基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数で40〜60である。)
    (c)無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩のいずれか1種または2種以上からなるマレイン酸系化合物に基づく単位
    (ただし、(a)、(b)および(c)の組成比が、モル比で0.80≦{(a)+(b)}/(c)≦1.10であり、(a)および(b)の組成比が、モル比で、0.35≦(a)/(b)≦0.55であり、前記ポリカルボン酸系共重合体の重量平均分子量が1,000−50,000である。)
  2. 前記結合材が、ポルトランドセメント単独、またはポルトランドセメントと、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末からなる群より選ばれた一種以上の混和材とを含むことを特徴とする、請求項1記載のセメント組成物。
  3. 水/結合材比が13〜30%であることを特徴とする、請求項2記載のセメント組成物。
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