JP2003103738A - 多層ポリイミドフィルム、ポリイミド積層体および高分子光導波路 - Google Patents
多層ポリイミドフィルム、ポリイミド積層体および高分子光導波路Info
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Abstract
であると共に、優れた剥離強度を有する積層体用の多層
ポリイミドフィルムを提供する。 【解決手段】 2種類のポリアミック酸を溶液状態のま
ま3層に重ね合わせ、支持体上にキャストして自己支持
性のポリアミック酸フィルムを得た後、加熱イミド化す
ることによって得られる多層ポリイミドフィルムであっ
て、中心層に用いるポリアミック酸が特定の熱膨張係数
および貯蔵弾性率を有し、また、両表層に用いるポリア
ミック酸が特定の熱膨張係数およびガラス転移温度を有
する。
Description
じることなく製膜性が良好であると共に、優れた剥離強
度を有する多層ポリイミドフィルム、フッ素化ポリイミ
ドに近い熱膨張係数を持つため、光導波路基板として用
いた場合に導波路部分との間に歪みがなく、偏波依存損
失の小さい高分子光導波路を得ることができるポリイミ
ド積層体、および高い熱膨張係数と300℃での優れた
形状保持性を発現する高分子光導波路に関するものであ
る。
ス基板上に石英などを用いて導波路を作成した無機光導
波路が広く知られていた。
低く、信頼性が高いなど優れた性質を有する反面、導波
路作成時に数千℃の加熱を必要とするため、製造に特殊
な装置を必要とし、製造コストが高いばかりか、電子部
品との混載の場合などでは、製造プロセスの自由度が限
定されるという問題があった。
波路部分に用いた有機光導波路の開発が進められてい
る。
の比較的低温で行えることなど多くの利点を有するが、
この有機光導波路用の基板としてシリコン基板を用いる
場合には、熱膨張係数の非常に大きなフッ素化ポリイミ
ドとシリコン基板との間に歪みを生じ、この歪みに起因
してその偏波依存損失が大きくなるという問題があっ
た。
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
れを生じることなく製膜性が良好であると共に、優れた
剥離強度を有する多層ポリイミドフィルム、フッ素化ポ
リイミドに近い熱膨張係数を持つため、光導波路基板と
して用いた場合に導波路部分との間に歪みがなく、偏波
依存損失の小さい高分子光導波路を得ることができるポ
リイミド積層体、および高い熱膨張係数と300℃での
優れた形状保持性を発現する高分子光導波路を提供する
ことにある。
めに、本発明の多層ポリイミドフィルムは、2種類のポ
リアミック酸を溶液状態のまま3層に重ね合わせ、支持
体上にキャストして自己支持性のポリアミック酸フィル
ムを得た後、前記ポリアミック酸を加熱イミド化するこ
とによって得られる多層ポリイミドフィルムであって、
中心層に用いるポリアミック酸が、単層で膜厚20〜6
0マイクロメートルのポリイミドフィルムに製膜した場
合に、50℃から200℃の引っ張りモードでの熱膨張
係数の平均値が50ppm/℃以上、かつ300℃の貯
蔵弾性率が50℃の貯蔵弾性率の50%以上であり、ま
た、この中心層を覆う両表層に用いるポリアミック酸
が、単層で膜厚20〜60マイクロメートルのポリイミ
ドフィルムに製膜した場合に、50℃から200℃の引
っ張りモードでの熱膨張係数の平均値が50ppm/℃
以上、かつガラス転移温度が300℃以下であることを
特徴とする。
は、前記中心層に用いるポリアミック酸が、下記一般式
(I)および(II)で示される構造単位を有すること
が好ましい。
Yのモル比は100〜20:0〜80である。〕 また、本発明のポリイミド多層積層体は、上記の多層ポ
リイミドフィルムを任意の枚数積層し、加熱、加圧して
得られるポリイミド積層体であって、0.3mm以上、
特に0.4mm以上、0.7mm以下の厚みを持ち、か
つ50℃から200℃の圧縮モードの熱膨張係数の平均
値が50ppm/℃以上であることを特徴とする。
は、最表層に50℃から200℃の引っ張りモードでの
熱膨張係数の平均値が50ppm/℃以上、かつ300
℃の貯蔵弾性率が50℃の貯蔵弾性率の50%以上であ
るポリイミドフィルムを用い、これ以外の層に上記の多
層ポリイミドフィルムを用いたこと、および最表層を除
く任意の層に、引っ張り弾性率が2Gpa以上である薄
板を挿入したことが、いずれも好ましい条件として挙げ
られる。
のポリイミド積層体を基板とすることを特徴とする。
過程での反りが長さ50mmの範囲で1mm以下である
こと、および偏波依存損失が、波長1.3マイクロメー
トルにおいて、0.1dB/cm以下であることが、い
ずれも好ましい条件として挙げられる。
る。
塑性ポリイミドと非熱可塑性ポリイミドをポリアミック
酸の段階で積層し、これをイミド化させることを特徴と
するものであり、これにより熱可塑性ポリイミドと非熱
可塑性ポリイミドをそれぞれ作成し、これを加熱、加圧
して積層体とした場合に比較して、より優れた剥離強度
を得ることができる。
性ポリイミドをそれぞれ作成した場合、特に単層で膜厚
20〜60マイクロメートルのポリイミドフィルムに製
膜した場合に、50℃から200℃の引っ張りモードで
の熱膨張係数の平均値が50ppm/℃以上の非熱可塑
性ポリイミドは非常に脆弱でポリアミック酸からポリイ
ミドへのイミド化の段階で破れが生じるが、3層のポリ
アミック酸をイミド化させる手法で得られる本発明の多
層ポリイミドフィルムは、表層が緩衝層として作用する
ため、中心層の破れを効果的に防止することができる。
ミド化の段階で400℃を越える高温でポリアミック酸
を加熱する必要があり、ガラス転移温度が300℃以下
の熱可塑性ポリイミドを製膜することは非常に困難であ
るが、本発明においては、中心層が非熱可塑性ポリイミ
ドであるために、加熱時も形状が保持され、良好な製膜
性のもとで容易に製膜を行うことが可能である。
層ポリイミドフィルムは、2種類のポリアミック酸を溶
液状態のまま3層に重ね合わせ、支持体上にキャストし
て自己支持性のポリアミック酸フィルムを得た後、前記
ポリアミック酸を加熱イミド化することによって得られ
る多層ポリイミドフィルムであって、中心層に用いるポ
リアミック酸が、単層で膜厚20〜60マイクロメート
ルのポリイミドフィルムに製膜した場合に、50℃から
200℃の引っ張りモードでの熱膨張係数の平均値が5
0ppm/℃以上、かつ300℃の貯蔵弾性率が50℃
の貯蔵弾性率の50%以上であり、また、この中心層を
覆う両表層に用いるポリアミック酸が、単層で膜厚20
〜60マイクロメートルのポリイミドフィルムに製膜し
た場合に、50℃から200℃の引っ張りモードでの熱
膨張係数の平均値が50ppm/℃以上、かつガラス転
移温度が300℃以下であることを必須の条件とする。
においては、中心層が非熱可塑性ポリイミド、両表層が
熱可塑性ポリイミドであり、かつ、それぞれの層の50
℃から200℃の引っ張りモードでの熱膨張係数の平均
値、300℃の貯蔵弾性率およびガラス転移温度が特定
の範囲にあることが重要である。
は、1種類以上のジアミン成分と、1種類以上のテトラ
カルボン酸二無水物とを、重合させることによって得ら
れるものである。
ジアミン化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して
1種類以上のテトラカルボン酸二無水物が95〜105
モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、さら
にジアミン化合物を添加し、続いて1種類以上のテトラ
カルボン酸二無水物を全ジアミン成分と全テトラカルボ
ン酸二無水物成分とがほぼ等量になるよう添加して重合
する方法、および1種類以上のテトラカルボン酸二無水
物を溶媒中に入れた後、反応成分に対してジアミン化合
物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間
混合した後、1種類以上のテトラカルボン酸二無水物を
添加し、続いてジアミン化合物を全ジアミン成分と1種
類以上のテトラカルボン酸二無水物成分とがほぼ等量に
なるよう添加して重合する方法などが挙げられる。
ク酸は、下記一般式(I)および(II)で示される構
造単位を有することが好ましい。
Yのモル比は100〜20:0〜80である。〕 この中心層に使用されるポリアミック酸の具体例として
は、ジアミノジフェニルエーテル、1,3ビス−(4ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、フェニレンジアミ
ンなどのジアミン成分と、ピロメリット酸酸二無水物に
代表されるピロメリット酸類またはピロメリット酸類と
3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸また
はその二無水物や3,3’−4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸またはその二無水物や4,4’−オキ
シジフタル酸またはその二無水物などの2個以上のベン
ゼン環を有するテトラカルボン酸類化合物とを、溶媒中
で重合させることによって得られ、非熱可塑性ポリイミ
ドを生成するものが挙げられる。
の具体例としては、ジアミノジフェニルエーテル、1,
3ビス−(4アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、フェ
ニレンジアミンなどのジアミン成分と、ピロメリット酸
酸二無水物に代表されるピロメリット酸類または3,
3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはそ
の二無水物や3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸またはその二無水物や4,4’−オキシジ
フタル酸またはその二無水物などの2個以上のベンゼン
環を有するテトラカルボン酸類化合物とを、溶媒中で重
合させることによって得られ、熱可塑性ポリイミドを生
成するものが挙げられる。
チルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドンおよびジメチルスルホンなどが挙げら
れ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好まし
い。
前記溶媒中に10〜30重量%の割合となるように調整
する。
層ポリイミドフィルムを得る方法を説明する。
層できる共押し出し口金等を使用して、上記非熱可塑性
ポリイミドを生成するポリアミック酸を中心層に、上記
熱可塑性ポリイミドを生成するポリアミック酸を両表層
に用いて、3層ポリアミック酸溶液を支持体上にキャス
トして自己支持性のポリアミック酸フィルムを得る。次
いで、得られたポリアミック酸フィルムを金枠にピンで
固定し、200℃から700℃の温度で熱処理を行うこ
とにより多層ポリイミドフィルムを得る。
金属、高分子フィルムなど平面を有し、ポリアミック酸
をこの上にキャストした場合に、キャストされたポリア
ミック酸を支持することができるものを意味する。
ミック酸を支持体上に展開することを意味する。キャス
トの一例としては、バーコート、スピンコート、あるい
は任意の空洞形状を有するパイプ状物質からポリアミッ
ク酸を押し出し、支持体上に展開する方法が挙げられ
る。
イミドフィルムにする際には、脱水剤と触媒を用いて脱
水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法のいずれで
行ってもよいが、熱閉環法をもちいて得られる多層ポリ
イミドフィルムは熱膨張係数が高く、光導波路用基板と
して使用するに際してコアとの歪みが少なくなりため好
ましい。
水酢酸などの脂肪族酸無水物、フタル酸無水物などの酸
無水物などが挙げられ、これらを単独あるいは混合して
使用するのが好ましい。また触媒としては、ピリジン、
ピコリン、キノリンなどの複素環式第3級アミン類、ト
リエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、N,N−
ジメチルアニリンなどの第3級アミン類などが挙げら
れ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好まし
い。
ドフィルムは、製膜時に破れを生じることなく製膜性が
良好であると共に、優れた剥離強度を有するものであ
る。
ムを任意の枚数積層し、加熱、加圧して得られる本発明
のポリイミド積層体は、0.3mm以上、特に0.4m
m以上、0.7mm以下の厚みを持つ場合の50℃から
200℃の圧縮モードの熱膨張係数の平均値が50pp
m/℃以上という優れた特性を発現する。
表層に50℃から200℃の引っ張りモードでの熱膨張
係数の平均値が50ppm/℃以上、かつ300℃の貯
蔵弾性率が50℃の貯蔵弾性率の50%以上である単層
ポリイミドフィルムを用い、これ以外の層に上記の多層
ポリイミドフィルムを用いることができ、この場合には
最表層が熱圧着性を持たないため、加熱圧着時に装置に
付着する事を防ぐという優れた効果の発現を期待するこ
とができる。
は、最表層を除く任意の層に、引っ張り弾性率が2Gp
a以上である薄板、例えばカプトン(R)HA,カプトン(R)E
N(カプトンはデュポン社の登録商標), ステンレス板な
どを挿入することができ、この場合には光導波路作成時
の反りを防止できるという優れた効果の発現を期待する
ことができる。
層体は、フッ素化ポリイミドに近い熱膨張係数を持つた
め、光導波路基板として用いた場合に導波路部分との間
に歪みがなく、偏波依存損失の小さい高分子光導波路を
得ることができる。
路面に平行な偏波光と導波路面に垂直な偏波光の光損失
の差を意味する。
板とする本発明の高分子光導波路は、製造過程での反り
が長さ50mmの範囲で1mm以下および偏波依存損失
が波長1.3マイクロメートルにおいて0.1dB/c
m以下という優れた性能を発揮し、光通信用コネクタ、
光電変換素子などの用途に好適に使用することができ
る。
的に説明する。
ガラス転移温度(Tg)とは、レオロジ社のDVE−V
4を用い、駆動周波数110Hz、昇温速度2℃/分、
振動変位16μmで行った時の損失正接の極大値の温度
である。
モメカニカルアナライザーTMA50を用いて50℃〜
200℃の平均熱膨張係数を測定した時の値である。
00mlセパラブルフラスコ中に、1,3ビス−(4ア
ミノフェノキシ)ベンゼン41.68(143mmo
l)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン58.53g(143mmol)、お
よびN,N´−ジメチルアセトアミド608.37gを
入れ、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。30分後から1
時間後にかけて、ピロメリット酸二無水物60.33g
(277mmol)を数回に分けて投入した。さらに、
1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物/N,N’
−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)31.0gを
30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得
られたポリアミック酸の粘度は2500ポアズであっ
た。
テルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な
膜を形成した。これをオーブンで100℃、1時間加熱
乾燥することにより自己支持性のポリアミック酸フィル
ムを得た。
ピンで固定し、200℃で30分、300℃で20分、
400℃で5分の条件で熱処理を行い、ポリイミドフィ
ルムを得た。
理中に破れたフィルムの数をまとめた。得られたポリイ
ミドフィルム(厚み:50μm)の50℃から200℃
の引っ張りモードでの熱膨張係数の平均値は57.5p
pm/℃、破断点伸度は6%であった。さらに300℃
の貯蔵弾性率は2.34GPaであり、50℃の貯蔵弾
性率、つまり3.53GPaの66%であった。
0mlセパラブルフラスコ中に、1,3ビス−(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン34.542(118mmo
l)、N,N´−ジメチルアセトアミド258.867
gを入れ、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。30分後か
ら1時間後にかけて、4,4´−オキシジフタル酸二無
水物29.32g(95mmol)を数回に分けて投入
した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物4.
38g(20mmol)を数回に分けて投入した。さら
に、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物/N,
N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)12.8
gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
000ポアズであった。
テルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な
膜を形成した。これをオーブンで100℃、1時間加熱
乾燥することにより自己支持性のポリアミック酸フィル
ムを得た。
ピンで固定、200℃で30分、300℃で20分、4
00℃で5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミ
ドフィルムを得た。
理中に破れたフィルムの数をまとめた。得られたポリイ
ミドフィルム(厚み:25μm)の50℃から200℃
の引っ張りモードでの熱膨張係数の平均値は60.0p
pm/℃であった。得られたポリイミドフィルムについ
て、レオロジ社のDVE−V4を用い、駆動周波数11
0Hz、昇温速度2℃/分、振動変位16μmの条件で
測定したガラス転移温度(Tg)は246℃であった。
みで積層できる共押し出し口金を使用して、参考例1で
得たポリアミック酸を中心層に、参考例2で得たポリア
ミック酸を両表層に用いた3層ポリアミック酸溶液を支
持体上にキャストし、加熱乾燥することにより、自己支
持性のポリアミック酸フィルムを得た。
ピンで固定し、200℃で30分、300℃で20分、
400℃で5分の条件で熱処理を行い多層ポリイミドフ
ィルムを得た。
熱処理中に破れたフィルムの数をまとめた。偏光顕微鏡
による観察の結果、得られた多層ポリイミドフィルム
(厚み:65μm)の各層の厚みは10/45/10
(μm)、破断点伸度は9%であった。
枚を重ね合わせ、200℃、120分 0Kg/c
m2 、375℃、60分、40Kg/cm2 で加熱圧着
することにより、ポリイミド積層体を作成した。中心層
の剥離強度を90°剥離、クロスヘッド速度50mm/
minで測定し、結果を表2にまとめた。圧縮モードで
の熱膨張係数の平均値は65.0ppm/℃であった。
層体からなる直径10.16cmの円板状積層体上に、
コア/クラッドの屈折率差が0.6%の光導波路用フッ
素化ポリイミド材料を用いて埋め込み型フッ素化ポリイ
ミド光導波路を作成した。
ッ素化ポリアミック酸溶液をスピンコートし、これを3
00℃以上で加熱イミド化して下部クラッド層を形成し
た。次に、この上にコア用フッ素化ポリアミック酸溶液
をスピンコートし、これを300℃以上で加熱イミド化
してコア層を形成した。次いで、コア層にはアルミニウ
ムマスクとフォトレジストを用いて直線のコアパターン
を形成し、酸素ガスのドライエッチングによりコアリッ
ジを作成した。最後にエッチングされたコア上にクラッ
ド用フッ素化ポリアミック酸溶液をスピンコートし、こ
れを300℃以上で加熱イミド化して上部クラッド層を
形成した。このようにして、直径10.16cmの円板
状積層体上に形成された埋め込み型フッ素化ポリイミド
光導波路から、幅10mm、長さ50mmの直線光導波
路を切り出した。
に対して1mm以下であった。また、この高分子光導波
路に波長1.3マイクロメートルの光を導波させた時の
偏波依存損失は0.1dB/cm以下であった。
ィルム9枚と参考例2で得たポリイミドフィルム8枚を
交互に重ね合わせ、200℃、120分、 0Kg/c
m2 、375℃、60分、40Kg/cm2 で加熱圧着
することにより、ポリイミド積層体を作成した。中心層
の剥離強度を90°剥離、クロスヘッド速度50mm/
minの条件で測定し、結果を表2にまとめた。
イミドフィルムは、製膜時に破れを生じることなく製膜
性が良好であると共に、優れた剥離強度を有するもので
ある。
意の枚数積層し、加熱、加圧して得られる本発明のポリ
イミド積層体は、フッ素化ポリイミドに近い熱膨張係数
を持つため、光導波路基板として用いた場合に導波路部
分との間に歪みがなく、偏波依存損失の小さい高分子光
導波路を得ることができる。
する本発明の高分子光導波路は、高い熱膨張係数と30
0℃での優れた形状保持性を発現する。
Claims (9)
- 【請求項1】 2種類のポリアミック酸を溶液状態のま
ま3層に重ね合わせ、支持体上にキャストして自己支持
性のポリアミック酸フィルムを得た後、前記ポリアミッ
ク酸を加熱イミド化することによって得られる多層ポリ
イミドフィルムであって、中心層に用いるポリアミック
酸が、単層で膜厚20〜60マイクロメートルのポリイ
ミドフィルムに製膜した場合に、50℃から200℃の
引っ張りモードでの熱膨張係数の平均値が50ppm/
℃以上、かつ300℃の貯蔵弾性率が50℃の貯蔵弾性
率の50%以上であり、また、この中心層を覆う両表層
に用いるポリアミック酸が、単層で膜厚20〜60マイ
クロメートルのポリイミドフィルムに製膜した場合に、
50℃から200℃の引っ張りモードでの熱膨張係数の
平均値が50ppm/℃以上、かつガラス転移温度が3
00℃以下であることを特徴とする多層ポリイミドフィ
ルム。 - 【請求項2】 前記中心層に用いるポリアミック酸が、
下記一般式(I)および(II)で示される構造単位を
有することを特徴とする請求項1に記載の多層ポリイミ
ドフィルム。 【化1】 【化2】 〔ただし、式中R1 は 【化3】 R2 は 【化4】 で示される基から選ばれたいずれかであり、さらにX:
Yのモル比は100〜20:0〜80である。〕 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の多層ポリイミ
ドフィルムを任意の枚数積層し、加熱、加圧して得られ
るポリイミド積層体であって、0.3mm以上の厚みを
持ち、かつ50℃から200℃の圧縮モードの熱膨張係
数の平均値が50ppm/℃以上であることを特徴とす
るポリイミド積層体。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の多層ポリイミ
ドフィルムを任意の枚数積層し、加熱、加圧して得られ
るポリイミド積層体であって、0.4mm以上、0.7
mm以下の厚みを持ち、かつ50℃から200℃の圧縮
モードの熱膨張係数の平均値が50ppm/℃以上であ
ることを特徴とするポリイミド積層体。 - 【請求項5】 最表層に、50℃から200℃の引っ張
りモードでの熱膨張係数の平均値が50ppm/℃以
上、かつ300℃の貯蔵弾性率が50℃の貯蔵弾性率の
50%以上であるポリイミドフィルムを用い、これ以外
の層に請求項1または2に記載の多層ポリイミドフィル
ムを用いたことを特徴とする請求項3または4に記載の
ポリイミド積層体。 - 【請求項6】 ポリイミド積層体の最表層を除く任意の
層に、引っ張り弾性率が2Gpa以上である薄板を挿入
したことを特徴とする請求項5に記載のポリイミド積層
体。 - 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか1項に記載のポ
リイミド積層体を基板とすることを特徴とする高分子光
導波路。 - 【請求項8】 製造過程での反りが長さ50mmの範囲
で1mm以下であることを特徴とする請求項7に記載の
高分子光導波路。 - 【請求項9】 偏波依存損失が、波長1.3マイクロメ
ートルにおいて、0.1dB/cm以下であることを特
徴とする請求項7または8に記載の高分子光導波路。
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---|---|---|---|
JP2001302715A JP3976532B2 (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 高分子光導波路基板用多層ポリイミドフィルム、高分子光導波路基板用ポリイミド積層体および高分子光導波路 |
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---|---|---|---|
JP2001302715A JP3976532B2 (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 高分子光導波路基板用多層ポリイミドフィルム、高分子光導波路基板用ポリイミド積層体および高分子光導波路 |
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