JP2003103732A - 水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法 - Google Patents

水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法

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JP2003103732A
JP2003103732A JP2001303297A JP2001303297A JP2003103732A JP 2003103732 A JP2003103732 A JP 2003103732A JP 2001303297 A JP2001303297 A JP 2001303297A JP 2001303297 A JP2001303297 A JP 2001303297A JP 2003103732 A JP2003103732 A JP 2003103732A
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propylene
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ethylene
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Yoshimasa Kume
義正 粂
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Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの感熱
接着性物質層と水性インキによる印刷層との接着性に優
れ、且つ、印刷層とポリプロピレン系共重合体からなる
易ヒートシール性フィルムとのラミネート強度に優れ
る、水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法
を提供すること。 【解決手段】水性インキに対する易接着性を付与された
感熱接着性樹脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン
系フィルムの前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に水
性インキによる印刷を施し、次いで少なくともこの印刷
部に構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分と
するエマルジョンをオーバーコートした後、易ヒートシ
ール性無延伸フィルムと連続的にサーマルラミネートす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、内面に印刷が施さ
れた2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシー
ル性無延伸ポリプロピレン系フィルムとのラミネートフ
ィルムの製造方法に関し、より詳しくは、内面に水性イ
ンキによる印刷が施された複合2軸延伸ポリプロピレン
系フィルムと易ヒートシール性無延伸ポリプロピレン系
フィルムとを連続的にサーマルラミネートすることを特
徴とする水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内面に印刷が施された2軸延伸ポリプロ
ピレン系フィルムと易ヒートシール性無延伸ポリプロピ
レン系フィルムとのラミネートフィルムは最もポピュラ
ーなフレキシブル包装材料である。そしてその製造方法
の1つとして特開昭56−77116号公報で開示され
た技術がある。同公報では、感熱接着性物質層を有する
複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの感熱接着性物
質層に印刷を施し、次いで前記印刷面にポリプロピレン
系共重合体からなる易ヒートシール性フィルムをサーマ
ルラミネートする技術が開示されている。また、好適な
サーマルラミネーターとしては特開平6−155579
号公報で開示された技術がある。同公報では、ライン速
度に対応して移動する供給角度調整ロールと排出角度調
整ロールとによって低速の増速域から高速の定常域まで
安定した品質のラミネートフィルムが得られる技術が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記特開昭5
6−77116号公報では、適用できる印刷インキが油
性インキなのか、水性インキなのか、あるいは両方なの
か、明記されていない。そこで本発明者が追試実験した
ところ、油性インキは適用可能であるが、水性インキは
適用不可能であることが判明した。何故ならば、水性イ
ンキを使用した場合、感熱接着性物質層と水性インキに
よる印刷層との接着性に欠け、又、印刷層とポリプロピ
レン系共重合体からなる易ヒートシール性フィルムとの
ラミネート強度が弱く、実用上問題があることが明らか
になったからである。
【0004】本発明の課題は、複合2軸延伸ポリプロピ
レン系フィルムの感熱接着性物質層と水性インキによる
印刷層との接着性に優れ、且つ、印刷層とポリプロピレ
ン系共重合体からなる易ヒートシール性無延伸フィルム
とのラミネート強度に優れる、水性インキを含むフレキ
シブル包装材料の製造方法を提供することにある。ま
た、このフレキシブル包装材料から作製された包装用袋
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明は、下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性イ
ンキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を
有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感
熱接着性樹脂層の全面又は1部に水性インキによる印刷
を施し、次いで少なくともこの印刷部に構成成分として
エチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンを
オーバーコートした後、複合2軸延伸ポリプロピレン系
フィルムのオーバーコート面と下記の樹脂(b)を主成
分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的に
サーマルラミネートする、水性インキを含むフレキシブ
ル包装材料の製造方法であることを特徴とする。 樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。 樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。
【0006】また、下記の樹脂(a)を主成分とし且つ
水性インキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹
脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの
前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に構成成分として
エチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンを
含有する水性インキによる印刷を施し、次いで複合2軸
延伸ポリプロピレン系フィルムの印刷面と下記の樹脂
(b)を主成分とする易ヒートシール性無延伸フィルム
とを連続的にサーマルラミネートする、水性インキを含
むフレキシブル包装材料の製造方法であることを特徴と
する。 樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。 樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。
【0007】さらに、前記の水性インキを含むフレキシ
ブル包装材料から作製された包装用袋であることを特徴
とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合2軸延伸ポリプロピ
レン系フィルムを構成する2軸延伸ポリプロピレン系フ
ィルムとは、沸騰n−へプタン抽出残分が90重量%以
上のプロピレン単独重合体、エチレン等共重合成分の含
有量が5モル%以下で、感熱接着性樹脂層や易ヒートシ
ール性無延伸フィルムよりも融点の高いところのポリプ
ロピレン系共重合体、又はこれらの混合物からなる少な
くとも1層の2軸延伸フィルムである。2軸延伸ポリプ
ロピレン系フィルムには、安定剤、アンチブロッキング
剤、滑剤、帯電防止剤、他の樹脂等、公知のものを合目
的的に添加してもよい。また、複合2軸延伸ポリプロピ
レン系フィルムを製造する際に発生する屑を、物性が許
容される範囲内で添加してもよい。2軸延伸ポリプロピ
レン系フィルムの厚さは特に限定するものではないが、
通常、10〜60μmが好ましい。
【0009】本発明の複合2軸延伸ポリプロピレン系フ
ィルムを構成する感熱接着性樹脂層とは、プロピレン−
エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンラ
ンダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
の樹脂を主成分としてなる層である。プロピレン−エチ
レンランダム共重合体としては、好ましくはエチレン含
有量0.5〜15モル%、より好ましくはエチレン含有
量1〜10モル%のプロピレン−エチレンランダム共重
合体が挙げられる。プロピレン−1−ブテンランダム共
重合体としては、好ましくは1−ブテン含有量1〜35
モル%、より好ましくは1−ブテン含有量5〜25モル
%のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体が挙げら
れる。また、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダ
ム共重合体としては、好ましくはエチレン含有量0.5
〜15モル%、1−ブテン含有量0.5〜35モル%、
より好ましくはエチレン含有量1〜10モル%、1−ブ
テン含有量1〜25モル%のプロピレン−エチレン−1
−ブテンランダム共重合体が挙げられる。感熱接着性樹
脂層には、安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電
防止剤、他の樹脂等、公知のものを合目的的に添加して
もよい。感熱接着性樹脂層の厚さは特に限定するもので
はないが、通常、0.5〜5μmが好ましい。
【0010】複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを
製造する方法は特に限定するものではなく、公知の如何
なる方法によってもよい。好ましい方法として、例え
ば、ポリプロピレン系フィルムと感熱接着性樹脂層とを
共押出し、縦方向及び横方向に共延伸する方法、あるい
は、縦方向に延伸したポリプロピレン系フィルム上に感
熱接着性樹脂層を押出しラミネートし、次いで横方向に
共延伸する方法が例示できる。
【0011】水性インキに対する易接着性を付与するた
め、感熱接着性樹脂層には易接着処理をする必要があ
る。易接着処理としては特に限定するものではなく、例
えば、感熱接着性樹脂層表面を火炎処理し引き続きコロ
ナ放電処理する方法、感熱接着性樹脂層表面を火炎処理
し引き続き紫外線照射処理する方法、感熱接着性樹脂層
表面を窒素等の不活性ガス雰囲気下でコロナ放電処理す
る方法、感熱接着性樹脂層表面をプラズマ処理する方
法、感熱接着性樹脂層にN−エタノール酸アミド等を含
有させる方法、感熱接着性樹脂層上にアンカーコート層
を設ける方法が好ましい方法として例示できる。
【0012】これらの中でも感熱接着性樹脂層表面を火
炎処理し引き続きコロナ放電処理する方法が効果の点か
らより好ましい。火炎処理の印加熱量は、2000〜2
5000J/mが好ましい。より好ましくは4000
〜20000J/mである。2000J/m未満で
は水性インキに対する易接着性が不十分となる傾向にあ
る。一方、25000J/mを越えて処理するとフィ
ルム表面が荒れる傾向にあるのみならず、帯電防止剤を
練りこんだものでは、フィルム表面が白化したり、べた
ついたりして好ましくない。コロナ放電処理の印加電気
エネルギーは、800〜4000J/mであることが
好ましい。より好ましくは1100〜3300J/m
である。印加電気エネルギーが800J/m未満で
は、水性インキに対する易接着性が不十分となる傾向に
ある。印加電気エネルギーを4000J/mを越えて
処理した場合には、易接着性の低下、ピンホールの発
生、フィルムの白化などが起こり易い傾向にある。
【0013】本発明の水性インキとは、特に限定するも
のではない。例えば、スチレン−アクリル系樹脂、スチ
レン−マレイン酸系樹脂、ロジンエステル系樹脂、シェ
ラック樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等
をバインダーとし、無機、有機の顔料を含み、水と、エ
タノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール
とを主たる溶剤とし、必要に応じ有機アミン、アンモニ
ア水、アルカリ金属水酸化物等を混合したものが例示で
きる。水性インキの印刷は感熱接着性樹脂層の全面であ
ってもよいし、その1部であってもよい。印刷方法とし
ては、特に限定するものではなく、例えば、グラビア印
刷やフレキソ印刷が例示できる。
【0014】水性インキによる印刷層と易ヒートシール
性無延伸フィルムとのラミネート強度を確保するため、
本発明では以下の2つの手段の内いずれかを用いる。
【0015】その1つは、水性インキによる印刷層の上
に、構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分と
するエマルジョンをオーバーコートするという手段であ
る。エマルジョンとしてはエチレンを構成成分として含
む共重合体を主成分とするものであれば特に限定するも
のではない。例えば、エチレン含有量50〜95重量
%、極性基を有するビニルモノマー含有量50〜5重量
%のランダム共重合体からなるエマルジョンが好ましい
ものとして例示できる。それらの具体例としては、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタク
リル酸エステル共重合体、アイオノマー、及びこれらの
酸変性物等を主成分とするエマルジョンが例示できる。
これらの中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体がより好
ましい。ランダム共重合体のエチレン含有量は50〜9
5重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましく
は65〜80重量%である。95重量%を超えると、易
ヒートシール性フィルムとのラミネート強度を確保する
ことが難しくなる場合もあり、50重量%未満では、オ
ーバーコート層の滑性や耐ブロッキング性とラミネート
強度の点でバランスをとり難く好ましくない場合もあ
る。
【0016】オーバーコートする部位は、印刷部と合致
させてもよいし、印刷部を含みそれより少し広めであっ
てもよい。さらには、感熱接着性樹脂層の全面に渡って
もよい。コストの点からは、印刷部と合致させるか、印
刷部を含みそれより少し広めにオーバーコートするのが
望ましい。オーバーコート方法としては特に限定するも
のではなく、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、コ
ーターによる塗布等が例示できる。生産性の点からは、
水性インキによる印刷と同時に同じ印刷機でオーバーコ
ートする方法が望ましい。オーバーコートの厚さは、乾
燥後の厚さで好ましくは0.01〜10μm、より好ま
しくは1〜5μである。0.01μm未満では、印刷層
と易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度
の安定性に欠ける傾向にある。一方、10μmを超える
と、乾燥に時間がかかりすぎ生産性に欠ける傾向にあ
る。
【0017】他の1つは、水性インキの中に前記のエマ
ルジョンを混合して、この混合物を用いて印刷層とする
手段である。エマルジョンを混合した分、印刷層の色目
が薄くなるので、これを補うためには、印刷層の厚さを
厚くするか、元の水性インキの顔料の含有量を多くすれ
ばよい。
【0018】水性インキ(又は水性インキとエマルジョ
ンとの混合物)による印刷層と易ヒートシール性無延伸
フィルムとのラミネート強度は、好ましくは70g/c
m以上、より好ましくは100g/cm以上である。
【0019】本発明の易ヒートシール性無延伸フィルム
とは、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピ
レン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチ
レン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ば
れる少なくとも1種の樹脂を主成分としてなる、易ヒー
トシール性を有する無延伸フィルムである。プロピレン
−エチレンランダム共重合体としては、好ましくはエチ
レン含有量0.5〜15モル%、より好ましくはエチレ
ン含有量1〜10モル%のプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体が挙げられる。プロピレン−1−ブテンラン
ダム共重合体としては、好ましくは1−ブテン含有量1
〜35モル%、より好ましくは1−ブテン含有量5〜2
5モル%のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体が
挙げられる。また、プロピレン−エチレン−1−ブテン
ランダム共重合体としては、好ましくはエチレン含有量
0.5〜15モル%、1−ブテン含有量0.5〜35モ
ル%、より好ましくはエチレン含有量1〜10モル%、
1−ブテン含有量1〜25モル%のプロピレン−エチレ
ン−1−ブテンランダム共重合体が挙げられる。易ヒー
トシール性無延伸フィルムと前記の感熱接着性樹脂層と
は同じ樹脂構成であってもよいし、違う樹脂構成であっ
てもよい。易ヒートシール性無延伸フィルムには、安定
剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、他の樹
脂等、公知のものを合目的的に添加してもよい。
【0020】易ヒートシール性無延伸フィルム表面には
コロナ放電処理等の公知の表面処理を施しても、施さな
くてもよい。好ましくは、複合2軸延伸ポリプロピレン
系フィルムとサーマルラミネートされる面には表面処理
を施し、反対面のヒートシールされる面には表面処理を
施さない方がより望ましい。このようにすることによっ
て、印刷層(オーバーコート層)との接着性がより優
れ、低温ヒートシール性にも優れるからである。表面処
理強度としては、濡れ指数が360μN/cm以上とな
るようにすることが望ましい。
【0021】易ヒートシール性無延伸フィルムの厚さは
特に限定するものではないが、通常、20〜50μmが
好ましい。
【0022】内面に水性インキによる印刷層を含む複合
2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシール性
無延伸フィルムとを連続的にサーマルラミネートする方
法としては種々の方法が考えられ、如何なるものでもよ
いが、通常加熱されたニップロールを用いれば十分であ
る。例えば、ニップロールの片方は好ましくは90〜1
80℃、より好ましくは110〜160℃に加熱された
金属ロール、他方はシリコンゴム等の耐熱性、非粘着性
に優れたゴムロールを用い、加熱金属ロールに2軸延伸
ポリプロピレン系フィルムが接するようにして、線圧を
好ましくは50N/cm以上、より好ましくは150N
/cm以上、600N/cm以下にして通すとスムース
にラミネートが出来る。サーマルラミネーターとして前
記した特開平6−155579号公報で開示されたもの
を用いると、低速の増速域から高速の定常域まで安定し
た品質のラミネートフィルムが得られるので、生産性の
点からはさらに好ましいものとなる。
【0023】上記で製造されたラミネートフィルムに製
袋機を用いて、合掌シール1とボトムシール2を施すこ
とにより合掌シール袋と通称される包装用ラミネート袋
(図1参照)が、また三方シール3を施すことにより三
方シール袋と通称される包装用ラミネート袋(図2参
照)がそれぞれ製造される。この際、斯かるラミネート
袋に被包装物を詰めた後、開口部4をどのようにするか
は自由であるが、一般にはヒートシールや公知の各種方
法により封止するのがよい。なお、本発明のラミネート
フィルムを用いて製袋を行いながら、同時に被包装物を
詰める、所謂自動包装機による被包装物の入ったラミネ
ート袋の態様も本発明に包含される。さらには、袋形態
としてガゼット袋であってもよい。
【0024】
【実施例】次に、本発明の代表的な実施例を比較例と共
に挙げて説明する。
【0025】感熱接着性樹脂層と水性インキによる印刷
層との接着性の評価は以下の方法による。即ち、印刷層
に市販のセロハン粘着テープを貼った後、手で剥離して
以下のランク付けをした。 ○:セロハン粘着テープに印刷層が全く取られない △:セロハン粘着テープに印刷層の1部が取られる ×:セロハン粘着テープに印刷層の全面が取られる
【0026】複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと
易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度の
測定は以下の方法による。即ち、ラミネートフィルムを
1cm幅に切り取り、剥離試験機(新東科学株式会社製
Peeling TESTER HEIDON−1
7)にセットし、剥離速度20cm/min、T型剥離
で測定した。
【0027】シール強度の測定は以下の方法による。即
ち、シールしたフィルムを1cm幅に切り取り、引張試
験機(東洋精機株式会社製 STROGRAPH R)
にセットし、引張速度20cm/minで測定した。
【0028】(実施例1)2軸延伸ポロプロピレン系フ
ィルムのスキン層(A)となるプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体(エチレン含有量:0.47モル%、M
FR(230℃、21.18N):1.45)100重
量部とプロピレン単独重合体(融点:162℃、MFR
(230℃、21.18N):5.5)50重量部と帯
電防止剤0.45重量部と有機アンチブロッキング剤
0.3重量部との混合物、2軸延伸ポロプロピレン系フ
ィルムのコア層(B)となるプロピレン単独重合体(融
点:160℃、MFR(230℃、21.18N):
2.3)100重量部と滑剤0.05重量部と有機アン
チブロッキング剤0.3重量部との混合物、感熱接着性
樹脂層(C)となるプロピレン−エチレンランダム共重
合体(エチレン含有量:4.5モル%、MFR(230
℃、21.18N):9.0)100重量部とプロピレ
ン−1−ブテンランダム共重合体(1−ブテン含有量:
19モル%、MFR(230℃、21.18N):8.
0)30重量部と滑剤2.25重量%と有機アンチブロ
ッキング剤2.1重量部との混合物を、3台の押出機を
用いて各々押出機で溶融混練し、(A)/(B)/
(C)の順になるように240℃のTダイ内で融着積層
して押出し、30℃の冷却ロールで冷却し、130℃で
縦方向に5倍ロール延伸し、165℃で横方向に10倍
延伸し、165℃で横方向に3%弛緩させながらアニ−
ルし、冷却し、巻き取り、次いでこのフィルムを40℃
で24時間エージングした。フィルムの平均厚さは
(A)層が1.5μm、(B)層が16.5μm、
(C)層が2.0μm、トータル20.0μmであっ
た。次いで、このフィルムの感熱接着性樹脂層(C)面
に、易接着処理として下記条件の火炎処理とコロナ放電
処理とをこの順で連続的に行い、所期の複合2軸延伸ポ
リプロピレン系フィルムを得た。 表面処理条件 フィルム走行速度:60m/min 火炎処理:印加熱量8000J/m フィルム温度40℃ コロナ放電処理:印加電気エネルギー1200J/m フィルム温度40℃
【0029】(実施例2)実施例1で得た複合2軸延伸
ポリプロピレン系フィルムの感熱接着性樹脂層面の1部
に、水性インキ(東洋インキ製造株式会社製 アクアエ
コールJW202青)を用いてグラビア印刷による図柄
印刷を施し、引き続き、その上に水性インキ(東洋イン
キ製造株式会社製 アクアエコールJW202白)を用
いて白ベタ印刷を施した(印刷速度70m/min、乾
燥後の印刷層の厚さは青色約1μm、白ベタ約2μ
m)。感熱接着性樹脂層と印刷層との接着性の評価結果
を表1に示す。
【0030】(実施例3)実施例2の印刷に引き続き同
じ印刷機で、印刷部と合致させた部位にエチレン−酢酸
ビニルランダム共重合体からなるエマルジョン(中央理
科工業株式会社製アクアテックスEC−1800)をオ
ーバーコートした(乾燥後のコート厚さは約3μm)。
次いで、このフィルムと易ヒートシール性無延伸フィル
ム(東レ株式会社製3501)とを、図3に示すニップ
ロール部(加熱金属ロール:ロール径400mm、表面
温度131℃、シリコンゴムロール:ロール径300m
m、ニップ圧:300N/cm)を有するサーマルラミ
ネーターを用いて、2軸延伸ポリプロピレン系フィルム
が加熱金属ロールに接するようにし、前記のオーバーコ
ート層と易ヒートシール性無延伸フィルムのコロナ放電
処理面とが合わさるようにして、速度120m/mi
n、α=39°、β=39°でラミネートした。次い
で、このラミネートフィルムを35℃で24時間エージ
ングして所期のラミネートフィルムを得た。印刷部及び
無地部(非印刷部)のラミネート強度を表2に示す。
【0031】(実施例4)実施例3で得たラミネートフ
ィルムを製袋機(トタニ技研工業株式会社製 BH60
0B:シール温度150℃、90ショット/min)に
かけて三方シール袋を得た。シール強度を表3に示す。
【0032】(比較例1)感熱接着性樹脂層(C)面に
易接着処理を施さない以外、実施例1と同様にして複合
2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを得、実施例2と同
様にしてこのフィルムにグラビア印刷を施した。感熱接
着性樹脂層と印刷層との接着性の評価結果を表1に示
す。
【0033】(比較例2)エマルジョンコートをしない
以外、実施例1〜3と同様にしてラミネートフィルムを
得た。印刷部及び無地部(非印刷部)のラミネート強度
を表2に示す。
【0034】(実施例5)実施例2のアクアエコールJ
W202白に代えて、アクアエコールJW202白10
0重量部と実施例3で使用したエマルジョン100重量
部との混合物を用い、乾燥後の混合物層の厚さを約4μ
mとした以外、実施例2と同様にしてグラビア印刷を施
した。感熱接着性樹脂層と印刷層との接着性の評価結果
を表1に示す。次いで、エマルジョンコートをしない以
外、実施例3と同様にしてラミネートフィルムを得た。
印刷部及び無地部(非印刷部)のラミネート強度を表2
に示す。次いで、実施例4と同様にして三方シール袋を
得た。シール強度を表3に示す。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のような構成からなるの
で、以下の効果を奏す。
【0039】易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミ
ネートはサーマルラミネートによるので、有機溶剤を使
用するドライラミネートに比べ、環境負荷が小さい。ま
た、水性インキを使用するので、油性インキの使用に比
べ、環境負荷が小さい。さらに、本発明のフレキシブル
包装材料から得られる包装用袋は、食品衛生上より安全
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で得られる合掌シール袋の正面図で
ある。
【図2】 本発明で得られる三方シール袋の正面図で
ある。
【図3】 本発明方法を実施する装置の1実施例のニ
ップロール部の正面図である。
【符号の説明】
1 合掌シール 2 ボトムシール 3 三方シール 4 開口部 5 加熱金属ロール 6 シリコンゴムロール
フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AB01 AC07 AD01 BA04 BA15 BA24 BA33 BB90 DA08 4F006 AA12 AB14 BA01 CA07 DA04 4F100 AK01A AK04D AK07B AK64A AK64E AK67A AK67E AL03A AL03E CA17 CA19 CA22 EH20 EH202 EJ38 EJ38B EJ383 EJ55 EJ553 GB15 HB00C JK17 JL12 JL13A JM01D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性イ
    ンキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を
    有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感
    熱接着性樹脂層の全面又は1部に水性インキによる印刷
    を施し、次いで少なくともこの印刷部に構成成分として
    エチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンを
    オーバーコートした後、複合2軸延伸ポリプロピレン系
    フィルムのオーバーコート面と下記の樹脂(b)を主成
    分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的に
    サーマルラミネートすることを特徴とする水性インキを
    含むフレキシブル包装材料の製造方法。 樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
    プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
    −エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。 樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
    プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
    −エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。
  2. 【請求項2】下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性イ
    ンキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を
    有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感
    熱接着性樹脂層の全面又は1部に構成成分としてエチレ
    ンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンを含有す
    る水性インキによる印刷を施し、次いで複合2軸延伸ポ
    リプロピレン系フィルムの印刷面と下記の樹脂(b)を
    主成分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続
    的にサーマルラミネートすることを特徴とする水性イン
    キを含むフレキシブル包装材料の製造方法。 樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
    プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
    −エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。 樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、
    プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン
    −エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の樹脂。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の水性インキを含む
    フレキシブル包装材料から作製された包装用袋。
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