JP2003101147A - 半導体レーザ装置および短波長レーザ光源 - Google Patents

半導体レーザ装置および短波長レーザ光源

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JP2003101147A
JP2003101147A JP2002205487A JP2002205487A JP2003101147A JP 2003101147 A JP2003101147 A JP 2003101147A JP 2002205487 A JP2002205487 A JP 2002205487A JP 2002205487 A JP2002205487 A JP 2002205487A JP 2003101147 A JP2003101147 A JP 2003101147A
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Hideki Asano
英樹 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆バイアスpn接合を持つ電流狭窄部を備え
た半導体レーザ装置の高周波特性を向上させる。 【解決手段】 基板10上に積層された活性層12と、この
活性層12の所定のストライプ状領域のみに電流注入する
ための開口を有して該活性層12の上に形成された電流阻
止層31を含む、p型およびn型の多層膜からなる電流狭
窄部とを備えてなる半導体レーザ装置において、電流阻
止層31の上側に位置する半導体層表面から電流阻止層31
を貫通して少なくとも活性層12まで到達し、かつ前記開
口を挟んで前記ストライプ状領域に沿って延びる1対の
溝51,51を形成し、電流阻止層31の上側に位置する半導
体層表面に、少なくとも前記開口の上方位置に当たる部
分を除いて絶縁膜15を形成し、この絶縁膜15の上に電極
16を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザ装置に
関し、特に詳細には、電流狭窄用の電流阻止層を有する
タイプの半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】また本発明は、上述のような半導体レーザ
装置から発せられたレーザビームを第2高調波に変換し
て出力する短波長レーザ光源に関するものである。
【0003】
【従来の技術】一般に、情報処理や印刷機器等の光源と
して用いられる半導体レーザは、低電流で効率良く動作
することが求められる。このため従来より、例えば特許
第2746131号公報に示されているように、逆バイ
アスpn接合を持つ電流狭窄部によって、活性層の微小
領域のみに電流注入するようにした半導体レーザ装置が
提案されている。この半導体レーザ装置は、基本的に、
基板上に積層された活性層と、この活性層の所定のスト
ライプ状領域のみに電流注入するための開口を有して該
活性層の上に形成された電流阻止層を含む、p型および
n型の多層膜からなる電流狭窄部とを備えてなるもので
ある。
【0004】図6には、この種の半導体レーザ装置の代
表的なものの構成を示してある。図示の通りこの半導体
レーザ装置は、n型GaAs基板10と、その上に順次積層さ
れたn型InGaP下部クラッド層11と、i-InGaAsP障壁層、
i-InGaAs量子井戸活性層およびi-InGaAsP障壁層からな
る多層半導体部(活性層)12と、p型InGaP上部第1ク
ラッド層13と、p型AlGaAs上部第2クラッド層23と、p
型AlGaAs上部第3クラッド層24と、p型GaAsコンタクト
層14とを有している。
【0005】そして上記p型AlGaAs上部第2クラッド層
23の左右両側にはそれぞれn型InGaP電流阻止層31が形
成され、このn型InGaP電流阻止層31および上記p型InG
aP上部第1クラッド層13によって電流狭窄部が構成され
ている。すなわち、n型InGaP電流阻止層31はp型AlGaA
s上部第2クラッド層23の部分が開口した形となってお
り、この開口の両側のn型InGaP電流阻止層31およびp
型InGaP上部第1クラッド層13が構成するpn接合部に
おいて逆バイアス状態が作られる。
【0006】また、上記n型InGaP電流阻止層31および
p型AlGaAs上部第2クラッド層23の上にはp型AlGaAs上
部第3クラッド層24が形成され、さらにその上には順次
p型GaAsコンタクト層14、絶縁膜15、p型電極16が形成
されている。そしてn型GaAs基板10の下面には、n型電
極17が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
逆バイアスpn接合を持つ電流狭窄部を設けると、この
pn接合部分に大きな寄生容量が発生することになる。
そこで、この半導体レーザを高速変調する際には、高周
波成分がこの容量を通して流れてしまうため、変調がか
からないという問題が生じる。また半導体レーザは、そ
こから発せられたレーザビームを第2高調波に変換する
光波長変換素子と組み合わせて、短波長レーザ光源を構
成するように用いられることもあるが、その際に上述の
ような問題が生じると、短波長化された青色や緑色の短
波長レーザビームを画像記録等に適用することが難しく
なってしまう。
【0008】また、光ディスク等の読取りに用いられる
半導体レーザにおいては、ノイズを低減する目的で高周
波重畳駆動されることもあるが、その場合も、高周波成
分が電流阻止層を抜けてしまい、活性層に効率良く電流
が注入されなくなるという問題が生じる。
【0009】上述した図6には、この半導体レーザにお
ける等価回路を併せて簡略的に示してある。図示の通り
抵抗成分はp型電極16部のオーミック抵抗R1と、活性
層12におけるR2と、活性層12の横方向への広がりを考
慮した分布定数回路における抵抗R3、R4とが考えら
れる。また容量としては、p型電極16と絶縁膜15とp型
GaAsコンタクト層14との間にあるC1と、電流阻止層31
の上下界面に存在するpn接合部でのC2、C3と、活
性層12の接合部でのC4と、上記分布定数回路における
C5とが存在する。
【0010】ここで高速変調時の動作を考えると、上記
電流阻止層31の上下界面に存在するpn接合部での寄生
容量、つまり上記C2、C3が現状では最も支配的とな
り、それが高周波特性を損なう最大の原因となってい
た。特にこのpn接合部は素子の面積分だけ存在し、電
気回路として考えると活性層部と並列に存在することに
なるために高い周波数成分が電流阻止層を抜けてしま
い、活性層に効率良く電流注入がなされなくなるという
問題点があった。
【0011】この問題に対して図7に示すように、特公
平5−9951号公報には、n型InP基板200上に形成さ
れた活性層201の両脇をエッチングしてn型電流阻止層2
05で埋め込んでなる、1.3μm以上の発振波長帯用に多
く適用されるいわゆる埋め込み型半導体レーザにおい
て、活性層201の両脇に基板200まで到達する1対の溝20
8、208を形成して、電流阻止層205部に内在する寄生容
量を低減する手法が提案されている。なおこの図7にお
いて、202はp型電極、203は絶縁膜、204はp型InGaAs
コンタクト層、207はn型電極である。
【0012】この手法は、素子全体に広がる電流阻止層
205における寄生容量を低減するのに非常に有効であ
る。しかしこれは、InPをベースとする材料系のものが
主であり、1μm帯以下の短波長帯の材料系では、作製
方法および信頼性の観点から取り入れられていない構造
であった。すなわち、この1.3μm以上の波長帯の半導
体レーザではその構成材料としてInP/InGaAsPが用いら
れており、上記図7の構造は、材料毎のエッチング特性
が似ているために溝加工が容易という利点を活かして得
られるものである。
【0013】これに対して1μm以下の短い発振波長帯
の半導体レーザにおいては、通常構成される材料系がGa
As/AlGaAs/InGaP/InGaAsP/AlGaInPと多岐に渡って
おり、それらは互いにエッチング特性が異なるために、
上述のような溝加工は容易ではない。
【0014】そこで図8に示すように、特許第2746
131号公報には、1対の溝301、301を多重量子井戸活
性層309よりも上側にあるn型GaAs電流阻止層307までエ
ッチングして形成し、それによって寄生容量を低減する
手法が提案されている。なおこの図8において、311は
n型GaAs基板、310はn型AlGaInPクラッド層、309は多
重量子井戸活性層、308はp型第1AlGaInPクラッド層、
306はn型GaAsコンタクト層、305は絶縁膜、304はp型
電極、302はリッジストライプ、303はp型InGaP保護
層、312はn型電極である。
【0015】上述の手法であれば、エッチングする層が
2層であるために、エッチングが困難になることはな
い。しかしこの方法では、図6に示した等価回路モデル
で考えると、C4による寄生容量が低減されないため
に、寄生容量の低減効果が小さく、それが高速化を律速
していた。
【0016】本発明は上記の事情に鑑み、逆バイアスp
n接合を持つ電流狭窄部を備え、そして高周波特性が十
分に高い、1μm以下の波長帯でも発振可能な半導体レ
ーザ装置を提供することを目的とする。
【0017】また本発明は、波長変換されたレーザビー
ムを高速変調することができる短波長レーザ光源を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体レー
ザ装置は、基板上に積層された活性層と、この活性層の
所定のストライプ状領域のみに電流注入するための開口
を有して該活性層の上に形成された電流阻止層を含む、
p型およびn型の多層膜からなる電流狭窄部とを備えて
なる半導体レーザ装置において、前記電流阻止層の上側
に位置する半導体層表面から前記電流阻止層を貫通して
少なくとも前記活性層まで到達し、かつ前記開口を挟ん
で前記ストライプ状領域に沿って延びる1対の溝が形成
され、前記電流阻止層の上側に位置する半導体層表面
に、少なくとも前記開口の上方位置に当たる部分を除い
て絶縁膜が形成され、この絶縁膜の上に電極が形成され
ていることを特徴とするものである。
【0019】なお前記1対の溝の間隔は、100μm以下
であることが望ましい。
【0020】また絶縁膜の上に形成される前記電極は、
ほぼワイヤがボンディングされる部分のみが側外方に突
出した形状であることが望ましい。
【0021】また本発明の半導体レーザ装置の好ましい
実施の形態は、基板がGaAs基板であり、活性層がInGaAs
量子井戸活性層であって、発振波長が0.9μm〜1.2μm
の範囲にあるものとされる。
【0022】また本発明の半導体レーザ装置の別の好ま
しい実施の形態は、基板がGaAs基板であり、活性層がIn
GaPあるいはAlGaInPからなる例えば量子井戸活性層で、
発振波長が一例として0.63μm〜0.68μmの範囲にある
ものとされる。
【0023】一方、本発明による短波長レーザ光源は、
上述した本発明による半導体レーザ装置と、この半導体
レーザ装置から発せられたレーザビームを第2高調波に
変換する光波長変換素子とから構成されたことを特徴と
するものである。
【0024】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ装置においては、
電流阻止層の上側に位置する半導体層表面から電流阻止
層を貫通して少なくとも活性層まで到達し、かつ電流阻
止層の開口を挟んで前記ストライプ状領域に沿って延び
る1対の溝が形成されたことにより、前述のように電流
阻止層の上下界面に生じる寄生容量を低減可能となる。
すなわち、これらの溝の外側部分は内側部分から電気的
に隔絶され、溝の内側部分において電流阻止層の界面に
形成されるpn接合面が小さくなるので、寄生容量を低
減できるようになる。
【0025】その上本発明の半導体レーザ装置において
は、電流阻止層の上側に位置する半導体層表面に、少な
くとも前記開口の上方位置に当たる部分を除いて絶縁膜
が形成され、この絶縁膜の上に電極が形成されているの
で、絶縁膜を除く部分をできるだけ狭くすることによ
り、寄生容量を生じるpn接合面の面積を可及的に狭く
し、それによって寄生容量をさらに低減可能となる。
【0026】なお上記1対の溝の間隔が100μm以下と
されている場合には、寄生容量を低減する効果が特に顕
著に得られる。その詳しい理由は、後に実施の形態に沿
って詳しく説明する。
【0027】また絶縁膜の上に形成される前記電極が、
ほぼワイヤがボンディングされる部分のみが側外方に突
出した形状とされている場合は、この電極を小面積化す
ることにより、さらに寄生容量を低減できる。
【0028】以上の通り本発明の半導体レーザ装置にお
いては、逆バイアスpn接合を作るための電流阻止層に
起因して発生する寄生容量を顕著に低減できるので、高
周波特性を大幅に向上させることができる。
【0029】一方、本発明による短波長レーザ光源は、
上述のように高周波特性が大幅に向上した本発明の半導
体レーザ装置が基本波光源として用いられているので、
高速変調された短波長の第2高調波を得ることができ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0031】図1および図2はそれぞれ、本発明の一実
施の形態による半導体レーザ装置1の立断面形状、平面
形状を示すものである。図示されるようにこの第1の実
施の形態の半導体レーザ装置1は、n型GaAs基板10と、
その上に順次積層されたn型InGaP下部クラッド層11
と、i-InGaAsP障壁層、i-InGaAs量子井戸活性層およびi
-InGaAsP障壁層からなる多層半導体部(活性層)12と、
p型InGaP上部第1クラッド層13と、p型AlGaAs上部第
2クラッド層23と、p型AlGaAs上部第3クラッド層24
と、p型GaAsコンタクト層14とを有している。
【0032】また上記p型AlGaAs上部第2クラッド層23
の左右両側にはそれぞれn型InGaP電流阻止層31が形成
され、このn型InGaP電流阻止層31および上記p型InGaP
上部第1クラッド層13によって電流狭窄部が構成されて
いる。すなわち、n型InGaP電流阻止層31はp型AlGaAs
上部第2クラッド層23の部分が開口した形となってお
り、この開口の両側のn型InGaP電流阻止層31およびp
型InGaP上部第1クラッド層13が構成するpn接合部に
おいて、後述の逆バイアス状態が作られる。
【0033】そして、p型GaAsコンタクト層14、p型Al
GaAs上部第3クラッド層24、n型InGaP電流阻止層31、
p型InGaP上部第1クラッド層13、活性層12およびn型I
nGaP下部クラッド層11を貫通する2本の開放溝51、51が
形成されている。これらの開放溝51、51は、n型InGaP
電流阻止層31の開口を挟んで、電流注入されるストライ
プ状領域に沿って延びるように形成され、n型GaAs基板
10の上表面まで達する深さとされている。本例におい
て、これらの開放溝51、51の間の距離は30μmとされて
いる。
【0034】上記開放溝51、51は、電流狭窄部の逆バイ
アスpn接合部及び活性層部における高周波重畳時の電
流の広がりを抑えるために形成されたものである。これ
らの開放溝51、51は、例えばBr−メタノール(1%)
エッチング液を用い、時間を制御することにより活性層
12を突き抜けるまでエッチングして形成される。上記エ
ッチング液は、GaAs/InGaAsP/InGaP等から構成される
半導体多層構造に対しエッチング特性の材料依存性が小
さいため、表面に凹凸のない滑らかな開放溝51、51溝を
形成可能である。
【0035】また、上記p型GaAsコンタクト層14の上
面、並びに上記開放溝51、51の表面部分を覆う、例えば
SiOやSi等からなる誘電体絶縁膜15が設け
られている。この誘電体絶縁膜15は、p型GaAsコンタク
ト層14の上面部分では、レーザ光が導波する方向(図2
の上下方向)に沿って矩形の電極コンタクト孔を有する
ものとされている。そしてこの電極コンタクト孔から露
出したp型GaAsコンタクト層14に接するp型電極16が形
成されるとともに、n型GaAs基板10の下面にはn型電極
17が形成されている。
【0036】なお本実施の形態における共振器長は900
μmであるが、一般には500μm以上2000μm以下の範
囲で、要求される光出力や用途に応じて共振器長を変え
ることができる。
【0037】以下、本実施の形態の半導体レーザ装置1
の動作を説明する。n型電極17とp型電極16との間に順
方向のバイアス電圧をかけると、p型InGaP上部第1ク
ラッド層13から活性層12を抜けてn型InGaP下部クラッ
ド層11へと順方向電流が通過しようとする。しかしこの
とき、電流狭窄部のn型InGaP電流阻止層31とp型InGaP
上部第1クラッド層13とのpn接合部は逆バイアス状態
となるため、駆動電流はn型InGaP電流阻止層31の開口
部分の直下のストライプ状の活性領域にのみ集中して流
れ、低電流での動作が可能となる。
【0038】またこのとき、駆動電流に高周波信号を重
畳すると、従来の半導体レーザでは電流阻止層が形成す
るpn接合部が大きな寄生容量となってそこを高周波成
分が通過してしまうことから、活性領域のみに有効に電
流を流すのが困難になっていたのに対して、本実施の形
態の半導体レーザ装置1では上記寄生容量を著しく低減
可能となっている。以下、その点について詳しく説明す
る。
【0039】まずこの半導体レーザ装置1においては、
前述のようにp型GaAsコンタクト層14、p型AlGaAs上部
第3クラッド層24、n型InGaP電流阻止層31、p型InGaP
上部第1クラッド層13、活性層12およびn型InGaP下部
クラッド層11を貫通する2本の開放溝51、51が形成され
ているので、これらの開放溝51、51の外側部分は内側部
分から電気的に隔絶され、開放溝51、51の内側部分にお
いてn型InGaP電流阻止層31とp型AlGaAs上部第3クラ
ッド層24とで形成されるpn接合面が小さくなるので、
寄生容量を低減できるようになる。
【0040】その上、p型GaAsコンタクト層14には、誘
電体絶縁膜15の小さな電極コンタクト孔からp型電極16
が接触するようになっているので、このp型電極16の実
際に電流注入に関わる面積を小さくし、ひいては寄生容
量を生じるpn接合面の面積を可及的に狭くし、それに
よって寄生容量をさらに低減可能となる。
【0041】以上の通りこの半導体レーザ装置1におい
ては、逆バイアスpn接合を作るためのn型InGaP電流
阻止層31に起因して発生する寄生容量を顕著に低減でき
るので、高周波特性を大幅に向上させることができる。
【0042】なお本実施の形態では特にp型電極16に、
開放溝51、51より外側に部分的に突出したパッド部16a
が形成され、これらのパッド部16aが外部結線用電極
(ワイヤボンディング用電極パッド)として用いられ
る。これにより、開放溝51、51の内側のp型電極16の幅
が、可能な限り狭小化されている。
【0043】ただし、開放溝51、51の外側部分でp型電
極16の面積を広く取り過ぎると、p型電極16と誘電体絶
縁膜15とp型GaAsコンタクト層14とでコンデンサが形成
され、寄生容量が発生する。特にこのコンデンサは、p
型電極16と電気的には並列に存在するため、p型電極16
とp型GaAsコンタクト層14との界面に生ずるオーミック
抵抗が大きい場合には、無視できない寄生容量が発生す
る。そこで本実施の形態においては、図2に示すように
p型電極16を、開放溝51、51より外側ではほぼパッド部
16aのみが存在する形状にして小面積化を図り、寄生容
量の低減を実現している。
【0044】図3は、上記実施の形態の構成において、
2本の開放溝51、51の間の間隔を種々に変えた場合の、
半導体レーザ装置の遮断周波数特性を示したものであ
る。ここに示される通り、リッジ構造の幅を狭くするに
従って遮断周波数は大きくなり、特に溝51、51の間隔が
100μm以下であれば遮断周波数は急激に高くなるの
で、より高い周波数成分も良好に遮断できるようにな
る。具体的には、溝間隔を100μmとすれば、約1GH
zの帯域を得ることも可能になっている。
【0045】また図4は、この半導体レーザ装置1の遮
断周波数特性を示すものである。ここに示される通り、
開放溝51、51の間隔を30μmにし、かつp型電極16に上
述の形状を採用したことにより、応答が0(ゼロ)dB
を下回るのはほぼ10GHz以上という良好な高周波特性
が得られている。
【0046】次に、上記半導体レーザ装置1を用いて構
成された短波長レーザ光源について、その側面形状を示
す図5を参照して説明する。この短波長レーザ光源は半
導体レーザ装置1と、該半導体レーザ装置1から発せら
れたレーザビームを第2高調波5に変換する光波長変換
素子70と、半導体レーザ装置1の発振波長を選択してロ
ックする波長ロック光学系80とから構成されたものであ
る。
【0047】光波長変換素子70は、非線形光学効果を有
する強誘電体である例えばLiNbOにMgOがドープされた
もの(MgO−LiNbO)の結晶からなる基板71に、その自
発分極を周期的に反転させてなる周期分極反転構造72が
形成され、そしてこの周期分極反転構造72に沿ってチャ
ンネル光導波路73が設けられてなるものである。半導体
レーザ装置1はこの光波長変換素子70のチャンネル光導
波路73に直接結合され、そこから発せられたレーザビー
ムはこのチャンネル光導波路73に入射して導波する際
に、周期分極反転構造72によって位相整合(いわゆる疑
似位相整合)が取られつつ、波長が1/2の第2高調波
5に変換される。
【0048】一方波長ロック光学系80は、半導体レーザ
装置1の後方端面から発散光状態で出射するレーザビー
ム(後方出射光)4を平行光化するコリメーターレンズ
81と、平行光となったレーザビーム4を収束させる集光
レンズ82と、これらのレンズ81および82の間に配置され
た狭帯域バンドパスフィルタからなる波長選択フィルタ
83と、レーザビーム4の収束位置に配された反射鏡84と
から構成されている。
【0049】レーザビーム4は上記反射鏡84で反射して
半導体レーザ装置1にフィードバックされるが、そのと
き波長選択フィルタ83によって該レーザビーム4の波長
が選択され、半導体レーザ装置1の発振波長がこの選択
された波長にロックされる。なお波長選択フィルタ83に
よる選択波長は、この波長選択フィルタ83を図中の矢印
R方向に回転させることによって調整可能である。
【0050】この短波長レーザ光源において、半導体レ
ーザ装置1として発振波長が1060nmで光出力が100m
Wのものを用い、該半導体レーザ装置1と光波長変換素
子70との直接結合効率が80%のとき、波長530nmの緑
色の第2高調波5の出力は約10mWであった。
【0051】そしてその際、半導体レーザ装置1の駆動
電流に350MHzの高周波を重畳して駆動したところ、
効率良く高周波重畳がなされ、光波長変換素子70から出
力および波長が安定した第2高調波5を取り出すことが
できた。具体的に、高周波重畳無しの場合は30%程度の
出力変動が認められたのに対し、高周波重畳した場合の
出力変動は1%以下にまで抑えられた。
【0052】次に、本発明のさらに別の実施の形態によ
る半導体レーザ装置について、その立断面図形状、平面
形状を各々示す図9および10を参照して説明する。図
9に示される通りこの半導体レーザ装置330は、n型GaA
s基板311と、その上に順次積層されたn型AlGaInP下部
クラッド層310と、i-AlGaInP障壁層、i-InGaP量子井戸
活性層およびi-AlGaInP障壁層からなる多層半導体部
(活性層)309と、p型AlGaInP上部クラッド層308と、
p型InGaP保護層303とを有している。
【0053】また、発光領域となるストライプ状のリッ
ジを形成するために、p型AlGaInP上部クラッド層308の
一部がエッチングにより除去され、そのエッチング除去
された領域にn型GaAs電流阻止層307が形成され、その
上にp型GaAsコンタクト層306が形成されている。ここ
で、上記n型GaAs電流阻止層307とp型AlGaInP上部クラ
ッド層308とが構成するpn接合部において、逆バイア
ス状態が作られる。
【0054】そして、少なくともp型GaAsコンタクト層
306、n型GaAs電流阻止層307、p型AlGaInP上部クラッ
ド層308および活性層309を貫通する2本の開放溝351、3
51が形成されている。これらの開放溝351、351は、n型
GaAs電流阻止層307の開口を挟んで、電流注入されるス
トライプ状領域に沿って延びるように形成され、n型Al
GaInP下部クラッド層310の中まで達する深さとされてい
る。本例において、これらの開放溝351、351の間の距離
は10μmとされている。
【0055】上記開放溝351、351は、電流狭窄部となる
上記pn接合部および活性層部における高周波重畳時の
電流の広がりを抑えるために形成されたものである。こ
れらの開放溝351、351は、例えばBr−メタノール(1
%)エッチング液を用い、時間を制御することにより活
性層309を突き抜けるまでエッチングして形成される。
上記エッチング液は、GaAs/AlGaInP/InGaP等から構成
される半導体多層構造に対しエッチング特性の材料依存
性が小さいため、表面に凹凸のない滑らかな開放溝35
1、351溝を形成可能である。
【0056】また、上記p型GaAsコンタクト層306の上
面、並びに上記開放溝351、351の表面部分を覆う、例え
ばSiOやSi等からなる誘電体絶縁膜305が
設けられている。この誘電体絶縁膜305は、p型GaAsコ
ンタクト層306の上面部分では、レーザ光が導波する方
向(図10の上下方向)に沿って矩形の電極コンタクト
孔を有するものとされている。そしてこの電極コンタク
ト孔から露出したp型GaAsコンタクト層306に接するp
型電極304が形成されるとともに、n型GaAs基板311の下
面にはn型電極312が形成されている。
【0057】なお図10の平面図に示される通り、本実
施の形態では特にp型電極304に、一方の開放溝351より
外側に部分的に突出したパッド部304aが形成され、こ
のパッド部304aが外部結線用電極(ワイヤボンディン
グ用電極パッド)として用いられる。これにより、開放
溝351の外側のp型電極16の幅が、可能な限り狭小化さ
れている。本例では、このパッド部304aは一辺が30μ
mの矩形とされている。
【0058】本実施の形態による半導体レーザ装置330
は発振波長が650nmで、最大30mWの光出力が得られ
ている。
【0059】なお本実施の形態では共振器長を300μm
としているが、一般には250μm以上2000μm以下の範
囲で、要求される光出力や用途に応じて共振器長を変え
ることができる。
【0060】本実施の形態の半導体レーザ装置330にお
いても、先に説明した半導体レーザ装置1におけるのと
同様の理由により、逆バイアスpn接合を作るためのn
型GaAs電流阻止層307に起因して発生する寄生容量を顕
著に低減できるので、高周波特性を大幅に向上させるこ
とができる。具体的にこの半導体レーザ装置330の遮断
周波数特性を評価したところ、応答が0(ゼロ)dBを
下回るのはほぼ8GHz以上という良好な高帯域特性を
示した。
【0061】また、この半導体レーザ装置330を長さ100
mのプラスチックファイバと結合した構成において、伝
送特性を評価した。伝送速度を5Gb/sとしたときの
伝送前後のアイパターンを図11の(a)、(b)にそ
れぞれ示すが、伝送後も明瞭なアイが認められ、良好な
伝送特性が得られていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による半導体レーザ装置
を示す立断面図
【図2】図1の半導体レーザ装置の平面図
【図3】図1の半導体レーザ装置における開放溝の間隔
と遮断周波数特性の関係を示すグラフ
【図4】図1の半導体レーザ装置の周波数特性を示すグ
ラフ
【図5】図1の半導体レーザ装置を用いた短波長レーザ
光源を示す側面図
【図6】従来の半導体レーザ装置の一例を、半導体層が
構成する等価回路と併せて示す立断面図
【図7】従来の半導体レーザ装置の別の例を示す立断面
【図8】従来の半導体レーザ装置のさらに別の例を示す
立断面図
【図9】本発明の別の実施の形態による半導体レーザ装
置を示す立断面図
【図10】図9の半導体レーザ装置の平面図
【図11】図9の半導体レーザ装置をプラスチックファ
イバと結合した構成の伝送特性を示すグラフ
【符号の説明】
1 半導体レーザ装置 10 n型GaAs基板 11 n型InGaP下部クラッド層 12 多層半導体部(活性層) 13 p型InGaP上部第1クラッド層 14 p型GaAsコンタクト層 15 誘電体絶縁膜 16 p型電極 16a p型電極のパッド部 17 n型電極 23 p型AlGaAs上部第2クラッド層 24 p型AlGaAs上部第3クラッド層 31 n型InGaP電流阻止層 51 開放溝 70 光波長変換素子 80 波長ロック光学系 303 p型InGaP保護層 304 p型電極 304a p型電極のパッド部 305 誘電体絶縁膜 306 p型GaAsコンタクト層 307 n型GaAs電流阻止層 308 p型AlGaInP上部クラッド層 330 半導体レーザ装置 309 多層半導体部(活性層) 310 n型AlGaInP下部クラッド層 311 n型GaAs基板 312 n型電極 330 半導体レーザ装置 351 開放溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K002 AA05 AB12 BA01 CA03 DA06 FA27 GA04 HA20 5F072 JJ20 QQ02 RR03 SS06 YY16 5F073 AA07 AA13 AA20 AA61 AA67 AA73 AA89 AB23 AB25 AB27 AB29 BA06 CA06 CA07 CA14 CB02 DA23 EA03 EA07 EA14 EA23 EA27 EA29 FA27 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に積層された活性層と、 この活性層の所定のストライプ状領域のみに電流注入す
    るための開口を有して該活性層の上に形成された電流阻
    止層を含む、p型およびn型の多層膜からなる電流狭窄
    部とを備えてなる半導体レーザ装置において、 前記電流阻止層の上側に位置する半導体層表面から前記
    電流阻止層を貫通して少なくとも前記活性層まで到達
    し、かつ前記開口を挟んで前記ストライプ状領域に沿っ
    て延びる1対の溝が形成され、 前記電流阻止層の上側に位置する半導体層表面に、少な
    くとも前記開口の上方位置に当たる部分を除いて絶縁膜
    が形成され、この絶縁膜の上に電極が形成されているこ
    とを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記1対の溝の間隔が100μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記電極が、ほぼワイヤがボンディング
    される部分のみが側外方に突出した形状とされているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記基板がGaAs基板であり、前記活性層
    がInGaAs量子井戸活性層であって、発振波長が0.9μm
    〜1.2μmの範囲にあることを特徴とする請求項1から
    3いずれか1項記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記基板がGaAs基板であり、前記活性層
    がInGaPあるいはAlGaInPからなるものであることを特徴
    とする請求項1から3いずれか1項記載の半導体レーザ
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5いずれか1項記載の半導
    体レーザ装置と、 この半導体レーザ装置から発せられたレーザビームを第
    2高調波に変換する光波長変換素子とからなる短波長レ
    ーザ光源。
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