JP3797735B2 - 光集積回路およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変調機集積半導体レーザに関し、特に、幹線系光通信網に使用される変調器集積半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
幹線系光通信網において、2.5ギガビット/秒以上の広帯域デジタル伝送用光源として、光吸収型変調器(以下「EAM」という)と半導体レーザ(以下「LD」という)を1チップに集積した変調器集積半導体レーザ(以下「EAM−LD」という)が用いられている。
図12は、従来構造にかかるEAM−LDを光導波路に沿った対称面で縦方向に切った場合の断面斜視図であり、図中、1はn−InP基板、2はn−InPクラッド層、3aはInGaAsP活性層、3b、3cはInGaAsP光閉込層、4はInGaAsP回折格子層、5はp−InPクラッド層、6はp−InGaAsPコンタクト層、7はEAMアノード電極、8はLDアノード電極、9はn−InP埋込層、10はFe−InP埋込層を示す。EAMアノード電極7とLDアノード電極8は、p−InGaAsPコンタクト層6およびp−InPクラッド層5を部分的にエッチング除去したアイソレーションメサ12により電気的に分離されている。
また、図13(a)は、従来構造のEAM−LDの垂直断面図、(b)は、InGaAsP活性層3部分における水平断面図であり、11はSiO絶縁膜、3aはInGaAsP活性層、3bおよび3cはInGaAsP光閉込層である。
図13(b)に示すように、InGaAsP活性層3aおよびInGaAsP光閉込層3b、3cは、Fe−InP埋込層10に挟まれ、LD部(図13(a)(b)の右部分)とEAM部(図13(a)(b)の左部分)を結ぶ光導波路を形成する。
図12、13においては、EAMのPN接合への印加電圧がOVのときは、LDからの光がEAMで吸収されず透過し、EAMのPN接合に1〜3Vの逆バイアス電圧を印加すると、量子閉じ込めシュタルク効果またはフランツ・ケルディシュ効果によりLDからの光はEAMで吸収される。このようにして、EAMへの印加電圧の大小によりLDの光を強度変調することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記EAM−LDでは、p−InPクラッド層5をエッチングしてアイソレーションメサ12を形成しているが、アイソレーションメサ12底部にp−InPクラッド層5が残されているため、EAM部とLD部のアノード電極の分離抵抗は2KΩ程度となっている。
分離抵抗が2KΩの場合、EAMへの変調電圧を0〜2Vと仮定すると、変調電圧の変化(2V)が分離抵抗2KΩのアイソレーションメサ部12のp−InPクラッド層を通って、LDの電流を1mA程度変動させることとなる。かかる電流変化により、LDの発振波長は約0.1Å変動することとなり、伝送速度が2.5ギガビット/秒以上の高速長距離光通信において、光波形のなまりなどの伝送品質の劣化となる。
従って、かかる伝送品質の劣化を防止するためには、アイソレーションメサ部12の分離抵抗を十分高くすることが必要であり、p−InPクラッド層5のエッチング量を多くし、残し膜厚を薄くすることが必要となる。
【0004】
しかし、InGaAsP活性層3を伝搬する光の一部は、p−InPクラッド層5にしみ出して伝搬するため、その部分がエッチングにより除去されてしまうと伝搬損失および光の反射・散乱を生じ、これが伝送特性およびLDの発振動作の安定性にとって障害となる。
図14は、従来のアイソレーションメサ部12の構成において、p−InPクラッド層5への光のしみ出しを計算した例であり、InGaAsP活性層をウェル層膜厚9.8nm、バリア層膜厚7.0nmの8層多重量子囲戸(MQW)構造として計算したものである。
図14より、光の伝搬を妨げないp−InPクラッド層5の残し膜厚は最小1.2μmで、これ以上p−InPクラッド層5をエッチングできないため、光の伝搬特性に影響を与えずにアイソレーションメサ部12の分離抵抗をさらに高くすることは困難であった。
そこで、本発明は、LD−EAM間の光伝搬特性に影響を与えることなく、LD−EAM間のアイソレーションメサ部の分離抵抗を高くした変調器集積半導体レーザ(EAM−LD)を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者らは鋭意研究の結果、上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の実効屈折率を高くすることにより、LD−EAM間の光伝搬特性に影響を与えることなく、アイソレーションメサを深く形成し、分離抵抗を高くできることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、半導体基板上に形成された第1クラッド層と、上記第1のクラッド層上に形成された光導波路と、上記光導波路上に形成された導電性の第2クラッド層と、上記第2クラッド層中の上記光導波路からの光のしみ出し領域に達しないように、上記光導波路上の上記第2クラッド層をエッチングして設けたアイソレーションメサ部とを少なくとも備えた光集積回路において、上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の実効屈折率が、アイソレーションメサ部下部以外の光導波路の実効屈折率より大きくなるように形成されることを特徴とする光集積回路である。
このように、上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の実効屈折率が、アイソレーションメサ部下部以外の光導波路の実効屈折率より大きくなるように形成することにより、アイソレーションメサ部下部の光導波路の閉じ込め効率を向上させ、光導波路上に形成される第2クラッド層への光のしみ出しを減少させることができる。
従って、かかる第2クラッド層にしみ出した光に影響を与えることなく導電性の上記第2クラッド層を従来より深くエッチングしてアイソレーションメサを形成することが可能となり、光導波路の光伝搬特性に影響を与えることなく分離抵抗を高くすることが可能となる。
【0007】
ここで、光導波路とは、第1光閉込層、活性層、第2光閉込層を線状にエッチングして形成した導波路をいう。
【0008】
更に、本発明は、上記光導波路にレーザ光を供給する半導体レーザ部を備えた上記光集積回路において、上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の層厚が、上記半導体レーザ部の光導波路の層厚より厚く形成されることを特徴とする光集積回路である。
このように、所定の位置の光導波路の層厚を厚くすることにより、かかる部分での光導波路の実効屈折率を向上させることが可能となる。
【0009】
更に、本発明は、上記光導波路にレーザ光を供給する半導体レーザ部を備えた上記光集積回路において、上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の幅が、上記半導体レーザ部の光導波路の幅より広く形成されることを特徴とする光集積回路でもある。
このように、所定の位置の光導波路の幅を広く形成することにより、かかる部分での光導波路の実効屈折率を向上させることが可能となる。
【0010】
上記アイソレーションメサ部下部の光導波路のバンドギャップエネルギは、上記レーザ部の光導波路のバンドギャップエネルギと同等もしくはより大きいことが好ましい。
このように、アイソレーションメサ部下部の光導波路バンドギャップエネルギを、上記レーザ部の光導波路のバンドギャップエネルギと同等もしくはより大きく形成することにより、アイソレーションメサ部下部の光導波路での光の吸収を減少させ、かかる部分における伝送損失を低減することが可能となる。
【0011】
上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の両側の各光導波路は、それぞれ等しい層厚および等しい幅を有することが好ましい。
かかる構造にすることにより、光導波路中を単一モードで光を伝搬させることが可能となるからである。
【0012】
また、本発明は、半導体基板上に第1クラッド層を形成する工程と、上記第1クラッド層上に、所定の部分を挟む部分のマスク幅がそれぞれ広くなった選択成長用マスクを形成する工程と、上記選択成長マスクに挟まれた領域に、上記所定の部分の各層厚が厚くなるように第1光閉込層、活性層、第2光閉込層を順次選択成長法により積層形成する工程と、上記第2の光閉込層上に第2クラッド層を形成する工程と、上記第1光閉込層、上記活性層、上記第2光閉込層および上記第2クラッド層をエッチングして上記選択成長用マスクに沿った方向に光導波路を形成する工程と、上記光導波路および上記第2クラッド層を挟むように埋込層をそれぞれ形成する工程と、上記第2クラッド層中の上記光導波路からの光のしみ出し領域に達しないように、上記光導波路の上記所定の部分上の上記第2クラッド層をエッチングしてアイソレーションメサ部を形成する工程とを少なくとも含む光集積回路の製造方法でもある。
【0013】
更に、本発明は、上記第2光閉込層と上記第2クラッド層の間の所定の領域に回折格子層を形成する工程と、上記第2クラッド層および上記埋込層上の所定の領域にアノード電極を、上記半導体基板の裏面にカソード電極をそれぞれ形成する工程とを少なくとも含む半導体レーザの製造工程を備えることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に本発明の実施の形態1にかかるEAM−LDの断面図を示す。図中、図12、13と同一符号は同一または相当箇所を示す。本実施の形態では、アイソレーションメサ部12のInGaAsP活性層3a、光閉込層3b、3cの層厚が、LD部の上記各層の層厚よりも厚くなるように構成されている。
図2は、上記アイソレーションメサ部12のInGaAsP活性層3a、光閉込層3b、3cの層厚それぞれ従来構造の3倍(InGaAsP活性層:21.0nm、InGaAsP光閉込層:29.4nm)に設計した場合の光のp−InPクラッド層5へのしみ出し量を計算した例である。
図2から明らかなように、p−InPクラッド層への光のしみ出しは0.8μmとなり、従来構造におけるしみ出し距離1.2μmより小さくなっていることがわかる。
【0015】
これは、光導波路の光閉込め効果は、光導波路の実効屈折率が高いほど大きくなるが、本実施の形態のように、アイソレーションメサ12部の光導波路の層厚を他の部分より厚くすることにより、かかる部分での実効屈折率が大きくなるためである。
尚、本実施の形態では、図3に示すように、InGaAsP活性層3aをバルク活性層を用いて形成した構造について説明したが、InGaAsP活性層3aは、図4に示すように、i−InGaAsウエル層/i−InGaAsPバリア層からなる多重量子井戸から形成される構造であっても構わない。
【0016】
従って、本実施の形態では、アイソレーションメサ部12のp−InPクラッド層5の残し膜厚を、従来構造の1.2μmから0.8μmまで薄くすることが可能となる。即ち、p−InPクラッド層5の残し膜厚を従来構造の67%に薄くできることが可能となり、アイソレーションメサ部12の分離抵抗はp−InPクラッド層5の残し膜厚に反比例して増大するため、分離抵抗を1.5倍に高くすることが可能となる。
尚、図1に示すように、LD部でのInGaAsP活性層3a、光閉込層3b、3cの層厚がアイソレーションメサ部12に近づくにつれて徐々に厚くなるテーパ状の領域を設けて各層厚を厚くするのが、伝搬光のモード変換損失を低減できる点で好ましい。
【0017】
次に、図5、6に、本実施の形態1にかかるEAM−LDの製造工程図を示す。まず、図5(a)に示すように、n−InP基板1上に、n−InPクラッド層2、InGaAsP閉込層3b、InGaAsP活性層3a、InGaAsP閉込層3c、InGaAsP回折格子層4を順次MOCVD法などを用いて積層形成する。
かかる工程では、図5(a)右図に上面図を示すようなアイソレーションメサ部の幅が他の部分の幅より広くなった選択成長マスク18(例えばSiO2マスク)を用いたMOCVD法でInGaAsP閉込層3b、InGaAsP活性層3a、InGaAsP閉込層3cの結晶成長を行うことにより、幅の広いマスクで挟まれたアイソレーション部での層厚をLD部の層厚より厚くなるように成長することが可能であり、最大でLD部の層厚の約3倍にすることができる(図5中では、上記層厚の厚くなった部分は示していないが、例えば図1の断面図に示すように、アイソレーションメサ部下部のみ層厚が厚くなった構造となる。)
続いて、図5(b)に示すように、干渉露光法およびエッチングにより回折格子を形成した後、図5(c)に示すように、MOCVD法などによりp−InPクラッド層5を形成する。
次に、図5(d)に示すように、n−InPクラッド層2、InGaAsP閉込層3b、InGaAsP活性層3a、InGaAsP閉込層3c、InGaAsP回折格子層4、p−InPクラッド層5をエッチングすることにより、リッジ導波路を形成する。図5(d)右図は、左図のX−X’における断面図である(以下(e)(f)において同じ)。
次に、図5(e)に示すように、MOCVD法などにより、Fe−InP埋込層10、n−InP埋込層9を順次選択形成した後、図5(f)に示すように、MOCVD法などによりp−InGaAsPコンタクト層を形成する。
次に、図6(g)に示すように、アイソレーションメサ部12のp−InGaAsPコンタクト層を除去した後、図6(h)に示すように、アイソレーションメサ部12のp−InPクラッド層5の一部をエッチングにより除去し、LD部とEAM部を電気的に分離する。この場合、本実施の形態では、リッジ導波路の光閉込効果が高いため、p−InPクラッド層5のエッチング残し層厚を薄くでき、LD−EAM間を高抵抗に分離することが可能となる。
最後に、図6(i)に示すように、アイソレーションメサ部12のp−InPクラッド層5の一部をエッチングにより除去してSiO絶縁膜11を形成した後、EAMアノード電極7およびLDアノード電極8を形成し、更に、図6(j)に示すように、カソード電極(EAMとLDとで共通)13を形成してEAM−LDが完成する。
【0018】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2にかかるEAM−LDのInGaAsP活性層3aにおける水平断面図であり、図7の左側がEAM部、右側がLD部となっている。本実施の形態では、InGaAsP活性層3aおよびInGaAsP閉込層3b、3cは、アイソレーション部12の幅W1がLD部、EAM部の幅W2より広くなるリッジ型導波路となっており、他の部分は従来構造(図13)と同じである。
かかる構造では、光導波路3の実効屈折率が、光導波路3の幅が広くなったアイソレーションメサ部で、LD部、EAM部に比べて高くなるため、光導波路3を伝搬する光は、LD部、EAM部よりアイソレーションメサ部12において層厚方向においても閉じ込めが強くなる。
従って、p−InPクラッド層への光のしみ出し量はアイソレーションメサ部において小さくなり、p−InPクラッド層5の層厚を薄くしてアイソレーションメサ部12での分離抵抗を高くすることが可能となる。
【0019】
本実施の形態にかかる構造は、図5(a)において、InGaAsP閉込層3b、InGaAsP活性層3a、InGaAsP閉込層3cを均一な層厚に積層形成した後、図5(d)において、アイソレーション部12の幅W1がLD部、EAM部の幅W2より広くなったマスクを用いてInGaAsP閉込層3b、InGaAsP活性層3a、InGaAsP閉込層3cをエッチングし、光導波路を形成する以外は、上記実施の形態1と同様の製造工程を用いることが可能である。
【0020】
実施の形態3.
実施の形態1では、アイソレーションメサ部でのInGaAsP活性層3aおよび光閉込層3b、3cの層厚を厚くし、実施の形態2では、それらの幅を広くしたが、本実施の形態3は、層厚を厚くするとともに幅も広くするものである。これにより、実施の形態1または2よりも更に光導波路3の実効屈折率が高くなり、光の閉込め効果が高くなり、光のしみ出し量を低減することが可能となる。
従って、本実施の形態では、p−InPクラッド層5の残し膜厚をさらに薄くすることができ、より高い分離抵抗を得ることが可能となる。
【0021】
本実施の形態にかかる構造は、図5(d)において、アイソレーション部12の幅W1がLD部、EAM部の幅W2より広くなったマスクを用いてInGaAsP閉込層3b、InGaAsP活性層3a、InGaAsP閉込層3cをエッチングし、光導波路を形成する以外は、上記実施の形態1と同様の製造工程を用いることが可能である。
【0022】
実施の形態4.
本実施の形態4は、実施の形態1に関し、アイソレーションメサ部12におけるInGaAsP活性層3aの光吸収を小さくすることを可能とするものである。
即ち、実施の形態1で述べたように、アイソレーションメサ部12のマスク幅が広くなったSiO2マスク18を用いてInGaAsPをMOCVD法で成長した場合、アイソレーションメサ部12のInGaAsP活性層の層厚が厚くなる一方、Inの原料ガスであるトリメチルインジウム等の気相中での拡散係数が、Gaの原料ガスであるトリメチルガリウム等の気相中での拡散係数に比較して大きいため、アイソレーションメサ部12のInGaAsP活性層中ではInが多く結晶中に取り込まれ、結晶中のIn組成が大きくなる。
この結果、InGaAsPのバンドギャップエネルギEgは大きくなる。
【0023】
従って、本実施の形態では、アイソレーションメサ部の光導波路3、即ちInGaAsP活性層3aおよび光閉込層3b、3c各層のバンドギャップEgが、LDの発振波長をλとした時に、
【数1】
Eg>hc/λ
但し、h:プランク定数
c:真空中の光速 (式1)
を満たすような組成となる。従って、アイソレーションメサ部12のInGaAsP活性層の光吸収を防止し、伝送損失を低減することが可能となる。
【0024】
図8は本実施の形態にかかるEAM−LDの製造工程図である。
まず、図8(a)に示すように、MOCVD法などを用いて、InP基板1上にn−InPクラッド層2、InGaAsP活性層3aおよび光閉込層3b、3cを形成する。
次に、図8(b)に示すように、アイソレーションメサ部12のInGaAsP活性層3a、光閉込層3b,3cを選択的にエッチング除去する。
次に、図8(c)に示すように、MOCVD法を用いて、実施の形態1と同様にアイソレーションメサ部中央でマスク幅が広くなるような選択成長マスクを用いて、アイソレーションメサ部のInGaAsP活性層3a、光閉込層3b、3cの形成を行う。
このとき、アイソレーションメサ部のInGaAsP活性層3aおよび光閉込層3b、3cのバンドギャップEgは、LDの発振波形をλとした時に、上記式1を満たすようなInGaAsP組成となるように結晶成長条件が制御される。続いて、図5(b)以下に示す工程と同様の製造工程により本実施の形態にかかるEAM−LDが完成する。
【0025】
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、本発明にかかるアイソレーションメサ部の構造をEAM−LDのアイソレーションに適用したが、本発明は、例えば、フォトディテクタとLDとを集積したモノリシック素子など、高い分離抵抗の必要な他の光導波路デバイス全般に適用することも可能である。
【0026】
図9は、半導体レーザ(LD)と半導体レーザ増幅器(SOA)を本発明にかかるアイソレーションメサ分12を用いて分離した構造の斜視図であり、図中、図12と同一符号は、同一または相当部分を示し、また13は半導体レーザ増幅器のアノード電極を示す。SOAは、LDと同じ組成のInGaAsP光導波路3を有し、SOAからの光の出射面にはアルミナ等の低反射膜が形成される。
SOAに電流を流さない場合、LDからアイソレーション部をへて、SOAに入射される光は、SOAの活性層内で吸収される(オフ状態)。
一方、SOAにpn接合に順電流となるような電流を注入した場合、LDからの光はSOA内で増幅され、大きな出力光をSOAの出射面から取り出すことが可能となる(オン状態)。
このように、SOAに流す電流を変えることでディジタル変調光を発生させることが可能となる。
【0027】
図10は、2つのSOAを本発明にかかるアイソレーションメサ部で分離した構造の斜視図であり、図中、図12と同一符号は、同一または相当部分を示し、また14はデータ信号生成用SOAアノード電極、15はクロック生成用SOAアノード電極である。2つのSOAの端面にはいずれもアルミナ等の低反射膜が形成されている。
クロック生成用SOAに、例えば622MHzのクロック信号を入力し、クロック生成用SOAの端面よりCWレーザ光を入力する。これにより、622MHzの光クロックパルスが発生し、アイソレーションメサ分をへてデータ信号生成用SOAに入力される。データ信号生成用SOAにディジタル符号で変調された電流を加えることで光クロック信号が変調されて符号化された変調光が出射される。
【0028】
図11は、2つのEAMを本発明にかかるアイソレーションメサ部で分離した構造の斜視図であり、図中、図12と同一符号は、同一または相当部分を示し、また16はデータ信号生成用EAMアノード電極、17はクロック生成用EAMアノード電極である。2つのEAMの端面にはいずれもアルミナ等の低反射膜が形成されている。
クロック生成用EAMに、例えば20GHzのクロック信号電圧をpn接合に対して逆バイアスになるように印加し、端面よりCWレーザ光を入射する。これにより20GHzの光クロック信号が得られ、アイソレーションメサ部を経て、データ信号生成用EAMに入力される。次に、データ信号生成用EAMにディジタル変調された電圧をpn接合に逆バイアスとなるように印加すると、クロック光が変調されて20ギガビット/秒の変調光信号が出射面から得られる。
尚、端面に形成されるアルミナ等の低反射膜は、アルミナの膜厚を、レーザ光の波長をλ、アルミナの屈折率をnとした場合、d=λ/4nとなるように構成することが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の実効屈折率が、アイソレーションメサ部下部以外の光導波路の実効屈折率より大きくなるように形成することにより、アイソレーションメサ部下部の光導波路の閉じ込め効率を向上させ、光導波路上に形成される第2クラッド層への光のしみ出しを減少させることができる。
従って、かかる第2クラッド層にしみ出した光に影響を与えることなく導電性の上記第2クラッド層を従来より深くエッチングしてアイソレーションメサを形成することが可能となり、光導波路の光伝搬特性に影響を与えることなく分離抵抗を高くすることが可能となる。
【0030】
かかる手段として、所定の位置の光導波路の層厚を厚くすることにより、かかる部分での光導波路の実効屈折率を向上させることが可能となり、光導波路の光伝搬特性に影響を与えることなく分離抵抗を高くすることが可能となる。
【0031】
また、所定の位置の光導波路の幅を広く形成することにより、かかる部分での光導波路の実効屈折率を向上させることが可能となり、光導波路の光伝搬特性に影響を与えることなく分離抵抗を高くすることが可能となる。
【0032】
また、アイソレーションメサ部下部の光導波路バンドギャップエネルギを、上記レーザ部の光導波路のバンドギャップエネルギと同等もしくはより大きく形成することにより、アイソレーションメサ部下部の光導波路での光の吸収を減少させ、かかる部分における伝送損失を低減することが可能となる。
【0033】
また、アイソレーションメサ部下部の光導波路の両側の各光導波路が、それぞれ等しい層厚および等しい幅を有することにより、光導波路中を単一モードで光を伝搬させることが可能となる。
【0034】
また、本発明にかかる選択成長法を利用した光集積回路の製造方法を用いることにより、容易にアイソレーションメサ部下部の光導波路の実効屈折率を、他の光導波路部分より高くした光集積回路を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるEAM−LD装置の垂直断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかるEAM−LD装置のアイソレーションメサ部のp−InPクラッド層への光のしみ出し量のシミュレーション結果である。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかるバルク活性層を用いて形成したEAM−LD装置のp−InGaAs活性層である。
【図4】 本発明の実施の形態1にかかるi−InGaAsウエル層/i−InGaAsPバリア層からなる多重量子井戸を用いて形成したEAM−LD装置の活性層である。
【図5】 本発明の実施の形態1にかかるEAM−LD装置の製造工程図である。
【図6】 本発明の実施の形態1にかかるEAM−LD装置の製造工程図である。
【図7】 本発明の実施の形態2にかかるEAM−LD装置の水平断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態4にかかるEAM−LD装置の製造工程図である。
【図9】 本発明の実施の形態5にかかるアイソレーションメサで分離された半導体レーザと半導体レーザ増幅器の断面斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態5にかかるアイソレーションメサで分離された半導体レーザ増幅器と半導体レーザ増幅器の断面斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態5にかかるアイソレーションメサで分離されたEAMとEAMの断面斜視図である。
【図12】 従来構造のEAM−LD装置の断面斜視図である。
【図13】 (a) 従来構造のEAM−LD装置の垂直断面図である。
(b) 従来構造のEAM−LD装置の水平断面図である。
【図14】 従来構造のEAM−LD装置のアイソレーションメサ部のp−InPクラッド層への光のしみ出し量のシミュレーション結果である。
【符号の説明】
1 n−InP基板、2 n−InPクラッド層、3a InGaAsP活性層、3b、3c InGaAsP光閉込層、4 InGaAsP回折格子層、5p−InPクラッド層、6 p−InGaAsPコンタクト層、7 EAMアノード電極、8 LDアノード電極、9 n−InP埋込層、10 Fe−InP埋込層、11 SiO2絶縁膜、12 アイソレーションメサ部。

Claims (7)

  1. 半導体基板上に形成された第1クラッド層と、
    上記第1のクラッド層上に形成された光導波路と、
    上記光導波路上に形成された導電性の第2クラッド層と、
    上記第2クラッド層中の上記光導波路からの光のしみ出し領域に達しないように、上記光導波路上の上記第2クラッド層をエッチングして設けたアイソレーションメサ部とを少なくとも備えた光集積回路において、
    上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の実効屈折率が、アイソレーションメサ部下部以外の光導波路の実効屈折率より大きくなるように形成されることを特徴とする光集積回路。
  2. 更に、上記光導波路にレーザ光を供給する半導体レーザ部を備えた上記光集積回路において、
    上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の層厚が、上記半導体レーザ部の光導波路の層厚より厚く形成されることを特徴とする請求項1に記載の光集積回路。
  3. 更に、上記光導波路にレーザ光を供給する半導体レーザ部を備えた上記光集積回路において、
    上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の幅が、上記半導体レーザ部の光導波路の幅より広く形成されることを特徴とする請求項1に記載の光集積回路。
  4. 上記アイソレーションメサ部下部の光導波路のバンドギャップエネルギが、上記レーザ部の光導波路のバンドギャップエネルギと同等もしくはより大きいことを特徴とする請求項2または3に記載の光集積回路。
  5. 上記アイソレーションメサ部下部の光導波路の両側の各光導波路が、それぞれ等しい層厚および等しい幅を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光集積回路。
  6. 半導体基板上に第1クラッド層を形成する工程と、
    上記第1クラッド層上に、所定の部分を挟む部分のマスク幅がそれぞれ広くなった選択成長用マスクを形成する工程と、
    上記選択成長マスクに挟まれた領域に、上記所定の部分の各層厚が厚くなるように第1光閉込層、活性層、第2光閉込層を順次選択成長法により積層形成する工程と、
    上記第2の光閉込層上に第2クラッド層を形成する工程と、
    上記第1光閉込層、上記活性層、上記第2光閉込層および上記第2クラッド層をエッチングして上記選択成長用マスクに沿った方向に光導波路を形成する工程と、
    上記光導波路および上記第2クラッド層を挟むように埋込層をそれぞれ形成する工程と、
    上記第2クラッド層中の上記光導波路からの光のしみ出し領域に達しないように、上記光導波路の上記所定の部分上の上記第2クラッド層をエッチングしてアイソレーションメサ部を形成する工程とを少なくとも含む光集積回路の製造方法。
  7. 更に、上記第2光閉込層と上記第2クラッド層の間の所定の領域に回折格子層を形成する工程と、
    上記第2クラッド層および上記埋込層上の所定の領域にアノード電極を、上記半導体基板の裏面にカソード電極をそれぞれ形成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする請求項6に記載の光集積回路の製造方法。
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