JP3264179B2 - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光装置およびその製造方法

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JP3264179B2 JP18032596A JP18032596A JP3264179B2 JP 3264179 B2 JP3264179 B2 JP 3264179B2 JP 18032596 A JP18032596 A JP 18032596A JP 18032596 A JP18032596 A JP 18032596A JP 3264179 B2 JP3264179 B2 JP 3264179B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光装置お
よびその製造方法に関し、特に選択成長を用い容易に製
造できる装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年光通信、レーザプリンタ、光ディス
クなどの分野で半導体レーザの需要が高まり、GaAs
系、およびInP系を中心として活発に研究開発が進め
られてきた。光通信分野においては、特に波長が155
0nmのInP系半導体レーザの光による光通信が実用
化され、さらに超高速、かつ、大容量の光通信のための
研究開発が活発に行われている。
【0003】選択成長を用いた従来の半導体素子の製造
方法には、特開平6−260727号公報に示すものが
ある。この方法は、絶縁膜マスク間の開口領域の幅を変
えることにより、この開口領域に成長する多重量子井戸
層(MQW層)の膜厚を変化させ、開口領域の幅の差に
よりバンドギャップエネルギーに差をつけるというもの
である。また、開口領域の幅を一定にし、絶縁膜マスク
の幅が異なる領域でバンドギャップの異なるMQW層を
形成する方法が特開平8ー139417号公報に示され
ている。
【0004】このように選択成長を用いて光デバイスを
製造する研究が盛んにおこなわれているが、特に半導体
レーザをこの選択成長を用いて製造する方法が、IEEE P
HOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL8,NO2,pp179〜181,19
96に記載されている。この方法を図5を用いて説明す
る。p型InP基板501上のp型InPバッファ層5
02に、幅1.5ミクロンの開口部を有するSiO2マ
スク506を形成し、この開口部に第1のInGaAs
P光閉じ込め層503、圧縮歪みを有するInGaAs
P量子井戸層とInGaAsP障壁層とからなるMQW
層504、第2のInGaAsP光閉じ込め層505を
選択成長している。
【0005】次にバッファ層上のSiO2マスク506
を除去したあと、リッジ状光閉じ込め構造の上にさらに
SiO2507を形成し、このSiO2507を選択成
長のマスクにしてバッファ層上にpーInP508、n
−InP509、p−InP510の電流ブロック層を
成長させ、SiO2マスク507を除去したあと、n−
InPクラッド層511、n−InGaAsPキャップ
層512を成長させ、最後にn型電極513を形成す
る。
【0006】この方法では選択成長を使って半導体結晶
を成長させているものの、リッジ上にSiO2膜を形成
するときには、図6に示すような方法を用いている。す
なわち、リッジを含む全面にSiO2膜606を形成し
たあと、リッジ側面のSiO2膜をまず除去する。これ
は、側面のSiO2膜がその他の部分の膜よりも薄いか
らである。その後、リッジ上のSiO2膜607を覆う
ようにフォトレジスト620を形成して、バッファ層6
02上のSiO2膜606を除去している。
【0007】この方法では、選択成長を用いて半導体層
のエッチングなしでレーザの製造ができるものの、リッ
ジ上だけにSiO2膜607を残すために、SiO2膜
606の全面をエッチングすることで、リッジ側面のS
iO2膜だけを除去している。これでは、エッチングの
制御が難しい。というのも、エッチング時間をあやまれ
ば、リッジ上のSiO2膜やリッジの両側のSiO2ま
でエッチング除去されてしまうからである。よってこの
ような方法は、エッチング制御がむずかしく量産には適
さない。
【0008】また、リッジの両側のSiO2膜を除去す
るときにも、図6(c)に示すように、リッジを覆うよ
うにレジストマスク620を形成し、サイドエッチング
により、リッジ両側のSiO2膜を除去している。この
方法では、サイドエッチング時にSiO2膜が完全に除
去されずに残ってしまうことがある。これでは、このエ
ッチング後の半導体結晶の埋め込み成長時に絶縁膜上に
は結晶成長せず、埋め込み層が正確に形成できず、レー
ザ特性が悪くなる。
【0009】一方、活性層上に装荷層を形成したリッジ
導波路型レーザとしては、特開平8−116124号公
報に示されるものがある。このレーザは、リッジ部分の
幅を変調させ、リッジ幅の狭い方の端面からスポットの
広がったレーザを出射させ、ファイバと高効率に光結合
させるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記リ
ッジ導波路型レーザを製造する場合には、いったん、活
性層上にリッジとなる半導体層を成長したあと、この半
導体層上に選択的にマスクを形成し、ウエットエッチン
グにより半導体層を選択的に除去してストライプ型のリ
ッジ導波路を形成している。この形成方法では、リッジ
導波路をウエットエッチングにより形成しているため、
リッジ幅が均一にならなかったり、またウエハ面内でも
素子によってリッジ幅がばらつくために、レーザ特性も
ばらつきを生じる。
【0011】さらにリッジ側面をポリイミド樹脂で埋め
込んだあと、コンタクト電極を形成するため、SiO2
絶縁膜の窓あけをおこなっている。このため、コンタク
ト電極形成用のプロセスが必要になるとともに、リッジ
部と窓との位置あわせも必要になり、これも歩留まりを
落とす原因になりかねない。
【0012】そこで本発明は、エッチングを用いずにリ
ッジ導波路を形成し、しかもコンタクト電極形成のプロ
セスも容易な半導体発光装置およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光デバイスとし
ては、単に導波路、半導体レーザ、半導体レーザと光変
調器、光導波路が一体に形成された集積化デバイス等が
考えられる。
【0014】本発明の光デバイスが半導体レーザのとき
は、活性層と、前記活性層上に設けられたリッジ状の半
導体層とを備え、前記活性層上の前記リッジ状半導体層
の両側には絶縁膜が形成されている構造とする。この構
成により、絶縁膜があるので、電極がべたで形成でき、
電極形成のためのプロセスを必要とせず、簡単な工程に
より、デバイスを製造できることになる。
【0015】また、半導体レーザとして分布帰還型レー
ザとする場合には、基板に回折格子を設けることで簡単
にリッジ導波路構造の分布帰還型半導体レーザを構成で
きる。
【0016】さらに、リッジ導波路型半導体レーザと光
変調器とを集積化したデバイスも容易に製造できる。こ
の製造方法は、選択成長を2回用いて半導体層をエッチ
ングなしで容易に形成することができる。第1回目の選
択成長ではレーザとなる領域に選択成長用の絶縁膜を用
いて、その絶縁膜の開口領域にレーザ構造となる半導体
多層膜を成長させる。そのときには光変調器となる領域
には開口領域よりも広い領域に半導体多層膜を同時に成
長させるので、半導体多層膜の多重量子井戸層の膜厚
が、レーザ領域と変調器領域とで異なり、つまりレーザ
領域の多重量子井戸層の方が光変調器領域の多重量子井
戸層の膜厚よりも厚く、同じ組成であってもバンドギャ
ップが小さくなるので、レーザ領域からの光が変調器領
域への伝搬しても、レーザ光が変調器領域で吸収される
ことはほとんどない。この光変調器の電極に逆バイアス
を印可してレーザ光を変調することで高速の光通信用の
光源として利用できることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図4を用いて説明する。
【0018】(実施の形態1)リッジ導波路型半導体レ
ーザは、埋め込み型半導体レーザに比べて、容易に作製
可能である、また埋め込み型半導体レーザ特有である埋
め込み層への漏れ電流がないために、高温、高出力動作
に優れているといった特長を持っている。そこでまず、
リッジ導波路型半導体レーザの構造に対する実施例を以
下に示す。
【0019】図1(a)に示すように、n-InP基板101上に、
厚さ500nmのn-InGaAsP光導波路層102、厚さ6nmのInGaAs
P井戸層と厚さ10nmのInGaAsPバリア層の5ペアから成る
多重量子井戸活性層103、厚さ500nmのp-InGaAsP光導波
路層104、さらに厚さ0.1μmのp-InPキャップ層105を有
機金属気相成長法を用いて順次エピタキシャル成長さ
せ、半導体多層構造を形成する。
【0020】図1(b)において、 p-InPキャップ層105上
にCVD法によりSiO2、SiNxなどの絶縁膜を堆積し、これ
をn-InP基板の<011>方向へストライプが向くようにパタ
ーニングして、ウェットエッチングプロセスによって絶
縁膜マスク106を形成する。ここで、成長領域であるマ
スク開口部分の幅は3μmである。これは、埋め込み型半
導体レーザと同等の低いしきい値特性、あるいは、n-In
P基板1上に回折格子を施した分布帰還(DFB)型レーザへ
の適用を考えた場合の単一モード特性を考慮して、3μm
とした。
【0021】図1(C)において、絶縁膜マスク106を設け
たn-InP基板101上に、厚さ1.5μmのp-InPクラッド層10
7、厚さ0.1μmのp-InGaAsコンタクト層108を、有機金属
気相成長法を用いて順次エピタキシャル成長させる。図
2にInPの成長膜厚増加率特性を示すが、p-InPクラッド
層7成長時の成長速度としては、p-InPキャップ層105の
場合に比べて、およそ9倍程度の成長速度で成長を行っ
た。このため、成長時間の短縮が図れる。
【0022】さらに図(c)に示すように、マスク開口部
分の領域のみにp-InPクラッド層107、p-InGaAsコンタク
ト層108の成長が行われるために、自動的にリッジ導波
路型半導体レーザが形成される。また、通常のリッジ導
波路型半導体レーザのプロセスにおいては、ウェットエ
ッチングによってリッジ導波路の形成を行っているが、
本発明においては、図1(c)に示すように、 p-InPクラッ
ド層107、p-InGaAsコンタクト層108が、結晶成長が行わ
れにくい(111)B面に沿った形状で自動的に形成される。
すなわち、開口部分の幅によりリッジの幅が正確に規定
できるため、ウェットエッチングによるリッジ導波路形
成に比べて、ウエハ面内でのばらつきがなく均一性の高
いリッジ形成が可能となる。
【0023】さらに、絶縁膜マスク106はリッジ導波路
形成のみならず、絶縁膜マスク6自体が電流ブロック層
として作用するために、ホトプロセスによる電極形成用
窓あけを行う必要もない。したがって、プロセスも容易
となると同時にプロセスにおいて活性領域を表面に露出
させることを防止できるために、レーザ特性の均一性が
さらに向上し、高歩留まり、高信頼性が期待できる。
【0024】図1(d)において、絶縁膜マスク106、p-InG
aAsコンタクト層108上にPt層とTi層を主成分とするp型
電極を形成する。今回においては、Pt層、Ti層、Pt層か
ら成る金属多層膜を順次蒸着し、p型電極109を形成し
たが、 絶縁膜マスク106とPt層の密着性を考慮して、絶
縁膜マスク106とPt層の間にTi層110をはさんだ構造とし
た。さらに、全面にTi層、Au層から構成される金属多層
膜111を蒸着し、最後にn-InP基板101上にAu層、Sn層、C
r層、Pt層、Au層から成るn型電極112を形成する。
【0025】以上の構造により、 p-InPクラッド層10
7、p-InGaAsコンタクト層108の成長に関して選択成長技
術を用いることによって、自動的にリッジ導波路を有す
る半導体レーザが作製できる。さらに、p-InPクラッド
層107、p-InGaAsコンタクト層108が、結晶成長が行われ
にくい(111)B面に沿った形状で自動的に形成されるため
に、ウェットエッチングによるリッジ導波路形成に比べ
て制御性、均一性よくリッジ形成が可能となる。
【0026】さらに、図1(d)では、電流ブロック層とし
て絶縁膜マスク106を用いたが、量子井戸活性層103と絶
縁膜マスク106が近接しているために、絶縁膜マスク106
のストレスが量子井戸活性層103の結晶性に影響を及ぼ
すことが考えられるため、信頼性等の劣化が懸念され
る。このことから、絶縁膜よりも半導体によって電流ブ
ロック層を形成した方が信頼性に優れたデバイスが可能
となる。その具体的な実施例を図1(e)、(f)に示す。
【0027】まず、図1(e)において、n-InP基板101上
に、厚さ500nmのn-InGaAsP光導波路層102、厚さ6nmのIn
GaAsP井戸層と厚さ10nmのInGaAsPバリア層の5ペアから
成る多重量子井戸活性層103、厚さ500nmのp-InGaAsP光
導波路層104、厚さ0.1μmのp-InPキャップ層105を成長
させ、さらにその上に半絶縁性-InP層をエピタキシャル
成長させる。さらに半絶縁性-InP層105上に、図1(b)と
同様に絶縁膜マスク106を形成する。
【0028】図1(f)において、結晶成長した半絶縁性-I
nP層105のうち、マスク開口部分の領域の半絶縁性-InP
層105をエッチングによって除去し、その後、p-InPクラ
ッド層107、p-InGaAsコンタクト層108を、有機金属気相
成長法を用いて順次エピタキシャル成長させる。次に、
絶縁膜マスク106をウェットエッチングによって除去し
た後、図1(d)に示したようにp型電極109、n型電極112を
形成することによって、半絶縁性-InP層105を電流ブロ
ック層としたリッジ導波路型半導体レーザが作製でき
る。この場合も、p-InPクラッド層107、p-InGaAsコンタ
クト層108が、結晶成長が行われにくい(111)B面に沿っ
た形状で自動的に形成されるために、制御性、均一性よ
くリッジ形成が可能となる。したがって、レーザ特性の
均一性が向上し、高歩留まり、高信頼性が可能となる。
【0029】なお、電流ブロック層としては半絶縁性-I
nP層105を用いたが、pnp-InP埋め込み構造を用いても同
様の効果が得られる。
【0030】さらに、図1(g)、(h)に示すようにn-InP基
板上に回折格子を施した分布帰還(DFB)型半導体レーザ
においても同様の効果が得られる。特に、リッジ導波路
構造が均一かつ正確に形成できるため、リッジ導波路の
幅のばらつきによって生じるしきい値電流のばらつきが
ほとんどない。よって、DFBレーザで顕著な問題とな
る、しきい値電流のばらつきによる単一モード動作しな
くなることがなくなる。わかりやすくいうと、同じウエ
ハでも、しきい値のばらつきがほとんどなく、単一モー
ド動作するレーザと単一モード動作するレーザとの混在
がほとんどなくなり、歩留まりの向上が図れる。
【0031】(実施の形態2)次に、超高速、長距離伝
送システム用の光源デバイスとして注目されている、DF
Bレーザと光変調器集積化光源に対する本発明の実施例
を以下に示す。
【0032】図3(a)に示すように、n-InP基板301上に、
半導体基板が露出した領域(マスク開口領域)が、光導波
路方向に回折格子が形成されている領域(a)と形成され
ていない領域(b)とで異なるように、領域(a)ではSiO2、
SiNxの絶縁膜からなるパターニングマスクを形成する。
図3(f)、(g)に基板301の上面から見た図を示
している。(f)では、レーザ領域には回折格子が形成
されていることがわかる。そのあと、(g)のように、
レーザ領域にはストライプ状の開口領域を有するSiO
2絶縁膜300が形成されている。
【0033】次に、一部に絶縁膜パターニングマスクを
設けたn-InP基板301上に、厚さ500nmのn-InGaAsP光導波
路層302、厚さ4nmのInGaAs井戸層と厚さ10nmのInGaAsP
バリア層の7ペアから成る多重量子井戸活性層303、厚さ
500nmのp-InGaAsP光導波路層304、さらに厚さ0.1μmのp
-InPキャップ層305を有機金属気相成長法を用いて順次
エピタキシャル成長させ、半導体多層構造を形成する。
マスク幅、マスク開口幅の異なる2領域a、bにおいて井
戸層、障壁層の膜厚、組成の異なった量子井戸構造が自
動的に形成される。このため、2つの領域(a)、(b)で量
子井戸構造の量子準位が異なり、これにより光導波路方
向に等価的にバンドギャップが異なる光導波路構造がで
きる。図3(b)に共振器方向(x-x*方向)における断面図を
示す。
【0034】なお、領域(a)では絶縁膜パターニングマ
スクの幅は25μm、マスク開口(成長領域)幅は20μmと
し、領域(b)では、絶縁膜パターニングマスクは設けな
い構造としている。図4にマスク幅と量子井戸発光波長
との関係を示す。マスク開口幅は20μm一定として得た
実験結果であるが、本実施例では、マスク幅が0μm(マ
スクを設けない場合)における量子井戸発光波長が1.47
μmに設定した場合、マスク幅が25μmにおいて、1.55μ
mの量子井戸発光波長が得られた実験結果から設定した
ものである。
【0035】次に、実施例1と同様にして図3(c)に示す
ように、 p-InPキャップ層305上に、CVD法によりSiO2、
SiNxなどの絶縁膜を堆積し、これをn-InP基板の<011>方
向へストライプが向くようにパターニングして、絶縁膜
マスク306を形成する。
【0036】その後、図3(d)に示すように,縁膜マスク
306を設けたn-InP基板301上に、p-InPクラッド層307、p
-InGaAsコンタクト層308を、有機金属気相成長法を用い
て順次エピタキシャル成長する。マスク開口部分の領域
のみにp-InPクラッド層307、p-InGaAsコンタクト層308
の成長が行われるために、 DFBレーザと光変調器のリッ
ジ導波路がそれぞれ自動的に形成される。しかも実施例
1と同様に、 p-InPクラッド層307、p-InGaAsコンタクト
層308が、結晶成長が行われにくい(111)B面に沿った形
状で自動的に形成されるために、ウェットエッチングに
よるリッジ導波路形成に比べて制御性、均一性よくDFB
レーザと光変調器のリッジ形成が可能となる。
【0037】最後に、図2(e)において、DFBレーザと光
変調器の電極分離を行うためにDFBレーザと光変調器間
のp-InGaAsコンタクト層108をウェットエッチングによ
って除去した後、絶縁膜マスク306、p-InGaAsコンタク
ト層308上にPt層とTi層を主成分とするp型電極を形成す
る。今回においては、Pt層、Ti層、Pt層から成る金属多
層膜を順次蒸着し、p型電極を形成したが、 絶縁膜マ
スク306とPt層310の密着性を考慮して、絶縁膜マスク30
6とPt層の間にTi層310をはさんでp型電極とした。最後
にn-InP基板301上にAu層、Sn層、Cr層、Pt層、Au層から
成るn型電極311を形成する。
【0038】以上のように、回折格子を形成した基板上
にSiO2膜マスクを形成し、選択成長によりレーザ領
域と光変調器となる領域を一度の結晶成長により同時に
形成できるので、レーザと光変調器とを別々につくる場
合に比べて製造が非常に容易になる。また、レーザ領域
と光変調器との境界でのレーザ光の散乱による損失が少
なく特性が向上する。
【0039】さらにレーザ領域と光変調器領域に同時に
リッジ導波路を形成できる。リッジ導波路は実施の形態
1で説明したように、開口部分の幅によりリッジの幅が
正確に規定できるため、ウェットエッチングによるリッ
ジ導波路形成に比べて、ウエハ面内でのばらつきがなく
均一性の高いリッジ形成が可能となる。特に、この実施
形態ではレーザと光変調器とを一体に構成しているの
で、レーザ領域と光変調器領域にわたってリッジ導波路
幅が一定であることが重要である。すなわち、リッジ導
波路幅が一定であることにより、レーザ領域での単一横
モードのレーザ光が、単一横モードのまま光変調器領域
へ伝搬することができる。したがってこの集積化光源を
シングルモードファイバに結合できるため、長距離にわ
たっての超高速、大容量の光通信を実現することができ
る。
【0040】(実施の形態3)実施の形態3としてリッ
ジ導波路型半導体レーザのリッジ導波路層の膜厚を変調
することによりスポットサイズを広げ、ファイバとの結
合効率を高めた半導体レーザについて説明する。
【0041】構造は図1(f)、(h)とほぼ同じであ
る。異なるのは、リッジ導波路層の厚みが一定ではな
く、端面から他端面へ一定の傾きで厚く(薄く)なって
いる点である。
【0042】このようなリッジ導波路層を形成するに
は、図7のように選択成長用のSiO2膜マスクを用い
る。すなわち、SiO2マスクの開口領域を一定にせ
ず、開口領域の一端の幅を1ミクロンとし他端の幅をこ
こでは8ミクロンとしている。このようなマスクを図1
(b)の絶縁マスク106の代わりにもちいることで、
開口領域に成長する半導体結晶の膜厚がかわってくる。
開口領域の幅の大きいX点では、リッジ導波路層の膜厚
は薄く0.5ミクロン程度であるが、開口領域の幅の小
さいY点ではリッジ導波路層の膜厚が3ミクロンの厚み
になっている。レーザ光は、リッジ導波路層の膜厚の小
さいX点の端面から出射する。これにより、スポット径
の広がったレーザ光を出射する半導体レーザを製造する
ことができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、リッジ導
波路は開口部分の幅によりリッジの幅が正確に規定でき
るため、ウェットエッチングによるリッジ導波路形成に
比べて、ウエハ面内でのばらつきがなく均一性の高いリ
ッジ形成が可能な導波路型レーザを製造することができ
る。
【0044】また、集積化光源においては、レーザ領域
と光変調器領域に同時にリッジ導波路とを同時、かつ、
一体に構成しているので、リッジ導波路幅が一定である
ことにより、レーザ領域での単一横モードのレーザ光
が、単一横モードのまま光変調器領域へ伝搬することが
できる。したがってこの集積化光源をシングルモードフ
ァイバに結合できるため、長距離にわたっての超高速、
大容量の光通信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリッジ導波路型半導体レーザの製造工
程の斜視図
【図2】InPの成長膜厚増加率特性に関する説明図
【図3】本発明のリッジ導波路型DFBレーザと光変調器
集積化光源の製造工程の斜視図と断面図
【図4】量子井戸発光波長のマスク幅依存性に関する説
明図
【図5】従来の半導体レーザの工程断面図
【図6】従来の半導体レーザのエッチング工程を説明す
るための工程断面図
【図7】本発明の半導体レーザの製造に用いるマスクの
平面図とこのマスクを用いたときの膜厚の変化を示す図
【符号の説明】
101 n-InP基板 102 n-InGaAsP光導波路層 103 多重量子井戸活性層 104 p-InGaAsP光導波路層 105 p-InPキャップ層 106 絶縁膜マスク 107 p-InPクラッド層 108 p-InGaAsコンタクト層 109 p型電極 110 Ti層 111 金属多層膜 112 n型電極 113 半絶縁性-InP層 114 回折格子 301 n-InP基板 302 n-InGaAsP光導波路層 303 多重量子井戸活性層 304 p-InGaAsP光導波路層 305 p-InPキャップ層 306 絶縁膜マスク 307 p-InPクラッド層 308 p-InGaAsコンタクト層 309 p型電極 310 Ti層 311 n型電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−125132(JP,A) 特開 平6−314657(JP,A) 特開 平5−21904(JP,A) 特開 平7−174931(JP,A) 特開 平9−260782(JP,A) 特開 平9−199785(JP,A) 特開 平8−32169(JP,A) 特開 平7−221387(JP,A) 特開 平9−289358(JP,A) 特開 平9−186391(JP,A) 特開 平6−260727(JP,A) 1997年電子情報通信学会エレクトロニ クスソサイエティ大会講演論文集1,C −3−129,p.238 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の開口領域を有する第1の絶縁膜
    と、前記第1の開口領域に形成された活性層とを有する
    半導体レーザ領域と、この半導体レーザ領域の隣りに位
    置しかつ半導体多層膜を有する変調器領域と、前記半導
    体レーザ領域と前記変調器領域とにまたがって形成され
    た第2の開口領域を有する第2の絶縁膜と、この第2の
    開口領域に形成されかつ前記半導体レーザ領域と前記変
    調器領域とにまたがって形成されたリッジ導波路層とを
    基板の主面上に有する半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ領域の活性層は多重量子井戸
    構造であり、前記光変調器領域には前記レーザ領域の活
    性層と同一材料からなる多重量子井戸構造が形成されて
    いる請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 【請求項3】 基板の主面の一部に第1の開口領域を有
    する第1の絶縁膜を設ける工程と、前記第1の開口領域
    および前記基板の主面にある前記第1の絶縁膜を設けな
    い領域に半導体多層膜を選択成長して、前記第1の絶縁
    膜を設けた領域を半導体レーザ形成領域とし、前記第1
    の絶縁膜を設けない領域を光変調器領域とする工程と、
    前記半導体多層膜上の、前記第1の開口領域から前記第
    1の絶縁膜を設けない領域にわたってストライプ状の第
    2の開口領域を有する第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の開口領域にリッジ導波路層を選択成長する工
    程とを備えた半導体発光装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体レーザ形成領域におけるリッ
    ジ導波路層の全面に電極を形成する工程を有する請求項
    に記載の半導体発光装置の製造方法。
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1997年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集1,C−3−129,p.238

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