JP2000277869A - 変調器集積型半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

変調器集積型半導体レーザ装置及びその製造方法

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JP2000277869A JP11085473A JP8547399A JP2000277869A JP 2000277869 A JP2000277869 A JP 2000277869A JP 11085473 A JP11085473 A JP 11085473A JP 8547399 A JP8547399 A JP 8547399A JP 2000277869 A JP2000277869 A JP 2000277869A
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waveguide
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semiconductor
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Kazuhisa Takagi
和久 高木
Hitoshi Tada
仁史 多田
Toru Takiguchi
透 瀧口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変調器集積型半導体レーザ装置において、変
調器に印加される変調信号による電界変動の影響を少な
くし、周波数特性の改善された変調器集積型半導体レー
ザ装置を提供することである。 【解決手段】 活性層16と、この活性層16よりもバ
ンドギャップエネルギーの大きいバルク構造の光導波層
32と、活性層16のバンドギャップエネルギーよりも
大きく光導波層32のバンドギャップエネルギーよりも
小さいバルク構造の光吸収層40とを連続した導波路
(20、36、44)を形成し、この導波路(20、3
6、44)上または下に回折格子24を含むクラッド層
22を有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信用に用い
られる変調器集積型半導体レーザ装置およびその製造方
法に係り、特に変調器に印加される変調信号による電界
変動の影響を少なくすることにより周波数特性を改善し
た変調器集積型半導体レーザ装置とその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーを用いた公衆通信網の普及
には、半導体レーザの高性能化とこの半導体レーザを安
価に製造するために歩留りをよくすることが重要であ
る。特に半導体レーザの高性能化には、情報量の増大に
対応するためのレーザ光の高速変調が必須の要件であ
る。このレーザ光の高速変調には、変調時の波長の変動
を小さくして長距離の伝送を可能にするために、通常半
導体レーザを一定強度で発振させておいて、光の透過量
をオン・オフできる変調器を通すことによって変調を行
う外部変調方式が採用される。
【0003】この外部変調方式では、変調器と半導体レ
ーザとの光結合が難しくまた部品点数も多いことから高
価になるというという難点があったが、この難点を克服
する方法として、半導体レーザと変調器とをモノリシッ
クに集積化した変調器集積型半導体レーザの開発が行わ
れている。この変調器集積型半導体レーザにおいては、
共通電極を接地とし、半導体レーザでは順バイアスで電
流注入され、変調器側では逆バイアスの変調信号が印加
される。このため半導体レーザと変調器の間に設けられ
た分離領域の構成が重要となってくる。また半導体変調
器においては、変調器の光吸収層を多重量子井戸構造
(以下MQWという)で形成すると、低い動作電圧で高
い消光比(on時とoff時の光透過量の比)が得られ
るために、高速伝送においては通常MQWの光吸収層が
使用される。
【0004】図27は従来の変調器集積型半導体レーザ
(以下、変調器付レーザ、という)の一部破断斜視図で
ある。また図28は図27のXXVIII−XXVII
I断面の断面図である。図27、図28において、20
1は変調器付レーザ、D部は分離部と変調器部とからな
る分離・変調器部、C部はレーザ部である。
【0005】図27及び図28において、202はn−
InPの基板、204はn−InGaAsPのレーザn
側光閉込層、206はInGaAsP−MQWの活性
層、208はp−InGaAsPのレーザp側光閉込層
で、レーザn側光閉込層204と活性層206とレーザ
p側光閉込層208でレーザ導波路207を構成してい
る。210はp−InPの第1クラッド層、212はp
−InGaAsPの回折格子、214はp−InPの第
2クラッド層、216はp+− InGaAsのコンタク
ト層である。ここで「n−」は「n型」また「p−」は
「p型」を表す。以下も同様である。
【0006】218はn−InGaAsPの分離・変調
器部n側光閉込層、220は分離変調器部DのInGa
AsP−MQWの光吸収層で、変調器領域の光吸収層2
20aと分離領域の光導波層220bとを含んでいる。
222はp−InGaAsPの分離・変調器部p側光閉
込層である。分離・変調器部n側光閉込層218と光吸
収層220と分離・変調器部p側光閉込層で分離・変調
器部導波路221を構成している。
【0007】224はFeドープInPの第1埋込層、
226はn−InPのホールトラップ層、228はFe
ドープInPの第2埋込層で、リッジ状のレーザ導波路
207および分離・変調器部導波路221の両側面も第
1埋込層224、ホールトラップ層226および第2埋
込層228が形成されていてこれらは電流ブロック層を
構成し、出射端面側では窓構造229を構成している。
230はSiO2の絶縁膜、231はレーザ部Cと変調
器領域とを分離する分離溝で、232はTi/Auの表
面蒸着電極、234はAuメッキ層のp側レーザ電極、
236はAuメッキ層のp側変調器電極、238は蒸着
電極、240は共通電極である。また242の矢印はレ
ーザ光の射出方向である。
【0008】従来の変調器付レーザは以下のようにして
製造される。まず基板202の上にMOCVD法によ
り、レーザn側光閉込層204としてのn−InGaA
sP層、活性層206としてのInGaAsP−MQW
層、レーザp側光閉込層208としてのp−InGaA
sP層、第1クラッド層210としてのp−InP層、
回折格子212を形成するp−InGaAsP層を順次
結晶成長で積層する。
【0009】次に、回折格子212を形成するためにp
−InGaAsP層を干渉露光法を用いて、格子状にエ
ッチングし、回折格子212を形成する。この後全面に
第1クラッド層210としてのp−InP層で埋込成長
させる。この第1クラッド層210としてのp−InP
層の上にSiO2またはSiNなどの誘電体膜を形成
し、回折格子212を含みレーザの導波路を形成するた
めのストライプ状の誘電体膜が残るように誘電体膜をエ
ッチングし、このストライプ状の誘電体膜をマスクとし
て、分離・変調器部Dを含む領域の積層を基板202が
露呈するまでエッチングする。
【0010】次にストライプ状の誘電体膜を残したま
ま、MOCVD法により、分離・変調器部n側光閉込層
218としてのn−InGaAsP層、分離・変調器部
Dの光吸収層220としてのInGaAsP−MQW
層、分離・変調器部p側光閉込層222としてのp−I
nGaAsP層、および第1クラッド層210としての
p−InP層を形成する。この後、ストライプ状の誘電
体膜を除去し、改めてSiO2またはSiNなどの誘電
体膜を形成し、分離・変調器部Dおよびレーザ部Cの導
波路を形成するために、エッチングにより分離・変調器
部Dおよびレーザ部Cに重なるストライプ状の誘電体膜
を形成し、このストライプ状の誘電体膜をマスクとして
基板202が露呈するまで、HBrを用いたウエットエ
ッチングを行い、導波路のリッジ形成を行う。このとき
窓構造229を形成する場合には、出射端面側をもエッ
チング除去できるようなストライプ形状の誘電体膜とす
る。
【0011】次にこのストライプ形状の誘電体膜を残し
た状態で、第1埋込層224としてのFeドープInP
層、ホールトラップ層226としてのn−InP層、第
2埋込層228としてのFeドープInP層をMOCV
D法により結晶成長する。この後、ストライプ形状の誘
電体膜を除去し、MOCVD法によって全面に第2クラ
ッド層214としてのp−InP層、コンタクト層21
6としてのp+−InGaAs層を結晶成長する。
【0012】次いで、分離領域に対応するコンタクト層
216の一部および第2クラッド層214の上面の一部
をエッチングにより除去し、分離溝231を形成する。
この後、全面に絶縁膜230をスパッタにより形成した
後、変調器領域及びレーザ部Cの電極コンタクト部分の
絶縁膜230を除去する。次いで表面に表面蒸着電極2
32のTi/Au膜及びAuメッキ層を形成する。この
後、基板202の裏面を基板厚みが100μm程度にな
るまで研削した後、蒸着電極238としてのAuGe/
Ni/Ti/Pt/Ti/Pt/Au膜を蒸着により形
成し、Auメッキ層をメッキでパターン形成し、共通電
極240を形成する。
【0013】上記のように構成された変調器付レーザ2
01は、レーザ電極234と共通電極240との間に順
バイアス電圧を印加し活性層206に電流を注入し、レ
ーザ部Cで発光させたレーザ光を分離・変調器部導波路
221によって分離・変調器部Dに導き、変調器電極2
36と共通電極240との間で逆バイアス電圧の変調信
号を印加し、変調信号に対応する電界を光吸収層220
aに印加することにより、量子閉じ込めシュタルク効果
により高い消光比の下で変調し、この高速に変調された
レーザ光242を射出するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の変調器付レーザ
201は上記のように構成されていて、p側レーザ電極
234とp側変調器電極236は分離溝231及びこの
分離溝231に設けられた絶縁膜230を介して離隔さ
れており、レーザ光242に波長変動の生じることを防
いでいる。しかしながら変調器の光吸収層220aはM
QWで構成されているので、低電圧で消光比が高いとい
う利点を有する一方で、変調信号による電界変動の影響
を受けて屈折率が変動しやすく、屈折率変化による波長
変動が必ずしも小さくならなかった。この波長変動が大
きい場合には伝送距離を長く取ることができなかった。
【0015】またレーザ部Cと分離・変調器部Dとは接
合面を介して配置されていて、分離・変調器部Dは再成
長により形成されている。つまり分離・変調器部Dが一
回のバットジョイント(Butt-joint)法によって形成さ
れ、均一なバンドギャップエネルギーを有する構成にな
っていた。このような変調器付半導体レーザ201を作
動する場合、変調器電極236と共通電極240との間
で変調信号が印加される。この変調信号により発生する
電界は変調器電極236とこの変調器電極236直下の
共通電極240との間のみならず、変調器電極236と
レーザ部C側の共通電極240との間にも発生し、分離
・変調器部導波路221の分離溝231直下の部分にも
電界が生じる。
【0016】先に述べたように光導波層220bと光吸
収層220aとは、一回のバットジョイント法による再
成長により形成されるため、均一なバンドギャップエネ
ルギーを有する構成になっている。このために、変調信
号による電界によって変調器電極236の直下の光吸収
層220aのみに光吸収が生じるのではなく、分離溝2
31直下の導波路領域にかかるわずかな電界によって、
光導波層220bにおいても光吸収が発生し、光吸収層
として動作するという不都合が生じる。光導波層220
bが光吸収層として動作した場合には、光導波層220
bにかかる電界は光吸収層220aにかかる電界に比べ
て小さいために、光導波層220bのpn接合部分での
空乏層が大きく広がらないので接合容量が大きくなり、
変調信号の周波数に対して、低周波領域で光の吸収は大
きく、高周波領域で小さい。このために全体の周波数特
性が平坦にならずに波形(なみがた)に歪むような様子
を示す場合があった。
【0017】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、第1の目的は、半導体レーザと変調器
とを集積化した変調器集積型半導体レーザ装置におい
て、変調器に印加される変調信号による電界変動の影響
を少なくすることにより、周波数特性の改善された変調
器集積型半導体レーザ装置を提供することである。
【0018】また第2の目的は、変調器をバルク構造と
し変調信号の電界によって変化する吸収係数の変動を小
さくし吸収係数変化による屈折率変化を小さくするとと
もに、半導体レーザと変調器との間に介在する分離領域
の光導波層をバルク構造にし、漏れ電界による光導波層
での光の吸収を少なくすることによって、周波数特性が
良好でかつ高出力な変調器集積型半導体レーザ装置を提
供することである。
【0019】また第3の目的は、半導体レーザ、変調器
及びこれら両部の間に介在する分離領域それぞれの導波
路が接合を介して連続させるとともに、分離領域の光導
波層をバルク結晶構造にすることにより、変調器に印加
される変調信号による電界変動の影響を少なくし、周波
数特性の改善された変調器集積型半導体レーザ装置を提
供することである。
【0020】また第4の目的は、周波数特性の改善され
た変調器集積型半導体レーザ装置を容易に形成できる製
造方法を提供することである。
【0021】なお、変調器集積型半導体レーザ装置の導
波路のレーザ部、分離部及び変調器部でバンドギャップ
波長を変えた公知文献として、特開平8−335745
号公報がある。これはバットジョイント法で形成された
分離部及び変調器部を有する変調器集積半導体レーザ装
置において、分離部にイオン注入を施して短波長化を図
ったものであるが、変調器の光吸収層がバルク構造であ
る点の開示は無く、分離部と変調器とが接合面を介して
配置された点の記載も無く構成を異にする。さらに、変
調器付レーザにおいて、半導体レーザ部分、変調器部分
及びこれらの中間部分を選択成長により一度に形成し、
半導体レーザ部分の発光波長を変調器部の発光波長より
大きくするとともに、これら両部の中間に当たる遷移領
域の発光波長を半導体レーザ部分、変調器部分よりも小
さくすることが、特開平7−176827号公報に開示
されているが、これには半導体レーザ部と分離部との間
をバットジョイント法で接合されることの開示は無く、
また活性層、光導波路層および光吸収層がMQW構造に
なっているので構成を異にしている。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る変調器集
積型半導体レーザ装置においては、第1導電型の半導体
基板と、この半導体基板の一主面上の一部に配設される
とともに、活性層を有するリッジ状の第一の導波路と、
この第一の導波路の延長方向にこの第一の導波路と連続
して半導体基板上に配設されるとともに、活性層よりも
バンドギャップエネルギーの大きいバルク構造の光導波
層を有するリッジ状の第二の導波路と、この第二の導波
路の延長方向にこの第二の導波路と連続して半導体基板
上に配設されるとともに、活性層のバンドギャップエネ
ルギーよりも大きく光導波層のバンドギャップエネルギ
ーよりも小さいバルク構造の光吸収層を有するリッジ状
の第三の導波路と、これら第一、第二及び第三の導波路
上に配設された第二導電型半導体の第一クラッド層と、
この第一のクラッド層または半導体基板と第一、第二及
び第三の導波路との間に配設され、第一の導波路に沿っ
て配設された回折格子を含むリッジ状の第二のクラッド
層と、第一、第二のクラッド層、第一、第二及び第三の
導波路の両側の半導体基板上に配設された電流ブロック
層と、第一のクラッド層の上に活性層に対向して配設さ
れた第一の電極と、この第一の電極と分離し、第一のク
ラッド層の上に光吸収層に対向して配設された第二の電
極と、半導体基板の他主面上に配設された第三の電極
と、を備えたもので、この構成を備えることにより、変
調器に印加される変調信号による電界変動の影響を少な
くする、つまり変調信号の電界によって変化する吸収係
数の変動を小さくし、吸収係数変化による変調器の屈折
率変化を小さくするとともに、半導体レーザと変調器と
の間に介在する分離領域の光導波層をバルク構造にし、
漏れ電界による光導波層での光の吸収を少なくすること
によって、周波数特性を良好にするものである。
【0023】さらに、第二の導波路を第一の導波路と接
合面を介して連続させたので、設計の自由度高く保ちな
がら周波数特性を良好にするものである。
【0024】さらに、第三の導波路を第二の導波路と接
合面を介して連続させるとともに光導波層及び光吸収層
をともにバルク結晶構造としたもので、光の吸収を少な
くして、周波数特性を良好にするものである。またさら
に、光導波層および光吸収層をともにディスオーダリン
グによる混晶化された多重量子井戸構造とし、光導波層
の混晶化の程度を吸収層のそれよりも高くしたもので、
簡単な構成で周波数特性を良好にするものである。また
さらに、第二の導波路を第一の導波路に隣接する側より
も第三の導波路に隣接する側で厚い導波路厚みとしたも
ので、光の吸収を少なくして、周波数特性を良好にする
ものである。
【0025】また、第1導電型の半導体基板と、この半
導体基板の一主面上の一部に配設されるとともに、活性
層を有するリッジ状の第一の導波路と、この第一の導波
路の延長方向にこの第一の導波路と接合面を介して連続
し半導体基板上に配設されるとともに、活性層よりもバ
ンドギャップエネルギーの大きい光導波層を有するリッ
ジ状の第二の導波路と、この第二の導波路の延長方向に
この第二の導波路と接合面を介して連続し半導体基板上
に配設されるとともに、活性層のバンドギャップエネル
ギーよりも大きく光導波層のバンドギャップエネルギー
よりも小さい多重量子井戸構造の光吸収層を有するリッ
ジ状の第三の導波路と、これら第一、第二及び第三の導
波路上に配設された第二導電型半導体の第一クラッド層
と、この第一のクラッド層または半導体基板と第一、第
二及び第三の導波路との間に配設され、第一の導波路に
沿って配設された回折格子を含むリッジ状の第二のクラ
ッド層と、第一、第二のクラッド層、上記第一、第二及
び第三の導波路の両側の上記半導体基板上に配設された
電流ブロック層と、第一のクラッド層の上に活性層に対
向して配設された第一の電極と、この第一の電極と分離
し、第一のクラッド層の上に吸収層に対向して配設され
た第二の電極と、半導体基板の他主面上に配設された第
三の電極と、を備えたので、光の吸収を少なくしつつ、
変調器に印加される変調信号による電界変動の影響を少
なくすることにより、周波数特性を良好にするものであ
る。
【0026】さらに、光導波層をバルク結晶構造とした
ので光の吸収を少なくしつつ、変調器に印加される変調
信号による電界変動の影響を少なくして、周波数特性を
良好にするものである。
【0027】またさらに、光導波層を多重量子井戸構造
としたので、光の吸収を少なくしつつ、周波数特性を良
好にするものである。
【0028】この発明に係る変調器集積型半導体レーザ
装置の製造方法は、第一導電型の半導体基板の一主面上
に、活性層を有する第一の導波路層とこの第一の導波路
層の上に配設された第二導電型半導体の第一クラッド層
とが配設され、この第一のクラッド層または半導体基板
と上記第一の導波路層との間に、回折格子を埋設した所
定の導電型の半導体の第二のクラッド層をさらに備えた
積層構造を準備する第一の工程と、第一のクラッド層の
表面上に、レーザの導波方向に延在し回折格子に重なる
とともに半導体基板の一部長さを全長とするストライプ
状の第一の誘電体膜を形成し、この第一の誘電体膜をマ
スクとして半導体基板が露呈するまでエッチングする第
二の工程と、第一の誘電体膜をマスクとし、活性層より
もバンドギャップエネルギーの大きい光導波層を有する
第二の導波路層および第二導電型半導体の第三のクラッ
ド層を、エッチングで露呈した半導体基板上に順次形成
する第三の工程と、第一の誘電体膜を除去し、第二のク
ラッド層及び第三のクラッド層の表面上に、第一の誘電
体膜の位置を含みさらにレーザの導波方向に延長させた
ストライプ状の第二の誘電体膜を形成し、この第二の誘
電体膜をマスクとして半導体基板が露呈するまでエッチ
ングする第四の工程と、第二の誘電体膜をマスクとし、
活性層のバンドギャップエネルギーよりも大きく光導波
層のバンドギャップエネルギーよりも小さい半導体の光
吸収層を有する第三の導波路層および第二導電型半導体
の第四のクラッド層を、エッチングで露呈した半導体基
板上に順次形成する第五の工程と、第二の誘電体膜を除
去し、第二のクラッド層、第三のクラッド層及び第四の
クラッド層の表面上に、第二の誘電体膜の位置を含みさ
らにレーザの導波方向に延長したストライプ状の第三の
誘電体膜を形成し、この第三の誘電体膜をマスクとして
半導体基板が露呈するまでエッチングしてリッジを形成
し、エッチングで露呈した半導体基板上に電流ブロック
層を形成する第六の工程と、を含むので、第一、第二お
よび第三の導波路層それぞれを個別に結晶成長により形
成できるから、周波数特性の改善された変調器集積型半
導体レーザ装置を設計の自由度高く、容易に形成でき
る。
【0029】また、第一導電型の半導体基板の一主面上
に、活性層を有する第一の導波路層とこの第一の導波路
層の上に配設された第二導電型半導体の第一のクラッド
層とが配設され、この第一のクラッド層または半導体基
板と第一の導波路層との間に、回折格子を埋設した所定
の導電型の半導体の第二のクラッド層をさらに備えた積
層構造を準備する第一の工程と、第一のクラッド層の表
面上に、レーザの導波方向に延在し回折格子に重なると
ともに半導体基板の一部長さを全長とするストライプ状
の第一の誘電体膜とこの第一の誘電体膜のレーザ導波方
向の延長上のストライプ部分を介して互いに対向し第一
の誘電体膜に近接する端部を含む一部が他部より幅が狭
い一対の第二の誘電体膜とを形成し、これらの誘電体膜
をマスクとして半導体基板が露呈するまでエッチングす
る第二の工程と、第一,第二の誘電体膜をマスクとし、
活性層よりもバンドギャップエネルギーの大きい半導体
層を有する第二の導波路層および第二導電型半導体の第
三のクラッド層を、エッチングで露呈した半導体基板上
に選択成長により順次形成する第三の工程と、第一,第
二の誘電体膜を除去し、第二のクラッド層および第三の
クラッド層の表面上に、第二の誘電体膜の位置を含みさ
らにレーザの導波方向に延長したストライプ状の第三の
誘電体膜を形成し、この第三の誘電体膜をマスクとして
半導体基板が露呈するまでエッチングしてリッジを形成
し、エッチングで露呈した半導体基板上電流ブロック層
を形成する第四の工程と、を含むので、分離領域と変調
器部の導波路を一度に形成できるので、工程の簡単化を
行うことができる。
【0030】また、第一導電型の半導体基板の一主面上
に、レーザの導波方向に延在し半導体基板の長さの一部
を全長とするストライプ形状を介して互いに対向しレー
ザの導波方向の一端を含む一部が他部より幅が狭い形状
をした一対の第一の誘電体膜を形成し、この第一の誘電
体膜をマスクとして半導体基板よりもバンドギャップエ
ネルギーの小さな第一の半導体層を有する第一の導波路
層を選択成長により形成する第一の工程と、第一の誘電
体膜を除去し、一対の第一の誘電体膜に挟まれて形成さ
れた第一の導波路層の表面上の位置に、この第一の誘電
体膜の長さに対応するストライプ形状の第二の誘電体膜
を形成し、この第二の誘電体膜をマスクとして半導体基
板が露呈するまでエッチングする第二の工程と、第二の
誘電体膜をマスクとし、第一の半導体層よりもバンドギ
ャップエネルギーの小さい半導体の活性層を有する第二
の導波路層を、エッチングで露呈した半導体基板上に選
択成長により形成する第三の工程と、第二の誘電体膜を
除去し、第一,第二の導波路層の上に第二導電型半導体
の第一クラッド層および第二導電型半導体の光ガイド層
を順次形成し、光ガイド層をエッチングして活性層に対
向する回折格子を形成し、第二導電型半導体の第二のク
ラッド層で前記回折格子を埋設する第四の工程と、第二
のクラッド層の上に、第二の誘電体膜の幅以下の幅でレ
ーザの導波方向に延在し第一の半導体層と活性層を覆う
長さをしたストライプ状の第三の誘電体膜を形成し、こ
の第三の誘電体膜をマスクとして半導体基板が露呈する
までエッチングしてリッジを形成し、エッチングで露呈
した半導体基板上に電流ブロック層を形成する第五の工
程と、を含むので、分離領域と変調器部の導波路を一度
に形成できるので、工程の簡単化を行うことができる。
【0031】また、第一導電型の半導体基板の一主面上
に、レーザの導波方向に延在し半導体基板の長さの一部
を全長とした回折格子を介して、第一導電型半導体の第
一のクラッド層が配設された積層構造を準備する第一の
工程と、第一のクラッド層の表面上に、回折格子先端よ
りレーザの導波方向に延在するストライプ部分を介して
互いに対向し回折格子に近接する端部を含む一部が他部
より幅が狭い一対の第一の誘電体膜を形成し、この第一
の誘電体膜をマスクとして第一の半導体層よりもバンド
ギャップエネルギーの小さい半導体の活性層を有する第
一の導波路層を、エッチングで露呈した半導体基板上に
選択成長により形成する第二の工程と、第一の導波路層
の表面上に、一対の第一の誘電体膜に挟まれた位置にこ
の第一の誘電体膜の長さに対応するストライプ形状の第
二の誘電体膜を形成し、この第二の誘電体膜をマスクと
して第一のクラッド層が露呈するまでエッチングする第
二の工程と、第二の誘電体膜をマスクとし、第一の半導
体層よりもバンドギャップエネルギーの小さい半導体の
活性層を有する第二の導波路層を、半導体基板上に選択
成長により形成する第三の工程と、残存する誘電体膜を
除去し、第一,第二の導波路層上に第二のクラッド層を
形成する工程と、第二のクラッド層の上に、第二の誘電
体膜の幅以下の幅でレーザの導波方向に延在し第一の半
導体層と活性層を覆う長さをしたストライプ状の第三の
誘電体膜を形成し、この第三の誘電体膜をマスクとして
半導体基板が露呈するまでエッチングしてリッジを形成
し、エッチングで露呈した半導体基板上に電流ブロック
層を形成する第五の工程と、を含むので、基板側に回折
格子を備えた構成において、分離領域と変調器部の導波
路を一度に形成できるので、工程の簡単化を行うことが
できる。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1 図1はこの発明の一つの実施の形態に係る変調器付半導
体レーザの一部破断斜視図である。図2は図1のII−
II断面の断面図である。ここでは一例として幹線通信
用として使用される10Gb/sの変調器付半導体レーザに
ついて説明する。この変調器付半導体レーザは電界吸収
型外部変調器と単一波長レーザとを集積した複合光デバ
イスである。
【0033】図1及び図2において、10は変調器付レ
ーザ、A部は変調器部、B部は分離部、 C部はレーザ
部である。図1及び図2において、12はn−InPの
基板、14は基板12の一端のC部に配設されたストラ
イプ状をしたn−InGaAsPのレーザn側光閉込層
である。なおこのn−InGaAsPを含めて以下の材
料表記においてInGaAsPと記載しているのは所定
の組成比を有するInGaAsP系材料を意味するもの
とする。
【0034】16はレーザn側光閉込層14の上に積層
されたInGaAsP−MQWの活性層、18は活性層
16の上に積層されたp−InGaAsPのレーザp側
光閉込層で、レーザn側光閉込層14と活性層16とレ
ーザp側光閉込層18はリッジ状に積層されて、第1の
導波路としてのレーザ導波路20を構成している。
【0035】22cはp−InPの第1クラッド層で、
レーザ導波路20上に配設されている。24はp−In
GaAsPの回折格子で、活性層16に対向して第1ク
ラッド層22cに埋設されている。26はp−InPの
第2クラッド層で変調器部A、分離部B、レーザ部Cの
全面を覆って第1クラッド層22(22a,22bおよ
び22c)上に配設されている。28はp+− InGa
Asのコンタクト層で、分離部Bを除く変調器部A及び
レーザ部Cの第2クラッド層26上に配設されている。
【0036】30は分離部Bの基板12上に配設された
n−InGaAsPの分離部n側光閉込層で、32は分
離部n側光閉込層30上に配設された光導波層で、活性
層16よりもバンドギャップエネルギーの大きな材料で
構成されたInGaAsPのバルク構造をしている。バ
ルク構造としては、再結晶成長によるバルク結晶構造で
もよいし、InGaAsP−MQWにイオン注入を行っ
て混晶化したいわゆるバルクライクな構造でもよい。3
4は光導波層32の上に配設されたp−InGaAsP
の分離部p側光閉込層である。22bは分離部p側光閉
込層34上に配設された第1クラッド層である。
【0037】分離部n側光閉込層30、光導波層32お
よび分離部p側光閉込層34はリッジ状に積層され第2
の導波路としての分離部導波路36を形成し、レーザ導
波路20の光出射方向の延長上に接続されている。分離
部n側光閉込層30、光導波層32、および分離部p側
光閉込層34が再成長によって形成される場合には再成
長界面である接合面を介して活性層16を含むレーザ導
波路20と光導波層32を含む分離部導波路36が接続
されるが、光導波層32と光吸収層40がMQW構造で
活性層16と同時に形成され混晶化によるバルク構造と
した場合には再成長界面である接合面は存在しない。
【0038】38は変調器部Aの基板12上に配設され
たn−InGaAsPの変調器部n側光閉込層、40は
変調器部n側光閉込層38上に配設された光吸収層、4
2は光吸収層40の上に配設されたp−InGaAsP
の変調器部p側光閉込層である。光吸収層40は活性層
16よりもバンドギャップエネルギーが大きくかつ分離
部Bの光導波層32よりもバンドギャップエネルギーが
小さい材料のInGaAsPで構成されたバルク構造を
している。
【0039】バルク構造としては、再結晶成長によるバ
ルク結晶構造 でもよいし、InGaAsP−MQWに
イオン注入を行って混晶化したいわゆるバルクライクな
構造でもよい。22aは変調器部p側光閉込層34上に
配設されたp−InPの第1クラッド層である。
【0040】変調器部n側光閉込層38、光吸収層40
および変調器部p側光閉込層42はリッジ状に積層され
第3の導波路としての変調器部導波路44を形成し、レ
ーザ導波路20の光出射方向の延長上に接続されてい
る。変調器部n側光閉込層38、光吸収層40および変
調器部p側光閉込層42が再成長によって形成される場
合には再成長界面である接合面を介して変調器部導波路
44が分離部導波路36と接続されるが、MQWの混晶
化によるバルク構造とした場合には再成長界面である接
合面は存在しない。
【0041】46はFeドープInPの第1埋込層、4
8は第1埋込層46上に配設されたn−InPのホール
トラップ層、50はホールトラップ層48上に配設され
たFeドープInPの第2埋込層で、第1埋込層46、
ホールトラップ層48および第2埋込層50は出射端面
側では窓構造52を構成している。
【0042】また、第1埋込層46、ホールトラップ層
48および第2埋込層50は、レーザ導波路20、分離
部導波路36及び変調器部導波路44及びこれら導波上
に配設された第1クラッド層22で形成されたリッジの
両側面にも埋込形成されており、これら第1埋込層4
6、ホールトラップ層48および第2埋込層50は電流
ブロック層54を構成している。
【0043】56はSiO2の絶縁膜で、必要な箇所に
開口部を設けて、コンタクト層28の全面に形成され
る。58はレーザ部Cと変調器部Aとを分離する分離溝
でこの部分はコンタクト層28を除去し第2クラッド層
26に堀込まれている。60はTi/Auの表面蒸着電
極で、絶縁膜56の開口部に形成される。62は第1の
電極としてのAuメッキ層のp側レーザ電極、64は第
2の電極としてのAuメッキ層のp側変調器電極、66
はAuGe/Ni/Ti/Pt/Ti/Pt/Auの層
序に基板裏面上に積層された蒸着電極、68第3の電極
としてのAuメッキ層の共通電極である。また70の矢
印はレーザ光の出射方向である。
【0044】図3はInGaAsP−MQWの活性層1
6の断面図である。16aは井戸層で3〜4nmで層数
は7〜13層である。この井戸層16aの間にバリア層
16bが形成されている。バリア層16bの層厚みは1
0nm程度である。井戸層16aとバリア層16bはと
もにアンドープInGaAsPで形成され、井戸層16
aはバリア層16bよりもバンドギャップの小さいIn
GaAsPで構成されている。
【0045】この発明に係る変調器付レーザは以下のよ
うに製造される。図4、図5、図7、図8、図9及び図
10はこの発明に係る変調器付レーザの製造工程を示す
素子の断面図である。図6は一部工程の素子の斜視図で
ある。まず図4において、n−InPの基板12上にM
OCVD法により、レーザn側光閉込層14としてのn
−InGaAsP層、活性層16としてのInGaAs
P−MQW層、レーザp側光閉込層18としてのp−I
nGaAsP層、第1クラッド層22cの一部としての
p−InP層及び回折格子24を形成するためのp−I
nGaAsP層を順次積層する。この工程の結果が図4
(a)である。
【0046】次いで、回折格子24を形成するためにp
−InGaAsP層を干渉露光法を用いて、格子状にエ
ッチングし、回折格子24を形成する。この後回折格子
24を埋込ために、全面に第1クラッド層22cとして
のp−InP層を成長させる。この工程の結果が図4
(b)である。この第1クラッド層22としてのp−I
nP層の上にSiO2またはSiNなどの誘電体膜を形
成し、回折格子24と重なり、レーザ導波路20を形成
するためのストライプ状の誘電体膜72が残るように誘
電体膜をエッチングし、このストライプ状の誘電体膜7
2をマスクとして、分離部B及び変調器部Aを含む領域
の積層を基板12が露呈するまでエッチングする。この
工程の結果が図5(a)である。また図6は図5(a)
に示された素子の斜視図である。
【0047】次にストライプ状の誘電体膜72を残した
まま、エッチング除去によって露呈した基板12上に、
MOCVD法により、分離部n側光閉込層30として
のn−InGaAsP層、光導波層32としてのアンド
ープInGaAsP層、分離部p側光閉込層34として
のp−InGaAsP層及び第1クラッド層22bとし
てのp−InP層を順次積層する。この光導波層32と
してのInGaAsP層は活性層16よりもバンドギャ
ップエネルギーの大きくなるように形成されたバルク結
晶構造である。この工程の結果が図5(b)である。
【0048】次にストライプ状の誘電体膜72をマスク
を除去し、改めて第1クラッド層22b及び22cとし
てのp−InP層の上にSiO2またはSiNなどの誘
電体膜を形成し、レーザ導波路20と分離部導波路36
を形成するために、回折格子24と重なりつつ更に出射
端面側に延長したストライプ状の誘電体膜74を形成
し、この誘電体膜74をマスクとして、変調器部Aを含
む領域の積層を基板12が露呈するまでエッチングす
る。この工程の結果が図7(a)である。
【0049】次にストライプ状の誘電体膜74を残した
まま、エッチング除去によって露呈した基板12上に、
MOCVD法により、変調器部n側光閉込層38とし
てのn−InGaAsP層、光吸収層40としてのアン
ドープInGaAsP層、変調器部p側光閉込層42と
してのp−InGaAsP層及び第1クラッド層22a
としてのp−InP層を順次積層する。光吸収層40
は、活性層16よりもバンドギャップエネルギーが大き
くかつ分離部Bの光導波層32よりもバンドギャップエ
ネルギーが小さい材料で構成されたバルク結晶構造であ
る。この工程の結果が図7(b)である。
【0050】次に図8において、誘電体膜74を除去
し、第1クラッド層22(22a、22b及び22c)
のp−InP層の上に改めてSiO2またはSiNなど
の誘電体膜を形成し、活性層16を含むレーザ導波路2
0、光導波層32を含む分離部導波路36及び光吸収層
40を含む変調器部導波路44を形成するためのストラ
イプ状の誘電体膜76を形成し(図8(a))、この誘
電体膜76をマスクとして、基板12が露呈するまで、
Hbrを用いたウエットエッチングを行い導波路として
のリッジ形成を行う。このとき出射端面における窓構造
を形成するときには、導波路の両側面のみならず出射端
面近傍も基板12が露呈するまでエッチングする。この
工程の結果が図8(b)である。図8(b)は図8
(a)のVIIIB−VIIIB断面の位置における素
子の断面図である。
【0051】次に誘電体膜76をマスクとして残したま
ま、第1埋込層46としてのFeドープInP層、ホー
ルトラップ層48としてのn−InP層および第2埋込
層50としてのFeドープInPをMOCVD法により
順次積層する。この工程の結果が図9(a)である。図
9(a)は図8(a)のVIIIB−VIIIB断面の
位置における素子の断面図である
【0052】次に、第1クラッド層22及び第2埋込層
50の表面上全面に第2クラッド層26としてのp−
InP層及びコンタクト層28としてのp+−InGa
As層を順次MOCVD法により結晶成長する。この工
程の結果が図9(b)である。次に、分離部Bに対応す
るコンタクト層28と第2クラッド層26の一部をエッ
チング除去し、分離溝58を形成する。このときコンタ
クト層28であるp+−InGaAs層のエッチングに
は酒石酸溶液を、第2クラッド層26のp−InP層の
エッチングには塩酸を用いる。この工程の結果が図10
である。
【0053】この後、分離溝58の表面を含め、全面に
SiO2などの絶縁膜56をスパッタにより形成した
後、電極コンタクト部分に開口を設けて絶縁膜56を除
去し、電極部分に表面蒸着電極60としてのTi/Au
膜を蒸着で形成し、この上にAuメッキ層を形成し、
p側レーザ電極62およびp側変調器電極64を形成す
る。素子の裏面側は、基板の裏面を素子の基板厚が10
0μm程度になるまで研削し、AuGe/Ni/Ti/
Pt/Ti/Pt/Auの層序に基板裏面上に蒸着電極
66を積層し、この上にAuメッキ層を形成し、共通電
極68を形成し、変調器付半導体レーザ10が完成す
る。
【0054】以上の製造方法では、分離部導波路36の
形成と変調器部導波路44の形成に際し、バットジョイ
ント法を用いてバルク結晶成長を行う場合について説明
したが、2回のバットジョイント法を適用し、光導波路
層32と光吸収層40をともにMQWの構成として形成
してもよい。このようなバットジョイント法は、レーザ
部C、分離部B、変調器部Aそれぞれで異なる材料や層
構造で形成できるので、設計の自由度が高く、レーザ部
C、分離部B、変調器部Aそれぞれに適した屈折率やバ
ンドギャップエネルギーを備えた構造に形成できもので
ある。
【0055】また図5(a)で示された工程の後に、次
にストライプ状の誘電体膜72を残したまま、基板12
上に、 MOCVD法により、光導波層32を形成する
ときInGaAsP−MQWを形成し、分離部Bの光導
波層32と変調器部Aの光吸収層40をイオン注入によ
る混晶化の程度を変えることにより、光吸収層40のバ
ンドギャップエネルギーよりも光導波層32のバンドギ
ャップエネルギーを大きくするようにして形成してもよ
い。図11はイオン注入を示す工程の素子の断面図であ
る。ここで矢印の長さはドーズ量の大きさを示す。
【0056】図11において、78はイオン注入により
混晶化されたMQW構造の光導波層、80はイオン注入
により混晶化されたMQW構造の光吸収層である。この
場合には活性層16と光導波層78がバットジョイント
によって接続されるとともに光導波層78と光吸収層8
0とがいわゆるバルクライクな構造になる。イオン種と
してはInGaAsP−MQWに対してはSi,Zn,
Gaなどが使用可能で、InGaAlAs−MQWの場
合にはSi,Zn,Ga,Alなどが使用可能である。
【0057】図12はイオン注入による混晶化の程度を
変えることにより形成された素子の断面図である。分離
部Bの光導波層78と変調器部Aの光吸収層80が相違
する他は図2の構成と同じである。また、図4(a)ま
たは図4(b)のMQWの活性層16を形成した後、分
離部Bの光導波層32と変調器部Aの光吸収層40をイ
オン注入による混晶化の程度を変えることにより、光吸
収層40のバンドギャップエネルギーよりも光導波層3
2のバンドギャップエネルギーを大きくするようにして
形成してもよい。この場合はバットジョイントを含まな
いことになる。
【0058】次にこの発明に係る変調器付半導体レーザ
の動作について説明する。レーザ電極62と共通電極6
8との間に順バイアス電圧を印加し活性層16に電流を
注入し、レーザ部Cで発光させたレーザ光を分離部導波
路36を介して変調器部導波路44に導く。このとき、
変調器電極64と共通電極68との間で逆バイアス電圧
の変調信号を印加し、変調信号に対応する電界を光吸収
層40に印加することにより、高速に変調されたレーザ
光70を射出するものである。このとき光吸収層40は
バルク結晶構造、又は混晶化されたバルク構造であるの
で、変調原理は量子閉じ込めシュタルク効果ではなく、
フランツケルディシュ効果となる。
【0059】フランツケルディシュ効果では電界による
吸収係数の変化が小さく、かつ吸収係数の変化による屈
折率の変化が少ない。従ってバルク型の変調器を使うこ
とにより、屈折率変化による波長変動を小さくでき長距
離伝送に有利である。
【0060】また分離部の光導波層32をバルク結晶構
造または混晶化されたバルクライクであるバルク構造に
することにより、フランツケルディシュ効果では電界に
よる吸収係数の変化が小さいので、分離部Bの光導波層
32において漏れ電界が印加されたとしても、光吸収量
の変化を小さくすることができる。特に分離部の光導波
層32では低周波(数Ghz)のみに応答するので、光
吸収量が変化すると周波数特性が平坦にならないが、光
導波層32をバルク構造とすることにより周波数特性の
劣化を低減できる。
【0061】さらに、光導波層32及び光吸収層40を
バットジョイント法による再結晶によるバルク結晶構造
とすることにより、非発光結合中心が少ないために光の
吸収が少ない変調器付半導体レーザを構成することがで
きる。以上に説明した構成では、回折格子はp−InP
層に設けた構成であったが、回折格子は、基板側に設け
てもよい。
【0062】図13はこの実施の形態1の変形例の一例
を示す断面図である。図13において、回折格子24が
n−InPの第3クラッド層82に埋め込まれ、この第
3クラッド層82が、レーザn側光閉込層14、分離部
n側光閉込層30及び変調器部n側光閉込層38と基板
12との間に配設されている。図14はこの実施の形態
1の他の変形例を示す断面図である。図14において
は、回折格子24が基板12に埋め込まれて形成され、
この上にn−InPの第3クラッド層82が配設され、
この第3クラッド層82を介してレーザn側光閉込層1
4、分離部n側光閉込層30及び変調器部n側光閉込層
38が配設されている。
【0063】実施の形態2 この実施の形態2は、分離部導波路36及び変調器部導
波路44を同時にバットジョイント法により再結晶成長
で形成するに際して、活性層16のバンドギャップエネ
ルギーより光吸収層40のバンドギャップエネルギーを
大きくし、光吸収層40よりも光導波層32のバンドギ
ャップエネルギーをさらに大きくするために選択成長に
よって光導波層32を含む分離部導波路36と光吸収層
40を含む変調器部導波路44の層の厚みを変えたもの
である。
【0064】実施例1 図15はこの実施の形態2に係る実施例1の変調器付半
導体レーザの断面図である。図15において、90は変
調器付半導体レーザである。図2と同じ符号は同じ部分
又は相当する部分を示している。変調器付半導体レーザ
90においては、分離部導波路36と変調器部導波路4
4の、分離部n側光閉込層30と変調器部n側光閉込層
38、光導波層32と光吸収層40、及び分離部p側光
閉込層34と変調器部p側光閉込層42がそれぞれ同時
に選択成長で形成されたバルク結晶構造を成している。
【0065】分離部導波路36の各層の厚みはレーザ導
波路20の側で薄く、変調器部導波路44の側で厚くな
っている。分離部導波路36とレーザ導波路20とは再
結晶界面の接合面を介して各層の厚みがそれぞれ同じに
なるように接続している。次にこの実施の形態2に係る
変調器付半導体レーザ90の製造方法を説明する。図1
6、図18は各工程を示す素子の断面図、図17は一工
程を示す素子の斜視図である。
【0066】図16において、まずn−InPの基板1
2上にMOCVD法により、レーザn側光閉込層14と
してのn−InGaAsP層、活性層16としてのアン
ドープInGaAsP−MQW層、レーザp側光閉込層
18としてのp−InGaAsP層を順次積層しこの表
面上に、SiO2やSiNなどの絶縁膜92を形成す
る。この工程の結果が図16である。
【0067】次に図17において、この絶縁膜92を写
真製版工程及びエッチング工程により、レーザ導波路2
0を形成するためのストライプ状の絶縁膜94と、この
絶縁膜94のレーザ出射端面側にストライプ形状を設定
し、このストライプ形状を介して、このストライプ形状
の長手両側面に延在する台形状の一対の絶縁膜96が形
成される。この絶縁膜96は絶縁膜94に近接する側で
台形の幅が狭く絶縁膜94から離れるに伴って次第に広
くなり所定の位置から一様な幅となっている。この幅が
変化する部分が、分離部導波路36に対応することにな
る。この絶縁膜94及び絶縁膜96をマスクとして基板
12が露呈するまでエッチングを行う。この工程の結果
が図17である。
【0068】次に絶縁膜94及び絶縁膜96をマスクと
して残した状態で、MOCVD法による選択成長より、
分離部n側光閉込層30と変調器部n側光閉込層38と
しての n−InGaAsP層、光導波層32と光吸収
層40としての InGaAsP層及び分離部p側光閉
込層34と変調器部p側光閉込層42としてのp− I
nGaAsP層を順次積層する。この選択成長により一
対の絶縁膜96に挟まれたストライプ状の部分では、絶
縁膜96の幅が順次広がるに従って積層の厚みが厚くな
るように変化し、絶縁膜96の幅が一様になったところ
で層の厚み一定になるように積層される。この工程の結
果が図18(a)である。図18(a)は図17のXV
IIIA − XVIIIA位置での断面である。
【0069】次に絶縁膜94及び絶縁膜96を除去し、
レーザ部p側光閉込層18、分離部p側光閉込層34及
び変調器部p側光閉込層42の上に第1クラッド層22
としてのp−InP層を形成し、レーザ部Cの活性層1
6に対応して回折格子24を形成し、次いで第1クラッ
ド層22としてのp−InP層で回折格子24を埋め込
む。この工程の結果が図18(b)である。次いで、導
波路のリッジ形成を行う。以降の製造工程は実施の形態
1に示した工程にしたがって素子を形成する。
【0070】実施例1の製造方法の変形例 分離部導波路36及び変調器部導波路44をバットジョ
イント法による選択成長により形成する製造方法の他の
変形例について説明する。図19,図21は一工程の素
子を示す斜視図、図20,図22は製造工程を示す素子
の断面図である。
【0071】まず図19において、基板12上に分離部
導波路36及び変調器部導波路44を形成するための選
択成長マスクを形成する。すなわち基板12上に絶縁膜
を形成し、出射端面側分離部導波路36及び変調器部導
波路44の導波路形状に対応したストライプ形状を設定
し、このストライプ形状を介してこのストライプ形状の
長手両側面に延在する台形状の一対の絶縁膜96が写真
製版工程及びエッチングにより形成される。この絶縁膜
96は基板12の内部側で台形の幅が狭く出射端面に近
づくにつれて次第に広くなり一様な幅となっている。こ
の幅が変化する部分が、分離部導波路36に対応するこ
とになる。この工程の結果が図19である。
【0072】次に図20において、この絶縁膜96を選
択成長マスクとしてMOCVD法により、分離部n側光
閉込層30と変調器部n側光閉込層38としての n−
InGaAsP層、光導波層32と光吸収層40として
の InGaAsP層及び分離部p側光閉込層34と変
調器部p側光閉込層42としてのp− InGaAsP
層を順次積層する。この選択成長により一対の絶縁膜9
6に挟まれたストライプ形状の部分では、出射端面側の
絶縁膜96の幅が一様であるところで層の厚み一定で、
この絶縁膜96の幅が一様であるところから基板12内
部に向かって絶縁膜96の幅が順次狭くなるに従って積
層の厚みが薄くなるように積層される。この工程の結果
が図20(a)である。
【0073】次に、絶縁膜96を除去し、改めて絶縁膜
を形成し写真製版工程とエッチングにより、先の一対の
絶縁膜96に挟まれたストライプ形状の部分に、この部
分以下の幅を有し先の絶縁膜96と同じ長さのストライ
プ状の絶縁膜98を形成し(図20(b))、この絶縁
膜98をマスクとして分離部導波路36及び変調器部導
波路44を残し基板12が露呈するまでエッチングす
る。この工程の結果が図20(c)である。またこの工
程での素子の斜視図が図21である。
【0074】次に絶縁膜98をマスクとして残したまま
で、レーザn側光閉込層14としてのn−InGaAs
P層、活性層16としてのInGaAsP−MQW層、
レーザp側光閉込層18としてのp−InGaAsP層
を基板12上に順次積層する。この工程の結果が図22
(a)である。この後、絶縁膜98を除去し、分離部p
側光閉込層34と変調器部p側光閉込層42とレーザp
側光閉込層18の表面上に、第1クラッド層22として
のp−InP層を形成し、レーザ部Cの活性層に対応し
て回折格子24を形成する。この工程の結果が図22
(b)である。図22は図21のXXII−XXII断
面位置での断面図である。次いで第1クラッド層22で
回折格子24を埋め込み、導波路のリッジ形成を行う。
以降の製造工程はの実施の形態1に示した工程にしたが
って素子を形成する。
【0075】実施例2 またこの実施の形態2の上記説明においては、回折格子
24はp−InP層に設けた構成であったが、回折格子
24は、基板側のn−InP層に設けてもよい。図23
はこの実施の形態2の実施例2を示す断面図である。図
23において、回折格子24がn−InPの第3クラッ
ド層82に埋め込まれ、この第3クラッド層82が、レ
ーザn側光閉込層14、分離部n側光閉込層30及び変
調器部n側光閉込層38と基板12との間に配設されて
いる。図24はこの実施例2の他の変形例を示す断面図
である。図24においては、回折格子24が基板12に
埋め込まれて形成され、この上にn−InPの第3クラ
ッド層82が配設され、この第3クラッド層82を介し
てレーザn側光閉込層14、分離部n側光閉込層30及
び変調器部n側光閉込層38が配設されている。
【0076】図23に示した実施例2の製造方法を説明
する。図25は製造工程を示す素子の断面図である。ま
ず図25において、基板12上にレーザ導波路20を形
成する端面側に回折格子24を形成し、この回折格子2
4を第3クラッド層82としてのn−InP層で埋め込
む。この後は実施例1の製造方法の変形例と同様の製造
方法で、選択成長マスクを使用したMOCVD法によ
り、分離部n側光閉込層30及び変調器部n側光閉込層
38としてのn−InGaAsP層、光導波層32と光
吸収層40としての InGaAsP層及び分離部p側
光閉込層34と変調器部p側光閉込層42としてのp−
InGaAsP層を順次積層する。この結果を示すのが
図25(a)である。
【0077】次に絶縁膜96を除去し、改めて絶縁膜を
形成し写真製版工程とエッチングにより、先の一対の絶
縁膜96に挟まれたストライプ形状の部分に、この部分
以下の幅を有し先の絶縁膜96と同じ長さのストライプ
状の絶縁膜98を形成し(図25(b)参照)、この絶
縁膜98をマスクとして分離部導波路36及び変調器部
導波路44を残しエッチングするのであるが、このとき
実施例1の製造方法の変形例では基板12が露呈するま
でエッチングするのであるが、実施例2では回折格子2
4が基板12上に形成されているので、第3クラッド層
82としてのn−InP層が露呈するところで停止する
(図26(a))。ついで絶縁膜98をマスクとして残
したままで、この第3クラッド層82としてのn−In
P層の上に、レーザn側光閉込層14としてのn−In
GaAsP層、活性層16としてのInGaAsP−M
QW層、およびレーザp側光閉込層18としてのp−I
nGaAsP層を、第3クラッド層82としてのn−I
nP層上に順次積層する。
【0078】この後、絶縁膜98を除去し、分離部p側
光閉込層34と変調器部p側光閉込層42とレーザp側
光閉込層18の表面上に、第1クラッド層22としての
p−InP層を形成する(図26(b))。以降の製造
工程はの実施の形態1に示した工程にしたがって素子を
形成する。このように構成された変調器付半導体レーザ
90においては、分離部導波路36及び変調器部導波路
44を同時にバットジョイント法により再結晶成長で形
成するので、光導波層32及び光吸収層40がバルク結
晶構造になり、電界による吸収係数の変化が小さく、か
つ吸収係数の変化による屈折率の変化が少ない変調器と
することができ、屈折率変化による波長変動を小さくで
き長距離伝送に有利とすることができる。さらに分離部
Bの光導波層32をバルク結晶構造にすることにより、
電界による吸収係数の変化が小さいので、漏れ電界があ
ったとしても光吸収量の変化を小さくすることができ、
低周波(数GHz)における周波数特性の劣化を低減で
きる。
【0079】また分離部導波路36及び変調器部導波路
44を選択成長により同時に形成しつつ、分離部導波路
36の層の厚みをレーザ導波路層20側で薄く、変調器
部導波路44側で厚くなるようにすることにより、光導
波層32のバンドギャップエネルギーを光吸収層40の
バンドギャップエネルギーより大きくすることにより光
の吸収を低減しつつ周波数変動を小さくすることができ
る。
【0080】更に分離部導波路36及び変調器部導波路
44の各層を選択成長により同時に形成することができ
るので、製造工程を少なく簡単に形成することができ
る。以上の説明においては、光導波層32及び光吸収層
40をバルク結晶構造とする構成について説明したが、
光導波層32及び光吸収層40をMQWで構成し、イオ
ン注入の程度を変えて混晶化し、光導波層32のバンド
ギャップエネルギーを光吸収層40のバンドギャップエ
ネルギーより大きくしてもよい。これにより、光導波層
32及び光吸収層40を簡単にバルク構成とすることが
できる。実施の形態1及び2において、レーザ部Cの活
性層16をMQWとしたが、バルク結晶構造としても同
様の効果を得ることができる。
【0081】
【発明の効果】この発明に係る変調器集積型半導体レー
ザ装置は以上に説明したような構成を備えているので、
以下のような効果を有する。この発明に係る変調器集積
型半導体レーザ装置においては、活性層を有するリッジ
状の第一の導波路と、この第一の導波路の延長方向にこ
の第一の導波路と連続し活性層よりもバンドギャップエ
ネルギーの大きいバルク構造の光導波層を有するリッジ
状の第二の導波路と、この第二の導波路の延長方向にこ
の第二の導波路と連続し活性層のバンドギャップエネル
ギーよりも大きく光導波層のバンドギャップエネルギー
よりも小さいバルク構造の光吸収層を有するリッジ状の
第三の導波路と、第一、第二及び第三の導波路上に配設
された第二導電型半導体の第一クラッド層または半導体
基板と第一、第二及び第三の導波路との間に配設され、
第一の導波路に沿って配設された回折格子を含むリッジ
状の第二のクラッド層と、を有する構成を備えることに
より、変調器に印加される変調信号による電界変動によ
って変化する吸収係数の変動を小さくし、吸収係数変化
による変調器の屈折率変化を小さくするとともに、漏れ
電界による分離領域の光導波層での光の吸収を少なくす
ることと相俟って、周波数特性を良好にすることがで
き、周波数特性の改善された変調器集積型半導体レーザ
装置を得ることができるという効果を有する。
【0082】さらに第二の導波路を第一の導波路と接合
面を介して連続させたので、レーザ部及び分離領域の設
計の自由度高く保ちながら周波数特性を良好にすること
ができ、所望の特性が得やすく周波数特性の改善された
変調器集積型半導体レーザ装置を得ることができるとい
う効果を有する。
【0083】さらに第三の導波路を第二の導波路と接合
面を介して連続させるとともに光導波層及び光吸収層を
ともにバルク結晶構造としたので、光の吸収を少なくし
て、周波数特性を良好にすることができ、高出力の変調
器集積型半導体レーザ装置を得ることができるという効
果を有する。
【0084】またさらに、光導波層および光吸収層をと
もにディスオーダリングによる混晶化された多重量子井
戸構造とし、光導波層の混晶化の程度を吸収層のそれよ
りも高くしたので、簡単な構成で安価な周波数特性の良
好な変調器集積型半導体レーザ装置を得ることができる
という効果を有する。
【0085】またさらに、第二の導波路を第一の導波路
に隣接する側よりも第三の導波路に隣接する側で厚い導
波路厚みを有するようにしたので、光の吸収を少なくし
て、周波数特性を良好にすることができ、高出力の変調
器集積型半導体レーザ装置を得ることができるという効
果を有する。
【0086】活性層を有するリッジ状の第一の導波路
と、この第一の導波路の延長方向にこの第一の導波路と
接合面を介して連続し活性層よりもバンドギャップエネ
ルギーの大きい光導波層を有するリッジ状の第二の導波
路と、この第二の導波路の延長方向にこの第二の導波路
と接合面を介して連続し活性層のバンドギャップエネル
ギーよりも大きく光導波層のバンドギャップエネルギー
よりも小さい多重量子井戸構造の光吸収層を有するリッ
ジ状の第三の導波路と、これら第一、第二及び第三の導
波路上に配設された第二導電型半導体の第一クラッド層
と、この第一のクラッド層または半導体基板と第一、第
二及び第三の導波路との間に配設され、第一の導波路に
沿って配設された回折格子を含むリッジ状の第二のクラ
ッド層と、を備えたので、変調器に印加される変調信号
による漏れ電界変動の影響の少ない分離領域を備えて周
波数特性を良好にしかつ光の吸収を少なくしたので、周
波数の安定した高出力の変調器集積型半導体レーザ装置
を得ることができるという効果を有する。
【0087】さらに、光導波層をバルク結晶構造とし変
調器に印加される変調信号による電界変動の影響を少な
くしたので、周波数特性の良好な変調器集積型半導体レ
ーザ装置を得ることができるという効果を有する。また
さらに、光導波層を多重量子井戸構造としたので、光の
吸収を少なくしつつ、周波数特性の良好な変調器集積型
半導体レーザ装置を得ることができるという効果を有す
る。
【0088】この発明に係る変調器集積型半導体レーザ
装置の製造方法は、第一のクラッド層の表面上に、レー
ザの導波方向に延在し回折格子に重なるとともに半導体
基板の一部長さを全長とするストライプ状の第一の誘電
体膜を形成し、この第一の誘電体膜をマスクとして半導
体基板が露呈するまでエッチングし、第一の誘電体膜を
マスクとし、活性層よりもバンドギャップエネルギーの
大きい光導波層を有する第二の導波路層および第二導電
型半導体の第三のクラッド層を、エッチングで露呈した
半導体基板上に順次形成し、第一の誘電体膜を除去し、
第二のクラッド層及び第三のクラッド層の表面上に、第
一の誘電体膜の位置を含みさらにレーザの導波方向に延
長させたストライプ状の第二の誘電体膜を形成し、この
第二の誘電体膜をマスクとして半導体基板が露呈するま
でエッチングし、第二の誘電体膜をマスクとし、活性層
のバンドギャップエネルギーよりも大きく光導波層のバ
ンドギャップエネルギーよりも小さい半導体の光吸収層
を有する第三の導波路層および第二導電型半導体の第四
のクラッド層を、エッチングで露呈した半導体基板上に
順次形成する工程を含むので、第一、第二および第三の
導波路層それぞれを個別に結晶成長により形成できるか
ら、周波数特性の改善された変調器集積型半導体レーザ
装置を設計の自由度高く、容易に形成できるという効果
を有する。
【0089】また、第一のクラッド層の表面上に、レー
ザの導波方向に延在し回折格子に重なるとともに半導体
基板の一部長さを全長とするストライプ状の第一の誘電
体膜とこの第一の誘電体膜のレーザ導波方向の延長上の
ストライプ部分を介して互いに対向し第一の誘電体膜に
近接する端部を含む一部が他部より幅が狭い一対の第二
の誘電体膜とを形成し、これらの誘電体膜をマスクとし
て半導体基板が露呈するまでエッチングし、第一,第二
の誘電体膜をマスクとし、活性層よりもバンドギャップ
エネルギーの大きい半導体層を有する第二の導波路層お
よび第二導電型半導体の第三のクラッド層を、エッチン
グで露呈した半導体基板上に選択成長により順次形成す
る工程を含み、分離領域と変調器部の導波路を同時に形
成できるので、周波数特性の改善された変調器集積型半
導体レーザ装置を簡単な工程で形成できるという効果を
有する。
【0090】また、半導体基板の一主面上に、レーザの
導波方向に延在し半導体基板の長さの一部を全長とする
ストライプ形状を介して互いに対向しレーザの導波方向
の一端を含む一部が他部より幅が狭い形状をした一対の
第一の誘電体膜を形成し、この第一の誘電体膜をマスク
として半導体基板よりもバンドギャップエネルギーの小
さな第一の半導体層を有する第一の導波路層を選択成長
により形成し、第一の誘電体膜を除去し、一対の第一の
誘電体膜に挟まれて形成された第一の導波路層の表面上
の位置に、この第一の誘電体膜の長さに対応するストラ
イプ形状の第二の誘電体膜を形成し、この第二の誘電体
膜をマスクとして半導体基板が露呈するまでエッチング
し、第二の誘電体膜をマスクとし、第一の半導体層より
もバンドギャップエネルギーの小さい半導体の活性層を
有する第二の導波路層を、エッチングで露呈した半導体
基板上に選択成長により形成し、第二の誘電体膜を除去
し、第一,第二の導波路層の上に第二導電型半導体の第
一クラッド層および第二導電型半導体の光ガイド層を順
次形成し、光ガイド層をエッチングして活性層に対向す
る回折格子を形成する工程を含み分離領域と変調器部の
導波路を同時に形成できるので、周波数特性の改善され
た変調器集積型半導体レーザ装置を簡単な工程で形成で
きるという効果を有する。
【0091】また、第一導電型の半導体基板の一主面上
に、レーザの導波方向に延在し半導体基板の長さの一部
を全長とした回折格子を介して、第一導電型半導体の第
一のクラッド層が配設された積層構造を準備し、第一の
クラッド層の表面上に、回折格子先端よりレーザの導波
方向に延在するストライプ部分を介して互いに対向し回
折格子に近接する端部を含む一部が他部より幅が狭い一
対の第一の誘電体膜を形成し、この第一の誘電体膜をマ
スクとして第一の半導体層よりもバンドギャップエネル
ギーの小さい半導体の活性層を有する第一の導波路層
を、エッチングで露呈した半導体基板上に選択成長によ
り形成し、第一の導波路層の表面上に、一対の第一の誘
電体膜に挟まれた位置にこの第一の誘電体膜の長さに対
応するストライプ形状の第二の誘電体膜を形成し、この
第二の誘電体膜をマスクとして第一のクラッド層が露呈
するまでエッチングし、第二の誘電体膜をマスクとし、
第一の半導体層よりもバンドギャップエネルギーの小さ
い半導体の活性層を有する第二の導波路層を、半導体基
板上に選択成長により形成する工程を含み、基板側に回
折格子を備えた構成において、分離領域と変調器部の導
波路を一度に形成できるので、周波数特性の改善された
変調器集積型半導体レーザ装置を簡単な工程で形成でき
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る変調器付半導体レーザの一部
破断斜視図である。
【図2】 図1のII−II断面の断面図である。
【図3】 MQWの活性層の断面図である。
【図4】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程を
示す素子の断面図である。
【図5】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程を
示す素子の断面図である。
【図6】 この発明に係る変調器付レーザの一部工程の
素子の斜視図である。
【図7】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程を
示す素子の断面図である。
【図8】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程を
示す素子の断面図である。
【図9】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程を
示す素子の断面図である。
【図10】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程
を示す素子の断面図である。
【図11】 この発明に係る変調器付レーザのイオン注
入を示す工程の素子の断面図である。
【図12】 この発明に係る変調器付半導体レーザの断
面図である。
【図13】 この発明に係る変調器付半導体レーザの断
面図である。
【図14】 この発明に係る変調器付半導体レーザの断
面図である。
【図15】 この発明に係る変調器付半導体レーザの断
面図である。
【図16】 この発明に係る変調器付レーザの製造工
程を示す素子の断面図である。
【図17】 この発明に係る変調器付レーザの一部工程
の素子の斜視図である。
【図18】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程
を示す素子の断面図である。
【図19】 この発明に係る変調器付レーザの一部工程
の素子の斜視図である。
【図20】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程
を示す素子の断面図である。
【図21】 この発明に係る変調器付レーザの一部工程
の素子の斜視図である。
【図22】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程
を示す素子の断面図である。
【図23】 この発明に係る変調器付半導体レーザの
断面図である。
【図24】 この発明に係る変調器付半導体レーザの
断面図である。
【図25】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程
を示す素子の断面図である。
【図26】 この発明に係る変調器付レーザの製造工程
を示す素子の断面図である。
【図27】 従来の変調器付レーザの一部破断斜視図で
ある。
【図28】 図27のXXVIII−XXVIII断面
の断面図である。
【符号の説明】
12 基板、 16 活性層、 20 レーザ導波
路、 32 光導波層、 36 分離部導波路、
40 光吸収層、 44 変調器部導波路、 2
2 第1クラッド層、 26 第2クラッド層、
24 回折格子、 54 電流ブロック層、 62
p側レーザ電極、 64 p側変調器電極、 6
8 共通電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧口 透 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA13 BA01 CA04 DA16 DA22 DA25 EA03 EA07 EA08 EB04 HA14 KA18 5F073 AA22 AA45 AA64 AA74 AB21 BA01 CA12 DA05 DA14 DA15 EA14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、 この半導体基板の一主面上の一部に配設されるととも
    に、活性層を有するリッジ状の第一の導波路と、 この第一の導波路の延長方向にこの第一の導波路と連続
    して上記半導体基板上に配設されるとともに、上記活性
    層よりもバンドギャップエネルギーの大きいバルク構造
    の光導波層を有するリッジ状の第二の導波路と、 この第二の導波路の延長方向にこの第二の導波路と連続
    して上記半導体基板上に配設されるとともに、上記活性
    層のバンドギャップエネルギーよりも大きく上記第一の
    半導体層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバル
    ク構造の光吸収層を有するリッジ状の第三の導波路と、 これら第一、第二及び第三の導波路上に配設された第二
    導電型半導体の第一クラッド層と、 この第一のクラッド層または上記半導体基板と上記第
    一、第二及び第三の導波路との間に配設され、上記第一
    の導波路に沿って配設された回折格子を含むリッジ状の
    第二のクラッド層と、 上記第一、第二のクラッド層、上記第一、第二及び第三
    の導波路の両側の上記半導体基板上に配設された電流ブ
    ロック層と、 上記第一のクラッド層の上に上記活性層に対向して配設
    された第一の電極と、 この第一の電極と分離し、上記第一のクラッド層の上に
    上記光吸収層に対向して配設された第二の電極と、 上記半導体基板の他主面上に配設された第三の電極と、
    を備えた変調器集積型半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】第二の導波路が第一の導波路と接合面を介
    して連続したことを特徴とする請求項1記載の変調器集
    積型半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】第三の導波路が第二の導波路と接合面を介
    して連続するとともに光導波層及び光吸収層がともにバ
    ルク結晶構造であることを特徴とする請求項2記載の変
    調器集積型半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 光導波層および光吸収層がともにディス
    オーダリングによる混晶化された多重量子井戸構造で、
    光導波層の混晶化の程度が吸収層のそれよりも高いこと
    を特徴とする請求項1または2記載の変調器集積型半導
    体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 第二の導波路の光導波層が第一の導波路
    に隣接する側よりも第三の導波路に隣接する側で厚い層
    厚みを有することを特徴とする請求項2記載の変調器集
    積型半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 第1導電型の半導体基板と、 この半導体基板の一主面上の一部に配設されるととも
    に、活性層を有するリッジ状の第一の導波路と、 この第一の導波路の延長方向にこの第一の導波路と接合
    面を介して連続し上記半導体基板上に配設されるととも
    に、上記活性層よりもバンドギャップエネルギーの大き
    い光導波層を有するリッジ状の第二の導波路と、 この第二の導波路の延長方向にこの第二の導波路と接合
    面を介して連続し上記半導体基板上に配設されるととも
    に、上記活性層のバンドギャップエネルギーよりも大き
    く上記光導波層のバンドギャップエネルギーよりも小さ
    い多重量子井戸構造の光吸収層を有するリッジ状の第三
    の導波路と、 これら第一、第二及び第三の導波路上に配設された第二
    導電型半導体の第一クラッド層と、 この第一のクラッド層または上記半導体基板と上記第
    一、第二及び第三の導波路との間に配設され、上記第一
    の導波路に沿って配設された回折格子を含むリッジ状の
    第二のクラッド層と、 上記第一、第二のクラッド層、上記第一、第二及び第三
    の導波路の両側の上記半導体基板上に配設された電流ブ
    ロック層と、 上記第一のクラッド層の上に上記活性層に対向して配設
    された第一の電極と、 この第一の電極と分離し、上記第一のクラッド層の上に
    上記吸収層に対向して配設された第二の電極と、 上記半導体基板の他主面上に配設された第三の電極と、
    を備えた変調器集積型半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 光導波層がバルク結晶構造であることを
    特徴とする請求項6記載の変調器集積型半導体レーザ装
    置。
  8. 【請求項8】 光導波層が多重量子井戸構造であること
    を特徴とする請求項6記載の変調器集積型半導体レーザ
    装置。
  9. 【請求項9】 第一導電型の半導体基板の一主面上に、
    活性層を有する第一の導波路層とこの第一の導波路層の
    上に配設された第二導電型半導体の第一クラッド層とが
    配設され、この第一のクラッド層または半導体基板と上
    記第一の導波路層との間に、回折格子を埋設した所定の
    導電型の半導体の第二のクラッド層をさらに備えた積層
    構造を準備する第一の工程と、 第一のクラッド層の表面上に、レーザの導波方向に延在
    し回折格子に重なるとともに半導体基板の一部長さを全
    長とするストライプ状の第一の誘電体膜を形成し、この
    第一の誘電体膜をマスクとして半導体基板が露呈するま
    でエッチングする第二の工程と、 第一の誘電体膜をマスクとし、活性層よりもバンドギャ
    ップエネルギーの大きい光導波層を有する第二の導波路
    層および第二導電型半導体の第三のクラッド層を、エッ
    チングで露呈した半導体基板上に順次形成する第三の工
    程と、 第一の誘電体膜を除去し、第二のクラッド層及び第三の
    クラッド層の表面上に、第一の誘電体膜の位置を含みさ
    らにレーザの導波方向に延長させたストライプ状の第二
    の誘電体膜を形成し、この第二の誘電体膜をマスクとし
    て半導体基板が露呈するまでエッチングする第四の工程
    と、 第二の誘電体膜をマスクとし、活性層のバンドギャップ
    エネルギーよりも大きく光導波層のバンドギャップエネ
    ルギーよりも小さい半導体の光吸収層を有する第三の導
    波路層および第二導電型半導体の第四のクラッド層を、
    エッチングで露呈した半導体基板上に順次形成する第五
    の工程と、 第二の誘電体膜を除去し、第二のクラッド層、第三のク
    ラッド層及び第四のクラッド層の表面上に、第二の誘電
    体膜の位置を含みさらにレーザの導波方向に延長したス
    トライプ状の第三の誘電体膜を形成し、この第三の誘電
    体膜をマスクとして半導体基板が露呈するまでエッチン
    グしてリッジを形成し、エッチングで露呈した半導体基
    板上に電流ブロック層を形成する第六の工程と、を含む
    変調器集積型半導体レーザ装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 第一導電型の半導体基板の一主面上
    に、活性層を有する第一の導波路層とこの第一の導波路
    層の上に配設された第二導電型半導体の第一のクラッド
    層とが配設され、この第一のクラッド層または半導体基
    板と上記第一の導波路層との間に、回折格子を埋設した
    所定の導電型の半導体の第二のクラッド層をさらに備え
    た積層構造を準備する第一の工程と、 第一のクラッド層の表面上に、レーザの導波方向に延在
    し回折格子に重なるとともに半導体基板の一部長さを全
    長とするストライプ状の第一の誘電体膜とこの第一の誘
    電体膜のレーザ導波方向の延長上のストライプ部分を介
    して互いに対向し第一の誘電体膜に近接する端部を含む
    一部が他部より幅が狭い一対の第二の誘電体膜とを形成
    し、これらの誘電体膜をマスクとして半導体基板が露呈
    するまでエッチングする第二の工程と、 第一,第二の誘電体膜をマスクとし、活性層よりもバン
    ドギャップエネルギーの大きい半導体層を有する第二の
    導波路層および第二導電型半導体の第三のクラッド層
    を、エッチングで露呈した半導体基板上に選択成長によ
    り順次形成する第三の工程と、 第一,第二の誘電体膜を除去し、第二のクラッド層およ
    び第三のクラッド層の表面上に、第二の誘電体膜の位置
    を含みさらにレーザの導波方向に延長したストライプ状
    の第三の誘電体膜を形成し、この第三の誘電体膜をマス
    クとして半導体基板が露呈するまでエッチングしてリッ
    ジを形成し、エッチングで露呈した半導体基板上電流ブ
    ロック層を形成する第四の工程と、を含む変調器集積型
    半導体レーザ装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 第一導電型の半導体基板の一主面上
    に、レーザの導波方向に延在し半導体基板の長さの一部
    を全長とするストライプ形状を介して互いに対向しレー
    ザの導波方向の一端を含む一部が他部より幅が狭い形状
    をした一対の第一の誘電体膜を形成し、この第一の誘電
    体膜をマスクとして半導体基板よりもバンドギャップエ
    ネルギーの小さな第一の半導体層を有する第一の導波路
    層を選択成長により形成する第一の工程と、 第一の誘電体膜を除去し、一対の第一の誘電体膜に挟ま
    れて形成された第一の導波路層の表面上の位置に、この
    第一の誘電体膜の長さに対応するストライプ形状の第二
    の誘電体膜を形成し、この第二の誘電体膜をマスクとし
    て半導体基板が露呈するまでエッチングする第二の工程
    と、 第二の誘電体膜をマスクとし、第一の半導体層よりもバ
    ンドギャップエネルギーの小さい半導体の活性層を有す
    る第二の導波路層を、エッチングで露呈した半導体基板
    上に選択成長により形成する第三の工程と、 第二の誘電体膜を除去し、第一,第二の導波路層の上に
    第二導電型半導体の第一クラッド層および第二導電型半
    導体の光ガイド層を順次形成し、光ガイド層をエッチン
    グして活性層に対向する回折格子を形成し、第二導電型
    半導体の第二のクラッド層で前記回折格子を埋設する第
    四の工程と、 第二のクラッド層の上に、第二の誘電体膜の幅以下の幅
    でレーザの導波方向に延在し第一の半導体層と活性層を
    覆う長さをしたストライプ状の第三の誘電体膜を形成
    し、この第三の誘電体膜をマスクとして半導体基板が露
    呈するまでエッチングしてリッジを形成し、エッチング
    で露呈した半導体基板上に電流ブロック層を形成する第
    五の工程と、を含む変調器集積型半導体レーザ装置の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 第一導電型の半導体基板の一主面上
    に、レーザの導波方向に延在し半導体基板の長さの一部
    を全長とした回折格子を介して、第一導電型半導体の第
    一のクラッド層が配設された積層構造を準備する第一の
    工程と、 第一のクラッド層の表面上に、回折格子先端よりレーザ
    の導波方向に延在するストライプ部分を介して互いに対
    向し回折格子に近接する端部を含む一部が他部より幅が
    狭い一対の第一の誘電体膜を形成し、この第一の誘電体
    膜をマスクとして第一の半導体層よりもバンドギャップ
    エネルギーの小さい半導体の活性層を有する第一の導波
    路層を、エッチングで露呈した半導体基板上に選択成長
    により形成する第二の工程と、 第一の導波路層の表面上に、一対の第一の誘電体膜に挟
    まれた位置にこの第一の誘電体膜の長さに対応するスト
    ライプ形状の第二の誘電体膜を形成し、この第二の誘電
    体膜をマスクとして第一のクラッド層が露呈するまでエ
    ッチングする第二の工程と、 第二の誘電体膜をマスクとし、第一の半導体層よりもバ
    ンドギャップエネルギーの小さい半導体の活性層を有す
    る第二の導波路層を、半導体基板上に選択成長により形
    成する第三の工程と、 残存する誘電体膜を除去し、第一,第二の導波路層上に
    第二のクラッド層を形成する工程と、 第二のクラッド層の上に、第二の誘電体膜の幅以下の幅
    でレーザの導波方向に延在し第一の半導体層と活性層を
    覆う長さをしたストライプ状の第三の誘電体膜を形成
    し、この第三の誘電体膜をマスクとして半導体基板が露
    呈するまでエッチングしてリッジを形成し、エッチング
    で露呈した半導体基板上に電流ブロック層を形成する第
    五の工程と、を含む変調器集積型半導体レーザ装置の製
    造方法。
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