JP3345299B2 - 量子井戸電気光学変調器 - Google Patents
量子井戸電気光学変調器Info
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- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/015—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour based on semiconductor elements with at least one potential jump barrier, e.g. PN, PIN junction
- G02F1/017—Structures with periodic or quasi periodic potential variation, e.g. superlattices, quantum wells
- G02F1/01708—Structures with periodic or quasi periodic potential variation, e.g. superlattices, quantum wells in an optical wavequide structure
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y20/00—Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電子構成要素(コ
ンポーネント)の分野に関し、より詳細には半導体電気
光学変調器に関する。
ンポーネント)の分野に関し、より詳細には半導体電気
光学変調器に関する。
【0002】これらの構成要素は光ファイバによる伝送
システム内で使用される。これらの要素は例えば発信器
を構成し、光搬送波のパワーまたは位相を変調するのに
用いられる。パワーを変調するために、例えば変調器内
蔵型レーザの形態のレーザ発振器に結合されたパワー変
調器を直接使用することができる。また、マッハ−ツェ
ンダー構造などの干渉計構造内に設置された位相変調器
を介しても、パワーを変調することができる。
システム内で使用される。これらの要素は例えば発信器
を構成し、光搬送波のパワーまたは位相を変調するのに
用いられる。パワーを変調するために、例えば変調器内
蔵型レーザの形態のレーザ発振器に結合されたパワー変
調器を直接使用することができる。また、マッハ−ツェ
ンダー構造などの干渉計構造内に設置された位相変調器
を介しても、パワーを変調することができる。
【0003】
【従来の技術】電気光学変調器は通常、III−V族元
素の基板上に「p−i−n」とよばれる構造、すなわち
n型の導電性をもつようにドープされた基板と、非ドー
プ活性層と、p型の導電性をもつようにドープされた層
とを連続して含む構造でつくられる。このアセンブリ
は、送信すべきデータに従って変調された制御電圧によ
り、逆方向にバイアスされる。
素の基板上に「p−i−n」とよばれる構造、すなわち
n型の導電性をもつようにドープされた基板と、非ドー
プ活性層と、p型の導電性をもつようにドープされた層
とを連続して含む構造でつくられる。このアセンブリ
は、送信すべきデータに従って変調された制御電圧によ
り、逆方向にバイアスされる。
【0004】制御電圧の振幅を小さくするために、一連
の井戸およびポテンシャル障壁からなる「量子井戸」と
呼ばれる構造を有する活性層が通常使われる。
の井戸およびポテンシャル障壁からなる「量子井戸」と
呼ばれる構造を有する活性層が通常使われる。
【0005】この構造を有する変調器は、パワー変調器
または位相変調器として使用することができる。前者の
場合、制御電圧は活性層内の光パワーの吸収を変調する
ことを主なねらいとする。後者の場合、電圧はこの層の
屈折率を変調する。
または位相変調器として使用することができる。前者の
場合、制御電圧は活性層内の光パワーの吸収を変調する
ことを主なねらいとする。後者の場合、電圧はこの層の
屈折率を変調する。
【0006】光伝送システムの性能を向上させるため
に、例えば40Gb/秒というようにきわめて高いビッ
トレートでの動作が可能な変調器をつくる試みがなされ
ている。従って、受信器のレベルにおいて正しい検出が
できるように、可能な限り高い光波の変調率を保ちつつ
高い周波数で動作することができる変調器を設計するこ
とが望ましい。また変調器は、例えば10mW程度の高
い光パワーの搬送波を変調することができることが望ま
しい。
に、例えば40Gb/秒というようにきわめて高いビッ
トレートでの動作が可能な変調器をつくる試みがなされ
ている。従って、受信器のレベルにおいて正しい検出が
できるように、可能な限り高い光波の変調率を保ちつつ
高い周波数で動作することができる変調器を設計するこ
とが望ましい。また変調器は、例えば10mW程度の高
い光パワーの搬送波を変調することができることが望ま
しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが前述のp−i
−n構造の場合、二種類の限界に直面する。第一の限界
は、変調すべき投入光パワーが増加した時、パワー変調
器の消衰率を少なくしようと作用する飽和現象によるも
のである。位相変調器の場合も、屈折率の変調率の低下
という形態で同様の飽和現象がみられる。量子井戸構造
においては、この飽和は井戸内に正孔が蓄積することが
原因であり、この蓄積により井戸内の電界が減少する。
その結果光パワーが増加すると、変調器の通過帯域が著
しく減少する。なぜならば、正孔内の捕捉時間が増加す
るからである。
−n構造の場合、二種類の限界に直面する。第一の限界
は、変調すべき投入光パワーが増加した時、パワー変調
器の消衰率を少なくしようと作用する飽和現象によるも
のである。位相変調器の場合も、屈折率の変調率の低下
という形態で同様の飽和現象がみられる。量子井戸構造
においては、この飽和は井戸内に正孔が蓄積することが
原因であり、この蓄積により井戸内の電界が減少する。
その結果光パワーが増加すると、変調器の通過帯域が著
しく減少する。なぜならば、正孔内の捕捉時間が増加す
るからである。
【0008】非常に低い光パワーであっても発生する通
過帯域の第二の限界は、使用する構造の浮遊容量を原因
とする。浮遊容量は、構成要素の両電極間に存在するp
−i−n接合の容量が原因の一部となっている。
過帯域の第二の限界は、使用する構造の浮遊容量を原因
とする。浮遊容量は、構成要素の両電極間に存在するp
−i−n接合の容量が原因の一部となっている。
【0009】飽和パワーを改善するために、電圧拘束障
壁を有する多重量子井戸を使用する変調器をつくること
が提案された。この解決方法によれば、井戸内の正孔の
捕捉時間を減らすことにより飽和パワーを増加させるこ
とが可能である。
壁を有する多重量子井戸を使用する変調器をつくること
が提案された。この解決方法によれば、井戸内の正孔の
捕捉時間を減らすことにより飽和パワーを増加させるこ
とが可能である。
【0010】別の解決方法は、例えば100μm未満の
きわめて短い長さの変調器をつくることから成る。ただ
し変調率を犠牲にして通過帯域の拡大を行う。
きわめて短い長さの変調器をつくることから成る。ただ
し変調率を犠牲にして通過帯域の拡大を行う。
【0011】p−i−n接合による浮遊容量を制限する
ために、活性層を構成する井戸の数を増やすことによ
り、活性層の厚さを増やす試みを行うことができる。こ
の解決方法により確かに容量は減少するが、透過状態に
おける変調器の吸収損の増加が発生する。この欠点は、
前記に説明した電圧拘束障壁を有する多重量子井戸構造
の場合にも発生する。
ために、活性層を構成する井戸の数を増やすことによ
り、活性層の厚さを増やす試みを行うことができる。こ
の解決方法により確かに容量は減少するが、透過状態に
おける変調器の吸収損の増加が発生する。この欠点は、
前記に説明した電圧拘束障壁を有する多重量子井戸構造
の場合にも発生する。
【0012】本発明は前記の二つの問題を最良の状態で
解消することを目的とする。
解消することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明
は、半導体構造の両側に配設された二つの電極を含む電
気光学変調器であって、前記構造が、III−V族元素
の基板上に形成され、 − 前記III−V族元素から成り、n型の導電性をも
つようにドープされた第一層と、 − 前記III−V族元素から成り、p型の導電性をも
つようにドープされた第二層と、 − 前記第一層と第二層との間に配設され、一連の量子
井戸およびポテンシャル障壁から成る、前記第二層に隣
接する活性層とを含み、 前記電極間に存在する電気容量を減らすために、活性層
の厚さの半分以上の厚さを有する非ドープIII−V族
元素から成る第三層が前記活性層と前記第一層との間に
配設されることを特徴とする電気光学変調器を対象とす
る。
は、半導体構造の両側に配設された二つの電極を含む電
気光学変調器であって、前記構造が、III−V族元素
の基板上に形成され、 − 前記III−V族元素から成り、n型の導電性をも
つようにドープされた第一層と、 − 前記III−V族元素から成り、p型の導電性をも
つようにドープされた第二層と、 − 前記第一層と第二層との間に配設され、一連の量子
井戸およびポテンシャル障壁から成る、前記第二層に隣
接する活性層とを含み、 前記電極間に存在する電気容量を減らすために、活性層
の厚さの半分以上の厚さを有する非ドープIII−V族
元素から成る第三層が前記活性層と前記第一層との間に
配設されることを特徴とする電気光学変調器を対象とす
る。
【0014】以下の説明において詳細に説明するよう
に、高い光パワーの飽和現象については半導体構造内の
第三層の位置が決定因子である。
に、高い光パワーの飽和現象については半導体構造内の
第三層の位置が決定因子である。
【0015】光学損を最小にするために、第三層が、変
調器によって変調される波の波長で透過性である組成を
有するようにする。
調器によって変調される波の波長で透過性である組成を
有するようにする。
【0016】個別の実施形態によれば第三層は基板と同
じ元素から成る。実際、この解決方法により製造方法の
簡潔化をはかることができる。
じ元素から成る。実際、この解決方法により製造方法の
簡潔化をはかることができる。
【0017】個別の実施例によれば、第三層は活性層お
よび第一層に直接接触している。
よび第一層に直接接触している。
【0018】本発明の他の側面および長所は、添付の図
面を参照して行う以下の説明において明らかになろう。
面を参照して行う以下の説明において明らかになろう。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、従来の構造の半導体電気
光学変調器を示す略図である。変調器は、たとえばリン
化インジウムなどのIII−V族元素の基板上でつくら
れる。半導体構造の主な構成要素は、通常基板で構成さ
れるnドープ第一層と、活性層CAと、pドープ第二層
3である。
光学変調器を示す略図である。変調器は、たとえばリン
化インジウムなどのIII−V族元素の基板上でつくら
れる。半導体構造の主な構成要素は、通常基板で構成さ
れるnドープ第一層と、活性層CAと、pドープ第二層
3である。
【0020】図示例は、光導波路の幅を規定する幅wの
帯しか残らないようにするために第二層3が側面に食刻
された「リッジ」と呼ばれる構造を有する。活性層CA
は、ポテンシャル障壁によって分離される複数の量子井
戸から成る。第一層2は、下部電極K2を形成するよう
金属化層で覆われる。第二層3は、リッジの隣の構成要
素上に設置された接点端子K1と電気的に接触している
別の金属化層4に接触層を介して覆われる。接点端子K
1は、接点端子K1と下側電極K2との間の浮遊容量を
減少させるのに十分な厚さの誘電層5によって、活性層
CAから絶縁される。
帯しか残らないようにするために第二層3が側面に食刻
された「リッジ」と呼ばれる構造を有する。活性層CA
は、ポテンシャル障壁によって分離される複数の量子井
戸から成る。第一層2は、下部電極K2を形成するよう
金属化層で覆われる。第二層3は、リッジの隣の構成要
素上に設置された接点端子K1と電気的に接触している
別の金属化層4に接触層を介して覆われる。接点端子K
1は、接点端子K1と下側電極K2との間の浮遊容量を
減少させるのに十分な厚さの誘電層5によって、活性層
CAから絶縁される。
【0021】構成要素が変調器として作動するために、
構成要素は、平均を中心として変調可能な電圧Uによ
り、逆方向にバイアスされる。本来の意味での半導体構
造による浮遊容量は主に、空乏とされた層の厚さすなわ
ち活性層CAの厚さd0によって決まる。
構成要素は、平均を中心として変調可能な電圧Uによ
り、逆方向にバイアスされる。本来の意味での半導体構
造による浮遊容量は主に、空乏とされた層の厚さすなわ
ち活性層CAの厚さd0によって決まる。
【0022】より正確には、容量Coは式C0=εLw
/d0によって与えられる。ここで、 − εは活性層の誘電率、 − Lは構成要素の長さ、 − wは導波路の幅、 − d0は活性層の厚さである。
/d0によって与えられる。ここで、 − εは活性層の誘電率、 − Lは構成要素の長さ、 − wは導波路の幅、 − d0は活性層の厚さである。
【0023】従って、この容量しか考慮に入れなけれ
ば、抵抗Rによって負荷された変調器のカットオフ周波
数f0は、f0=1/2πRC0=d0/(2πRεL
w)となる。
ば、抵抗Rによって負荷された変調器のカットオフ周波
数f0は、f0=1/2πRC0=d0/(2πRεL
w)となる。
【0024】従って、空乏とされた層の厚さが値dlだ
け大きくなると、 fl=f0(1+dl/d0) の式で与えられる新規カットオフ周波数が得られる。
け大きくなると、 fl=f0(1+dl/d0) の式で与えられる新規カットオフ周波数が得られる。
【0025】この結果を得るために、図2により構造を
変えることができる。図示するように、活性層CAと上
層3との間に厚さdlの非ドープ層5が置かれる。この
配置を選択するのは、より近い電極すなわち上層と接触
している電極から活性層CAを遠ざけるのが有利である
という事実に基く。層5の組成は、構成要素によって変
調される波に対し透過性が確保されるように選択するの
が有利である。最も簡単な選択は基板と同じ組成を採用
することであり、そうすることにより、光学特性はこの
追加層によっていささかも変わらない。
変えることができる。図示するように、活性層CAと上
層3との間に厚さdlの非ドープ層5が置かれる。この
配置を選択するのは、より近い電極すなわち上層と接触
している電極から活性層CAを遠ざけるのが有利である
という事実に基く。層5の組成は、構成要素によって変
調される波に対し透過性が確保されるように選択するの
が有利である。最も簡単な選択は基板と同じ組成を採用
することであり、そうすることにより、光学特性はこの
追加層によっていささかも変わらない。
【0026】もちろん厚さdlの選択は、得ようとする
通過帯域の利得によって変わる。例えば、d0の少なく
とも半分に等しいdlを選択することによりこの利得は
50%を超える値になる。また、容量値は空乏とされた
層の合計厚さだけに依存することと、この厚さは構成要
素の電極間に印加される電圧に依存することとを考慮す
ることにより、厚さdlの最大限度値を規定することが
できる。
通過帯域の利得によって変わる。例えば、d0の少なく
とも半分に等しいdlを選択することによりこの利得は
50%を超える値になる。また、容量値は空乏とされた
層の合計厚さだけに依存することと、この厚さは構成要
素の電極間に印加される電圧に依存することとを考慮す
ることにより、厚さdlの最大限度値を規定することが
できる。
【0027】次に、高パワー吸収の飽和現象について検
討することにする。種々のバイアス電圧値Uに関して投
入光パワーに応じた吸収係数の変化を想定することがで
きる。図3は、図2の構造の場合における投入光パワー
Peに応じた吸収係数αの変化を示す図である。吸収係
数αは、活性層により同層内を伝送される光パワーの単
位伝播長さあたりの相対減少と定義される。横軸におけ
るPeは導波路の単位幅当たりの光パワーである。ここ
ではパワーPeはW/cmで示してあり、吸収はcm-1
で示してある。図は、それぞれ0V、1V、2.5V、
3V、4Vに等しいバイアス電圧Uに相当する五つの曲
線を示す。
討することにする。種々のバイアス電圧値Uに関して投
入光パワーに応じた吸収係数の変化を想定することがで
きる。図3は、図2の構造の場合における投入光パワー
Peに応じた吸収係数αの変化を示す図である。吸収係
数αは、活性層により同層内を伝送される光パワーの単
位伝播長さあたりの相対減少と定義される。横軸におけ
るPeは導波路の単位幅当たりの光パワーである。ここ
ではパワーPeはW/cmで示してあり、吸収はcm-1
で示してある。図は、それぞれ0V、1V、2.5V、
3V、4Vに等しいバイアス電圧Uに相当する五つの曲
線を示す。
【0028】例えば1ないし4ボルトの間で変調される
電圧Uを印加すると、光パワーPeが増加するならば消
衰率が大きく減少することがわかる。
電圧Uを印加すると、光パワーPeが増加するならば消
衰率が大きく減少することがわかる。
【0029】この減少を説明するには、当該構造に関す
るエネルギー帯域の線図を想定することが望ましい。
るエネルギー帯域の線図を想定することが望ましい。
【0030】図4は、投入光パワーが零の場合のこのよ
うな線図を示す図である。図は、図2の構造内における
垂直位置zの変化にともなう伝導帯Ecの下部および価
電子帯Evの上部を示す。縦軸Eは、単位を電子ボルト
とする電子のエネルギーを示し、エネルギーのレベル0
は、上層3のフェルミレベルに相当する。曲線はU=
2.5ボルトの場合に相当する。
うな線図を示す図である。図は、図2の構造内における
垂直位置zの変化にともなう伝導帯Ecの下部および価
電子帯Evの上部を示す。縦軸Eは、単位を電子ボルト
とする電子のエネルギーを示し、エネルギーのレベル0
は、上層3のフェルミレベルに相当する。曲線はU=
2.5ボルトの場合に相当する。
【0031】図は、層3(曲線の左側部分)内にある基
準点から層2(曲線の右側部分)の方向へのレベルEc
およびEvの推移を示す。非ドープ層5内ではレベルE
cおよびEvは一次関数的に変化し、次に活性層CAの
量子井戸構造内では周期的変化を示す。図示例によれ
ば、活性層CAは、ポテンシャル障壁Biによって分離
される8個の量子井戸Qiを含む。
準点から層2(曲線の右側部分)の方向へのレベルEc
およびEvの推移を示す。非ドープ層5内ではレベルE
cおよびEvは一次関数的に変化し、次に活性層CAの
量子井戸構造内では周期的変化を示す。図示例によれ
ば、活性層CAは、ポテンシャル障壁Biによって分離
される8個の量子井戸Qiを含む。
【0032】構成要素の吸収効率は、活性層の量子井戸
内に存在する電界の振幅に直接関係する。この振幅はこ
れら井戸内の曲線Ecの勾配に相当する。図4でわかる
ように、投入光パワーが零の時は電界の大きさは一定で
ある。
内に存在する電界の振幅に直接関係する。この振幅はこ
れら井戸内の曲線Ecの勾配に相当する。図4でわかる
ように、投入光パワーが零の時は電界の大きさは一定で
ある。
【0033】一方、変調器の活性層内に、例えば1cm
あたり2ワット程度の高い光パワーを投入すると、曲線
EcおよびEvは図5に示すように変形する。その場
合、量子井戸内の電界の平均振幅は低くなり、これによ
り吸収の飽和現象の説明がつく。
あたり2ワット程度の高い光パワーを投入すると、曲線
EcおよびEvは図5に示すように変形する。その場
合、量子井戸内の電界の平均振幅は低くなり、これによ
り吸収の飽和現象の説明がつく。
【0034】図6は、活性層CAと第一層2との間に非
ドープ層6を設置した別の半導体構造を示す。
ドープ層6を設置した別の半導体構造を示す。
【0035】図7は、図6の構造の場合のエネルギー帯
の線図である。この線図は、図5の場合に印加されるの
と同じ光パワーに相当する。曲線EcおよびEvは量子
井戸内の電界の振幅の拡大を示す変形を有することがわ
かる。これにより吸収の効果が向上するものと思われ
る。
の線図である。この線図は、図5の場合に印加されるの
と同じ光パワーに相当する。曲線EcおよびEvは量子
井戸内の電界の振幅の拡大を示す変形を有することがわ
かる。これにより吸収の効果が向上するものと思われ
る。
【0036】この新しい構造について投入光パワーPe
に応じて吸収係数αの値をプロットすることにより、期
待する改善を検証することができる。対応する曲線を図
8に示す。図8の曲線を図3の対応する曲線と比較する
ことにより、例えば1ないし4ボルトの電圧Uの変調に
ついての消衰率を確認することができる。光パワーPe
が高くなればなるほど改善も顕著になる。
に応じて吸収係数αの値をプロットすることにより、期
待する改善を検証することができる。対応する曲線を図
8に示す。図8の曲線を図3の対応する曲線と比較する
ことにより、例えば1ないし4ボルトの電圧Uの変調に
ついての消衰率を確認することができる。光パワーPe
が高くなればなるほど改善も顕著になる。
【0037】当該二つの構造についての光パワーに応じ
た活性層の屈折率nの変化を示す曲線は、図3および図
8の曲線と同様である。従って、本発明による構造は位
相変調器動作も改善する。
た活性層の屈折率nの変化を示す曲線は、図3および図
8の曲線と同様である。従って、本発明による構造は位
相変調器動作も改善する。
【0038】例として、上述の曲線に相当する個別実施
例の特性を以下に示す。
例の特性を以下に示す。
【0039】− 基板2:SiドープInP(1018電
子/cm3) − 層3:BeドープInP(1018正孔/cm3) − 層6:非ドープInP(残留ドーピング=2.10
15電子/cm3) − 活性層CA:量子井戸数8、ポテンシャル障壁数9 − 井戸:Ga0.21In0.79As0.74P0.26;厚さ:9
nm − 障壁:Ga0.21In0.79As0.45P0.55;厚さ:1
1nm − 活性層の厚さd0:0.17μm − 層6の厚さdl:0.20μm − 層3の厚さ:2.5μm − 基板の厚さ:100μm − 構成要素の長さL:100〜200μm − 導波路の幅w:3μm − 制御電圧Uの変調範囲 1〜4ボルト − 作動波長:1.55μm しかしながら本発明はこの個別の実施例に限定されるも
のではなく、当業者であれば多くの変形形態をつくるこ
とができる。特に本発明は、GaAsなど他のIII−
V族基板を使用することができる。また、活性層を形成
する量子井戸の数は任意とすることができる。さらに、
活性層は場合によっては、量子井戸を規定する単数また
は複数の光閉じ込め層を含むことができる。
子/cm3) − 層3:BeドープInP(1018正孔/cm3) − 層6:非ドープInP(残留ドーピング=2.10
15電子/cm3) − 活性層CA:量子井戸数8、ポテンシャル障壁数9 − 井戸:Ga0.21In0.79As0.74P0.26;厚さ:9
nm − 障壁:Ga0.21In0.79As0.45P0.55;厚さ:1
1nm − 活性層の厚さd0:0.17μm − 層6の厚さdl:0.20μm − 層3の厚さ:2.5μm − 基板の厚さ:100μm − 構成要素の長さL:100〜200μm − 導波路の幅w:3μm − 制御電圧Uの変調範囲 1〜4ボルト − 作動波長:1.55μm しかしながら本発明はこの個別の実施例に限定されるも
のではなく、当業者であれば多くの変形形態をつくるこ
とができる。特に本発明は、GaAsなど他のIII−
V族基板を使用することができる。また、活性層を形成
する量子井戸の数は任意とすることができる。さらに、
活性層は場合によっては、量子井戸を規定する単数また
は複数の光閉じ込め層を含むことができる。
【図1】先行技術による電気光学変調器を示す図であ
る。
る。
【図2】容量を下げるために改造された半導体構造を示
す図である。
す図である。
【図3】図2の構造の場合における投入光パワーに応じ
た吸収係数の変化を示す図である。
た吸収係数の変化を示す図である。
【図4】図2の構造の場合における零の光パワーエネル
ギー帯の線図である。
ギー帯の線図である。
【図5】高光パワーについてのエネルギー帯の線図であ
る。
る。
【図6】本発明による半導体構造を示す図である。
【図7】高光パワーについての図6の構造の場合におけ
るエネルギー帯の線図である。
るエネルギー帯の線図である。
【図8】図6の構造の場合における光パワーに応じた吸
収係数の変化を示す図である。
収係数の変化を示す図である。
2 n型ドープ層 3 p型ドープ層 6 非ドープ層 CA 量子井戸活性層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−166764(JP,A) 特開 平7−202338(JP,A) K.WAKITA,et.al.,I EEE PHOTONICS TECH NOLOGY LETTERS,Vo l.3,No.2,pp.138−140 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/015 - 1/025 JICSTファイル(JOIS)
Claims (8)
- 【請求項1】 半導体構造の両側に配設された二つの電
極(K1、K2)を含む電気光学変調器であって、前記
構造が、III−V族元素の基板上に形成され、 前記III−V族元素から成り、n型の導電性をもつよ
うにドープされた第一層(2)と、 前記III−V族元素から成り、p型の導電性をもつよ
うにドープされた第二層(3)と、 前記第一層と第二層(2、3)との間に配設され、一連
の量子井戸(Qi)およびポテンシャル障壁(Bi)か
ら成る、前記第二層に隣接する活性層(CA)とを含
み、 前記電極(K1、K2)間に存在する電気容量を減らす
ために、活性層(CA)の厚さ(d0)の半分以上の厚
さ(d1)を有する非ドープIII−V族元素から成る
第三層(6)が前記活性層(CA)と前記第一層(2)
との間に配設されることを特徴とする電気光学変調器。 - 【請求項2】 前記第三層(6)が、変調器によって変
調される波の波長で透過性である組成を有することを特
徴とする請求項1に記載の変調器。 - 【請求項3】 前記第三層(6)が基板と同じ元素から
成ることを特徴とする請求項2に記載の変調器。 - 【請求項4】 前記第三層(6)が活性層(CA)およ
び前記第一層(2)に直接接触していることを特徴とす
る請求項1から3のいずれか一項に記載の変調器。 - 【請求項5】 前記基板がリン化インジウムから成るこ
とを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の
変調器。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれか一項に記載の
変調器部分を含むことを特徴とする変調器内蔵型レーザ
装置。 - 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
変調器を光搬送波のパワーの変調器として使用するこ
と。 - 【請求項8】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
変調器を光搬送波の位相の変調器として使用すること。
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