JP2003100969A - 放熱部材 - Google Patents
放熱部材Info
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Abstract
電子部品と放熱フィンとの間に容易に密着し、薄化容易
な相変化型放熱部材を提供する。 【解決手段】平均粒子径20〜35μmの窒化アルミニ
ウム粉末、平均粒子径0.1〜2μmの窒化アルミニウ
ム粉末及び平均粒子径0.1〜2μmのアルミナ粉末を
座標軸とする三成分組成図において、点A(65、3
5、0)、B(55、0、45)、C(45、0、5
5)、D(35、65、0)を結ぶ線で囲まれた線分を
含む範囲内にある熱伝導性粉末(フィラー)が、加温に
より相変化する有機物に充填された成形物からなること
を特徴とする放熱部材。
Description
ワードプロセッサーなどの情報処理機器におけるIC、
LSI、CPU、MPU等の半導体素子より発生する熱
を効率よく放出するのに有用な放熱部材に関する。
り、放熱部材の低熱抵抗化の要求が益々高まっている。
また、情報処理機器は携帯用使用の薄型サイズのものが
好まれるようになった。これらのことから、情報処理機
器に用いられる放熱部材には低熱抵抗性のものが要求さ
れている。
ラーを含有する放熱グリースや、シリコーンゴムなどの
柔軟なマトリックスと高熱伝導性フィラーからなる柔軟
性放熱部材(放熱スペーサーともいわれている)などが
ある。
での作業性の悪さ、周囲部位の汚れなどの問題から敬遠
される傾向にある。柔軟性放熱部材は使用時の厚みが比
較的厚くなるため、発熱性電子部品と放熱フィンの間に
装着した場合、放熱部材自身の熱抵抗が低くとも、実装し
た場合の熱抵抗を著しく低下させることは困難であっ
た。
行うには、放熱部材自身の熱抵抗を下げること、放熱部
材と発熱性電子部品及び放熱フィンとの密着性を高めて
隙間発生による熱抵抗の増大を和らげること、放熱部材
の厚みが装着された状態で薄化されること(すなわち相
変化型放熱部材であること)が理想的である。
有機物からなるマトリックスと、金属粉末や無機セラミ
ックス粉末などの熱伝導性粉末(以下、フィラーとい
う)とから構成されている。放熱部材を低熱抵抗性とす
るには、フィラーをできるだけ最密充填させる必要があ
り、そのためには粒子径の異なる特定材質のフィラーを
組み合わせ使用することが課題解決の糸口となるが、こ
のような観点にたった先行技術は見あたらない。
記に鑑み、放熱部材自身の熱抵抗が小さく、しかも発熱
性電子部品と放熱フィンとの間に容易に密着し、薄化容
易な相変化型放熱部材を提供することである。
均粒子径20〜35μmの窒化アルミニウム粉末、平均
粒子径0.1〜2μmの窒化アルミニウム粉末及び平均
粒子径0.1〜2μmのアルミナ粉末を座標軸とする三
成分組成図において、点A(65、35、0)、B(5
5、0、45)、C(45、0、55)、D(35、6
5、0)を結ぶ線で囲まれた線分を含む範囲内にある熱
伝導性粉末(フィラー)が、加温により相変化する有機
物に充填された成形物からなることを特徴とする放熱部
材である。この場合において、有機物が、エチレン−酢
酸ビニル共重合体とワックスからなり、ワックスの割合
が55〜75体積%であることが好ましく、更にはフィ
ラー100体積部に対し有機物40〜100体積部であ
り、しかもTO−3型形状での熱抵抗が0.040℃/
W以下であることが好ましい。
て説明する。
物からなるマトリックス(以下、単にマトリックスとも
いう)との構成比は、フィラー100体積部に対してマ
トリックス40〜100体積部、特に47〜63体積部
であることが好ましい。マトリックスが40体積部未満
であると、フィラーの流動性低下により、発熱性電子部
品と放熱フィンとの間に容易に密着させることが困難と
なり、放熱部材の組み込まれた情報処理機器の放熱効率
が十分でなくなる。一方、100体積部を超えると、フ
ィラーが相対的に少なくなるため、放熱部材自身の熱抵
抗を0.040℃/W以下とすることが困難となる。
有機物で構成されていることが望ましい。融点が100
℃を超える有機物であると、半導体素子に大きな熱的負
荷がかかり、情報処理機器の誤作動の原因となる。融点
が40℃未満では、放熱部材の取り付け作業時に軟化す
る恐れがあり、取り扱いが不便になる。
ば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等の熱可塑性樹脂、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、ペトロラクタムワックス等のワック
スである。なかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体は
最も低熱抵抗性であるので好ましく、特に相変化性を高
めるためにワックスと併用されていることが好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の具体例として、三井・
デュポンポリケミカル社製「エバフレックス210」が
ある。また、ワックスとしては、日本精鑞社製の「パラ
フィンワックス・シリーズ」、「マイクロクロスタリン
ワックスHi−Micシリーズ」等がある。
重合体とワックスの混合物から構成されている場合、ワ
ックスの構成割合は55〜75体積%であることが望ま
しい。ワックスの割合が55体積%未満では、加温によ
る相変化の程度が小さくなるため、放熱部材の組み込ま
れた情報処理機器の放熱特性が乏しくなり、また75体
積%超であると放熱部材の製造が容易でなくなる。
ナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化
ケイ素等である。これらの中でも、フィラー100体積
部に対し有機物40〜100体積部を混合し、TO−3
型形状の放熱部材を製造したときに、その熱抵抗が0.
040℃/W以下となるものが好ましく、これを満たさ
せるには、窒化アルミニウム粉末、又は窒化アルミニウ
ム粉末とアルミナ粉末との混合粉末が必須成分として含
まれていなければならない。
は、平均粒子径20〜35μmの窒化アルミニウム粉末
(以下、粗粉窒化アルミニウム粉末という)と平均粒子
径0.1〜2μmの窒化アルミニウム粉末(以下、微粉
窒化アルミニウム粉末という)からなる混合粉末である
か、又はこれに更に平均粒子径0.1〜2μmのアルミ
ナ粉末(以下、微粉アルミナという)が混合された混合
粉末であって、それらを座標軸とする三成分組成図(図
1参照)において、点A(65、35、0)、B(5
5、0、45)、C(45、0、55)、D(35、6
5、0)を結ぶ線で囲まれた線分を含む範囲内のもので
ある。このフィラーの使用によって、放熱部材が、高絶
縁性かつ高低熱抵抗性(0.040℃/W)を維持し、
しかも60℃程度に加温されたときに、発熱性電子部品
と放熱フィンとの間に容易に密着し、薄化が容易とな
る。
均粒子径の組み合わせが上記以外であるか、又は平均粒
子径の組み合わせが適切であっても粉末種が上記以外で
あると、放熱部材の熱伝導性が従来レベルを超えても情
報処理機器の放熱効率を著しく向上させることはできな
い。なお、フィラーの微粉アルミナ成分は耐湿材料とし
て機能する。
に0.15〜0.5mmが一般的である。放熱部材の平
面形状は、発熱性電子部品や放熱フィンと密着できる形
状ないしは発熱性電子部品を埋没できる形状であれば制
限はない。
経て製造される。混合には、スリーワンモーター等を用
い、加温下で行われる。成形方法は、ロールブレードに
よる引出し法が望ましく、引き出しには離型処理の施さ
れたフィルムを用いることが好ましい。そのフィルムの
一例として、シリコーンを塗布したポリエチレンテレフ
タレートフィルムがある。
説明する。
リケミカル社製商品名「エバフレックス210」)と、
ワックス(日本精鑞社製商品名「WAX115」)とを
表1に示す割合で、130℃の加温下で混合し、マトリ
ックス原料を調製した。
得た平均粒子径30μmの粗粉窒化アルミニウム粉末、
平均粒子径1.6μmの微粉窒化アルミニウム粉末(ト
クヤマ社製商品名「Hグレード」)、平均粒子径0.5
μmの微粉アルミナ(住友化学社製商品名「AA0
5」)を表1に示す体積百分率で混合し、フィラーを調
製した。
割合で、130℃の加温下で混合し、引出し法にて厚さ
0.25mmのシート状放熱部材を製造した。
外は、実施例に準じて厚さ0.25mmのシート状放熱
部材を製造した。
ム焼結体を粉砕して得た平均粒子径60μmの窒化アル
ミニウム粉末を用いたこと以外は、実施例2と同様にし
てシート状放熱部材を製造した。
μmのアルミナ粉末(昭和電工社製商品名「AS−4
0」)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてシー
ト状放熱部材を製造した。
性、相変化性、耐湿性を以下に従って測定した。それら
の結果を実施例1〜7については表1、比較例1〜6に
ついては表2、比較例7及び8については表3に示す。
0.035N・mの力がかかるようにネジ止めした後、
ヒーターケースと銅板が60℃になるまで加熱後室温ま
で冷却する。ついで、ヒーターケースに電力15Wをか
けて4分間保持したときに、銅製ヒーターケースと銅板
の温度差を測定し、式、熱抵抗(℃/W)=温度差(℃)
/印加電力(W)、により算出した。
10×10mmの銅製ヒーターに挟んだ後、1.5kg
の荷重をかけ、60℃で20分間加温した。その後、銅
製ヒーターからの放熱部材の剥がれ易さを調べた。 「○」:放熱部材が密着し、容易に剥がせない。 「×」:放熱部材が密着せず、容易に剥がせる。
リエチレンテレフタレートフィルムに挟んだ後、60℃
の加温下で1.5kgの荷重をかけ、20分間放置し
た。放置後、放熱部材の厚みを測定し、式、相変化性
(%)={1−放置後の厚さ(mm)/元の厚さ(m
m)}×100、により算出した。
000時間放置した後、放熱部材の熱抵抗を上記に従っ
て測定し、式、耐湿性=放置後の熱抵抗(℃/W)−放
置前の熱抵抗(℃/W)、にて算出した。この値が低い
ほど耐湿性が優れている。
が小さく、しかも発熱性電子部品と放熱フィンとの間に
容易に密着し、薄化容易な相変化型放熱部材を提供する
ことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 平均粒子径20〜35μmの窒化アルミ
ニウム粉末、平均粒子径0.1〜2μmの窒化アルミニ
ウム粉末及び平均粒子径0.1〜2μmのアルミナ粉末
を座標軸とする三成分組成図において、点A(65、3
5、0)、B(55、0、45)、C(45、0、5
5)、D(35、65、0)を結ぶ線で囲まれた線分を
含む範囲内にある熱伝導性粉末が、加温により相変化す
る有機物に充填された成形物からなることを特徴とする
放熱部材。 - 【請求項2】 有機物が、エチレン−酢酸ビニル共重合
体とワックスからなり、ワックスの割合が55〜75体
積%であることを特徴とする請求項1記載の放熱部材。 - 【請求項3】 熱伝導性粉末100体積部に対し有機物
40〜100体積部であり、TO−3型形状での熱抵抗
が0.040℃/W以下であることを特徴とする請求項
1又は2記載の放熱部材。
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- 2001-09-20 JP JP2001286907A patent/JP4749631B2/ja not_active Expired - Fee Related
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