JP2003100113A - 車両用前照灯 - Google Patents

車両用前照灯

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JP2003100113A JP2001285349A JP2001285349A JP2003100113A JP 2003100113 A JP2003100113 A JP 2003100113A JP 2001285349 A JP2001285349 A JP 2001285349A JP 2001285349 A JP2001285349 A JP 2001285349A JP 2003100113 A JP2003100113 A JP 2003100113A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動シェードを移動させて灯具配光を変化さ
せるように構成された車両用前照灯において、可動シェ
ードの前方近傍に設けられる固定シェードのデザイン自
由度を大きくする。 【解決手段】 可動シェード22のシェード本体22A
の前端部22Aaを略半球状に形成する。これにより、
従来のように円筒形に形成した場合に比してシェード本
体22Aの回動軌跡の最大半径を小さくする。また、前
端部22Aaに可動シェード22の回動面に沿って延び
る長孔22Abを形成する。これにより、可動シェード
回動時にもシェード本体22Aと放電バルブ18との干
渉を防止し、回動軌跡の最大半径をさらに小さくする。
以上により、固定シェード28のシェード本体28Aも
小型に形成可能とし、リフレクタ20からの反射光を不
必要に遮蔽しない範囲で許容される固定シェード28の
配置スペースを大きく確保可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、可動シェードを
移動させて灯具配光を変化させるように構成された車両
用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用前照灯は、光源からの光をリフレ
クタで前方へ反射させてロービーム用またはハイビーム
用のビームを照射するようになっているが、ロービーム
とハイビームとでは要求される配光パターンが異なるの
で、2つの光源を有する光源バルブあるいは2つの光源
バルブを用い、その点灯切換えを行うことによりロービ
ームとハイビームとのビーム切換えを行うのが一般的で
ある。
【0003】しかしながら、単一の光源でビーム切換え
を行うように構成された車両用前照灯も知られている。
特に、光源バルブとして放電バルブを用いた2灯式前照
灯においては、このような構成とせざるを得ない場合が
多い。
【0004】光源が単一である場合におけるビーム切換
え方法の1つとして、従来より、例えば特開2000−
207918号公報に開示されているように、可動シェ
ードを移動させてビーム切換えを行う方法が知られてい
る。この方法では、円筒形状のシェード本体および該シ
ェード本体から下方へ延びるシェード脚部からなる可動
シェードを、シェード駆動装置により、光源からリフレ
クタへの入射光に対する遮蔽量が異なった値となる2つ
の所定位置間において移動させるようになっている。そ
の際、可動シェードの移動は、シェード脚部の所定部位
を回動中心とする前後方向の回動運動として行われるよ
うになっている。
【0005】このような可動シェードを備えた車両用前
照灯において、可動シェードの前方に固定シェードを設
けるようにすれば、光源から前方へ向かう直射光を遮蔽
することができ、また、可動シェードおよびその周辺構
造を灯具外部から見えにくくして灯具の見映え向上を図
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この場合、固定シェー
ドは、可動シェードと干渉しないよう、その回動軌跡か
ら外れた位置に設ける必要があるが、円筒形状を有する
シェード本体の回動軌跡の最大半径はかなり大きいもの
となるので、固定シェードもかなり大型のものとせざる
を得ない。その反面、固定シェードは、リフレクタから
の反射光を不必要に遮蔽しないように配置する必要があ
る。このため、固定シェードの配置スペースは大きな制
約を受けてしまうこととなり、そのデザイン自由度はか
なり小さいものとなってしまう、という問題がある。
【0007】このような問題は、可動シェードを移動さ
せてロービームとハイビームとのビーム切換えを行う場
合だけでなく、可動シェードを移動させて灯具配光を変
化させるようにした場合一般において生じ得る問題であ
る。
【0008】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、可動シェードを移動させて灯具配光
を変化させるように構成された車両用前照灯において、
可動シェードの前方近傍に設けられる固定シェードのデ
ザイン自由度を大きくすることができる車両用前照灯を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、可動シェー
ドのシェード本体の形状に工夫を施すことにより、上記
目的達成を図るようにしたものである。
【0010】すなわち、本願発明に係る車両用前照灯
は、光源と、この光源からの光を前方へ反射させるリフ
レクタと、上記光源から上記リフレクタへ入射する光の
一部を遮蔽可能な可動シェードと、この可動シェードを
上記入射光に対する遮蔽量が異なった値となる2つの所
定位置間において移動させるシェード駆動装置と、上記
可動シェードの前方近傍に設けられた固定シェードと、
を備えてなる車両用前照灯において、上記可動シェード
が、上記光源を所定範囲にわたって囲むシェード本体
と、このシェード本体から延びるシェード脚部とからな
り、上記可動シェードの移動が、上記シェード脚部の所
定部位を回動中心とする前後方向の回動運動として行わ
れるように構成されており、上記シェード本体の前端部
が略半球状に形成されるとともに、該前端部に上記可動
シェードの回動面に沿って延びる長孔が形成されてい
る、ことを特徴とするものである。
【0011】上記「光源」の種類は特に限定されるもの
ではなく、例えば、放電バルブの放電発光部であっても
よいし、ハロゲンバルブ等の白熱バルブのフィラメント
等であってもよい。
【0012】上記「可動シェード」は、光源バルブから
リフレクタへの入射光の一部を遮蔽可能なものであれ
ば、その具体的構成は特に限定されるものではなく、シ
ェード本体とシェード脚部とが一体で形成されたもので
あってもよいし、別体で形成されたものであってもよ
い。
【0013】上記「入射光に対する遮蔽量が異なった値
となる2つの所定位置」は、該所定位置に可動シェード
が位置することによりロービーム用配光パターンまたは
ハイビーム用配光パターンを形成する位置であってもよ
いし、それ以外の配光パターンを形成する位置であって
もよい。
【0014】上記「シェード駆動装置」は、可動シェー
ドを上記2つの所定位置間において移動させるように構
成されたものであれば、特定の駆動装置に限定されるも
のではなく、例えばソレノイドを用いたもの、パルスモ
ータを用いたもの等が採用可能である。
【0015】上記「前後方向の回動運動」は、シェード
脚部の所定部位を回動中心とするものであれば、その回
動軸線の方向は特に限定されるものではなく、左右方
向、上下方向、斜め方向のいずれであってもよい。
【0016】上記「可動シェードの回動面」とは、可動
シェードの回動軸線と直交する平面を意味するものであ
る。
【0017】上記「回動面に沿って」とは、可動シェー
ドの回動面とシェード本体の前端部との交線として形成
される略円弧状の曲線に沿って、という意味である。
【0018】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
係る車両用前照灯は、光源を所定範囲にわたって囲むシ
ェード本体と、このシェード本体から延びるシェード脚
部とからなる可動シェードを、シェード脚部の所定部位
を回動中心として前後方向に回動させて灯具配光を変化
させるように構成されているが、シェード本体は、その
前端部が略半球状に形成されており、該前端部には可動
シェードの回動面に沿って延びる長孔が形成されている
ので、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】すなわち、シェード本体の前端部が略半球
状に形成されているので、これを従来のように円筒形に
形成した場合に比して、シェード本体の回動軌跡の最大
半径を小さいものとすることができる。また、シェード
本体の前端部に長孔が形成されているので、シェード本
体の前端部の径をかなり小さい値に設定しても、シェー
ド本体が光源バルブと干渉しないようにすることが可能
となる。しかも、この長孔は、可動シェードの回動面に
沿って延びるように形成されているので、可動シェード
が回動したときにも、シェード本体が光源バルブと干渉
しないようにすることが容易に可能となる。したがっ
て、シェード本体の回動軌跡の最大半径を、従来のもの
に比して大幅に小さいものとすることができる。
【0020】このため、可動シェードの前方近傍に設け
られる固定シェードについても、これをかなり小型に形
成することが可能となり、これによりリフレクタからの
反射光を不必要に遮蔽しない範囲で許容される固定シェ
ードの配置スペースを大きく確保することが可能とな
る。
【0021】したがって本願発明によれば、可動シェー
ドを移動させて灯具配光を変化させるように構成された
車両用前照灯において、可動シェードの前方近傍に設け
られる固定シェードのデザイン自由度を大きくすること
ができる。
【0022】しかも本願発明に係る車両用前照灯におい
ては、可動シェードが回動する際にシェード本体に作用
する慣性荷重を、シェード本体の小型化により低減する
ことができるので、シェード駆動装置の負担軽減を図る
ことができる。
【0023】上記構成において、可動シェードが上記2
つの所定位置のうち遮蔽量が相対的に大きい値となる位
置にあるとき、シェード本体の前端部が形成する仮想半
球面の中心位置が光源の位置と略一致するように構成す
れば、シェード本体の径寸法を最小限に抑えることがで
き、これにより固定シェードのデザイン自由度をより大
きくすることができる。
【0024】また上記構成において、可動シェードが上
記2つの所定位置のうち遮蔽量が相対的に大きい値とな
る位置にあるとき、上記光源を有する光源バルブの前端
部がシェード本体の前端部に形成された長孔を貫通して
シェード本体の前端部よりも前方まで延びるように構成
すれば、シェード本体の径寸法をさらに小さくすること
ができ、これにより固定シェードのデザイン自由度をよ
り一層大きくすることができる。
【0025】上記構成において、シェード本体の前端部
に、該前端部に形成された長孔を囲むようにして段差部
が形成された構成とすれば、シェード本体の剛性を高め
ることができるので、その分だけ長孔の開口面積を大き
くすることができ、またシェード本体の薄肉化を図るこ
ともできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
実施の形態について説明する。
【0027】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両
用前照灯を示す側断面図であり、図2は、図1のII部詳
細図である。また、図3は、図1のIII 方向矢視図であ
り、図4は、上記車両用前照灯の要部を詳細に示す断面
斜視図である。
【0028】これらの図に示すように、本実施形態に係
る車両用前照灯10は、透明カバー12とランプボディ
14とで形成される灯室内に、リフレクタユニット16
が図示しないエイミング機構を介して上下方向および左
右方向に傾動可能に設けられてなっている。
【0029】リフレクタユニット16は、放電バルブ
(メタルハライドバルブ)18と、リフレクタ20と、
可動シェード22と、シェード駆動装置24と、バルブ
支持ベース26と、固定シェード28とを備えてなって
いる。
【0030】透明カバー12は素通し状に形成されてお
り、リフレクタユニット16に配光制御機能が付与され
ている。すなわち、このリフレクタユニット16のリフ
レクタ20は、放電バルブ18の放電発光部18a(光
源)からの光を前方へ反射する反射面20aを有してお
り、該反射面20aの拡散あるいは偏向反射機能によ
り、所定の配光パターンでビームを前方に照射するよう
になっている。
【0031】放電バルブ18は、バルブ支持ベース26
を介してリフレクタ20に固定支持されている。すなわ
ち、バルブ支持ベース26は、リフレクタ20の後頂開
口部20bに後方から挿入された状態で該リフレクタ2
0にネジ締め固定されており、このバルブ支持ベース2
6の環状支持部26aに放電バルブ18が線バネにより
固定支持されている。そしてこれにより、放電発光部1
8aがリフレクタ20の光軸Ax上に位置決めされるよ
うになっている。
【0032】リフレクタ20の反射面20aにおける後
頂開口部20bの下方部位には、該後頂開口部20bと
連通するようにして矩形開口部20dが形成されてお
り、この矩形開口部20d内にシェード駆動装置24の
シェード移動機構が収容されるようになっている。ま
た、リフレクタ20における反射面20aの下端部には
下面壁20eが形成されており、この下面壁20eにお
ける矩形開口部20dの前端部には固定シェード取付用
突起部20fが上方へ突出するように形成されている。
そして、リフレクタ20の反射面20aにおける矩形開
口部20dの左右両側部には、1対の立壁部20gが形
成されている。
【0033】可動シェード22は、放電バルブ18の放
電発光部18aを所定範囲にわたって囲むシェード本体
22Aと、このシェード本体22Aの下端部から下方へ
向けて延びるシェード脚部22Bとからなり、シェード
脚部22Bの下端部近傍部位において左右方向に延びる
回動軸線A回りに回動可能にバルブ支持ベース26に支
持されている。
【0034】そして、この可動シェード22は、シェー
ド駆動装置24により回動軸線A回りに前後方向に回動
して、図2において実線で示すロービーム構成位置と、
同図において2点鎖線で示すハイビーム構成位置とを取
り得るようになっている。ロービーム構成位置では、放
電バルブ18の放電発光部18aから反射面20aの周
縁領域への入射光を遮蔽して、ロービーム照射に必要な
光だけを反射面20aへ入射させるようになっている。
一方、ハイビーム構成位置では、この遮蔽を解除して、
ハイビーム照射に必要な光量を確保するようになってい
る。
【0035】図5は、車両用前照灯10から前方へ照射
されるビームの配光パターンを示す図である。
【0036】同図(a)は、ロービーム用の配光パター
ンP(L)であって、反射面20aの中央領域からの反
射光(図1において実線で示す反射光B1)により形成
されるようになっている。このロービーム用の配光パタ
ーンP(L)は、その上端部にカットオフライン(明暗
境界線)CLを有しており、これにより対向車ドライバ
に対してグレアを与えないようになっている。
【0037】一方、同図(b)は、ハイビーム用の配光
パターンであって、上記ロービーム用の配光パターンP
(L)と反射面20aの周縁領域からの反射光(図1に
おいて2点鎖線で示す反射光B2)により形成される付
加配光パターンP(H)との合成配光パターンとして形
成されるようになっている。
【0038】この可動シェード22は、そのシェード本
体22Aがプレス成形品で構成されており、そのシェー
ド脚部22Bが板材の曲げ加工品で構成されている。シ
ェード脚部22Bの上端部は、略L字形に折り曲げられ
て上端フランジ部22Bcを構成しており、この上端フ
ランジ部22Bcにシェード本体22Aの下端部がリベ
ット固定されている。
【0039】シェード本体22Aは、その前端部22A
aが略半球状に形成されている。図2に示すように、こ
の前端部22Aaが形成する半径rの仮想半球面の中心
位置Oは、可動シェード22がロービーム構成位置にあ
るとき、放電発光部18aの位置と略一致するように設
定されている。また、この前端部22Aaには、上下方
向に延びる長孔22Abが形成されている。そして、こ
の前端部22Aaは、可動シェード22がロービーム構
成位置にあるとき、放電バルブ18の前端部が長孔22
Abを貫通して該前端部22Aaよりも前方まで延びる
よう、その径寸法が設定されている。
【0040】シェード本体22Aの前端部22Aaに
は、長孔22Abを囲むようにして段差部22Adが形
成されている。ただし、この段差部22Adは、シェー
ド本体22Aの下端部においては、長孔22Abの左右
幅のままシェード本体22Aの後端縁22Acまで延び
るように形成されている。
【0041】シェード本体22の後端縁22Acは、可
動シェード22がロービーム構成位置にあるとき、放電
発光部18aから反射面20aの周縁領域への光入射を
阻止すべく、複雑な凹凸形状に形成されている。
【0042】シェード駆動装置24は、リフレクタ20
の光軸Axの下方においてバルブ支持ベース26にネジ
締め固定されたソレノイド34と、このソレノイド34
のプランジャ(可動鉄芯)36に装着され、該プランジ
ャ36を非励磁位置へ向けて付勢するリターンスプリン
グ38とを備えてなっている。
【0043】プランジャ36は、バルブ支持ベース26
の下端部に形成された逆U字溝26bを挿通するように
して前方へ延びており、その中間部にはリターンスプリ
ング38の前端部に当接して該リターンスプリング38
の弾性付勢力を受け止めるEリング40が装着されてい
る。また、このプランジャ36の先端近傍部位の周面に
は、平面視においてコ字形の断面形状を有する切欠き部
36aが形成されている。
【0044】上述したように、可動シェード22は、そ
のシェード脚部22Bの下端部近傍部位においてバルブ
支持ベース26に支持されているが、この支持は、該バ
ルブ支持ベース26から前方へ突出するように形成され
た支持ブラケット部26cに軸部材42を介して行われ
ている。その際、シェード脚部22Bと支持ブラケット
部26cとの間には環状スペーサ48が装着されてお
り、これによりシェード脚部22Bと軸部材42との連
結部のガタ発生を最小限に抑えるようになっている。
【0045】また、可動シェード22は、そのシェード
脚部22Bの下端部においてプランジャ36の先端部に
係合連結されている。この係合連結は、シェード脚部2
2Bの下端部に形成された係合部22Baをプランジャ
36の切欠き部36aに挿入することにより行われてい
る。そして、係合部22Baと切欠き部36aの前端面
または後端面との当接作用により、プランジャ36の往
復運動を可動シェード22の回動運動に変換するように
なっている。係合部22Baの前端面および後端面は、
可動シェード22の回動角度が変化したときでも、切欠
き部36aの前端面または後端面との当接がスムーズに
行われるよう、略円弧面状に形成されている。
【0046】バルブ支持ベース26における支持ブラケ
ット部26cの基端部近傍部位には、上下2段で前方へ
延びる弾性片32A、32Bを有する変位規制部材32
が取り付けられている。一方、可動シェード22のシェ
ード脚部22Bには、両弾性片32A、32Bの間に位
置するようにして後方へ突出する突起部22Bbが形成
されている。この突起部22Bbの上端面は斜め下がり
で延びており、その下端面は水平に延びている。そし
て、この突起部22Bbは、可動シェード22がハイビ
ーム構成位置へ回動したときには弾性片32Aと当接し
て該弾性片32Aを弾性変形させる一方、可動シェード
22がロービーム構成位置へ回動したときには弾性片3
2Bと当接して該弾性片32Bを弾性変形させるように
なっている。そしてこれにより、ビーム切換えの際に大
きな打音を発生させることなく可動シェード22の位置
決めを図るようになっている。
【0047】可動シェード22の前方近傍には、該可動
シェード22を覆うようにして固定シェード28が設け
られている。
【0048】この固定シェード28は、前方へ向けて半
球状に突出するように形成されたシェード本体28A
と、このシェード本体28Aの下端部から下方へ向けて
延びるとともその中間部分において後方へオフセットし
た断面コ字状のシェード脚部28Bとが一体形成されて
なっている。そして、この固定シェード28は、そのシ
ェード脚部28Bの下端部においてリフレクタ20の固
定シェード取付用突起部20fの後面に後方からネジ5
0により締付け固定されている。この固定シェード28
のシェード脚部28Bは、リフレクタ20の矩形開口部
20dの幅と略同じ幅で形成されており、該シェード脚
部28Bを矩形開口部20dに挿入することにより、そ
の両側の立壁部20gに挟持されるようになっている。
【0049】図2に示すように、シェード本体28Aの
半球面の径寸法は、シェード本体22Aの前端部22A
aの径寸法よりもある程度大きい値に設定されており、
その半球面の中心位置は光軸Axよりもやや下方の位置
に設定されている。そしてこれにより、可動シェード2
2がロービーム構成位置にあるときのみならず、ハイビ
ーム構成位置へ回動したときにも、そのシェード本体2
2Aの前端部22Aaと固定シェード28のシェード本
体28Aとの間に所定の間隙が確保されるようにしてい
る。
【0050】以上詳述したように、本実施形態に係る車
両用前照灯10は、放電発光部18aを所定範囲にわた
って囲むシェード本体22Aと、このシェード本体22
Aから延びるシェード脚部22Bとからなる可動シェー
ド22を、シェード脚部22Bの下端部近傍部位を回動
中心として前後方向に回動させて灯具配光を変化させる
ように構成されているが、シェード本体22Aは、その
前端部22Aaが略半球状に形成されており、該前端部
22Aaには可動シェード22の回動面に沿って延びる
長孔22Abが形成されているので、次のような作用効
果を得ることができる。
【0051】すなわち、シェード本体22Aの前端部2
2Aaが略半球状に形成されているので、これを従来の
ように円筒形に形成した場合に比して、シェード本体2
2Aの回動軌跡の最大半径を小さいものとすることがで
きる。また、シェード本体22Aの前端部22Aaに長
孔22Abが形成されているので、シェード本体22A
の前端部22Aaの径をかなり小さい値に設定しても、
シェード本体22Aが放電バルブ18と干渉しないよう
にすることが可能となる。しかも、この長孔22Ab
は、可動シェード22の回動面に沿って延びるように形
成されているので、可動シェード22が回動したときに
も、シェード本体22Aが放電バルブ18と干渉しない
ようにすることが容易に可能となる。したがって、シェ
ード本体22Aの回動軌跡の最大半径を、従来のものに
比して大幅に小さいものとすることができる。
【0052】このため、可動シェード22の前方近傍に
設けられる固定シェード28についても、これをかなり
小型に形成することが可能となり、これによりリフレク
タ20からの反射光を不必要に遮蔽しない範囲で許容さ
れる固定シェード28の配置スペースを大きく確保する
ことが可能となる。そしてこれにより固定シェード28
のデザイン自由度を大きくすることができる。
【0053】しかも本実施形態に係る車両用前照灯10
においては、可動シェード22が回動する際にシェード
本体22Aに作用する慣性荷重を、シェード本体22A
の小型化により低減することができるので、シェード駆
動装置24の負担軽減を図ることができる。
【0054】また本実施形態においては、可動シェード
22がロービーム構成位置にあるとき、シェード本体2
2Aの前端部22Aaが形成する仮想半球面の中心位置
が放電発光部18aの位置と略一致するように構成され
ているので、シェード本体22Aの径寸法を最小限に抑
えることができ、これにより固定シェード28のデザイ
ン自由度をより大きくすることができる。
【0055】さらに本実施形態においては、可動シェー
ド22がロービーム構成位置にあるとき、放電バルブ1
8の前端部がシェード本体22Aの前端部22Aaに形
成された長孔22Abを貫通してシェード本体22Aの
前端部22Aaよりも前方まで延びるように構成されて
いるので、シェード本体22Aの径寸法をさらに小さく
することができ、これにより固定シェード28のデザイ
ン自由度をより一層大きくすることができる。
【0056】なお、本実施形態のように、可動シェード
22のシェード本体22Aの前端部22Aaに長孔22
Abを形成し、かつ、この長孔22Abから放電バルブ
18の前端部を前方へ突出させるようにしても、放電発
光部18aから長孔22Abを介して前方へ向かう直射
光は、固定シェード28により遮蔽されるので、灯具機
能が損なわれてしまうことはない。
【0057】本実施形態においては、シェード本体22
Aの前端部22Aaに、該前端部22Aaに形成された
長孔22Abを囲むようにして段差部22Adが形成さ
れているので、シェード本体22Aの剛性を高めること
ができ、その分だけ長孔22Abの開口面積を大きくす
ることができ、またシェード本体22Aの薄肉化を図る
こともできる。
【0058】さらに本実施形態においては、シェード本
体22Aがプレス成形品で構成されているので、シェー
ド本体22Aを薄肉で構成しても十分に高い剛性を確保
することができる。
【0059】なお、本実施形態においては、固定シェー
ド28のシェード本体28Aが半球状に形成されている
ものとして説明したが、これ以外の形状を採用すること
ももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示
す側断面図
【図2】図1のII部詳細図
【図3】図1のIII 方向矢視図
【図4】上記車両用前照灯の要部を詳細に示す断面斜視
【図5】上記車両用前照灯から前方へ照射されるビーム
の配光パターンを示す図であって、同図(a)がロービ
ーム用の配光パターン、同図(b)がハイビーム用の配
光パターンを示す図
【符号の説明】
10 車両用前照灯 16 リフレクタユニット 18 放電バルブ 18a 放電発光部(光源) 20 リフレクタ 20a 反射面 20f 固定シェード取付用突起部 22 可動シェード 22A シェード本体 22Aa 前端部 22Ab 長孔 22Ac 後端縁 22Ad 段差部 22B シェード脚部 22Ba 係合部 22Bb 突起部 22Bc 上端フランジ部 24 シェード駆動装置 26 バルブ支持ベース 26c 支持ブラケット部 28 固定シェード 28A シェード本体 28B シェード脚部 32 変位規制部材 32A 上部弾性片 32B 下部弾性片 34 ソレノイド 36 可動鉄芯 36a 切欠き部 38 リターンスプリング 42 軸部材 A 回転軸線 Ax 光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K039 AA01 CC01 HA02 3K042 AA08 AC06 AC07 BA04 BA08 BB01 BC01 BD05 BE09 CB07 CB20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、この光源からの光を前方へ反射
    させるリフレクタと、上記光源から上記リフレクタへ入
    射する光の一部を遮蔽可能な可動シェードと、この可動
    シェードを上記入射光に対する遮蔽量が異なった値とな
    る2つの所定位置間において移動させるシェード駆動装
    置と、上記可動シェードの前方近傍に設けられた固定シ
    ェードと、を備えてなる車両用前照灯において、 上記可動シェードが、上記光源を所定範囲にわたって囲
    むシェード本体と、このシェード本体から延びるシェー
    ド脚部とからなり、 上記可動シェードの移動が、上記シェード脚部の所定部
    位を回動中心とする前後方向の回動運動として行われる
    ように構成されており、 上記シェード本体の前端部が略半球状に形成されるとと
    もに、該前端部に上記可動シェードの回動面に沿って延
    びる長孔が形成されている、ことを特徴とする車両用前
    照灯。
  2. 【請求項2】 上記可動シェードが上記2つの所定位置
    のうち遮蔽量が相対的に大きい値となる位置にあると
    き、上記シェード本体の前端部が形成する仮想半球面の
    中心位置が上記光源の位置と略一致するように構成され
    ている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照
    灯。
  3. 【請求項3】 上記可動シェードが上記2つの所定位置
    のうち遮蔽量が相対的に大きい値となる位置にあると
    き、上記光源を有する光源バルブの前端部が上記長孔を
    貫通して上記シェード本体の前端部よりも前方まで延び
    るように構成されている、ことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の車両用前照灯。
  4. 【請求項4】 上記シェード本体の前端部に、上記長孔
    を囲むようにして段差部が形成されている、ことを特徴
    とする請求項1〜3いずれか記載の車両用前照灯。
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