JP2003099988A - 光情報記録媒体の情報信号形成装置及び情報信号形成方法 - Google Patents

光情報記録媒体の情報信号形成装置及び情報信号形成方法

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JP2003099988A
JP2003099988A JP2001288545A JP2001288545A JP2003099988A JP 2003099988 A JP2003099988 A JP 2003099988A JP 2001288545 A JP2001288545 A JP 2001288545A JP 2001288545 A JP2001288545 A JP 2001288545A JP 2003099988 A JP2003099988 A JP 2003099988A
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Takeo Kojima
竹夫 小島
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真円度歪みを小さくでき、偏芯も小さい
高密度光ディスクを提供する。 【解決手段】 光透過性シート4の上に積層された光硬
化性シート5に、加圧手段6によりスタンパー2に形成
された情報信号用の溝3を転写するよう構成した光情報
記録媒体の情報信号形成装置であって、前記加圧手段6
の加圧開始位置及び加圧終了位置は、前記光硬化性シー
ト5に転写された情報信号用の溝の真円度歪が小となる
ような位置に設定したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光情報記録媒体の情
報信号形成装置に係わり、特に入射面層を薄型化した次
世代型高密度光ディスクに用いられる情報信号用の溝
を、光透過性シートの上に積層された光硬化性シート面
側に転写する際の光情報記録媒体の情報信号形成装置及
び情報信号形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクト・ディスク)やDVD
(ディジタル・バーサタイル・ディスク)に代表される
光ディスクは、目覚しい勢いで家庭に浸透している。ま
た最近では、CDやDVDと同サイズに20GB以上の
情報を記録したいという要求が高まってきており、開発
は高密度化の方向へと進んでいる。
【0003】高密度化は、レーザー光の波長を短くする
ことや光学ピックアップの記録・再生時の光を照射する
ための対物レンズの開口数(以下NAと記載)を大きく
して記録・再生光のスポット径を小さくすることで可能
である。対物レンズのNAを大きくすると、再生光が照
射されてこれが通過する光ディスクの入射面側の基板の
厚みを薄くする必要がある。
【0004】これは、光学ピックアップの光軸に対して
ディスク面が垂直からずれる角度(チルト角)の許容量
が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さに
よる収差や複屈折の影響を受けやすいためである。従っ
て、基板の厚さを薄くしてチルト角を可能な限り小さく
するようにしている。例えばレーザ波長780nm、N
A0.45に対するCDの入射面側の厚みは約1.2m
mmなのに対し、レーザ波長650nm、NA0.6で
記録容量がCDの6〜8倍であるDVDは、その厚みが
約0.6mmである。
【0005】また、一例として400nm付近の波長で
NA0.7以上の組み合わせによる20GB程度の次世
代型高密度光ディスクになると、入射面側の厚みは約
0.1mmと小さな値にする必要がある。
【0006】一方、これらの光ディスクは、その用途に
より再生専用型や追記型、書き換え可能型などがある。
また、従来のCDやDVDの光ディスクの製造方法は、
一般に知られている射出成形法で行われている。
【0007】射出成形法とは、ピット状または溝状の情
報信号を形成した母型であるスタンパーを射出成形機の
金型に取付け、溶融した樹脂を前記金型のキャビティー
内に射出した後冷却して樹脂を固化させることにより、
情報信号を転写するための光ディスク用基板を得る方法
である。
【0008】その後、前記した光ディスク用基板を用い
て情報信号面上に目的に応じて反射膜や記録膜をスパッ
タリング等により成膜し、更にその上に保護膜やレーベ
ル印刷を行い光ディスクとする。ところで入射面層が約
0.1mm厚の高密度光ディスクの場合、射出成形法で
そこに情報信号を形成するのには、厚みが薄いため困難
である。
【0009】そこで、高密度光ディスクを得る一つの方
法としては、射出成形可能な0.6mm以上の厚みで情
報信号を射出成形法で形成し、この情報信号面上に目
的、用途に応じて反射膜や記録膜をスパッタリング等に
より成膜し、その上に厚み約0.1mmの光透過性シー
トを光透過性接着剤で貼り付けて完成させる。なお、記
録・再生光の入射は、光透過性シート側から行うもので
ある。
【0010】また、高密度光ディスクを得る他の方法と
しては、一体的に形成した光透過性シートと光硬化性シ
ートのうち、光硬化性シート上に情報信号を形成し、こ
の情報信号面上に目的、用途に応じて反射膜や記録膜を
スパッタリング等により成膜し、これを射出成形法等に
より作製した基材に、情報信号を基材側にして貼り合わ
せて完成させる方法がある。なお、記録・再生光の入射
は、光透過性シート側から行うものである。
【0011】ここで、後者について更に具体的に述べる
と、光硬化性シートは、常温ではシート状であり光を照
射することにより完全に硬化する。この光硬化性シート
を、予め光透過性シートと一体に形成する。この時の光
硬化性シートと光透過性シートの総厚は約0.1mmと
する。
【0012】そして、情報信号用の溝が記録された母型
であるスタンパーに加圧ローラ等により光硬化性シート
を貼り付け、この光硬化性シートに紫外線や電子線を照
射することにより、情報信号用の溝が転写された光硬化
性シートとして完全に硬化させる。
【0013】次に、前記したスタンパーと情報信号用の
溝が転写された光硬化性シート間を剥がすことにより、
光硬化性シート面上に反転された情報信号用の溝を得る
ものである。そして、この情報信号用の溝を有する光硬
化性シート上に目的、用途に応じて反射膜や記録膜をス
パッタリング等により成膜し、これを、剛性を持たせる
ため予め射出成形等で作製した基材に、情報信号用の溝
面を基材側にして貼り合わせることにより完成させるも
のである。
【0014】更には、射出成形法で第2の情報信号を形
成し、この第2の情報信号上に記録膜や反射膜を成膜
し、また光硬化性シートと光透過性シートが一体となっ
たシートの光硬化性シート面上に第1の情報信号を形成
し、この第1の情報信号面上に半透明膜を成膜し、前記
した第1と第2の情報信号面同士を対向させて貼り合わ
せることにより完成させる高密度2層型光ディスクの作
製方法がある。なお、この場合も、記録・再生光の入射
は、光透過性シート側から行うものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで次世代型高密
度光ディスクは、従来の高密度光ディスクに増して偏芯
を小さくすることが要求されている。例えば、従来型の
光ディスクであるCDが70μm以下やDVD−ROM
が50μm以下なのに対し、次世代型高密度光ディスク
は記録再生速度が速くなることから、情報信号をトラッ
キングする光学ヘッドの性能より15μm以下と言われ
ている。
【0016】また、上記のような次世代型高密度光ディ
スクの作製方法において、光硬化性シートを用い、これ
に情報信号用の溝を形成したものは、後述する如く情報
信号用の溝の真円度歪みが大きく、結果的に偏芯も大き
くなる問題点を内包している。
【0017】前記したように、次世代型高密度光ディス
クにあって、情報信号用の溝が形成された光硬化性シー
トは、射出成形法等で作製した基材に貼リ付けられ、記
録・再生時は、この基材に設けた中心孔がドライブに設
けたテーパーピンに支持され、回転することにより行わ
れるものである。
【0018】前記した光硬化性シートと基材との貼り合
わせ時、例えば、偏芯を0μm(基材の中心孔の中心と
光硬化性シート中心孔の中心が一致している時)で貼り
合わせたとしても、光硬化性シートに形成した情報信号
用の溝の真円度歪みが、例えば、30μmを越えていれ
ば、次世代型高密度光ディスクに要求される偏芯を15
μm以下にすることはできない。前記したように、この
偏芯は、基材と光硬化性シートとを貼り合わせる時に発
生する偏芯量とのバランスにより決まるが、通常は10
μm以下が望ましく、悪くても15μm以下にする必要
がある。
【0019】ところが、前記した光硬化性シートに情報
信号用の溝を形成する従来の光ディスクの製造方法によ
れば、光硬化性シートに情報信号用の溝を形成する際、
光硬化性シートが伸び、その後この光硬化性シートと一
体的に形成された光透過性シートが伸ばされ、この伸ば
されたままの光透過性シートに、紫外線や電子線を照射
することにより光硬化性シートを硬化させるものであ
る。
【0020】そして、その後前記した光硬化性シートと
一体的に形成された光透過性シートをスタンパーから剥
がすと、光透過性シートは弾性体なので元に戻るが、光
硬化性シートは光透過性シートより剛性が小なので光透
過性シート側に引っ張られ、そのために、そこに転写さ
れていた情報信号用の溝の真円度が大きくなる(歪む)
という現象が発生していた。
【0021】すなわち、この真円度が大きくなる(歪
む)現象は、高密度光ディスクの偏芯が大になり良好な
記録再生が行なえなくなるという問題点につながってし
まうものである。本発明者等は、かかる点につき鋭意検
討した結果、以下に示すような光情報記録媒体の情報信
号形成装置及び情報信号形成方法によれば、かかる問題
点が解決されることを見出したものであり、本発明は、
かかる光情報記録媒体の情報信号形成装置及び情報信号
形成方法を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
を達成するためになされたものであり、請求項1にかか
る発明は、光透過性シート4の上に積層された光硬化性
シート5に、加圧手段6によりスタンパー2に形成され
た情報信号用の溝3を転写するよう構成した光情報記録
媒体の情報信号形成装置であって、前記加圧手段6によ
る加圧開始位置及び加圧終了位置は、前記光硬化性シー
ト5に転写された情報信号用の溝の真円度歪が小となる
ような位置に設定したことを特徴とする。
【0023】請求項2にかかる発明は、光透過性シート
4の上に積層された光硬化性シート5に、加圧手段6に
よりスタンパー2に形成された情報信号用の溝3を転写
するよう構成した光情報記録媒体の情報信号形成装置で
あって、前記加圧手段6の少なくとも加圧開始側に、前
記スタンパー2に形成された情報信号用の溝3面と同一
高さになるようプレート7を配置したことを特徴とす
る。
【0024】請求項3にかかる発明は、請求項1記載の
光情報記録媒体の情報信号形成装置であって、前記スタ
ンパー2形状を、情報信号最外周部の径より大で、か
つ、前記加圧手段6の移動方向に沿って延設したことを
特徴とする。
【0025】請求項4にかかる発明は、減圧装置12内
に、光透過性シート4の上に積層された光硬化性シート
5を配置し、前記光硬化性シート5面に、反転された情
報信号用の溝を転写すべく、所定位置に情報信号用の溝
3が形成されたスタンパー2を、前記光硬化性シート5
面と対峙する如く前記減圧装置12内に配置してなり、
前記所定位置に情報信号用の溝3が形成されたスタンパ
ー2と前記光硬化性シート5とを減圧下で密着手段によ
り密着させ、その後加圧手段により前記光硬化性シート
5面に反転された情報号用の溝を転写するよう構成した
ことを特徴とする。
【0026】請求項5にかかる発明は、減圧装置12内
に、光透過性シート4の上に積層された光硬化性シート
5を配置し、前記光硬化性シート5面に反転された情報
信号用の溝を転写すべく、所定位置に情報信号用の溝3
が形成されたスタンパー2を、前記光硬化性シート面5
と対峙する如く前記減圧装置12内に配置し、前記所定
位置に情報信号用の溝3が形成されたスタンパー2と前
記光硬化性シート5とを減圧下で密着させた後、加圧に
より前記光硬化性シート5面に反転された情報信号用の
溝を転写するようにしたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実
施の形態は本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0028】図1は、本発明に係る光情報記録媒体への
情報信号形成装置の好ましい実施の形態の一例を示す模
式図、図2は、図1の装置で形成された媒体の真円度歪
みを説明するための説明図、図3は、図1の装置におい
て、各工程と真円度歪み量との関係を示す説明図、図4
は、図1の情報信号形成装置において、情報信号形成時
の第1の形態を示す模式的平面図、図5は、図1の情報
信号形成装置において、情報信号形成時の第2の形態を
示す模式的平面図、図6は、図1の情報信号形成装置に
おいて、情報信号形成時の第3の形態を示す模式的平面
図、図7は、図1の装置を構成する加圧ローラの停止時
と移動完了時の状態を示す模式的側面図、図8は、加圧
ローラの停止時及び移動完了時の位置と真円度歪み量と
の関係を示す説明図、図9は、情報信号形成時における
加圧力と真円度歪み量との関係を示す説明図である。
【0029】まず、本発明の具体的説明に入る前に、そ
の背景について説明しておく。真円度歪みが大きくなる
原因は、光ディスクを形成する際、一体的に形成された
(積層された)光硬化性シートと光透過性シートにおい
て、まず、光硬化性シートに情報信号用の溝を転写す
る。この転写に際し、情報信号用の溝に近い側である光
硬化性シートが伸び、その後これと一体的に形成された
光透過性シートが伸ばされたまま紫外線や電子線を照射
することにより光硬化性シートを硬化させるものであ
る。
【0030】しかしながら、一体的に形成された光硬化
性シートと光透過性シートをスタンパーから剥がした場
合、光透過性シートは弾性体なので元に戻るが、光硬化
性シートは光透過性シートより剛性が小なので、光透過
性シート側に引っ張られ、そのために、光硬化性シート
に形成された情報信号用の溝の真円度が歪むものと思わ
れる。
【0031】
【実施の形態1】次に、図1〜図9を用いて実施の形態
1の点を具体的に説明する。図1は前記した如く、本発
明に係る光情報記録媒体への情報信号形成装置の好まし
い実施の形態1の一例を示す模式図であり、1は移動テ
ーブル、2はこの移動テーブル1上に載置されたその一
面に情報信号用の溝3が形成されたスタンパー、4は、
例えばポリカーボネート樹脂よりなる光透過性シート、
5は、ウエハ用のダイシングテープに用いているものと
同様のアクリル系またはメタアクリル系をベースにした
柔らかく粘着性のある糊状の紫外線硬化樹脂よりなり、
前記した光透過性シート4と一体的に形成され光硬化性
シート、6は加圧ローラである。
【0032】初めに図1を用いて光硬化性シート5に情
報信号用の溝3を形成する方法を述べる。前記した移動
テーブル1は矢印(左右)方向に移動できる構造になっ
ており、この移動テーブル1に、情報信号用の溝3が形
成された母型であるスタンパー2を、前記情報信号用の
溝3を上側にした状態で図示しない減圧吸着又はマグネ
ット吸着により固定する。
【0033】スタンパー2は、外径φ128mm、内径
φ22mm、厚み0.3mmに加工されており、情報信
号用の溝3は、約φ46mm〜φ116mm(外周は情
報量により変わる)の範囲でスタンパー2の片面に形成
されている。次に、予め光透過性シート4と一体的に形
成された光硬化性シート5を、スタンパー2の情報信号
用の溝3の外周部に載せ、その上から加圧ローラ6を載
せる。
【0034】加圧ローラ6は、左右方向がメカ的に支持
されていると共に上下方向はフリーになっており、また
回転自在に構成されている(図中矢印方向)。また加圧
ローラ6は、図示しないエアーシリンダーにより加圧が
できるように構成されている。よって、加圧ローラ6の
重量とエアーシリンダーの圧力の合計が、光硬化性シー
ト5をスタンパー2に押し付ける力となる。
【0035】このように、加圧ローラ6による光硬化性
シート5への加圧が行われた状態で移動テーブル1を動
かすことにより(図面では左方向)、光硬化性シート5
が加圧ローラ6によりスタンパー2の外周から内周方向
に向かって加圧されて行く。その際、硬化前の光硬化性
シート5は、前記した如く柔らかく粘着性がある材質で
形成されているので、スタンパー2上に形成された情報
信号用の溝3の細かな部分まで入り込み前記情報信号用
の溝3をそこに転写する。
【0036】更に移動テーブル1が進みスタンパー2の
中心部を過ぎてからは、スタンパー2の内周から外周に
向かって加圧されて行き、光硬化性シート5がスタンパ
ー2に形成された情報信号用の溝3上の全ての部分に亘
って加圧された状態で、前記した加圧ローラ6の加圧を
解除する。
【0037】しかる後、一体となったスタンパー2、光
硬化性シート5、光透過性シート4のうちの、光透過性
シート4側から紫外線を照射することにより光硬化性シ
ート5を硬化させる。その後、光硬化性シート5とスタ
ンパー2間を剥がすことにより、光硬化性シート5上に
スタンパー2に形成された情報信号用の溝3とは反転し
た情報信号用の溝が得られるものである。
【0038】ところで、前記したように加圧ローラ6に
よる加圧を行ってから移動テーブル1が移動するまでに
数秒の停止期間がある。また加圧ローラ6の下には、情
報信号3が形成されたスタンパー2が載置してあり、か
つ、光硬化性シート5は柔らかく粘着性があるので、前
記した停止期間において、光硬化性シート5は加圧ロー
ラ6の荷重によって変形し伸ばされた状態でスタンパー
2と密着することになる。
【0039】加圧ローラ6の荷重によって変形し伸ばさ
れた状態の光硬化性シート5は、移動テーブル1が所定
位置まで移動しそこに所望の情報信号用の溝が転写され
ると、その加圧が解かれる。光硬化性シート5は加圧が
解かれると、この光硬化性シート5と一体的に形成され
た光透過性シート4の剛性が、スタンパー2のそれより
小なので、変形し伸ばされた光硬化性シート5は伸びた
ゴムのような状態になり、更に紫外線が照射される前で
あるので、この光硬化性シート5はスタンパー2との密
着力が強く、これと一体的に形成された光透過性シート
4を光硬化性シート5側に引張る。そして、光硬化性シ
ート5と光透過性シート4は、共に伸ばされた状態のま
ま光透過性シート4側から紫外線を照射され、光硬化性
シート5が硬化するものである。
【0040】光硬化性シート5は、この時点ではスタン
パー2と密着しているため真円度は変化しない(スタン
パー2と同じ値である)。その後、光硬化性シート5を
スタンパー2から剥がすと、光透過性シート4と光硬化
性シート5は共に弾性体なので、光透過性シート4は元
の状態に戻る。
【0041】しかるに、この光透過性シート4と一体的
な光硬化性シート5は、後述する如く光透過性シート4
よりも剛性が小なので、これは光透過性シート4側に引
張られることになり、この光硬化性シート5上に形成し
た情報信号用の溝3とは反転した情報信号用の溝が歪む
ことにより真円度歪みが大きくなると考えられる。
【0042】尚、光硬化性シート5が光透過性シート4
より剛性が小さい理由は、硬化した光硬化性シート5は
光透過性シートと同じプラスチック材料であるためヤン
グ率はほぼ同じであり、従って、剛性を左右するのは厚
みになるが、この厚みが光透過性シート4より薄いため
である。
【0043】また、光硬化性シート5を設ける目的は反
転した情報信号用の溝を得るためなので、厚くする必要
はなく通常は30μm以下であり、更に光硬化性シート
5を厚くした場合、両者の総厚は、前記した如く0.1
mmなので相対的に光透過性シート4が薄くなるためで
ある。
【0044】しかるに、硬化前の光硬化性シート5はヤ
ング率が小さいので、それと一体的に形成されている光
透過性シート4も共に剛性が低下してしまう。従って、
反転した情報信号用の溝を光硬化性シート5に形成する
際、光透過性シート4に皺が入ってしまい、この光硬化
性シート5により作製した光ディスクは記録・再生がで
きなくなる虞がでることになるものと思われる。
【0045】上記の仮説に基づき光硬化性シート5への
成形の各工程に於いて、情報信号最外周部の真円度歪み
量を調査した結果を図3に示す。この図3より明らかな
如く、スタンパー2から光硬化性シート5を剥がした後
(図3中工程3)に、真円度歪み量は突然大きくなるこ
とが分かる。ここで、真円度歪み量とは、幾何学的真円
に対する情報信号の狂いのずれ量である。
【0046】また、図2はこの時の真円度歪みの形状を
示すものであるが、加圧ローラ6が光透過性シート4に
接した始めの状態で、反転(転写)された情報信号用の
溝が大きく歪んでいるので、この仮説が裏付けられてい
ると考えられる。
【0047】更にこの仮説に基づけば、加圧ローラ6が
停止している部分、すなわち、前記した如く、加圧ロー
ラ6による加圧を行ってから移動テーブル1が移動する
までの数秒の停止期間部分で真円度が大きく歪むことに
なるので、移動テーブル1を移動させて光硬化性シート
5に情報信号用の溝を転写した終了時にも、それと同様
に真円度が大きく歪むことが予想される。
【0048】なお、光硬化性シート5の変形量を小さく
するには、反転した情報信号用の溝が形成される期間内
で加圧ローラ6からの加圧力を下げるのも効果的であ
る。また、停止時間を極力短くするのも効果的である。
【0049】一方、光硬化性シート5に形成される反転
した情報信号用の溝の多くは、移動テーブル1の移動中
に行われる。この時、加圧ローラ6が光硬化性シート5
を加圧して情報信号用の溝3を転写する時の単位面積あ
たりの圧力は、スタンパー2の外径形状が円形なので、
初めは高く徐々に下がって行き中心部で一番下がってか
ら再び徐々に上がりはじめ最後は初めと同じ高い圧力に
なる。
【0050】前記した図2の真円度歪みの形状から推察
すると、この圧力変動は大きな原因にはなっていない
が、前記したように、光硬化性シート5による変形が真
円度歪み悪化の原因であるとするならば、始めから終わ
りまで圧力(加圧)を一定にすることで真円度歪みは更
に改善されるものと思われる。
【0051】この圧力は、光硬化性シート5にスタンパ
ー2の反転した情報信号用の溝を転写できる最低圧力に
するのが、光硬化性シート5の変形量が最小になるので
ベストである。
【0052】更に、加圧開始時、加圧ローラ6が停止し
ている位置をスタンパー2の外径より外側に置き、そこ
から移動テーブル1を移動し始め加圧ローラ6がスタン
パー2の厚みだけ乗り上げてから情報信号用の溝3を転
写することを試みてみたが、始めに転写された部分の情
報信号用の溝の真円度が大きく歪んでいた。
【0053】前記したことを踏まえ、光硬化シート5に
反転した情報信号用の溝を形成する時の具体的な実施の
形態の一例を図4から図6を用いて説明する。図4は、
図1の情報信号形成装置において、情報信号形成時の第
1の形態を示す模式的平面図、図5は、図1の情報信号
形成装置において、情報信号形成時の第2の形態を示す
模式的平面図、図6は、図1の情報信号形成装置におい
て、情報信号形成時の第3の形態を示す模式的平面図で
ある。
【0054】図4は加圧ローラ6の開始位置、すなわ
ち、図1における移動テーブル1の矢印(左)方向でス
タンパー2と接する如くプレート7を配置した形態の模
式的平面図である。この図4より明らかな如く、スタン
パー2の情報信号用の溝面3とプレート7の上面とを、
移動テーブル1面上で同じ高さにしている。またスタン
パー2の外径側面2aと、プレート7の側面部7aは隙
間無く密着しており、加圧ローラ6が移動テーブル1上
をスムーズに移動することができるように構成してい
る。
【0055】図5は図4の改良型で、プレート8がスタ
ンパー2の回りを覆っている形態の模式的平面図であ
る。この場合も前記と同様、スタンパー2の情報信号用
の溝面3とプレート8の上面とが移動テーブル1面上で
同じ高さになっており、またスタンパー2の外径側面2
aとプレート8の内周側面8aは隙間無く密着しており
加圧ローラ6が移動テーブル1上をスムーズに移動する
ことができるように構成している。
【0056】図6はスタンパー2の形状を変えたもので
あり、スタンパー2を、情報信号用の溝部最外周9の径
より大で、かつ、移動テーブル1の移動方向に沿って長
く(延設)した形状で、加圧ローラ6がスタンパー2を
乗り上げることなく移動テーブル1上をスムーズに移動
することができるように構成している。また、この図6
の如く外径をカットする前のスタンパー2は、約φ20
0mmなので図6の形状を得ることは比較的容易であ
る。
【0057】図4から図6に示す形態のいずれに於いて
も、成形開始時の加圧ローラ6が停止している位置は、
情報信号用の溝部最外周9の変形が少ない位置であり、
また終了位置も情報信号用の溝部最外周9の変形が少な
い位置とするものである。尚、図4での加圧ローラ6の
終了位置は、加圧ローラ6がスタンパー2から外れた移
動テーブル1上とすることで、情報信号用の溝3形成終
了部の真円度の変形を防ぐことができる。
【0058】一方、この際に用いる一体的に形成された
光透過性シート4と光硬化性シート5は、内径か外径ま
たは内、外径を必要な形状に加工してあっても良いし、
図5や図6の形態で反転した情報信号用の溝を形成する
場合は、一定幅にしておけば単位面積あたりの成形荷重
が成形開始から終了まで同じ値になるので真円度歪みも
更に良好になるものである。
【0059】また、一体的に形成された光透過性シート
4と光硬化性シート5は芯材に巻き付けたロール状にし
ておけば装置の自動化の際、供給しやすくなるので、便
利である。
【0060】
【実施例1】ここで、実施の形態1の実施方法につき、
図7〜図9を参照して具体的に説明する。図7は図1の
情報信号形成装置において、光透過性シートの上に積層
された光硬化性シートに情報信号用の溝を形成するに際
し、装置を構成する加圧ローラの停止時と移動完了時の
状態を示す模式的側面図であり、図8は加圧ローラ開始
時及び終了時の停止位置と真円度歪み量を調べた結果の
説明図、図9は、情報信号形成時における加圧力と真円
度歪み量との関係を示す説明図である。
【0061】初めに、加圧ローラ6開始時及び終了時の
それぞれの停止位置と真円度歪み量について調べたの
で、その方法につき図7を参照して説明し、また、その
結果について、図8を参照して詳述する。
【0062】光硬化性シート5への情報信号用の溝3の
形成は、図1で詳述した方法を用いるものであるが、ス
タンパー2は、図6に示す如くの形状のスタンパーを使
用した。そして、情報信号用の溝部最外終9と加圧ロー
ラ6中心軸の距離(図7中Aの距離で開始時と終了時は
同じ距離でテストした)を、図8の如く変えると共に図
1で詳述した方法により一体的に形成されている光透過
性シート4と光硬化性シート5のうちの光硬化性シート
5に反転した情報信号用の溝を転写し、紫外線照射後、
この一体的に形成されている光透過性シート4と光硬化
性シート5を、スタンパー2と光硬化性シート5間から
剥がし、光硬化性シート5面に形成された反転された情
報信号用の溝の最外周部の真円度歪みを調べた。
【0063】図8にその結果を示すが、この図8からも
明らかなように、情報信号用の溝部最外終9と加圧ロー
ラ6の中心軸(図7中Aの距離)の距離を、5mm以上
離した場所を加圧ローラ6の加圧開始及び終了位置とす
ることにより、光硬化性シート5に形成された情報信号
用の溝の真円度歪みが小さくなっていることが分かる。
【0064】尚、成形条件としては、加圧力(加圧ロー
ラ6の荷重と図示しないエアーシリンダーによる力の合
計)19.6N、加圧ローラ6外径φ40mm、加圧ロ
ーラ停止時間3s、テーブル1移動速度5mm/sに設
定し、また、一体的に形成されている光透過性シート4
と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μmと10
μmの組み合わせのものを使用した。
【0065】
【実施例2】次に、情報信号形成時の加圧力と真円度歪
み量の関係について調べた。その時使用したスタンパー
2は、外径φ128mm、内径φ22mm、厚み0.3
mmの形状のもので、情報信号形成方法は図1で詳述し
た方法で行なった。また、加圧ローラ6の加圧開始位置
は情報信号用の溝3の最外周部上とし、加圧終了位置は
スタンパー2から外れる移動テーブル1上とした。
【0066】また、加圧ローラ6外径φ40mm、加圧
ローラ停止時間3s、テーブル1移動速度5mm/sに
設定し、更に一体的に形成されている光透過性シート4
と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μmと10
μmの組み合わせのものを使用した。
【0067】この条件で情報信号用の溝3形成時の加圧
力(加圧ローラ6の荷重と図示しないエアーシリンダー
による力の合計)を変え、紫外線照射後、一体的に形成
されている光透過性シート4と光硬化性シート5をスタ
ンパー2と光硬化性シート5間から剥がし、光硬化性シ
ート5面に形成された反転された情報信号用の溝の最外
周部の真円度歪みを調べた。
【0068】図9にその結果を示すが、この図9からも
明らかなように9.8Nの加圧力で情報信号用の溝を形
成した光硬化性シート5は真円度歪みが小さく良好な結
果を得た。また加圧力4.9Nものは更に良好な結果が
得られた。
【0069】
【実施例3】実施例1と実施例2を組み合わせたもので
テストした。スタンパー2としては、図6に示す形状の
スタンパーを使用した。また、成形開始及び終了時の加
圧ローラ6の停止位置は、実施例1の結果から情報信号
用の溝部最外周9と加圧ローラ中心軸の距離を5mm離
れた位置として行った。更に、光硬化性シート5への反
転した情報信号用の溝3の形成は、図1で詳述した方法
で行い、また、加圧力は実施例2で良好な結果が得られ
た9.8Nで行った。
【0070】また、加圧ローラ6外径φ40mm、加圧
ローラ停止時間3s、テーブル1移動速度5mm/sの
条件で、更に、一体的に形成されている光透過性シート
4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μmと1
0μmの組み合わせのものを使用して光硬化性シート5
に反転した情報信号用の溝を転写し、紫外線照射後、一
体的に形成されている光透過性シート4と光硬化性シー
ト5をスタンパー2と光硬化性シート5間から剥がし、
光硬化性シート5面に形成された反転した情報信号用の
溝の最外周部の真円度歪みを調べた。その結果、最外周
部での情報信号用の溝の真円度歪みは7.3μmと良好
な結果が得られた。
【0071】
【実施例4】図4に示すように、成形開始側のスタンパ
ー2の前側にプレート7を付けた形態とした。この時、
スタンパー2の情報信号用の溝面3とプレート7の上面
とを、移動テーブル1面上で同じ高さにした。また、ス
タンパー2の外径側面2aと、プレート7の側面7aは
隙間無く密着しており加圧ローラ6が移動テーブル1上
をスムーズに移動することができるように構成した。
【0072】成形開始時の加圧ローラ停止位置は、実施
例1の結果から情報信号用の溝部最外周9と加圧ローラ
中心軸の距離を5mm離れた位置とした。また、加圧終
了時の加圧ローラは、スタンパーから外れ移動テーブル
1上で停止する位置とした。
【0073】図1を用いて詳述した方法で、加圧力(加
圧ローラ6の荷重と図示しないエアーシリンダーによる
力の合計)19.6N、加圧ローラ6外径φ40mm、
加圧ローラ6停止時間3s、テーブル1移動速度5mm
/sの条件で、また、一体的に形成された光透過性シー
ト4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μmと
10μmの組み合わせのものを使用して光硬化性シート
5に反転した情報信号用の溝を転写し、紫外線照射後、
一体的に形成された光透過性シート4と光硬化性シート
5をスタンパー2と光硬化性シート5間から剥がし、光
硬化性シート5面に形成された反転した情報信号用の溝
の最外周部の真円度歪みを調べた。その結果9.5μm
と良好な結果を得た。
【0074】
【実施例5】図5に示すように、スタンパー2外径の回
りにプレート8を設け、プレート8でスタンパー2の回
りを覆っている形態とした。スタンパー2の情報信号用
の溝面3とプレート8の上面とを移動テーブル1面上で
同じ高さにし、またスタンパー2の外径側面2aとプレ
ート8の内周側面8aは隙間無く密着しており加圧ロー
ラ6が移動テーブル1上をスムーズに移動することがで
きるように構成した。成形開始及び終了時の加圧ローラ
停止位置は、実施例1の結果から情報信号最外周部9と
加圧ローラ中心軸の距離を5mm離れた位置とした。
【0075】図1を用いて詳述した方法で、加圧力(加
圧ローラ6の荷重と図示しないエアーシリンダーによる
力の合計)19.6N、加圧ローラ外径φ40mm、加
圧ローラ停止時間3s、テーブル移動速度5mm/sの
条件で、また、一体的に形成されている光透過性シート
4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μmと1
0μmの組み合わせのものを使用して、光硬化性シート
5に反転した情報信号用の溝を転写し、紫外線照射後、
一体的に形成されている光透過性シート4と光硬化性シ
ート5をスタンパー2と光硬化性シート5間から剥が
し、光硬化性シート5面に形成された反転した情報信号
用の溝の最外周部の真円度歪みを調べた。
【0076】また、シートとしては、一体的に形成され
ている光透過性シート4と光硬化性シート5の外径をφ
119mm、内径をφ20mmにカットしたシートと、
プレート8の幅(図5中W)と同じ幅にした2種類をテ
ストした。その結果シートをカットしたものの真円度歪
みは、9.2μmと良好な結果が得られた。また、プレ
ート8と同じ幅にしたものの真円度歪みは、7.4μm
と更に良好な結果が得られた。
【0077】
【実施例6】図6に示すように、スタンパー2の形状を
変え、このスタンパー2を移動テーブル1の移動方向に
長くした形状とした。成形開始及び終了時の加圧ローラ
停止位置は、実施例1の結果から情報信号用の溝部最外
周9と加圧ローラ中心軸の距離を5mm離れた位置とし
た。
【0078】図1を用いて詳述した方法で、加圧力(加
圧ローラ6の荷重と図示しないエアーシリンダーによる
力の合計)19.6N、加圧ローラ6外径φ40mm、
加圧ローラ停止時間3s、テーブル1移動速度5mm/
sの条件で、また、一体的に形成されている光透過性シ
ート4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μm
と10μmの組み合わせのものを使用して、光硬化性シ
ート5に反転した情報信号用の溝を転写し、紫外線照射
後、一体的に形成されている光透過性シート4と光硬化
性シート5をスタンパー2と光硬化性シート5間から剥
がし、光硬化性シート5面に形成された反転した情報信
号用の溝の最外周部の真円度歪みを調べた。
【0079】また、シートとしては、一体的に形成され
ている光透過性シート4と光硬化性シート5の外径をφ
119mm、内径をφ20mmにカットしたシートと、
スタンパー2の幅と同じ幅にした2種類をテストした。
その結果、シートをカットしたものの真円度歪みは、
9.3μmと良好な結果が得られた。またプレート8と
同じ幅にしたものの真円度歪みは、7.5μmと更に良
好な結果が得られた。
【0080】
【比較例1】外径φ128mm、内径φ22mm、厚み
0.3mmの形状のスタンパー2を使用し、情報信号形
成方法は図1で詳述した方法で行なった。また加圧ロー
ラ6の加圧開始位置は、情報信号用の溝3の最外周部上
とし、加圧終了位置はスタンパーから外れた移動テーブ
ル1上とした。
【0081】また、加圧力19.6N、加圧ローラ6外
径φ40mm、加圧ローラ停止時間3s、テーブル1移
動速度5mm/sの条件で、更に、一体的に形成されて
いる光透過性シート4と光硬化性シート5の厚みは、そ
れぞれ90μmと10μmの組み合わせのものを使用し
て情報信号用の溝を転写し、紫外線照射後、一体的に形
成されている光透過性シート4と光硬化性シート5をス
タンパー2と光硬化性シート5間から剥がし、光硬化性
シート5面に形成された反転した情報信号用の溝の最外
周部の真円度歪みを調べた。その結果41.3μmと悪
い結果がでた。
【0082】
【比較例2】外径φ128mm、内径φ22mm、厚み
0.3mmの形状のスタンパー2を使用し、情報信号形
成方法は図1で詳述した方法で行なった。また加圧ロー
ラ6の加圧開始位置は、スタンパー2の外径より外側と
し、開始直後加圧ローラ6がスタンパー2を乗り上げて
から情報信号用の溝3の転写を行うようにした。また加
圧終了位置は、スタンパー2から外れた移動テーブル1
上とした。
【0083】更に、加圧力19.6N、加圧ローラ6外
径φ40mm、加圧ローラ停止時間3s、テーブル1移
動速度5mm/sの条件で、一体的に形成されている光
透過性シート4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ
90μmと10μmの組み合わせのものを使用して情報
信号用の溝3を転写し、紫外線照射後、一体的に形成さ
れている光透過性シート4と光硬化性シート5をスタン
パー2と光硬化性シート5間から剥がし、光硬化性シー
ト5面に形成された反転した情報信号用の溝の最外周部
の真円度歪みを調べた。その結果38.8μmと悪い結
果がでた。
【0084】前記した図1から図7は、加圧ローラ6の
加圧による光硬化性シート5への情報信号形成法である
が、次に、これと異なる情報信号形成法につき図10、
図11を参照して説明する。
【0085】
【実施の形態2】図10は、本発明に係る光情報記録媒
体への情報信号形成装置における実施の形態2の一例を
示す模式的側面図であり、具体的には減圧装置12内を
減圧下した状態で、スタンパー2と光硬化性シート5を
密着させた後、エアー加圧により反転した情報信号用の
溝を光硬化性シート5へ形成する方法の一例を示す模式
的側面図である。なお、以下の説明において、前記した
説明と同一構成部分は同一符号を付し、その具体的説明
は省略する。
【0086】ここで、図10の情報信号形成方法につい
て具体的に説明する。この図10において、10はマグ
ネットプレート、11はテーブル、12は減圧装置、1
3はトッププレートである。前記したスタンパー2はマ
グネットプレート10に固定されており、このスタンパ
ー2とマグネットプレート10は図示しない機構により
上下方向に移動自在に構成されている。
【0087】前記したと同様、一体的に形成されている
光透過性シート4と光硬化性シート5は、スタンパー2
の外径より大きめにカットされ、テーブル11上に光硬
化性シート5面を下向きにして載置される。テーブル1
1の内径部分11aはスタンパー2の外径2aやマグネ
ットプレート10の外径部10aより大に形成されてい
る。
【0088】この状態で減圧装置内12を減圧させ、装
置12内が一定減圧以下になった状態で、マグネットプ
レート10及び情報信号用の溝3が形成されたスタンパ
−2を図示しない機構により上昇させ、スタンパー2の
情報信号用の溝3と光硬化性シート5を密着させる。こ
の状態で減圧装置内12を減圧状態からエアー加圧状態
に変えることにより、スタンパー2上の情報信号用の溝
3を光硬化性シート5に反転した情報信号用の溝として
転写させる。
【0089】また、加圧手段としてはエアー、窒素など
の気体を用いた加圧のみならず、減圧後大気圧に戻した
後、油圧、水圧を用いる加圧手段や、ゴムなどの弾性体
を用いた弾性パッドによる加圧等を用いることができ
る。
【0090】その後、減圧装置12内からマグネットプ
レート10、スタンパー2及び光硬化性シート5、光透
過性シート4を一体のまま取り出し、光透過性シート4
側から紫外線を照射することにより、光硬化性シート5
を硬化させ反転した情報信号用の溝を光硬化性シート5
上に転写する。この方法によれば、加圧エアーが光硬化
性シート5等のシート全面を均一に、しかも一度に加圧
するので真円度歪みの少ない情報信号用の溝が得られる
ものである。
【0091】また、トッププレート13の一部を光透過
性の素材にしておくことにより、エアー加圧を行いなが
ら光硬化性シート5が硬化されるので、スタンパー2側
に形成された情報信号用の溝3に対して忠実な転写が期
待できる。
【0092】更に、減圧工程を経て一旦大気圧に戻した
後、加圧工程を行うというように減圧工程と加圧工程と
を別に行っても良く、別に行えばタクトタイムが短くな
るので自動化しやすくなる。
【0093】
【実施例7】ここで、実施の形態2の実施方法につき、
図10を参照して具体的に説明する。本実施例は、減圧
下でスタンパー2と光硬化性シート5を密着させた後、
エアー加圧により反転した情報信号用の溝を光硬化性シ
ート5に形成する方法である。
【0094】外径φ128mm、内径φ22mm、厚み
0.3mmに加工されているスタンパー2は、内、外径
が同一サイズのマグネットプレート10により情報信号
用の溝3面を上側にして減圧装置12内に固定されてお
り、また、スタンパー2とマグネットプレート10は、
減圧装置内12に設けた図示しない機構により上下方向
に移動するように構成されている。
【0095】また、一体的に形成されている光透過性シ
ート4と光硬化性シート5は、約150mmの正方形に
カットされており、減圧装置12内に設けたテーブル1
1に光硬化性シート5面を下向きにして載置する。
【0096】テーブル11の内径は、スタンパー2の外
径やマグネットプレート10の外径より大に形成してい
る。この状態で減圧装置12内を減圧(約1*105
a)させ、一定減圧以下になった状態で、マグネットプ
レート10及びスタンパ−2を図示しない機構により上
昇させ、スタンパー2の情報信号用の溝3と光硬化性シ
ート5を密着させる。
【0097】この状態で、減圧装置12内を減圧状態か
らエアー加圧(約0.5MPa)状態に変えることによ
り、スタンパー2上の情報信号用の溝3を光硬化性シー
ト5に反転した情報信号用の溝として転写する。約5分
後、減圧装置12内からマグネットプレート10、スタ
ンパー2及び光硬化性シート5、光透過性シート4を一
体のまま取り出し、光透過性シート4側から紫外線を照
射し、その後、一体的に形成されている光透過性シート
4と光硬化性シート5をスタンパー2と光硬化性シート
5間から剥がし、光硬化性シート5面に形成された反転
した情報信号用の溝の最外周部の真円度歪みを調べた。
その結果5.3μmと良好な結果が得られた。
【0098】尚、一体的に形成されている光透過性シー
ト4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μmと
10μmの組み合わせのものを使用した。
【0099】
【実施の形態3】また、図11は、本発明に係る光情報
記録媒体への情報信号形成装置における実施の形態3の
一例を示す模式的側面図であり、具体的には減圧装置1
2内を減圧下した状態で、スタンパー2と光硬化性シー
ト5を密着させた後、重しにより反転した情報信号用の
溝を形成する方法の一例を示す模式的側面図である。な
お、以下の説明において、前記した説明と同一構成部分
は同一符号を付し、その具体的説明は省略する。
【0100】次に、図11の情報信号形成方法について
説明する。この図11は、前記した図10と異なり、一
体的に形成されている光透過性シート4と光硬化性シー
ト5を移動させるよう構成されているものである。な
お、図11において、14はシートテーブル、15は緩
衝材である。
【0101】前記したと同様、一体的に形成されている
光透過性シート4と光硬化性シート5は、光硬化性シー
ト4を上側にして図示しない機構で上下動するシートテ
ーブル14上に緩衝材15を介して載置される。またマ
グネットプレート10には、情報信号用の溝3が表面側
になるようにスタンパー2が磁力により固定されてお
り、スタンパー2を下側にしてテーブル11上に載置さ
れている。
【0102】テーブル11の内径部11aは、一体的に
形成されている光透過性シート4と光硬化性シート5及
び緩衝剤15やシートテーブル14の外径部より大に形
成されている。この状態で減圧装置内12を減圧させ、
装置12内が一定減圧以下になった状態で、シートテー
ブル14を図示しない機構により上昇させ、スタンパー
2に形成された情報信号用の溝3と光硬化性シート5を
密着させた後、シートテーブル14を更に上昇させ、ス
タンパー2をテーブル11上面から浮かせることにより
マグネットプレート10の重量が光硬化性シート5の全
面に掛かるようにして反転した情報信号用の溝を光硬化
性シート5に転写させる。
【0103】その後、減圧装置12内からマグネットプ
レート10、スタンパー2及び光硬化性シート5、光透
過性シート4を一体のまま取り出し、光透過性シート4
側から紫外線を照射ことにより、光硬化性シート5を硬
化させ反転した情報信号用の溝を光硬化性シート5上に
転写する。
【0104】この方法によると、重しになるマグネット
プレート10が浮いた状態で光硬化性シート5を押すこ
とになり、また緩衝剤15により光硬化性シート5やス
タンパー2の僅かなうねりを吸収することが出来るの
で、情報信号用の溝3の転写不良がない良好な信号を形
成でき、また均一にしかも一度に加圧するので真円度歪
みの少ない反転した情報信号用の溝を得ることができ
る。
【0105】尚、加圧力を増やすには、マグネットプレ
ート10上に重し用のプレートを更に載せれば良い。ま
た、この図10や後記する図11の方法では、マグネッ
トプレート10等に図示しないセンターピンを設け、ス
タンパー2と一体の光透過性シート4及び光硬化性シー
ト5に、前記したセンターピンとほぼ同サイズの中心孔
を設けておけば、後工程で一体的に形成された光透過性
シート4及び光硬化性シート5に中心孔を開ける工程を
省くことができる。
【0106】また、図示しないセンターピンの軸径を、
スタンパー2用及びこれに取付けられる一体的に形成さ
れた光透過性シート4及び光硬化性シート5用の2段構
成にしておけば、スタンパー2と光透過性シート4及び
光硬化性シート5の内径を変えることができる。
【0107】
【実施例8】ここで、実施の形態3の実施方法につき、
図11を参照して具体的に説明する。本実施例は、減圧
下でスタンパー2と光硬化性シート5を密着させた後、
重しにより情報信号用の溝を形成する方法である。ここ
で、前記と同様、一体的に形成した光透過性シート4と
光硬化性シート5は、光硬化性シート4を上側にして減
圧装置12内に設けた図示しない機構で上下動するシー
トテーブル14上に緩衝材15を介して載置してある。
【0108】また、前記した如くマグネットプレート1
0には、情報信号用の溝3が表面(下側)になるように
スタンパー2が固定されており、更に、このスタンパー
2の情報信号用の溝3面を下側にして、これは減圧装置
12内に設けたテーブル11上に載置されている。テー
ブル11の内径は、一体的に形成されている光透過性シ
ート4と光硬化性シート5及び緩衝剤15やシートテー
ブル14の外径より大に形成されている。
【0109】この状態で減圧装置12内を減圧(約1*
105Pa)させ、一定減圧以下になった状態で、シー
トテーブル14を図示しない機構により上昇させスタン
パー2の情報信号用の溝3と光硬化性シート5を密着さ
せた後、シートテーブル14を更に上昇させ、スタンパ
ー2をテーブル11から浮かせることによりマグネット
プレート10の重量(本実施例では29.4N)が光硬
化性シート5の全面に加わるようにして、反転した情報
信号用の溝をこの光硬化性シート5に転写させる。
【0110】約5分経過後、減圧装置12内からマグネ
ットプレート10、スタンパー2及び光硬化性シート
5、光透過性シート4を一体のまま取り出し、光透過性
シート4側から紫外線を照射し、その後、一体的に形成
されている光透過性シート4と光硬化性シート5をスタ
ンパー2と光硬化性シート5間から剥がし、光硬化性シ
ート5面に形成された反転した情報信号用の溝の最外周
部の真円度歪みを調べた。その結果5.5μmと良好な
結果が得られた。尚、一体的に形成されている光透過性
シート4と光硬化性シート5の厚みは、それぞれ90μ
mと10μmの組み合わせのものを使用した。
【0111】なお、この図11の場合、スタンパー2固
定用及び重し用としてマグネットプレート10を用いた
が、必ずしもこのマグネットプレート10に限定される
ことなく、例えば、裏打ちスタンパー(スタンパー裏面
に平坦な金属板やガラス板を接着剤で貼り付けた形態)
を用いても勿論良いものである。
【0112】また、重し用プレートもこれに限定される
ことなく、例えばエアーシリンダーや水圧シリンダー及
び油圧シリンダーを用いても良く、更にバネやゴムパッ
トのような弾性体を用いても良い。
【0113】ここで、次世代型の高密度光ディスクの形
態について言及しておく。従来の技術でも述べているよ
うに、高密度光ディスクの入射面層は約0.1mmなの
で、これを従来の射出成形法で形成するのは困難であ
る。一方、高密度光ディスクの総厚を考えると、取扱い
上その他からCDやDVDと同じ1.2mmになるもの
と推測される。よって次世代型高密度光ディスクの一形
態としては、例えば、入射面層の厚みが0.1mmとす
るならば、基板層の厚みは1.1mmになる。即ち入射
面層の厚みは基板より薄くなる。従って、本実施例にな
る方法は、一層効果を増すものと思われる。
【0114】なお、前記した各実施例では再生専用型
(ROM型)について述べているが、本発明はこれに限
定したものではなく、例えば案内溝やアドレスピット等
の情報信号上に記録層として有機色素を塗布しその上に
冷却層としてアルミニウム膜等を設けた1度だけ記録が
可能な追記型光ディスクや、同様の情報信号上に透明材
料からなる下引き層、相変化膜を媒体とした記録層、透
明材料からなる上引き層、冷却層としてアルミニウム膜
等を設けた何度でも書き換え可能な相変化型光ディスク
でも良い。
【0115】または、一度だけ書換可能な相変化型ディ
スク、更に同様の情報信号上に磁気光学効果を有する記
録磁性層を設けたやはり何度でも書き換え可能な光磁気
型ディスク等の記録層を1層のみ有する単層構成のみな
らず、中間層を得て膜構成を対象型にした2層の記録層
を有する2層構成にした形態の光ディスクや、カード状
をした光カードや、光ディスク等の外径を長方形状に加
工した孔のあいたカード等で光硬化性シートを用いて成
形した光ディスク、及び光カード等にも適応可能であ
る。
【0116】尚、実施例及び比較例で用いた一体的に形
成されている光透過性シート4と光硬化性シート5のう
ちの光透過性シートは、前記した如くポリカーボネート
シートを使用しており、また、光硬化性シートは、例え
ば、ウエハ用のダイシングテープに用いているものと同
様のアクリル系またはメタアクリル系をベースにした柔
らかく粘着性のある糊状の紫外線硬化樹脂を使用してい
る。この糊状の紫外線硬化樹脂は、紫外線照射前は粘着
性が高く紫外線を照射することにより粘着性が下がるこ
とを特徴としている。
【0117】また、光硬化性シート5としては、これに
限定したものではなく、例えば、転写性が良く紫外線照
射後にスタンパー2からの離型性が良く、更に、光透過
性が良ければどのようなものでも良い。
【0118】更に光硬化性シート5は、前記したように
始めからシート状ではなく糊状の塊であるので、これは
光透過性シート4であるポリカーボネートシートと図示
しない保護シートの間に入れた後、2つのロール間を通
過させることにより、ポリカーボネートシートと光硬化
性シート及び保護シートを一体化しているものである。
また、この時光硬化性シート5を所望の厚みになるよう
にしているだけでなく、全体の厚みも均一にしているも
のである。なお、保護シートについては、説明を省略し
ているが、これは下記する如く設けておくほうが良い。
【0119】次世代型の高密度光ディスクは、入射面層
の厚みむらを一説では6μm以下にする必要があるの
で、前記したように、2つのロール間を通過させること
により厚みを形成する場合には、本実施例の如く予め一
体的に光透過性シートと光硬化性シートを形成するもの
は、その厚みむら対策として有望と思われる。
【0120】因みに、前記した如く予め一体的に光透過
性シートと光硬化性シートを形成したものにあっては、
その厚みむらは2μm以下という結果がでている。ま
た、本実施例では、保護シートを設ける点につき明示し
てはいないが、これは情報信号転写前に剥がすので、離
型性の良いPETフィルムやポリエチレンフィルム等を
用いれば良いものである。
【0121】更に、光透過性シートとして用いられるポ
リカーボネートシートも記録再生光の入射面層になるた
め傷を嫌うが、前記した2つのロール間を通過させる際
等に傷が入ることが考えられるので、このポリカーボネ
ート側にも保護シートを貼っておくと良いものである。
また、このポリカーボネートシート側の保護シートは、
光硬化性シート5に情報信号用の溝を転写する時や、そ
の後の工程でもポリカーボネートシートに傷が入る可能
性があるので最終工程終了時に剥がすと良い。
【0122】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1にかかる
発明によれば、光透過性シートの上に積層された光硬化
性シートに、加圧手段によりスタンパーに形成された情
報信号用の溝を転写するよう構成した光情報記録媒体の
情報信号形成装置であって、前記加圧手段の加圧開始位
置及び加圧終了位置は、前記光硬化性シートに転写され
た情報信号用の溝の真円度歪が小となるような位置に設
定したことにより、光硬化性シートに反転された情報信
号を転写する際、真円度歪みを抑えることができ、それ
による偏芯も小さい良好な次世代型の単層及び2層の高
密度光ディスクを提供することができる。
【0123】請求項2にかかる発明は、光透過性シート
の上に積層された光硬化性シートに、加圧手段によりス
タンパーに形成された情報信号用の溝を転写するよう構
成した光情報記録媒体の情報信号形成装置であって、前
記加圧手段の少なくとも加圧開始側に、前記スタンパー
に形成され情報信号用の溝面と同一高さになるようプレ
ートを配置したことにより、光硬化性シートに反転され
た情報信号を転写する際、真円度歪みを抑えることがで
き、それによる偏芯も小さい良好な次世代型の単層及び
2層の高密度光ディスクを提供することができる。
【0124】請求項3にかかる発明は、請求項1記載の
光情報記録媒体の情報信号形成装置であって、前記スタ
ンパー形状を、情報信号最外周部の径より大で、かつ、
前記加圧手段の移動方向に沿って延設したことにより、
光硬化性シートに反転された情報信号を転写する際、真
円度歪みを抑えることができ、それによる偏芯も小さい
良好な次世代型の単層及び2層の高密度光ディスクを提
供することができる。
【0125】請求項4にかかる発明は、減圧装置内に、
光透過性シートの上に積層された光硬化性シートを配置
し、前記光硬化性シート面に、反転された情報信号用の
溝を転写すべく、所定位置に情報信号用の溝が形成され
たスタンパーを、前記光硬化性シート面と対峙する如く
前記減圧装置内に配置してなり、前記所定位置に情報信
号用の溝が形成されたスタンパーと前記光硬化性シート
とを減圧下で密着手段により密着させ、その後加圧手段
により前記光硬化性シート面に反転された情報信号を転
写するよう構成したことにより、光硬化性シートに反転
された情報信号を転写する際、真円度歪みを抑えること
ができ、それによる偏芯も小さい良好な次世代型の単層
及び2層の高密度光ディスクを提供することができる。
【0126】請求項5にかかる発明は、減圧装置内に、
光透過性シートの上に積層された光硬化性シートを配置
し、前記光硬化性シート面に、反転された情報信号用の
溝を転写すべく、所定位置に情報信号用の溝が形成され
たスタンパーを、前記光硬化性シート面と対峙する如く
前記減圧装置内に配置し、前記所定位置に情報信号用の
溝が形成されたスタンパーと前記光硬化性シートとを減
圧下で密着させた後、加圧により前記光硬化性シート面
に反転された情報信号用の溝を転写するようにしたこと
により、光硬化性シートに反転された情報信号を転写す
る際、真円度歪みを抑えることができ、それによる偏芯
も小さい良好な次世代型の単層及び2層の高密度光ディ
スクが得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光情報記録媒体への情報信号形成
装置の実施の形態1の一例を示す模式図である。
【図2】図1の装置で形成された媒体の真円度歪みを説
明するための説明図である。
【図3】本発明に係る光情報記録媒体への情報信号形成
装置において、各工程と真円度歪み量との関係を示す説
明図である。
【図4】図1の装置において、情報信号形成時の第1の
形態を示す模式図である。
【図5】図1の装置において、情報信号形成時の第2の
形態を示す模式図である。
【図6】図1の装置において、情報信号形成時の第3の
形態を示す模式図である。
【図7】図1の装置を構成する加圧ローラの停止時と移
動完了時の状態を示す模式的側面図である。
【図8】加圧ローラの停止時及び移動完了時の位置と真
円度歪み量との関係を示す説明図である。
【図9】情報信号形成時における加圧力と真円度歪み量
との関係を示す説明図である。
【図10】本発明に係る光情報記録媒体への情報信号形
成装置における実施の形態2の一例を示す模式的側面図
である。
【図11】本発明に係る光情報記録媒体への情報信号形
成装置における実施の形態3の一例を示す模式的側面図
である。
【符号の説明】
1 移動テーブル 2 スタンパー 2a 外径側面 3 情報信号用の溝 4 光透過性シート 5 光硬化性シート 6 加圧ローラ 7 プレート 7a 側面部 8 プレート 8a 内周側面 9 情報信号最外周部 10 マグネットプレート 10a 外径部 11 テーブル 11a 内径部 12 減圧装置 13 トッププレート 14 シートテーブル 15 緩衝材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性シートの上に積層された光硬化性
    シートに、加圧手段によりスタンパーに形成された情報
    信号用の溝を転写するよう構成した光情報記録媒体の情
    報信号形成装置であって、 前記加圧手段による加圧開始位置及び加圧終了位置は、
    前記光硬化性シートに転写された情報信号用の溝の真円
    度歪が小となるような位置に設定したことを特徴とする
    光情報記録媒体の情報信号形成装置。
  2. 【請求項2】光透過性シートの上に積層された光硬化性
    シートに、加圧手段によりスタンパーに形成された情報
    信号用の溝を転写するよう構成した光情報記録媒体の情
    報信号形成装置であって、 前記加圧手段の少なくとも加圧開始側に、前記スタンパ
    ーに形成された情報信号用の溝面と同一高さになるよう
    プレートを配置したことを特徴とする光情報記録媒体の
    情報信号形成装置。
  3. 【請求項3】光透過性シートの上に積層された光硬化性
    シートに、加圧手段によりスタンパーに形成された情報
    信号用の溝を転写するよう構成した光情報記録媒体の情
    報信号形成装置であって、 前記スタンパー形状を、情報信号用の溝部最外周の径よ
    り大で、かつ、前記加圧手段の移動方向に沿って延設し
    たことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の情
    報信号形成装置。
  4. 【請求項4】減圧装置内に、光透過性シートの上に積層
    された光硬化性シートを配置し、前記光硬化性シート面
    に、反転された情報信号用の溝を転写すべく、所定位置
    に情報信号用の溝が形成されたスタンパーを、前記光硬
    化性シート面と対峙する如く前記減圧装置内に配置して
    なり、 前記所定位置に情報信号が形成されたスタンパーと前記
    光硬化性シートとを減圧下で密着手段により密着させ、 その後加圧手段により前記光硬化性シート面に反転され
    た情報信号を転写するよう構成したことを特徴とする光
    情報記録媒体の情報信号形成装置。
  5. 【請求項5】減圧装置内に、光透過性シートの上に積層
    された光硬化性シートを配置し、 前記光硬化性シート面に反転された情報信号用の溝を転
    写すべく、所定位置に情報信号用の溝が形成されたスタ
    ンパーを、前記光硬化性シート面と対峙する如く前記減
    圧装置内に配置し、 前記所定位置に情報信号用の溝が形成されたスタンパー
    と前記光硬化性シートとを減圧下で密着させた後、 加圧により前記光硬化性シート面に反転された情報信号
    用の溝を転写するようにしたことを特徴とする光情報記
    録媒体の情報信号形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006351159A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Bridgestone Corp 光情報記録媒体の製造に適した光硬化性転写円盤シートの製造方法、及び該製造方法により製造された光硬化性転写円盤シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006351159A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Bridgestone Corp 光情報記録媒体の製造に適した光硬化性転写円盤シートの製造方法、及び該製造方法により製造された光硬化性転写円盤シート
JP4646121B2 (ja) * 2005-06-20 2011-03-09 株式会社ブリヂストン 光情報記録媒体の製造に適した光硬化性転写円盤シートの製造方法

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