JP2003098251A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP2003098251A
JP2003098251A JP2001294843A JP2001294843A JP2003098251A JP 2003098251 A JP2003098251 A JP 2003098251A JP 2001294843 A JP2001294843 A JP 2001294843A JP 2001294843 A JP2001294843 A JP 2001294843A JP 2003098251 A JP2003098251 A JP 2003098251A
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signal
slc
antenna
frequency
interference wave
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JP2001294843A
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Tsutomu Watabe
勉 渡部
Mitsuyoshi Shinonaga
充良 篠永
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーダアンテナのサイドローブから侵入する
妨害波を広帯域にわたり抑圧除去する。 【解決手段】 主アンテナ1及びSLCアンテナ3から
の各受信信号を、それぞれ高速フーリエ変換器101,
102により周波数分割を行い、各分割信号に対して、
SLC(サイドローブキャンセラ)51〜5Mが妨害波
抑圧を行うように構成されている。受信信号の周波数分
割により、広帯域な妨害波、あるいは周波数が変化する
妨害波に対しても、効果的な抑圧除去が行われ、目標信
号のみを的確に表示器6に表示することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、妨害波の抑圧機能
を付加したレーダ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、相手レーダによる探知を回避
するために種々の電波妨害(ECM:Electric
Counter Measures)が考えられてお
り、これに対するレーダ側でもまた、その電波妨害に対
する対抗手段として、種々の電波妨害除去動作(ECC
M:Electric Counter Counte
r Measures)が考案されている。
【0003】ECCMにおいて、アンテナビームのサイ
ドローブを介してレーダ側に侵入する継続的な妨害波に
対しては、サイドローブからの妨害電波を除去するSL
C(Sidelobe Canceller)が一つの
有効な手段として知られている。
【0004】図9は、従来のSLCを搭載したレーダ装
置の要部構成図である。
【0005】すなわち、従来のSLCを搭載したレーダ
装置は、パラボラアンテナ等によりアンテナビームを形
成して回転走査する主アンテナ1と、その主アンテナ1
に接続され、レーダ波を送受信する送受信部2と、無指
向性のアンテナパターンを形成するSLCアンテナ(補
助アンテナ)3及びそのSLC受信部4と、送受信部2
及びSLC受信部4に接続され、サイドローブからの妨
害波を抑圧して受信信号を出力するSLC処理部5と、
妨害波が抑圧除去された受信信号を表示する表示器6
と、周期rのクロック信号Rを生成して、送受信部2及
びSLC受信部4に供給する基準信号発生器7等から構
成されている。
【0006】主アンテナ1に接続された送受信部2は、
図9(b)に示すように、送受切替器2aと、その送受
切替器2aを介して供給された受信信号を増幅する低雑
音高周波増幅器2bと、局部発信器8からの局発信号と
混合して中間周波数(IF)信号を生成する混合器2c
と、IF信号を増幅する中間周波増幅器2dと、基準信
号発生器7からのクロック信号Rに同期して検波し、そ
の検波出力信号をSLC処理部5に供給する検波器2e
とから構成されている。なお、送受切替器2aには送信
機9が接続される。
【0007】一方、SLCアンテナ3に接続されたSL
C受信部4も、同じく基準信号発生器7から供給される
周期rのクロック信号Rに同期した検波を行い、その検
波出力はSLC処理部5に供給される。
【0008】図10は、SLC処理部5における妨害波
抑圧作用を説明した図で、図10(a)に示したよう
に、実線で示した主アンテナ1の指向性アンテナパター
ン1aに対し、SLCアンテナ3は、一点鎖線で示した
ように、指向性アンテナパターン1aにおけるサイドロ
ーブレベルを包含した無指向性アンテナパターン3aを
形成する。
【0009】主アンテナ1の主ビームがアンテナ開口面
の法線方向に、ある角度方位Pを指向し、妨害波Jがそ
の角度方位Pを基準としたなす角度、すなわち入射角θ
で到来し、それぞれ主アンテナ1及びSLCアンテナ3
で受信されたとき、各主アンテナ1及びSLCアンテナ
3で受信の妨害波Jm ,Js は、それぞれ送受信部2及
びSLC受信部4を介してSLC処理部5に供給され
る。
【0010】SLC処理部5の機能は、入射角θにおけ
るアンテナパターン3aのレベルを制御し、入射角θに
おいて、SLCアンテナ3で受信された妨害波Js を、
主アンテナ1のサイドローブを介して受信された妨害波
Jm と比較し、その振幅が等しく、かつ同位相となるよ
うに制御して両受信信号間の減算を行うものである。
【0011】従って、SLC処理部5は演算処理によ
り、図10(b)に破線で示すように、丁度入射角θに
ヌル点(PN )を有する受信アンテナパターンで到来電
波を受信した状態とするので、同振幅及び同位相の両妨
害波Jm ,Js の減算により妨害波J(Jm ,Js )は
抑圧除去され、残りの角度方位Pより到来した目標検出
信号を的確に残留出力して表示器6に供給表示する。
【0012】SLC処理部5は、図9(a)に示したよ
うに構成され、送受信部2に接続された減算器51とS
LC受信部4に接続されたSLC処理器52とからな
り、基準信号発生器7から供給された周期rのクロック
信号Rの動作タイミングで、主アンテナ1を介して受信
された妨害波Jm を含む受信出力信号は減算器51に、
またSLCアンテナ3で受信された妨害波Js を含む同
じく受信出力信号はSLC処理器52に供給される。
【0013】SLC処理器52は、SLC受信部4から
の受信信号が分岐して供給される第1及び第2乗算器5
21,522と、その第1及び第2乗算器521,52
2間に接続された狭帯域フィルタ523とで構成され
る。
【0014】SLC処理部5の動作原理は、あるタイミ
ングでSLC処理器52の第1乗算器521に供給され
た妨害波Js(n-1)は、狭帯域フィルタ523で生成され
た複素数で表わされるウェイトW(n) (以下、複素ウェ
イトと称する)と乗算された後、減算器51において、
主アンテナ1からの妨害波Jm(n-1)と減算される。
【0015】従って、減算器51から出力される目標信
号等の残留成分Jo(n)は次の(1)式で表わされる。な
お、本明細書の記載では、妨害波J(Jm ,Js )、ウ
エイトW(n) 、及び残留成分Jo 等の信号はいずれもベ
クトルで表示されているものとする。
【0016】 Jo(n)=Jm(n-1)−W(n) ・Js(n-1) (1) 残留成分Jo(n)は表示器6に表示されると同時に、第2
乗算器522に供給され、SLCアンテナ3で受信され
た妨害波Js(n-1)と乗算(相関処理)が行われた後、狭
帯域フィルタ523に供給されて複素ウェイトW(n) が
生成される。
【0017】狭帯域フィルタ523は、図9(a)に示
したように、第2乗算器522の乗算出力に対し、増幅
器523aで一定の係数値A1 を乗算した後、加算器5
23bに供給するように構成され、加算器523bから
出力される複素ウェイトW(n) は、第1乗算器521に
供給されるとともに、周期rの遅延回路523cを介し
た後、増幅器523dによる一定の係数値A2 の乗算を
経て、加算器523にフィードバック供給され狭帯域の
フィルタが形成される。従って、複素ウェイトW(n) は
次の(2)式で表わされる。
【0018】 W(n) =A1 ・Js(n-1)・Jo(n-1)+A2 ・W(n-1) (2) 図9(a)に示したレーダ装置では、主アンテナ1は方
位方向等に機械的に回転走査するが、SLCの妨害波除
去機能は電子走査アンテナからなるレーダ装置にも搭載
される。
【0019】図11(a)は、主アンテナを多数のアン
テナ素子をアレイ状に配置して形成し、電子走査アンテ
ナを構成したレーダ装置にSLCによる妨害波除去機能
を搭載した構成図を示したものである。
【0020】すなわち、図11(a)に示したレーダ装
置では、主アンテナ1と同一のアンテナ開口面上にSL
Cアンテナ3を配置して、サイドローブで受信された妨
害波を抑圧する。
【0021】主アンテナ1は、複数(N)個のアレイア
ンテナ素子1A1〜1ANで構成され、これら複数
(N)個のアレイアンテナ素子1A1〜1ANは、送受
信部2の同じく複数(N)個の送受信回路2A1〜2A
Nに対応接続され、送受信回路2A1〜2ANの出力は
送受信部2の合成回路2Bに供給合成される。
【0022】各送受信回路2A(2A1〜2AN)は、
図11(b)に示すように構成され、各アンテナ素子1
A(1A1〜1AN)に接続されたRFの送受信モジュ
ール2Aaは、送受切替器2Abを介して混合器2Ac
に接続される。
【0023】混合器2Acは、局部発信器8の局発信号
と混合されて中間周波(IF)信号となり、IF信号は
帯域フィルタ2Adで不要周波数成分が除去された後、
A/D変換器2Aeを介してデジタルI/Q検波器2A
fに供給される。デジタルI/Q検波回路2Afは、局
部発振器8からの0度及び90度の局発信号の供給を受
け、受信デジタルIF信号を直交したI/Q信号に変換
し、合成回路2Bに供給する。
【0024】図11(a)に示したように、主アンテナ
1における受信信号の位相の中心位置を点Aとし、その
位相中心位置AとSLCアンテナ3との間の距離をD、
妨害波J(Jm ,Js )の入射角をθ、電波伝搬速度を
Cとし、入射角θにおいて受信された妨害波J(Jm ,
Js )を考えたとき、主アンテナ1の位相中心位置Aに
おける受信妨害波Jm と、SLCアンテナ3で受信され
た妨害波Js との間には、次の(3)式で表わされる遅
延時間Δtが生じる。
【0025】 Δt=Dsinθ/C (3) また、主アンテナ1で受信される妨害波Jm は下記
(4)式で表わされるので、SLCアンテナ3で受信さ
れた妨害波Js は次の(5)式で表わすことができる。
【0026】 Jm =Am ・exp (j2πf・t) (4) Js =As ・exp (j2πf(t+Δt)) (5) ただし、Am 及びAs はそれぞれ妨害波Jm ,Js の振
幅を、またfは妨害波J(Jm ,Js )の周波数を示し
ている。
【0027】従って、SLCアンテナ3で受信された妨
害波Js は、上記各式により変換され次の(6)のよう
に表わされる。
【0028】 Js =As ・exp (j2πf・t)・exp (jKD・sinθ) (6) ただし、Kは波数(=2π/λ)であるから、妨害波J
(Jm ,Js )の波長λに依存することを示している。
【0029】また、主アンテナ1とSLCアンテナ3と
の間の位相差は、KD・sinθであるから、その位相
差(KD・sinθ)もまた妨害波J(Jm ,Js )の
波長λに依存して変化する。
【0030】主アンテナ1とSLCアンテナ3で受信さ
れた各妨害波J(Jm ,Js )は、SLC処理部5に供
給され、ここで前述のように、振幅及び位相が揃えられ
て減算されるので妨害波は抑圧除去され、目的とする目
標信号等の残留成分Jo が出力されて表示器6に表示さ
れる。
【0031】上記のように、主アンテナ1をアレイアン
テナで構成した場合、主アンテナ1の位相中心位置Aと
SLCアンテナ3との間の位相差(kD・sinθ)は
妨害波Jの波長λ、すなわち周波数fに応じて変化す
る。
【0032】SLC処理部5における妨害波Jの抑圧
は、主アンテナ1とSLCアンテナ3でそれぞれ受信さ
れた各妨害波Jm ,Js の振幅及び位相を揃えて減算を
行うので、主アンテナ1とSLCアンテナ3でそれぞれ
受信された各妨害波Jm ,Js間の位相差が一定である
場合は、SLC処理部5における位相合わせが行われ、
妨害波Jは抑圧され、目的とする目標信号を残留成分J
o(n)として表示器6に表示される。
【0033】これは、図9に示したレーダ装置において
も同様である。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】上記説明のように、従
来のSLCを搭載したレーダ装置は、図11(a)に示
したように、入射角θで入射する妨害波Jには、主アン
テナ1とSLCアンテナ3との間で位相差(KD・si
nθ)が生じるので、主アンテナ1とSLCアンテナ3
でそれぞれ受信された各妨害波Jm ,Js 間の位相差が
一定である場合は妨害波Jは抑圧されて表示器6に表示
されることは避けられる。
【0035】しかしながら、上記のように、主アンテナ
1とSLCアンテナ3との間で位相差(KD・sin
θ)が生じるので、もしも、主アンテナ1とSLCアン
テナ3でそれぞれ受信された各妨害波Jm ,Js 間の位
相差が一定でない広帯域な妨害波、あるいは周波数が時
間軸上で変化する妨害波は、主アンテナ1とSLCアン
テナ3でそれぞれ受信された各妨害波Jm ,Js 間の位
相差が定まらないので、妨害波JはSLC処理部5にお
ける減算処理によっても、各妨害波Jm の残留して表示
器6に表示されてしまい、妨害波の環境下において目標
のみを的確に出力して表示することができなくなるとい
う問題があった。
【0036】そこで本発明は、周波数が変化したり、あ
るいは広帯域な妨害波に対しても、十分な抑圧効果が得
られるレーダ装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明に係るレーダ装置は、主アンテナ及び
SLCアンテナからの各受信信号をそれぞれ導入し、同
期したクロック信号によるサンプリングで順次つらなる
レンジセル信号を出力する手段と、この手段で出力され
た前記各受信信号の連続した複数(M)個のレンジセル
信号を導入して、複数(M)個の周波数成分に分割する
分割手段と、この分割手段により分割された複数(M)
個の各周波数成分毎に妨害波を抑圧する妨害波抑圧手段
と、この妨害波抑圧手段から出力された各周波数成分毎
の妨害波抑圧信号を時系列信号に復元する復元手段とを
具備することを特徴とする。
【0038】このように、本発明のレーダ装置は、分割
手段を有し、主アンテナ及びSLCアンテナで受信され
た信号をそれぞれ複数(M)の周波数成分に分割し、そ
の分割された各周波数成分毎に妨害波を抑圧するので、
妨害波の周波数が変化したり、あるいは広い周波数帯域
にわった場合でも、妨害波は的確に抑圧され、真の目的
とする目標信号のみを表示器に表示することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるレーダ装置の
一実施の形態を図1ないし図8を参照して詳細に説明す
る。なお、図9ないし図11に示した従来の構成と同一
構成には同一符号を付して示し詳細な説明は省略する。
【0040】図1は本発明によるレーダ装置の第1の実
施の形態を示した構成図であり、図1に示したレーダ装
置の構成及び動作を、図2に示す各受信処理信号のタイ
ミングチャート、及びこの実施の形態のレーダ装置で採
用する周波数分割の原理を説明した図3等を参照して以
下詳細に説明する。
【0041】すなわち、図1に示すように、第1の実施
の形態のレーダ装置は、アレイアンテナで構成された主
アンテナ1と、SLCアンテナ3と、主アンテナ1及び
SLCアンテナ3にそれぞれ接続された送受信部2及び
SLC受信部4と、これら送受信部2及びSLC受信部
4にそれぞれ対応接続された第1及び第2の高速フーリ
エ変換回路101,102と、この第1及び第2の高速
フーリエ変換回路101,102における複数(M)個
の各出力端子にそれぞれ対応して設けられた複数(M)
個のSLC処理部51〜5Mと、複数(M)個のSLC
処理部51〜5Mに共通接続された逆高速フーリエ変換
回路103と、この逆高速フーリエ変換回路103に接
続された平均化回路11と、この平均化回路11に接続
され受信出力信号を表示する表示器6と、クロック信号
Rを生成供給する基準信号発生器7とから構成されてい
る。
【0042】そこで、主アンテナ1及びSLCアンテナ
3で受信された妨害波J(Jm ,Js )を含む受信信号
は、送受信部2及びSLC受信部4において、図2
(a)で示す基準信号発生器7からのクロック信号Rに
基づき、周期rのサンプリングにより、それぞれ図2
(b)及び図2(c)に示すデータ列からなる信号が出
力され、第1及び第2の高速フーリエ変換回路101,
102に供給される。
【0043】すなわち、主アンテナ1においては、各ア
ンテナ素子1A1〜1ANにおいて入射角θの角度で受
信された妨害波Jm は、各アンテナ素子1A1〜1AN
に対応接続された送受信回路2A1〜2ANをそれぞれ
介して、合成回路2Bに供給されて合成され、その合成
出力Jm は図2(b)に示すように周期rのレンジセル
方向の受信データ列となって順次第1の高速フーリエ変
換回路101に供給される。
【0044】同様に、SLCアンテナ3で入射角θの角
度で受信された妨害波Js も、受信部4を介して、同じ
く周期rのタイミングで図2(c)に示す受信データ列
として順次第2の高速フーリエ変換回路102に供給さ
れる。
【0045】図2(b)及び図2(c)に示すレンジセ
ル方向のデータ列を導入した第1及び第2の高速フーリ
エ変換回路101,102は、基準信号発生器7からの
クロックRの信号に基づき、順次つらなる複数(M)個
のデータを1単位として、次のレンジセル(周期r)の
間に、複数(M)個に分割された各周波数成分はそれぞ
れ対応する複数(M)個のSLC処理部51〜5Mに供
給される。
【0046】一般に、妨害波Jm ,Js が広帯域に分布
した状態では、図3(a)に示したように、±1/2f
B のベースバンドの全体に広がり、かつ振幅レベルは時
間軸上で変化するので、妨害波Jm ,Js の周波数特性
は時々刻々変化する。
【0047】これらの受信信号が各高速フーリエ変換回
路101,102に供給されたとき、図3(b)に示す
ように、広帯域の妨害波Jは複数(M)の妨害波J1 〜
JMの周波数成分に分割される。
【0048】そこで、第1及び第2の高速フーリエ変換
回路101,102は、複数(M)個の時系列上のデー
タに基づき、次の周期r(レンジセル)のタイミングで
分割信号を生成するが、このようなタイミングで順次S
LC処理部51〜5Mに供給されると、SLC処理部5
1〜5Mにおける複素ウエイトWの収束時間は、周期r
の複数(M)倍の時間長を要することとなる。そこで、
この実施の形態では、図2(b)及び(c)と、図2
(d)との間で矢印で示したように、第1及び第2の高
速フーリエ変換回路101,102は、順次周期rのタ
イミングでスライデングしつつ周波数分割を行い、対応
するSLC処理部51〜5Mに供給するので、SLC処
理部51〜5Mにおける複素ウエイト収束時間の長時間
化は回避される。
【0049】このように、第1及び第2の高速フーリエ
変換回路101,102において、レンジセル単位で、
順次スライディングしつつ周波数分割され、その分割さ
れて形成されたデータは、並列にSLC処理部51〜5
Mに供給される。従って、各SLC処理部51〜5Mに
は、それぞれ図2(d)に示すように、妨害波抑圧され
たデータ列信号Jo1 〜JoMが効率良く出力され、逆高
速フーリエ変換回路103に並列供給される。
【0050】逆高速フーリエ変換回路103は、各SL
C処理部51〜5Mからの妨害波抑圧されたデータ列信
号Jo1 〜JoMを導入し、周期rのタイミングで時系列
信号に復元するので、逆高速フーリエ変換回路103で
は、図2(e)で示すように、周期rで順次シフトしつ
つ同一レンジセ同士が対応するように配置され、その出
力JoX1 〜JoXM は平均化回路11に供給される。
【0051】平均化回路11は、たとえば図4に示すよ
うに、複数(M)個の乗算器1121〜112Mと、複
数(M−2)個の遅延素子1111〜111(M−2)
と、複数(M−1)個の加算素子1131〜113(M
−1)とで構成された既知の回路を採用することがで
き、順次周期rのタイミングで供給される図2(e)に
示した複数(M)の妨害波が抑制されたデータ列JoX1
〜JoXM を導入し、各周期r単位の平均化された出力J
oHを出力して表示器6に供給表示する。
【0052】以上説明のように、第1の実施の形態のレ
ーダ装置によれば、高速フーリエ変換処理により、周波
数分割された後、各周波数帯域ごとにSLC処理が行わ
れ、それぞれ独立の複素ウェイトWが設定されるので、
残留成分は小さくなり、十分な妨害波抑圧性能が得られ
る。
【0053】第1及び第2の高速フーリエ変換回路10
1,102における周波数分割数を6としたとき、各S
LC処理部51〜56による妨害波抑圧機能は、図5に
示した妨害波のベクトル図は説明することができる。
【0054】すなわち、各SLC処理部51〜56に対
する第1の高速フーリエ変換回路101からの入力をJ
m1〜Jm6、第2の高速フーリエ変換回路102からの入
力をJs1〜Js6、そして、各SLC処理部51〜56に
おいて、各分割された周波数成分毎にそれぞれ独立に形
成される複素ウェイトW1 〜W6 とすると、各SLC処
理部51〜56での残留成分の出力Jo1〜Jo6は、それ
ぞれ(Jm1−W1 ・Js1)、(Jm2−W2 ・Js2)・・
・(Jm6−W6 ・Js6)となるので、妨害波Jm (Jm1
〜Jm6)は抑圧除去され、残存する真の目標信号のみが
逆高速フーリエ変換回路103に供給され、もとの時系
列データに復元されて出力される。
【0055】なお、逆高速フーリエ変換回路103は、
第1及び第2の高速フーリエ変換回路101,102に
おけるスライディング処理を受けて、SLC処理部51
〜5Mからの妨害波の残留成分(Jo1〜JoM)をレンジ
方向にスライディング処理を行いつつ出力するように構
成されたが、スライディング処理を実施することなく、
必要とするレーダの処理レンジ範囲全てのレンジセルを
用いて、高速フーリエ変換処理、及び逆高速フーリエ変
換の処理することにより妨害波を抑圧するように構成し
ても良い。
【0056】また、上記第1の実施の形態では、時間と
ともに周波数特性が変化する、あるいは広帯域な妨害波
を抑圧するものとして説明したが、本実施の形態によれ
ば、主アンテナ1及びSLCアンテナ3の各受信系の各
構成回路間の周波数特性の相違により妨害波抑圧性能が
劣化した場合でも同様の効果が得られる。
【0057】このように、第1の実施の形態によれば、
広帯域に分布する妨害波、あるいは周波数が広帯域に変
化する妨害波は、いずれも高速フーリエ変換器101,
102等による複数(M)の周波数成分への分割を経
て、それぞれ妨害波成分の抑圧を経て、時系列データに
変換復元されるので、妨害波Jm は的確に除去され真に
目標信号のみを表示器6に表示することができる。
【0058】上記第1の実施の形態は、レーダは単に送
信パルスを送信し、目標からの受信信号を的確に抽出表
示するために、妨害波を抑制除去するものとして説明し
たが、レーダ探知距離の増大と、距離分解能の向上を目
的として、しばしば送信パルスを周波数変調を加えて送
信し、目標からの反射信号を受信してパルス圧縮を加え
て受信するいわゆるチャープレーダあるいはパルス圧縮
レーダが採用される。
【0059】そこで、上記第1の実施の形態の構成に、
パルス圧縮機能を付加した第2の実施の形態のレーダ装
置を図6ないし図8を参照して以下説明する。
【0060】図6は、第2の実施の形態のレーダ装置の
構成を示したもので、第1の実施の形態との主な相違点
は、SLC処理部51〜55と逆高速フーリエ変換回路
103との間に、既知のパルス圧縮回路104を介在さ
せて構成されたことを特徴とする。
【0061】すなわち、第2の実施の形態のレーダ装置
は、送信機9からの周波数変調された送信パルス信号が
送受信部2及び主アンテナ1を介して目標に向け送信さ
れ、目標からの反射信号を受信する。
【0062】送信パルス信号は、図7(a)に示す変調
波(R(t))の波形図、及び図7(b)の周波数特性
図に示すように、チャープ帯域Δfを形成すように直線
状に周波数変調が加えられて送信され、目標からの反射
信号は、主アンテナ1及び送受信部2を介して受信さ
れ、第1の実施の形態で説明したように、第1及び第2
の高速フーリエ変換回路101,102で周波数分割さ
れた後、SLC処理部51〜5Mを介して妨害波が抑制
除去される。
【0063】このように、周波数分割が行われ、妨害波
が抑制除去された受信信号は、パルス圧縮回路104に
供給される。パルス圧縮回路104には、乗算器104
1〜104Mが各SLC処理部51〜5Mに対応して設
けられ、各乗算器1041〜104Mには、それぞれ各
周波数成分毎に異なるウエイトの圧縮ウエイトW1 〜W
m が供給される。すなわち、圧縮ウエイトW1 〜Wm
は、図7(c)に示す特性曲線(Wi:i=1〜m)上
の値にあって、各乗算器1041〜104Mにおける各
出力の相関(乗算)により、全体として図7(d)で示
すパルス圧縮された目標信号が形成される。
【0064】図6及び図7には、パルス圧縮回路が乗算
器1041〜104M及び圧縮ウエイトW1 〜Wm で構
成されたものとして説明したが、良く知られているよう
に、周波数対遅延特性回路を通してパルス圧縮を行うよ
うにしても良い。
【0065】すなわち、図8の各特性図は、図7の各特
性図にそれぞれ対応して示したものであるが、図8
(a)及び(b)に示される周波数変調波に対し、図8
(c)に示す周波数に反比例する遅延特性を有する回路
を設けて処理することによって、同様に図8(d)に示
すようなパルス圧縮信号を生成することができる。
【0066】いずれにしても、第2の実施の形態によれ
ば、妨害波の抑圧除去の工程において、周波数変調パル
スを受信してパルス圧縮を行うように構成したので、効
果的な妨害波の抑圧除去を行いつつ、レーダ探知距離が
長く、また距離分解能の良好なレーダ装置を提供でき
る。
【0067】以上要するに、本発明のレーダ装置によれ
ば、妨害波の抑圧機能により、広帯域な妨害波環境下で
の目標検出が可能となり、実用上得られる効果大であ
る。
【0068】
【発明の効果】本発明のレーダ装置によれば、受信信号
を周波数分割を行い、各分割周波数毎に妨害波除去操作
を行うので、広帯域にわたる妨害環境下でも、妨害波の
抑圧性能が十分得られた目標検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーダ装置の第1の実施の形態を示し
た構成図である。
【図2】図1に示した装置における妨害波除去作用を説
明するタイミングチャートである。
【図3】妨害波帯域が高速フーリエ変換により分割され
る原理を説明した図である。
【図4】図1に示した平均化回路の詳細構成図である。
【図5】図1に示したSLC処理部における妨害波除去
作用の説明図である。
【図6】本発明のレーダ装置の第2の実施の形態を示し
た構成図である。
【図7】図6に示すパルス圧縮器の構成の動作説明図で
ある。
【図8】図6に示したパルス圧縮器の他の構成の動作説
明図である。
【図9】SLCを採用した従来のレーダ装置の構成図で
ある。
【図10】図9に示した装置の動作説明図である。
【図11】SLCを採用した他の従来のレーダ装置の構
成図である。
【符号の説明】
1 主アンテナ 2 送受信部 3 SLCアンテナ 4 SLC受信部 5,51,52 SLC処理部(妨害波抑圧手段) 6 表示器 7 基準信号発生器 9 送信機 101,102 高速フーリエ変換回路(分割手段) 103 逆高速フーリエ変換回路(復元手段) 104 パルス圧縮回路 11 平均化回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J070 AA05 AB01 AC13 AD03 AD08 AH04 AH19 AH35 AH39 AK22 AK32 BH10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主アンテナ及びSLCアンテナからの各
    受信信号をそれぞれ導入し、同期したクロック信号によ
    るサンプリングで順次つらなるレンジセル信号を出力す
    る手段と、 この手段で出力された前記各受信信号の連続した複数
    (M)個のレンジセル信号を導入して、複数(M)個の
    周波数成分に分割する分割手段と、 この分割手段により分割された複数(M)個の各周波数
    成分毎に妨害波を抑圧する妨害波抑圧手段と、 この妨害波抑圧手段から出力された各周波数成分毎の妨
    害波抑圧信号を時系列信号に復元する復元手段とを具備
    することを特徴としたレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記妨害波抑圧手段は、前記分割手段で
    分割された前記複数(M)個の周波数成分を1個の前記
    レンジセルずつ順次ずらしつつ導入して妨害波を抑圧
    し、 前記復元手段は、前記妨害波抑圧手段からの出力を、前
    記1個のレンジセル単位で順次ずらしつつ時系列信号に
    復元し、 前記復元手段で前記1個のレンジセル単位で順次ずらし
    つつ復元された受信信号を、同一レンジセル毎に平均化
    して出力する平均化処理手段を設けたことを特徴とする
    請求項1記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記復元手段は、各周波数成分毎に異な
    る圧縮ウエイトが乗算された前記妨害波抑圧手段から出
    力の妨害波抑圧信号を時系列に復元するように構成され
    たことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレ
    ーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記主アンテナは、送信機から供給の周
    波数変調された送信パルス信号を目標に向け送信し、 前記主アンテナを介して受信された前記送信パルス信号
    は、パルス圧縮されて表示器に表示されるように構成さ
    れたことを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれ
    か1項に記載のレーダ装置。
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