JP2003095729A - カルシア系クリンカー及びそれを用いて得られる耐火物 - Google Patents

カルシア系クリンカー及びそれを用いて得られる耐火物

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Akihiro Tsuchinari
昭弘 土成
Kimito Nakamoto
公人 中本
Toyoyasu Obana
豊康 尾花
Hiroshi Makino
浩 牧野
Masahito Mori
雅人 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、耐消化性に優れ、更には耐スラグ性
に優れた、CaOを主成分とする塩基性耐火物材料、即
ちカルシア系クリンカー及びそれを用いて得られる耐火
物を提供すること。 【解決手段】 CaO:10〜96.8重量%、Mg
O:86.8重量%以下、Al23:3〜15重量%、
及びCoO:0.2〜10重量%なる化学組成を与える
組成物を焼成することにより、また、そのような組成物
の100重量部に対して、ガラス成分及び/又は所定の
酸化物の1種又は2種以上を、1〜10重量部の割合に
おいて、更に配合せしめたものを焼成することにより、
目的とするクリンカーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、カルシア系クリンカー及びそれ
を用いて得られる耐火物に係り、特に、製鉄業における
溶鋼用容器、精錬炉用容器等の内張り用耐火物、或いは
セメントや石灰等を焼成するキルン等における内張り用
耐火物等に用いられる塩基性耐火物用の原料に関するも
のである。
【0002】
【背景技術】CaO(カルシア)は、その融点が約26
00℃で、酸素解離圧及び蒸気圧が低く、耐火物材料と
して魅力的な特徴を持つ反面、水と容易に反応し、消化
するという欠点も有することから、そのようなカルシア
を大量に含有する焼成物を、様々な用途の耐火物として
用いることについては、未だ実現されていない。因み
に、古くは、カルシア煉瓦がAOD炉やVOD炉に利用
された例は、見られる(「耐火物」、第46巻第1号、
第39〜46頁、1994年、耐火物協会)が、その
後、製鋼用耐火物としての研究は、下火となっていたの
である。
【0003】ところが、カルシアを主成分とするカルシ
ア煉瓦は、例えば精錬炉用容器の内張り用耐火物として
用いると、溶鋼中のアルミナをはじめとする介在物を取
り除くという特徴を有するものであり、高純度合金鉄の
精錬には欠かせないものであるところから、クリーンス
チール化の要求が高まると共に、再び、カルシア煉瓦の
要求が高まってきている。このため、カルシアの消化性
を抑制せしめたカルシアクリンカー、塩基性耐火物、或
いはその製造方法等が、近年、種々提案されている。
【0004】例えば、特開昭54−129014号公報
においては、CaO又はCaO−MgOに、ZrO2
SiO2 、B23、Y23の1種又は2種以上を合計量
で10%以下含有せしめ、溶融凝固してなる非破砕の塩
基性耐火粒及びその製造方法が開示されており、また、
特開平6−1654号公報では、石灰石粉体に、SiO
2 、TiO2 、ZrO2 、Al23、Fe23、CaF
2 、MgF2 等の金属酸化物を添加し、成形した後、焼
成する、カルシアクリンカーの製造方法が、開示されて
いる。更に、特開2001−10870号公報において
は、優れた耐消化性を有し、且つスラグ浸食抑制及び耐
スポーリング性に優れたマグネシア・カルシアクリンカ
ーを用いた塩基性不定形耐火物が、提案されている。
【0005】しかしながら、上述のような、従来のカル
シアクリンカー、及びそれを用いた塩基性耐火物等にあ
っては、何れも、充分な耐消化性を有するものではな
く、未だ改善の余地を残すものであったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、安価で、且つ耐消化性に優れた、カルシアを主
成分とする塩基性耐火物材料、即ちカルシア系クリンカ
ー、及びそれを用いて得られる耐火物を提供することに
ある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明は、かくの如き課題の解決
のために、CaO:10〜96.8重量%、MgO:8
6.8重量%以下、Al23:3〜15重量%、及びC
oO:0.2〜10重量%なる化学組成を与える組成物
を焼成して得られた焼成物からなることを特徴とするカ
ルシア系クリンカーを、その要旨とするものである。
【0008】このように、本発明に従う塩基性耐火物原
料たるクリンカーは、溶鋼中の不純物を取り除く性質を
有するCaOと耐食性に優れたMgOに加えて、更にA
23 とCoOを併用して、構成されるものであっ
て、特に、Al23の併用によって、CaOとの間に3
CaO・Al23なる化合物を形成せしめ、また、Co
Oは、焼成物中のCaO表面を被覆し、CaOと水との
接触を阻止せしめ、以て、耐消化性の向上に大きく寄与
せしめ得たのである。
【0009】なお、かかる本発明に従うカルシア系クリ
ンカーにおいては、望ましくは、ガラス成分が、前記組
成物の100重量部に対して、1〜10重量部の割合に
おいて、更に配合せしめられることとなる。このような
ガラス成分の更なる配合によって、耐消化性の向上に有
利に寄与せしめ得るのである。
【0010】また、本発明の望ましい態様の他の一つに
よれば、BeO、B23、P25、Cr23、ZrO
2 、FeO、Fe23、SiO2 及びTiO2 のうちの
何れか1種若しくは2種以上が、前記組成物の100重
量部に対して、1〜10重量部の割合において、更に配
合せしめられ、これによっても、また、耐消化性の更な
る向上が図られ得るのである。
【0011】さらに、本発明は、上記した本発明に従う
クリンカー、即ち、CaOとMgOとAl23とCoO
との所定の化学組成を与える組成物、またはそれに所定
割合のガラス成分及び/又はBeO等の化合物を所定割
合にて配合してなるものを焼成して得られた焼成物から
なるカルシア系クリンカーを、耐火物材料として用いて
なることを特徴とする耐火物をも、その要旨とするもの
である。
【0012】このような本発明に従う耐火物にあって
も、前記した本発明に従うクリンカーの特徴が、そのま
ま発揮され得るのである。
【0013】
【発明の実施の形態】ここにおいて、かかる本発明に従
うカルシア系クリンカーにおいて、CaOは、10〜9
6.8重量%の割合において含有せしめられる必要があ
る。けだし、CaOの含有量が10重量%よりも少ない
と、そのような組成のクリンカーを用いてなる耐火物
が、溶鋼中の不純物を取り除くというクリーンスチール
化に対して、十分に寄与し得ないからである。なお、一
般に、耐火物は、その使用中に損耗するため、例えば溶
鋼用容器等の内張り用耐火物として用いた場合におい
て、損耗した耐火物片の一部が溶鋼中に混入するため、
カルシアクリンカー中に不純物が多いと、必然的に、鋼
中における不純物の増大を招くこととなるところから、
可能な限りCaOの含有率が高いことが望ましい。
【0014】また、そのようなCaOに組み合わされる
MgOは、上述のCaO、及び後述するAl23及びC
oOの添加量に応じて、また、目的とするクリンカーの
特性に応じて、86.8重量%以下の割合において、適
宜に含有せしめられることとなる。
【0015】そして、本発明に従うクリンカーにあって
は、CaO及びMgOに、Al23及びCoOが併用さ
れて、構成されているところに、大きな特徴を有してい
るのである。即ち、クリンカーの原料となる組成物中に
Al23成分及びCoO成分を添加せしめ、かかる組成
物を焼成すると、CaOとAl23との間においては、
3CaO・Al23を生成し、クリンカー(焼成物)中
のCaO成分が減少せしめられるのであり、また、Al
23と反応していないCaOにあっては、その表面が、
拡散能力が極めて大きいCoOにより被覆されて、水分
子との接触が有効に回避され得ることとなるのであり、
以て、Al23或いはCoOを単体で添加せしめた場合
に比して、格段に耐消化性が向上せしめられ得るのであ
る。
【0016】ところで、CaOが消化するのは、Caイ
オンの陽イオン半径が大きいため、酸素イオンが埋没さ
れた構造から陽イオンが露出した構造となり、それによ
って、水和反応性が高まることが指摘されている(「セ
ラミックス」、第30巻(1995年)、No.10、
第884〜887頁)。この理論に従えば、Caのイオ
ン半径は0.99オングストローム(0.99×10
-10 m)であり、Al、Coのイオン半径は、それぞ
れ、Al:0.51×10-10 m、Co:0.72×1
-10 mであるので、Caイオンとの置換により露出し
た陽イオンが減少したか、或いは、置換作用によって格
子常数が小さくなり、密な結晶構造になったためではな
いかと考えられるのである。
【0017】なお、かかるAl23及びCoOの添加量
(配合量)は、上述したCaOによるクリーンスチール
化を考慮し、また、CoOは非常に高価な物質であり、
費用対効果の点をも考慮すると、可能な限り少量である
ことが望ましのであり、クリンカー及びそれを用いてな
る耐火物に要求される耐消化性に応じて、Al23:3
〜15重量%、CoO:0.2〜10重量%の範囲内に
おいて、適宜選択されることとなる。
【0018】また、本発明に従うクリンカーは、CaO
とMgOとAl23とCoOとが、上述の如き化学組成
にて与えられるように、それぞれの成分の原料を配合し
て、組成物を調製した後、焼成することによって、得ら
れるものであるが、そのような組成物を調製するための
各成分の原料としては、公知の各種のものを用いること
が出来る。例えば、CaO源材料としては、消石灰、石
灰石、生石灰のみならず、鶏卵の卵殻やホタテ貝の貝殻
等を粉砕したもの等が使用され得、また、MgO源材料
としては、天然マグネシア、海水マグネシアを始め、公
知の各種製法により製造されるマグネシア・クリンカー
や水酸化マグネシウム、電溶マグネシア等が使用され得
る。更に、Al23源材料としては、焼結アルミナ、仮
焼アルミナ、水酸化アルミナ等を使用することが出来、
そしてまた、CoO源材料としては、一酸化コバルト、
三二酸化コバルト、四三酸化コバルト、シュウ酸コバル
ト水和物、ステアリン酸コバルト、硫酸コバルト、硫化
コバルト等を使用することが出来る。
【0019】さらに、かかる本発明に従う化学組成を与
える組成物(CaO+MgO+Al 23 +CoO)に
は、有利には、所定のガラス成分が、該組成物の100
重量部に対して、1〜10重量部の割合において、配合
せしめられることとなるのであり、また、そのようなガ
ラス成分と共に、或いはガラス成分に代えて、BeO、
23、P25、Cr23、ZrO2 、FeO、Fe2
3、SiO2 及びTiO2 のうちの何れか1種若しく
は2種以上が、前記組成物の100重量部に対して1〜
10重量部の割合において、更に配合せしめられること
となる。
【0020】ここで、Be、B、P、Cr、Zr、F
e、Si、Tiの各イオン半径は、Caイオンのイオン
半径よりも小さいものであるため、そのようなガラス成
分、及びBeO等の所定の酸化物にあっては、上述せる
如く、耐消化性に対する効果が大きいものであるが、そ
の反面、CaOとは、何れも低融点物質を生成し、耐食
性の低下をきたすものであるところから、必然的にその
添加量は制限されるのであり、組成物(CaO+MgO
+Al23 +CoO)の100重量部に対して、それ
ぞれ、1〜10重量部の割合において配合せしめられ
る。
【0021】また、そのように配合せしめられるガラス
成分、及び、ガラス成分と共に、或いはそれに代えて、
用いられる所定の酸化物としては、公知の各種のものを
用いることが出来るのであり、例えば、ガラス成分とし
ては、珪酸塩ガラス、ホウ酸ガラス、リン酸塩ガラス等
を用いることが出来、また、BeOとしては市販されて
いる酸化ベリリウムを、B23としては市販されている
ホウ酸を、それぞれ用いることが出来る。更に、P25
としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等が
使用され得、Cr23としては、3価の酸化クロムを用
いることが望ましい。加えて、ZrO2 としては、市販
の安定化ジルコニアや未安定化ジルコニアを使用するこ
とが出来、SiO2 としては、焼成シリカや電融シリ
カ、或いはSiO2 を含有する粘土等も使用することが
出来、また、ZrO2 やSiO2 の微粉よりなるシリコ
ンフラワーなどを使用することが好ましい。更にまた、
FeOやFe23にあっては、弁柄の使用も可能であ
り、TiO2 としては、アナターゼ型、或いはルチル型
のチタニアを使用することが出来るのである。
【0022】そして、本発明に従うカルシア系クリンカ
ーを製造するに際しては、先ず、前記した化学組成を与
える組成物、またはそれにガラス成分及び/又はBeO
等の所定の酸化物を配合してなるものを準備し、それを
回転ミキサー等で混合し、次いでバインダーを加えて混
練する。その後、その混練物を、ブリケットマシンでア
ーモンド形状に成形し、乾燥した後、ロータリーキルン
で焼成(1500〜2000℃程度)するか、或いは、
油圧プレスやフリクションプレスで煉瓦形状に成形し、
乾燥した後、トンネルキルンあるいはロータリーキルン
で焼成(1500〜2000℃程度)することにより、
焼成物として目的とするクリンカーが得られ、かかるク
リンカーは所定の粒度に粉砕され、耐火物材料として使
用されるのである。なお、本発明のクリンカーにあって
は、電融によって製造することも可能である。
【0023】ここで、かかるクリンカーの製造に際して
用いられるバインダーとしては、公知の各種のものを挙
げることが出来、例えばリグニン類、デンプン類、ポリ
ビニルアルコールやメチルセルロース類、各種フェノー
ル樹脂、糖蜜等が、適宜の割合において用いられ、目的
とする形状に有利に成形されることとなる。
【0024】なお、このようにして製造されたクリンカ
ーにあっては、さらに耐消化性を向上せしめるべく、そ
の表面を、無水の油類、タール、ピッチ、パラフィン、
フェノール樹脂、シリコーン樹脂等で被覆することも可
能であり、また、塩化カルシウム溶液によりクリンカー
表面のカルシアを溶かし、除去することも可能である。
更には、二酸化炭素ガスを用いて、クリンカー表面をコ
ーティングすることも可能である。
【0025】また、本発明に従う耐火物は、上述せる如
きクリンカーに対して、常法に従って、粉砕、整粒操作
を施し、それにより、該クリンカーの粉末又は粒状物か
らなる耐火物材料を得た後、その得られた耐火物材料
を、従来から公知の手法にて所定の形状に成形し、更に
必要に応じて加熱、焼結せしめることによって、煉瓦等
の成形耐火物を得るのである。
【0026】そして、そのような本発明に従う耐火物
は、前述せるように、耐消化性に優れている特徴を有す
るものであって、これにより、製鉄業における溶鋼用容
器、精錬炉用容器等の内張り用耐火物、或いはセメント
や石灰等を焼成するキルン等における内張り用耐火物等
に用いられる塩基性耐火物用の原料として、有利に用い
られ得るのである。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を含む幾つ
かの実験例を示し、本発明を更に具体的に明らかにする
こととするが、本発明が、そのような実験例の記載によ
って何等の制約をも受けるものでないことは、言うまで
もないところである。また、本発明には、以下の実施例
の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の
趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであるこ
とが理解されるべきである。
【0028】実験例 1 炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、仮焼アルミナ、及
び酸化コバルト粉末を、それぞれ下記表1に示す配合割
合で混合せしめた後、バインダーとしてのポリビニール
アルコールを添加して、混練せしめ、次いで、混練物を
ブリケットマシンにて成形した後、得られた成形物を乾
燥せしめ、更にその後、ロータリーキルンにて1550
℃の温度にて焼成することにより、各種クリンカー(焼
成物)を得た。そして、この得られた各種クリンカーを
粉砕等して、それぞれの特性、即ち見掛気孔率、耐消化
性及び耐スラグ性について調べて、その結果を、下記表
1に併せて示した。
【0029】なお、かかるクリンカーの特性評価におけ
る気孔率は、焼成して得られたクリンカーを粉砕して、
3.36〜2.38mmに篩分けした粒子についての物
性であり、JIS−R−2205に準拠して測定して、
得られたものであり、また耐消化性は、1mm以下の粒
子を用いて、その100gを容器に入れて、水蒸気中、
3気圧の圧力下、131℃の温度で3時間、オートクレ
ーブで処理した後の重量増加率として示されている。更
に、耐スラグ性は、直径:50mm、高さ:40mmの
円柱状試料の上部に、直径:30mm、深さ:10mm
の凹部を設け、この中にスラグを入れて、電気炉中に1
550℃の温度にて2時間静置せしめ、冷却後、試料を
切断して、スラグの浸透深さを測定した。尚、かかるス
ラグとしては、その組成が、鉄:60重量%、石灰:3
0重量%、及びシリカ:10重量%よりなるものを用い
た。
【0030】
【表1】
【0031】かかる表1の結果から明らかな如く、本発
明の範囲内の組成よりなるクリンカー(No.2〜N
o.5)にあっては、そのような範囲外の組成よりなる
もの(No.1、No.6)と比較して、耐消化性及び
耐スラグ性が優れていることを認めることができる。
【0032】実験例 2 CaO成分として消石灰或いは卵殻を用いると共に、M
gO成分たる水酸化マグネシウムと、仮焼アルミナ、酸
化コバルトに加えて、更に、ホウ酸、酸化クロム、チタ
ニア、或いはジルコニアを用い、下記表2に示される各
種配合組成において(但し、ホウ酸、酸化クロム、チタ
ニア、ジルコニアは、4つの原料成分に対する外掛けに
て用いられている)、実験例1と同様にして焼成を行な
い、目的とするクリンカーを得た。そして、この得られ
た各種のクリンカーについて、それぞれ、実験例1と同
様にして、見掛気孔率、耐消化性及び耐スラグ性の評価
を行なった。それらの結果を、下記表2に併せ示した。
【0033】
【表2】
【0034】かかる表2の結果から明らかなように、C
aO、MgO、Al23、CoOの必須の4成分に加え
て、ホウ酸等の所定の酸化物を所定割合にて添加、含有
せしめることにより、耐消化性及び耐スラグ性に対する
更なる向上効果を発揮せしめ得ることが、認められ得る
のである。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うカルシア系クリンカーにあっては、溶鋼のクリー
ンスチール化に大きく寄与するCaOを主成分とし、こ
れにAl23及びCoOを併用して構成することによ
り、Al23との間においてCaO・Al23を生成す
ると共に、Al2O3と未反応のCaOの表面は、拡散
能力の非常に高いCoOにより被覆されるのであって、
これにより、耐消化性に優れ、且つ耐スラグ性にも優れ
た、塩基性耐火物原料が実現され得たのである。
【0036】また、そのようなクリンカーを用いて得ら
れる耐火物にあっても、原料たるクリンカーの特性をそ
のまま引き継ぎ、耐食性及び耐スラグ性において優れた
特徴を発揮するものであるところから、各種用途におけ
る耐火物として、例えば、製鉄業における溶鋼用容器、
精錬炉用容器等、或いはセメントや石灰等を焼成するキ
ルン等における内張り用耐火物等として、有利に用いら
れ得るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾花 豊康 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 伊藤忠セ ラテック株式会社内 (72)発明者 牧野 浩 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 伊藤忠セ ラテック株式会社内 (72)発明者 森 雅人 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 伊藤忠セ ラテック株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA06 AA07 AA08 AA17 AA22 AA27 AA28 AA35 AA36 AA37 BA25 4K013 CF19 4K051 AA02 AA05 AA06 BE00 BE03 4K070 CC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaO:10〜96.8重量%、Mg
    O:86.8重量%以下、Al23:3〜15重量%、
    及びCoO:0.2〜10重量%なる化学組成を与える
    組成物を焼成して得られた焼成物からなることを特徴と
    するカルシア系クリンカー。
  2. 【請求項2】 ガラス成分が、前記組成物の100重量
    部に対して1〜10重量部の割合において、更に配合せ
    しめられている請求項1に記載のカルシア系クリンカ
    ー。
  3. 【請求項3】 BeO、B23、P25、Cr23、Z
    rO2 、FeO、Fe23、SiO2 及びTiO2 のう
    ちの何れか1種若しくは2種以上が、前記組成物の10
    0重量部に対して、1〜10重量部の割合において、更
    に配合せしめられている請求項1又は請求項2に記載の
    カルシア系クリンカー。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    カルシア系クリンカーを、耐火物材料として用いてなる
    ことを特徴とする耐火物。
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