JPH06293556A - 耐塩基性耐火材 - Google Patents

耐塩基性耐火材

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JPH06293556A
JPH06293556A JP5237436A JP23743693A JPH06293556A JP H06293556 A JPH06293556 A JP H06293556A JP 5237436 A JP5237436 A JP 5237436A JP 23743693 A JP23743693 A JP 23743693A JP H06293556 A JPH06293556 A JP H06293556A
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oxide
refractory
refractory material
mgo
component
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JP5237436A
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Inventor
Kenichi Yamaguchi
健一 山口
Fumihiko Ogino
文彦 荻野
Etsuji Kimura
悦治 木村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩基性融体に対する耐食性を有する耐火材で
あって、酸化マグネシウムを主成分とし、融体中の酸化
鉄と反応して酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に高融
点の複合酸化物を形成する酸化物を第2成分として含む
ことを特徴とする耐塩基性耐火材。 【効果】 銅製錬において生じるカルシウムフェライト
スラグや含Feセメントのような酸化鉄を多量に含む塩基
性スラグや焼成物に対して極めて良好な耐食性を有す
る。従って通常の煉瓦と同程度の気孔率を有するもの
は、酸化鉄に富む塩基性融体を扱う製銅炉の内張用耐火
煉瓦などとして特に有用である。また、焼結密度の高い
ものは熱伝導性及び耐熱衝撃性に優れており、ルツボや
炉芯管または各種センサーの保護管としても有用であ
る。また、公害の原因となる酸化クロムを含まないた
め、環境保護の観点からも有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐塩基性に優れた耐火
材に関する。本発明の耐火材は、酸化鉄を多量に含む塩
基性融体や焼成物と接触する製錬炉やキルンの耐火煉瓦
あるいは炉芯管等の材料として特に有用である。
【0002】
【従来技術とその問題点】金属製錬において使用される
各種の炉やセメント製造等に使用される各種キルンに
は、高温から炉材を保護するため炉壁に耐火材が内張り
されている。また、ルツボ、炉芯管あるいはマッフルの
ように内容物を高温で溶解するのに用いられる器具にも
耐火材が使用される。これらの耐火材は使用環境に応じ
て、SiO2あるいはZrO2 を主成分とする酸性耐火
材、Cr2 3 あるいはAl2 3 を主成分とする中性
耐火材、MgOあるいはCaOを主成分とする塩基性耐
火材が用いられており、例えば、塩基性の融体、焼成物
あるいはガス等に曝される環境では塩基性耐火材が用い
られる。
【0003】代表的な耐火材である耐火煉瓦のうち塩基
性耐火煉瓦についてみると、従来の塩基性耐火煉瓦は、
酸化Mg単味の他に、耐食性を高めるために、酸化Cr
を含有させた酸化Mg−酸化Cr系煉瓦が多く用いられ
ている。この酸化Mg−酸化Cr系煉瓦は、耐火性及び
荷重軟化点が高い利点を有するものの、成分中のクロム
およびその酸化物が公害の原因となる問題があり、その
代替品が求められている。また該酸化Mg−酸化Cr系
煉瓦は、通常の塩基性融体に対しては良好な耐食性を示
すが、酸化Feに富む塩基性高温融体に対しては耐食性
に限界がある。これは、上記耐火材に酸化鉄に富む塩基
性高温融体が接触すると、耐火材の成分である酸化Mg
及び酸化Crと融体中の酸化Feが反応してそれぞれM
gFe24 およびFeCr2 4 で表わされるスピネ
ルを形成することによるためであると思われる。
【0004】これを模式的に図5に示すと、酸化Mg−
酸化Cr系耐火煉瓦50は酸化Mg粒子51と酸化Cr
粒子52が相互に一体に焼結した構造を有している。こ
れが酸化Feに富む高温の融体54に接触すると、粒子
間の空隙を通じて煉瓦50の表面層に融体54が浸入
し、融体中の酸化Feと酸化Mgおよび酸化Crがそれ
ぞれ反応して、表面層の粒界にMgFe2 4 およびF
eCr2 4 で表される鉄分の多いスピネル相53を形
成する。このスピネル相の形成に際して上記粒子の結晶
粒が膨化し、これと一体に焼結していた非スピネル相の
酸化Mg粒子51および酸化Cr粒子52との結合が破
壊される。またスピネル成分のMgFe24 は融点が1
900℃と高いものの融体中のアルカリ成分によって浸蝕
され易い。これらの原因で耐火煉瓦50の表面層が溶損
すると考えられる。
【0005】
【発明の解決課題】以上のように、酸化Mg−酸化Cr
系耐火煉瓦は、酸化鉄に富む塩基性高温融体等に対して
は耐食性に限界があるため、このような融体や焼成物が
生じる製錬炉やキルンでは、耐火煉瓦の溶損が著しい箇
所に電鋳煉瓦を使用する等の対策を余儀なくされており
経済的でない。このため、酸化Mg−酸化Cr耐火煉瓦
に代わる耐食性に優れた塩基性耐火煉瓦が求められてい
る。また、セメントキルンでは上記酸化Mg−酸化Cr
系耐火煉瓦に代えて、酸化Mg−酸化Al系耐火煉瓦が
試みられているが、この煉瓦も酸化Feに富む塩基性焼
成物に対してはやはり耐食性に乏しい。本発明は、従来
の酸化Mg−酸化Cr系耐火煉瓦等における上記問題点
を解決した耐塩基性耐火材を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題の解決手段】本発明者等は上記問題を解決する手
段について種々検討し、その結果、耐火材の成分とし
て、主成分の酸化Mgの他に融体中の酸化Feと反応し
て酸化Mg−酸化Feと共に高融点の複合酸化物を形成
する酸化物を第2成分として添加し、該耐火材が融体に
接触した際に、この複合酸化物によって耐火材の表面層
および表面層の耐火材粒子を覆うことにより、酸化Fe
に富む塩基性融体に対して優れた耐食性が得られ、耐塩
基性耐火煉瓦として最適であることを見出した。この第
2成分としては耐火材の成分としては従来使用されてい
ない酸化Ti、酸化Nb、酸化Nd、酸化La、酸化M
n、酸化Niおよび酸化Coが適当であり、これを1種
又は2種以上添加することにより所望の耐火材を得られ
る知見を得た。またこの耐火材は、その焼結密度が高い
ものは耐熱衝撃性が良いので炉芯管や熱電対の保護管の
材料に適することも確認された。
【0007】
【発明の構成】本発明によれば以下の塩基性耐火材が提
供される。 (1)塩基性の融体ないし焼成物に対する耐食性を有す
る耐火材であって、酸化マグネシウムを主成分とし、融
体ないし焼成物中の酸化鉄と反応して酸化マグネシウム
および酸化鉄と共に高融点の複合酸化物を形成する酸化
物を第2成分として含むことを特徴とする耐塩基性耐火
材。 (2)第2成分として、酸化Ti、酸化Nb、酸化N
d、酸化La、酸化Mn、酸化Niおよび酸化Coのう
ち1種または2種以上を0.1〜50wt%含む上記(1)
の耐塩基性耐火材。 (3)上記成分に加えて酸化Alを1〜20wt%含む上
記(1) の耐火材。
【0008】本発明の耐火材は酸化Mgを主成分とし、
上記第2成分を含む耐火材である。酸化Mgの含有量は
50〜99.9wt%、好ましくは80〜95wt%である。酸
化Mg含有量が50wt%未満であると耐火性が不十分で
あり、99.9wt%を上回ると本発明の効果が十分に発揮さ
れない。
【0009】上記第2成分の酸化物としては、Ti
2 、Nb2 5 、Nd2 3 、La23 、Mn3
4 、NiO、Co3 4 の1種または2種以上が用いら
れる。各酸化物の具体的な含有量は、製品に要求される
特性、耐火材の製造条件や原料価格等に基づいて決定さ
れるが、概ね0.1〜50wt%の範囲であり、好ましく
は2〜20wt%である。第2成分の含有量が0.1wt%
を下回ると充分な耐食性が得られない。また、この量が
50wt%を上回ると耐火材のクリープ変形率あるいは荷
重軟化点によって評価される高温強度が不十分となった
り、耐火物製造時に歪みによる割れを生じることある。
【0010】本発明の耐火材が酸化Feに富む塩基性融
体に対して優れた耐食性を有する理由は、該耐火材が酸
化Feに富む融体に接触した場合に、融体中の酸化Fe
と酸化Mgおよび第2成分の酸化TiなどがMgO−T
iO2 −Fe2 3 などの3成分系の固溶体状の複合酸
化物を形成し、これが耐火材の表面を覆って耐火材の内
部に融体が浸入するのを阻止するためであると考えられ
る。
【0011】MgO−TiO2 系耐火材を例として、こ
れを模式的に図4に示すと、該MgO−TiO2 耐火材
30が、酸化Feに富む高温の融体31に接触した場
合、酸化Mg粒子32および酸化Ti粒子33の間隙を
通じて融体31が表面層に浸入し粒子間の空隙を充填し
て、主成分の酸化Mgと共に第2成分の酸化Tiが融体
中の酸化Feと反応してMgO−TiO2 −Fe2 3
からなる3成分系の複合酸化物35が形成される。該複
合酸化物はMgO−TiO2 −Fe2 3 の3元状態図
において、TiO2 に対するMgOの量が42wt%、F
2 3 に対するMgOの量が8wt%の2点を結ぶMg
O側の範囲で約1750℃以上の融点を有する固溶体相の高
融点複合酸化物(Magnesiowustite )である。これが表面
層に充填して耐火材の表面を覆い、耐火材の内部に融体
が浸入するのを阻止する。しかも、この複合酸化物は上
記スピネル相と異なり耐火材を構成する焼結粒子の膨化
を生じないので耐火材の強度劣化を招かず、また融体中
のアルカリ成分によって浸蝕され難いので優れた耐食性
を発揮する。
【0012】本発明の耐火材は、また、Al2 3 を1
〜20wt%、好ましくは5〜10wt%含有してもよい。
Al2 3 を添加することにより、緻密性が増し、耐食
性が向上する。
【0013】本発明の耐火材は通常の製造方法に従って
製造することができる。一般に、耐火材の製造において
は、原料酸化物を粗粒(粒径2〜5mm程度)、中粒(粒
径1mm前後)、微粒(粒径0.1 mm以下)に分級し、これ
を所定の量比に混合することにより、所望の気孔率、材
料強度および融体に対する抵抗性を有する耐火材が得ら
れる。本発明の耐火材の製造においても同様に、原料の
酸化物粒子を所定の粒径に分級したものを混合し焼結し
て得られる。なお第2成分の各種金属酸化物は酸化Mg
よりも微細な粒子として添加することが好ましい。第2
成分の粒径が主成分の酸化Mg粒子よりも小ければ、第
2成分の酸化物粒子が主成分の酸化Mg粒子を取り囲
み、耐火材が融体に接触した際に、酸化Mg粒子の回り
に上記複合酸化物が形成され易い。従って、比較的少量
の第2成分で所望の効果を発揮させることができる。こ
のように、酸化Mg粒子の粒界付近において第2成分の
存在量が高ければ良く、従って、酸化Mg粒子より粒径
の小さな第2成分粒子を用いることによって少ない添加
量でも本発明の効果が得られる。
【0014】一例として、酸化Mg粉末を粗粒、中粒及
び微粒の割合がそれぞれ10〜50wt%、10〜50wt
%、10〜50wt%となるように混合し、これに粒径が
数百μm 以下の第2成分酸化物を加えて混練し、圧縮成
型した後、1400〜1700℃で5〜30時間かけて
焼成することにより、気孔率が12〜20%の比較的低
密度の耐火材を製造することができる。
【0015】また、酸化Mg粉末(平均粒径100 μm 以
下)に粒径50μm 以下の第2成分酸化物を加えて混練
し、圧縮成型した後、1500〜1700℃で1〜10
時間かけて焼成することにより、緻密度90%以上(気
孔率10%以下)の比較的高密度の耐火材を製造するこ
とができる。
【0016】低密度の上記耐火材は空隙が多く断熱効果
が高いため、塩基性融体を扱う製錬炉などの内張用耐火
煉瓦に適している。一方、高密度の上記耐火材は酸化M
g粒子と酸化Ti粒子が緻密に焼結しており、これらの
粒子を媒体とした固体熱伝導性が良く、良好な伝熱性を
有するので、塩基性原料を溶融するルツボや炉芯管の材
料として好適である。また、この高密度耐火材は、耐熱
衝撃性にも優れているため、従来、アルミナ管等が使用
されてきた高温融体用のセンサー等、例えば、熱電対な
ど高温の融体に接触する各種測定端末の保護管として使
用することもできる。
【0017】
【実施例および比較例】以下、本発明の実施例を比較例
と共に示す。なお本実施例は例示であり本発明の範囲を
限定するものではない。
【0018】実施例1 粒度40μm 〜200 μm のMgO粉末80wt%と粒度40μm
〜200 μm のTiO2粉末20wt%とを混合し、1500kg/c
m2 の圧力で直方体に成形し、大気中1500℃で48時間か
けて焼成し、1片あたり約 7 gの試料ペレットを製造し
た。試料ペレットの見掛け比重、真比重、見掛け気孔率
はそれぞれ、3.07g/cm3 、 3.63 g/cm3、15.43 %であ
り、焼結性としては良好なものであった。上記試料ペレ
ットを、温度1300℃のカルシウムフェライトスラグ(成
分wt%Fe2 O3 : 70、CaO:15、Cu2 O:15、銅製錬におけ
るスラグの一種に相当)中に浸漬し、48時間放置してそ
の耐食性を調べた。その結果、ペレットの外見に大きな
変化は認められなかった。また、耐食性をより詳細に検
討するため、スラグ浸漬中、一定時間毎にスラグを鋼鉄
製ロッドで採取し、スラグ中に溶出したTiO2とMg
Oの量を測定した。結果をそれぞれ図1および図2に示
す。図に示されるように、上記成分のスラグ中への溶出
は極めて低水準であり、時間の経過によっても大きな変
化はない。
【0019】実施例2 耐食性をさらに検討するため、実施例1で用いたスラグ
浸漬48時間後のMgO- TiO2 ペレットとカルシウム
フェライトスラグ界面とのEPMA分析を行なった。図
3にその結果を示す。図示するように、スラグDと耐火
材Cとの接触部分には2つの層が観察され、耐火材寄り
の層Aは主にMgO−TiO2 −Fe 23 の3成分か
らなる固溶体相( MgO:39.27wt%, TiO2 :35.40wt%,
Fe2 O 3:18.86wt%, Cu2 O:1.19wt%, CaO:0.16wt%)
であり、スラグ寄りの相BはMgFe2 4 のスピネル
相である。上記固溶体相Aは融点がおよそ1900℃の複合
金属酸化物相であり、耐火材の表面層がこの複合酸化物
相によって覆われている。従って、これより内側のMg
O粒子およびTiO2 粒子が一体に焼結した耐火材内部
Eにスラグが浸入せずスラグによる浸蝕が防止されるも
のと考えられる。
【0020】実施例3 表1に示す組成の試料ペレットを実施例1と同様にして
製造し、カルシウムフェライトスラグ中に浸漬して耐食
性を調べた。各試料ペレットの焼結性、耐食性を併せて
表1に示した(表1における記号の意味は、◎:優良、
○:良好、△:やや良、×:使用不可である)。表1に
示されるように、本発明の耐火材は焼結性や耐食性に優
れている。また試料9、10から明らかなように、焼結性
と耐食性とは必ずしも対応しない。すなわち、本発明の
効果は、単に耐火材の焼結性が改善されたことによるも
のではないことがわかる。
【0021】
【表1】 試料 成分 見掛比重 真比重 見掛気孔率 焼結性 耐食性 1 MgO-TiO 2 3.07 3.63 15.43 ○ ◎ 2 MgO-Nb2 O 5 3.15 3.73 15.55 ○ ◎ 3 MgO-Nd2 O 3 3.64 3.98 8.54 ◎ △ 4 MgO-La2 O 3 3.76 3.91 3.84 ◎ ○ 5 MgO-Mn3 O 4 3.19 3.77 15.38 ○ ○ 6 MgO-NiO 3.04 3.97 23.43 △ ○ 7 MgO-Co3 O 4 3.03 3.91 22.51 △ △ 8 MgO-Cr2 O 3 2.36 3.82 38.22 △ × 9 MgO-Y 2 O 3 3.52 3.80 7.37 ◎ × 10 TiO 2 3.76 3.84 2.08 ◎ × 注 1) 比較例10以外の試料ペレットの組成はMgO(80wt%)
-X mO n (20wt%) 2) 見掛比重および真比重の単位は( g/cm3 ) 3) 試料10は約1時間で溶解 4) 試料1〜7は本発明の実施例、試料8〜10は比較例
【0022】このことをより明瞭に示すため、実施例1
以外のいくつかの試料についても、スラグ中に溶出した
上記第2成分の酸化物濃度を実施例1と同様に測定し
た。この結果を図1に示した。また図2には実施例2の
試料について、カルシウムフェライトスラグ中へのMg
O溶出量の経時変化を示した。図より明らかなように、
本発明の耐火材は、主成分のMgOおよび第2成分の酸
化物の何れも、スラグ中への溶出が低水準のまま維持さ
れていることが大きな特徴である。
【0023】実施例4 表2に示す組成の試料を調製し、実施例1と同様にして
試料ペレットを作成し耐食性を調べた。この結果、表2
に示すように、何れの試料についても優れた耐食性が確
認された。
【0024】
【表2】 試料 成分 第2成分量 耐食性 11 MgO-TiO 2 10% ◎ 12 MgO-TiO 2 40% ○ 13 MgO-Nb2 O 5 20% ◎ 14 MgO-Nd2 O 3 20% △ 15 MgO-La2 O 3 20% ○ 16 MgO-Mn3 O 4 20% ○ 17 MgO-NiO 20% ○ 18 MgO-Co3 O 4 20% △ 19 MgO-TiO 2 1% △ 20 MgO-Nb2 O 5 1% △ 21 MgO-Nd2 O 3 1% △ 22 MgO-La2 O 3 1% △ 23 MgO-Mn3 O 4 1% △ 24 MgO-NiO 1% × 25 MgO-Co3 O 4 1% × 注 1) ◎、○、△、×は表1と同様、第2成分量はwt% 2) 試料24,25 は比較例
【0025】実施例5 表3に示すように第2成分の酸化物を2種含む例および
酸化Alを含む例について、実施例1と同様にして試料
ペレットを作成し、その耐食性を調べた。この結果、表
3に示すように、何れの試料についても優れた耐食性が
確認された。
【0026】
【表3】 試料 成分 重量比(wt%) 耐食性 26 MgO-TiO 2 - Al2 O 3 80:10:10 良好 27 MgO-Nb2 O 5 - TiO 2 80:10:10 良好 28 MgO-Mn3 O 4 - TiO 2 80:10:10 良好 29 MgO-TiO 2 - Al2 O 3 89:10:1 良好 30 MgO-TiO 2 - Al2 O 3 70:10:20 やや良 注)重量比はMgO-酸化(Ti,Nb, Mb)-酸化(Al,Ti) の各成分の比
【0027】実施例6 粒径が100 μm 以下の粒子よりなるMgO粉末と粒径5
0μm 以下のTiO2とを9:1の割合で十分に混合し
た後、1.5 ton/cm2 の圧力で長さ約20cm、外径20mm、肉
厚 5mmの盲管状に成形し、これを電気炉にて1500℃で1
時間かけて焼成した。該盲管の見掛け比重、真比重、見
掛け気孔率はそれぞれ3.44g/cm3 、3.62g/cm3 および5
%であった。上記管をシ−ス式熱電対の保護管として用
い、銅精練炉から排出されるカルシウムフェライトスラ
グ(成分wt% Fe2 O3 : 70、CaO:15、Cu2 O:15)に浸
漬して温度測定を試みたところ、15分間で測定温度
(1250℃)が安定し、正確な測定値が得られた。2時間
後、測定管をスラグから引き上げ外見を観測したが、ひ
び割れや表面の浸食は認められなかった。一方、同型同
径の管を市販の高純度アルミナ(気孔率:5%)で作成
し、これを保護管として用い同様な試験を行なったとこ
ろ、保護管の浸漬部分は30分以内で完全に溶損した。
【0028】
【発明の効果】本発明の耐塩基性耐火材は、例えば銅製
錬において生じるカルシウムフェライトスラグや含フェ
ライトセメントのような酸化鉄を多量に含む塩基性スラ
グや焼成物に対して極めて良好な耐食性を有する。この
ため、通常の煉瓦と同程度の気孔率を有するものは、従
来の酸化Mg−酸化Cr系耐火煉瓦では耐食性に問題の
ある用途、例えば酸化鉄に富む塩基性融体を扱う製錬炉
の内張用耐火煉瓦などとして特に有用である。また本発
明の耐火材は、焼結密度の高いものは熱伝導性及び耐熱
衝撃性に優れており、ルツボや炉心管または高温融体に
接触する各種センサーの保護管としても有用である。ま
た、公害の原因となる酸化クロムを含まないため、使用
後の処理にも特別な廃棄処理を必要とせず、環境保護の
観点からも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐火材および従来の耐火材をスラグ
に浸漬した際の耐火材組成酸化物のスラグ中濃度と浸漬
時間との関係を示すグラフ。
【図2】 本発明の耐火材および従来技術の耐火材をス
ラグに浸漬した際の酸化Mgのスラグ中濃度と浸漬時間
との関係を示すグラフ。
【図3】 実施例2における耐火材とスラグ界面付近に
おける成分変化を示す模式図。
【図4】 本発明の耐火材をスラグに浸漬した際の界面
付近における成分変化を説明する模式図。
【図5】 従来の酸化Mg−酸化Cr煉瓦の浸蝕状態を
示す模式図。
【符号の説明】
A−MgFe2 4 スピネル相 B−高融点複合酸化物相 C−耐火材 D−スラグ E−耐火材内部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明の構成】本発明によれば以下の構成からなる耐塩
基性耐火材が提供される。 (1) 塩基性の融体ないし焼成物に対する耐食性を有
する耐火材であって、酸化マグネシウムを主成分とし、
融体ないし焼成物中の酸化鉄と反応して酸化マグネシウ
ムおよび酸化鉄と共に高融点の複合酸化物を形成する酸
化物を第2成分として含むことを特徴とする耐塩基性耐
火材。 (2) 第2成分として、酸化チタン、酸化ニオブ、酸
化ネオジム、酸化ランタン、酸化マンガン、酸化ニッケ
ルおよび酸化コバルトのうち1種または2種以上を含む
上記(1)の耐塩基性耐火材。 (3) 酸化マグネシウムの含有量が50〜99.9重
量%であり、第2成分の含有量が0.1〜50重量%で
ある上記(1)または(2)の耐塩基性耐火材。 (4) 第2成分と共に酸化アルミニウムを1〜20重
量%含有する上記(1),(2)または(3)の耐塩基
性耐火材。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 MgO−TiO系耐火材を例として、
これを模式的に図3に示すと、該MgO−Ti2耐火
材30が、酸化Feに富む高温の融体31に接触した場
合、酸化Mg粒子32および酸化Ti粒子33の間隙を
通じて融体31が表面層に浸入し粒子間の空隙を充填し
て、主成分の酸化Mgと共に第2成分の酸化Tiが融体
中の酸化Feと反応してMgO−TiO−Fe
からなる3成分系の複合酸化物35が形成される。該複
合酸化物はMgO−TiO−Feの3元状態図
において、TiOに対するMgOの量が42wt%、
Feに対するMgOの量が8wt%の2点を結ぶ
MgO側の範囲で約1750℃以上の融点を有する固溶
体相の高融点複合酸化物(Magnesiowusti
te)である。これが表面層に充填して耐火材の表面を
覆い、耐火材の内部に融体が浸入するのを阻止する。し
かも、この複合酸化物は上記スピネル相と異なり耐火材
を構成する焼結粒子の膨化を生じないので耐火材の強度
劣化を招かず、また融体中のアルカリ成分によって浸蝕
され難いので優れた耐食性を発揮する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 実施例2 耐食性をさらに検討するため、実施例1で用いたスラグ
浸漬48時間後のMgO−TiOペレットとカルシウ
ムフェライトスラグ界面とのEPMA分析を行なった。
図4にその結果を示す。図示するように、スラグDと耐
火材Cとの接触部分には2つの層が観察され、耐火材寄
りの層Aは主にMgO−TiO−Feの3成分
からなる固溶体相(MgO:39.27wt%,TiO
:35.40wt%,Fe:18.86wt
%,CuO:1.19wt%,CaO:0.16wt
%)であり、スラグ寄りの相BはMgFeのスピ
ネル相である。上記固溶体相Aは融点がおよそ1900
℃の複合金属酸化物相であり、耐火材の表面層がこの複
合酸化物相によって覆われている。従って、これより内
側のMgO粒子およびTiO粒子が一体に焼結した耐
火材内部Eにスラグが浸入せずスラグによる浸蝕が防止
されるものと考えられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐火材および従来の耐火材をスラグ
に浸漬した際の耐火材組成酸化物のスラグ中濃度と浸漬
時間との関係を示すグラフ。
【図2】 本発明の耐火材および従来技術の耐火材をス
ラグに浸漬した際の酸化Mgのスラグ中濃度と浸漬時間
との関係を示すグラフ。
【図3】 本発明の耐火材をスラグに浸漬した際の界面
付近における成分変化を説明する模式図。
【図4】 実施例2における耐火材とスラグ界面付近に
おける成分変化を示す模式図。
【図5】 従来の酸化Mg−酸化Cr煉瓦の浸蝕状態を
示す模式図。
【符号の説明】 A−高融点複合酸化物相 B−MgFeスピネル相 C−耐火材 D−スラグ E−耐火材内部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性の融体ないし焼成物に対する耐食
    性を有する耐火材であって、酸化マグネシウムを主成分
    とし、融体ないし焼成物中の酸化鉄と反応して酸化マグ
    ネシウムおよび酸化鉄と共に高融点の複合酸化物を形成
    する酸化物を第2成分として含むことを特徴とする耐塩
    基性耐火材。
  2. 【請求項2】 第2成分として、酸化チタン、酸化ニオ
    ブ、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化マンガン、酸化
    ニッケルおよび酸化コバルトのうち1種または2種以上
    を0.1〜50wt%含む請求項1の耐塩基性耐火材。
  3. 【請求項3】 上記成分に加えて酸化アルミニウムを1
    〜20wt%含む請求項1の耐火材。
JP5237436A 1993-02-09 1993-08-30 耐塩基性耐火材 Pending JPH06293556A (ja)

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