JP2003095622A - 過酸化水素安定化剤 - Google Patents
過酸化水素安定化剤Info
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Abstract
れ、耐アルカリ性と過酸化水素の安定化効果に優れ、高
濃度のアルカリの存在下においても過酸化水素による漂
白性能を維持し、繊維の白度を向上させることができる
過酸化水素安定化剤を提供する。 【解決手段】 (a)アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なく
とも1種のモノマーとポリ−α−ヒドロキシアクリル酸
および/またはその塩とをラジカル重合させて得られる
ポリマーと、および(b)水溶性マグネシウム化合物と
を含有し、前記ポリマーとマグネシウムの重量比が1:
1〜45:1である過酸化水素安定化剤。
Description
剤に関する。本発明は、特に、セルロース系繊維を漂白
する際に用いられる過酸化水素安定化剤に関する。
際には過酸化水素が広く使用されており、過酸化水素の
異種解離(H2 O2 →H+ +HO2 - )により生成する
パーヒドロキシルイオン(HO2 - )が漂白の有効成分
であると考えられている。この異種解離はアルカリの存
在下で行われるのが効果的であるが、一方でセルロース
系繊維や漂白浴中に含まれる鉄、マンガンなどの重金属
によって過酸化水素の分解(2H2 O2 →2H2 O+O
2 )が促進されるため、漂白効果が低下しやすく、さら
に生成する分子状酸素(O2 )によってセルロース系繊
維が酸化分解され、脆化するなどの問題がある。そこ
で、過酸化水素を安定化させるために種々の過酸化水素
安定化剤が漂白浴に添加されている。
珪酸ソーダが多用されている。珪酸ソーダは、過酸化水
素の安定化効果が高く、セルロース系繊維の白度を向上
させるが、その反面水中に存在するカルシウム、マグネ
シウムなどと水に不溶性の塩(珪酸スケール)を形成
し、繊維や漂白装置に付着あるいは沈着する、いわゆる
珪酸トラブルを生じるという欠点を有し、そのため珪酸
ソーダを含まない非珪酸系過酸化水素安定化剤が望まれ
ている。
リアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダなどのポ
リカルボン酸塩やポリ−α−ヒドロキシアクリル酸塩
(特公平4−34595号公報)、ポリ−α−ヒドロキ
シアクリル酸塩とアクリル酸などのモノマーとから得ら
れる共重合体(特公平7−9155号公報)などがあ
り、珪酸トラブルのような問題を生じることなく、過酸
化水素を安定化し、繊維の白度を向上させることが知ら
れている。
濃度のアルカリの存在下(例えば、水酸化ナトリウムの
場合で40g/Lより低濃度)でのみ安定化効果を発揮
するため、精練または漂白浴への適用条件が限られてい
る。つまり、高濃度のアルカリの存在下(例えば、水酸
化ナトリウムが40〜100g/Lの高濃度)において
は、安定化効果が弱いかもしくは過酸化水素安定化剤自
体の耐アルカリ性が低いために、過酸化水素の分解がす
すみ、漂白効果の低下やセルロース系繊維の脆化が著し
いという欠点がある。
濃度のアルカリの存在下においても過酸化水素の安定化
効果が長続きせず、経時において漂白性能が低下するた
め、連続のまたは長時間にわたるバッチでの精練、漂白
処理にも適していない。
従来技術の問題点を解消し、繊維、特にセルロース系繊
維の糊抜、漂白、精練およびソーピングの際に使用する
過酸化水素安定化剤であって、耐アルカリ性と過酸化水
素の安定化効果に優れ、高濃度のアルカリの存在下にお
いても過酸化水素による漂白性能を維持し、繊維の白度
を向上させることができる過酸化水素安定化剤を提供し
ようとするものである。
を解決するため鋭意検討の結果、アクリル酸などのモノ
マーとポリ−α−ヒドロキシアクリル酸とから得られる
ポリマーと、水溶性マグネシウム化合物とをある特定の
割合で含有する組成物が、単に両者の足し合わせで予測
される効果以上に、高濃度のアルカリの存在下において
も効率よく過酸化水素を安定化することができることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った
ものである。
メタクリル酸、マレイン酸およびそれらの塩からなる群
から選ばれる少なくとも1種のモノマーとポリ−α−ヒ
ドロキシアクリル酸および/またはその塩とをラジカル
重合させて得られるポリマーと、および(b)水溶性マ
グネシウム化合物とを含有し、前記ポリマーとマグネシ
ウムの重量比が1:1〜45:1である過酸化水素安定
化剤を提供する。
て、水溶性マグネシウム化合物は、塩化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硝酸マグネ
シウムおよびエチレンジアミン四酢酸のマグネシウム塩
から選ばれる1種以上であるのが好ましい。
剤の構成について説明する。
素の安定化のための有効成分として、(a)アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸およびそれらの塩からな
る群から選ばれる少なくとも1種のモノマーとポリ−α
−ヒドロキシアクリル酸および/またはその塩とをラジ
カル重合させて得られるポリマーと、(b)水溶性マグ
ネシウム化合物と、を含有するものである。
α−ヒドロキシアクリル酸およびその塩は、従来公知の
製造方法、例えば、高分子量のポリ−α−ヒドロキシア
クリル酸またはポリ−α−ヒドロキシアクリレートの酸
化解重合、対応するポリラクトンと水酸化ナトリウム等
の水性塩基との反応(特公平6−60215号公報)等
の方法により得ることができる。あるいは、市販されて
いるものを使用してもよい。ポリ−α−ヒドロキシアク
リル酸の塩としては、水溶性塩であるのが好ましく、例
えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノール
アミン塩などのアルカノールアミン塩などが挙げられ
る。
の塩は、重量平均分子量が500〜1,000,000
の範囲であるのが好ましく、1,000〜100,00
0であるのがさらに好ましい。ポリ−α−ヒドロキシア
クリル酸およびその塩の重量平均分子量が500未満で
は、過酸化水素の安定化効果が不十分となるおそれがあ
り、重量平均分子量が1, 000, 000を超えると、
過酸化水素安定化剤の耐アルカリ性が低下し、それに伴
い過酸化水素の安定化効果が不十分になるおそれがあ
る。
ロキシアクリル酸および/またはその塩と、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸およびそれらの塩からな
る群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとをラジカ
ル重合させて、(a)成分のポリマーを得る。ここで、
ラジカル重合に使用するアクリル酸、メタクリル酸また
はマレイン酸の塩も水溶性塩であるのが好ましく、その
例としてはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタ
ノールアミン塩などのアルカノールアミン塩が挙げられ
る。
のほか、過酸化水素の安定化効果を阻害しない程度に共
重合可能なモノマーを使用してもよい。共重合可能なモ
ノマーには、特に制限はなく、エチレン、塩化ビニル、
酢酸ビニルなどのビニル系モノマー、アクリルアミド、
アクリレート類およびメタクリレート類などが含まれ
る。アクリレート類およびメタクリレート類としては、
特に制限はないが、炭素数1〜3の炭化水素基を有する
ものが好ましく、この炭化水素基はヒドロキシル基など
の置換基を有していてもよい。そのようなアクリレート
類およびメタクリレート類としては、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタ
クリレートなどが挙げられる。これらの共重合可能なモ
ノマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種
以上を併用してもよい。
またはその塩と、ラジカル重合に使用する前記モノマー
との重量比は、1:10〜10:1であるのが好まし
い。この重量比が1:10未満であると、過酸化水素の
安定効果が不十分となるおそれがあり、10:1を超え
ると、過酸化水素安定化剤の耐アルカリ性が低下するお
それがある。
ラジカル重合法により得ることができる。例えば、ポリ
−α−ヒドロキシアクリル酸および/またはその塩の水
溶液に、ラジカル重合に使用する前記モノマーの全体を
混合し、さらに重合開始剤を添加して30〜150℃で
2〜5時間加熱反応させる方法、ポリ−α−ヒドロキシ
アクリル酸および/またはその塩の水溶液に重合開始剤
を加えた後、ラジカル重合に使用する前記モノマーを滴
下し、30〜150℃で2〜5時間加熱する方法などが
挙げられる。このとき、ポリ−α−ヒドロキシアクリル
酸および/またはその塩の水溶液に、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や
アセトンなどの水混和性溶剤を添加してもよい。
いが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アン
モニウムなどの過硫酸塩、過硫酸塩と重亜硫酸ナトリウ
ムなどの組み合わせによるレドックス系開始剤、過酸化
水素、水溶性アゾ系開始剤などが挙げられ、これらは1
種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。これらの重合開始剤の使用量は、ポリ−α−ヒドロ
キシアクリル酸および/またはその塩、およびラジカル
重合に使用する前記モノマーの合計100重量部に対し
て、0. 1〜1. 0重量部であるのが好ましい。
整する目的で連鎖移動剤(例えば、チオグリコール酸オ
クチル)を添加してもよい。
グネシウム化合物は、マグネシウムイオンを生成する化
合物であれば特に限定はないが、その中でも塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硝
酸マグネシウムや、エチレンジアミン四酢酸のマグネシ
ウム塩などのキレート化合物を好適に用いることができ
る。これらの水溶性マグネシウム化合物は、1種を単独
で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
リマーと、(b)成分中のマグネシウムの重量比が、
1:1〜45:1、好ましくは15:1〜40:1、よ
り好ましくは20:1〜35:1となるように、(a)
成分および(b)成分を混合して過酸化水素安定化剤を
得る。この重量比が1:1未満であると過酸化水素安定
化剤の耐アルカリ性が不良となり、その結果過酸化水素
の安定化効果が不十分となり、45:1を超えると過酸
化水素の安定化効果が劣る。
(b)成分の配合割合が重要である。前記の割合で得ら
れる過酸化水素安定化剤は、過酸化水素の安定化効果が
特に優れており、従来の過酸化水素安定化剤を適用でき
ない条件、すなわち、高濃度のアルカリ(水酸化ナトリ
ウムの場合で40〜100g/L)の存在下において
も、過酸化水素を十分に安定化することができる。
(a)成分、(b)成分のほかに、本発明の効果を損な
わない程度に、精練浸透剤やキレート分散剤を添加して
もよい。
方法について説明する。
等のポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアク
リルニトリル系繊維等の合成繊維、セルロース系繊維等
に適用して処理することができるが、特にセルロース系
繊維に適している。ここで、セルロース系繊維として
は、セルロース繊維、例えば、綿、麻などの天然繊維、
レーヨン、ポリノジック、キュプラなどの再生繊維、ア
セテートなどの半合成繊維、およびこれらのセルロース
繊維とその他の繊維との複合繊維が挙げられる。また、
これらの繊維は、繊維、糸、編み物、織物などのいかな
る形態にあってもよい。
素を用いて上記のセルロース系繊維を糊抜、漂白、精練
またはソーピングする際に、処理浴に添加して使用す
る。その添加量は、処理浴中において、有効成分量(す
なわち(a)成分と(b)成分の合計重量)が0.01
〜6g/Lとなる量が好ましく、0.1〜5g/Lとな
る量がさらに好ましい。有効成分が0.01g/L未満
であると、過酸化水素の安定化効果が不十分になるおそ
れがあり、6g/Lを超えて使用しても添加量に見合う
効果は得られないおそれがある。
理浴中に、有効成分量が1〜6g/L(より好ましくは
3〜5g/L)となるように添加した場合には、高濃度
のアルカリの存在下で高濃度の過酸化水素を安定化でき
るという、従来の過酸化水素安定化剤には見られない顕
著な効果を発揮する。ここで、「高濃度のアルカリ」と
は、水酸化ナトリウムを使用した場合で40〜100g
/L、好ましくは50〜80g/Lほどの濃度をいう。
また、「高濃度の過酸化水素」とは、具体的には、35
%過酸化水素水が40〜100mL/L、好ましくは5
0〜80mL/Lの濃度をいう。
知の方法が適用でき、例えば、コールド・パッド・バッ
チ法などの半連続法、ウィンス染色機、液流染色機、チ
ーズ染色機などのバッチ式装置を使用したバッチ処理、
J−ボックス、L−ボックス、パープルレンジなどの連
続式装置を利用した連続法が挙げられる。これらのなか
でも、本発明の過酸化水素安定化剤は、長時間のバッチ
処理や連続法に特に適している。
ロース系繊維の精練またはソーピングにも使用すること
ができ、例えば、ウィンス染色機、液流染色機、チーズ
染色機、ジッカー染色機、ワッシャー、オープンソーパ
ー、リラクサーなどの装置による処理に適用することが
できる。また、パッドスチームやコールド・パッド・バ
ッチのソーピング浴などにも使用することができる。
るが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるもの
ではない。
重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー(HLC−8020GPC(東ソー(株)
製))を用いて測定し、ポリエチレングリコール換算に
より算出した。なお、カラムにはTSKgel G50
00PWとG3000PW(いずれも東ソー(株)製)
を併用し、リン酸系バッファー(0.025モル/Lの
Na2 HPO4 ・12H 2 Oおよび0.025モル/L
のKH2 PO4 )を用い、流量を1.0mL/分として
溶出した。粘度は、20℃において、B型粘度計(BH
形、(株)東京計器製)を用いて測定した。
−α−ヒドロキシアクリル酸ナトリウム(重量平均分子
量100,000)水溶液163gに、水127gを加
えて希釈した後、80℃に加温し、次いで40重量%ア
クリル酸ナトリウム溶液150gを45分間かけて滴下
し、さらに過硫酸ナトリウム5gを添加した。添加後、
80〜90℃で2時間30分間反応させ、次いで60℃
の温水555gを加えて冷却し、淡黄褐色透明液状のポ
リマー溶液を得た。このポリマー溶液の粘度は100m
Pa・sであり、ポリマーの濃度は12.5重量%であ
り、ポリマーの重量平均分子量は約20, 000であっ
た。
−α−ヒドロキシアクリル酸ナトリウム(重量平均分子
量100,000)水溶液163gに、水127gを加
えて希釈した後、80℃に加温し、次いで40重量%ア
クリル酸ナトリウム溶液150gを45分間かけて滴下
し、さらに過硫酸ナトリウム2gを添加した。添加後、
80〜90℃で2時間反応させ、次いで60℃の温水5
58gを加えて冷却し、淡黄褐色透明液状のポリマー溶
液を得た。このポリマー溶液の粘度は2000mPa・
sであり、ポリマーの濃度は12.5重量%であり、ポ
リマーの重量平均分子量は約200, 000であった。
−α−ヒドロキシアクリル酸ナトリウム(重量平均分子
量100,000)水溶液163gに、水127gを加
えて希釈した後、80℃に加温し、次いで40重量%メ
タクリル酸ナトリウム溶液145gを45分間かけて滴
下し、さらに過硫酸ナトリウム5gを添加した。添加
後、80〜90℃にて2時間30分間反応させ、次いで
60℃の温水560gを加えて冷却し、淡黄褐色透明液
状のポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の粘度は1
00mPa・sであり、ポリマーの濃度は12.3重量
%であり、ポリマーの重量平均分子量は約20,000
であった。
−α−ヒドロキシアクリル酸ナトリウム(重量平均分子
量100,000)水溶液163gに、水127g加え
て希釈した後、80℃に加温し、次いで40重量%マレ
イン酸ナトリウム溶液145gを45分間かけて滴下
し、過硫酸ナトリウム5gを添加した。添加後、80〜
90℃にて3時間反応させ、次いで60℃の温水560
gを加えて冷却し、淡黄褐色透明液状のポリマー溶液を
得た。このポリマー溶液の粘度は120mPa・sであ
り、ポリマーの濃度は12.3重量%であり、ポリマー
の重量平均分子量は約19,000であった。
グネシウム2gを混合し、有効成分量が14.2重量%
の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウム
の重量比は31:1である。
グネシウム3gを混合し、有効成分量が15.0重量%
の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウム
の重量比は21:1である。
グネシウム5gを混合し、有効成分量が16.7重量%
の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウム
の重量比は13:1である。
グネシウム10gを混合し、有効成分量が20.5重量
%の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウ
ムの重量比は6:1である。
グネシウム2.5gを混合し、有効成分量が14.6重
量%の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシ
ウムの重量比は20:1である。
グネシウム3gを混合し、有効成分量が15.0重量%
の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウム
の重量比は21:1である。
グネシウム3gを混合し、有効成分量が14.9重量%
の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウム
の重量比は21:1である。
グネシウム3gを混合し、有効成分量が14.9重量%
の過酸化水素安定化剤を得た。ポリマーとマグネシウム
の重量比は21:1である。
キシアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量100,0
00)の40重量%水溶液を325gと、60℃の温水
585gとを混合し、エチレンジアミンテトラメチレン
ホスホン酸ナトリウム45g、グルコン酸ナトリウム4
5gを添加して均一になるまで混合した後冷却し、ポリ
ヒドロキシアクリル酸系の過酸化水素安定化剤を得た。
この過酸化水素安定化剤の有効成分量は22重量%であ
り、粘度は90mPa・sであった。
ネシウム2gおよびナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物のナトリウム塩(デモールNL、花王(株)製)1
0gを均一になるまで混合し、珪酸ソーダ系の過酸化水
素安定化剤を得た。この過酸化水素安定化剤の有効成分
量は38重量%であり、粘度は100mPa・sであっ
た。
物88gおよびアルギン酸ナトリウム9gを均一になる
まで混合した。この混合液に50℃の温水778gを徐
々に加えながら撹拌し、次いで硫酸マグネシウム74
g、オレイン酸39gおよび25%のアンモニア水12
gを加えて、均一になるまで混合した後冷却し、過酸化
水素安定化剤を得た。この過酸化水素安定化剤の有効成
分量は21重量%であり、粘度は20Pa・sであっ
た。
化剤とした。
たポリマー溶液500gに温水413.5gを加えた
後、グルコン酸ナトリウム70g、硫酸マグネシウム
6.5gおよびジエチレントリアミンペンタアセテート
5ナトリウム塩10gを加え、均一になるまで混合した
後冷却し、過酸化水素安定化剤を得た。この過酸化水素
安定化剤の有効成分量は14.9重量%であり、粘度は
30mPa・sであり、ポリマーとマグネシウムの重量
比は48:1である。
比較例の過酸化水素安定化剤について、耐アルカリ性、
過酸化水素の安定化効果および漂白性能について、下記
のようにして評価した。
50、70または90gとを水に溶解させ、全量を1L
とした。これらの水溶液を、それぞれ、25℃で24時
間静置した後、沈殿物および表面分離の有無を目視によ
り判定し、耐アルカリ性を下記の3段階で評価した。
ずれも見られない) △:やや不良である(幾分沈殿が生じ、分離が見られ
る) ×:不良である(沈殿が生じ、完全に分離している) (2)過酸化水素の安定化効果 下記の表1に示す組成により試験液1および2を調製
し、それぞれ90℃まで昇温して、同温で5分間振とう
した後、試験液中の過酸化水素の残存量を酸化還元滴定
法により定量し、残存率を算出した。
に30秒間水洗した後脱水し、下記の組成で調製した糊
抜浴にて糊抜処理(95℃で30分間)した。処理後、
90℃で1分間湯洗し、さらに30秒間水洗した後脱水
し、次いで100℃で1時間乾燥して、綿糊抜布を得
た。
組成で調製した漂白浴1または2でパディング処理(ピ
ックアップ60%)し、90℃で5分間スチーム処理し
た。これを80℃で1分間湯洗し、さらに30秒間水洗
した後脱水し、次いで100℃で1時間乾燥し、漂白布
1および2を得た。
タ(株)製CM−3700d)を用いて測定し、漂白性
能を評価した。
について、耐アルカリ性、過酸化水素の安定化効果およ
び漂白性能の評価結果を、それぞれ、下記の表3〜5に
示す。なお、表4および5において、「Mg重量比」は
過酸化水素安定化剤中のポリマーとマグネシウムとの重
量比を示し、「有効成分」は過酸化水素安定化剤の有効
成分量を示す。
剤は、漂白布の白度については実施例よりも劣ってい
る。また、過酸化水素の安定化効果は著しく劣ってお
り、従来の過酸化水素安定化剤は、漂白の適用条件が限
定されることが示唆される。
化剤は、耐アルカリ性や漂白布の白度は実施例と同等に
良好であるが、漂白浴中に珪酸スケールが生じて繊維に
付着し、漂白布の風合いが著しく悪い欠点が認められ
た。また、過酸化水素の安定化効果も劣っていた。
例1〜8)は、水酸化ナトリウムが90g/Lの濃度で
存在するような、非常に高濃度の条件においても分離は
見られず、耐アルカリ性に優れている。また、過酸化水
素の残存率は、試験液1でいずれも90%以上、試験液
2でいずれも80%以上であり、過酸化水素の安定化効
果が非常に優れていることがわかる。過酸化水素の安定
化効果が大きければ、分解よりもパーヒドロキシルイオ
ン(HO2 - )が生成する異種解離が優先し、その結果
漂白処理が効率的に行われるものと推察される。
耐アルカリ性と過酸化水素の安定化効果とを併せ持つも
のであり、高濃度のアルカリの存在下においても、過酸
化水素の漂白性能を維持し、セルロース系繊維の白度を
向上させることができる。また、過酸化水素の安定化効
果に優れるので、過酸化水素の漂白性能を長持ちさせる
ことができ、連続のまたは長時間にわたるバッチでの漂
白処理にも適用可能であることが期待される。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なく
とも1種のモノマーとポリ−α−ヒドロキシアクリル酸
および/またはその塩とをラジカル重合させて得られる
ポリマーと、および(b)水溶性マグネシウム化合物と
を含有し、前記ポリマーとマグネシウムの重量比が1:
1〜45:1である過酸化水素安定化剤。 - 【請求項2】 水溶性マグネシウム化合物が、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、
硝酸マグネシウムおよびエチレンジアミン四酢酸のマグ
ネシウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項
1に記載の過酸化水素安定化剤。
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Cited By (1)
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