JP2003094869A - 偽造防止用フィルム - Google Patents

偽造防止用フィルム

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JP2003094869A
JP2003094869A JP2002204229A JP2002204229A JP2003094869A JP 2003094869 A JP2003094869 A JP 2003094869A JP 2002204229 A JP2002204229 A JP 2002204229A JP 2002204229 A JP2002204229 A JP 2002204229A JP 2003094869 A JP2003094869 A JP 2003094869A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報隠蔽層を剥離を剥離することなく、保護
すべき文字情報を認識することが不可能な偽造防止用フ
ィルムを提供すること。 【解決手段】 偽造防止処理が施された遮光層の両面に
熱可塑性樹脂フィルムが貼着された構造を有することを
特徴とする偽造防止用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止および改
ざん防止が要求される銀行券、手形、小切手、トラベラ
ーズチェック、有価証券、カード類などに用いることが
できる高い偽造防止効果を有する偽造防止用フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】現代社会には、銀行券、小切手、有価証
券、カード類といった偽造や複製が禁じられている書面
やカードが多数出回っている。これらの偽造や複製は、
単に法律により禁止するだけではなく、技術的に不可能
にすることが、社会秩序を維持するために必要とされて
いる。しかしながら、近年では複写技術や複製技術が目
覚ましい進歩を遂げていることから、偽造品や複写物が
作製される危険性は年々高まりつつある。現に偽造犯罪
は最近になって増えつつあり、その技術もより精巧にな
っている。
【0003】従来使用されている各種カードとしては、
図2に示されるように例えば白色の塩化ビニル樹脂やポ
リエステル樹脂からなるカード基材(21)上の少なく
とも一方の表面に、例えば、オフセット印刷、グラビア
印刷或いはシルクスクリーン印刷等によって、カード発
行会社ごとに共通する情報、例えば、会社名、商標等が
印刷(25)され、その表面にこれらの共通情報を保護
するための透明樹脂からなるラミネートフィルム(2
2)が積層され、さらにその表面に隠蔽すべき情報を印
字した情報印字部(23)、情報印字部を隠蔽する情報
隠蔽層(24)とを順次形成し、情報印字部に印字した
文字情報を隠蔽した情報隠蔽カードが知られている。こ
のカードは、情報隠蔽層を削ることで、情報印字部に印
字した文字情報を認識することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の情報隠蔽カードは、情報隠蔽層を剥離することな
く、情報隠蔽カードの裏面より光透過することにより、
保護すべき文字情報を認識することが可能であるといっ
た問題を有していた。本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、容易に情報を読みとることができない
偽造防止用フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、熱可塑性樹脂フィルムが遮光層の両面に対称
に貼着された構造であって、該遮光層に偽造防止処理を
施すことにより所期の効果を示す偽造防止用フィルムを
提供しうることを見出し、本発明に到達した。すなわち
本発明は、偽造防止処理が施された遮光層の両面に熱可
塑性樹脂フィルムが貼着された構造を有することを特徴
とする偽造防止用フィルムを提供する。
【0006】本発明の偽造防止用フィルムは、偽造防止
処理が遮光層に濃淡加工を施したことであることが好ま
しい。また、濃淡加工が反射光では視認できず、透過光
により視認することができることが好ましい。濃淡加工
の淡部の全光線透過率が5〜12%であることが好まし
い。偽造防止処理が印刷であることが好ましく、偽造防
止処理の淡部が網点率5〜70%であることが好まし
い。また最外層の熱可塑性樹脂フィルムの表面にピグメ
ント塗工および/またはラミネート加工が施されている
ことが好ましい。本発明は、本発明の偽造防止用フィル
ムを用いたカードをも含む。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の偽造防止
用フィルムについて詳細に説明する。なお、本明細書に
おいて「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最
小値および最大値として含む範囲を意味する。本発明の
偽造防止用フィルムの具体的な態様として、例えば図1
に示すような構造が好ましい例として挙げられる。この
構造は、熱可塑性樹脂フィルム(11)が遮光層(1
2)の両面に対称に貼着された構造であって、該遮光層
に偽造防止処理(13)が施されており、熱可塑性樹脂
フィルム(11)に印刷(14)後、その表面にラミネ
ート加工(15)が施され、さらにラミネート表面に秘
密情報文字(16)、情報隠蔽層(17)、その他の情
報(18)がなされている。
【0008】次に、本発明の偽造防止用フィルムを構成
する各層について順に説明し、さらにその製法や適用に
ついて説明する。
【0009】熱可塑性樹脂フィルム(11) 本発明の偽造防止用フィルムを構成する熱可塑性樹脂フ
ィルム(11)は、少なくとも熱可塑性樹脂を含む層で
ある。熱可塑性樹脂フィルム(11)に用いられる熱可
塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ある
いはプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エ
チレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系
樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−
6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、
ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチ
レンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティック
ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポ
リフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられ
る。これらは2種以上混合して用いることもできる。こ
れらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好
ましい。さらにポリオレフィン系樹脂の中でも、コスト
面、耐水性、耐薬品性の面からプロピレン系樹脂、高密
度ポリエチレンを用いることがより好ましい。
【0010】かかるプロピレン系樹脂としては、アイソ
タクティックないしはシンジオタクティックおよび種々
の程度の立体規則性を示すプロピレン単独重合体(ポリ
プロピレン)、プロピレンを主成分とし、これと、エチ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン,4−
メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体
を好ましく使用することができる。これらの共重合体
は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダ
ム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0011】熱可塑性樹脂フィルム(11)には、熱可
塑性樹脂の他に、無機微細粉末および/または有機フィ
ラーを配合することが好ましい。無機微細粉末として
は、平均粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは
0.01〜8μm、さらに好ましくは0.03〜4μm
のものを使用することができる。具体的には、炭酸カル
シウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸
化チタン、硫酸バリウム、アルミナなどを使用すること
ができる。
【0012】有機フィラーとしては、分散後の平均粒径
が通常0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μ
m、さらに好ましくは0.03〜4μmのものを使用す
ることができる。有機フィラーとしては、主成分である
熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好
ましい。例えば熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂で
ある場合には、有機フィラーとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ナイロン−6,ナイロン−6,6、環状オレ
フィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共
重合体等で融点が120℃〜300℃、ないしはガラス
転移温度が120℃〜280℃であるものを用いるいこ
とが好ましい。
【0013】熱可塑性樹脂フィルム(11)には、さら
に必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤、蛍光
増白剤、着色剤等を配合してもよい。安定剤としては、
例えば立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安
定剤を0.001〜1重量%配合することができる。光
安定剤としては、例えば立体障害アミンやベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.00
1〜1重量%配合することができる。無機微細粉末の分
散剤としては、例えばシランカップリング剤、オレイン
酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.
01〜4重量%配合することができる。蛍光増白剤とし
ては、例えばイミダゾール型、イミダゾロン型、トリア
ゾール型、チアゾール型、オキサゾール型、オキサジア
ゾール型、クマリン型、カルボスチリル型、チアジアゾ
ール型、ナフタルイミド型、ピラゾロン型等、具体的に
は2.5−ビス[5−t−ブチルベンゾオキザゾリル
(2)]チオフェン、ジシクロヘキシルフタレート、4
−メトキシナフタル酸−N−メチルイミド、ジアミノス
チルベンジルスルホン酸誘導体、ジアミノスチルベン誘
導体等を0.001〜1重量%配合することができる。
着色剤としては、各種顔料で着色されたカラーペレット
を5〜30重量%配合することができる。
【0014】本発明の偽造防止用フィルムを構成する熱
可塑性樹脂フィルム(11)は、単層構造を有していて
も、2層以上の複層構造を有していてもよい。また、熱
可塑性樹脂フィルム(11)または熱可塑性樹脂フィル
ム(11)を構成する層の一部は、少なくとも一軸方向
に延伸されていてもよい。熱可塑性樹脂フィルム(1
1)の厚みは25〜300μmであることが好ましく、
30〜200μmであることがより好ましく、40〜1
50μmであることが特に好ましい。
【0015】本発明の偽造防止用フィルムは、熱可塑性
樹脂フィルム(11)が層(A1)、層(A2)、層
(A3)の3層構造[A1/A2/A3]を有する場
合、(A1+A3)の厚みは0.5μm以上であること
が好ましい。特に、層(A1)がポリオレフィン系樹脂
10〜99.5重量%、無機微細粉末および/または有
機フィラー90〜0.5重量%を含有し、層(A2)と
層(A3)がポリオレフィン系樹脂25〜100重量
%、無機微細粉末および/または有機フィラー75〜0
重量%を含有する偽造防止用フィルムが好ましい。さら
に、層(A1)がポリオレフィン系樹脂30〜97重量
%、無機微細粉末および/または有機フィラー70〜3
重量%を含有し、層(A2)と層(A3)がポリオレフ
ィン系樹脂30〜97重量%、無機微細粉末70〜3重
量%を含有する偽造防止用フィルムがより好ましい。
【0016】熱可塑性樹脂フィルム(11)に含まれる
無機微細粉末および/または有機フィラーが75重量%
を超えると、横延伸後の表面強度が低く、使用時の機械
的衝撃等により表面が破壊しやすくなる傾向がある。
【0017】本発明の偽造防止用フィルムを構成する熱
可塑性樹脂フィルム(11)の層(A1)と層(A
2)、および層(A3)の間には、それぞれ他の層を設
けてもよい。上記の無機微細粉末または有機フィラーの
中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、
2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】熱可塑性樹脂フィルム(11)は、少なく
とも一方向に延伸されており、次式で算出されたボイド
率が1〜60%であることが好ましく、2〜40%であ
ることがより好ましく、10〜35%であることがさら
に好ましい。1%未満では軽量化が図りにくく、60%
を上回るとフィルムとしての強度に難点が生じやすくな
る傾向がある。
【0019】
【式1】 式中、ρoは延伸フィルムの真密度を表し、ρは延伸フ
ィルムの密度(JIS−P8118)を表すが、延伸前
の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度
は延伸前の密度にほぼ等しい。
【0020】また熱可塑性樹脂フィルム(11)は、そ
の不透明度が10〜97%(JIS−P−8138に準
拠)であることが好ましい。10%未満ではフィルム内
部に形成されるボイドのボイド率が1%未満になり軽量
化が図りにくくなる傾向がある。97%を超えては、偽
造防止処理の濃淡加工による淡部が不明瞭になる傾向が
ある。
【0021】ボイド含有熱可塑性樹脂延伸フィルムの密
度は0.65〜1.10g/cm3であることが好まし
い。半透明フィルムでは0.90〜1.10g/c
3、不透明フィルムでは0.65〜0.90g/cm3
未満の範囲であることが好ましい。
【0022】熱可塑性樹脂フィルム(11)は、単層で
あっても2層以上が積層されていてもよい。積層方法に
関しては特に限定されず、公知の積層方法、例えば複数
の押出機により溶融した樹脂をフィードブロックまたは
マルチマニホールドにより一台のダイ内で積層してもよ
いし(共押し出し)、溶融押し出しラミネートにより積
層してもよいし、接着剤を用いたドライラミネートによ
り積層してもよい。
【0023】また延伸方法に関しても特に制限されず、
公知の方法により例えば縦方向一軸延伸、縦方向一軸多
段延伸、横方向一軸延伸、縦横逐次二軸延伸、縦横同時
二軸延伸、またはこれらの組合せ等により、一軸あるい
は二軸方向に延伸される。これらは通常熱可塑性樹脂の
融点以下の温度にて延伸され、無機微細粉末または有機
フィラーと熱可塑性樹脂の界面で剥離が起こり、これが
延伸により伝播し拡大することで微細なボイドが形成さ
れる。これら延伸と積層はいずれの組合せで行ってもよ
い。
【0024】これらの熱可塑性樹脂フィルム(11)と
しては、例えば無機微細粉末または有機フィラーを含有
する特公昭46−40794号公報、同56−5543
3号公報、特開昭57−149363号公報、同57−
181829号公報、特開平9−66564号公報、同
11−198313号公報、米国特許第4,377,6
16号明細書等に記載のポリプロピレン系合成紙などが
挙げられる。
【0025】熱可塑性樹脂フィルム(11)の帯電防止
および各種印刷適性向上のために、積層構造の成形後に
表面処理を行って表面改質を行うことが好ましい。表面
処理の方法としては、表面酸化処理と表面処理剤による
処理の組み合わせを挙げることができる。
【0026】表面酸化処理としては、フィルムに一般的
に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ
処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独または組
み合わせて行うことができる。これらのうちで好ましい
のはコロナ処理、フレーム処理である。コロナ処理の処
理量は、600〜12,000J/m2(10〜200
W・分/m2)であることが好ましく、1,200〜
9,000J/m2(20〜180W・分/m2)である
ことがより好ましい。フレーム処理の場合は、8,00
0〜200,000J/m2であることが好ましく、2
0,000〜100,000J/m2であることがより
好ましい。
【0027】表面処理剤としては、主として下記のプラ
イマー、帯電防止性ポリマーより選ばれたもので、単独
あるいは2成分以上の混合物を挙げることができる。ド
ライラミネート時の密着性向上と帯電防止の観点から、
表面処理剤として好ましいものはプライマーないしはプ
ライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせである。
【0028】表面処理剤を構成するプライマーとして
は、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12のア
ルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン
−尿素)およびポリアミンポリアミドのエチレンイミン
付加物およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリ
ン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸
アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミ
ド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合
体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有
アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸エステル
等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等
の水溶性樹脂;またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩
素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
【0029】これらの内で好ましくは、ポリエチレンイ
ミン系重合体およびウレタン樹脂、ポリアクリル酸エス
テル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重
合体であり、さらに好ましくは重合度が20〜3,00
0のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチ
レンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24の
ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン
化シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性
された変性ポリエチレンイミンである。
【0030】表面処理剤を構成する帯電防止ポリマーと
してはカチオン系ポリマー、アニオン系ポリマー、両性
系ポリマーが挙げられる。カチオン系ポリマーとして
は、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有
するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アン
モニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタ
クリル系ポリマーが挙げられる。両性系ポリマーとして
は、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメ
タクリル系ポリマーが挙げられる。またカチオン系ポリ
マーとしては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ない
しはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合
体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共
重合体のアルカリ金属塩などが挙げられる。特に好まし
いのは、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリ
ル系ないしはメタクリル系ポリマーである。
【0031】帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、
重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動剤等
の重合条件により任意のレベルとすることができる。得
られる重合体の分子量は一般に1,000〜1,00
0,000であるが、中でも1,000〜500,00
0の範囲が好ましい。
【0032】本発明に用いる表面処理剤は、必要に応じ
て架橋剤、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等
を含むものであってもよい。表面処理剤に架橋剤を添加
することにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させる
ことができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、
グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹
脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン
系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。架橋
剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた
有効成分100重量部に対して100重量部以下の範囲
である。
【0033】表面処理剤に用いるアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩として、水溶性の無機塩、例えば、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、および塩化
ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポ
リ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム
明礬等が挙げられる。添加量は、通常、上記の表面改質
剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して50重
量部以下である。さらに、表面改質剤には、界面活性
剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他
の助剤を含ませることもできる。これらの任意成分の量
は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分1
00重量部に対して20重量部以下である。
【0034】これらの表面処理剤の各成分は、水或いは
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いることが
できる。中でも水溶液の形態で用いるのが典型的であ
る。溶液濃度は通常0.1〜20重量%、好ましくは
0.1〜10重量%程度である。塗工方法はロールコー
ター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフ
コーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、
リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、ス
プレーコーター等により行われ、必要によりスムージン
グを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤
が除去される。塗工量は乾燥後の固形分として0.00
5〜5g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2であ
る。表面処理のタイミングは、縦または横延伸の前後の
いずれであってもよい。また、表面処理剤は一段の塗工
でも多段の塗工でも構わない。
【0035】ピグメント塗工 熱可塑性樹脂フィルム(11)の各種の印刷適性をより
一層向上させるために、少なくとも印刷がなされる側の
面にピグメント塗工を行なうことができる。ピグメント
塗工は、通常熱可塑性樹脂フィルム(11)の表面に前
記表面酸化処理を行った後に行われる。ピグメント塗工
剤としては、通常のコート紙に使用されるクレイ、タル
ク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、
プラスチックピグメント、二酸化チタン、白土粉等のピ
グメント10〜80重量%と、接着剤90〜20重量%
を含有するものを挙げることができる。またこの際に使
用される接着剤としては、SBR(スチレン・ブタジエ
ンラバー)、MBR(メタクリル・ブタジエンラバー)
等のラテックス、アクリル系エマルジョン(アクリル酸
エステル樹脂含有水溶液など)、澱粉、PVA(ポリビ
ニルアルコール)、CMC(カルボキシメチルセルロー
ス)、メチルセルロース等を挙げることができる。さら
にこれら配合剤に、特殊ポリカルボン酸ナトリウム等の
分散剤や、ポリアミド尿素系樹脂等の架橋剤、発泡防止
剤、耐水化剤、潤滑剤、蛍光塗料等を配合することがで
きる。これらピグメント塗工剤は一般に5〜90重量
%、好ましくは35〜65重量%の固形分濃度の水溶性
塗工剤として使用される。
【0036】塗工方法および手段このような塗工剤を前
記基材層に塗工する手段としては、具体的には、グラビ
ア塗工、メイヤーバー塗工、ロール塗工、ブレード塗
工、サイズプレス塗工、ホットメルト塗工等の塗工手段
を採用することができる。塗工量としては、0.1〜5
0g/m2、好ましくは1〜15g/m2である。その際
のコート層の厚みは、0.05〜50μm、好ましくは
0.5〜20μm、特に好ましくは5〜15μmの肉厚
でフィルムの片面または両面に形成される。塗工表面は
必要によりカレンダー処理等によりプレススムージング
処理を行っても良い。また塗工は必要により2回以上行
っても良い。
【0037】これらの表面処理を行った後には、必要に
応じてさらに記録層を設けることができる。この記録層
には、電子写真方式、昇華熱転写、溶融熱転写、ダイレ
クトサーマル、リライタブルマーキング、およびインク
ジェットプリンターを用いた印刷は勿論のこと、凸版印
刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印
刷、紫外線硬化型オフセット印刷、フィルムの形態でも
ロールの形態の輪転方式の印刷を施すことができる。
【0038】遮光層 熱可塑性樹脂フィルム(11)間に介在させる遮光層
(12)は、例えば、熱可塑性樹脂フィルム(11)
の裏面にオフセットまたはグラビア印刷により厚さ1〜
5μmの黒色ベタ印刷を行うことによって、接着剤
(アンカーコート剤)中に、酸化チタンホイスカー、酸
化チタン微細粒子等の白色充填剤やカーボンブラックを
多量(5〜75重量%)に含有させ、該接着剤を2〜1
0g/m2塗布することによって、着色した布の両面
に接着剤を2〜10g/m2塗布することによって、ま
たは、熱可塑性樹脂フィルム(11)の裏面にアルミ
ニウム等を真空蒸着することによって形成することがで
きる。
【0039】熱可塑性樹脂フィルム(11)間に遮光層
(12)を介在させることにより、本発明の偽造防止用
フィルムの光の波長380〜780nmにおける全光線
透過率(JIS K−7105に準拠)を5%未満、好
ましくは、2%以下、特に好ましくは0.5%以下とす
ることができ、情報隠蔽層(17)の上から秘密情報文
字(16)が反対面から透けて見えることを防止するこ
とができる。
【0040】偽造防止処理 本発明の偽造防止用フィルムは、遮光層(12)に偽造
防止処理が施されている。偽造防止処理は、例えば熱可
塑性樹脂フィルム(11)の裏面にオフセットまたはグ
ラビア印刷により厚さ1〜5μmの黒色ベタ印刷を行う
際に、網点率を5〜70%に変えることにより遮光層に
濃淡加工を施すことによりなされる。濃淡加工は反射光
では視認できず、透過光により視認することができるこ
とが必要である。濃淡加工は偽造防止する目的により、
任意に濃淡パターン、濃度、模様を採用することができ
る。淡濃加工の濃部と淡部の面積割合は、特に限定され
ないが、一般的には濃部90%以上、淡部10%以下で
あり、少なくとも秘密情報文字(16)を形成する部分
が濃部であればよい。
【0041】淡部の光の波長380〜780nmにおけ
る全光線透過率(JIS K−7105に準拠)は、好
ましくは5〜12%、より好ましくは5〜11%であ
る。5%未満では、透過光を用いても淡部が明瞭に見え
ず十分な偽造防止効果が得られない傾向がある。また1
2%を超えては、不透明度不足のため、透過光を用いな
くても偽造防止用フィルムの淡部が白く透けてしまう傾
向がある。網点率は、好ましくは5〜70%であり、よ
り好ましくは20〜60%である。5%未満では、透過
光を用いなくても偽造防止用フィルムの淡部が白く透け
てしまう傾向がある。また70%を超えては、透過光を
用いても淡部が明瞭に見えず十分な偽造防止効果が得ら
れない傾向がある。
【0042】接着剤 遮光層(12)を設けた熱可塑性樹脂フィルム(11)
と、別の熱可塑性樹脂フィルム(11)を貼着する接着
剤としては、液状のアンカーコート剤、例えばポリウレ
タン系アンカーコート剤としては東洋モートン(株)製
のEL−150(商品名)、またはBLS−2080A
とBLS−2080Bの混合物が、ポリエステル系アン
カーコート剤としては、同社のAD−503(商品名)
を適用することができる。アンカーコート剤は秤量が
0.5〜25g/m2となるように塗布される。
【0043】また、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低
密度ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩化ポリエチレ
ン、塩化ポリプロピレン等のホットメルト接着剤は、延
伸樹脂フィルム製造時の延伸温度より低い融点を有する
熱可塑性樹脂を用いる必要があり、前記延伸温度より高
い温度で該ホットメルト接着剤を用いると延伸樹脂フィ
ルムが収縮してしまうことがある。
【0044】前記アンカーコート剤を使用する場合は、
一方の熱可塑性樹脂フィルム面にアンカーコート剤を塗
布し、次いで、他方の熱可塑性樹脂フィルムを重合し、
圧着ロールで加圧接着すればよく、前記ホットメルト接
着剤を使用する場合は、一方の熱可塑性樹脂フィルム面
上にダイより溶融フィルム状に押し出してラミネート
し、次いで、他方の熱可塑性樹脂フィルムを重合し、圧
着ロールで加圧接着すればよい。
【0045】ラミネート加工 擦過性、汚染性付与のため熱可塑性樹脂フィルム(1
1)または積層した熱可塑性樹脂フィルムに印刷後、ラ
ミネート加工する。例えばフッ素系等のニスコート、P
ETフィルム、塩化ビニルフィルム等を前記アンカーコ
ート剤を用いて、熱可塑性樹脂フィルム(11)または
積層した熱可塑性樹脂フィルムにラミネート加工する。
これらのラミネートフィルムは、透明の物が好ましい
が、偽造防止の効果を阻害しない限り、着色されていて
も良い。
【0046】積層 偽造防止用フィルムの耐熱性等をより一層向上させるた
めに、熱可塑性樹脂フィルム(11)の、少なくとも印
刷がなされる側の面に別の熱可塑性樹脂フィルムを積層
することができる。積層する熱可塑性樹脂としては、例
えばナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロンー6,
10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレン
ナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙
げられる。こられの中でも熱可塑性ポリエステル系樹脂
が好ましく、更に熱可塑性ポリエステル系樹脂の中でも
ポリエチレンテレフタレートやその共重合体が好まし
い。
【0047】積層方法に関しては特に限定されず、公知
の積層方法を用いることができる。例えば複数の押出機
により溶融した樹脂をフィードブロックまたはマルチマ
ニホールドにより一台のダイ内で積層してもよいし(共
押し出し)、溶融押し出しラミネートにより積層しても
よいし、接着剤を用いたドライラミネートにより積層し
てもよい。ドライラミネートに使用する接着剤の種類や
使用方法については、上記の接着剤の説明において例示
したものを挙げることができる。また、積層した熱可塑
性樹脂フィルムの各種の印刷適性をより一層向上させる
ために、少なくとも印刷がなされる側の面にピグメント
塗工を行うことができる。ピグメント塗工剤や塗工方法
については、上記のピグメント塗工の説明において例示
したものを挙げることができる。
【0048】積層した熱可塑性樹脂フィルムには、必要
に応じてさらに記録層を設けることができる。この記録
層は、電子写真方式、昇華熱転写、溶融熱転写、ダイレ
クトサーマル、リライタブルマーキング、およびインク
ジェットプリンターを用いた印刷は勿論のこと、凸版印
刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印
刷、紫外線硬化型オフセット印刷にも対応しうるように
設計することができる。また、フィルムの形態で印刷す
る場合でもロールの形態の輪転方式で印刷を施す場合に
も適用しうるように設計することができる。
【0049】本発明の偽造防止用フィルムは、偽造防止
が必要とされるものに幅広く適用することができる。例
えば、銀行券、手形、小切手、トラベラーズチェック、
宝くじ、商品券、株券、その他の有価証券、各種カード
類、入場券、切符、身分証明書、運転免許証、住民票、
戸籍謄本、印鑑証明書、パスポート、ビザ、預金証書、
質権設定書などに適用することができる。
【0050】
【実施例】以下の製造例1〜3において熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造例を挙げ、実施例1〜4および比較例1〜
3において具体的な偽造防止フィルムの製造例を挙げ、
さらに試験例でこれらの偽造防止フィルムの評価につい
て記載する。以下において本発明の具体例として挙げら
れている材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等
は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することが
できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例
により限定的に解釈されるべきものではない。
【0051】(製造例1) 熱可塑性樹脂フィルム1の
製造例 (1)プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、
商品名ノバテックPP,MA−8;融点164℃)81
重量%、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製、
商品名ノバテックHD,HJ580;融点134℃、密
度0.960g/cm3)3重量%および平均粒径1.
2μmの炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、ソ
フトン1800)16重量%よりなる樹脂組成物(A
1)を270℃の温度に設定した押出機にて混練させた
後、シート状に押し出し、さらに冷却装置により冷却し
て、無延伸シートを得た。そして、このシートを150
℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行
って5倍縦延伸フィルムを得た。
【0052】(2)プロピレン単独重合体(日本ポリケ
ム(株)製、商品名ノバテックPP,MA−3;融点1
65℃)51.5重量%、高密度ポリエチレン(日本ポ
リケム(株)製、商品名HJ580;密度0.950g
/cm3)3.5重量%、平均粒径1.2μmの炭酸カ
ルシウム(白石カルシウム(株)製、ソフトン180
0)45重量%(A2)を2台の押出機にて210℃で
混練させた後、これをダイによりシート状に押し出し、
これを上記(1)の工程で得られた5倍縦延伸フィルム
の両面に積層し、3層構造の積層フィルムを得た。次い
で、この3層構造の積層フィルムを60℃の温度にまで
冷却した後、再び約155℃の温度にまで加熱し、テン
ターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度
でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却し、耳
部をスリットして3層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸
延伸)の肉厚150μm(A2/A1/A2=30μm
/90μm/30μm)、不透明度96%、空孔率31
%、密度0.77g/cm3の延伸した熱可塑性樹脂フ
ィルム1を得た。
【0053】(製造例2) 熱可塑性樹脂フィルム2の
製造例 (1)プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、
商品名ノバテックPP,MA−8;融点164℃)55
重量%に、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名HJ580;密度0.950g/cm3)2
5重量%および平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム
(白石カルシウム(株)製、ソフトン1800)20重
量%(A1)、プロピレン単独重合体(日本ポリケム
(株)製、商品名ノバテックPP,MA−3;融点16
4℃)99重量%、平均粒径0.2μmのルチル型二酸
化チタン(石原産業(株)製、CR−10)1重量%を
混合した組成物(A2)、プロピレン単独重合体(日本
ポリケム(株)製、商品名ノバテックPP,MA−8;
融点164℃)100重量%(A3)を、それぞれ別々
の3台の押出機を用いて250℃の温度で溶融混練し
た。そして、1台の共押ダイに供給してダイ内で積層後
(A2/A1/A3)、シート状に押し出し、冷却ロー
ルで約60℃まで冷却して積層フィルムを得た。
【0054】(2)そして、この積層フィルムを145
℃の温度にまで再度加熱した後、多数のロール群の周速
差を利用して縦方向に5倍延伸し、再び、約150℃の
温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向に8.5
倍延伸した。その後、160℃の温度でアニーリング処
理して、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットし
て3層構造(二軸延伸/二軸延伸/二軸延伸)の肉厚1
50μm(A2/A1/A3=3μm/144μm/3
μm)、不透明度94%、空孔率40%、密度0.66
g/cm3の延伸した熱可塑性樹脂フィルム2を得た。
【0055】(製造例3) 熱可塑性樹脂フィルム3の
製造例 (1)プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、
商品名ノバテックPP,MA−8;融点164℃)60
重量%に、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)
製、商品名HJ580;密度0.950g/cm3)2
0重量%および平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム
(白石カルシウム(株)製、ソフトン1800)20重
量%(A1)、プロピレン単独重合体(日本ポリケム
(株)製、商品名ノバテックPP,MA−3;融点16
4℃)50重量%、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウ
ム(白石カルシウム(株)製、ソフトン1800)45
重量%、平均粒径0.2μmのルチル型二酸化チタン
(石原産業(株)製、CR−10)5重量%を混合した
組成物(A2)を、それぞれ別々の3台の押出機を用い
て250℃の温度で溶融混練した。そして、1台の共押
ダイに供給してダイ内で積層後(A2/A1/A2)、
シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却し
て積層フィルムを得た。
【0056】(2)そして、この積層フィルムを135
℃の温度にまで再度加熱した後、多数のロール群の周速
差を利用して縦方向に5倍延伸し、再び、約150℃の
温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却
し、耳部をスリットして3層構造(一軸延伸/一軸延伸
/一軸延伸)の肉厚150μm(A2/A1/A2=5
μm/140μm/5μm)、不透明度90%、空孔率
40%、密度0.8g/cm3の延伸した熱可塑性樹脂
フィルム3を得た。
【0057】(実施例1〜3および比較例1〜3)実施
例1〜3および比較例1〜3の6種類の偽造防止フィル
ムを、表1に記載されるように条件を変更して以下の手
順にしたがって製造した。
【0058】表1に記載される種類の熱可塑性樹脂フィ
ルムの表1に記載される面に、偽造防止として表1に記
載される淡部網点率を有する図3のパターン(実際の印
刷は白黒逆転し、背景の白色部が黒色ベタ印刷され、黒
色のパターン部が淡部網点率に応じて淡く印刷される)
の黒色グラビア印刷(厚さ2μm)を施し、さらに、ポ
リウレタン系アンカーコート剤(BLS−2080Aお
よびBLS−2080Bの混合物)を2g/m2塗布
し、次いで、もう1枚の同種の熱可塑性樹脂フィルムの
(A2)面を圧着ロールを用いて貼着し、熱可塑性樹脂
フィルム/偽造防止・遮光層/熱可塑性樹脂フィルムの
肉厚304μmの支持体を得た。ただし、比較例1の場
合のみ、黒色グラビア印刷を行わずに肉厚302μmの
支持体を得た。
【0059】得られた支持体の両面に、4色のオフセッ
ト印刷によりカード会社名、使用注意事項、カード番号
の記入欄、秘密情報文字記入欄等を印刷した。次いでこ
の支持体の両面に透明の厚さ110μmのポリ塩化ビニ
ルフィルムをポリウレタン系アンカーコート剤(EL−
150)を2g/m2塗布後、圧着ロールを用いて貼着
した。さらに、カード番号の記入欄、および秘密情報文
字記入欄に溶融熱転写プリンターを用いて、カード番号
の記入欄にカード番号、および秘密情報を印字し、秘密
情報の上に情報隠蔽層をスクラッチ印刷により設けるこ
とにより表1に記載される厚さの偽造防止フィルムを得
た。
【0060】(実施例4)2−ヒドロキシエチルメタク
リレート15重量部、メチルメタクリレート50重量
部、エチルアクリレート35重量部およびトルエン10
0重量部を、攪拌機、還流冷却管及び温度計を装着した
三ツロフラスコに仕込み、窒素置換後、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル0.6重量部を開始剤として8
0℃で4時間重合させた。得られた溶液は、水酸基価6
5の水酸基含有メタクリル酸エステル重合体の50%ト
ルエン溶液であった。次いで、この溶液100重量部
に、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(新第1塩ビ
(株)製:ZEST C150ML)のメチルエチルケ
トン溶液(20%)20重量部、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(日本ポリウレタン工業(株)製:コロネー
トHL)の酢酸エチル溶液(75%)20重量部、シラ
ノール基を含むポリビニルアルコール共重合体(クラレ
(株)製:R−1130、重合度1700)の水溶液2
0重量部、平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム粉
末(白石カルシウム製)20重量部を配合した。この混
合物に酢酸ブチルを添加して固形分を35%に調整し、
塗工溶液を得た。
【0061】肉厚25μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラー)の表面
に、上記塗工溶液を乾燥固形分が1g/m2となるよう
に塗布し、その後80℃で1時間硬化させて、塗工層を
有するポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。次
いで、実施例1で得られた肉厚304μmの支持体の表
裏面に東洋モートン(株)のポリウレタン系アンカーコ
ート剤‘‘BLS−2080A’’及び‘‘BLS−2
080B’’の混合物からなる接着剤を4g/m2(固
形分の割合)塗布し、その表面側に上記ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを塗工層が外側になるように重ね
合わせ、また裏面側に肉厚19μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、
商品名:メリネックス377)を重ね合わせ圧着ロール
を用いて貼着し、塗工層/ポリエチレンテレフタレート
フィルム/熱可塑性樹脂フィルム/偽造防止・遮光層/
熱可塑性樹脂フィルム/ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを積層した構成の肉厚357μmの積層体を得
た。
【0062】得られた積層体の両面に、タンデム方式カ
ラーレーザプリンタ(カシオ(株)製、N4−612i
i)を使用してカード会社名、使用注意事項、カード番
号の記入欄、秘密情報文字記入欄等を印刷した。次いで
この積層体の両面に透明の厚さ110μmのポリ塩化ビ
ニルフィルムをポリウレタン系アンカーコート剤(EL
−150)を2g/m2塗布後、圧着ロールを用いて貼
着した。さらに、カード番号の記入欄、および秘密情報
文字記入欄に溶融熱転写プリンターを用いて、カード番
号の記入欄にカード番号、および秘密情報を印字し、秘
密情報の上に情報隠蔽層をスクラッチ印刷により設ける
ことにより表1に記載される厚さの偽造防止フィルムを
得た。
【0063】(試験例)実施例1〜4および比較例1〜
3で製造した各偽造防止フィルムについて、以下に記載
する方法にしたがって全光線透過率を測定し、反射光お
よび透過光の視認性評価を行った。
【0064】全光線透過率の測定:偽装防止フィルムの
濃淡加工の濃部および淡部の光の波長380〜780n
mにおける全光線透過率(JIS K−7105に準
拠)を、分光光度計(日立製作所製:U−3310形)
を用いて測定した。
【0065】視認性評価: 1)反射光による視認性:偽造防止フィルムの表面側よ
り30cm離れた位置に20Wの蛍光灯を設置して偽造
防止の濃淡部分を目視にて確認し、以下の3段階で評価
した。 ○:偽造防止に設けた濃淡部分は全く判らない。 △:偽造防止に設けた淡部が白く透けて見え、実用上問
題がある。 ×:偽造防止に設けた淡部が白く透けて見え、裏面の印
刷が認識でき実用上問題がある。
【0066】2)透過光による視認性1:偽造防止フィ
ルムの裏面側より10cm離れた位置に20Wの蛍光灯
を設置して偽造防止の濃淡部分を目視にて確認し、以下
の3段階で評価した。 ○:偽造防止に設けた、淡部が白く透けて見え、形成し
た紋様が明瞭に見える。 △:偽造防止に設けた、淡部が目視できるが、形成した
紋様が明瞭に見えず、実用上問題がある。 ×:偽造防止に設けた、濃淡部分の差が全く判らず実用
上問題がある。
【0067】3)透過光による視認性2:偽造防止フィ
ルムの裏面側より5cm離れた位置に20Wの蛍光灯を
設置して情報隠蔽層部分を目視にて確認し、以下の2段
階で評価した。 ○:情報隠蔽層の下の秘密文字が全く見えない。 ×:情報隠蔽層の下の秘密文字を認識することができ、
実用上問題がある。
【0068】結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の偽造
防止用フィルムを用いれば、情報隠蔽層を剥離すること
なく保護すべき文字情報を認識することは困難であり、
隠蔽層に偽造防止処理を施すことにより、偽造物と真正
物を容易に区別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例1の偽造防止フィルムの断面図
である。
【図2】 従来使用されているカードの断面図である。
【図3】 実施例1で使用した偽造防止パターンであ
る。
【符号の説明】
11 熱可塑性樹脂フィルム 12 遮光層 13 偽造防止処理 14 印刷 15 ラミネートフィルム 16 秘密情報 17 情報隠蔽層 18 その他の情報 21 熱可塑性樹脂フィルム 22 ラミネートフィルム 23 情報印字部 24 情報隠蔽層 25 印刷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA01 HB10 HB20 JB25 JB40 KA02 KA03 KA38 KA51 KA61 KA70 LA02 LA06 LA11 2H134 NA02 NA16 4F100 AK01A AK01C AK41D BA03 BA04 BA07 BA10C BA10D GB71 HB31 JB16A JB16C JL05 JN02 JN02B JN08B YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偽造防止処理が施された遮光層の両面に
    熱可塑性樹脂フィルムが貼着された構造を有することを
    特徴とする偽造防止用フィルム。
  2. 【請求項2】 前記偽造防止処理が遮光層に濃淡加工を
    施したものであることを特徴とする請求項1に記載の偽
    造防止用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記濃淡加工が反射光では視認できず、
    透過光により視認することができることを特徴とする請
    求項2に記載の偽造防止用フィルム。
  4. 【請求項4】 前記濃淡加工の淡部の全光線透過率が5
    〜12%であることを特徴とする請求項2または3に記
    載の偽造防止用フィルム。
  5. 【請求項5】 前記偽造防止処理が印刷であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偽造防止用フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 前記偽造防止処理の淡部が網点率5〜7
    0%であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに
    記載の偽造防止用フィルム。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に更に
    熱可塑性樹脂フィルムが積層されていることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の偽造防止用フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 前記積層される熱可塑性樹脂フィルムが
    熱可塑性ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請
    求項7に記載の偽造防止用フィルム。
  9. 【請求項9】 最外層の熱可塑性樹脂フィルムの表面に
    ピグメント塗工が施されていることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の偽造防止用フィルム。
  10. 【請求項10】 最外層の熱可塑性樹脂フィルムの表面
    にラミネート加工が施されていることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の偽造防止用フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の偽
    造防止用フィルムを用いたカード。
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JP2013089015A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Toppan Printing Co Ltd 非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付属冊子

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