JP2002160318A - 偽造防止用フィルム - Google Patents

偽造防止用フィルム

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JP2002160318A
JP2002160318A JP2001283042A JP2001283042A JP2002160318A JP 2002160318 A JP2002160318 A JP 2002160318A JP 2001283042 A JP2001283042 A JP 2001283042A JP 2001283042 A JP2001283042 A JP 2001283042A JP 2002160318 A JP2002160318 A JP 2002160318A
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JP2001283042A
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Tamio Kano
民雄 鹿野
Takaaki Asakura
孝明 朝倉
Takahiko Ueda
隆彦 上田
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Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写した偽造品と容易に区別することがで
き、皺になりにくく、かつ、印刷の密着性に優れる偽造
防止用フィルムを提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を含有する第1層(A)の
片面に、熱可塑性樹脂を含有する第2層(B)が形成さ
れており、前記第1層(A)の空孔率よりも前記第2層
(B)の空孔率が大きいことを特徴とする偽造防止用フ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止および改
ざん防止が要求される銀行券、手形、小切手、トラベラ
ーズチェック、有価証券、カード類などに用いることが
できる偽造防止用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】現代社会には、銀行券、小切手、有価証
券、カード類といった偽造や複製が禁じられている書面
やカードが多数出回っている。これらの偽造や複製は、
単に法律により禁止するだけではなく、技術的に不可能
にすることが、社会秩序を維持するために必要とされて
いる。しかしながら、近年では複写技術や複製技術が目
覚ましい進歩を遂げていることから、偽造品や複写物が
作製される危険性は年々高まりつつある。現に偽造犯罪
は最近になって増えつつあり、その技術もより精巧にな
っている。
【0003】そこで、偽造や複製を防止するための技術
がこれまでにも種々開発されている。例えば、外観で偽
造を見破るようにする技術がある。具体的には、印刷物
内に蛍光発色物質を存在させる技術;磁性インキを用い
て印刷し、磁気作用によるインキの濃度の変化を視覚的
に検知できるようにする技術(特開平5−177919
号公報);フォトクロミックの感光色素を含む印刷イン
キを用いて印刷する技術(特開昭60−79992号公
報);特定の反射分光特性を持つインキや、反射率に所
定値以上の差がある2種以上のインキを用いて印刷する
技術;一定の角度から見たときに色が変わって見える印
刷物(特開平5−177919号公報);すかし模様
(潜像)を施した印刷物(特公平4−18078号公
報、実開昭58−168457号公報)などがある。
【0004】また、複写すると文字、図柄の判読が困難
になるような細工を施した印刷物、あるいは警告マーク
が複写紙上に現れるようにしたものも開発されている
(実開昭59−64271号公報)。さらに、複写物を
判別機にかけたときにエラーが出るように、特殊な磁性
インキを用いて印刷した印刷物;複写物の印刷の網点の
粗密差が原本(真券)と異なるように複写されるような
印刷を施したもの(特公昭56−19273号公報、特
公平2−51742号公報);肉眼では判読できない文
字を印字し、隠蔽文字が判別機で読み取れるようにした
もの(特開昭62−130874号公報)もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように様々な偽造
防止策が開発されているが、これらの原本は写真製版的
に複製できるものが多く、完全な偽造防止策とはなり難
い。また、特に真券のように使用しているうちに皺にな
り、判別機にかけたときに「使用不可」と判定されて戻
されるものも多い。これらの従来技術の問題点を考慮し
て、本発明は、複写した偽造品と容易に区別することが
でき、皺になりにくく、かつ、印刷の密着性に優れる偽
造防止用フィルムを提供することを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、熱可塑性樹脂を含む層の上に、その層よりも
空孔率が大きな熱可塑性樹脂層を形成することにより、
所期の効果を示す偽造防止用フィルムを提供しうること
を見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、熱可
塑性樹脂を含有する第1層(A)の片面に、熱可塑性樹
脂を含有する第2層(B)が形成されており、前記第1
層(A)の空孔率よりも前記第2層(B)の空孔率が大
きいことを特徴とする偽造防止用フィルムを提供する。
第1層(A)と第2層(B)の空孔率の比(A/B)は
1/3以下であることが好ましい。また、第1層(A)
および第2層(B)がともに無機微細粉末および/また
は有機フィラーを含有し、第1層(A)に含まれる無機
微細粉末および/または有機フィラーの平均粒径より
も、第2層(B)に含まれる無機微細粉末および/また
は有機フィラーの平均粒径が大きいことが好ましい。第
1層(A)の裏面には、熱可塑性樹脂を含有する第3層
(C)が形成されており、第1層(A)の空孔率よりも
第3層(C)の空孔率が大きいことが好ましい。また、
第1層(A)と第3層(C)の空孔率の比(A/C)は
1/3以下であることが好ましい。さらに、第1層
(A)および第3層(C)がともに無機微細粉末および
/または有機フィラーを含有し、第1層(A)に含まれ
る無機微細粉末および/または有機フィラーの平均粒径
よりも、第3層(C)に含まれる無機微細粉末および/
または有機フィラーの平均粒径が大きいことが好まし
い。本発明の偽造防止用フィルムの不透明度は10〜6
0%であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の偽造防止
用フィルムについて詳細に説明する。なお、本明細書に
おいて「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最
小値および最大値として含む範囲を意味する。本発明の
偽造防止用フィルムは、第1層(A)の上に第2層
(B)が形成された構造を有し、さらに第1層(A)の
反対側の面には第3層(C)を有することが好ましい。
そこで、本発明の偽造防止用フィルムを構成する各層に
ついて順に説明し、さらにその製法や適用について説明
する。
【0008】第1層(A) 本発明の偽造防止用フィルムを構成する第1層(A)
は、少なくとも熱可塑性樹脂を含む層である。第1層
(A)に用いられる熱可塑性樹脂としては、高密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等
のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂、ポリメ
チル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合
体、スチレングラフトポリオレフィン系樹脂等のポリオ
レフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナ
イロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド
系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、
ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱
可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタク
ティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチ
レン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙
げられる。これらは2種以上混合して用いることもでき
る。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いるこ
とが好ましい。更にポリオレフィン系樹脂の中でも、コ
スト面、耐水性、耐薬品性の面からプロピレン系樹脂、
高密度ポリエチレンを用いることがより好ましい。かか
るプロピレン系樹脂としては、アイソタクティックない
しはシンジオタクティックおよび種々の程度の立体規則
性を示すプロピレン単独重合体(ポリプロピレン)、プ
ロピレンを主成分とし、これと、エチレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン,4−メチル−1−ペ
ンテン等のα−オレフィンとの共重合体を好ましく使用
することができる。これらの共重合体は、2元系でも3
元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブ
ロック共重合体であってもよい。
【0009】第1層(A)には、熱可塑性樹脂の他に、
無機微細粉末および/または有機フィラーを配合するこ
とが好ましい。無機微細粉末としては、平均粒径が通常
0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μm、更
に好ましくは0.03〜4μmのものを使用することが
できる。具体的には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シ
リカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウ
ム、アルミナなどを使用することができる。有機フィラ
ーとしては、分散後の平均粒径が通常0.01〜15μ
m、好ましくは0.01〜8μm、更に好ましくは0.
03〜4μmのものを使用することができる。有機フィ
ラーとしては、主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種
類の樹脂を選択することが好ましい。例えば熱可塑性樹
脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、有機フィラ
ーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6,
ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状
オレフィンとエチレンとの共重合体等で融点が120℃
〜300℃、ないしはガラス転移温度が120℃〜28
0℃であるものを用いるいことが好ましい。
【0010】第1層(A)には、更に必要により、安定
剤、光安定剤、分散剤、滑剤、蛍光増白剤、着色剤等を
配合してもよい。安定剤としては、例えば立体障害フェ
ノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.001〜
1重量%配合することができる。光安定剤としては、例
えば立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%配合す
ることができる。無機微細粉末の分散剤としては、例え
ばシランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等
の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合
することができる。蛍光増白剤としては、例えばイミダ
ゾール型、イミダゾロン型、トリアゾール型、チアゾー
ル型、オキサゾール型、オキサジアゾール型、クマリン
型、カルボスチリル型、チアジアゾール型、ナフタルイ
ミド型、ピラゾロン型等、具体的には2.5−ビス[5
−t−ブチルベンゾオキザゾリル(2)]チオフェン、
ジシクロヘキシルフタレート、4−メトキシナフタル酸
−N−メチルイミド、ジアミノスチルベンジルスルホン
酸誘導体、ジアミノスチルベン誘導体等を0.001〜
1重量%配合することができる。着色剤としては、各種
顔料で着色されたカラーペレットを5〜30重量%配合
することができる。
【0011】本発明の偽造防止用フィルムを構成する第
1層(A)は、単層構造を有していても、2層以上の複
層構造を有していてもよい。また、第1層(A)または
第1層(A)を構成する層の一部は、少なくとも一軸方
向に延伸されていてもよい。第1層(A)が層(A
1)、層(A2)、層(A3)の3層構造[A1/A2
/A3]を有する場合、(A1+A3)の厚みは1μm
以上であり、(A1+A3)とA2の厚みの比は1:4
0〜1:10であることが好ましい。第1層(A)の厚
みは25〜100μmであることが好ましく、30〜7
5μmであることがより好ましく、40〜60μmであ
ることが特に好ましい。
【0012】第2層(B)および第3層(C) 本発明の偽造防止用フィルムを構成する第1層(A)の
片面には、第2層(B)が形成されている。また、第1
層(A)の反対側の面には、第3層(C)が形成されて
いることが好ましい。これらの第2層(B)および第3
層(C)は、いずれも熱可塑性樹脂を含有する。また、
第2層(B)および第3層(C)には、無機微細粉末お
よび/または有機フィラーを含有することが好ましい。
第2層(B)および第3層(C)に用いられる熱可塑性
樹脂、無機微細粉末、有機フィラーとしては、第1層
(A)に用いられるものと同じものを使用することがで
きる。
【0013】第2層(B)および第3層(C)に用いる
無機微細粉末の平均粒径は、通常2〜30μm、好まし
くは3〜20μm、更に好ましくは3〜15μmであ
る。第2層(B)および第3層(C)に用いる有機フィ
ラーの分散後の平均粒径は、通常2〜30μm、好まし
くは3〜20μm、更に好ましくは3〜15μmであ
る。また、第2層(B)および第3層(C)に用いる無
機微細粉末および/または有機フィラーの平均粒径は、
第1層(A)に用いる無機微細粉末および/または有機
フィラーの平均粒径より大きいことが好ましい。
【0014】さらに、第2層(B)および第3層(C)
には、上記安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤、蛍光増白
剤、着色剤等を配合してもよい。
【0015】第2層(B)および第3層(C)はそれぞ
れ単層構造を有していても、2層以上の複層構造を有し
ていてもよい。また、第2層(B)および第3層(C)
を構成する層の一部は、少なくとも一軸方向に延伸され
ていることが好ましい。第2層(B)および第3層
(C)の厚さは、それぞれ5〜50μmであることが好
ましく、10〜40μmであることがより好ましい。
【0016】本発明の偽造防止用フィルムは、第1層
(A)の各面に第2層(B)と第3層(C)がそれぞれ
形成されている構造を有することが好ましい。特に、第
1層(A)がポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量
%、無機微細粉末および/または有機フィラー60〜
0.5重量%を含有し、第2層(B)と第3層(C)が
ポリオレフィン系樹脂25〜100重量%、無機微細粉
末および/または有機フィラー75〜0重量%を含有す
る偽造防止用フィルムが好ましい。さらに、第1層
(A)がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機
微細粉末および/または有機フィラー50〜3重量%を
含有し、第2層(B)と第3層(C)がポリオレフィン
系樹脂30〜97重量%、無機微細粉末70〜3重量%
を含有する偽造防止用フィルムがより好ましい。
【0017】第1層(A)に含まれる無機微細粉末およ
び/または有機フィラーが60重量%を超えると、縦延
伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易くな
る傾向がある。また、第2層(B)および第3層(C)
に含まれる無機微細粉末および/または有機フィラーが
75重量%を超えると、横延伸後の第2層(B)の表面
強度が低く、使用時の機械的衝撃等により第2層(B)
が破壊しやすくなる傾向がある。
【0018】本発明の偽造防止用フィルムを構成する第
1層(A)と第2層(B)の間、第1層(A)と第3層
(C)の間、第2層(B)の上、第3層(C)の上に
は、それぞれ他の層を設けてもよい。
【0019】偽造防止用フィルムの製造と加工 本発明の偽造防止用フィルムは、当業者に公知の種々の
方法を組み合わせることによって製造することができ
る。いかなる方法により製造された偽造防止用フィルム
であっても、請求項1に記載される条件を満たすもので
ある限り本発明の範囲内に包含される。典型的な製造方
法として、偽造防止用フィルムを構成する層を成形した
後に延伸する方法を挙げることができる。成形方法は特
に限定されず、公知の種々の方法が使用できる。具体的
には、スクリュー型押出機に接続された単層または多層
のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をフィルム状に押
し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、イン
フレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルと
の混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後の溶剤
やオイルの除去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒
除去などによって成形することができる。
【0020】延伸方法も特に限定されず、公知の種々の
方法を使用することができる。延伸の具体的な方法とし
ては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テン
ターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げること
ができる。より具体的には、ロール群の周速差を利用し
た縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、
テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる
同時二軸延伸などを用いることができる。各層の延伸は
一軸延伸であっても、二軸以上の延伸であってもよい。
例えば、第2層(B)/第1層(A)/第3層(C)の
3層構造からなるフィルムを作製するときには、各層の
延伸軸数を、一軸/二軸/一軸、一軸/一軸/一軸、二
軸/二軸/二軸等のように、任意に組み合わせることが
できる。
【0021】延伸倍率は特に限定されず、目的と使用す
る熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例えば、
熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体ないしその共
重合体を使用するとき、一軸延伸する場合は約1.2〜
12倍が好ましく、2〜10倍がより好ましく、二軸延
伸する場合は面積倍率で1.5〜60倍が好ましく、1
0〜50倍がより好ましい。その他の熱可塑性樹脂を使
用する時には一軸延伸する場合は1.2〜10倍が好ま
しく、2〜5倍がより好ましく、二軸延伸する場合は面
積倍率で1.5〜20倍が好ましく、4〜12倍がより
好ましい。更に、必要に応じて高温での熱処理を施すこ
とができる。
【0022】延伸は、非結晶樹脂を用いる場合はガラス
転移温度以上、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラ
ス転移温度以上から結晶部の融点以下の好適な公知の温
度範囲で行うことができる。一般に、延伸は、使用する
熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度で行うこと
が好ましい。熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体
(融点155〜167℃)を用いるときは152〜16
4℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)を
用いるときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタ
レート(融点246〜252℃)を用いるときは104
〜115℃で延伸することが好ましい。また、延伸速度
は20〜350m/分にすることが好ましい。
【0023】本発明の偽造防止用フィルムを構成する各
層の延伸と積層の順序は特に制限されない。例えば、第
1層(A)および第2層(B)を別々に延伸した後に積
層することによって製造してもよいし、第1層(A)お
よび第2層(B)を積層した後にまとめて延伸すること
によって製造してもよい。第3層(C)を有する場合
は、3層を別々に延伸してから積層してもよいし、先に
積層してからまとめて延伸してもよいし、あるいは第1
層(A)および第3層(C)を積層して延伸した後に、
延伸または未延伸の第2層(B)を積層することによっ
て製造したものであってもよい。これらの方法は適宜組
み合わせることもできる。好ましい製造方法は、複数の
層を積層した後にまとめて延伸する工程を含むものであ
る。別個に延伸して積層する場合に比べると簡便であり
コストも安くなる。
【0024】層中に無機微細粉末および/または有機フ
ィラーを含有する場合、延伸することによってフィルム
表面に微細な亀裂が生じ、フィルム内部には微細な空孔
が生じる。延伸後の本発明の偽造防止用フィルムは、空
孔率が1〜20%であることが好ましく、2〜10%で
あることがより好ましい。20%を超えると不透明度が
高くなりすぎて偽造防止用フィルムとして適さなくなる
傾向がある。本発明の偽造防止用フィルムでは、第1層
(A)の空孔率よりも第2層(B)の空孔率を大きくす
る。このような構成を採用することにより、第2層
(B)内部に不均一に生じた空孔の存在が明瞭となるた
めか、第2層内部に偽造防止に有用な白化縞が発生す
る。効果的な白化縞を発生させるためには、第1層
(A)と第2層(B)の空孔率比(A/B)を1/3以
下にすることが好ましい。また、第3層(C)を有する
本発明の偽造防止用フィルムでは、第1層(A)の空孔
率よりも第3層(C)の空孔率を大きくすることが好ま
しく、その空孔率比(A/C)は1/3以下にすること
が好ましい。
【0025】なお、本明細書における空孔率は、電子顕
微鏡写真観測した領域の空孔を画像解析装置(ニレコ
(株)製:型式ルーゼックスIID)を用いて得た面積
率から求めたものを示す。
【0026】本発明の偽造防止用フィルムの最外層を構
成する熱可塑性樹脂層の帯電防止および各種印刷適性向
上のために、積層構造の成形後に表面処理を行って表面
改質を行うことが好ましい。表面処理の方法としては、
表面酸化処理と表面処理剤による処理の組み合わせを挙
げることができる。表面酸化処理としては、フィルムに
一般的に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プ
ラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独ま
たは組み合わせて行うことができる。これらのうちで好
ましいのはコロナ処理、フレーム処理である。コロナ処
理の処理量は、600〜12,000J/m2(10〜
200W・分/m2)であることが好ましく、1,20
0〜9,000J/m2(20〜180W・分/m2)で
あることがより好ましい。フレーム処理の場合は、8,
000〜200,000J/m2であることが好まし
く、20,000〜100,000J/m2であること
がより好ましい。
【0027】表面処理剤としては、主として下記のプラ
イマー、帯電防止性ポリマーより選ばれたもので、単独
あるいは2成分以上の混合物を挙げることができる。ド
ライラミネート時の密着性向上と帯電防止の観点から、
表面処理剤として好ましいものはプライマーないしはプ
ライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせである。
【0028】表面処理剤を構成するプライマーとして
は、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12のア
ルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン
−尿素)およびポリアミンポリアミドのエチレンイミン
付加物およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリ
ン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸
アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミ
ド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合
体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有
アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸エステル
等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等
の水溶性樹脂;またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩
素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
【0029】これらの内で好ましくは、ポリエチレンイ
ミン系重合体およびウレタン樹脂、ポリアクリル酸エス
テル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重
合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3,000
のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレ
ンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハ
ロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化
シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性さ
れた変性ポリエチレンイミンである。
【0030】表面処理剤を構成する帯電防止ポリマーと
してはカチオン系ポリマー、アニオン系ポリマー、両性
系ポリマーが挙げられる。カチオン系ポリマーとして
は、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有
するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アン
モニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタ
クリル系ポリマーが挙げられる。両性系ポリマーとして
は、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメ
タクリル系ポリマーが挙げられる。またカチオン系ポリ
マーとしては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ない
しはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合
体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共
重合体のアルカリ金属塩などが挙げられる。特に好まし
いのは、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリ
ル系ないしはメタクリル系ポリマーである。帯電防止ポ
リマーの分子量は、重合温度、重合開始剤の種類および
量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意の
レベルとすることができる。得られる重合体の分子量は
一般に1,000〜1,000,000であるが、中で
も1,000〜500,000の範囲が好ましい。
【0031】本発明に用いる表面処理剤は、必要に応じ
て架橋剤、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等
を含むものであってもよい。表面処理剤に架橋剤を添加
することにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させる
ことができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、
グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹
脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン
系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。架橋
剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた
有効成分100重量部に対して100重量部以下の範囲
である。
【0032】表面処理剤に用いるアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩として、水溶性の無機塩、例えば、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、および塩化
ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポ
リ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム
明礬等が挙げられる。添加量は、通常、上記の表面改質
剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して50重
量部以下である。さらに、表面改質剤には、界面活性
剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他
の助剤を含ませることもできる。これらの任意成分の量
は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分1
00重量部に対して20重量部以下である。
【0033】これらの表面処理剤の各成分は、水或いは
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いることが
できる。中でも水溶液の形態で用いるのが典型的であ
る。溶液濃度は通常0.1〜20重量%、好ましくは
0.1〜10重量%程度である。塗工方法はロールコー
ター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフ
コーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、
リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、ス
プレーコーター等により行われ、必要によりスムージン
グを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤
が除去される。塗工量は乾燥後の固形分として0.00
5〜5g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2であ
る。表面処理のタイミングは、縦または横延伸の前後の
いずれであってもよい。また、表面処理剤は一段の塗工
でも多段の塗工でも構わない。
【0034】これらの表面処理を行った後には、必要に
応じて表面に筆記性付与層、印刷品質向上層、熱転写受
容層、感熱記録層、インクジェット受容層などを表面処
理剤に用い得る塗工方法と同様の方法で設けることがで
きる。
【0035】また、この様にして得られた本発明の偽造
防止用フィルムの最外層表面には、記録層を設けること
ができる。この記録層には、電子写真方式、昇華熱転
写、溶融熱転写、ダイレクトサーマル、リライタブルマ
ーキング、およびインクジェットプリンターを用いた印
刷は勿論のこと、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印
刷、溶剤型オフセット印刷、紫外線硬化型オフセット印
刷、フィルムの形態でもロールの形態の輪転方式の印刷
を施すことができる。
【0036】本発明の偽造防止用フィルムには、更に偽
造防止のために加熱刻印することも可能である。本発明
の偽造防止フィルムの不透明度が10〜60%と低けれ
ば、加熱刻印を行ったときにその加工部の加圧部はより
不透明度が低くなり、半透明または透明になる。加熱刻
印時の加圧部以外は元の半透明のままであるので、太陽
光、蛍光灯などの光源に透かした場合、鮮明な刻印が得
られ偽造か否か一見して判断できる。ただし、完全な透
明フィルムでは、不鮮明な刻印となり一見して偽造か否
か判断しにくくなる傾向がある。また、不透明フィルム
の場合、熱刻印加工適性は良好であるが、複写機を用い
ての偽造が容易になる傾向がある。したがって、不透明
度が上記の範囲内にあるフィルムに加熱刻印した本発明
の偽造防止用フィルムは特に好ましい。また、無機微細
粉末及び/又は有機フィラーを多量に含む場合、常温に
て刻印加圧すれば、加熱刻印時とは逆にフィルム内に含
まれるポイドがつぶれて加圧部は不透明になり、加圧部
以外は元の半透明なままになる。このため、鮮明な刻印
が得られ偽造か否か一見して判断できる。これらの加熱
または常温での刻印加工は、上記のような偽造防止効果
があるだけでなく、目の不自由な人にも、指先の感覚だ
けで容易に紙幣等の種類が判断可能であり有用である。
【0037】本発明の偽造防止用フィルムの適用 本発明の偽造防止用フィルムの物性は、その使用目的や
使用環境等に応じて適宜調節することができる。本発明
の偽造防止用フィルムの不透明度(JIS P813
8)は、1〜60%であることが好ましく、5〜55%
であることがより好ましく、15〜50%であることが
特に好ましい。不透明度が60%を超えると、第2層
(B)や第3層(C)に形成された白化縞が明瞭に見え
ず、偽造防止性が低下する傾向がある。また、透明度が
10%未満では、第2層(B)や第3層(C)の空孔数
が少ないためか、白化縞の発生が明瞭でなく、偽造防止
性が低下する傾向がある。また、本発明の偽造防止用フ
ィルムの白色度(JIS L1015)は、60〜10
0%であることが好ましく、70〜100%であること
がより好ましい。白色度がこの範囲を外れると、本発明
の偽造防止用フィルム表面に印刷される文字や画像が不
鮮明になって識別が困難になり、また、外観も好ましく
なくなる傾向がある。さらに、本発明の偽造防止用フィ
ルムの厚さは、50〜200μmであることが好まし
く、60〜150μmであることがより好ましく、80
〜120μmであることが特に好ましい。厚さが50μ
m未満では強度が不十分で耐久性に劣り、200μmを
超えると例えば銀行券(紙幣)としては腰がありすぎて
取り扱いにくくなる傾向がある。これらの物性は、周知
の方法を適宜組み合わせることによって調整することが
できる。
【0038】本発明の偽造防止用フィルムは、偽造防止
処理が施されているために、複写すると複写物であるこ
とが簡単にわかるという利点がある。例えば、本発明の
偽造防止用フィルムを用いて作製した真券を、銀塩写真
紙、熱転写画像受容紙、ポリエチレンテレフタレート二
軸延伸フィルム等よりなるOHPシート等を用いての複
写すると、複写機のコピー押さえ蓋がアルミニウム板製
である場合は、真券の半透明部分が複写物では青黒く印
刷される。このため、真券と複写物の半透明部分を目視
で比較すれば、両者を容易に区別することができる。ま
た、複写機のコピー押さえ蓋が白色のプラスチック板、
布地、または白ボール紙である場合は、真券の透かし部
にある白化縞が、コピー紙上では紙の色だけになって消
失し、コピーしたOHPフィルム上では透明になって消
失してしまう。このため、真券と複写物のすかし部分を
目視で比較して白化縞の有無を確認すれば、容易に両者
を区別することができる。
【0039】なお、本発明の偽造防止用フィルムの偽造
防止効果を確実に発揮させるために、記録層などへの印
刷が施されていない部分(すかし部分)を意図的に設け
ておくことが好ましい。
【0040】本発明の偽造防止用フィルムは、偽造防止
が必要とされるものに幅広く適用することができる。例
えば、銀行券、手形、小切手、トラベラーズチェック、
宝くじ、商品券、株券、その他の有価証券、各種カード
類、入場券、切符、身分証明書、運転免許証、住民票、
戸籍謄本、印鑑証明書、パスポート、ビザ、預金証書、
質権設定書などに適用することができる。特に、本発明
の偽造防止用フィルムを用いて紙幣を製造した場合は、
外観は従来の単なる紙幣に見えて、違和感を与えない。
また、耐水性、耐久性にも優れており、多様な用途に供
することが可能である。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに
具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、
割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱し
ない限り適宜変更することができる。したがって、本発
明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈される
べきものではない。
【0042】<実施例1>メルトフローレート(MF
R)4g/10分のプロピレン単独重合体87重量部に
対し、平均粒径3μmの重質炭酸カルシウム3重量部、
MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン10重量
部、プロピレン単独重合体と重質炭酸カルシウムの合計
量100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−
ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤
(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)
0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチ
ック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部を
配合し、組成物(A)とした。
【0043】次に、メルトフローレート(MFR)4g
/10分のプロピレン単独重合体65重量部に対し、平
均粒径10μmの重質炭酸カルシウム30重量部、MF
Rが10g/10分の高密度ポリエチレン5重量部、プ
ロピレン単独重合体と重質炭酸カルシウムの合計量10
0重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチル
フェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバ
ガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.0
8重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社
製、商品名ウエストン618)0.05重量部を配合
し、組成物(B)とした。
【0044】これら組成物(A)、(B)を250℃で
押し出し混練し、230℃に設定した押出機に接続した
Tダイより押し出しラミネートし、3層積層物(B/A
/B)を得た。この積層物を155℃の温度に加熱し
て、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に
4.6倍延伸し、延伸フィルムを得た。一方、上記組成
物(A)と同じ配合組成物(D)を240℃に設定した
押出機で溶融混練し、上記で得た3層積層物の延伸フィ
ルムの両面に押し出しラミネートし、5層積層物(D/
B/A/B/D)を得た。
【0045】得られた5層積層物をテンターオーブンに
て160℃に加熱した後、横方向に9倍延伸した。つい
で、テンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温
度165℃)を通過させた。このフィルムの両面に、印
加エネルギー密度90W・分/m2にてコロナ放電処理
を行い、両面に、ブチル変性ポリエチレンイミン、ポリ
アミンポリアミドのエチレンイミン付加物、及び第4級
アンモニウム塩構造を有するアクリル酸アルキルエステ
ル系重合体の等量混合物を含む水溶液を、ロールコータ
ーを用い、乾燥後の塗工量が片面あたり約0.1g/m
2となるように塗工し、乾燥した。得られた5層積層フ
ィルムの各層の厚さ(D/B/A/B/D)は、24μ
m/2μm/48μm/2μm/24μmであった。得
られた偽造防止用フィルムは、(B)層中の空孔に由来
する不定形の白化縞を有していた。また、偽造防止用フ
ィルムの不透明度、白色度、全層の空孔率、および各層
の空孔率は表1に示すとおりであった。
【0046】得られたフィルムの両面に、大日本インキ
化学工業(株)のオフセット印刷インキPOP・K墨、
POP・K藍、POP・K紅、POP・K黄を用いて図
柄を印刷した。この際、透かし部が残るように20mm
円の未印刷部分を残した。カラー複写機(富士ゼロック
ス社製、Docu Color 1250)を用いて、
上記偽造防止用フィルムをコピー原紙としてカラーコピ
ーした。コピー被写体として、パルプ紙、ポリエチレン
テレフタレート二軸延伸フィルムよりなるOHPフィル
ムを用い、すかし部の白化縞がコピーされるかどうかを
以下の基準で評価し、結果を表1に示した。 ○:すかし部の不定形の白化縞がコピーされない。被写
体にパルプ紙を用いた場合はすかし部が白色のままに、
OHPフィルムの場合はすかし部が透明のままになる。 ×:すかし部の不定形の白化縞がコピーされる。
【0047】また、上記偽造防止用フィルムをコピー被
写体としてカラーコピー機によりコピー原紙への複写を
試みた。その結果、転写ロールの熱により、上記偽造防
止用フィルムの通紙は困難(通紙不可)であり、カラー
コピーは不可能であることが確認された。
【0048】<実施例2>実施例1と同様に組成物
(A)を250℃に設定した押出機にて混練した後、2
30℃に設定した押出機に接続したTダイよりに押し出
し、裏面を冷却装置にて冷却し無延伸フィルムを得た。
このフィルムを160℃の温度に加熱し、周速の異なる
ロールで縦方向に4.6倍延伸した。一方、上記組成物
(A)と実施例1と同じ配合組成の組成物(D)及び組
成物(B)を240℃に設定した押出機で共押し出し、
上記で得た組成物(A)の延伸フィルムに積層し、5層
積層物(B/D/A/D/B)を得た。以下実施例1と
同様な操作を行い、各層の厚さ(B/D/A/D/B)
が、2μm/20μm/50μm/20μm/2μmで
ある5層積層フィルムを得た。得られたフィルムはB層
中の空孔に由来する不定形の白化縞を有していた。ま
た、偽造防止用フィルムの不透明度、白色度、全層の空
孔率、および各層の空孔率は表1に示すとおりであっ
た。実施例1と同様の偽造防止性評価を行った結果を表
1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の偽造
防止用フィルムを複写すると、識別模様の明度が変化す
るために、複写物と真正物を容易に区別することが可能
である。また、本発明の偽造防止用フィルムは、皺にな
りにくく、かつ、印刷適性、透かしに優れているため
に、紙幣、証券、秘密文書等に好適に利用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 隆彦 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 株式会 社ユポ・コーポレーション鹿島工場内 Fターム(参考) 2C005 HA04 HB01 HB02 HB03 HB04 HB09 HB10 HB12 HB13 JB40 KA02 KA57 4F100 AA01A AA01B AA01C AA08 AK01A AK01B AK01C AK05 AK07 BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C BA25 CA23A CA23B CA23C DE01A DE01B DE01C DJ00A DJ00B DJ00C EH23 EJ37 JB16A JB16B JB16C JN08 YY00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を含有する第1層(A)の
    片面に、熱可塑性樹脂を含有する第2層(B)が形成さ
    れており、前記第1層(A)の空孔率よりも前記第2層
    (B)の空孔率が大きいことを特徴とする偽造防止用フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 前記第1層(A)と前記第2層(B)の
    空孔率の比(A/B)が1/3以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の偽造防止用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記第1層(A)および前記第2層
    (B)がともに無機微細粉末および/または有機フィラ
    ーを含有し、第1層(A)に含まれる無機微細粉末およ
    び/または有機フィラーの平均粒径よりも、第2層
    (B)に含まれる無機微細粉末および/または有機フィ
    ラーの平均粒径が大きいことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の偽造防止用フィルム。
  4. 【請求項4】 前記第1層(A)の裏面に、熱可塑性樹
    脂を含有する第3層(C)が形成されており、前記第1
    層(A)の空孔率よりも前記第3層(C)の空孔率が大
    きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    偽造防止用フィルム。
  5. 【請求項5】 前記第1層(A)と前記第3層(C)の
    空孔率の比(A/C)が1/3以下であることを特徴と
    する請求項4に記載の偽造防止用フィルム。
  6. 【請求項6】 前記第1層(A)および前記第3層
    (C)がともに無機微細粉末および/または有機フィラ
    ーを含有し、第1層(A)に含まれる無機微細粉末およ
    び/または有機フィラーの平均粒径よりも、第3層
    (C)に含まれる無機微細粉末および/または有機フィ
    ラーの平均粒径が大きいことを特徴とする請求項4また
    は5に記載の偽造防止用フィルム。
  7. 【請求項7】 不透明度が10〜60%であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の偽造防止用フ
    ィルム。
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