JP2003094816A - 感熱記録材料 - Google Patents
感熱記録材料Info
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Abstract
刷プロセスに於ける印刷加工適性に優れた感熱記録材料
を提供すること。 【解決手段】 支持体の表面に感熱発色層、他方の面に
バック層を設けた感熱記録材料に於いて、該バック面の
液体吸収性試験方法(J.TAPPI No.51)に
於ける水の転移量が、接触時間1000msのときに1
0ml/m2以上であることを特徴とする感熱記録材
料。
Description
し、更に詳しくは、裏面に優れた水性フレキソ印刷加工
適性を有する感熱記録材料に関するものである。
材料は、比較的安価に得られ、また比較的簡単な装置で
記録画像を得ることができ、更に保守が容易で騒音も少
ないなどの利点から、ファクシミリ、POSラベルプリ
ンター、券売機等の記録材料として広く利用されてい
る。また、近年では記録画像の耐性についても様々な改
良が施されてきたことで、イベント入場券、公営ギャン
ブル投票券等のチケット用途に使われてきている。これ
らのチケットでは裏面にロゴ印刷、或いは紙厚の厚いチ
ケットでは裏面にマークシートを具えた印刷が施され、
これらの印刷にはその環境性及び、利便性の点から水性
インクを用いたフレキソ印刷プロセスを用いた加工が行
なわれている。しかしながら、感熱記録材料の製造工程
に於けるカールコントロール、或いはバック面のバリア
性を得るためにバック層を設けていることが一般的であ
るが、これらは水性インクを用いたフレキソ印刷プロセ
スに対しては、水性インクの浸み込みを妨げ、インクの
浸透乾燥性を低下させることでインクの結着性不良を招
いている。
ための方法として、例えば、特開平10−272846
号公報では、粘着シートの剥離紙に於いて、特定の酸化
重合型インクの印刷性を向上するため、インク受容層と
して無機顔料と熱可塑性樹脂とを組合せ、平滑度を30
0〜1500sとすることを提案しているが、水性イン
クを用いたフレキソ印刷プロセスに於けるインクの浸み
込み性が充分得られないため、インクの浸透乾燥性が低
下し、インクの結着性を満足するに至らない。
は、特に裏面への水性インクを用いたフレキソ印刷プロ
セスに於ける印刷加工適性に優れた感熱記録材料を提供
することにある。
料のバック面に対する水性インクを用いたフレキソ印刷
適性、特にインクの乾燥性及び、インクの結着性に優れ
た感熱記録材料を得るために鋭意検討を重ねてきた。そ
の結果、水性インクを用いたフレキソ印刷プロセスに於
ける乾燥工程は基材への浸み込みによる浸透乾燥を促進
させることが重要であり、且つ、浸透性を上げることで
アンカー効果が得られ、その結果インクの結着性が向上
する。即ち、被印刷面のインク浸透性を調整することが
重要であることを見出した。
熱発色層、他方の面にバック層を設け、且つ、該バック
面の液体吸収試験方法(J.TAPPI No.51)
に於ける水の転移量が、接触時間1000msのときに
10ml/m2以上であることを特徴とする感熱記録材
料である。更に、本発明は、無機顔料及び、水溶性樹脂
を主成分としたバック層を設け、無機顔料100重量部
に対する水溶性樹脂の重量比が20〜50重量部である
ことを特徴とする上記の感熱記録材料である。更に、本
発明は、バック面の王研式平滑度計(J.TAPPI
No.5B)による平滑度が、100s以下であること
を特徴とする上記の感熱記録材料である。更に、本発明
は、バック層に用いる無機顔料の吸油量(JIS K
5101)が50ml/100g以下であることを特徴
とする上記の感熱記録材料である。
支持体の表面に感熱発色層、他方の面にバック層を設
け、且つ、該バック面の液体吸収試験方法(J.TAP
PI No.51)に於ける水の転移量が、接触時間1
000msのときに10ml/m2以上であることであ
る。因みに、接触時間1000msに於ける水の転移量
が10ml/m2未満になると、水性フレキソインクの
被印刷面への浸透性が不充分となり、乾燥不良を引き起
こすと共に、アンカー効果が得られないため、インクの
結着性が著しく損なわれる。更に、被印刷面へのインク
の転写量が低下することで、印刷版にインクが残ってし
まうため、版汚れ現象となって印刷品質を損なう結果と
なる。
て、バック層を無機顔料及び、水溶性樹脂を主成分に構
成し、その配合比として、無機顔料100重量部に対
し、水溶性樹脂を20〜50重量部の範囲で用いること
が好ましく、水溶性樹脂が20重量部より少ないと水の
転移量は満足するものの、支持体とバック層との結着性
が低下し、印刷時にバック層自身の層剥れを招き、版汚
れを引き起こすことで印刷品質として満足するものでは
ない。また、50重量部を越えると、バック層自身の成
膜性が上がり過ぎるため、水の転移量が10ml/m2
未満となって、本発明の特定要件を満たすことができな
い。また、バック面の王研式平滑度計(J.TAPPI
No.5B)による平滑度を100s以下にすること
が好ましく、100sを越えるとインクの浸み込み性を
低下させる傾向があり、それによってアンカー効果が低
下させ、インクの結着性が低下する。また、バック層に
用いる無機顔料の吸油量(JIS K 5101)は5
0ml/100g以下であることが好ましく、50ml
/100gを越えるとインクの浸み込み性自身は満足す
るものの、無機顔料の吸油性が上がることで、インクが
転写された際にニジミ現象を起こし精細性が低下するた
め、印刷品質を損なう結果となる。
料としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、カオ
リン、タルク等が挙げられる。また、バック層に用いる
水溶性樹脂としては、セルロース誘導体、澱粉及びその
誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポ
リビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコー
ル、エポキシ変性ビニルアルコール、ポリアクリル酸及
びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその
誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそれらの誘導
体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、
ポリエチレンイミン、イソブチレン/無水マレイン酸共
重合体及びその誘導体等が挙げられる。本発明のバック
層構成素材は、上記の無機顔料、水溶性樹脂の他に、必
要に応じて滑剤、架橋剤、消泡剤、界面活性剤等を含有
することができる。
録層は特に限定するものではなく、ジアゾニウム塩化合
物とカプラーとの熱時反応して呈色するジアゾタイプの
感熱記録層、電子供与性の無色のロイコ染料と電子受容
性の顕色剤との熱時反応して呈色するロイコタイプの感
熱記録層、没食子酸誘導体と高級脂肪酸金属塩との熱時
反応して呈色するキレートタイプの感熱記録層等が挙げ
られるが、発色感度、濃度及び製造コスト等を考慮する
と、ロイコタイプの感熱記録層が有効である。更に、本
発明では、感熱記録層の均一化、高感度化等のために支
持体上に下引き層を設けてもよく、記録画像の保存安定
性向上、サーマルヘッドマッチング性の向上等のために
感熱記録層上に保護層を設けてもよい。
る。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準であ
る。 (実施例1〜3、比較例1〜2) [A液] 3−ブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン 20部 ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部 水 60部 [B液] 4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン 25部 ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部 水 50部 [C液] 炭酸カルシウム 20部 メチルセルロースの5%水溶液 20部 水 60部 上記の混合物をそれぞれサンドミルで分散し、平均粒径
1.0μmになるように調整した。次に、[A液]15
部、[B液]45部、[C液]45部及び、イソブチレ
ン/無水マレイン酸共重合体の20%アルカリ水溶液1
0部を混合攪拌して感熱発色層形成液[D液]とした。 [E液] ポリビニルアルコールの10%水溶液 50部 炭酸カルシウム 2.5部 ステアリン酸亜鉛 0.2部 水 47.3部 上記の混合物をサンドミルで分散し、平均粒径1.0μ
mになるように調整した。次に、[E液]10部にポリ
アミドエピクロルヒドリン共重合物の10%水溶液を2
部混合攪拌して保護層形成液[F液]とした。
[D液]を上質紙上に、塗布乾燥後の染料付着量が0.
5g/m2となるようにして感熱発色層を設けた。
感熱発色層上に塗布乾燥後の全付着量が2g/m2とな
るようにして保護層を設けた。
層形成液を調整し、各感熱発色層/保護層塗布乾燥済み
の支持体の裏面に塗布乾燥後の全付着量が2g/m2に
なるようにしてバック層を設けた。以上のようにして作
製したサンプルをカレンダー掛けし、実施例1〜3及び
比較例1〜4の感熱記録材料を得た。その評価結果を表
2に示す。
る水の転移量測定〕23℃50%RHの環境下で、東洋
精機製ブリストーテスターを用いて、0.5mmのスリ
ット幅のヘッドボックスにマラカイトグリーン0.1%
水溶液40μlを添加し、接触時間1000msに於け
る水の転移量を測定した。
cpa−Aarberg SERIERS 53−1
(水性フレキソインク)を用いて、バック面にウェット
付着量12g/m2になるように塗布し、23℃50%
RHの環境下で1時間放置し乾燥した。 インク乾燥性評価 感熱記録層面と印刷インク塗工面が重なるようにして、
加圧条件9.8N/cm2にて24時間放置した後のイ
ンクの転写状態を目視評価した。 ○:インク転写がない ×:インク転写がある インク結着性評価 印刷インク塗工面にセロハンテープを貼り、180°の
角度で緩やかに剥がしてインクの剥離状態を目視評価し
た。 ○:インク層の剥離がない ×:インク層の剥離がある 精細性評価 シャチハタ性スタンプ台(塗布用)にSicpa−Aa
rberg SERIERS 53−1インクを馴染ま
せ、シャチハタ性柄付ゴム印アルファベット5号を用い
て捺印し、23℃50%RHの環境下で1時間放置後の
ニジミを目視評価した。 ○:インクのニジミがない ×:インクのニジミがある
試験機を用いた表面強さ試験法(JIS P 812
9)にて、タック15標準インキにより評価した。IG
T印刷適性試験機を用い、タック15の標準グレードイ
ンキをインキ練りローラーで8分間練り、インキが均一
となったローラー上に転写ローラーを45秒間接触さ
せ、インキの着肉を行なった。インキ着肉後は加圧34
3N/cm2にて速やかに印刷を行ない評価した。
なように、本発明の感熱記録材料は、接触時間1000
msに於ける水の転移量を10ml/m2以上にするこ
とで、水性フレキソインクを用いた印刷適性に優れた効
果を得ることができるという極めて優れた効果を奏する
ものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 支持体の表面に感熱発色層、他方の面に
バック層を設けた感熱記録材料に於いて、該バック面の
液体吸収性試験方法(J.TAPPI No.51)に
於ける水の転移量が、接触時間1000msのときに1
0ml/m2以上であることを特徴とする感熱記録材
料。 - 【請求項2】 前記バック層は、無機顔料及び水溶性樹
脂を主成分とし、無機顔料100重量部に対する水溶性
樹脂の重量比が20〜50重量部であることを特徴とす
る請求項1に記載の感熱記録材料。 - 【請求項3】 前記バック面の王研式平滑度計(J.T
APPI No.5B)による平滑度が、100s以下
であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱
記録材料。 - 【請求項4】 前記無機顔料の吸油量(JIS K 5
101)が50ml/100g以下であることを特徴と
する請求項1乃至3の何れか1に記載の感熱記録材料。
Priority Applications (1)
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JP2001288636A JP4357143B2 (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 感熱記録材料 |
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