JP2000263922A - 記録シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク受理層面の色合わせの失敗が少ないカラ
ー金属光沢インクジェット記録シートを提供すること。 【解決手段】支持体の一方の面に接着樹脂層、金属箔、
インク受理層を順次積層した金属光沢インクジェット記
録シートにおいて、該インク受理層中に着色顔料または
着色染料を含有させたカラー金属光沢インクジェット記
録シート。さらに、該着色顔料または着色染料がカチオ
ン性であるカラー金属光沢インクジェット記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は記録シートに関する
ものであり、その中でも金属箔に直接記録したような印
象を与える金属光沢感をもった記録面をもつインクジェ
ット記録可能な記録シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があ
り、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装
置として種々の用途において急速に普及している。さら
に、多色インクジェット方式により形成される画像は、
製版方式による多色印刷に比較して遜色のない記録を得
ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用
途においては、安価であることからフルカラー画像記録
分野にまで広く応用されつつある。

【０００３】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。

【０００４】即ち、当該記録シートとしては、印字ドッ
トの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること、インク
の吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもイン
クが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横
方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑ら
かでぼやけないことなどの高い画像再現性が要求され
る。またインクジェット記録に用いられるインクが水溶
性であることからくる画像の耐水性の改良も必要であ
る。

【０００５】しかし、高い画像再現性を追求する方向と
は別にポスターやラベルとしてインクジェット記録シー
トを使用する方向もできつつある。それらで使用される
画像は、ポップアートとか低解像度の写真画像で十分で
ある。むしろ、高精細画像よりはいかに人目を引くかと
言ったアイキャッチ効果に重点が置かれる。

【０００６】アイキャッチ効果を高める手段としては、
大判化、人目を引く彩色化がある。大判化はインクジェ
ットプリンターの大型化やプロッターの使用で実現可能
である。しかし、人目を引く彩色に関しては、印刷でき
る色がインクのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
の組み合わせからなるため、他のインクジェット印刷物
と差別化された色を表現することは従来難しかった。そ
こで、人目を引くように印刷面に光沢感を持たせた用紙
が開発された。光沢感を突き詰めればアルミニウム箔に
代表されるような金属箔にたどり着くが、インクジェッ
ト印字では使用インクが水性のものが多いこと、金属箔
自体に溶媒吸収性がなく、さらに乾燥工程もないためイ
ンクを表面に定着することは不可能であった。

【０００７】そこで、本発明者らは金属箔上にインク受
理層を設けた金属光沢インクジェット記録シートを発明
し、特許出願している。その中には、金属箔上に着色樹
脂層を設け、該着色樹脂層上にインク受理層を設けたカ
ラー金属光沢インクジェット記録シートも含まれてい
る。しかし、該インク受理層も、所望のインクジェット
適性を持つために顔料を含有したり、十分なインク吸収
性を持たせるため、ある程度の塗工量で設けなくてはな
らなかったりするため、必ずしもクリアな塗膜とならな
い。そのため、インク受理層面を所望の色にするために
は、何度も色あわせをしなければならなかったり、色を
合わせるためインク受理層の塗工量が制限され、インク
ジェット適性が犠牲にされることもあった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、インク受理層面の色合わせの失敗
が少ないカラー金属光沢インクジェット記録シートを提
供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明
に至った。

【００１０】すなわち、支持体の一方の面に接着樹脂
層、金属箔、インク受理層を順次積層した金属光沢イン
クジェット記録シートにおいて、該インク受理層中に着
色顔料または着色染料を含有させたカラー金属光沢イン
クジェット記録シートの発明である。

【００１１】さらに、着色顔料または着色染料がカチオ
ン性である上記カラー金属光沢インクジェット記録シー
トの発明である。

【００１２】

【発明の実施の形態】一般にインク受理層には公知の白
色顔料を１種類以上含有させることができる。しかし、
そのため一般的なインク受理層の塗膜の透明性は必ずし
も高くなく、金属箔上に設けられた着色樹脂層上にイン
ク受理層を設けた場合、該インク受理層面の色は該着色
樹脂層を設けた際に確認された色とは一致しなくなる。
そのため、着色樹脂層に含有させる着色染料あるいは着
色顔料の含有量は最終的な色を見越して決定しなければ
ならず、目標とした色を実現することは必ずしも容易で
はなかった。

【００１３】また、ポリビニールアルコール等のインク
吸収性がある樹脂単体で構成されるインク受理層はその
塗膜の透明性が、白色顔料を含有したインク受理層より
高く、着色樹脂層上に設け、目標としたインク受理層面
の色を実現するには、有利であるが、白色顔料を含有し
ているインク受理層に比べインク吸収性およびインク定
着性が劣るため、白色顔料を含有したインク受理層より
多くの塗工量で塗設しなければならなかった。そのた
め、該インク受理層の塗膜の透明性は落ち、表面の色も
目標としたものと異なる可能性が高くなる。そこで、所
望の色に合わせるべく、インク受理層の塗工量を減らす
と、インク吸収性の低下につながり、インクジェット適
性が低下する。

【００１４】そこで、本発明の金属光沢インクジェット
記録シートでは、インク受理層中に着色顔料あるいは着
色染料を含有させることにより上記課題を解決した。着
色顔料あるいは着色染料の含有量は最終的に得たい色に
合わせて適宜決定すればよく、従来の着色層を設け、さ
らにインク受理層を設けてから色を確認するよりは格段
に手間がかからなくなる。

【００１５】さらに本発明のカラー金属光沢インクジェ
ット記録シートでは、着色顔料あるいは着色染料をイン
ク受理層に含有させることにより該記録シートのカール
性が良好になることが判明した。インク受理層と金属箔
の間に着色樹脂層が存在しないためか、あるいはインク
受理層の吸湿性等が着色顔料あるいは着色染料を含有す
ることにより良化したために、この効果が出るのかは定
かではないが、複雑な構成をなしている本発明のカラー
金属光沢インクジェット記録シートでは、このようなわ
ずかな構成の違いが大きな効果となりうると推察する。

【００１６】本発明で用いられる着色顔料あるいは着色
染料は特に制限されず、所望の色を実現できるものであ
ればよい。しかし、用途によっては十分な耐候性を確保
する必要があるため、その際には着色顔料を使用する方
が好ましい。

【００１７】本発明で用いられる着色染料としては、ナ
フトールグリーンＢといったニトロソ染料、ナフトール
エローＳといったニトロ染料、アマランスといったアゾ
染料、クリソオフェニンＧといったスチルベン染料、オ
ーラミンといったジフェニルメタン染料、マラカイトグ
リーンといったトリアリールメタン染料、ローダミンＢ
といったザンセン染料、アクリジンオレンジＲといった
アクリジン染料、キノリンエローといったキノリン染
料、アストラアゾンピンクＦＧといった、メチン染料あ
るいはポリメチン染料、チオフラビンＴといったチアゾ
ール染料、インドフェノールブルーといったインダミン
染料あるいはインドフェノール染料、サフラニンＴとい
ったアジン染料、ガロシアニンといったオキサジン染
料、メチレンブルーといったチアジン染料、サルファア
ーブラックＴといった硫化染料、ヘリンドンエローＣＧ
といったアミノケトン染料、ナフタザリンといったオキ
シケトン染料、アリザリンシアニングリーンＧといった
アントラキノン染料、インジゴといったインジゴイド染
料、ポンタミンファストターコアス８ＧＬといったフタ
ロシアニン染料等が挙げられ、これらから所望の色に合
わせて１種類以上のものを用いることができる。

【００１８】本発明で用いられる着色顔料としては、特
に制限されないが、一般的な天然顔料、合成有機顔料、
合成無機顔料を用いることができる。具体的には、グン
ジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、
鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔料、ア
ゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキ
ノン系、フタロシアニン系その他の有機顔料が挙げられ
る。

【００１９】本発明において用いられる着色顔料あるい
は着色染料はカチオン性であることが好ましい。着色顔
料あるいは着色染料がカチオン性であることにより、特
にインクジェットインクと不溶体を形成することとなり
その耐水性が向上する。従来よりインクジェットインク
の耐水性を向上させるため、カチオン性の高分子がイン
ク受理層に添加されることが一般的に行われてきたが、
着色染料あるいは着色顔料をカチオン性にすることによ
りインクジェットインクの不溶化の際に該インクが濁る
ことが少なくなる。また、一般にカチオン性の高分子を
インク受理層に含有した場合、該インク受理層の透明度
は低下する。そこで、カチオン性の着色顔料あるいは着
色染料をインク受理層に含有させることにより、インク
定着性を維持したままカチオン性の高分子の含有量を減
らすことができ、インク受理層の透明度を向上させるこ
とができる。

【００２０】本発明に用いられるインクジェット記録層
には、着色顔料あるいは着色染料以外に、公知の白色顔
料を１種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カ
ルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミ
ニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダル
アルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マ
グネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、
スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラス
チックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、
尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられ
る。上記の中でも、インクジェット記録層中に主体成分
として含有する白色顔料としては、多孔性無機顔料が好
ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシ
ウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の
大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。これらは、
所望の色を実現することを阻害しない程度に適宜用いら
れる。

【００２１】また、接着剤としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等；スチレ
ン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス；
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体
又は共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体又
は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス；エチレン
酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス；或
いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含
有単量体による官能基変性重合体ラテックス；メラミン
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤；
ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹
脂系接着剤が挙げられ、１種以上で使用される。

【００２２】本発明の支持体に、インク受理層を塗工す
る方法は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エ
アーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコ
ーター、ショートドウェルコーター、サイズプレスなど
の各種装置をオンマシンあるいはオフマシンで用いるこ
とができる。また、塗工後には、マシンカレンダー、Ｔ
Ｇカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー
などのカレンダーを用いて仕上げても良い。

【００２３】本発明に用いられる支持体としては、上質
紙、グラシン紙、キャスト紙、コーテッド紙などの通常
の天然パルプ紙が使用される。これらは白色でも、着色
されていても良い。また、支持体として合成繊維あるい
は合成樹脂フィルムを擬紙化したいわゆる合成紙、繊維
構造体（織布、編布、不織布）、ガラスファイバーシー
トなど無機質シート、合成樹脂フィルム、ガラス、金属
面、板あるいは合板、積層板などでもプリンターで搬送
可能でありインクジェット印刷できる可撓性、折り曲げ
適性などを有する範囲であれば、特に問題なく使用でき
る。これらは着色されていても何等差し支えない。ま
た、接着樹脂の目止めのためにアンカー処理などが施さ
れていても差し支えない。支持体の厚み、透明度、強
度、色については特に限定せずに用いることができる。

【００２４】本発明に用いられる金属箔に用いられる金
属はアルミニウム、金、銀、銅、クロム、インジウム、
錫など特に制限はない。厚みは、特に制限するものでは
ないが、５〜２０μｍ程度が、プリンター搬送性に問題
を起こさず好ましい。また、外側にくる金属箔の面は、
光沢面の方がよりアイキャッチ効果が高く好ましい。

【００２５】特にアルミニウム箔はその取り扱いの容易
さ、表面の安定性より好ましい。

【００２６】本発明で接着樹脂層を構成する接着樹脂と
しては、一般に紙分野で用いられる接着剤あるいは粘着
剤であれば特に制限はなく、用いられる樹脂としては例
えばゴム系接着樹脂、合成ゴム系接着樹脂、変性ゴム系
接着樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂系接着樹脂、ポリウレタ
ン樹脂系接着樹脂、ニトロセルロース系接着樹脂、ポリ
エステル樹脂系接着樹脂、尿素樹脂系接着樹脂、フェノ
ール樹脂系接着樹脂、メラミン樹脂系接着樹脂、レゾル
シノール系接着樹脂、ポリビニルアルコール系接着樹
脂、ケイ酸ソーダ系接着樹脂、エポキシ樹脂系接着樹
脂、シアノアクリル樹脂系接着樹脂、アクリル樹脂系接
着樹脂、シリコーン樹脂系接着樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂系接着樹脂、エチレン・酢酸ビニル系接着樹脂、
ポリアミド樹脂系接着樹脂、脂肪族あるいは芳香族ポリ
ウレタン系接着樹脂、共重合ナイロン系接着樹脂などが
使用されるが、接着強度、耐熱性などからポリウレタン
系接着樹脂が好適に用いられる。接着樹脂の塗布形状も
有機溶剤系、水溶液系、エマルジョン系、無溶剤系、反
応硬化系、あるいはホットメルトタイプであってもさし
つかえない。接着樹脂の硬化方法は自然乾燥、酸化硬
化、加熱硬化、付加重合、縮合重合、加熱乾燥、２液硬
化、あるいは放射線硬化であってもさしつかえない。

【００２７】また、溶融押し出ししたポリエチレンやポ
リプロピレンなどの熱可塑性樹脂を接着樹脂としても良
い。熱可塑性樹脂を接着樹脂層に用いることによりアル
ミ箔表面に支持体の地合等表面形状の影響がでにくくな
り、よりいっそうの光沢感を得ることができる。

【００２８】

【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例、及び比較例において「部」及び「％」は、
特に明示しない限り重量部及び重量％を示す。なお、実
施例、及び比較例ではインク受理層面の色の目標を金色
とした。

【００２９】実施例１ 支持体として坪量３０ｇ/ｍ²の上質紙を用意し、溶融押
し出しダイにより接着樹脂として低密度ポリエチレンを
厚み１５μｍでラミネートを行うと同時に金属箔として
厚さ７μｍのアルミニウム箔を圧着して接着し、金属箔
貼合せ紙を得た。次に、インク受理層組成物として、ポ
リビニルアルコール（ＰＶＡ１１７、クラレ製）１００
部、着色顔料としての非イオン性着色顔料（ＴＢ−５０
０ Ｏｒａｎｇｅ Ｒ、大日精化工業製）４０部、カチ
オン性染料定着剤（スミレーズレジン１００１，住友化
学工業製）１０部を用い、これを調液し、固形分濃度１
０％とした。これを先に作製した金属箔貼合せ紙の金属
面にバーコーターで乾燥塗工量１０ｇ/ｍ²となるように
塗工し、乾燥してインク受理層を形成して本発明のカラ
ー金属光沢インクジェット記録シートを得た。

【００３０】実施例２ インク受理層の乾燥塗工量を２０ｇ/ｍ²とした以外は実
施例１と同様にして本発明のカラー金属光沢インクジェ
ット記録シートを得た。

【００３１】実施例３ インク受理層組成物を、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ
１１７、クラレ製）１００部、着色顔料としてのカチオ
ン性着色顔料（Ｃａｒｔａｓｏｌ Ｏｒａｎｇｅ Ｋ−
３ＧＬ、クラリアントジャパン製）４０部を調液し、固
形分濃度を１０％とした以外は、実施例１と同様にして
本発明のカラー金属光沢インクジェット記録シートを得
た。

【００３２】実施例４ インク受理層組成物を、合成非晶質シリカ（Ｎｉｐｓｉ
ｌ ＲＳ１５０：日本シリカ工業製）２０部、ポリビニ
ルアルコール（ＰＶＡ１１７、クラレ製）１００部、着
色顔料としての非イオン性着色顔料（ＴＢ−５００ Ｏ
ｒａｎｇｅ Ｒ、大日精化工業製）４０部、カチオン性
染料定着剤（スミレーズレジン１００１，住友化学工業
製）１０部に変更し、インク受理層の乾燥塗工量を１５
ｇ/ｍ²に変更した以外は実施例１と同様にして本発明の
カラー金属光沢インクジェット記録シートを得た。

【００３３】比較例１ 実施例１で作製した金属箔貼合せ紙の金属箔面に黄色顔
料（ＬＩＯＰＡＣ ＯＲＡＮＧＥ ＳＲ、東洋インキ製
造製）２０部、アクリル共重合樹脂（モビニール７３
５、ヘキスト合成製）８０部からなる着色層を、バーコ
ーターで乾燥塗布量が１０ｇ/ｍ²となるように塗設した
後、該着色層上に実施例１と同様にしてインク受理層を
設け、カラー金属光沢インクジェット記録シートを得
た。

【００３４】比較例２ インク受理層面の色をより金色に近づけるため、比較例
１においてインク受理層の乾燥塗工量を５ｇ/ｍ²に変更
して比較例２とした。

【００３５】〈試験方法〉 １）インク受理層面の色 インク受理層面の色を目視で判定した。なお、実施例お
よび比較例では金色のインク受理層面を目標とした。

【００３６】２）インク吸収性 実施例、及び比較例で作製したサンプルをＡ４判に断裁
後、インクジェットプリンター（ＤｅｓｋＪｅｔ７２０
Ｃ、ヒューレットパッカード製）でブラック、シアン、
マゼンタ、イエローの各色１００％からなるベタ印字を
行い、印字が終了してから１分後にＰＰＣ用紙を印字部
に押しつけ吸収しきれていないインクを転写する。転写
されたインク量を目視で確認した。ＰＰＣ用紙に全くイ
ンクが転写されていないものをインク吸収性が優、わず
かにインクが転写されているものをインク吸収性が並、
明らかにインクが吸収されているものをインク吸収性が
劣と判定した。

【００３７】３）カール性 インクジェットプリンター（ＰＭ−５０００Ｃ、エプソ
ン製）を用いて、Ａ３判に断裁した実施例および比較例
で作製したサンプルを２０℃・６５％ＲＨの環境下で印
字する。印字後のサンプルを２０℃・６５％ＲＨの環境
下で平らな台の上に置き、２４時間経過したときの角の
持ち上がり高さを測定する。測定時、一方の短辺を台に
接するようにし、他方の辺の角の持ち上がり高さを定規
で測定する。持ち上がり高さが５ｍｍ以下であればカー
ル性が良好と判断する。

【００３８】

【表１】

【００３９】評価：表より明らかなように本発明のカラ
ー金属光沢インクジェット記録シートはインク吸収性を
損なうことなくインク受理層面の色を目標とする色にす
ることができ、さらに良好なカール性を実現することが
できる。しかし、比較例１，２のように着色層を設けて
インク受理層面の色を目標とする色にするには、インク
受理層の乾燥塗工量を調節するため、インク吸収性が犠
牲になってしまう。また、カール性も本発明のカラー金
属光沢インクジェット記録シートと比べると一段劣る結
果となっている。

【００４０】

【発明の効果】本発明のカラー金属光沢インクジェット
記録シートは、インク受理層面の色合わせの際の失敗が
少なく、カール性が良好となり有効である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持体の一方の面に接着樹脂層、金属
   箔、インク受理層を順次積層した金属光沢インクジェッ
   ト記録シートにおいて、該インク受理層中に着色顔料ま
   たは着色染料を含有させたことを特徴とするカラー金属
   光沢インクジェット記録シート。
2. 【請求項２】 該着色顔料または着色染料がカチオン性
   であることを特徴とする請求項１記載のカラー金属光沢
   インクジェット記録シート。