JP4357143B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関し、更に詳しくは、裏面に優れた水性フレキソ印刷加工適性を有する感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録材料は、比較的安価に得られ、また比較的簡単な装置で記録画像を得ることができ、更に保守が容易で騒音も少ないなどの利点から、ファクシミリ、POSラベルプリンター、券売機等の記録材料として広く利用されている。また、近年では記録画像の耐性についても様々な改良が施されてきたことで、イベント入場券、公営ギャンブル投票券等のチケット用途に使われてきている。これらのチケットでは裏面にロゴ印刷、或いは紙厚の厚いチケットでは裏面にマークシートを具えた印刷が施され、これらの印刷にはその環境性及び、利便性の点から水性インクを用いたフレキソ印刷プロセスを用いた加工が行なわれている。しかしながら、感熱記録材料の製造工程に於けるカールコントロール、或いはバック面のバリア性を得るためにバック層を設けていることが一般的であるが、これらは水性インクを用いたフレキソ印刷プロセスに対しては、水性インクの浸み込みを妨げ、インクの浸透乾燥性を低下させることでインクの結着性不良を招いている。
【0003】
このようなことから、印刷適性を改良するための方法として、例えば、特開平10−272846号公報では、粘着シートの剥離紙に於いて、特定の酸化重合型インクの印刷性を向上するため、インク受容層として無機顔料と熱可塑性樹脂とを組合せ、平滑度を300〜1500sとすることを提案しているが、水性インクを用いたフレキソ印刷プロセスに於けるインクの浸み込み性が充分得られないため、インクの浸透乾燥性が低下し、インクの結着性を満足するに至らない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、特に裏面への水性インクを用いたフレキソ印刷プロセスに於ける印刷加工適性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、感熱記録材料のバック面に対する水性インクを用いたフレキソ印刷適性、特にインクの乾燥性及び、インクの結着性に優れた感熱記録材料を得るために鋭意検討を重ねてきた。その結果、水性インクを用いたフレキソ印刷プロセスに於ける乾燥工程は基材への浸み込みによる浸透乾燥を促進させることが重要であり、且つ、浸透性を上げることでアンカー効果が得られ、その結果インクの結着性が向上する。即ち、被印刷面のインク浸透性を調整することが重要であることを見出した。
【0006】
即ち、本発明によれば、支持体の表面に感熱発色層、他方の面にバック層を設けた感熱記録材料であって、前記バック層は、無機顔料及び水溶性樹脂を主成分とし、該水溶性樹脂は該無機顔料100重量部に対する重量比が20〜50重量部であり、カルボキシル基ポリビニルアルコール及びポリアミドエピクロルヒドリン共重合物からなるものであり、前記無機顔料は、吸油量(JIS K 5101)が50ml/100g以下であるものであり、バック面は、液体吸収性試験方法(J.TAPPI No.51)に於ける水の転移量が、接触時間1000msのときに10ml/m2以上であり、かつ、王研式平滑度計(J.TAPPI No.5B)による平滑度が、100s以下であることを特徴とする感熱記録材料が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料の特徴は、支持体の表面に感熱発色層、他方の面にバック層を設け、且つ、該バック面の液体吸収試験方法(J.TAPPI No.51)に於ける水の転移量が、接触時間1000msのときに10ml/m2以上であることである。因みに、接触時間1000msに於ける水の転移量が10ml/m2未満になると、水性フレキソインクの被印刷面への浸透性が不充分となり、乾燥不良を引き起こすと共に、アンカー効果が得られないため、インクの結着性が著しく損なわれる。更に、被印刷面へのインクの転写量が低下することで、印刷版にインクが残ってしまうため、版汚れ現象となって印刷品質を損なう結果となる。
【0008】
本発明の特定要件を満たすための方法として、バック層を無機顔料及び、水溶性樹脂を主成分に構成し、その配合比として、無機顔料100重量部に対し、水溶性樹脂を20〜50重量部の範囲で用いることが好ましく、水溶性樹脂が20重量部より少ないと水の転移量は満足するものの、支持体とバック層との結着性が低下し、印刷時にバック層自身の層剥れを招き、版汚れを引き起こすことで印刷品質として満足するものではない。また、50重量部を越えると、バック層自身の成膜性が上がり過ぎるため、水の転移量が10ml/m2未満となって、本発明の特定要件を満たすことができない。また、バック面の王研式平滑度計(J.TAPPI No.5B)による平滑度を100s以下にすることが好ましく、100sを越えるとインクの浸み込み性を低下させる傾向があり、それによってアンカー効果が低下させ、インクの結着性が低下する。また、バック層に用いる無機顔料の吸油量(JIS K 5101)は50ml/100g以下であることが好ましく、50ml/100gを越えるとインクの浸み込み性自身は満足するものの、無機顔料の吸油性が上がることで、インクが転写された際にニジミ現象を起こし精細性が低下するため、印刷品質を損なう結果となる。
【0009】
本発明に於いて、バック層に用いる無機顔料としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、カオリン、タルク等が挙げられる。
また、バック層に用いる水溶性樹脂としては、セルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ポリエチレンイミン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体及びその誘導体等が挙げられる。
本発明のバック層構成素材は、上記の無機顔料、水溶性樹脂の他に、必要に応じて滑剤、架橋剤、消泡剤、界面活性剤等を含有することができる。
【0010】
本発明において、支持体上に設ける感熱記録層は特に限定するものではなく、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの熱時反応して呈色するジアゾタイプの感熱記録層、電子供与性の無色のロイコ染料と電子受容性の顕色剤との熱時反応して呈色するロイコタイプの感熱記録層、没食子酸誘導体と高級脂肪酸金属塩との熱時反応して呈色するキレートタイプの感熱記録層等が挙げられるが、発色感度、濃度及び製造コスト等を考慮すると、ロイコタイプの感熱記録層が有効である。更に、本発明では、感熱記録層の均一化、高感度化等のために支持体上に下引き層を設けてもよく、記録画像の保存安定性向上、サーマルヘッドマッチング性の向上等のために感熱記録層上に保護層を設けてもよい。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
[A液]
3−ブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
水 60部
[B液]
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン 25部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部
水 50部
[C液]
炭酸カルシウム 20部
メチルセルロースの5%水溶液 20部
水 60部
上記の混合物をそれぞれサンドミルで分散し、平均粒径1.0μmになるように調整した。
次に、[A液]15部、[B液]45部、[C液]45部及び、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体の20%アルカリ水溶液10部を混合攪拌して感熱発色層形成液[D液]とした。
[E液]
ポリビニルアルコールの10%水溶液 50部
炭酸カルシウム 2.5部
ステアリン酸亜鉛 0.2部
水 47.3部
上記の混合物をサンドミルで分散し、平均粒径1.0μmになるように調整した。
次に、[E液]10部にポリアミドエピクロルヒドリン共重合物の10%水溶液を2部混合攪拌して保護層形成液[F液]とした。
【0012】
[感熱発色層の形成]
感熱発色層形成液[D液]を上質紙上に、塗布乾燥後の染料付着量が0.5g/m2となるようにして感熱発色層を設けた。
【0013】
[保護層の形成]
保護層形成液[F液]を感熱発色層上に塗布乾燥後の全付着量が2g/m2となるようにして保護層を設けた。
【0014】
[バック層形成]
表1に示すようにバック層形成液を調整し、各感熱発色層/保護層塗布乾燥済みの支持体の裏面に塗布乾燥後の全付着量が2g/m2になるようにしてバック層を設けた。
以上のようにして作製したサンプルをカレンダー掛けし、実施例1〜3及び比較例1〜4の感熱記録材料を得た。その評価結果を表2に示す。
【0015】
〔バック面の接触時間1000msに於ける水の転移量測定〕
23℃50%RHの環境下で、東洋精機製ブリストーテスターを用いて、0.5mmのスリット幅のヘッドボックスにマラカイトグリーン0.1%水溶液40μlを添加し、接触時間1000msに於ける水の転移量を測定した。
【0016】
〔水性フレキソインク印刷適性評価〕
Sicpa−Aarberg SERIERS 53−1(水性フレキソインク)を用いて、バック面にウェット付着量12g/m2になるように塗布し、23℃50%RHの環境下で1時間放置し乾燥した。
▲1▼インク乾燥性評価
感熱記録層面と印刷インク塗工面が重なるようにして、加圧条件9.8N/cm2にて24時間放置した後のインクの転写状態を目視評価した。
○:インク転写がない
×:インク転写がある
▲2▼インク結着性評価
印刷インク塗工面にセロハンテープを貼り、180°の角度で緩やかに剥がしてインクの剥離状態を目視評価した。
○:インク層の剥離がない
×:インク層の剥離がある
▲3▼精細性評価
シャチハタ性スタンプ台(塗布用)にSicpa−Aarberg SERIERS 53−1インクを馴染ませ、シャチハタ性柄付ゴム印アルファベット5号を用いて捺印し、23℃50%RHの環境下で1時間放置後のニジミを目視評価した。
○:インクのニジミがない
×:インクのニジミがある
【0017】
〔バック層ピッキング性評価〕
IGT印刷試験機を用いた表面強さ試験法(JIS P 8129)にて、タック15標準インキにより評価した。IGT印刷適性試験機を用い、タック15の標準グレードインキをインキ練りローラーで8分間練り、インキが均一となったローラー上に転写ローラーを45秒間接触させ、インキの着肉を行なった。インキ着肉後は加圧343N/cm2にて速やかに印刷を行ない評価した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の感熱記録材料は、接触時間1000msに於ける水の転移量を10ml/m2以上にすることで、水性フレキソインクを用いた印刷適性に優れた効果を得ることができるという極めて優れた効果を奏するものである。
Claims (1)
- 支持体の表面に感熱発色層、他方の面にバック層を設けた感熱記録材料であって、前記バック層は、無機顔料及び水溶性樹脂を主成分とし、該水溶性樹脂は該無機顔料100重量部に対する重量比が20〜50重量部であり、カルボキシル基ポリビニルアルコール及びポリアミドエピクロルヒドリン共重合物からなるものであり、前記無機顔料は、吸油量(JIS K 5101)が50ml/100g以下であるものであり、バック面は、液体吸収性試験方法(J.TAPPI No.51)に於ける水の転移量が、接触時間1000msのときに10ml/m2以上であり、かつ、王研式平滑度計(J.TAPPI No.5B)による平滑度が、100s以下であることを特徴とする感熱記録材料。
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